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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173500
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】外観を変更できる収納箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/68 20060101AFI20231130BHJP
   B65D 6/24 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
B65D5/68 F
B65D6/24 L
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022085794
(22)【出願日】2022-05-26
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-01-10
(71)【出願人】
【識別番号】721002370
【氏名又は名称】鳥居 美千代
(72)【発明者】
【氏名】鳥居 美千代
【テーマコード(参考)】
3E060
3E061
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060BB01
3E060CB03
3E060CB22
3E060DA30
3E060EA20
3E061AA05
3E061AB02
3E061CA17
3E061DB11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】3種類の箱の配置を変えて組合せることで、これまでとは違った態様の視覚的価値を持つ展示効果の高い収納箱を提供することにある。
【解決手段】外箱10と外箱20と、内箱30という形状が異なった3つの独立した箱で構成され、外箱10と外箱20は、内箱30を介して箱を成すこと、外箱の側壁面部は矩形以外の形状を有すること、内箱30は壁面部と矩形を有した少なくとも2つの立設面とで構成されることを特徴とするものであって、このような構成により、3つの箱の配置組合せを変えることで、4種類の異なった外観形状を実現させるという、視覚的価値を具えた展示効果の高い収納箱を形成するものである。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を設けた身箱と、
前記身箱内に嵌脱可能な状態で配置され、前記身箱より上方に突出した形状を成し、壁面部と矩形を有した少なくとも2つの立設面とで構成される中間部材から成る内箱と、
前記内箱に開閉自在に被せて、内箱に収納された物品を保護する蓋箱とから成る収納箱であって、
前記身箱と前記蓋箱は、前記身箱及び前記蓋箱双方の役割を果たす第1の外箱と、
前記第1の外箱とは形状を異にするが、前記身箱及び前記蓋箱双方の役割を果たす第2の外箱とで構成したことを特徴とする収納箱。
【請求項2】
前記第1の外箱、及び前記第2の外箱の底壁面部の周縁に配した側壁面部は、矩形以外の形状を有している請求項1に記載の収納箱。
【請求項3】
前記中間部材は、第1の中間部材と第2の中間部材で構成され、
前記第1の中間部材と前記第2の中間部材が組み合わさり、
前記内箱を形成する請求項1に記載の収納箱。



















【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、数種類の外観を形成する収納箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に収納箱は、商品を収納する身箱と、身箱に被せて商品を保護する蓋箱との一対で収納空間を形成し容器としての役割を果たしており、上下から成る2つの箱は身箱と蓋箱という夫々の役割に分かれている。
【0003】
近年では個人間でのインターネット販売が増加し、競合者との差別化を図る手段として印象に残るパッケージや化粧箱の需要が多くなってきている。また企業でも、ブランドの感性価値を高めるために製品パッケージの外観表現に気を配り、視覚的価値を演出しようとしており、専門の技術書籍なども販売されている。このような観点から展示効果の高い収納箱が望まれている現状が読み取れる。
【0004】
特許文献1には、底板の前端縁、後端縁、左側端縁、夫々一端側が高く他端側が低い傾斜状の前板、後板、左側板、右側板を、高端側同志が接合され且つ低端側同志が接合されるよう連設してなる一対の箱体を形成し、この一方の箱体内に、前枠、左側枠、後枠、右側枠が、前記前板、後板、右側板と同一傾斜で且つこれらより少しずつ高くなるように形成された一対の半枠体を枠形状に接合してから挿入すると共に、一方の箱体の開放側に他方の箱体の開放側を、これらの相対向する前板、後板、左側板、右側板の高い部分と低い部分とが互いに重合されるよう開閉自在に被せたことを特徴とする商品収納箱が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実公平02-019370
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
印象に残るパッケージを演出するために、デザイン画や、様々な色や模様などで他の箱と差別化を図る収納箱が提案されているが、収納箱の形状としては、従来からの四角形を基本とした直方体の箱が殆どで、箱は四角という概念が定着していることから、形状での差別化は難しい現状が有る。
【0007】
特許文献1は、消費者の興味を引き付けて購買意欲を促すような商品収納箱となっている。箱を開けた時に商品が立体的に見えるようにするため、4辺のうち1辺を傾斜にして成る四角形を側面に用いるという工夫は有るものの、箱を閉めた時の外観は身箱と蓋箱で構成される一般的な直方体であり、外観印象に欠けるところが有る。
【0008】
上記従来技術の課題解決に鑑み、本発明は、身箱、蓋箱として役割分担することなく夫々を共用できる、形状の異なる2つの外箱と、身箱内に配置し且つ身箱内での配置転換が可能な内箱とで箱体を構成し、外箱の側壁面部を矩形以外の形状で構成することにより、3つの構成体の配置組合せを変えることで4種類の独特の外観を形成するという、これまでの直方体とは違った態様の外観を持つ収納箱を提供することに有る。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決する請求項1に記載の本発明は、開口部を設けた身箱と、前記身箱内に嵌脱可能な状態で配置され、前記身箱より上方に突出した形状を成し、壁面部と矩形を有した少なくとも2つの立設面とで構成される中間部材から成る内箱と、前記内箱に開閉自在に被せて、内箱に収納された物品を保護する蓋箱とから成る収納箱であって、前記身箱と前記蓋箱は、前記身箱及び前記蓋箱双方の役割を果たす第1の外箱と、前記第1の外箱とは形状を異にするが、前記身箱及び前記蓋箱双方の役割を果たす第2の外箱とで構成したことを特徴とする収納箱となる。
【0010】
本発明によれば、本願収納箱は、第1の外箱及び第2の外箱と、内箱との3つの箱体から構成されており、内箱は中間部材から成されている。
身箱と蓋箱の組合せによって形成される箱体は、一般的に身箱底壁面部の周縁に配置された側壁面部に内周側を高くした段差部を設け、その段差部の外周側に、蓋箱の天板部の周縁に下向きに配置された側壁面部を被せて密閉させ物品を保護している。本発明の収納箱に於いては、身箱内に配置された内箱が、上述の身箱の側壁面部に設けた段差部の機能を担っている。内箱の身箱より上方に突出した形状部に蓋箱を開閉自在に被せて蓋をし、身箱と蓋箱がずれることの無い箱体を完成させ、内箱に収納された物品を保護するものである。
次に、第1の外箱と第2の外箱は、どちらも身箱及び蓋箱双方を兼用できることと、第2の外箱が第1の外箱とは形状を異にする構成であることから、配置を入れ替えて身箱と蓋箱の役割を変更することにより外観の相違する収納箱を形成できるもので有る。
また、内箱は、壁面部と矩形を有した少なくとも2つの立設面で構成された中間部材から成っており、この立設した2面は、長辺と短辺から成る長方形で有ることから、中間部材の向きを変えて内箱の配置変えをすることにより、辺の長さの違いを活かして、内箱の高さを変えることを可能にしている。このような構成により、本発明は4つの外観が形成可能な収納箱となっている。
【0011】
前記課題を解決する請求項2に記載の本発明は、前記第1の外箱、及び前記第2の外箱の底壁面部の周縁に配した壁面部は、矩形以外の形状を有している請求項1に記載の収納箱である。
【0012】
本発明によれば、第1の外箱、及び第2の外箱の底壁面部の周縁に配した壁面部に於いて、少なくとも1壁面部は矩形以外の形状を有していることにより、直方体以外の独特な外観を形成する収納箱となる。
【0013】
前記課題を解決する請求項3に記載の本発明は、前記中間部材は、第1の中間部材と第2の中間部材で構成され、前記第1の中間部材と前記第2の中間部材が組み合わさり、前記内箱を形成する請求項1に記載の収納箱である。
【0014】
本発明によれば、第1の中間部材が形成する内箱の収納空間をより強固な保管場所にする為、収納機能を補助する部材として第2の中間部材を備えており、2つの中間部材を組み合せて形成される内箱は、より安定した収納が行えるようになっている。
【発明の効果】
【0015】
2つの外箱と内箱との配置組み合わせを変えることにより、4種類の異なった外観を実現させるという視覚的印象と展示効果に優れ、且つ蓋を開ける時の期待感から、収納商品の価値を高めることも可能となる収納箱を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】は、本発明の収納箱を構成する第1の外箱の斜視図である。
図2】は、本発明の収納箱を構成する第2の外箱の斜視図である。
図3】は、本発明の収納箱を構成する内箱の第1の中間部材の斜視図である。
図4】は、本発明の収納箱を構成する内箱の第2の中間部材の斜視図である。
図5】は、本発明の収納箱を構成する内箱の斜視図である。
図6】は、本発明の第1の実施例における収納箱の斜視図である。
図7】は、発明の第1の実施例における収納箱の正面図(A)と側面図(B)である。
図8】は、本発明の第2の実施例における収納箱の斜視図である。
図9】は、本発明の第2の実施例における収納箱の正面図(A)と側面図(B)である。
図10】は、本発明の第3の実施例における収納箱の斜視図である。
図11】は、本発明の第3の実施例における収納箱の正面図(A)と側面図(B)である。
図12】は、本発明の第4の実施例における収納箱の斜視図である。
図13】は、本発明の第4の実施例における収納箱の正面図(A)と側面図(B)である。
図14】は、本発明の第1の実施例における内箱の中間部材を用いて、展示を行った場合の第1の使用例を示す斜視図である。
図15】は、本発明の収納箱を構成する内箱の中間部材を用いて、展示を行った場合の第2の使用例を示す斜視図である。
図16】は、本発明の第5の実施例における収納箱の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の収納箱について、その実施形態を以下に説明をする。
【0018】
本発明の実施形態に係る収納箱101~105は、それぞれが独立した、第1の外箱10と第2の外箱20と内箱30から構成されており、内箱30は第1の中間部材30Aと、第2の中間部材30Bで成されている。
【0019】
図1は本発明の収納箱を構成する第1の外箱10の斜視図である。第1の外箱10は、長方形の底壁面部11と、この底壁面部11の周縁に、全て同じ傾斜値を有して配置された等脚台形状の側壁面部12、13、14、15とを備えている。これらの側壁面部12,13、14、15の先端側即ち底壁面部11が形成されない側には長方形の第1開口部16が構成されている。
【0020】
図2は本発明の収納箱を構成する第2の外箱20の斜視図である。第2の外箱20は、長方形の底壁面部21と、この底壁面部21の周縁に、全て同じ傾斜値を有して配置された等脚台形状の側壁面部22、23、24、25とを備えている。これらの側壁面部22,23、24、25の先端側即ち底壁面部21が形成されない側には長方形の第2開口部26が構成されている。第2の外箱20は、第1の外箱10とは箱の高さや側壁面部の傾斜値を変えている。本実施例に於いて、第1の外箱10の底壁面部11と側壁面部12とで形成される内側角度は70度であるが、第2の外箱20の底壁面部21と側壁面部22とで形成される内側角度は110度となっている。
【0021】
内箱30の中間部材は、第1の中間部材30Aと第2の中間部材30Bで構成されている。図3は、本発明の収納箱を構成する内箱30の第1の中間部材30Aの斜視図である。第1の中間部材30Aは、長方形の底壁面部31と、この底壁面部31の短手方向に立設配置された長方形の右側壁面部32と、同左側壁面部33と、底壁面部31と左右側壁面部32,33との3面とに接合された長方形の背壁面部34と、で構成されている。尚、内箱30の中間部材は、壁面部と矩形を有した少なくとも2つの立設面とで構成されるものであるが、本実施例に於いての第1の中間部材30Aは、4壁面部で構成されており、隣接する壁面部同士が直角に接合されている。
【0022】
図4は、本発明の収納箱を構成する内箱の第2の中間部材30Bの斜視図である。第2の中間部材30Bは、長方形の正壁面部41と、その正壁面部41の短手方向に立設配置された長方形の右側壁面部42と、同左側壁面部43と、で構成され、隣接する壁面部同士が直角に接合されている。第1の中間部材30Aの背壁面部34に対向する面側から、第1の中間部材30Aに嵌脱自在に挿入出来るようになっている。第2の中間部材30Bの側壁面部42を構成する辺47と辺48は、第1の中間部材30Aの側壁面部32を構成する辺37と辺38の長さを基準にしており、第2の中間部材30Bの側壁面部42に対抗する側壁面部43と、第1の中間部材30Aの側壁面部32に対抗する側壁面部33との4側壁面部は、全て辺37と辺38の長さを基準にした長方形となっている。
【0023】
図5は、本発明の収納箱を構成する内箱30の斜視図である。第1の中間部材30Aに第2の中間部材30Bを嵌合挿入させ、第3開口部36を設けた内箱30を構成している。内箱30は物品を収納する役割を担っており、第1の中間部材30Aと第2の中間部材30Bが組み合わさり、4面が囲われた収納空間を作ることにより、設置状態が不安定な球状の物などを収納する場合に於いても、より安定した収納状態が保持できる内箱を形成している。
【0024】
通常の箱体に於いての身箱は、物品を収納する場所として定義されているが、本発明に於いての身箱は内箱30を配置する為の場所である。このため身箱内に内箱30の大きさに合わせた開口部を設けている。また蓋箱に於いても、内箱に被せて蓋をすることから、身箱と同様に、内箱の大きさに合わせた開口部を設けている。このように、身箱と蓋箱は、どちらも内箱30の大きさに合わせた同じ大きさの開口部を有していることから、身箱と蓋箱を構成する第1の外箱10と第2の外箱20は、どちらも身箱としてその内部に内箱30を配置することも出来るし、内箱30に被せて、蓋箱として機能する事も可能となる。したがって第1の外箱10と第2の外箱20は、身箱と、蓋箱との区別を限定することなく双方の役割を果たせる構成になっている。
【0025】
このことから、既に形成されている収納箱の第1の外箱10と第2の外箱20の配置を入替え、身箱だった外箱を蓋箱にし、蓋箱だった外箱を身箱にし、それぞれの役割を変更することにより、今までとは異なった外観の収納箱を形成することが可能となる。このような視覚的効果を生むためには、第1の外箱10と第2の外箱20の形状を相違させることは言うまでもないが、相違した形状であっても、双方が内箱30の大きさに合わせた同じ大きさの開口部を有しているため、その配置を入れ替えて身箱と蓋箱との役割を変更することが可能であって、これにより2通りの外観を実現させている。
【0026】
図6は、本発明の第1の実施例における収納箱101の斜視図である。図7は、本発明の第1の実施例における収納箱の正面図(A)と側面図(B)である。本発明の収納箱101は図6図7の第1の実施例で示すように、内箱30を収納するための第1開口部16を設けた第1の外箱10と、第1の外箱10内に配置され、第1の外箱10より上方に突出した形状を成している内箱30と、内箱30に開閉自在に被せて蓋をする第2の外箱20で構成されている。この実施例では、身箱の役割を担っているのが第1の外箱10で有り、蓋箱の役割を担っているのが第2の外箱20で有る。また、内箱30は、第1の外箱10内に嵌脱可能な状態で配置されている。
本実施例の第1開口部16と第2開口部26が向かい合い箱体を成す状態に於いて、第1の外箱10の底壁面部11と側壁面部12とで形成される内側角度は70度となり、第2の外箱20の底壁面部21と側壁面部22とで形成される内側角度も70度となる。第1の外箱10、または第2の外箱20が蓋箱として機能する場合、反転することにより身箱側の底壁面部と側壁面部で形成される内側角度と同じ値となる。底壁面部の周縁に設けた側壁面部は、全て同じ傾斜値を有し配置されていることから、底壁面部と他の側壁面部で形成される内側角度も同じ値となり、単なる直方体とは異なる台形の形をした箱体を構成している。
【0027】
図8は、本発明の第2の実施例における収納箱102の斜視図である。図9は、本発明の第2の実施例における収納箱の正面図(A)と側面図(B)である。
図8と、図9とで示す本発明の収納箱102は、図6と、図7との第1の実施例から第1の外箱10と第2の外箱20との配置を入れ替えた実施例を示している。この実施例では、身箱の役割を担っていた第1の外箱10を蓋箱として配置し、蓋箱の役割を担っていた第2の外箱20を身箱として配置し、内箱30とで箱体を構成している。
【0028】
内箱30は、身箱内に嵌脱可能な状態で配置されており、内箱30を構成する第1の中間部材30Aは、図3でも示しているように正壁面部を設けていないことから、身箱内で向きを変えて配置することにより、内箱30の高さを変えることが可能となる。
図6図9で示した第1及び第2の実施例での内箱30は、第1の中間部材30Aの側壁面部32の短辺37が身箱の底壁面部と垂直になるように身箱に設置し、第2の中間部材30Bを組み合わせた姿勢(第1姿勢と呼ぶ)となっているが、図10図13で示した第3及び第4の実施例での内箱30は、第1の中間部材30Aの側壁面部32の長辺38が身箱の底壁面部と垂直になるように設置され、第2の中間部材30Bを組み合わせた姿勢(第2姿勢と呼ぶ)となっている。つまり図6図9で底面として機能していた第1の中間部材30Aの底壁面部31を、図10図13では背面になるように身箱に入れ替えた図を示している。
これは、第1の中間部材30Aの底壁面部31と背壁面部34に接合している右側壁面部32と左側壁面部33が、長辺と短辺から成る長方形の構造であることに因り、身箱内で配置転換をすることで、辺の長さの違いを活かして、内箱30の高さを変える効果を生んでいる。
【0029】
第1の外箱10と第2の外箱20で形成される収納箱の内寸は、内箱30を、第1の中間部材30Aの右側壁面部32の短辺37が身箱の底壁面部と垂直になるように身箱に設置し、第2の中間部材30Bを組み合わせた第1姿勢で配置した場合を基準にしている。
このため、第1及び第2の実施例で示したように、内箱30を第1姿勢で身箱に配置した場合、身箱と蓋箱とは隙間なく重合された外観となるが、第3及び第4の実施例で示すように、内箱30を第2姿勢で身箱に配置した場合は、身箱と蓋箱との間に隙間空間を作り出し、その空間に内箱30を出現させる外観となる。これは、収納箱の内寸高を中間部材30Aの側壁面部の短辺37を基準にした高さにしているため、中間部材30Aの側壁面部の長辺38が身箱の底壁面部と垂直になるように内箱を配置したことに因るものである。
このように、身箱内で内箱30の配置を入れ替えることにより、外観の違う2種類の実施形態を可能としており、より印象的な外観を演出し展示効果が期待できる収納箱となっている。
【0030】
図10図13は、上述のように図6図9で示した内箱30の配置を変えたことにより、収納箱の外観が変わったことを表す図である。
図10図11は、本発明の第3の実施例における収納箱103の斜視図である。第1の実施例に於ける内箱30を第1姿勢から第2姿勢に変更し配置した図である。第1の外箱10と第2の外箱20との間に隙間空間が形成され、その空間から内箱30を覗かせた外観の箱となっている。内箱と外箱との配色を変更すればその形状は見た目にも顕著になり、より印象が強くなる収納箱となる。
【0031】
図12図13は、本発明の第4の実施例における収納箱104の斜視図である。第2の実施例に於ける内箱30を第1姿勢から第2姿勢に変更し配置した図である。第1の外箱10と第2の外箱20との間に隙間空間を作成し、その空間から内箱30を覗かせた外観の箱となっている。身箱より蓋箱の方が大きいことから、蓋に指がかかりやすく箱の開閉がしやすい特徴を持った実施例である。
【0032】
本収納箱の内寸は、第1の中間部材30Aの側壁面部32の長辺38が身箱の底壁面部に平行となるように身箱に配置した内箱30の第1姿勢を基準としているが、図10図13で示した実施例に於いては、第1の中間部材30Aの側壁面部32の短辺37が身箱の底壁面部に平行となるように内箱30の第2姿勢で身箱に配置している。長辺を基準として形成された空間に短辺を挿入することから、辺の長さの違いによる隙間が生じ、第1の中間部材30Aは身箱内で動いてしまうことも考えられるが、第2の中間部材30Bを構成する側壁面部の42の長辺48が底壁面部に平行になるように第1の中間部材30Aと組み合わさり内箱30の第2姿勢を形成し身箱に挿入されるため、第2の中間部材30Bが第1の中間部材30Aの移動を抑え安定した収納箱を実現させている。
【0033】
図14、及び図15で示すように、内箱30Aは展示用の道具として使用することが可能である。内箱30Aを収納箱101の上に設置し屏風のように利用したり、底壁面部と背壁面部との接点を真下にした形状で、第1の外箱10の中に内箱30Aを挿入し出来た空間に収納物を展示したりと、内箱30Aは人目を惹く展示を行うための道具として活用できる。
【0034】
図6図7で示す第1の実施例では、収納箱101の側壁面が上方に傾斜しているため、箱側壁面を描画キャンパスとして活用できる。斜面に描かれた絵や文字は視界に入りやすく印象に残りやすい。このように色や絵などでも、利用者に充足感を与えられる箱となっている。
【0035】
単色で彩色を施した本発明の収納箱を2箱以上用意し、例えて言うならば、赤箱と青箱と黄箱等を用いて、赤い身箱と青の蓋箱に黄色の内箱を合わせたり、青の身箱と黄の蓋箱に赤い内箱を合わせたりと、身箱と蓋箱と内箱の配置組合せに因り、より多くの配色を楽しめる収納箱となる。
【0036】
上記実施例では、台形の形をした箱型を実施例にしているが、本発明の収納箱は、図16のように、直線形に限らず曲線を用いて箱を構成するなどして、その発想のもとに自由にデザインできるものである。
【0037】
本発明の収納箱101~105は、視覚的にも人目を惹く展示デザインを選択出来るが、保管収納のみを目的とし使用したい場合に応じて、正面部、背面部と、底面部と、左側面部と、右側面部から成る5面部で構成する内箱を別途付属させることも可能であって、用途や趣向に合わせ選択が出来るものである。
【0038】
本発明の収納箱101は、本実施例に於いては、帯締めを収納する箱として、外寸「長さ330×幅80×高さ50(mm)」程度の大きさを想定しているが、収納物を万年筆や時計などの小物、または菓子箱等にする場合は、この寸法より小さくし、掛け軸等大きな物を収納する場合は大きくするなど、箱の寸法は収納物の大きさに合わせて適宜設定が可能である。
【0039】
本発明の収納箱は、帯締めを収納する箱としては、木目の美しい吉野杉などの木材で加工するのが最適であるが、収納物に応じて、厚紙や樹脂で製箱することも可能である。
【0040】
身箱と蓋箱タイプの収納箱は高級品に多く採用されており、本発明はその形状から購入者に与える印象が強いので、視覚からも顧客の満足度を向上させられる。蓋を開ける時の期待感から商品の魅力を引き立たせ、優れたプロモーション効果を生みだす事に繋がることから、一定のブランディング効果も期待できる。4種類の外観を演出できる視覚的価値を持った本発明は、こうした経済効果を生み出す一助と成り得る社会的意義の有る収納箱であるといえる。
【符号の説明】
【0041】
10 第1の外箱
11 外箱10の底壁面部
12~15 外箱10の側壁面部
16 第1開口部
20 第2の外箱
21 外箱20の底壁面部
22~25 外箱20の側壁面部
26 第2開口部
30 内箱
30A 第1の中間部材
31 30Aの底壁面部
32~33 30Aの側壁面部
34 30Aの背壁面部
36 第3開口部
37 30Aの側壁面部32の短辺
38 30Aの側壁面部32の長辺
30B 第2の中間部材
41 30Bの正壁面部
42~43 30Bの側壁面部
47 30Bの側壁面部42の短辺
48 30Bの側壁面部42の長辺
101~105 収納箱
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【手続補正書】
【提出日】2022-10-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の外箱と、第2の外箱と、内箱とからなる、3つの箱体で構成される収納箱であって、
これら3つの箱体は、それぞれ独立しており、
前記内箱は、第1の外箱だけでなく、第2の外箱にも嵌脱可能な状態で配置でき、
前記第1の外箱及び前記第2の外箱は、それぞれ身箱又は蓋箱の役割を果たし、
前記第1の外箱を身箱とした場合、前記内箱が前記第1の外箱に嵌脱可能な状態で配置でき、前記第2の外箱が蓋箱となり、
前記第1の外箱を蓋箱とした場合、前記内箱が前記第2の外箱に嵌脱可能な状態で配置でき、前記第2の外箱が身箱となり、
前記身箱は、開口部を設けた身箱であり
前記内箱は、前記身箱内に嵌脱可能な状態で配置され、前記身箱と前記蓋箱がずれることの無いように前記身箱より上方に突出した形状を成し、前記身箱の側壁面部に設けた段差部の機能を担い、壁面部と矩形を有した少なくとも2つの立設面とで構成される中間部材から成る内箱であり
前記蓋箱は、前記内箱に開閉自在に被せて、内箱に収納された物品を保護する蓋箱であることを特徴とする収納箱。
【請求項2】
前記内箱は、第1の中間部材と第2の中間部材で構成され、嵌脱自在に組み合せられる内箱であるか、又は
前記内箱は、正面部と、背面部と、底面部と、左側面部と、右側面部から成る5面部で構成される内箱であり、
前記第1の外箱、及び前記第2の外箱の底壁面部の周縁に配した側壁面部は、矩形以外の形状を有している請求項1に記載の収納箱。
【請求項3】
第1の外箱は、長方形の底壁面部と、この底壁面部の周縁に、全て同じ傾斜値を有して配置された等脚台形状の側壁面部とを備え、
第2の外箱は、長方形の底壁面部と、この底壁面部の周縁に、全て同じ傾斜値を有して配置された等脚台形状の側壁面部とを備えている請求項に記載の収納箱。