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特開2023-173484ポンプ駆動システム、及び車両の熱媒体循環システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173484
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】ポンプ駆動システム、及び車両の熱媒体循環システム
(51)【国際特許分類】
   F04B 49/06 20060101AFI20231130BHJP
   F01P 5/12 20060101ALI20231130BHJP
   F01P 7/00 20060101ALI20231130BHJP
   F04B 23/04 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
F04B49/06 341H
F04B49/06 321B
F01P5/12 G
F01P7/00
F04B23/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022085772
(22)【出願日】2022-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】弁理士法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 靖彦
【テーマコード(参考)】
3H071
3H145
【Fターム(参考)】
3H071AA03
3H071BB01
3H071BB12
3H071CC17
3H071DD42
3H145AA01
3H145AA16
3H145AA23
3H145AA24
3H145AA32
3H145AA36
3H145AA42
3H145BA19
3H145CA09
3H145CA24
3H145DA05
3H145DA32
3H145DA38
3H145EA04
3H145EA16
3H145EA17
3H145EA37
3H145EA42
3H145GA02
3H145GA15
3H145GA38
(57)【要約】
【課題】第1ポンプ及び第2ポンプの回転を独立して制御することが可能でありながら、小型化やコストダウンを図ること。
【解決手段】ポンプ駆動システム30は、流体に圧力を付与する第1ポンプWP1と、流体に圧力を付与する第2ポンプWP2と、回転を出力するポンプ駆動モータ31と、ポンプ駆動モータ31の回転により、第1方向R1、又は第1方向R1と反対の第2方向R2に回転される回転軸32と、回転軸32が第2方向R2に回転した際に空転し、回転軸32が第1方向R1に回転した際に第1ポンプWP1に回転を伝達する第1ワンウェイクラッチF1と、回転軸32が第1方向R1に回転した際に空転し、回転軸32が第2方向R2に回転した際に第2ポンプWP2に回転を伝達する第2ワンウェイクラッチF2と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体に圧力を付与する第1ポンプと、
流体に圧力を付与する第2ポンプと、
回転を出力する回転電機と、
前記回転電機の回転により、第1方向、又は前記第1方向と反対の第2方向に回転される回転部材と、
前記回転部材が前記第2方向に回転した際に空転し、前記回転部材が前記第1方向に回転した際に前記第1ポンプに回転を伝達する第1ワンウェイクラッチと、
前記回転部材が前記第1方向に回転した際に空転し、前記回転部材が前記第2方向に回転した際に前記第2ポンプに回転を伝達する第2ワンウェイクラッチと、を備えた、
ポンプ駆動システム。
【請求項2】
前記回転電機を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記回転電機を制御して前記回転部材を前記第1方向と前記第2方向とに交互に回転させることで、前記第1ポンプの回転と前記第2ポンプの回転とを制御する、
請求項1に記載のポンプ駆動システム。
【請求項3】
前記流体は熱媒体であり、
熱媒体が循環される第1の循環路と、
熱媒体が循環される第2の循環路と、
請求項2に記載のポンプ駆動システムと、を備え、
前記第1ポンプは、前記第1の循環路に介在して熱媒体に圧力を付与し、
前記第2ポンプは、前記第2の循環路に介在して熱媒体に圧力を付与し、
前記制御部は、前記第1ポンプの回転と前記第2ポンプの回転とを制御することで、前記第1の循環路における熱媒体の流量と前記第2の循環路における熱媒体の流量とを制御する、
車両の熱媒体循環システム。
【請求項4】
前記制御部は、
前記第1の循環路において必要な熱媒体の流量である第1必要流量を演算し、
前記第1必要流量を達成する前記第1ポンプの平均回転速度を演算し、
前記第2の循環路において必要な熱媒体の流量である第2必要流量を演算し、
前記第2必要流量を達成する前記第2ポンプの平均回転速度を演算し、
前記第1ポンプの平均回転速度と前記第2ポンプの平均回転速度とに基づき、前記第1ポンプと前記第2ポンプとを交互に回転させる1周期における前記第1ポンプの駆動時間と、その駆動時間における前記第1ポンプの最大回転速度と、前記1周期における前記第2ポンプの駆動時間と、その駆動時間における前記第2ポンプの最大回転速度と、を演算することで、前記回転電機の回転速度指令を設定して前記回転電機を制御する、
請求項3に記載の車両の熱媒体循環システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1ポンプと第2ポンプとを駆動するポンプ駆動システム、及びそれを備えた車両の熱媒体循環システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば電気自動車等の車両においては、車両駆動用の回転電機(モータ・ジェネレータ)、バッテリ等の発熱を生じる発熱部を冷却したり、或いは各部を暖機したりするために、熱媒体としての冷却水を循環させる循環路を備えている。このような循環路は、各部を個別に循環することが可能となるように複数設けられることがあり、それらの循環路に対して、冷却水に圧力を付与して送出するポンプを設けることがある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-180397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1のように複数のポンプを設けると、ポンプの数が増え、それらポンプを駆動する回転電機(モータ)やドライバ回路等の数も増えて、ポンプを駆動制御するポンプ駆動システムとしての大型化やコストアップを招いている。しかしながら、これらのポンプは、各部の冷却や暖機の度合いに応じて流量を調整する必要があり、つまり複数のポンプをそれぞれ独立して回転制御する必要があるという問題がある。
【0005】
そこで本発明は、第1ポンプ及び第2ポンプの回転を独立して制御することが可能でありながら、小型化やコストダウンを図ることが可能なポンプ駆動システム、及び車両の熱媒体循環システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、
ポンプ駆動システムにおいて、
流体に圧力を付与する第1ポンプと、
流体に圧力を付与する第2ポンプと、
回転を出力する回転電機と、
前記回転電機の回転により、第1方向、又は前記第1方向と反対の第2方向に回転される回転部材と、
前記回転部材が前記第2方向に回転した際に空転し、前記回転部材が前記第1方向に回転した際に前記第1ポンプに回転を伝達する第1ワンウェイクラッチと、
前記回転部材が前記第1方向に回転した際に空転し、前記回転部材が前記第2方向に回転した際に前記第2ポンプに回転を伝達する第2ワンウェイクラッチと、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、第1ポンプ及び第2ポンプの回転を独立して制御することができるものでありながら、小型化やコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施の形態に係る車両の熱媒体循環システムを示す模式図。
図2】第1の実施の形態に係るポンプ駆動システムを示す模式図。
図3】第1の実施の形態に係るモータ回転制御を示すフローチャート。
図4】(a)は第1ポンプの必要流量が第2ポンプの必要流量よりも多い場合におけるモータと第1ポンプと第2ポンプとの回転速度を示すタイムチャート。(b)は第2ポンプの必要流量がない場合におけるモータと第1ポンプと第2ポンプとの回転速度を示すタイムチャート。(c)は第2ポンプの必要流量が第1ポンプの必要流量よりも多い場合におけるモータと第1ポンプと第2ポンプとの回転速度を示すタイムチャート。
図5】第2の実施の形態に係るポンプ駆動システムを示す模式図。
図6】第3の実施の形態に係る第1ポンプの必要流量が第2ポンプの必要流量よりも多い場合におけるモータと第1ポンプと第2ポンプとの回転速度を示すタイムチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1の実施の形態>
以下、第1の実施の形態に係る車両の熱媒体循環システム、並びにポンプ駆動システムについて、図1乃至図4を用いて説明する。
【0010】
[車両の熱媒体循環システムの構成]
まず、図1を用いて車両の熱媒体循環システムの概略構成について説明する。図1は第1の実施の形態に係る車両の熱媒体循環システムを示す模式図である。
【0011】
図1に示すように、例えば電気自動車である車両1には、熱媒体であり流体である冷却水を外気と熱交換することで冷却するラジエータ3と、冷却水を加熱可能なヒータ4と、車両1の駆動力を出力して不図示の車輪に伝達する駆動用回転電機(以下、「モータ」という)5と、モータ5に供給する電力を蓄電するバッテリ6と、が備えられている。なお、これらヒータ4、モータ5、バッテリ6は、電流が流れることで発熱する発熱部であり、必要に応じて冷却するが、反対に暖機する必要がある場合もある部位である。特にバッテリ6に関しては、低温時に正常に動作するように暖めることがある。また、本実施の形態において流体であり熱媒体である水のことを、主に熱を吸収して冷却する機能に基づき冷却水と呼称するが、暖機時に熱を付与する機能も有する。
【0012】
車両1には、ラジエータ3とヒータ4とモータ5とバッテリ6とに冷却水を流して循環させることが可能な熱媒体循環システム10と、後述のポンプ駆動モータ31や、第1三方弁21と第1四方弁22と第2四方弁23と第2三方弁24との制御を行う制御部50と、が備えられている。熱媒体循環システム10は、冷却水が循環可能な循環路として、ヒータ4を通過する第1循環路11と、モータ5を通過する第2循環路12と、ラジエータ3を通過する第1の循環路としての第3循環路13と、バッテリ6を通過する第2の循環路としての第4循環路14と、を有しており、さらに、第3循環路13に介在するように配置された第1ポンプWP1と、第4循環路14に介在するように配置された第2ポンプWP2と、を有しており、これら第1ポンプWP1及び第2ポンプWP2は、詳しくは後述するように制御部50により回転制御されて駆動される。
【0013】
さらに、熱媒体循環システム10は、第1循環路11と第3循環路13との間を遮断する遮断状態(矢印A1)と連通する連通状態(矢印A2及び矢印A3)とを切換え可能な第1三方弁21と、第2循環路12と第3循環路13との間を遮断する遮断状態(矢印B1及び矢印B3)と連通する連通状態(矢印B2及び矢印B4)とを切換え可能な第1四方弁22と、第3循環路13と第4循環路14との間を遮断する遮断状態(矢印C2及び矢印C4)と連通する連通状態(矢印C1及び矢印C3)とを切換え可能な第2四方弁23と、第3循環路13においてラジエータ3に冷却水を循環させる循環状態(矢印D2)とラジエータ3に冷却水を循環させない非循環状態(矢印D1)とを切換え可能な第2三方弁24と、を備えている。これら第1三方弁21と第1四方弁22と第2四方弁23と第2三方弁24とは、制御部50が図示を省略した駆動機構により通路の角度を回転制御することで、上記の循環状態又は非循環状態、或いは遮断状態又は連通状態が切換えられる。
【0014】
詳細には、第1循環路11は、ヒータ4から第3循環路13の流路13fまでを連通する流路11aと、第1三方弁21のポート21bからヒータ4までを連通する流路11bと、を有している。また、第2循環路12は、モータ5から第2四方弁22のポート22dまでを連通する流路12aと、第2四方弁22のポート22cからモータ5までを連通する流路12bと、を有している。第3循環路13は、第1ポンプWP1から第2四方弁23のポート23aまでを連通する流路13aと、第2四方弁23のポート23bから第2三方弁24のポート24aまでを連通する流路13bと、第2三方弁24のポート24cから第1三方弁21のポート21aまでを連通する流路13cと、第2三方弁24のポート24bからラジエータ3までを連通する流路13dと、ラジエータ3から流路13cまでを連通する流路13eと、第1三方弁21のポート21cから第1四方弁22のポート22aまでを連通する流路13fと、第1四方弁22のポート22bから第1ポンプWP1までを連通する流路13gと、を有している。そして、第4循環路14は、バッテリ6から第2ポンプWP2までを連通する流路14aと、第2ポンプWP2から第2四方弁23のポート23cまでを連通する流路14bと、第2四方弁23のポート23dからバッテリ6までを連通する流路14cと、を有している。
【0015】
[熱媒体循環システムの動作]
ついで、熱媒体循環システム10の動作について説明する。モータ5及び/又はバッテリ6を冷却する冷却状態では、第2三方弁24を、連通路24Aがポート24aとポート24bとを連通する位置に回転制御し、第2三方弁24を循環状態(矢印D2)にする。また、第1ポンプWP1を回転制御して駆動することで、第3循環路13における流体である冷却水に圧力を付与して冷却水を押し流し、第3循環路13が、第1循環路11、第2循環路12、第4循環路14のそれぞれと連通状態であるか遮断状態であるかに拘らず、第3循環路13において流路13a,13b,13d,13e,13f,13gを通って冷却水がラジエータ3を循環する。これにより第3循環路13を循環する冷却水がラジエータ3により冷却される。なお、この冷却状態では、第1三方弁21を第1循環路11と第3循環路13との間を遮断する遮断状態(矢印A1)にすることが好ましい。
【0016】
第3循環路13において冷却水がラジエータ3を循環する状態で、第1四方弁22を、連通路22A(又は連通路22B)がポート22aとポート22cとを連通すると共に連通路22B(又は連通路22A)がポート22dとポート22bとを連通する位置に回転制御し、第1四方弁22を連通状態(矢印B2及び矢印B4)にする。すると、ラジエータ3で冷却された第3循環路13の冷却水が、第2循環路12において、流路12b,12aを通ってモータ5を循環する。これにより、モータ5を冷却することができる。
【0017】
また、モータ5の冷却が不要な場合は、第1四方弁22を、連通路22A(又は連通路22B)がポート22aとポート22bとを連通すると共に連通路22B(又は連通路22A)がポート22dとポート22cとを連通する位置に回転制御し、第1四方弁22を遮断状態(短絡状態)(矢印B1及び矢印B3)にする。すると、第3循環路13の冷却水は、第2循環路12に供給されず、モータ5の冷却を停止することができる。
【0018】
同様に、第3循環路13において冷却水がラジエータ3を循環する状態で、第3四方弁23を、連通路23A(又は連通路23B)がポート23aとポート23dとを連通すると共に連通路23B(又は連通路23A)がポート23cとポート23bとを連通する位置に回転制御し、第2四方弁23を連通状態(矢印C1及び矢印C3)にする。すると、ラジエータ3で冷却された第3循環路13の冷却水が、第4循環路14において、流路14c,14a,14bを通ってバッテリ6を循環する。また、この際、第2ポンプWP2を回線制御して駆動することで、第4循環路14における流体である冷却水に圧力を付与して冷却水を押し流し、第4循環路14の流量を多くすることで、バッテリ6を効率よく冷却することができる。
【0019】
また、バッテリ6の冷却が不要な場合は、第2四方弁23を、連通路23A(又は連通路23B)がポート23aとポート23bとを連通すると共に連通路23B(又は連通路23A)がポート23cとポート23dとを連通する位置に回転制御し、第2四方弁23を遮断状態(短絡状態)(矢印C2及び矢印C4)にする。すると、第3循環路13の冷却水は、第4循環路14に供給されず、バッテリ6の冷却を停止することができる。また、第2ポンプWP2の駆動により第4循環路14内で冷却水を循環させることで、バッテリ6の冷却を継続することもできる。
【0020】
一方、モータ5及び/又はバッテリ6を暖機する暖機状態では、第2三方弁24を、連通路24Aがポート24aとポート24cとを連通する位置に回転制御し、第2三方弁24を非循環状態(矢印D1)にする。また、第1ポンプWP1を回転制御して駆動することで、第3循環路13が、第1循環路11、第2循環路12、第4循環路14のそれぞれと連通状態であるか遮断状態であるかに拘らず、第3循環路13において流路13a,13b,13c,13f,13gを通って冷却水がラジエータ3を通過しないように循環する。これにより第3循環路13を循環する冷却水がラジエータ3で冷却されることを防ぐ。
【0021】
さらに、第3循環路13において冷却水がラジエータ3を循環しない状態で、第1三方弁21を、連通路21Aがポート21aとポート21bとを連通する位置に回転制御し、第1三方弁21を連通状態(矢印A2及び矢印A3)にする。すると、第3循環路13の冷却水が、第1循環路11において、流路11b,11aを通ってヒータ4を循環する。これにより第1循環路11を通る冷却水をヒータ4で加熱し、冷却水の温度を上昇することができる。
【0022】
このように第1循環路11と第3循環路13とを連通した状態で、上述したように第1四方弁22により第3循環路13と第2循環路12とを連通すると、ヒータ4により加熱した冷却水をモータ5に循環させることができ、モータ5を暖機することができる。また、モータ5の暖機が不要な場合は、第1四方弁22により第3循環路13と第2循環路12とを遮断することで、モータ5の暖機を停止することができる。
【0023】
同様に、第1循環路11と第3循環路13とを連通した状態で、上述したように第2四方弁23により第3循環路13と第4循環路14とを連通すると、ヒータ4により加熱した冷却水をバッテリ6に循環させることができ、バッテリ6を暖機することができる。この際、第2ポンプWP2を回線制御して駆動することで、第4循環路14の流量を多くすることで、バッテリ6を効率よく暖気することができる。また、バッテリ6の暖機が不要な場合は、第2四方弁23により第3循環路13と第4循環路14とを遮断することで、バッテリ6の暖機を停止することができる。この際、第2ポンプWP2の駆動により第4循環路14内で冷却水を循環させることで、バッテリ6の暖機を継続することもできる。
【0024】
そして、モータ5及び/又はバッテリ6の暖機が進むと、第1三方弁21を、連通路21Aがポート21aとポート21cとを連通する位置に回転制御し、第1三方弁21を遮断状態(矢印A1)にする。即ち、モータ5やバッテリ6自体も発熱するため、ヒータ4を用いない暖気状態に移行することができる。
【0025】
[ポンプ駆動システムの構成]
ついで、本第1の実施の形態に係るポンプ駆動システム30の構成について図2を用いて説明する。図2は第1の実施の形態に係るポンプ駆動システムを示す模式図である。ポンプ駆動システム30は、上記第1ポンプWP1と第2ポンプWP2とを、それぞれの回転速度(流量)を独立して調整しつつ回転駆動することを可能とするシステムである。
【0026】
詳細には、図2に示すように、ポンプ駆動システム30は、回転電機としてのポンプ駆動モータ31と、回転部材としての回転軸32と、第1ワンウェイクラッチF1と、第2ワンウェイクラッチF2と、上記第1ポンプWP1と、上記第2ポンプWP2と、を備えて構成されている。ポンプ駆動モータ31は、固定子であるステータ31S及び回転子であるロータ31Rを有しており、制御部50による回転制御によって不図示のドライバ回路からステータ31Sに配策されたコイル(不図示)に電力が供給されることで、磁石(不図示)が内蔵されたロータ31Rが回転制御され、そのロータ31Rに対して固定された回転軸32を第1方向R1とその第1方向R1とは反対の第2方向R2とに回転させる。
【0027】
ポンプ駆動モータ31に対して回転軸32の軸方向一方側の外周には、第1ワンウェイクラッチF1が配設されており、また、ポンプ駆動モータ31に対して回転軸32の軸方向他方側の外周には、第2ワンウェイクラッチF2が配設されている。第1ワンウェイクラッチF1は、回転軸32が第2方向R2に回転した際に空転し、回転軸32が第1方向R1に回転した際に第1ポンプWP1にその回転を伝達する。反対に、第2ワンウェイクラッチF2は、回転軸32が第1方向R1に回転した際に空転し、回転軸32が第2方向R2に回転した際に第2ポンプWP2にその回転を伝達する。
【0028】
従って、本実施の形態においては、ポンプ駆動モータ31により回転軸32を第1方向R1に駆動することで第1ポンプWP1を回転駆動することができ、反対に、ポンプ駆動モータ31により回転軸32を第2方向R2に駆動することで第2ポンプWP2を回転駆動することができる。そして、ポンプ駆動モータ31により回転軸32を第1方向R1と第2方向R2とに交互に回転させることで第1ポンプWP1と第2ポンプWP2とを回転駆動することができる。この際、例えばデューティ制御のように、1周期(例えば数秒程度以内の周期)における回転軸32の第1方向R1と第2方向R2との回転速度の割合を調整することで、第1ポンプWP1と第2ポンプWP2とのそれぞれで出力する流量を自在に調整することが可能となる。以下に、ポンプ駆動モータ31の回転速度を制御することによる、第1ポンプWP1と第2ポンプWP2との回転速度の制御について説明する。
【0029】
[ポンプ回転制御]
次に、上記ポンプ駆動システム30を用いたポンプ回転制御について図3及び図4を用いて説明する。図3は第1の実施の形態に係るモータ回転制御を示すフローチャートである。また、図4(a)は第1ポンプの必要流量が第2ポンプの必要流量よりも多い場合におけるモータと第1ポンプと第2ポンプとの回転速度を示すタイムチャート、図4(b)は第2ポンプの必要流量がない場合におけるモータと第1ポンプと第2ポンプとの回転速度を示すタイムチャート、図4(c)は第2ポンプの必要流量が第1ポンプの必要流量よりも多い場合におけるモータと第1ポンプと第2ポンプとの回転速度を示すタイムチャートである。
【0030】
なお、本実施の形態においては、図4に示すように、ポンプ駆動モータ31の回転速度を三角波形により制御するものを説明するが、これに限らず、例えばデューティ制御のようにON/OFFの波形で制御するものであってもよく、さらに、例えばPWM制御等を用いて正弦波の波形で制御するものであっても構わない。何れの波形で制御しても、例えば図4におけるポンプにおける回転速度を積分した面積が各ポンプの仕事量であり、それが各ポンプの流量であるといえる。また、本実施の形態においては、回転軸32から第1ワンウェイクラッチF1又は第2ワンウェイクラッチF2を用いて回転を伝達するため、回転速度を低下させるときにポンプが僅かに惰性で空転することで、完全に回転軸32の回転速度と一致しない虞もあるが、冷却水の抵抗により惰性で空転することが抑えられるため、本実施の形態における説明では、回転軸32の回転速度に各ポンプの回転速度が追従するものとして説明する。
【0031】
制御部50は、例えば車両1のスタートスイッチがONされている間、各部の冷却や暖機を行うために本ポンプ回転制御を開始する。するとまず、モータ5やバッテリ6を冷却又は暖機するためにラジエータ3やヒータ4を通過させて得られる熱量等から、第1ポンプWP1で冷却水に圧力を発生させて第3循環路13に流す際の必要な流量(以下、「必要流量」という)(即ち、第1必要流量)を計算する(S1)。また、第1ポンプWP1の必要な流量を達成するための第1ポンプWP1の必要な平均回転速度ANwp1(つまり第1ポンプWP1の仕事量)を計算する(S2)。
【0032】
また同様に、制御部50は、バッテリ6を冷却又は暖機するためにラジエータ3やヒータ4を通過させて得られる熱量等から、第2ポンプWP2で冷却水に圧力を発生させて第4循環路14に流す際の必要流量(即ち、第2必要流量)を計算する(S3)。また、第2ポンプWP2の必要な流量を達成するための第2ポンプWP2の必要な平均回転速度ANwp2(つまり第2ポンプWP1の仕事量)を計算する(S4)。
【0033】
そして、制御部50は、上記第1ポンプWP1の必要な平均回転速度ANwp1と、第2ポンプWP2の必要な平均回転速度ANwp2と、に基づき、ポンプ駆動モータ31の回転速度を制御するためのモータ回転速度指令の計算を行う(S5)。
【0034】
ここで、モータ回転速度Nmtの計算について数式を用いて詳細に説明する。ポンプ駆動モータ31のモータ回転速度Nmtの三角波形の周期を「T」、ポンプ駆動モータ31の第1方向R1の最大回転速度を「n1」、ポンプ駆動モータ31の第2方向R2の最大回転速度を「n2」、ポンプ駆動モータ31の第1方向R1の駆動時間を「t1」とすると、
上記第1ポンプWP1の平均回転速度ANwp1は、
【数1】
上記第2ポンプWP2の平均回転速度ANwp2は、
【数2】
となる。
また、第1方向R1の最大回転速度n1と第2方向R2の最大回転速度n2との関係は、
【数3】
となる。
【0035】
また、上記数式(1)を数式(2)で除算すると、
【数4】
であり、上記数式(4)を数式(3)で除算すると、
【数5】
である。そして、この数式(5)から第1方向R1の駆動時間t1を求めると、
【数6】
【数7】
【数8】
となる。
【0036】
このように求めた数式(8)の「t1」を数式(1)に代入することで、第1方向R1の最大回転速度n1を求めることができる。また、数式(8)の「t1」と、このように求めた「n1」を数式(3)に代入することで、第2方向R2の最大回転速度n2を求めることができる。これにより、第1方向R1の最大回転速度n1及び第1方向R1の駆動時間t1と、第2方向R2の最大回転速度n2及び第2方向R2の駆動時間T-t1と、が設定でき、このようにモータ回転速度が動作するようにモータ回転速度指令を生成することができる。
【0037】
[第1ポンプ及び第2ポンプの動作例]
次に、第1ポンプ及び第2ポンプの動作例について、図4を用いて説明する。図4(a)に示すように、第1ポンプWP1の必要な流量が第2ポンプWP2の必要な流量よりも多く、平均回転速度ANwp1が平均回転速度ANwp2よりも大きく設定された場合には、上述のようにモータ回転速度指令が計算されて、第1方向R1の最大回転速度n1が第2方向R2の最大回転速度n2よりも大きく、かつ第1方向R1の駆動時間t1が第2方向R2の駆動時間T-t1よりも長く設定される。
【0038】
そして、このように設定されたモータ回転速度指令に従ってポンプ駆動モータ31のモータ回転速度Nmtが制御されると、第1ポンプWP1は第1ワンウェイクラッチF1によって第1方向R1の最大回転速度n1かつ第1方向R1の駆動時間t1で回転され、第2ポンプWP2は第2ワンウェイクラッチF2によって第2方向R2の最大回転速度n2かつ第2方向R2の駆動時間t2で回転される。つまり、ポンプ駆動モータ31のモータ回転速度Nmtに従って、回転方向が第1方向R1であれば第1ポンプWP1がそれに追従して回転駆動され、回転方向が第2方向R2であれば第2ポンプWP2がそれに追従して回転駆動され、第1ポンプWP1と第2ポンプWP2とが設定されたモータ回転速度Nmtに従って交互に回転駆動される。
【0039】
また、図4(b)に示すように、第2ポンプWP2の駆動が必要なく、第1ポンプWP1で必要な流量を流す場合には、平均回転速度ANwp2が「0」に設定され、かつ平均回転速度ANwp1が必要な流量に応じて設定され、これに応じてモータ回転速度指令が計算されて、第1方向R1の最大回転速度n1と第1方向R1の駆動時間t1(ここでは1周期Tと同じ)とだけが設定される。
【0040】
そして、このように設定されたモータ回転速度指令に従ってポンプ駆動モータ31のモータ回転速度Nmtが制御されると、第1ポンプWP1だけが第1ワンウェイクラッチF1によって第1方向R1の最大回転速度n1かつ第1方向R1の駆動時間t1で回転され、第2ポンプWP2は回転されずに停止されたままとなる。つまり、ポンプ駆動モータ31のモータ回転速度Nmtに従って、回転方向が第1方向R1だけに回転駆動され、第1ポンプWP1がそれに追従して回転駆動され、つまりモータ回転速度Nmtに従って回転駆動される。
【0041】
最後に、図4(c)に示すように、第2ポンプWP2の必要な流量が第1ポンプWP1の必要な流量よりも多く、平均回転速度ANwp2が平均回転速度ANwp1よりも大きく設定された場合には、上述のようにモータ回転速度指令が計算されて、第2方向R2の最大回転速度n2が第1方向R1の最大回転速度n1よりも大きく、かつ第2方向R2の駆動時間T-t1が第1方向R1の駆動時間t1よりも長く設定される。
【0042】
そして、同様に、設定されたモータ回転速度指令に従ってポンプ駆動モータ31のモータ回転速度Nmtが制御されると、第1ポンプWP1は第1ワンウェイクラッチF1によって第1方向R1の最大回転速度n1かつ第1方向R1の駆動時間t1で回転され、第2ポンプWP2は第2ワンウェイクラッチF2によって第2方向R2の最大回転速度n2かつ第2方向R2の駆動時間t2で回転される。つまり、ポンプ駆動モータ31のモータ回転速度Nmtに従って、回転方向が第1方向R1であれば第1ポンプWP1がそれに追従して回転駆動され、回転方向が第2方向R2であれば第2ポンプWP2がそれに追従して回転駆動され、第1ポンプWP1と第2ポンプWP2とが設定されたモータ回転速度Nmtに従って交互に回転駆動される。
【0043】
<第2の実施の形態>
ついで、上記第1の実施の形態を一部変更した第2の実施の形態について図5を用いて説明する。図5は第2の実施の形態に係るポンプ駆動システムを示す模式図である。本第2の実施の形態に係るポンプ駆動システム130は、上記第1の実施の形態に比して、第1ワンウェイクラッチF1及び第2ワンウェイクラッチF2の配置を変更したものである。
【0044】
即ち、本第2の実施の形態に係るポンプ駆動システム130は、ポンプ駆動モータ31に対して回転軸32の軸方向一方側の外周に第1ワンウェイクラッチF1及び第2ワンウェイクラッチF2が並んで配置されており、その第1ワンウェイクラッチF1を介して第1ポンプWP1が接続され、第2ワンウェイクラッチF2を介して第2ポンプWP2が接続されている。
【0045】
なお、これ以外の第2の実施の形態の構成、作用、及び効果は、第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0046】
<第3の実施の形態>
ついで、上記第1の実施の形態を一部変更した第3の実施の形態について図6を用いて説明する。図6は、第3の実施の形態に係る第1ポンプの必要流量が第2ポンプの必要流量よりも多い場合におけるモータと第1ポンプと第2ポンプとの回転速度を示すタイムチャートである。
【0047】
上記第1の実施の形態においては、ポンプ駆動モータ31の回転速度を三角波形により制御するものを説明したが、本第3の実施の形態においては、ポンプ駆動モータ31の回転速度をデューティ制御により矩形状の波形により制御するものである。
【0048】
詳細には、第3の実施の形態においては、制御部50は、図6に示すように、第1ポンプWP1の駆動時間と第2ポンプWP2の駆動時間とを1/2周期(T/2)で行い、第1ポンプWP1の平均回転速度ANwp1と第2ポンプWP2の平均回転速度ANwp2とに応じてモータの回転速度を計算する。
【0049】
つまり、上記第1ポンプWP1の平均回転速度ANwp1は、
【数9】
であり、
上記第2ポンプWP2の平均回転速度ANwp2は、
【数10】
であるので、これら数式(9)及び数式(10)から、第1方向R1の最大回転速度n1及び第2方向R2の最大回転速度n2を計算する。要するに、第1方向R1の最大回転速度n1は平均回転速度ANwp1の2倍であり、第2方向R2の最大回転速度n2は平均回転速度ANwp2の2倍である。これにより、第1方向R1の最大回転速度n1及び第1方向R1の駆動時間t1と、第2方向R2の最大回転速度n2及び第2方向R2の駆動時間T-t1と、が設定でき、このようにモータ回転速度が動作するようにモータ回転速度指令を生成することができる。
【0050】
なお、これ以外の第3の実施の形態の構成、作用、及び効果は、第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0051】
<第1乃至第3の実施の形態のまとめ>
以上説明したように、本第1乃至第3の実施の形態に係るポンプ駆動システム30,130によると、ポンプ駆動モータ31により回転軸32の第1方向R1と第2方向R2とに回転させることで、第1ワンウェイクラッチF1を介して第1ポンプWP1を回転駆動でき、かつ第2ワンウェイクラッチF2を介して第2ポンプWP2を回転駆動でき、つまり第1ポンプWP1及び第2ポンプWP2の回転を独立して制御することができる。また、第1ポンプWP1と第2ポンプWP2とのそれぞれに専用のポンプ駆動モータやドライバを設けることを不要にでき、つまり1つのポンプ駆動モータ31により第1ポンプWP1と第2ポンプWP2とを回転駆動できるので、ポンプ駆動システム30,130並びに熱媒体循環システム10の小型化やコストダウンを図ることができる。
【0052】
また、制御部50がポンプ駆動モータ31を制御して回転軸32を第1方向R1と第2方向R2とに交互に回転させることで、第1ポンプの回転と第2ポンプの回転とを制御することを実現できる。
【0053】
また、ポンプ駆動システム30,130によって、第3循環路13に介在する第1ポンプWP1と第4循環路14に介在する第2ポンプWP2との回転を制御することで、第3循環路13における冷却水の流量と第4循環路14における冷却水の流量とを制御することができる。
【0054】
そして、制御部50が、1周期における第1ポンプWP1の駆動時間t1と、その駆動時間t1における第1ポンプWP1の最大回転速度n1と、1周期における第2ポンプWP2の駆動時間T-t1と、その駆動時間T-t1における第2ポンプWP2の最大回転速度n2と、を演算してポンプ駆動モータ31を制御することで、第3循環路13における冷却水の必要流量と、第4循環路14における冷却水の必要流量と、をそれぞれ達成することができる。
【0055】
<他の実施の形態の可能性>
なお、以上説明した第1乃至第3の実施の形態においては、本ポンプ駆動システム30を、冷却水を循環させる熱媒体循環システム10に適用したものを説明したが、これに限らず、2つのポンプを別々に駆動することが求められるシステムであればどのようなものに用いても構わない。例えば自動変速機、ハイブリッド駆動装置、電気自動車用の電動駆動装置等で、油圧供給や潤滑油供給を行う油圧制御システムに用いても構わない。この場合、熱媒体の流体として油を使用することが一般的であるが、水や油に限らず、熱を運び得る流体であれば、どのような流体であっても構わない。
【0056】
また、第1乃至第3の実施の形態において、熱媒体循環システム10では、ラジエータ3、ヒータ4、モータ5、バッテリ6に冷却水を循環させるものを説明したが、これらに限らず、例えばエバポレータ、熱交換機、電動アスクル、各種コンデンサ(高電圧電力回路用も含む)等、どのようなものを冷却したり暖機したりするものでも構わない。
【0057】
また、第1乃至第3の実施の形態においては、ポンプ駆動モータ31を第1方向R1又は第2方向R2に回転させることで回転軸32を第1方向R1又は第2方向R2に回転させるものを説明したが、これに限らず、例えばポンプ駆動モータ31の回転を反転可能なギヤ機構等を用いて回転軸32を第1方向R1又は第2方向R2に回転させるものでもよい。また、回転軸32と第2ワンウェイクラッチF2との間にアイドラギヤを介在させて、回転軸32の第1方向の回転を第1ポンプWP1に第1方向の回転として伝達可能にすると共に、回転軸32の第2方向の回転を反転して第2ポンプWP2に第1方向の回転として伝達可能にしてもよい。この場合は、第1ワンウェイクラッチF1及び第2ワンウェイクラッチF2を同じワンウェイクラッチ、或いは少なくとも同方向の回転で駆動するワンウェイクラッチで構成でき、かつ第1ポンプWP1及び第2ポンプWP2も同じポンプ、或いは少なくとも同方向の回転で駆動するポンプで構成することができ、コストダウンを図ることができる。
【0058】
また、第1乃至第3の実施の形態においては、ポンプ駆動モータ31の回転速度を制御する際に、各ポンプの平均回転速度から駆動時間と最大回転速度とを求めて回転速度指令とするものを説明したが、これに限らず、第1ポンプWP1と第2ポンプWP2とで必要流量が確保できれば、どのような計算方法であっても構わない。
【0059】
また、第1乃至第3の実施の形態においては、回転軸32を第1方向R1と第2方向R2とに交互に回転させることで、第1ポンプWP1と第2ポンプWP2とを時期的に同時に回転駆動するものを説明したが、例えば第1ポンプWP1と第2ポンプWP2とを同時に駆動する必要がないシステムでは、第1ポンプWP1を回転駆動する時期と、第2ポンプWP2を回転駆動する時期と、をすらして使用するものであってもよい。
【符号の説明】
【0060】
1…車両/10…熱媒体循環システム/13…第3循環路(第1の循環路)/14…第4循環路(第2の循環路)/30…ポンプ駆動システム/31…ポンプ駆動モータ(回転電機)/32…回転軸(回転部材)/50…制御部/F1…第1ワンウェイクラッチ/F2…第2ワンウェイクラッチ/R1…第1方向/R2…第2方向/WP1…第1ポンプ/WP2…第2ポンプ/ANwp1…第1ポンプの平均回転速度/ANwp2…第2ポンプの平均回転速度/n1…第1ポンプの最大回転速度/n2…第2ポンプの最大回転速度/t1…第1ポンプの駆動時間/T-t1…第2ポンプの駆動時間
図1
図2
図3
図4
図5
図6