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特開2023-173482圧接型電気コネクタ及びその製造方法、並びに電子機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173482
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】圧接型電気コネクタ及びその製造方法、並びに電子機器
(51)【国際特許分類】
   H01R 11/01 20060101AFI20231130BHJP
   H01R 43/00 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
H01R11/01 501J
H01R11/01 501G
H01R43/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022085769
(22)【出願日】2022-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000190116
【氏名又は名称】信越ポリマー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【弁理士】
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100152146
【弁理士】
【氏名又は名称】伏見 俊介
(72)【発明者】
【氏名】清水 康弘
【テーマコード(参考)】
5E051
【Fターム(参考)】
5E051CA04
(57)【要約】
【課題】圧接する電子部品の電極端子の位置を誘導することが可能な圧接型電気コネクタと、この圧接型電気コネクタを備えた電子機器と、この圧接型電気コネクタの製造方法とを提供する。
【解決手段】絶縁性発泡エラストマーによって形成された柱状基体(2)と、前記柱状基体の側面の一部を被覆する絶縁性ゴムシート(3)と、前記絶縁性ゴムシートの表面に、前記柱状基体の高さZ方向と交差する向きで任意のピッチで並べられた複数の導電細線(4)と、を備え、前記柱状基体の形状は、四角柱の側辺の一つを面取りしてテーパー面(2W)を設けた形状であり、前記絶縁性ゴムシートは、少なくとも前記テーパー面を被覆している、圧接型電気コネクタ(1)。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁性発泡エラストマーによって形成された柱状基体と、
前記柱状基体の側面の一部を被覆する絶縁性ゴムシートと、
前記絶縁性ゴムシートの表面に、前記柱状基体の高さ方向と交差する向きで任意のピッチで並べられた複数の導電細線と、を備え、
前記柱状基体の形状は、四角柱の側辺の一つを面取りしてテーパー面を設けた形状であり、前記絶縁性ゴムシートは少なくとも前記テーパー面を被覆している、圧接型電気コネクタ。
【請求項2】
前記柱状基体が有する複数の側面のうち、最大の側面は露出面とされ、前記露出面には溝状の凹部が設けられ、前記柱状基体の上底面及び下底面の少なくとも一方の輪郭において、前記凹部に対応する切り欠きが形成されている、請求項1に記載の圧接型電気コネクタ。
【請求項3】
前記導電細線が真鍮線又は銀線である、請求項1に記載の圧接型電気コネクタ。
【請求項4】
請求項1~3の何れか一項に記載の圧接型電気コネクタを備えた電子機器であり、
前記テーパー面に向けて電極端子を圧接することにより、前記テーパー面を被覆する前記絶縁性ゴムシートの表面に備えられた前記導電細線と前記電極端子とが導通するように形成された、電子機器。
【請求項5】
請求項1~3の何れか一項に記載の圧接型電気コネクタの製造方法であって、
絶縁性ゴムシートの表面に複数の導電細線が互いに平行に任意のピッチで配置された中間ゴムシートを準備し、
成形用下型の成形空間の底面に向けて前記中間ゴムシートの前記表面を下向きとして設置し、前記中間ゴムシートの裏面を押し込み型によって押し込むことにより、前記中間ゴムシートを前記底面に沿わせ、
前記中間ゴムシートの前記裏面にエラストマー材料を設置し、前記成形用下型に成形用上型を型締めして、前記エラストマー材料を発泡及び硬化させることにより、前記柱状基体を形成することを含み、
前記成形空間の前記底面に、前記テーパー面に対応する斜面が設けられている、
圧接型電気コネクタの製造方法。
【請求項6】
請求項1~3の何れか一項に記載の圧接型電気コネクタの製造方法であって、
絶縁性ゴムシートの表面に複数の導電細線が互いに平行に任意のピッチで配置された中間ゴムシートを準備し、
前記中間ゴムシートの裏面を成形用曲げ型に対して押し付けることにより、前記中間ゴムシートに裏面側に反る曲げ癖を付け、
成形用下型の成形空間の底面に向けて前記中間ゴムシートの前記表面を下向きとして設置し、前記中間ゴムシートを前記底面に沿わせ、
前記中間ゴムシートの前記裏面にエラストマー材料を設置し、前記成形用下型に成形用上型を型締めして、前記エラストマー材料を発泡及び硬化させることにより、前記柱状基体を形成することを含み、
前記成形空間の前記底面に、前記テーパー面に対応する斜面が設けられている、
圧接型電気コネクタの製造方法。
【請求項7】
前記成形用上型の前記エラストマー材料に対向する面に凸部が形成されており、
前記凸部によって、前記柱状基体の前記成形用上型側の表面に凹部を形成することを含む、請求項5に記載の圧接型電気コネクタの製造方法。
【請求項8】
前記成形用上型の前記エラストマー材料に対向する面に凸部が形成されており、
前記凸部によって、前記柱状基体の前記成形用上型側の表面に凹部を形成することを含む、請求項6に記載の圧接型電気コネクタの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁性発泡エラストマーを有する圧接型電気コネクタ及びその製造方法、並びに電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子回路基板間を接続するために圧接型の電気コネクタが使用されている。特許文献1に開示された電気コネクタは、断面略U字形の柱状に形成される絶縁性発泡エラストマーと、この絶縁性発泡エラストマーの周面の一部を被覆する断面略U字形の絶縁性ゴムシートと、この絶縁性ゴムシートの表面に略U字形に設けられ、上記絶縁性発泡エラストマーの一端面方向から他端面方向に略等ピッチで並べられる複数の導電細線とを含み、該絶縁性発泡エラストマーの両端面をそれぞれ絶縁性の露出面に形成し、該絶縁性発泡エラストマーの周面の残部に高硬度で絶縁性の保護ゴムシートを露出状態に設けたことを特徴としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3318278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の圧接型電気コネクタの主な用途は、筐体やホルダー部材によって固定された2つの電子部品(電子回路基板等)の間を接続することであったので、それらの電子部品の近傍に圧接型電気コネクタを固定していた。この場合、電子部品の電極端子と圧接型電気コネクタの導電細線との相対的な位置決めは、これらを固定する筐体やホルダー部材が担っていた。ところが、圧接型電気コネクタに求められる用途は近年拡がっており、一方の電子部品は筐体やホルダーに固定されているが、他方の電子部品は着脱可能とされている電子機器において、これら2つの電子部品を、圧接型電気コネクタを用いて接続する要求がある。
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されているような従来の圧接型電気コネクタには、接続した電極端子の位置ずれを抑制するような構造的な機構がなかった。また、着脱する電極端子の位置ずれを抑制可能な従来の板ばねを使用した場合には、接続に要する負荷が大きいため、着脱する電極端子の表面のメッキが剥がれる等の損傷が生じる問題があった。
【0006】
本発明は、圧接する電子部品の電極端子の位置を誘導することが可能な圧接型電気コネクタと、この圧接型電気コネクタを備えた電子機器と、この圧接型電気コネクタの製造方法とを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1] 絶縁性発泡エラストマーによって形成された柱状基体と、前記柱状基体の側面の一部を被覆する絶縁性ゴムシートと、前記絶縁性ゴムシートの表面に、前記柱状基体の高さ方向と交差する向きで任意のピッチで並べられた複数の導電細線と、を備え、前記柱状基体の形状は、四角柱の側辺の一つを面取りしてテーパー面を設けた形状であり、前記絶縁性ゴムシートは少なくとも前記テーパー面を被覆している、圧接型電気コネクタ。
[2] 前記柱状基体が有する複数の側面のうち、最大の側面は露出面とされ、前記露出面には溝状の凹部が設けられ、前記柱状基体の上底面及び下底面の少なくとも一方の輪郭において、前記凹部に対応する切り欠きが形成されている、[1]に記載の圧接型電気コネクタ。
[3] 前記導電細線が真鍮線又は銀線である、[1]又は[2]に記載の圧接型電気コネクタ。
[4] [1]~[3]の何れか一項に記載の圧接型電気コネクタを備えた電子機器であり、前記テーパー面に向けて電極端子を圧接することにより、前記テーパー面を被覆する前記絶縁性ゴムシートの表面に備えられた前記導電細線と前記電極端子とが導通するように形成された、電子機器。
[5] [1]~[3]の何れか一項に記載の圧接型電気コネクタの製造方法であって、
絶縁性ゴムシートの表面に複数の導電細線が互いに平行に任意のピッチで配置された中間ゴムシートを準備し、成形用下型の成形空間の底面に向けて前記中間ゴムシートの前記表面を下向きとして設置し、前記中間ゴムシートの裏面を押し込み型によって押し込むことにより、前記中間ゴムシートを前記底面に沿わせ、前記中間ゴムシートの前記裏面にエラストマー材料を設置し、前記成形用下型に成形用上型を型締めして、前記エラストマー材料を発泡及び硬化させることにより、前記柱状基体を形成することを含み、前記成形空間の前記底面に、前記テーパー面に対応する斜面が設けられている、圧接型電気コネクタの製造方法。
[6] [1]~[3]の何れか一項に記載の圧接型電気コネクタの製造方法であって、
絶縁性ゴムシートの表面に複数の導電細線が互いに平行に任意のピッチで配置された中間ゴムシートを準備し、前記中間ゴムシートの裏面を成形用曲げ型に対して押し付けることにより、前記中間ゴムシートに裏面側に反る曲げ癖を付け、成形用下型の成形空間の底面に向けて前記中間ゴムシートの前記表面を下向きとして設置し、前記中間ゴムシートを前記底面に沿わせ、前記中間ゴムシートの前記裏面にエラストマー材料を設置し、前記成形用下型に成形用上型を型締めして、前記エラストマー材料を発泡及び硬化させることにより、前記柱状基体を形成することを含み、前記成形空間の前記底面に、前記テーパー面に対応する斜面が設けられている、圧接型電気コネクタの製造方法。
[7] 前記成形用上型の前記エラストマー材料に対向する面に凸部が形成されており、前記凸部によって、前記柱状基体の前記成形用上型側の表面に凹部を形成することを含む、[5]に記載の圧接型電気コネクタの製造方法。
[8] 前記成形用上型の前記エラストマー材料に対向する面に凸部が形成されており、前記凸部によって、前記柱状基体の前記成形用上型側の表面に凹部を形成することを含む、[6]に記載の圧接型電気コネクタの製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明の圧接型電気コネクタにあっては、圧接された電子部品の電極端子の位置を、導電細線が配置されたテーパー面に沿って誘導することができる。すなわち、電子機器の筐体やホルダー部材に固定された圧接型電気コネクタに対して電子部品の電極端子を圧接すると、テーパー面の先端から根元に向けて電極端子が誘導される。テーパー面の根元に筐体やホルダーに由来する当接部材が備えられていれば、当接部とテーパー面の根元の間で電極端子を固定し、その位置ずれを抑制することができる。この際、圧接型電気コネクタが有する絶縁性発泡エラストマーが柔らかな弾性材として機能するので、電極端子の表面を損傷することが防止されている。
本発明に係る製造方法によれば、上記の優れた圧接型電気コネクタを容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一例である圧接型電気コネクタ1の斜視図である。
図2】圧接型電気コネクタ1の上底面2pの輪郭を示す平面図である。図中の破線は、輪郭が矩形に近似できることを示す仮想線である。
図3】圧接型電気コネクタ1の上底面2pの輪郭を示す平面図である。輪郭を複数の辺に分解して理解できることを示している。
図4】圧接型電気コネクタ1の変形例の上底面2pの輪郭を示す平面図である。
図5】圧接型電気コネクタ1に電極端子Eを当接させる様子を示す概念図である。
図6】圧接型電気コネクタ1のテーパー面2Wに電極端子Eを圧接し、他の部材100との間に保持した様子を示す概念図である。
図7】圧接型電気コネクタの製造方法の一工程を説明する断面図である。
図8】圧接型電気コネクタの製造方法の一工程を説明する断面図である。
図9】圧接型電気コネクタの製造方法の一工程を説明する断面図である。
図10】圧接型電気コネクタの製造方法の一工程を説明する断面図である。
図11】実施例1で製造した圧接型電気コネクタの上底面を撮影した写真である。
図12】実施例2で製造した圧接型電気コネクタの上底面を撮影した写真である。
図13】実施例1,2で製造した圧接型電気コネクタの圧縮荷重特性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
≪圧接型電気コネクタ≫
本発明の第一態様は、絶縁性発泡エラストマーによって形成された柱状基体と、前記柱状基体の側面(周面)の一部を被覆する絶縁性ゴムシートと、前記絶縁性ゴムシートの表面に、前記柱状基体の高さ方向と交差する向きで任意のピッチで並べられた複数の導電細線と、を備える圧接型電気コネクタである。
以下、本態様の実施形態例を図示しながら詳細に説明する。なお、図中の各部材の寸法や面積は説明の便宜のために実際とは異なる場合がある。
【0011】
図1に例示する圧接型電気コネクタ1は、絶縁性発泡エラストマーが柱状に形成されてなる柱状基体2と、柱状基体2の側面の一部を巻回するように被覆する絶縁性ゴムシート3と、絶縁性ゴムシート3の表面に、任意のピッチで略平行に並べられた複数の導電細線4とを含む。各導電細線4の長さ方向は、柱状基体2の高さ方向(Z方向)と交差する向きに揃っている。つまり、導電細線4は柱状基体2の上底面(一端面)2pから下底面(他端面)2qへ向けて略等ピッチで並べられている。
【0012】
柱状基体2の形状は、四角柱の側辺の一つ(第一側面2Hと第四側面2Kの境界をなす側辺)を面取りしてテーパー面2Wを設けた形状である。テーパー面2Wは第四側面2Kから第一側面2Hへ向かって傾斜していればよく、平坦面であってもよいし、湾曲面であってもよい。
【0013】
前記四角柱は、対向する略平行な側面の2組(第一側面2Hと第三側面2Jの組、及び第二側面2Iと第四側面2Kの組)と、上底面2p及び下底面2qを有する。前記四角柱の上底面2p及び下底面2qは矩形であることが好ましい。また前記四角柱は直方体であることが好ましい。
【0014】
柱状基体2が有する第一~第四側面のうち、第一側面2Hの面積が最も小さく、第一側面2Hに対向する第三側面2Jの面積が二番目に小さく、第四側面2Kの面積が三番目に小さく、第二側面2Iの面積が最も大きい。テーパー面2Wの面積は、第一側面2Hよりも大きく、第四側面2Kの面積よりも小さく、第三側面2Jとほぼ同等である。
上記の大小関係に基づき、圧接型電気コネクタ1及び柱状基体2をX方向に見て、第一側面2H側を先端側、第三側面2J側を後端側とする。
【0015】
柱状基体2の上底面2pの平面視の輪郭の形状は、図2に破線で示されるように略矩形を基礎とし、前記略矩形の一方の長辺2sの一方の端に位置する第一の角部2vが切り落とされて、テーパー2wが付けられた形状である。
【0016】
換言すれば、上底面2pの平面視の輪郭形状は、図3に示すように、第一の辺2h、第二の辺2i、第三の辺2j、第四の辺2k及び第五の辺2lを有し、これらは一筆書き可能な順に配置され、各辺の端同士が連結されている。また、第一の辺2hと第三の辺2jは互いに対向し、略平行とされ、かつ、第一の辺2hは第三の辺2jよりも短い。第二の辺2iと第四の辺2kは互いに対向し、略平行とされ、かつ、第二の辺2iは第四の辺2kよりも長い。さらに、第四の辺2kの端と第一の辺2hの端をつなぐ第五の辺2lは、他の四辺のいずれとも非平行であり、第一の辺2h及び第四の辺2kに対してそれぞれ30~60°程度で斜めに交差し、テーパー2wを形成している。
【0017】
上底面2pの平面視の輪郭形状は、前記略矩形の長辺(一方の長辺2sでもよいし、他方の長辺でもよい。)を二等分する垂線を基準として非対称である。すなわち、前記輪郭形状は、第二の辺2iを二等分する垂線を基準として非対称であり、第三の辺2jを二等分する垂線を基準としても非対称である。また、残りの他の3辺についても同様に、二等分する垂線を基準として非対称である。
【0018】
柱状基体2は発泡エラストマー製であるため弾性を有し、多少の変形が自然に生じ得るので、上記の説明で用いた「四角柱」、「矩形」、「辺」等の用語の意味として、幾何学に基づいた定義を厳密に適用する必要はない。例えば、いずれかの辺が直線ではなく多少湾曲した曲線であったり、四角柱や矩形の角が少し丸まっていたり、矩形の角部が多少反り上がったりしていても構わない。
【0019】
本実施形態では、図3に示す上底面2pの平面視の輪郭形状において、テーパー2wを設けた影響により、第一の辺2hと第二の辺2iが連結してなる角部2uが、第四の辺2kから離れる方向に反り上がる傾向がある。このため、上底面2pの平面視の輪郭形状において、先端側の角部2uが、テーパー2wの後端側の端(第五の辺2lと第四の辺2kの連結した屈曲点)を基点として反り上がっていてもよい。このように反り上がっていると、接続する電極端子の誘導がより容易になることがある。
【0020】
本実施形態の上底面2pの平面視の輪郭形状は、圧接型電気コネクタ1の奥行方向(図1のZ方向)に続いており、Z方向を任意の箇所で横切るX-Y断面の輪郭形状は上底面2pの輪郭形状と基本的には同じであり、上底面2pの反対側の下底面2qの平面視の輪郭形状も一端面2pと同じである。
【0021】
圧接型電気コネクタ1の全体形状は、導電細線4が列設された側面の形状に着目すると、雪上を滑走するソリ型又は舟型と見ることができる。
【0022】
柱状基体2の上底面2p及び下底面2qは、他の部材に被覆されずに露出しており、絶縁性とされている。
【0023】
柱状基体2は、第一の辺2hからZ方向に延びる第一側面2Hと、第二の辺2iからZ方向に延びる第二側面2Iと、第三の辺2jからZ方向に延びる第三側面2Jと、第四の辺2kからZ方向に延びる第四側面2Kと、第五の辺2lからZ方向に延びる第五側面(テーパー面2W)を有する。これら側面のうち、最大面積を有する第二側面2Iは、他の部材に被覆されずに露出しており、絶縁性とされている。一方、残りの側面は一続きの絶縁性ゴムシート3によって被覆されている。
【0024】
絶縁性ゴムシート3は、柱状基体2が有する側面のうち、最大面積の第二側面2Iを除く他の側面を被覆している。つまり、先端側の第一側面2Hから順に、テーパー面2W、第四側面2K、後端側の第三側面2Jまで、一枚の絶縁性ゴムシート3が一続きに被覆している。絶縁性ゴムシート3の裏面は柱状基体2に接着しており、その反対の表面には複数の導電細線4が略等ピッチで平行に列設されている。各導電細線は第一側面2Hの端から、テーパー面2W及び第四側面2Kを通って、第三側面2Jの端まで延材している。また、各導電細線の両端はそれぞれ第一側面2Hと第二側面2Iの境界、及び、第三側面2Jと第二側面2Iの境界に位置している。
【0025】
導電細線4同士のピッチは略等ピッチであることが好ましく、そのピッチは、例えば10μm~200μm程度とすることができる。また、列設する導電細線の本数は特に制限されず、例えば5~100本程度とすることができる。また、各導電細線の太さ(直径)は、同じであってもよく、異なっていてもよく、それぞれ独立に、例えば3~500μm程度とすることができる。各導電細線の太さは、各導線細線の一部が絶縁性ゴムシート3の表面に埋設されて固定され得る太さであることが好ましい。
【0026】
導電細線4は金属細線であることが好ましい。金属細線の金属の種類は特に制限されず、銀、真鍮、金、金合金、白金、銅、アルミニウム、アルミニウム-ケイ素合金、洋白、リン青銅、ベリリウム銅、ニッケル、モリブテン、タングステン、ステンレス等が挙げられる。金属細線の表面にはめっき加工が施されていてもよい。
【0027】
導電細線4が列設される絶縁性ゴムシート3の奥行Z方向の長さ(柱状基体2の高さに相当)は特に制限されず、用途に応じて適宜設定され、例えば5mm~100mm程度が挙げられる。
【0028】
絶縁性ゴムシート3の厚さは特に制限されず、例えば50~200μm程度が挙げられる。50μm以上であると絶縁性ゴムシート3の表面に導電細線4を埋設しやすく、200μm以下であると柱状基体2の側面の形状に沿わせて密着させやすい。
【0029】
絶縁性ゴムシート3を構成するゴム材料としては、例えばクロロプレンゴム、シリコーンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、フッ素ゴム、又はウレタンゴム等が挙げられる。
【0030】
柱状基体2を構成するゴム材料としては、例えばブタジエンースチレン、ブタジエン-アクリロニトリル、ブタジエン-イソブチレン等のブタジエン系共重合体、クロロプレン重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン、又はシリコーンゴム等の発泡可能なゴム材料が挙げられる。これらの中でも、エラストマーとして耐熱性、耐寒性、耐侯性及び電気絶縁性、生体親和性等が優れるシリコーンゴムが好ましい。
【0031】
柱状基体2の上底面2pの平面視のサイズは特に制限されず、用途に応じて適宜設定することができる。一例として次のサイズが挙げられる。すなわち、第一の辺2hの長さが1~5mm、第二の辺2iの長さが5~40mm、第三の辺2jの長さが2~10mm、第四の辺2kの長さが3~30mm、第五の辺2l(テーパー2w)の長さが2~10mm、が挙げられる。
【0032】
圧接型電気コネクタ1の変形例として、柱状基体2の側面のうち、露出面とされた第二側面2Iの一部に凹部が設けられた構造が挙げられる。第二側面2Iにおいて、凹部は上底面2pから下底面2qに連続的に続く溝を形成している。この溝の断面はU字であってもよく、V字であってもよく、他の形状であってもよい。
上記の凹部を備えた柱状基体2’の上底面2pの平面視の輪郭形状において、第二側面2Iに対応する第二の辺2iに、上記の凹部に対応する切り欠きが形成されている。この上底面2pの一例を図4に示す。
【0033】
図4において、第二の辺2iの一部分が第四の辺2k側に凹んだ半円形の凹部2gが形成されている。第二の辺2iを2等分して、テーパー2wに近い第一領域と、テーパー2wから遠い第二領域とに区別したとき、凹部2gの少なくとも一部が第一領域に形成されていることが好ましく、凹部2gの半分以上が第一領域に形成されていることがより好ましく、凹部2gの全部が第一領域に形成されていることがさらに好ましい。テーパー2wに近く、対向する位置に凹部2gがあると、電子部品の電極端子をテーパー面2W近傍に接続するときの負荷を低減でき、少ない荷重で接続することができ、電極端子や導電細線4の損傷を防止することができる。
なお、柱状基体2’は、凹部2gが形成されていること以外は、図3に示す柱状基体2と同じである。
【0034】
<作用効果>
本発明の作用効果の一例を説明するために、図5に圧接型電気コネクタ1の上底面2pの平面図を示す。説明に不要な符号は省略しているが、図1に示した圧接型電気コネクタ1の全ての構成を備えている。図5の電極端子Eは電子部品が備える円柱状電極端子であり、紙面奥行方向(Z方向)に延びた形状を有する。
接続しようとする電極端子Eを、圧接型電気コネクタ1の先端側の第一側面2Hとテーパー面2Wの連結部分に向けてX方向に移動させ、テーパー面2Wの先端側に当接させると、電極端子Eはテーパー面2Wに沿って誘導され、その後端側(第四側面2K側)へ向けて進行方向が制御される。この当接した状態において、テーパー面2W又は第四側面2Kの表面側に列設された複数の導電細線4(不図示)と、電極端子Eとの電気的接続が形成される。
【0035】
上記接続の際、図6に示すように、第四側面2Kに対向し、好ましくは密着して設けられた別の部材100が備えられていれば、部材100のテーパー面2Wに対向する表面100aとテーパー面2Wの間に電極端子Eを保持することができる。
部材100は特に制限されず、例えば、本態様の圧接型電気コネクタを備える電子機器の筐体やホルダーに由来する部材とすることができる。
【0036】
図6の構成において、テーパー面2Wに当接した電極端子EをX方向に押圧する操作を加えると、その応力により先端の角部2uがY方向へ反り上がる。同時に、この反り上がりを抑制する応力が柱状基体2の弾性によってもたらされる。この弾性力は電極端子Eを保持する力として有用である。一方、弾性力が強すぎると電極端子Eの表面を損傷したり、導電細線4が損傷したりするリスクがある。
【0037】
上記のリスクは、前述の凹部2gを有する柱状基体2’を備えた圧接型電気コネクタ1を用いることにより低減することができる。図4を参照して、電極端子Eの圧接によって角部2uがY方向に反り上がる応力が働くとき、凹部2gが形成されていることにより、その応力に拮抗する弾性力を低減することができる。
【0038】
また、図5~6に示していない別の電極端子を、電極端子Eが圧接したテーパー面2Wと離れた箇所(例えば第一側面2H、第三側面2J又は第四側面2K)に圧接すれば、その別の電極端子と電極端子Eとを、圧接型電気コネクタ1の導電細線4を介して導通させることができる。その別の電極端子と電極端子Eとは、別々の電子部品が有するものであってもよいし、同一の電子部品が有するものであってもよい。
【0039】
≪電子機器≫
本発明の第二態様は、第一態様の圧接型電気コネクタを備えた電子機器である。
本態様の電子機器において、具備された圧接型電気コネクタ1のテーパー面2Wに向けて電極端子を圧接することにより、テーパー面2Wを被覆する絶縁性ゴムシート3の表面に備えられた導電細線4と前記電極端子とが導通するように形成されていることが好ましい。この構造において、テーパー面2Wの先端側から後端側に向けて、柱状の電極端子を圧接することにより、前記複数の導電細線と前記電極端子とが導通することができる。
【0040】
≪圧接型電気コネクタの製造方法≫
本発明の第三態様は、第一態様の圧接型電気コネクタの製造方法である。
製造方法の[第一実施形態]を説明する。まず、絶縁性ゴムシート3の表面に複数の導電細線4が互いに略平行に任意のピッチで配置された中間ゴムシート30を準備する。中間ゴムシートは特許文献1等に記載された公知方法により準備することができる。
【0041】
次に、図7に示すように、成形用下型50の成形空間の底面50aに向けて中間ゴムシート30の導電細線(図示略)が配置された表面を下向きとして設置し、中間ゴムシート30の裏面を押し込み型51によって押し込むことにより、中間ゴムシート30を底面50aに沿わせる。押し込み型51は成型空間の底面に嵌合するように、底面の凹凸を反映した形状の押込み部51aを有する。
【0042】
続いて、図8に示すように、中間ゴムシート30の裏面側にエラストマー材料20を設置し、成形用下型50の成型空間に対して成形用上型52を被せて型締めし、エラストマー材料20を発泡及び硬化させることにより、柱状基体2を形成する。
【0043】
型締めの方法、発泡硬化時の加熱や加圧の条件、各部材の材料選定等は適宜設定すればよく、特許文献1等の公知方法を参照して実施することができる。
【0044】
本実施形態で使用する成形用下型50の成形空間の底面50aには、形成する柱状基体2のテーパー面2Wに対応する斜面50wが設けられている。これにより、押し込み型51によって押し込まれた中間ゴムシート30は前記斜面に対して概ね沿って設置される。更に中間ゴムシート30の裏面に設置したエラストマー材料20が発泡し、成形空間内を充填して硬化することによって、前記斜面50wの形状に反ったテーパー面2Wを有する柱状基体2を備えた圧接型電気コネクタ1を形成することができる。
型締めを解除して成型空間から取り出された圧接型電気コネクタには、その用途に応じて適当なサイズに裁断する等の仕上げ処理を施してもよい。
【0045】
製造方法の[第二実施形態]を説明する。まず、中間ゴムシートを準備する点は[第一実施形態]と同じである。
次に、図9に示すように、中間ゴムシート30の導電細線が配置された表面とは反対側の裏面を成形用曲げ型55に対して押し付けることにより、中間ゴムシート30に裏面側に反る曲げ癖を付ける。この際、中間ゴムシート30の表面に配置された複数の導電細線の剛性が曲げ癖を保持する。成形用曲げ型55の中間ゴムシート30が押し付けられる領域には、柱状基体2の形状に対応する凹凸が設けられていてもよい。
【0046】
続いて、成形用下型50の成形空間の底面50aに向けて中間ゴムシート30の表面を下向きとして設置し、中間ゴムシート30を底面50aに可能な限り沿わせる。その後、図10に示すように、中間ゴムシート30の裏面にエラストマー材料20を設置し、成形用下型50に成形用上型56を型締めして、エラストマー材料20を発泡及び硬化させることにより、柱状基体2を形成する。
【0047】
成形用曲げ型55に対して中間ゴムシート30を押し付ける方法は特に制限されず、例えば中間ゴムシート30の両端部を保持して押し付ける方法が挙げられる。金属線の中でも硬度や剛性が高い金属線(例えば真鍮線)を使用する場合、第一実施形態で例示した押し込み型51を用いても中間ゴムシート30を底面50aに沿わせることが難しいことがある。一方、本実施形態の成形用曲げ型55を用いて曲げ癖を付けた後では、中間ゴムシート30を底面50aに沿わせることが比較的容易である。
なお、型締めの方法、発泡硬化時の加熱や加圧の条件、各部材の材料選定等は適宜設定すればよく、特許文献1等の公知方法を参照して実施することができる。
【0048】
本実施形態で使用する成形用下型50の成形空間の底面50aには、形成する圧接型電気コネクタのテーパー面2Wに対応する斜面50wが設けられている。予め曲げ癖を付けた中間ゴムシート30を前記斜面50wに概ね沿った状態で設置することは容易であるので、押し込み型51によって押し込む処理は行ってもよいが、必ずしも必要ではない。その後、中間ゴムシート30の裏面に設置したエラストマー材料20が発泡し、成形空間内を充填して硬化することによって、前記斜面50wの形状に反ったテーパー面2Wを有する柱状基体2を備えた圧接型電気コネクタ1を形成することができる。
型締めを解除して成型空間から取り出された圧接型電気コネクタには、その用途に応じて適当なサイズに裁断する等の仕上げ処理を施してもよい。
【0049】
図10の成形用上型56のエラストマー材料20側に対向する面には、凸部56zが形成されている。成型空間内で発泡したエラストマー材料20は膨張して凸部56zに押し付けられた状態で硬化する。これにより、形成される柱状基体2の成形用上型56側の表面(第二側面2Iに対応する面)に凹部2gを形成することができる。
凸部56zを有する成形用上型56は、成形用曲げ型55を用いる第二実施形態の製造方法での使用に限定されず、押し込み型51を用いる第一実施形態の製造方法で使用してもよい。
【0050】
以上の製造方法に関する説明において、成形用下型、成形用上型、底面の用語は、実施時の重力方向及び上下関係と合致していなくてもよい。例えば、成形用下型を成形用上型よりも上方に配置して実施しても構わない。この場合、成形用下型の「底面」は「天面」と言い換えてもよい。
【実施例0051】
[実施例1]
成形用曲げ型を使用した第二実施形態の製造方法により、図1に概略を示した圧接型電気コネクタ1を製造した。
まず、特許文献1に開示された製造方法と同様に、信越化学工業社製のシリコーンゴムからなる絶縁性ゴムシート3(厚さ100μm、縦300mm、横300mm)の表面に、直径40μmの真鍮線を100μmの等ピッチで約500本配列した中間ゴムシート30を得た。
次に、図9に示すような成形用曲げ型55を用い、中間ゴムシート30の裏面を押し当てて、裏面側に反る曲げ癖を付けた。中間ゴムシート30の表面に接着された真鍮線は、成形用曲げ型55の形状を大まかに反映した曲がり具合を保持した。
続いて、図8に示すような成形用下型50の底面50aに中間ゴムシート30を沿わせて設置し、信越化学工業社製のシリコーンゴムコンパウンドと発泡剤を含むエラストマー材料20を中間ゴムシート30の裏面側に設置し、成形用上型52を型締めして加圧条件下で175℃、5分間加熱し、エラストマー材料20を発泡硬化させることによって、柱状基体2を形成し、柱状基体2の各側面(ただし第二側面2Iを除く)に中間ゴムシート30の裏面が接着した柱状体を得た。
最後に、成形型内から柱状体を取り出し、余分な部分を切除して、目的の圧接型電気コネクタ1を得た。製造した圧接型電気コネクタ1のX方向の長さは10.9mmであり、Y方向の幅は3.0mmであり、Z方向の高さ(厚み)は2.5mmであった。
実施例1で製造した圧接型電気コネクタ1の上底面を平面視した写真を図11に示す。
【0052】
実施例1で製造した圧接型電気コネクタ1の圧縮荷重特性を次のように評価した。
水平で平坦な基台に、圧接型電気コネクタ1の第二側面2Iを下向きに載置し、上方から圧縮端子を押し付け、圧縮の変位量とそれに要する負荷(Load)を測定した。
測定器として株式会社AND製RTF-1250を用い、最大圧縮量:1.8mm、圧縮速度:3mm/分、ロードセル:100N、の条件で測定した。
まず、圧縮先端子として直径30mmの円筒体を用い、円筒体の底面を圧接型電気コネクタ1のテーパー面2Wと第四側面2Kの境界あたりに接触させて圧縮試験を行った。この結果を図13に「圧縮試験1-1」として示す。
次に、圧縮先端子として5mm角の立方体を用い、立方体の底面を圧接型電気コネクタ1のテーパー面2Wと第四側面2Kの境界あたりに接触させて圧縮試験を行った。この結果を図13に「圧縮試験1-2」として示す。
【0053】
[実施例2]
図10に示すような凸部56zを有する成形用上型56を使用したこと以外は、実施例1と同様にして圧接型電気コネクタ1を製造した。その上底面2pの輪郭形状は図4に示すように凹部2gを有し、X方向の長さ、Y方向の幅、Z方向の高さは実施例1と同じとした。
実施例2で製造した圧接型電気コネクタ1の上底面を平面視した写真を図12に示す。なお、写真は製造した圧接型電気コネクタ1の上底面が図4の上底面2pの平面視と同じ形状であることを示すものである。写真の形態は、柱状基体2を構成する発泡エラストマーの弾性によって、図4の角部2uが第四側面2Kから離れる方向に反り上がっているが、発泡エラストマーは柔らかいので、少しの荷重で図4に示す元の形状となる。
【0054】
実施例2で製造した圧接型電気コネクタ1の圧縮荷重特性を、実施例1と同様に測定して評価した。
圧縮先端子として直径30mmの円筒体を用いた結果を、図13に「圧縮試験2-1」として示す。
また、圧縮先端子として5mm角の立方体を用いた結果を、図13に「圧縮試験2-2」として示す。
【0055】
各圧縮試験の結果から、凹部2gを設けた実施例2の圧接型電気コネクタ1の方が、より少ない荷重で、より大きな変位量が得られることが分かった。
なお、図5,6に示すように、製造した圧接型電気コネクタ1の先端側からテーパー面2Wに向けて棒状電極端子を圧接すると、テーパー面2Wに沿って後端側に誘導され、適切な導通がなされることも確認した。
【符号の説明】
【0056】
1…圧接型電気コネクタ、2…柱状基体、3…絶縁性ゴムシート、4…導電細線、2W…テーパー面、2g…凹部、2p…上底面、2q…下底面、2u…角部、2w…テーパー、E…電極端子、20…エラストマー材料、30…中間ゴムシート、50…成形用下型、50a…底面、50w…斜面、51…押し込み型、52…成形用上型、55…成形用曲げ型、56…成形用上型、56z…凸部、100…部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13