(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173486
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】容器
(51)【国際特許分類】
B65D 6/18 20060101AFI20231130BHJP
【FI】
B65D6/18 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022085775
(22)【出願日】2022-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】591006944
【氏名又は名称】三甲株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111095
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 光男
(72)【発明者】
【氏名】岩田 貴雄
【テーマコード(参考)】
3E061
【Fターム(参考)】
3E061AA02
3E061AB09
3E061CA02
3E061DA04
3E061DA08
3E061DB17
(57)【要約】
【課題】物品を好適に収容するとともに、水捌けを良好とする容器を提供する。
【解決手段】容器1は、容器1の収容部1aの底面を構成する底壁部3を具備して平面視略矩形状をなす底壁構成部2と、底壁構成部2の各側辺部に対して回動変位可能に連結される側壁部6、7とを備え、箱型に組立てられた組立状態と、側壁部6、7が底壁構成部2の上方に折畳まれた折畳状態とに状態変化可能に構成される。短辺側側壁部7は、短辺側側壁部7の内面を構成する短辺側ベース部11を備え、容器1の折畳状態では短辺側ベース部11の一部が底壁部3と上下に対向して当接する。底壁部3は、上下に貫通する貫通孔32同士が近接して設けられる密部33と、密部33に比べ底壁部3における所定面積に占める貫通孔32の開口面積の割合が少ない疎部34とを備える。容器1の折畳状態において、短辺側ベース部11の一部が、底壁部3の密部33と対向するように構成される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視略矩形状をなす底壁構成部と、前記底壁構成部の各側辺部に対してそれぞれ上方に立設される起立姿勢と、前記底壁構成部の上方に畳まれる折畳姿勢との間を回動変位可能な側壁部とを具備し、全ての前記側壁部が前記起立姿勢とされた組立状態と、全ての前記側壁部が前記折畳姿勢とされた折畳状態とに状態変化可能な容器において、
前記側壁部は、前記起立姿勢にある当該側壁部の内面を構成するベース部と、前記ベース部から前記容器の外方側に突出する補強リブとを備え、
前記底壁構成部は、前記容器の前記組立状態において物品を収容可能な収容部の底面を構成する底壁部を備え、
前記底壁部には、上下に貫通する貫通孔が設けられ、
前記底壁部は、前記貫通孔同士が近接して設けられる密部と、前記密部に比べ前記底壁部における所定面積に占める前記貫通孔の開口面積の割合が少ない疎部とを備え、
前記側壁部は、前記折畳姿勢とされた場合に前記ベース部の少なくとも一部が前記底壁部と上下に対向して当接又は近接する対象側壁部を備え、
前記容器の前記折畳状態において、前記対象側壁部の前記ベース部の少なくとも一部は、前記底壁部の前記密部と対向するように構成されていることを特徴とする容器。
【請求項2】
前記対象側壁部は、当該対象側壁部の外面側において、前記容器が前記組立状態とされた場合に、前記対象側壁部の前記折畳姿勢とされる側への変位を規制するためのロック部材を収容可能なロック部材収容部を備え、
前記ロック部材収容部の少なくとも一部は前記ベース部により前記容器の内方側が画定され、
前記容器の前記折畳状態において、前記対象側壁部の前記ベース部のうち前記ロック部材収容部の形成範囲の少なくとも一部は、前記底壁部の前記密部と対向するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記底壁構成部は、前記底壁部の各側辺部から上方に突出する土台部を備え、
所定の前記土台部と前記底壁部との境界部において、前記底壁部から前記土台部にかけて延在する境界貫通孔が設けられ、
前記境界貫通孔は、前記所定の土台部に対して前記側壁部を回動変位可能に連結するための軸構成部に対し、当該側壁部の横幅方向において重複しないように配置され、
前記境界貫通孔のうち少なくとも一つは、前記密部に近接して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項4】
前記底壁部の前記密部は、前記対象側壁部が前記折畳姿勢とされた場合に、前記対象側壁部の前記ベース部のうち下辺部を含む部位と対向する第1密部と、前記対象側壁部の前記ベース部のうち各側辺部を含む部位と対向する一対の第2密部とを備え、前記底壁部を平面視した場合に前記第1密部及び前記第2密部が全体として略コ字状に延在していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の容器。
【請求項5】
前記底壁部の前記密部は、前記第1密部から前記底壁部の中央部側に離間した位置において前記一対の第2密部の間を連結するようにして延在する第3密部を備え、前記底壁部を平面視した場合に、前記第1密部、前記第2密部、及び、前記第3密部が全体として略ロ字状に延在していることを特徴とする請求項4に記載の容器。
【請求項6】
前記対象側壁部は、前記ベース部のうち前記対象側壁部が前記折畳姿勢とされる場合に前記底壁部のうち前記第1密部、及び、前記一対の第2密部で囲まれる部位と対向する部位の少なくとも一部を含む範囲を前記容器の外方側に膨出させるようにして形成された膨出部を備えていることを特徴とする請求項4に記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の運搬等に使用される容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、物品の運搬等に使用される容器として、平面視略矩形状をなす底壁構成部と、底壁構成部の各側辺部に対してそれぞれ上方に立設される起立姿勢と、底壁構成部の上方に畳まれる折畳姿勢との間を姿勢変化可能な側壁部とを備える折畳式の容器が知られている。また、容器の内側の水捌けや通気性の向上を図るべく、底壁構成部等に多数の孔部を設けるといった技術がある(例えば、特許文献1等参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、容器に収容される物品によっては、底壁構成部に設けられた孔部の縁部と接触して損傷等してしまうことが懸念され、当該物品を収容する容器としては、前記孔部が極力設けられないことが望ましい。しかしながら、底壁構成部に孔部が設けられない場合には、例えば、容器の非使用時に屋外に保管される場合等において容器の内側に雨水等が溜まってしまったり、容器を洗浄した後に容器から洗浄液を除去する作業が比較的大変になってしまったりすることが懸念される。特に、容器が折畳まれた状態では、容器の内側の水捌けや通気性の低下がより顕著となり、当該容器の内側に雨水や洗浄液等が存在する場合には、当該雨水や洗浄液等がより長期に滞留してしまうことが懸念される。
【0005】
本発明は上記例示した問題点等を解決するためになされたものであって、その目的は、物品を好適に収容するとともに、水捌けを良くすることができる容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
【0007】
手段1.平面視略矩形状をなす底壁構成部と、前記底壁構成部の各側辺部に対してそれぞれ上方に立設される起立姿勢と、前記底壁構成部の上方に畳まれる折畳姿勢との間を回動変位可能な側壁部とを具備し、全ての前記側壁部が前記起立姿勢とされた組立状態と、全ての前記側壁部が前記折畳姿勢とされた折畳状態とに状態変化可能な容器において、
前記側壁部は、前記起立姿勢にある当該側壁部の内面を構成するベース部と、前記ベース部から前記容器の外方側に突出する補強リブとを備え、
前記底壁構成部は、前記容器の前記組立状態において物品を収容可能な収容部の底面を構成する底壁部を備え、
前記底壁部には、上下に貫通する貫通孔が設けられ、
前記底壁部は、前記貫通孔同士が近接して設けられる密部と、前記密部に比べ前記底壁部における所定面積に占める前記貫通孔の開口面積の割合が少ない疎部とを備え、
前記側壁部は、前記折畳姿勢とされた場合に前記ベース部の少なくとも一部が前記底壁部と上下に対向して当接又は近接する対象側壁部を備え、
前記容器の前記折畳状態において、前記対象側壁部の前記ベース部の少なくとも一部は、前記底壁部の前記密部と対向するように構成されていることを特徴とする容器。
【0008】
手段1によれば、底壁部に貫通孔が設けられることで容器の内部の水捌け、及び、通気性の向上を図ることができ、特に、密部が設けられることで、密部を介してより積極的な水抜きや通気等を図ること(密部が下側となるように容器を傾ける、密部の下方の通気性を良くする等)ができる。さらに、容器の折畳状態において、対象側壁部のベース部の少なくとも一部が底壁部の密部と対向する構成により、底壁部と対象側壁部とが面で当接又は近接する箇所を低減させることができ、例えば、底壁部と対象側壁部とが面で当接又は近接する箇所に液体が入り込んで滞留し易くなってしまう(容器を傾けたとしても表面張力により液体が下側に流れない上、通気がほぼ無く乾燥し難い)ことを抑止することができる。従って、容器の水捌けや通気性の向上を図ることができ、容器をより衛生的に運用することが可能となる上、容器の内側に溜まる液体を排出する場合の作業性の向上を図ることができる。また、底壁部に疎部が設けられることで、容器に収容された物品が貫通孔の縁部に接触して(擦れたり、圧接したりして)損傷するといった事態を抑制することができ、容器に収容されて運搬等される物品の品質確保等を図ることができる。
【0009】
手段2.前記対象側壁部は、当該対象側壁部の外面側において、前記容器が前記組立状態とされた場合に、前記対象側壁部の前記折畳姿勢とされる側への変位(当該対象側壁部と、当該対象側壁部に隣接する前記側壁部との相対変位)を規制するためのロック部材を収容可能なロック部材収容部を備え、
前記ロック部材収容部の少なくとも一部は前記ベース部により前記容器の内方側が画定され、
前記容器の前記折畳状態において、前記対象側壁部の前記ベース部のうち前記ロック部材収容部の形成範囲の少なくとも一部は、前記底壁部の前記密部と対向するように構成されていることを特徴とする手段1に記載の容器。
【0010】
手段2によれば、対象側壁部のベース部のうちロック部材収容部の形成範囲においてベース部を貫通する側壁貫通孔が設けられていなくても、又は、側壁貫通孔の形成範囲が少なくても、容器の折畳状態において対象側壁部のベース部のうちロック部材収容部の形成範囲の少なくとも一部が底壁部の密部と対向することから、ベース部と底壁部との面での当接又は近接が抑制される。従って、例えば、対象側壁部のベース部のうちロック部材収容部の形成範囲に側壁貫通孔を密に設けることで、ロック部材収容部の強度や剛性の低下を招いたり、ロック部材収容部に異物が進入し易くなったりするといった事態を防止することができる。その上、容器の折畳状態においてベース部のうち側壁貫通孔がさほど設けられていない部位と対向する位置に密部を設けることで、折畳状態の容器の内側に液体を滞留させ難くするといった作用効果がより確実に奏される。
【0011】
手段3.前記底壁構成部は、前記底壁部の各側辺部から上方に突出する土台部を備え、
所定の前記土台部と前記底壁部との境界部において、前記底壁部から前記土台部にかけて延在する境界貫通孔が設けられ、
前記境界貫通孔は、前記所定の土台部に対して前記側壁部を回動変位可能に連結するための軸構成部に対し、当該側壁部の横幅方向において重複しないように配置され、
前記境界貫通孔のうち少なくとも一つは、前記密部に近接して設けられていることを特徴とする手段1に記載の容器。
【0012】
手段3によれば、密部における水捌け及び通気性の向上を図ることができる。特に、密部が下側となるように容器を傾けて容器内部に溜まった液体を容器外部に排出する場合に、土台部にまで形成された境界貫通孔からより効率的に液体が排出されることとなる。また、境界貫通孔は軸構成部と重複しないように配置されることにより、軸構成部の強度低下等を回避しつつ、境界貫通孔を土台部において極力高い位置にまで形成することができる。
【0013】
手段4.前記底壁部の前記密部は、前記対象側壁部が前記折畳姿勢とされた場合に、前記対象側壁部の前記ベース部のうち下辺部を含む部位と対向する第1密部と、前記対象側壁部の前記ベース部のうち各側辺部を含む部位と対向する一対の第2密部とを備え、前記底壁部を平面視した場合に前記第1密部及び前記第2密部が全体として略コ字状に延在していることを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の容器。
【0014】
手段4によれば、組立状態にある容器に物品を収容した場合、底壁部のうち外周側の部位に当接して支持された物品は、側壁部、又は、側壁部を支持するために底壁部の側辺部から上方に突出するようにして設けられた土台部にも当接して、傾き(回動変位)等が規制される。このため、底壁部の外周側の部位に密部(第1密部、及び、第2密部)を設けるとしても、当該密部の貫通孔に対して物品がねじ込まれるようにして回動変位し、物品が損傷するといった事態を抑止することができる。特に、物品自体の底部の外周部が面取り形状である場合(例えば、略球形等の丸い物の場合)には、物品と密部(貫通孔の縁部)との接触自体が抑制される。さらに、底壁部の外周に沿って広範囲に密部が設けられる上、例えば、密部が下側となるように容器を傾けることで、より積極的かつ確実に容器内側の液体を密部の貫通孔を介して容器外部に排出させることが可能となる。従って、収容された物品の品質確保を図りつつ、容器の水捌け及び通気性の向上を図るといった作用効果がより顕著に奏される。
【0015】
手段5.前記底壁部の前記密部は、前記第1密部から前記底壁部の中央部側に離間した位置において前記一対の第2密部の間を連結するようにして延在する第3密部を備え、前記底壁部を平面視した場合に、前記第1密部、前記第2密部、及び、前記第3密部が全体として略ロ字状に延在していることを特徴とする手段4に記載の容器。
【0016】
手段5によれば、容器の水捌け及び通気性の向上をより一層図ることができる。尚、容器の組立状態において、第3密部に隣接して仕切り板が立設されることとしてもよい。この場合、容器に収容されて仕切り板に当接した物品の第3密部への接触が抑制され、当該物品が第3密部(貫通孔の縁部)に当接(圧接)すること等に起因する損傷等を抑制することができる。また、仕切り板を設けずとも、容器に収容された(略球形の)物品同士が当接して物品の第3密部への接触(圧接)が極力回避されるような運用も考えられる。
【0017】
手段6.前記対象側壁部は、前記ベース部のうち前記対象側壁部が前記折畳姿勢とされる場合に前記底壁部のうち前記第1密部、及び、前記一対の第2密部で囲まれる部位と対向する部位の少なくとも一部を含む範囲を前記容器の外方側に膨出させるようにして形成された膨出部を備えていることを特徴とする手段4に記載の容器。
【0018】
手段6によれば、底壁部のうち第1密部、及び、一対の第2密部で囲まれた部位に疎部を設けつつ、対象側壁部を折畳姿勢とした場合に、当該疎部と、対象側壁部のベース部とが当接、又は、近接する箇所を低減させることができる。従って、容器の折畳状態における対象側壁部と、底壁部との間の水捌け、及び、通気性の向上等を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図3】組立状態から一方の短辺側側壁部を折畳姿勢とした状態を示す容器の斜視図である。
【
図6】短辺側側壁部の斜視図であって、(a)は外面側を示し(b)は内面側を示す。
【
図9】組立状態から一方の短辺側側壁部を折畳姿勢とした状態を示す容器(
図3に示す容器)の一部断面を含む部分拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、一実施形態について図面を参照して説明する。
図1、
図5に示すように、上方に開口する略四角箱状の容器1は、平面視略矩形状をなす底壁構成部2を備えており、底壁構成部2は、略矩形板状をなす底壁部3と、底壁部3の各長側辺部からそれぞれ上方に突出する長辺側土台部4と、底壁部3の各短側辺部からそれぞれ上方に突出する短辺側土台部5とを具備している。さらに、
図1~
図3に示すように、容器1は、各長辺側土台部4に対してそれぞれ回動変位可能に連結された長辺側側壁部6と、各短辺側土台部5に対してそれぞれ回動変位可能に連結された短辺側側壁部7とを備えている。尚、本実施形態の容器1は、ポリプロピレンによって構成されている。
【0021】
長辺側側壁部6、及び、短辺側側壁部7は、それぞれ長辺側土台部4、及び、短辺側土台部5の上方に立設される起立姿勢と、底壁部3の中央部側に倒され(底壁構成部2の上方に長辺側側壁部6と短辺側側壁部7とが上下に重ねられて畳まれ)、当該底壁部3と略平行して延在する折畳姿勢との間を回動変位可能に構成されている。このため、容器1に物品を収容する場合には、全ての長辺側側壁部6、及び、短辺側側壁部7が起立姿勢とされた組立状態とし、非使用状態の容器1を保管等する場合には、全ての長辺側側壁部6、及び、短辺側側壁部7が折畳姿勢とされた折畳状態とし、省スペース化等を図ることが可能に構成されている。
【0022】
また、
図5に示す底壁部3(特に、上面)は、
図1に示す容器1の組立状態において物品を収容可能な収容部1a(容器1の内側空間)の底面を構成している。
図5に示すように、本実施形態では、長辺側土台部4の底壁部3から上方への突出長は、短辺側土台部5の底壁部3から上方への突出長よりも長くなっており、長辺側側壁部6を回動可能に支持するための長辺側軸受部8の形成位置も、短辺側側壁部7を回動可能に支持するための短辺側軸受部9の形成位置よりも上方に位置している。さらに、各短辺側土台部5は、相対する一対の長辺側土台部4の内面同士を連結するようにして設けられており、長辺側側壁部6の横幅は、底壁構成部2の長手幅とほぼ同じに構成される一方で、短辺側側壁部7の横幅は、一対の長辺側土台部4間の距離以下の長さに構成されている。
【0023】
このため、本実施形態では、組立状態にある容器1を折畳状態とする場合には、
図3に示すように、一対の短辺側側壁部7を先に折畳姿勢としてから、
図2に示すように、長辺側側壁部6を折畳姿勢へと変位させる構成となっている。
図7、
図8に示すように、容器1の折畳状態では、折畳姿勢とされた短辺側側壁部7が底壁部3の上方に重なるとともに、折畳姿勢とされた長辺側側壁部6が短辺側側壁部7の上方に重なるようになっている。本実施形態では、折畳姿勢とされた一対の短辺側側壁部7は、両方とも底壁部3の上面に当接して支持され、折畳姿勢とされた一対の長辺側側壁部6のうち、先に折畳姿勢とされた一方の長辺側側壁部6が一対の短辺側側壁部7に当接して支持され、後に折畳姿勢とされた他方の長辺側側壁部6が前記一方の長辺側側壁部6に当接して支持されるように構成されている。また、長辺側土台部4の上辺部の一部は、折畳姿勢にある長辺側側壁部6よりも上方に位置している。尚、本実施形態では、一対の短辺側側壁部7が対象側壁部に相当する。
【0024】
図1、
図3、
図6に示すように、短辺側側壁部7は、起立姿勢にある短辺側側壁部7の内面を構成する略矩形板状の短辺側ベース部11と、短辺側ベース部11から容器1の外方側に突出する短辺側補強リブ12と、短辺側ベース部11の下辺部に対応する短辺側補強リブ12から下方に突出し、短辺側土台部5の短辺側軸受部9に対して回動可能に連結される短辺側ヒンジ部13とを備えている。
【0025】
また、
図3等に示すように、長辺側側壁部6についても、起立姿勢にある長辺側側壁部6の内面を構成する長辺側ベース部21と、長辺側ベース部21から容器1の外方側に突出する長辺側補強リブ22と、長辺側ベース部21の下辺部に対応する長辺側補強リブ22から下方に突出し、長辺側土台部4の長辺側軸受部8に対して回動可能に連結される長辺側ヒンジ部23とを備えている。さらに、長辺側側壁部6には、長辺側ベース部21の両側辺部から容器1の内方側に突出する規制壁部24が設けられている。規制壁部24には、長辺側側壁部6の横幅方向に貫通する挿入孔部25が設けられている。加えて、長辺側側壁部6には、規制壁部24のうち長辺側側壁部6の横幅方向中央部側の面に連結され、短辺側側壁部7の横幅方向中央部側に開口する略四角枠状のロック係止部26が設けられている。
【0026】
これに対し、
図6(a)に示すように、短辺側側壁部7の外面側の両側部には、短辺側側壁部7の外面側の厚みを省略するようにして構成され、容器1の組立状態において長辺側側壁部6の規制壁部24と略当接する被規制壁部14と、被規制壁部14の外面から容器1の外方側に突出し、容器1が組立状態とされた場合に、規制壁部24の挿入孔部25に挿入される(挿入孔部25に対して略凹凸嵌合して係止状態とされる)挿入突部15とが設けられている。当該構成により、容器1の組立状態において、長辺側側壁部6、及び、短辺側側壁部7の容器1の外方側への傾倒変位が防止されるとともに、長辺側側壁部6と、短辺側側壁部7との間の上下方向における相対変位が規制されるようになっている。
【0027】
さらに、短辺側側壁部7の外面側には、容器1が組立状態とされた場合に、短辺側側壁部7の折畳姿勢とされる側(容器1の内側)への回動変位を規制する、ひいては、容器1の組立状態を維持するためのロック部材16を収容可能なロック部材収容部17が設けられている。ロック部材16は、容器1の組立状態において、長辺側側壁部6のロック係止部26に挿入されて係止される突出位置と、ロック係止部26から抜け出して係止状態が解消される退避位置との間を変位可能に構成される左右一対のスライド片18(
図6(a)のスライド片18は突出位置にある)と、左右一対のスライド片18を一度に退避位置へと変位させる操作を可能とする操作部19とを備えている。スライド片18がロック係止部26に係止された状態であるロック部材16のロック状態では、短辺側側壁部7と、当該短辺側側壁部7に隣接する長辺側側壁部6との相対変位が規制され、スライド片18が退避位置とされてロック部材16のロック状態が解消されることで、短辺側側壁部7の容器1の内側への回動変位が許容される。また、ロック部材16を収容する(保持する)ロック部材収容部17は、短辺側ベース部11によって容器1の内方側が画定されている。さらに、ロック部材16は、短辺側補強リブ12の先端縁(外縁部)等により構成される短辺側側壁部7の外面よりも容器1の外方側に突出しないように構成されている。
【0028】
尚、
図7~
図9に示すように、底壁構成部2は、底壁部3の下面から下方に突出する支持部31を備えている。支持部31は、底壁部3から下方に突出するリブが下面視で略格子状に設けられる(底壁部3の長側辺部及び短側辺部に対して約45度傾斜した角度で延在する複数のリブ同士が交差して設けられるとともに、当該交差して設けられるリブが、底壁部3の長側辺部又は短側辺部と略平行して延在するリブに囲われ、かつ、連結されている)ことにより構成されている。また、図示は省略するが、容器1は、組立状態にある(物品を収容した)容器1同士を、水平方向における位置ずれを防止しつつ、上下に積み重ねる(スタッキングする)ことができるように構成されている。さらに、容器1は、折畳状態にあっても、容器1同士を、水平方向における位置ずれを防止しつつ、上下に積み重ねる(スタッキングする)ことができるように構成されている。
【0029】
さて、
図4、
図5等に示すように、底壁部3には、上下に貫通する貫通孔32が設けられている。本実施形態では、底壁部3は、貫通孔32同士が近接して設けられる密部33と、密部33に比べ底壁部3における所定面積に占める貫通孔32の開口面積の割合が少ない疎部34とを備えている。密部33における貫通孔32間の距離は、当該密部33を構成する貫通孔32の最大となる幅よりも短く(さらに本例では、密部33を構成する貫通孔32の最小となる幅よりも短い)、疎部34における貫通孔32間の距離は、当該疎部34を構成する貫通孔32の最大となる幅(本例では、当該貫通孔32が円形のため直径)よりも長くなっている。尚、所定の貫通孔32と、当該所定の貫通孔32に最も近い貫通孔32とを含むようにして最小となるように略矩形状に区画された領域の面積を「所定面積」としてもよく、例えば、所定面積に占める貫通孔32の開口面積の割合が、6割5分以上で密部33とされ(本例の密部33は7割以上であり最大でも9割以下)、6割5分未満で疎部34とされることとしてもよい。また、底壁部3の全域が部位ごとに密部33及び疎部34のどちらかに属する(密部33に属する貫通孔32は疎部34に属さず、貫通孔32が近くに形成されていない部位も疎部34に属する)こととしてもよい。
【0030】
加えて、密部33は、各短辺側土台部5に沿って延在する第1密部33aと、各長辺側土台部4に沿って延在する第2密部33bとを備えている。第2密部33bは、底壁構成部2(底壁部3)の長手幅方向中央部を含む範囲には設けられていない。さらに、第1密部33aの端部と第2密部33bの端部とが連続して設けられている(底壁部3のコーナー部に設けられた貫通孔32が、第1密部33a及び第2密部33bを兼ねている)。このため、底壁構成部2(底壁部3)を平面視した場合に、全体として略コ字状に延在する第1密部33a及び第2密部33bが底壁構成部2の長手幅方向において一対で(対称に)設けられている。
【0031】
さらに、密部33は、各第1密部33aから底壁部3の中央部側に離間した位置において底壁構成部2の短手幅方向において相対する一対の第2密部33bの端部の間を連結するようにして第1密部33aと略平行して延在する第3密部33cを備えている。このため、底壁構成部2(底壁部3)を平面視した場合に、全体として略ロ字状に延在する第1密部33a、第2密部33b、及び、第3密部33cが底壁構成部2の長手幅方向において一対で(対称に)設けられている。尚、密部33では、底壁構成部2の下面側に設けられる支持部31によって区画される各領域に貫通孔32が1つずつ設けられる構成とされており、底壁部3に貫通孔32が設けられることにより低下する強度等が支持部31により補われるようになっている。
【0032】
また、
図7~
図9に示すように、本実施形態では、折畳姿勢とされた各短辺側側壁部7は、それぞれ短辺側ベース部11が底壁部3と上下に対向し、面で当接するように構成されている。特に、本実施形態では、折畳姿勢とされた短辺側側壁部7の短辺側ベース部11のうち、下辺部を含む部位と第1密部33aとが対向し(
図4、
図7、
図9参照)、短辺側ベース部11のうち各側辺部を含む部位と各第2密部33bとが対向し(
図4、
図8参照)、短辺側ベース部11のうちロック部材収容部17の形成範囲(ロック部材収容部17を構成する部位)の一部が、第3密部33cと対向する(
図4、
図7、
図9参照)ように構成されている。
【0033】
また、
図5、
図8に示すように、各長辺側土台部4と底壁部3との境界部において、底壁部3から長辺側土台部4にかけて延在する境界貫通孔35が設けられている(前記境界部が面取り形状である場合には、当該面取り形状部に境界貫通孔35が設けられることとしてもよい。また、長辺側土台部4及び前記面取り形状部に連続して境界貫通孔35が設けられてもよいし、前記面取り形状部及び底壁部3(さらには長辺側土台部4)に連続して境界貫通孔35が設けられてもよい)。
図5に示すように、境界貫通孔35は、各長辺側土台部4に対応して複数箇所に設けられ、境界貫通孔35のうち少なくとも一つは、密部33(第2密部33b)に近接して設けられている。加えて、境界貫通孔35は、長辺側ヒンジ部23とともに長辺側側壁部6の軸構成部を構成する長辺側軸受部8に対し、当該長辺側側壁部6の横幅方向において重複しないように配置されている。尚、複数設けられる境界貫通孔35のうち密部33(第2密部33b)に近接して設けられている境界貫通孔35は、密部33(第2密部33b)を構成する貫通孔の一つとして捉えることも可能である。また、本実施形態では、短辺側土台部5から底壁部3にかけて延在する境界貫通孔は設けられていないが(短辺側土台部5に近接して形成範囲が底壁部3のみの貫通孔32は設けられている)、設けることとしてもよい。
【0034】
また、
図3、
図6等に示すように、長辺側側壁部6、及び、短辺側側壁部7においても、長辺側ベース部21、及び、短辺側ベース部11を貫通する側壁貫通孔36が設けられている。基本的には、長辺側ベース部21、及び、短辺側ベース部11のうち、その外面側において、長辺側補強リブ22、及び、短辺側補強リブ12によって囲まれる各領域に少なくとも1つは、側壁貫通孔36が設けられている。尚、本実施形態では、短辺側ベース部11のうちロック部材収容部17を構成する部位にも側壁貫通孔36が設けられているが、側壁貫通孔36を設けることなくロック部材収容部17を形成するような構成としてもよい。
【0035】
図6、
図8に示すように、短辺側側壁部7は、短辺側ベース部11のうち、短辺側側壁部7が折畳姿勢とされた場合に底壁部3のうち第1密部33a、一対の第2密部33b、及び、第3密部33cで囲まれる部位と対向する部位の一部を含む範囲を容器1の外方側に膨出させるようにして形成された膨出部37を備えている。本実施形態では、膨出部37は、左右一対で設けられ、短辺側側壁部7の高さ方向において、ロック部材収容部17の直下方位置から短辺側ベース部11の下辺部近傍部位にまで延在している。
【0036】
また、膨出部37は、短辺側ベース部11から容器1の外方側に突出する略四角枠状の膨出形成リブ38と、膨出形成リブ38の先端部(外縁部)側を閉塞する膨出先端壁部39とを備え、膨出形成リブ38の内周側に位置する短辺側ベース部11が省略された格好とされている。膨出形成リブ38のうち、膨出部37の左右の側辺部、及び、下辺部に対応する部位は、容器1の外方側に向けて、膨出形成リブ38の内周側に傾斜して延びている。さらに、
図6、
図9等に示すように、当該膨出形成リブ38の各傾斜部位(左右の側辺部、及び、下辺部)と、短辺側ベース部11との境界部において、当該膨出形成リブ38の各傾斜部位と、短辺側ベース部11とにかけて形成された側壁貫通孔36が設けられている(膨出形成リブ38のうち膨出部37の上辺部に対応する部位にも同様に形成された側壁貫通孔36が設けられていてもよい)。加えて、当該膨出形成リブ38の傾斜部位と、短辺側ベース部11との境界部の近傍には、短辺側ベース部11に対して略直交する方向に突出する短辺側補強リブ12が設けられている。尚、本例においては、膨出形成リブ38についても、短辺側補強リブ12に含む趣旨である。
【0037】
例えば、
図8等に示すように、容器1が折畳状態にある場合に、長辺側側壁部6及び短辺側側壁部7の外面側(折畳状態では上方を向いている面)に雨水等が進入した場合には、側壁貫通孔36を介して雨水等が下方に案内される。特に、長辺側側壁部6の側壁貫通孔36は、容器1の折畳状態において長辺側側壁部6で受けた雨水等が、極力、短辺側側壁部7の膨出部37を含む領域に進入するように配置されている。さらに、短辺側側壁部7の膨出部37を含む領域においては、膨出形成リブ38の傾斜部位によって、雨水等が積極的に短辺側側壁部7の側壁貫通孔36に案内され、下方の底壁部3へと排出される。膨出形成リブ38と、短辺側ベース部11との境界部に設けられた側壁貫通孔36の一部は、第1密部33a、又は、第2密部33bと上下に対向配置されており(
図9参照)、当該部位に関しては、側壁貫通孔36から排出された雨水等がスムース(直接的)に底壁部3の貫通孔32から容器1の外部に排出される。また、膨出形成リブ38と、短辺側ベース部11との境界部に設けられた側壁貫通孔36のその他に関しては、底壁部3の貫通孔32と上下に対向配置されていないものも存在するが、膨出部37により底壁部3との間に雨水等を流すスペースが確保され、比較的スムースに、貫通孔32から雨水等を排出可能である。
【0038】
以上詳述したように、本実施形態によれば、底壁部3に貫通孔32が設けられることで容器1の内部の水捌け、及び、通気性の向上を図ることができ、特に、密部33が設けられることで、密部33を介してより積極的な水抜きや通気等を図ること(密部33が下側となるように容器1を傾ける、密部33の下方の通気性を良くする等)ができる。さらに、容器1の折畳状態において、短辺側側壁部7の短辺側ベース部11の一部が底壁部3の密部33(第1密部33a、第2密部33b、及び、第3密部33c)と対向する構成により、底壁部3と短辺側側壁部7とが面で当接(又は近接)する箇所を低減させることができ、例えば、底壁部3と短辺側側壁部7とが面で当接(又は近接)する箇所に液体が入り込んで滞留し易くなってしまう(容器1を傾けたとしても表面張力により液体が下側に流れない上、通気がほぼ無く乾燥し難い)ことを抑止することができる。従って、容器1の水捌けや通気性の向上を図ることができ、容器1をより衛生的に運用することが可能となる上、容器1の内側に溜まる液体を排出する場合の作業性の向上を図ることができる。また、底壁部3に疎部34が設けられることで、容器1に収容された物品が貫通孔32の縁部に接触して(擦れたり、圧接したりして)損傷するといった事態を抑制することができ、容器1に収容されて運搬等される物品の品質確保等を図ることができる。
【0039】
また、短辺側側壁部7の短辺側ベース部11のうちロック部材収容部17の形成範囲において短辺側ベース部11を貫通する側壁貫通孔36の形成範囲が少なくても(仮に、側壁貫通孔36が設けられていなくても)、容器1の折畳状態において短辺側側壁部7の短辺側ベース部11のうちロック部材収容部17の形成範囲の一部が底壁部3の密部33(第3密部33c)と対向することから、短辺側ベース部11と底壁部3との面での当接(又は近接)が抑制される。従って、例えば、短辺側側壁部7の短辺側ベース部11のうちロック部材収容部17の形成範囲に側壁貫通孔36を密に設けることで、ロック部材収容部17の強度や剛性の低下を招いたり、ロック部材収容部17に異物が進入し易くなったりするといった事態を防止することができる。その上、容器1の折畳状態において短辺側ベース部11のうち側壁貫通孔36がさほど設けられていない部位と対向する位置に密部33(第3密部33c)を設けることで、折畳状態の容器1の内側に液体を滞留させ難くするといった作用効果がより確実に奏される。
【0040】
さらに、長辺側土台部4と底壁部3との境界部において、底壁部3から長辺側土台部4にかけて延在する境界貫通孔35が複数個所に設けられ、当該境界貫通孔35の一部は、第2密部33bに近接して設けられている。このため、第2密部33bにおける水捌け及び通気性の向上を図ることができる。特に、第2密部33bが下側となるように容器1を傾けて容器1内部に溜まった液体を容器1外部に排出する場合に、長辺側土台部4にまで形成された境界貫通孔35からより効率的に液体が排出されることとなる。また、境界貫通孔35は長辺側側壁部6の横幅方向において長辺側軸受部8と重複しないように配置されることにより、長辺側軸受部8の強度低下等を回避しつつ、境界貫通孔35を長辺側土台部4において極力高い位置にまで形成することができる。
【0041】
加えて、第1密部33a、及び、第2密部33bは、短辺側側壁部7が折畳姿勢とされた場合に短辺側ベース部11のうち下辺部を含む部位、及び、各側辺部を含む部位と対向するようにして設けられている。すなわち、組立状態にある容器1に物品を収容した場合、底壁部3のうち外周側の部位に当接して支持された物品は、側壁部6、7、又は、側壁部6、7を支持するために底壁部3の側辺部から上方に突出するようにして設けられた土台部4、5にも当接して、傾き(回動変位)等が規制される。このため、底壁部3の外周側の部位に密部33(第1密部33a、及び、第2密部33b)を設けるとしても、当該第1密部33a、及び、第2密部33bの貫通孔32に対して物品がねじ込まれるようにして回動変位し、物品が損傷するといった事態を抑止することができる。特に、物品自体の底部の外周部が面取り形状である場合(例えば、略球形等の丸い物の場合)には、物品と第1密部33a、及び、第2密部33b(貫通孔32の縁部)との接触自体が抑制される。さらに、底壁部3の外周に沿って広範囲に(平面視略コ字状に)第1密部33a、及び、第2密部33bが設けられる上、例えば、第1密部33a、又は、第2密部33bが下側となるように容器1を傾けることで、より積極的かつ確実に容器1内側の液体を第1密部33a、又は、第2密部33bの貫通孔32を介して容器1外部に排出させることが可能となる。従って、収容された物品の品質確保を図りつつ、容器1の水捌け及び通気性の向上を図るといった作用効果がより顕著に奏される。
【0042】
加えて、密部33は、第1密部33aから底壁部3の中央部側に離間した位置において一対の第2密部33bの間を連結するようにして延在する第3密部33cを備え、底壁部3を平面視した場合に、第1密部33a、第2密部33b、及び、第3密部33cが全体として略ロ字状に延在している。当該構成により、容器1の水捌け及び通気性の向上をより一層図ることができる。
【0043】
また、短辺側側壁部7は、短辺側ベース部11のうち短辺側側壁部7が折畳姿勢とされる場合に底壁部3のうち第1密部33a、一対の第2密部33b、及び、第3密部33cで囲まれる部位と対向する部位の少なくとも一部を含む範囲を容器1の外方側に膨出させるようにして形成された膨出部37を備えている。このため、底壁部3のうち第1密部33a、一対の第2密部33b、及び、第3密部33cで囲まれる部位に疎部34を設けつつ、短辺側側壁部7を折畳姿勢とした場合に、当該疎部34と、短辺側側壁部7の短辺側ベース部11とが当接する箇所(接触面積)を低減させることができる。従って、容器1の折畳状態における短辺側側壁部7と、底壁部3との間の水捌け、及び、通気性の向上等を図ることができる。
【0044】
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0045】
(a)上記実施形態では、折畳姿勢とされた一対の短辺側側壁部7は、互いに重なることなく同じ高さに配置されるように構成されているが、一方が他方の上側に重なるように構成してもよいし、当該一対の短辺側側壁部のうち予め定められた一方が常に下側とされる構成でもよいし、当該一対の短辺側側壁部を折畳姿勢とする手順により相対する一対の短辺側側壁部のどちらも下側、及び、上側となり得る構成としてもよい。さらに、上記実施形態では、組立状態にある容器1を折畳状態とする際に、短辺側側壁部7を長辺側側壁部6よりも先に折畳姿勢とするように構成されているが、長辺側側壁部を短辺側側壁部よりも先に折畳姿勢とするような構成としてもよい。当該構成を採用する場合、長辺側側壁部が対象側壁部を構成する。
【0046】
尚、折畳姿勢とされた一対の短辺側側壁部7が底壁部3と面で当接する構成に限定されることなく、例えば、折畳姿勢とされた短辺側側壁部が底壁部3(水平方向)に対して若干傾いておりその一部(内面の上辺部)が底壁部3と当接し、その近傍部位が底壁部3と近接するような構成を採用してもよい。
【0047】
また、平面視略矩形状の底壁構成部と、底壁構成部の各側辺部からそれぞれ上方に延出する側壁部と、側壁部の上辺部に沿って設けられた四角枠状の上枠とを備え、側壁部は、下辺部側が底壁構成部の側辺部に対して回動可能に連結される下壁部と、上辺部側が上枠に対して回動可能に連結されるとともに、下辺部側が前記下壁部の上辺部側に対して回動可能に連結される上壁部とを具備する相対する一対の第1側壁部と、上辺部側が上枠に対して回動可能に連結される相対する一対の第2側壁部とを備え、箱型に組立てられた組立状態から、第2側壁部を内側に回動変位させるとともに、下壁部の外面と上壁部の外面とを合わせるようにして第1側壁部を内側に折畳むことで、第1側壁部及び第2側壁部が底壁構成部の上方に折畳まれた折畳状態とすることのできる容器に具体化することも可能である。当該構成を採用する場合には、第1側壁部が対象側壁部に相当し、容器の折畳状態において、第1側壁部の下壁部のベース部の少なくとも一部が、底壁部の密部と対向するように構成されることとする。
【0048】
(b)容器1の組立状態において、第3密部33cに隣接して仕切り板が立設されること(長辺側側壁部6の内面側に仕切り板を保持する保持部を設けること)としてもよい。この場合、容器1に収容されて仕切り板に当接した物品の第3密部33cへの接触が抑制され、当該物品が第3密部33c(貫通孔32の縁部)に当接(圧接)すること等に起因する損傷等を抑制することができる。また、仕切り板を設けずとも、容器1に収容された(略球形の)物品同士が当接して物品の第3密部33cへの接触(圧接)が極力回避されるような運用も可能である。
【0049】
加えて、貫通孔32及び境界貫通孔35の配置、数、大きさ等については特に限定されるものではなく、適宜変更可能である。例えば、境界貫通孔35と第2密部33bを構成する貫通孔32との間の距離を、第2密部33bを構成する貫通孔32同士の間の距離と同等となるように構成してもよい。
【0050】
(c)上記実施形態では、容器1は、ポリプロピレンにより構成されているが、ポリエチレン、PET、ポリアミド等その他の樹脂材料により構成されることとしてもよい。また、容器1の組立状態において短辺側側壁部7の折畳姿勢側への変位を防止する構成(上記実施形態ではロック部材16)については特に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0051】
1…容器、1a…収容部、2…底壁構成部、3…底壁部、4…長辺側土台部、5…短辺側土台部、6…長辺側側壁部、7…短辺側側壁部、11…短辺側ベース部、12…短辺側補強リブ、16…ロック部材、17…ロック部材収容部、32…貫通孔、33…密部、33a…第1密部、33b…第2密部、33c…第3密部、34…疎部、35…境界貫通孔、36…側壁貫通孔、37…膨出部。