(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173505
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20231130BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022085806
(22)【出願日】2022-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】平 勇輝
【テーマコード(参考)】
2C333
【Fターム(参考)】
2C333AA11
2C333CA53
2C333FA05
2C333FA09
2C333FA17
(57)【要約】
【課題】遊技者によってオートボタン機能における操作の内容をカスタマイズ可能にした遊技機を提供する。
【解決手段】図柄の変動表示中又は大当たり遊技中の所定のタイミングで開始される遊技者による操作手段の操作が有効な操作有効期間内に操作手段が操作されたことを契機として操作手段の操作に伴う演出を実行する一方で、操作有効期間において操作手段の操作を自動で行うオートボタン機能を備え、そのオートボタン機能の操作の内容を事前に遊技者の操作に基づいて設定可能とするように構成する。
【選択図】
図29
【特許請求の範囲】
【請求項1】
始動条件が成立したことに基づいて遊技情報を取得する遊技情報取得手段と、
前記遊技情報に基づいて特典を付与するか否かを判断する特典付与判断手段と、
前記特典付与判断手段による判断結果を示す図柄の変動表示及び停止表示を行う図柄変動手段と、
遊技者に操作可能な位置に設けられた操作手段と、
図柄の変動表示中又は大当たり遊技中の所定のタイミングで開始される遊技者による前記操作手段の操作が有効な操作有効期間内に、前記操作手段が操作されたことを契機として前記操作手段の操作に伴う演出を実行する演出実行手段と、
前記操作有効期間において前記操作手段の操作を自動で行う自動操作手段と、
前記自動操作手段による操作の内容を事前に遊技者の操作に基づいて設定する自動操作設定手段と、を有することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記演出実行手段は、前記操作有効期間内に前記操作手段が繰り返し操作されることによって演出を実行し、
前記自動操作設定手段は、前記操作有効期間において前記操作手段が自動で繰り返し操作される速度を設定する請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記自動操作設定手段は、前記操作有効期間内において前記操作手段が自動で操作されるタイミングを設定する請求項1に記載の遊技機。
【請求項4】
開始される条件が異なる複数の前記操作有効期間があって、
前記自動操作設定手段は、複数の前記操作有効期間の内から前記操作手段が自動で操作される対象となる前記操作有効期間を設定する請求項1に記載の遊技機。
【請求項5】
複数の前記操作有効期間の内には、遊技者に前記操作手段の操作を促す操作推奨演出を伴って開始される操作有効期間と、前記操作推奨演出を伴わずに開始される操作有効期間とがあって、
前記自動操作設定手段は、前記操作推奨演出を伴わずに開始される前記操作有効期間について前記操作手段が自動で操作される対象とするか否かを設定する請求項4に記載の遊技機。
【請求項6】
前記特典付与判断手段の判断結果を遊技者に報知する為の画像を表示する画像表示装置を備え、
前記自動操作手段は、前記画像表示装置に前記操作手段を操作するキャラクタを表示するとともに、表示された前記キャラクタが前記操作手段を操作するアクションと対応させて前記操作手段の操作を自動で行い、
前記キャラクタは複数種類あって、キャラクタ毎に異なる前記自動操作手段による操作の内容が紐付けられ、
前記自動操作設定手段は、遊技者の操作に基づいて表示対象とする前記キャラクタを選択することにより前記自動操作手段による操作の内容を設定する請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば遊技機の一つであるパチンコ遊技機では、始動入賞口にパチンコ球が入賞すると画像表示装置に表示された図柄が変動を開始するとともに、一定時間後に停止され、停止した図柄が特定の組み合わせに揃うと大当たりとなり大入賞口が開放され、遊技者が多くのパチンコ球を獲得できる構成となっている。
【0003】
また、上記パチンコ遊技機では、大当たりの信頼度を示唆したり、遊技者に遊技を飽きさせない目的で、画像、音、ランプ、役物を用いて様々な演出を行っている。このような演出の一つとして、図柄の変動中や大当たり遊技中の所定タイミング(例えばSPリーチ中等)においてパチンコ遊技機に設置されたボタン等の操作手段の操作を遊技者に促し、遊技者によって操作手段が操作されることを契機として対応する演出を行うことが知られている(例えば特開2016-120392号公報)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に開示されているような操作手段の操作に伴う演出は、基本的に遊技者によって操作手段が操作されることを契機として実行されるが、操作手段の操作を促されても操作が面倒などの理由により操作を行わない遊技者も一定数存在する。そこで、そのような遊技者に対する機能として、遊技者が事前に設定することによって操作手段の操作が可能な場面において遊技機側で自動で操作手段の操作を行う機能(以下、オートボタン機能という)を備えた遊技機が存在する。
【0006】
但し、オートボタン機能によって自動で操作手段が操作される際の操作の内容は、機種毎に予め決められた一律の内容であり、遊技者が設定できるのは基本的にオートボタン機能をONするかOFFするかの2択に限られていた。
【0007】
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、遊技者によってオートボタン機能における操作の内容をカスタマイズ可能にした遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため本発明に係る遊技機は、始動条件が成立したことに基づいて遊技情報を取得する遊技情報取得手段と、前記遊技情報に基づいて特典を付与するか否かを判断する特典付与判断手段と、前記特典付与判断手段による判断結果を示す図柄の変動表示及び停止表示を行う図柄変動手段と、遊技者に操作可能な位置に設けられた操作手段と、図柄の変動表示中又は大当たり遊技中の所定のタイミングで開始される遊技者による前記操作手段の操作が有効な操作有効期間内に、前記操作手段が操作されたことを契機として前記操作手段の操作に伴う演出を実行する演出実行手段と、前記操作有効期間において前記操作手段の操作を自動で行う自動操作手段と、前記自動操作手段による操作の内容を事前に遊技者の操作に基づいて設定する自動操作設定手段と、を有することを特徴とする。
尚、「操作手段の操作を自動で行う」とは、遊技者によって操作手段の操作が物理的に行われなくとも操作手段の操作が行われた場合と同じ処理を行う(駆動手段などを用いて自動で物理的な操作を行ってもよいし、ソフトウェア上で操作が行われたとみなして処理を行うかどちらでも良い)、即ち演出実行手段による操作手段の操作に伴う演出を実行することをいう。
【発明の効果】
【0009】
前記構成を有する本発明に係る遊技機によれば、操作有効期間において操作手段の操作を自動で行う際の操作の内容を事前に遊技者の操作に基づいて設定可能とすることにより、従来に比べて遊技者の希望に合わせたより多彩なカスタマイズを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機の正面図である。
【
図2】
図1に示すパチンコ遊技機に設けられた表示器類を拡大して示す説明図である。
【
図3】
図1に示すパチンコ遊技機に設けられた主制御基板および周辺機器の電気的構成をブロックで示す説明図である。
【
図4】
図1に示すパチンコ遊技機に設けられたサブ制御基板および周辺機器の電気的構成をブロックで示す説明図である。
【
図8】特図変動パターン選択テーブルの説明図である。
【
図9】第1特図保留記憶部の記憶内容を示す説明図である。
【
図10】第2特図保留記憶部の記憶内容を示す説明図である。
【
図14】遊技制御用マイコンが実行するメイン側主制御処理のフローチャートである。
【
図15】遊技制御用マイコンが
図14に示すメイン側主制御処理において実行するメイン側タイマ割込処理のフローチャートである。
【
図16】遊技制御用マイコンが
図15に示すメイン側タイマ割込処理において実行する始動口センサ検出処理のフローチャートである。
【
図17】遊技制御用マイコンが
図15に示すメイン側タイマ割込処理において実行するV入賞検出処理のフローチャートである。
【
図18】遊技制御用マイコンが
図15に示すメイン側タイマ割込処理において実行する特別図柄待機処理のフローチャートである。
【
図19】遊技制御用マイコンが
図18に示す特別図柄待機処理において実行する第2特図大当たり判定処理のフローチャートである。
【
図20】遊技制御用マイコンが
図18に示す特別図柄待機処理において実行する第2特図変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図21】
図20のフローチャートの続きのフローチャートである。
【
図22】遊技制御用マイコンが
図15に示すメイン側タイマ割込処理において実行する特別図柄変動処理のフローチャートである。
【
図23】演出制御用マイコンが実行するサブ側主制御処理のフローチャートである。
【
図24】演出制御用マイコンが
図23に示すサブ側主制御処理において実行する1msタイマ割込処理のフローチャートである。
【
図25】演出制御用マイコンが
図23に示すサブ側主制御処理において実行する10msタイマ割込処理のフローチャートである。
【
図26】演出制御用マイコンが
図25に示す10msタイマ割込処理において実行する受信コマンド解析処理のフローチャートである。
【
図27】演出制御用マイコンが
図26に示す受信コマンド解析処理において実行する変動演出開始処理のフローチャートである。
【
図28】演出制御用マイコンが
図25に示す10msタイマ割込処理において実行するスイッチ処理のフローチャートである。
【
図29】オートボタン機能に関する設定操作を行う際に演出表示装置に表示されるオートボタン機能設定画面を示した図である。
【
図30】演出制御用マイコンが
図26に示す受信コマンド解析処理において実行するボタン演出処理のフローチャートである。
【
図31】演出表示装置で表示されるセリフ予告中のボタン演出の一例を示した図である。
【
図32】演出表示装置で表示されるSPリーチ中のボタン演出の一例を示した図である。
【
図33】演出表示装置で表示されるSPリーチ中のボタン演出の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態に係る遊技機について図を参照しつつ説明する。本実施形態では、本発明の実施形態に係る遊技機としてパチンコ遊技機について説明する。なお、以下の説明において、パチンコ遊技機の各部の方向を説明する場合は、そのパチンコ遊技機と対向して遊技を行う遊技者から見た方向を基準とする。具体的には、パチンコ遊技機の各部の左右方向および上下方向は、遊技者から見た左右方向および上下方向とする。また、遊技者に近づく方向を前方とし、遊技者から遠ざかる方向を後方とする。
【0012】
[パチンコ遊技機の主要構成]
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、遊技機枠16を備える。遊技機枠16は、前方側から順に、前面枠18、内枠(図示せず)、外枠(図示せず)によって構成される。前面枠18は、ハンドル4と、打球供給皿(上皿ともいう)24と、余剰球受皿(下皿ともいう)25と、演出ボタン9と、演出レバー6と、スピーカ8と、左サイドランプ23aと、右サイドランプ23bとを備えている。
【0013】
ハンドル4は、前面枠18のうち右下、つまり、パチンコ遊技機1と対向して遊技を行う遊技者が右手で握ることができる位置に設けられている。ハンドル4は、タッチスイッチ92(
図3)と、発射レバー4aと、発射停止ボタン4bとを備えている。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力するものであり、ハンドル4を握った遊技者の右手が触れる部分に配置されている。発射レバー4aは、遊技球の発射強度を調整するためのものであり、ハンドル4に回動可能に設けられている。発射停止ボタン4bは、遊技球が発射されているときに遊技球の発射を停止するためのものであり、ハンドル4を握った右手の親指により操作可能な位置に設けられている。打球供給皿(上皿ともいう)24は、前面枠18のうち中央下側に設けられている。打球供給皿24は、発射装置90(
図3)に供給する遊技球を貯留するためのものである。打球供給皿24は、貸球払出装置80(
図3)および賞球払出装置400(
図3)から払出された遊技球を貯留する。余剰球受皿(下皿ともいう)25は、前面枠18のうち打球供給皿24の下方に設けられている。余剰球受皿25は、打球供給皿24の貯留可能数を超えた遊技球を貯留する。
【0014】
演出ボタン9は、前面枠18のうち打球供給皿24の上方を覆う部分に設けられている。換言すると、演出ボタン9は、前面枠18のうち、パチンコ遊技機1と対向する遊技者が右手または左手で押圧操作可能な位置に設けられている。本実施形態では、演出ボタン9はプッシュオン式のボタンスイッチである。演出ボタン9には、演出ボタンランプ9c(
図4)と、演出ボタン振動モータ9b(
図4)とが内蔵されている。演出ボタンランプ9cは、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間に演出ボタン9が押圧操作されたときに点灯または点滅する。演出ボタン9の表面は透光性材料によって形成されており、演出ボタンランプ9cが発した光を遊技者が視認できるように工夫されている。演出ボタン振動モータ9bは、演出ボタン9を振動させるものであり、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間において所定のタイミングで振動する。本実施形態では、演出ボタンランプ9cはLEDである。
演出ボタン9には、押圧操作された演出ボタン9を押圧操作前の位置に復帰させるためのバネなどの弾性部材(図示せず)が内蔵されており、演出ボタン9は、押圧操作状態が解除されると、上記弾性部材の復元力によって押圧操作前の状態に復帰する。遊技者が、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間に演出ボタン9を押圧操作すると、特定の演出が行われる。以下、演出ボタン9の操作を契機として行われる特定の演出のことをボタン演出という。
【0015】
また、本実施形態のパチンコ遊技機1では特に演出ボタン9の操作を自動で行うオートボタン機能を備える。オートボタン機能は遊技者が事前に遊技機のカスタマイズの一つとしてON、OFFを切り替えることが可能であり、オートボタン機能をONした状態では演出ボタン9の押圧操作が有効な期間において遊技者によって演出ボタン9の操作が物理的に行われなくとも演出ボタン9の操作が行われた場合と同じ処理を行う。また、本実施形態ではオートボタン機能のON、OFFに加えてオートボタン機能による操作の内容(押すタイミング、連打速度、適用対象等)についても遊技者が設定することが可能となっている。オートボタン機能の詳細については後述する。
【0016】
前面枠18のうち余剰球受皿25の左方、つまり、前面枠18のうち下側の左端寄りには、演出レバー6が設けられている。換言すると、演出レバー6は、前面枠18のうち、パチンコ遊技機1と対向した遊技者が左手で操作可能な位置に設けられている。つまり、演出レバー6は、前面枠18のうち、パチンコ遊技機1と対向した遊技者が左手で操作可能な位置に設けられており、演出ボタン9は、前面枠18のうち、遊技者が左手で演出レバー6を操作している状態で、右手で押圧操作可能な位置に設けられている。
演出レバー6は、左手で掴むことができる棒状に形成されており、右回転または左回転の回転操作の他、後方への押し込み操作が可能である。また、演出レバー6には、演出レバー振動モータ6d(
図4)が設けられている。演出レバー振動モータ6dは、演出レバー6を振動させるものであり、演出レバー6の操作が有効な期間において所定のタイミングで振動する。遊技者が、演出レバー6の操作が有効な期間に演出レバー6を操作すると、特定の演出が行われる。以下、演出レバー6の操作を契機として行われる特定の演出のことをレバー演出という。
【0017】
前面枠18のうち、左側には左サイドランプ23aが設けられており、右側には右サイドランプ23bが設けられている。左サイドランプ23aおよび右サイドランプ23bが設けられている部分の前面枠18は透光性を有し、その透光性を有する部分の内側には複数のLEDが配置されている。各LEDは、それぞれ複数色を発光可能であり、演出内容に応じて点灯または点滅し、さらに発光色を変化させる。スピーカ8は、前面枠18のうち上部の左右の隅部にそれぞれ設けられており、音楽、効果音および報知音などの音を演出内容に応じて出力する。
【0018】
また、パチンコ遊技機1は、遊技盤2と、ガラス板5と、演出表示装置7とを備える。遊技盤2は、遊技盤2の略中央、つまり、遊技者の顔と略正対する位置に配置されている。演出表示装置7は、遊技盤2の後側に配置されており、その画面が遊技盤2の略中央から露出している。遊技盤2は、固定入賞装置10と、第1大入賞装置30と、第2大入賞装置(Vアタッカー)33と、ゲート12と、普通可変入賞装置(普通電動役物、電チューともいう)20と、一般入賞口13と、表示器類50と、センター装飾体14と、レール部材17とを備える。
【0019】
遊技盤2の盤面には、遊技球が流下(転動)する遊技領域3が形成されている。遊技領域3は、演出表示装置7の画面の左方に形成された左遊技領域3aと、演出表示装置7の画面の右方に形成された右遊技領域3bとを有する。遊技盤2の盤面には、遊技球の流下方向を変化させるための複数の遊技釘(図示せず)が打ち込まれている。遊技盤2の盤面の前方は、透明のガラス板5によって覆われている。また、
図1には示さないが、遊技盤2の複数箇所には、LEDが設けられている。それら各LEDを総称して盤ランプ(
図4において符号2aで示す)という。盤ランプ2aを構成する各LEDは、複数色を発光可能であり、演出内容に応じて点灯または点滅し、さらに発光色を変化させる。つまり、パチンコ遊技機1は、遊技制御中に演出内容に応じて左サイドランプ23a、右サイドランプ23bおよび盤ランプ2aを点灯または点滅させ、各スピーカ8から音を出力する。
【0020】
固定入賞装置10は、遊技盤2のうち下側の略中央に配置されている。固定入賞装置10は、遊技球が1個ずつ入賞(入球)可能な第1始動口11を有する。第1始動口11は常時開口しており、遊技球が第1始動口11に入賞する確率は略変動しない。ゲート12は、右遊技領域3bに配置されており、右遊技領域3bを流下する遊技球が通過可能に構成されている。普通可変入賞装置20は、右遊技領域3bのうちゲート12の下方に配置されている。普通可変入賞装置20は、可動部材21を備える。可動部材21は、基端を回動軸にして回動可能に構成されており、可動部材21が開閉動作することにより、第2始動口22が開閉する。可動部材21が開作動すると、第2始動口22が開口され、遊技球が第2始動口22に1個ずつ入賞(入球)し易い状態になる。また、可動部材21が閉作動すると、第2始動口22が閉口され、遊技球が第2始動口22に入賞することができない状態になる。
尚、
図1に示す例では普通可変入賞装置20は遊技領域3の右側に配置されているが、遊技領域3の下側に配置しても良い。
【0021】
第1大入賞装置30は、遊技盤2のうち固定入賞装置10の右方に配置されており、第2大入賞装置33は、第1大入賞装置30の上側に配置されている。第1大入賞装置30は、第1大入賞口32を開閉する第1開閉部材31を備えており、第2大入賞装置33は、第2大入賞口35を開閉する第2開閉部材34を備える。第1大入賞口32および第2大入賞口35は、それぞれ同時に複数の遊技球が入賞(入球)可能な大きさに形成されている。本実施形態では、第1開閉部材31および第2開閉部材34は、それぞれ左右方向に長い板状に形成されており、左右の下端を回動軸にして回動可能に構成されている。以下、第1大入賞口32および第2大入賞口35に共通の事項を説明する場合は、単に大入賞口という。
第2大入賞装置33の内部には、第2大入賞口35に入賞した遊技球が通過可能な領域である特定領域(V入賞領域ともいう、図示せず)および非特定領域(図示せず)が形成されている。また、第2大入賞装置33の内部には、第2大入賞口35に入賞した遊技球を特定領域または非特定領域に振り分ける振分部材(図示せず)と、この振分部材を駆動する振分部材ソレノイド35d(
図3)とが設けられている。
【0022】
表示器類50は、遊技盤2のうち遊技領域3の外側であって第1大入賞装置30の下方に設けられている。
図2に示すように、表示器類50は、第1特別図柄(第1特図ともいう)を変動表示する第1特別図柄表示器51と、第2特別図柄(第2特図ともいう)を変動表示する第2特別図柄表示器52と、普通図柄(普図ともいう)を変動表示する普通図柄表示器53とを備える。さらに、表示器類50は、第1特別図柄表示器51の作動保留の記憶数を表示する第1特図保留表示器51aと、第2特別図柄表示器52の作動保留の記憶数を表示する第2特図保留表示器52aと、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数を表示する普図保留表示器53aとを備える。以下、第1特別図柄および第2特別図柄に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄という。また、第1特別図柄表示器51および第2特別図柄表示器52に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄表示器という。
【0023】
本実施形態では、第1特別図柄表示器51および第2特別図柄表示器52は、それぞれ8個のLEDから構成されている。点灯したLED(□)および消灯したLED(■)がそれぞれ特別図柄を表しており、LEDの点灯箇所が所定方向(たとえば、左から右)へ流れる状態が特別図柄の変動表示を表している。以下、特別図柄が変動表示を開始してから特別図柄が確定表示されるまでの特別図柄の変動パターンを特図変動パターンという。
また、本実施形態では、普通図柄表示器53は、2個のLEDから構成されている。点灯したLED(□)および消灯したLED(■)が普通図柄を表しており、各LEDが交互に点灯する状態が普通図柄の変動表示を表している。また、遊技球がゲート12を通過すると、当たりか否かを判定する普通図柄の抽選が実行され、普通図柄表示器53が普通図柄を変動表示する。そして、普通図柄表示器53は、普通図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、普通図柄の抽選結果に対応する普通図柄を確定表示する。普通図柄表示器53が確定表示した普通図柄が、当たりを示す普通図柄であった場合は、普通可変入賞装置20が作動して可動部材21が開閉し、第2始動口22が開閉する。
【0024】
遊技球が第1始動口11に入賞すると大当たりか否かを判定する大当たり判定(大当たり抽選ともいう)が実行され、第1特別図柄表示器51が第1特別図柄を変動表示する。そして、第1特別図柄表示器51は、第1特別図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、大当たり判定の結果に対応する第1特別図柄を確定表示する。ここで、確定表示された第1特別図柄が、大当たりを示す特別図柄であった場合は、大当たりが発生し、第1大入賞装置30が作動して第1開閉部材31が開閉し、第1大入賞口32が開閉する。また、後述のように小当たりに当選した場合には第2大入賞装置33が作動して第2開閉部材34が開閉し、第2大入賞口35が開閉する。第1特別図柄表示器51が第1特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第1始動口11に入賞したときは、その入賞を契機とする第1特別図柄表示器51の作動が保留され、その作動保留の数を示す記憶数が第1特図保留表示器51aによって表示される。以下、第1特別図柄表示器51の作動保留の記憶数を第1特図保留数という。
【0025】
また、遊技球が第2始動口22に入賞すると大当たり判定(大当たり抽選ともいう)が実行され、第2特別図柄表示器52が第2特別図柄を変動表示する。そして、第2特別図柄表示器52は、第2特別図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、大当たり判定の結果に対応する第2特別図柄を確定表示する。ここで、確定表示された第2特別図柄が、大当たりを示す特別図柄であった場合は、大当たりが発生し、第1大入賞装置30が作動して第1開閉部材31が開閉し、第1大入賞口32が開閉する。また、後述のように小当たりに当選した場合には第2大入賞装置33が作動して第2開閉部材34が開閉し、第2大入賞口35が開閉する。更に、第2大入賞口35が開放されるのに合わせて振分部材ソレノイド35dが作動し、所定期間のみ特定領域(V入賞領域)に遊技球が通過可能な状態とする。第2特別図柄表示器52が第2特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第2始動口22に入賞したときは、その入賞を契機とする第2特別図柄表示器52の作動が保留され、その作動保留の数を示す記憶数が第2特図保留表示器52aによって表示される。以下、第2特別図柄表示器52の作動保留の記憶数を第2特図保留数という。また、第1特図保留数および第2特図保留数に共通の事項を説明する場合は、単に特図保留数という。
【0026】
以下、特別図柄表示器が特別図柄の変動表示を開始してから特別図柄を確定表示するまでを特別図柄の1回の変動という。また、特別図柄が1回変動される毎に特図保留数が1個ずつ減少することを特図保留数の消化という。また、大入賞口が開口してから閉口するまでに要する期間を大入賞口の開口期間といい、大入賞口が開口してから次回開口するまでの期間をラウンドという。また、最初のラウンド開始から最終ラウンドが終了するまでの遊技を大当たり遊技という。また、大当たり判定において大当たりと判定された場合は、大当たりの種類が抽選により決定される。大当たりの種類によって、大入賞口の開口期間、実行可能な最大ラウンド数などが異なる。更に、パチンコ遊技機1には大当たり以外に小当たりと呼ばれる当たりも存在する。小当たりに当選した場合には、大当たり遊技は行われないが大入賞口が所定期間のみ開放される。特に本実施形態では、大当たり遊技では第1大入賞口32が開放され、小当たりに当選した場合には第2大入賞口35が開放される。
【0027】
また、本実施形態のパチンコ遊技機1では、通常の大当たり判定において大当たりと判定された場合に加えて、遊技中に第2大入賞口35に入賞した遊技球が、前述した特定領域を通過(V入賞)した場合にも大当たり遊技が開始される。本実施形態のパチンコ遊技機1は、いわゆる1種2種混合機と呼ばれる機種である。また、大当たり判定において大当たりと判定される確率(以下、大当たり確率という)は基本的に固定であり、大当たり確率が通常よりも高い状態となる高確率状態は本機種では存在しない。
【0028】
一般入賞口13は、遊技盤2のうち固定入賞装置10の左方に配置されている。レール部材17は、遊技盤2の周囲に沿って配置されている。レール部材17は、発射装置90(
図3)によって発射された遊技球を遊技領域3に案内する。遊技盤2の下部中央には、どこにも入賞しなかった遊技球を排出するためのアウト口19が開口している。センター装飾体14は、遊技盤2のうち上部に配置されている。センター装飾体14は透光性を有し、その内側には、演出内容に応じて点灯・点滅する複数のLEDが設けられている。
また、パチンコ遊技機1は、可動体15を備える。可動体15は、センター装飾体14の後方に配置されている。
図1は、可動体15がセンター装飾体14に略隠れた状態を示す。可動体15は、演出内容に応じて所定のタイミングで下方に降下し、遊技者から視認可能な状態に変位する。
【0029】
演出表示装置7は、演出画像、メッセージ画像、デモンストレーション画像などの動画像および静止画像を表示する。遊技者は、それらの画像をパチンコ遊技機1の前方から見ながら遊技を行う。演出表示装置7は、演出画像として、演出(装飾)図柄を特別図柄の変動表示と同期させて変動表示する。本実施形態では、演出図柄は、1~9の算用数字を表した図柄である。なお、演出図柄には、アルファベットや特別なキャラクタなど、数字以外を表した図柄を含めてもよいし、数字以外を表した図柄と組み合わせてもよい。本実施形態では、演出表示装置7が演出図柄を変動表示する領域として、左から順に、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域、右演出図柄表示領域が設定されている。左演出図柄表示領域では左演出図柄9Lが、中演出図柄表示領域では中演出図柄9Cが、右演出図柄表示領域では右演出図柄9Rがそれぞれ変動表示される。以下、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域および右演出図柄表示領域に共通の事項を説明する場合は、単に演出図柄表示領域という。
【0030】
本実施形態では、各演出図柄の主な変動パターン(変動態様)は、演出図柄が表す数字が昇順となるように画面の上から下に移動する変動パターン、つまり、縦方向にスクロールする変動パターンである。なお、変動パターンとして、演出図柄が画面の左右の一方から他方へ移動する横スクロール方式、演出図柄が同じ表示位置にて数字の昇順に順番に表示される方式などを用いることもできる。また、演出表示装置7は、演出画像として各演出図柄の背景に背景画像を表示する。たとえば、背景画像は、テレビドラマや映画などの動画像、その動画像をアニメ化した動画像、アニメーション、パチンコ遊技機メーカーオリジナルの動画像などである。本実施形態では、演出表示装置7は、液晶表示装置である。なお、演出表示装置7として、有機EL表示装置、ドットマトリクスLEDを使った表示装置などを用いることもできる。
演出表示装置7は、各演出図柄を特別図柄の変動表示と同期させて変動表示し、特別図柄が確定表示されると同時に各演出図柄を確定表示し、大当たり判定結果を表示する。ここで、確定表示とは、演出図柄が上下に揺れたり、再変動したりすることなく、完全に停止した停止表示状態のことである。
【0031】
以下、大当たり判定の結果が大当たりであったことを表す演出図柄を大当たり演出図柄といい、大当たり判定の結果がハズレであったことを表す演出図柄をハズレ演出図柄という。本実施形態では、大当たり演出図柄は、各演出図柄が同じ数字を表す演出図柄で揃った状態、いわゆる、ぞろ目の状態である。たとえば、
図1に示すように、確定表示された左演出図柄9L、中演出図柄9Cおよび右演出図柄9Rがそれぞれ「7」で揃った状態である。また、ハズレ演出図柄は、各演出図柄が同じ数字を表す演出図柄で揃っていない状態、つまり、ぞろ目ではない状態の図柄である。たとえば、確定表示された左演出図柄9Lが「7」、中演出図柄9Cが「6」、右演出図柄9Rが「7」の状態である。
以下、演出表示装置7が特別図柄と同期させて変動表示する演出図柄を演出図柄変動パターンといい、その演出図柄変動パターンの背景に表示される画像を背景画像という。背景画像は、静止画像または動画像である。
【0032】
演出図柄変動パターンは、特図変動パターンの変動表示と同期して変動表示され、特別図柄表示器の作動保留が発生した場合は、演出表示装置7の作動も保留される。つまり、特別図柄表示器の作動保留数と、演出表示装置7の作動保留数とは一致する。尚、第1特図保留数に対応する演出表示装置7の作動保留数、及び第2特図保留数に対応する演出表示装置7の作動保留数は、保留画像によって演出表示装置7に表示される。従って、遊技者は、演出表示装置7に表示される保留画像の数を数えることにより、第1特図保留数や第2特図保留数を知ることができるとともに、第1特図保留数や第2特図保留数に起因する演出表示装置7の作動保留数を知ることができる。尚、演出表示装置7の作動保留数については演出表示装置7に表示せずに演出表示装置7の周辺にあるランプ等を用いて遊技者に報知しても良い。
【0033】
また、パチンコ遊技機1では、上記演出図柄による大当たり判定の結果の報知に加えて、演出表示装置7に表示される背景画像、スピーカ8から出力される音、盤ランプ2aの点灯、役物の動作等を複合的に用いて、大当たり判定の結果の報知を行う。具体的には、予告演出、リーチ演出等の各種演出が該当する。
【0034】
[パチンコ遊技機の主な電気的構成]
次に、パチンコ遊技機1の主な電気的構成について
図3および
図4を参照しつつ説明する。
パチンコ遊技機1は、主制御基板60(
図3)と、払出制御基板73(
図3)と、サブ制御基板100(
図4)と、画像制御基板200(
図4)と、ランプ制御基板79(
図4)と、音声制御基板78(
図4)とを備えている。
【0035】
図3に示すように、主制御基板60には、遊技制御用ワンチップマイコン(以下、遊技制御用マイコンという)61が実装されている。遊技制御用マイコン61は、CPU62と、ROM63と、RAM64と、入出力回路65とを備えている。CPU62は、入賞の検出、大当たり判定、各種乱数の更新などを実行する。ROM63には、CPU62が実行するコンピュータプログラム、大当たり判定テーブルTa1(
図5)、大当たり種別判定テーブルTa2(
図6)、リーチ判定テーブルTa3(
図7)、特図変動パターン選択テーブルTa4(
図8)などの各種のテーブルが記憶されている。遊技制御用マイコン61は、大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数など、各種の判定(抽選)にて使用する乱数を発生する。
【0036】
RAM64は、CPU62がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリなどとして使用される。また、RAM64には、第1特図保留記憶部64aと、第2特図保留記憶部64bと、普図保留記憶部64cとが設けられている。
図9に示すように、第1特図保留記憶部64aは、第1ないし第4記憶領域を備えている。つまり、記憶可能な第1特図保留数は最大4個である。各記憶領域には、遊技球が第1始動口11(
図1)に入賞したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数および変動パターン乱数が記憶される。第1特別図柄表示器51(
図2)が第1特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第1始動口11(
図1)に入賞したときは、その入賞に起因する第1特別図柄の変動表示は一旦保留(作動保留)され、その入賞に起因して取得された大当たり乱数などは第1特図保留記憶部64aに記憶される。
【0037】
一方、
図10に示すように、第2特図保留記憶部64bは、第1ないし第4記憶領域を備えている。つまり、記憶可能な第2特図保留数は最大4個である。各記憶領域には、遊技球が第2始動口22(
図1)に入賞したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数および変動パターン乱数が記憶される。第2特別図柄表示器52(
図2)が第2特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第2始動口22(
図1)に入賞したときは、その入賞に起因する第2特別図柄の変動表示は一旦保留(作動保留)され、その入賞に起因して取得された大当たり乱数などは第2特図保留記憶部64bに記憶される。
【0038】
大当たり乱数などは作動保留の発生順、つまり、遊技制御用マイコン61による取得順に第1特図保留記憶部64aおよび第2特図保留記憶部64bの各第1記憶領域から順番に記憶される。このため、大当たり乱数などが第1ないし第4記憶領域まで記憶されている場合は、第4記憶領域に記憶されている大当たり乱数などが時間的に最も新しい情報であり、第1記憶領域に記憶されている大当たり乱数などが時間的に最も古い情報である。各記憶領域に記憶されている大当たり乱数などは、特別図柄の変動表示が1回終了する毎に、記憶の順番が古い方の記憶領域に1つずつシフトする。たとえば、第2記憶領域に記憶されていた大当たり乱数などは第1記憶領域にシフトする。また、第1記憶領域に記憶されている大当たり乱数などに基づく判定(抽選)は、特別図柄表示器による特別図柄の当該変動表示が終了し、次の変動表示が始まる前に実行される。
【0039】
普図保留記憶部64c(
図3)は、遊技球がゲート12(
図1)を通過したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した普通当たり乱数(普通図柄が当たりか否かを判定(抽選)するための乱数)が記憶される。普通図柄表示器53が普通図柄を変動表示しているときに遊技球がゲート12を通過したときは、その通過に起因する普通図柄表示器53の作動は一旦保留(作動保留)され、その通過に起因して取得された普通当たり乱数は普図保留記憶部64cに記憶される。普通図柄の保留された変動表示は、現在行われている普通図柄の変動表示が終了した次に行われる。本実施形態では、普図保留記憶部64cは、計4個の保留を行うための記憶領域を有し、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数は最大4個である。以下、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数を普図保留数という。
【0040】
また、主制御基板60には、RAMクリアスイッチ66が搭載されている。パチンコ遊技機1は、RAMクリアスイッチ66が押下された状態で起動すると、RAM64およびサブ制御基板100のRAM120(
図4)を初期化する。また、主制御基板60には、表示器類50が電気的に接続されている。さらに、主制御基板60には、中継基板74を介して第1始動口センサ11aと、第2始動口センサ22aと、ゲートセンサ12aと、第1大入賞口センサ32aと、第2大入賞口センサ35aと、特定領域センサ35bと、非特定領域センサ35cと、一般入賞口センサ13aと、電チューソレノイド20aと、第1大入賞口ソレノイド30aと、第2大入賞口ソレノイド33aと、振分部材ソレノイド35dとが電気的に接続されている。
【0041】
第1始動口センサ11aは、第1始動口11(
図1)の直下に設けられており、遊技球が第1始動口11に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。第2始動口センサ22aは、第2始動口22(
図1)の直下に設けられており、遊技球が第2始動口22に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。ゲートセンサ12aは、ゲート12(
図1)のうち遊技球の通過領域に設けられており、遊技球がゲート12を通過したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。第1大入賞口センサ32aは、第1大入賞口32(
図1)の直下に設けられており、遊技球が第1大入賞口32に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35(
図1)の直下に設けられており、遊技球が第2大入賞口35に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。特定領域センサ35bは、第2大入賞口35(
図1)の内部の特定領域内に設けられており、遊技球が特定領域を通過したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。非特定領域センサ35cは、第2大入賞口35(
図1)の内部の非特定領域に設けられており、遊技球が非特定領域を通過したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。一般入賞口センサ13aは、一般入賞口13(
図1)の直下に設けられており、遊技球が一般入賞口13に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。
【0042】
電チューソレノイド20aは、普通可変入賞装置20の可動部材21(
図1)を開閉駆動する。第1大入賞口ソレノイド30aは、第1大入賞装置30の第1開閉部材31(
図1)を開閉駆動する。第2大入賞口ソレノイド33aは、第2大入賞装置33の第2開閉部材34(
図1)を開閉駆動する。振分部材ソレノイド35dは、第2大入賞装置33の内部に設けられた振分部材を駆動する。特に小当たりに当選した場合において第2大入賞装置33が開放状態になるのに合わせて振分部材ソレノイド35dが作動し、所定期間のみ特定領域(V入賞領域)に遊技球が通過可能な状態となる。所定期間が経過すると特定領域に遊技球が通過不可な状態へと戻る。
また、主制御基板60には、払出制御基板73を介して貸球払出装置80と、カードユニット76と、賞球払出装置400とが電気的に接続されている。カードユニット76は、パチンコ遊技機1に隣接して設けられており、プリペイドカードに対して残高の読取りや書き込みなどを行う。貸球払出装置80は、球貸モータ81と、球貸センサ82とを備えている。球貸モータ81は、貸球としての遊技球を払出す部材を駆動し、球貸センサ82は、その部材によって遊技球が払出されたことを示す信号を払出制御基板73を介して主制御基板60へ出力する。遊技制御用マイコン61は、払出制御基板73から出力される信号に基づいて、貸球払出装置80が払出した貸球数を計数する。カードユニット76に挿入されたプリペイドカードに、払出可能な最小残高以上の残高が記録されているときに、球貸ボタン(図示せず)が操作されると、貸球払出装置80が作動し、最小単位個数の貸球が打球供給皿24に払出される。
【0043】
賞球払出装置400は、賞球モータ401と、賞球センサ402とを備えている。賞球モータ401は、賞球としての遊技球を払出す部材を駆動し、賞球センサ402は、その部材によって遊技球が払出されたことを示す信号を払出制御基板73を介して主制御基板60へ出力する。遊技制御用マイコン61は、払出制御基板73から出力される信号に基づいて、賞球払出装置400が払出した賞球数を計数する。
また、主制御基板60には、発射制御回路75を介して発射装置90が電気的に接続されている。発射装置90は、発射モータ91と、タッチスイッチ92と、発射ボリューム93とを備えている。発射モータ91は、遊技球を打撃して発射する打撃槌(図示せず)を駆動する。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力する。発射ボリューム93は、発射レバー4a(
図1)の回転量に応じて、上記打撃槌が遊技球を打撃する強度を調節する。
【0044】
また、パチンコ遊技機1は、電源基板70を備えている。電源基板70は、主制御基板60および払出制御基板73に電力を供給する。また、電源基板70は、払出制御基板73に電気的に接続された各装置に対して、払出制御基板73を介して電力を供給する。また、電源基板70は、中継基板74に電気的に接続された各センサおよびソレノイドに対して、主制御基板60から中継基板74を介して電力を供給する。また、電源基板70は、主制御基板60に電気的に接続された表示器類50に対して、主制御基板60を介して電力を供給する。
電源基板70には、バックアップ電源回路71が設けられている。バックアップ電源回路71は、パチンコ遊技機1に対して外部から電力が供給されていない場合に、主制御基板60のRAM64などに対して情報の保持に必要な電力を供給する。電源基板70には、電源基板70へ電力を供給する主電源をオンオフするための電源スイッチ72が電気的に接続されている。
【0045】
主制御基板60は、サブ制御基板100(
図4)に対して各種コマンドを送信する。主制御基板60は、コマンドをサブ制御基板100へ送信することはできるが、サブ制御基板100は、主制御基板60へコマンドを送信することができない。つまり、主制御基板60とサブ制御基板100との通信は、主制御基板60からサブ制御基板100へ送信することのみが可能な単方向通信となっている。
【0046】
図4に示すように、サブ制御基板100には、演出制御用ワンチップマイコン(以下、演出制御用マイコンという)101が実装されている。演出制御用マイコン101は、CPU102と、ROM110と、RAM120と、入出力回路103とを備えている。CPU102は、遊技に伴って演出を制御する。ROM110には、CPU102が演出を制御するためのコンピュータプログラムの他、演出選択テーブルTa5(
図11)、などの各種のテーブルが記憶されている。RAM120は、CPU102がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。また、RAM120には、第1特図保留演出記憶部121と、第2特図保留演出記憶部122と、当該変動用演出記憶部123とが設けられている。なお、演出制御用マイコン101が、本発明の制御手段の一例である。
【0047】
図12に示すように、第1特図保留演出記憶部121は、第1ないし第4記憶領域から成る4つの記憶領域を有し、各記憶領域は、主制御基板60から出力される第1始動入賞コマンドなどを記憶する。第1始動入賞コマンドは、遊技球が第1始動口11に入賞したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、変動パターン乱数およびリーチ乱数を含むコマンドである。
一方、
図13に示すように、第2特図保留演出記憶部122は、第1ないし第4記憶領域から成る4つの記憶領域を有し、各記憶領域は、主制御基板60から出力される第2始動入賞コマンドなどを記憶する。第2始動入賞コマンドは、遊技球が第2始動口22に入賞したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、変動パターン乱数およびリーチ乱数を含むコマンドである。
当該変動用演出記憶部123は、変動演出パターンの当該変動に用いる第1始動入賞コマンドまたは第2始動入賞コマンドを記憶する。
入出力回路103は、サブ制御基板100に接続された各基板などとの間でデータの送信または受信を行う。
【0048】
サブ制御基板100には、画像制御基板200が電気的に接続されている。画像制御基板200には、画像制御用CPU202と、VDP201(Video Display Processor)と、制御用ROM203と、制御用RAM204と、CGROM(Character Generator Read Only Memory)205と、VRAM(Video Random Access Memory)206とが実装されている。画像制御用CPU202は、変動演出パターン、ボタン演出画像、レバー演出画像および予告画像などの演出画像を表示するよう演出表示装置7を制御する。制御用ROM203には、画像制御用CPU202が演出表示装置7を制御するためのコンピュータプログラムが記憶されている。制御用RAM204は、画像制御用CPU202がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。CGROM205には、演出表示装置7が演出画像を表示するための画像データが記憶されている。VDP201は、画像制御用CPU202によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM205から画像データを読み出し、その読出した画像データをVRAM206内の展開領域に展開する。そして、VDP201は、VRAM206内に展開した画像データを合成し、その合成した画像データをVRAM206内のフレームバッファに記憶する。そして、VDP201は、VRAM206内のフレームバッファに記憶した画像データをRGB信号に変換して演出表示装置7に出力する。これにより、演出表示装置7は演出画像を表示する。CGROM205が本発明の演出記憶手段の一例である。
【0049】
サブ制御基板100には、ランプ制御基板79を介して左サイドランプ23a、右サイドランプ23bおよび盤ランプ2aが電気的に接続されている。演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いて各ランプの発光態様を決める発光パターンデータを作成し、その発光パターンデータをランプ制御基板79に送信する。そして、ランプ制御基板79は、受信した発光パターンデータに従って各ランプの発光制御を行う。なお、左サイドランプ23a、右サイドランプ23b、盤ランプ2a、演出ボタンランプおよびランプ制御基板79が、本発明の演出手段の一例である。
ランプ制御基板79には、中継基板77を介して可動体15が電気的に接続されている。可動体15は、可動体15を動作させるための装置(図示せず)が接続されており、その装置には、その装置を駆動するための可動体モータ(図示せず)が接続されている。演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いて可動体15の動作パターンを決める動作パターンデータを作成し、その動作パターンデータをランプ制御基板79に送信する。そして、動作パターンデータを受信したランプ制御基板79は、その動作パターンに従って中継基板77を介して上記可動体モータを駆動し、可動体15の動作制御を行う。
【0050】
サブ制御基板100には、音声制御基板78を介して各スピーカ8が電気的に接続されている。音声制御基板78には、音声制御用CPU(図示せず)と、音声データROM(図示せず)と、音声合成回路(図示せず)と、アンプ(図示せず)とが搭載されている。音声データROMには、各スピーカ8が音楽や効果音などの音を出力するための音声データが記憶されている。音声制御用CPUは、サブ制御基板100から受信したコマンドに基づいて音声データROMから音声データを読出し、その読出した音声データを音声合成回路に出力する。音声合成回路は、入力した音声データを合成するとともに、その合成した合成音声データをアナログの音声信号に変換してアンプに出力する。アンプは、入力した音声信号を増幅して各スピーカ8に出力する。そして、各スピーカ8は、入力した音声信号により示される音を出力する。
【0051】
また、サブ制御基板100には、演出ボタン検出スイッチ9aと、演出レバー押込検出スイッチ6gと、演出レバー回転検出スイッチ6hと、演出ボタン振動モータ9bと、演出レバー振動モータ6dとが電気的に接続されている。演出ボタン検出スイッチ9aは、演出ボタン9が押圧操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力し、演出制御用マイコン101は、演出ボタン検出スイッチ9aから入力した信号に基づいて、ボタン演出を実行する。演出レバー押込検出スイッチ6gは、演出レバー6が押込操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力し、演出制御用マイコン101は、演出レバー押込検出スイッチ6gから入力した信号に基づいて、演出レバー6が押込操作されたときに行うレバー演出を実行する。演出レバー回転検出スイッチ6hは、演出レバー6が回転操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力し、演出制御用マイコン101は、演出レバー回転検出スイッチ6hから入力した信号に基づいて、演出レバー6が回転操作されたときに行うレバー演出を実行する。
【0052】
演出ボタン振動モータ9bは、演出ボタン9を振動させる部材であり、演出ボタン9の内部に収容されている。演出レバー振動モータ6dは、演出レバー6を振動させる部材であり、演出レバー6と接する部位または演出レバー6の内部に設けられている。ROM110には、演出ボタン振動モータ9bの動作パターンを決める動作パターンデータと、演出レバー振動モータ6dの動作パターンを決める動作パターンデータとが記憶されている。演出制御用マイコン101は、演出ボタン9を振動させる演出タイミングになったときに、ROM110から動作パターンデータを読出し、その読出した動作パターンデータに基づいて演出ボタン振動モータ9bを駆動制御する。また、演出制御用マイコン101は、演出レバー6を振動させる演出タイミングになったときに、ROM110から動作パターンデータを読出し、その読出した動作パターンデータに基づいて演出レバー振動モータ6dを駆動制御する。
【0053】
[遊技状態の説明]
次に、パチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。パチンコ遊技機1の普通図柄表示器53には、確率変動機能は無く、変動時間短縮機能のみ備わっている。一方、特別図柄表示器についても、確率変動機能は無く、変動時間短縮機能のみ備わっている。
また、特別図柄表示器の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始から確定表示までに要する時間)が、非時短状態よりも短くなっている。
【0054】
普通図柄表示器53の変動時間短縮機能は、特別図柄表示器の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。つまり、普通図柄表示器53の変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。たとえば、普通図柄の変動時間は非時短状態では10秒であるが、時短状態では1秒である。
【0055】
また、時短状態では、普通図柄の抽選において当たりと判定される確率は非時短状態と変わらないが、当たりと判定された場合に時短状態と非時短状態とでは普通可変入賞装置20の開放パターンが大きく異なっている。非時短状態では第2始動口22への遊技球の入球が実質不可能なごく短い時間のみ開放され、一方で時短状態では普通可変入賞装置20の開放時間が非時短状態に比べて長くなっており、第2始動口22への遊技球の入球が非常に容易な状態となっている。つまり、時短状態では普通可変入賞装置20の開放時間延長機能が作動している。例えば非時短状態での普通可変入賞装置20の開放時間は0.5秒、時短状態での普通可変入賞装置20の開放時間は3秒とする。
【0056】
加えて時短状態では、補助遊技における普通可変入賞装置20の開放回数が非時短状態よりも多くなっている。つまり、普通可変入賞装置20の開放回数増加機能が作動している。補助遊技とは、確定表示された普通図柄が予め定めた特定の普通図柄である場合に、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口22を開閉させる遊技のことである。
【0057】
普通図柄表示器53の変動時間短縮機能と、普通可変入賞装置20の開放時間延長機能および開放回数増加機能とが作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、普通可変入賞装置20が頻繁に開放され、第2始動口22へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合が高くなるため、遊技者は、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、このように、普通図柄表示器53の変動時間短縮機能と、普通可変入賞装置20の開放時間延長機能および開放回数増加機能とが作動している状況下で、普通可変入賞装置20により第2始動口22への入賞をサポートする制御を電サポ制御という。
本実施形態のパチンコ遊技機1では、第1特別図柄による抽選で大当たりした場合において所定の割合で大当たり遊技終了後に、電サポ制御が行われるとともに時短状態(以下、この状態を時短遊技状態という)へと移行する。一方、第2特別図柄による抽選で大当たりした場合(V入賞による大当たりも含む)においては常に大当たり遊技終了後に時短遊技状態へと移行する。この時短遊技状態(a時短ともいう)は、所定回数の特別図柄の変動表示が実行されるか、あるいは、所定回数以内に大当たりに当選(V入賞による大当たりも含む)してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。本実施形態のパチンコ遊技機1は1種2種混合機なので確変状態は存在しないが、第2特別図柄の抽選は第1特別図柄の抽選に比べて小当たりの確率が高く設定されており、且つ小当たりの当選はその後に遊技者が操作を間違わなければ実質的に100%大当たりとなる。即ち、本実施形態では時短遊技状態が、遊技者が大当たりを獲得することが通常遊技状態より容易な状態であるラッシュ状態に相当する。
なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、電サポ制御は行わないとともに非時短状態である。
【0058】
[大当たり判定テーブル]
図5に示す大当たり判定テーブルTa1は、遊技制御用マイコン61(
図3)が大当たりか否かの大当たり判定を実行する際に参照するテーブルである。大当たり判定テーブルTa1は、抽選の種類(特
図1の抽選か特
図2の抽選か)と大当たり乱数とを対応付けて構成されている。大当たり乱数は、大当たり乱数カウンタが発生する大当たり乱数の中から所定の乱数を選択したものである。大当たり乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、大当たり乱数カウンタが動作して大当たり乱数が発生する。大当たり乱数カウンタは、カウンタICなどの乱数生成回路を利用したものでも良い。本実施形態では、大当たり乱数カウンタは、0~65535の計65536個の大当たり乱数をカウントする。つまり、0~65535の計65536個の大当たり乱数を発生する。本実施形態では、大当たり判定テーブルTa1には、第1特別図柄の抽選(特
図1の抽選)のときの大当たり乱数として、0~204の計205個の大当たり乱数が設定されている。遊技制御用マイコン61は、大当たり乱数カウンタから取得した大当たり乱数が0~204のいずれかであった場合は、大当たり判定において大当たりと判定し、0~65535のうち0~204以外であった場合は、大当たりではない、つまり、ハズレと判定する。また、ハズレと判定される場合であって、特に大当たり乱数カウンタから取得した大当たり乱数が205~206のいずれかであった場合は、小当たりと判定される。
【0059】
一方、大当たり判定テーブルTa1には、第2特別図柄の抽選(特
図2の抽選)のときの大当たり乱数として、0~204の計205個の大当たり乱数が設定されている。遊技制御用マイコン61は、大当たり乱数カウンタから取得した大当たり乱数が0~204のいずれかであった場合は、大当たり判定において大当たりと判定し、0~65535のうち0~204以外であった場合は、大当たりではない、つまり、ハズレと判定する。また、ハズレと判定される場合であって、特に大当たり乱数カウンタから取得した大当たり乱数が205~2216のいずれかであった場合は、小当たりと判定される。つまり、特
図1の抽選と特
図2の抽選とでは、大当たりと判定される確率は変わらないが、特
図2の抽選の方が特
図1の抽選よりも小当たりと判定される確率が高くなっている。また、特
図2の抽選では小当たりの当選確率は約1/30であり、大当たりに比べて当選確率が非常に高く設定されている。尚、特に特
図2の小当たりは、第2大入賞装置33が特定領域(V入賞領域)への遊技球の通過が可能な開放パターンで、第2大入賞装置33を作動させる当たりとなる。一方、特
図1の小当たりは、第2大入賞装置33が特定領域(V入賞領域)への遊技球の通過が実質的に不可能な開放パターンで、第2大入賞装置33を作動させる。
【0060】
[大当たり種別判定テーブル]
図6に示す大当たり種別判定テーブルTa2は、大当たりと判定された場合に遊技制御用マイコン61(
図3)が大当たりの種別判定を実行する際に参照するテーブルである。大当たり種別判定テーブルTa2は、抽選の種類(特
図1の抽選か特
図2の抽選かV入賞による大当たりか)と大当たり種別乱数とを対応付けて構成されている。大当たり種別乱数は、大当たり種別乱数カウンタが発生する大当たり種別乱数の中から所定の乱数を選択したものである。大当たり種別乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、大当たり種別乱数カウンタが動作して大当たり種別乱数が発生する。大当たり種別乱数カウンタは、カウンタICなどの乱数生成回路を利用したものでも良い。本実施形態では、大当たり種別乱数カウンタは、0~9の計10個の大当たり種別乱数をカウントする。つまり、0~9の計10個の大当たり種別乱数を発生する。本実施形態のパチンコ遊技機1では,大当たりの種別として、「4R大当たり(時短なし)」と、「4R大当たり(時短40回)」と、「10R大当たり(時短40回)」がある。そして、パチンコ遊技機1では、
図6に示すように第1特別図柄の抽選(特
図1の抽選)では、大当たり種別乱数が0~4の範囲内の値であれば、「4R大当たり(時短なし)」に当選したと判定し、大当たり種別乱数が5~9であれば、「4R大当たり(時短40回)」に当選したと判定する。一方、第2特別図柄の抽選(V入賞による大当たりも含まれる)では、大当たり種別乱数が0~1の範囲内の値であれば、「4R大当たり(時短40回)」に当選したと判定し、大当たり種別乱数が2~9であれば、「10R大当たり(時短40回)」に当選したと判定する。
【0061】
また、大当たりの種別毎に大当たり遊技後のa時短の時短回数が設定されている。a時短の時短回数は、大当たり遊技が終了した後に移行する電サポ制御が行われるとともに時短状態となる時短遊技状態(ラッシュ状態)が維持される上限を示したものである。例えば時短回数が40回であれば、特別図柄の変動表示が40回行われることを上限として時短遊技状態が維持される。但し、時短回数が40回行われて時短遊技状態が終了した後も残保留については第2特別図柄による抽選が行われる。時短遊技状態が終了した後の残保留を消化する間については時短遊技状態ではないが、遊技者が大当たりを獲得することが通常遊技状態より容易な状態ではあるのでラッシュ状態に含めても良い。尚、a時短の時短回数の上限回数に到達する前に大当たりに当選(V入賞による大当たりも含む)した場合については、その大当たり遊技が実行されることによりa時短は一旦終了する。
【0062】
[リーチ判定テーブル]
図7に示すリーチ判定テーブルTa3は、遊技制御用マイコン61(
図3)が大当たり判定の結果がハズレであった場合に、リーチが出現する特図変動パターンを選択するか否かを判定する際に参照するテーブルである。ここで、リーチとは、複数の特別図柄のうち変動表示されている特別図柄が残り1つとなっている状態であって、変動表示されている特別図柄がどの特別図柄で確定表示されるか次第で大当たりを示す特別図柄の組み合わせとなる状態のことである。また、リーチとは、演出表示装置7の複数の表示領域においてそれぞれ変動表示されている演出図柄のうち、変動表示されている演出図柄が残り1つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの演出図柄で確定表示されるか次第で大当たり演出図柄の組み合わせとなる状態のことである。
たとえば、大当たり演出図柄の組み合わせの1つが「777」である場合に、左演出図柄表示領域において左演出図柄9Lとして「7」が確定表示されており、右演出図柄表示領域において右演出図柄9Rとして「7」が確定表示されており、中演出図柄表示領域において中演出図柄9Cが変動表示されている状態のことである。なお、リーチの概念には、中演出図柄9Cがスクロールしている状態の他、揺れている状態、拡大と縮小を繰り返す状態などが含まれる。
【0063】
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がハズレであった場合に、リーチが出現する特図変動パターンを選択するか否かを判定するための乱数である。リーチ判定テーブルTa3は、遊技状態とリーチ乱数とを対応付けて構成されている。リーチ乱数は、リーチ乱数カウンタが発生するリーチ乱数の中から所定の乱数を選択したものである。本実施形態では、リーチ乱数カウンタは、0~255の計256個のリーチ乱数をカウントする。つまり、0~256の計256個のリーチ乱数を発生する。リーチ乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、リーチ乱数カウンタが動作してリーチ乱数が発生する。本実施形態では、遊技状態が非時短状態のときのリーチ乱数として、0~27の計28個のリーチ乱数が設定されている。遊技制御用マイコン61は、遊技状態が非時短状態のときにリーチ乱数カウンタから取得したリーチ乱数が0~27のいずれかであった場合は、リーチ判定においてリーチ有りと判定し、0~255のうち0~27以外であった場合は、リーチ無しと判定する。
【0064】
また、本実施形態では、遊技状態が時短状態のときのリーチ乱数として、0~11の計12個のリーチ乱数が設定されている。遊技制御用マイコン61は、遊技状態が時短状態のときにリーチ乱数カウンタから取得したリーチ乱数が0~11のいずれかであった場合は、リーチ判定においてリーチ有りと判定し、0~255のうち0~11以外であった場合は、リーチ無しと判定する。
リーチ有りと判定されるリーチ乱数は、非時短状態よりも時短状態の方が少なく設定されている。これにより、時短状態ではリーチ有りと判定される確率が非時短状態よりも低くなる。つまり、リーチ無しと判定される確率が高くなるため、その分、特図変動パターンを選択する際に、リーチ無しの特図変動パターンを選択する確率が高くなる。このため、時短状態では、特図保留数の消化のペースが速くなる。
【0065】
尚、
図7は基本的に第1特別図柄に対応するリーチ判定テーブルを示す。第2特別図柄に対応するリーチ判定テーブルは、第1特別図柄と同一内容にしても良いし、異なるテーブルとしても良い。
【0066】
[特図変動パターン選択テーブル]
図8に示す特図変動パターン選択テーブルTa4は、遊技制御用マイコン61(
図3)が特図変動パターンを抽選により決定する際に参照するテーブルである。特図変動パターン選択テーブルTa4は、遊技状態と、判定(大当たり判定およびリーチ判定)結果と、特図保留数と、変動パターン乱数と、特図変動パターンと、変動時間と、停止時間とを対応付けて構成されている。尚、大当たり種別について対応付けても良い。
【0067】
また、本実施形態のパチンコ遊技機1では、遊技者が開発側の意図に沿った遊技を行った場合に非時短状態では主に第1特別図柄の変動が行われ、時短状態では第2特別図柄の変動が行われるので、
図8に示す例では特に非時短状態の第1特別図柄に対応する特図変動パターン選択テーブルと、時短状態の第2特別図柄に対応する特図変動パターン選択テーブルを例に挙げて説明する。
【0068】
特図変動パターン選択テーブルTa4における変動演出パターンは、選択された特図変動パターンに対応して演出表示装置7が変動表示する変動演出パターンであり、参考のために記載してある。変動パターン乱数は、変動パターン乱数カウンタが発生する変動パターン乱数の中から所定の乱数を選択したものである。本実施形態では、変動パターン乱数カウンタは、0~99の計100個の変動パターン乱数をカウントする。つまり、0~99の計100個の変動パターン乱数を発生する。変動パターン乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、変動パターン乱数カウンタが動作して変動パターン乱数が発生する。
【0069】
遊技状態が非時短状態のときに第1特別図柄の大当たり判定において大当たりと判定され、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~94のいずれかであった場合は、特図保留数に関係無く、特図変動パターンP1が選択される。つまり、特図変動パターンP1が選択される確率は95%である。また、変動パターン乱数が95~99のいずれかであった場合は、保留球数に関係無く、特図変動パターンP2が選択される。つまり、特図変動パターンP2が選択される確率は5%である。特図変動パターンP1の変動時間は400,000msであり、特別図柄の停止時間、つまり、特別図柄を確定表示している時間は500msである。特図変動パターンP2の変動時間は150,000msであり、特別図柄の停止時間は500msである。また、特図変動パターンP1が選択された場合は、演出表示装置7は、変動演出パターンとしてリーチ状態から発展したSP(スーパー)リーチを表示する。また、特図変動パターンP2が選択された場合は、演出表示装置7は、変動演出パターンとしてノーマルリーチを表示する。
【0070】
また、遊技状態が非時短状態のときにハズレと判定され、かつ、リーチ判定においてリーチ有りと判定された場合、つまり、リーチ有りハズレの場合であって、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~9のいずれかであった場合は、特図保留数に関係無く、特図変動パターンP3が選択される。つまり、特図変動パターンP3が選択される確率は10%である。また、変動パターン乱数が10~99のいずれかであった場合は、保留球数に関係無く、特図変動パターンP4が選択される。つまり、特図変動パターンP4が選択される確率は90%である。特図変動パターンP3の変動時間は400,000msであり、特別図柄の停止時間は500msである。特図変動パターンP4の変動時間は150,000msであり、特別図柄の停止時間は500msである。また、特図変動パターンP3が選択された場合は、演出表示装置7は、変動演出パターンとしてリーチ状態から発展したSPリーチを表示する。また、特図変動パターンP4が選択された場合は、演出表示装置7は、変動演出パターンとしてノーマルリーチを表示する。
【0071】
また、遊技状態が非時短状態のときにハズレと判定され、かつ、リーチ判定においてリーチ無しと判定された場合、つまり、リーチ無しハズレの場合であって、特図保留数が0~2個であり、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~99のいずれかであった場合は、特図変動パターンP5が選択される。つまり、特図変動パターンP5が選択される確率は100%である。また、特図保留数が3~4個であり、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~99のいずれかであった場合は、特図変動パターンP6が選択される。つまり、特図変動パターンP6が選択される確率は100%である。特図変動パターンP5の変動時間は10,000msであり、特別図柄の停止時間は500msである。特図変動パターンP6の変動時間は5,000msであり、特別図柄の停止時間は500msである。また、特図変動パターンP5または特図変動パターンP6が選択された場合は、演出表示装置7は、変動演出パターンとして通常変動を表示する。
【0072】
遊技状態が時短状態のときに第2特別図柄の大当たりと判定され、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~99のいずれかであった場合は、特図変動パターンP11が選択される。尚、1種2種混合機では遊技者が操作を誤らなければ時短遊技中の小当たりも実質的に大当たりとなるので、大当たりに小当たりも含むこととする(以下同じ)。
【0073】
また、遊技状態が時短状態のときにハズレと判定され、リーチ判定においてリーチ有りと判定された場合、つまり、リーチ有りハズレの場合であって、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~99のいずれかであった場合は、特図変動パターンP12が選択される。
【0074】
また、遊技状態が時短状態のときにハズレと判定され、リーチ判定においてリーチ無しと判定された場合、つまり、リーチ無しハズレの場合であって、第2特図保留数が0個であり、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~99のいずれかであった場合は、特図変動パターンP13が選択される。更に、遊技状態が時短状態のときにハズレと判定され、リーチ判定においてリーチ無しと判定された場合、つまり、リーチ無しハズレの場合であって、第2特図保留数が1~4個であり、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~99のいずれかであった場合は、特図変動パターンP14が選択される。特図変動パターンP11、特図変動パターンP12の変動時間はそれぞれ30,000msであり、特別図柄の停止時間はそれぞれ500msである。特図変動パターンP13の変動時間はそれぞれ10,000msであり、特別図柄の停止時間はそれぞれ500msである。特図変動パターンP14の変動時間はそれぞれ3,000msであり、特別図柄の停止時間はそれぞれ500msである。また、特図変動パターンP11~P12が選択された場合は、演出表示装置7は、変動演出パターンとしてラッシュ状態専用のリーチを表示する。また、特図変動パターンP13~P14が選択された場合は、演出表示装置7は、変動演出パターンとして通常変動を表示する。
【0075】
上述したように、非時短状態のときにSPリーチまで発展が選択される確率は、大当たり判定において大当たりと判定された場合は95%であるが、大当たり判定においてハズレと判定され、かつ、リーチ有りと判定された場合は10%である。また、非時短状態のときにノーマルリーチ止まりが選択される確率は、大当たり判定において大当たりと判定された場合は5%であるが、大当たり判定においてハズレと判定され、かつ、リーチ有りと判定された場合は90%である。
つまり、演出表示装置7が変動演出パターンとしてSPリーチまで発展した場合は、大当たりが発生する可能性が高い。換言すると、SPリーチは、大当たりの発生に対する期待度がノーマルリーチ止まりの場合よりも高い変動演出パターンである。
【0076】
尚、第1特別図柄の時短状態に対応する特図変動パターン選択テーブルや第2特別図柄の非時短状態に対応する特図変動パターン選択テーブルについては省略するが、それぞれ第1特別図柄の非時短状態に対応する特図変動パターン選択テーブルや第2特別図柄の時短状態に対応する特図変動パターン選択テーブルと同様にしても良いし、異なるテーブルとしても良い。
【0077】
[演出選択テーブル]
図11に示す演出選択テーブルTa5は、演出表示装置7やスピーカ8等によって実行される演出内容を演出制御用マイコン101(
図4)が選択する際に参照するテーブルである。演出選択テーブルTa5は、特図変動パターンと、判定結果と、演出選択乱数と、演出内容とを対応付けて構成されている。特図変動パターン及び判定結果は、前述した特図変動パターン選択テーブルTa4(
図8)に設定されている特図変動パターン及び判定結果と対応しており、実行される演出時間は、特図変動パターン選択テーブルTa4に設定されている特図変動パターンの変動時間と同一である。演出選択乱数は、演出選択乱数カウンタが発生する演出選択乱数の中から所定の乱数を選択したものである。本実施形態では、演出選択乱数カウンタは、0~99の計100個の演出選択乱数をカウントする。つまり、0~99の計100個の演出選択乱数を発生する。
【0078】
尚、
図11には、特に特図変動パターンとして特図変動パターンP1が選択された場合において用いられる演出選択テーブルTa5を例に挙げて説明する。尚、説明は省略するが変動パターンP1以外の変動パターンについても対応する演出選択テーブルTa5を有している。
【0079】
例えば特図変動パターンとして特図変動パターンP1が選択された場合において、演出選択乱数カウンタから取得した演出選択乱数が0~50のいずれかであった場合は、演出内容として通常変動からキャラクタがセリフを発するセリフ予告を行い、リーチとなった後に更にSPリーチの一つであるSPリーチAへと発展して最終的に大当たりを報知する演出内容が選択される。尚、セリフ予告はボタン演出であり、遊技者に演出ボタン9(演出レバー6であっても良い、以下同じ)の操作を促す操作推奨演出が行われ、操作推奨演出を伴って開始される操作有効期間内に遊技者によって演出ボタン9が操作されたことを契機としてセリフを出力する。また、SPリーチA中の所定のタイミングでは、同じく遊技者に演出ボタン9の操作を促す操作推奨演出が行われ、操作推奨演出を伴って開始される操作有効期間内に遊技者によって演出ボタン9が操作されたことを契機として演出ボタン9の操作に伴うボタン演出を実行する。SPリーチA中のボタン演出としては、例えばチャンスアップを示すカットインを表示する、ボタン連打で敵キャラクタを撃破するなどがある。
また、演出選択乱数カウンタから取得した演出選択乱数が51~88のいずれかであった場合は、演出内容として通常変動からキャラクタがセリフを発するセリフ予告を行い、リーチとなった後に更にSPリーチの一つであるSPリーチBへと発展して最終的に大当たりを報知する演出内容が選択される。尚、セリフ予告はボタン演出であり、遊技者に演出ボタン9の操作を促す操作推奨演出が行われ、操作推奨演出を伴って開始される操作有効期間内に遊技者によって演出ボタン9が操作されたことを契機としてセリフを出力する。また、SPリーチB中の所定のタイミングでは、同じく遊技者に演出ボタン9の操作を促す操作推奨演出が行われ、操作推奨演出を伴って開始される操作有効期間内に遊技者によって演出ボタン9が操作されたことを契機として演出ボタン9の操作に伴うボタン演出を実行する。SPリーチB中のボタン演出としては、例えばチャンスアップを示すカットインを表示する、ボタン連打で敵キャラクタを撃破するなどがある。
また、演出選択乱数カウンタから取得した演出選択乱数が89~99のいずれかであった場合は、演出内容として通常変動からキャラクタがセリフを発するセリフ予告を行い、リーチとなった後に更にSPリーチの一つであるSPリーチCへと発展して最終的に大当たりを報知する演出内容が選択される。尚、セリフ予告はボタン演出であり、遊技者に演出ボタン9の操作を促す操作推奨演出が行われ、操作推奨演出を伴って開始される操作有効期間内に遊技者によって演出ボタン9が操作されたことを契機としてセリフを出力する。また、SPリーチC中の所定のタイミングでは、同じく遊技者に演出ボタン9の操作を促す操作推奨演出が行われ、操作推奨演出を伴って開始される操作有効期間内に遊技者によって演出ボタン9が操作されたことを契機として演出ボタン9の操作に伴うボタン演出を実行する。SPリーチC中のボタン演出としては、例えばチャンスアップを示すカットインを表示する、ボタン連打で敵キャラクタを撃破するなどがある。
【0080】
また、SPリーチA~C中のボタン演出としては、上記のような演出ボタン9の操作を促す操作推奨演出を伴って開始される操作有効期間内に演出ボタン9が操作されたことを契機として実行する通常のボタン演出以外に、操作推奨演出を伴わずに開始される操作有効期間内(遊技者に操作有効期間内であることを明示しない)に演出ボタン9が操作されたことを契機として実行するボタン演出を含めても良い。特に後者は裏ボタン演出ともいう。
【0081】
[遊技制御用マイコン61の主な処理]
次に、遊技制御用マイコン61(
図3)が実行する主な処理について図を参照しつつ説明する。
(メイン側主制御処理)
最初に、遊技制御用マイコン61が実行するメイン側主制御処理の内容についてそれを示す
図14を参照しつつ説明する。
遊技制御用マイコン61は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM63(
図3)から
図14に示すメイン側主制御処理のコンピュータプログラムを読み出して実行する。遊技制御用マイコン61は、最初に初期設定を行う(ステップ(以下、Sと略す)1)。この初期設定では、たとえば、スタックの設定、定数の設定、割込時間の設定、CPU62の設定、SIO(System Input/Output)、PIO(Parallel Input/Output)、CTC(Counter/Timer Circuit:割込時間を管理するための回路)の設定、各種のフラグ、カウンタおよびタイマなどのリセットなどを行う。続いて、遊技制御用マイコン61は、割込禁止を実行し(S2)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する(S3)。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理では、前述した大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数および変動パターン乱数を発生する各乱数カウンタの初期値をそれぞれ「1」加算して更新する。各乱数カウンタのカウント値は上限値に達すると「0」に戻って再び「1」加算される。なお、各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また、各乱数カウンタのカウント値にそれぞれ「2」以上の数値を加算して更新してもよい。また、各乱数は、カウンタICなどから成る公知の乱数生成回路を利用して生成される、いわゆるハードウェア乱数であってもよい。このハードウェア乱数を用いる場合は、ソフトウェアによる乱数の更新処理(S3)は必要ない。
【0082】
続いて、遊技制御用マイコン61は、割込許可を実行する(S4)。割込許可中は、メイン側タイマ割込処理(S5)の実行が可能となる。メイン側タイマ割込処理(S5)は、たとえば、4msec周期でCPU62に対して入力される割込パルスに基づいて実行される。つまり、4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割込処理(S5)が終了してから、次にメイン側タイマ割込処理(S5)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)による各種カウンタの初期値更新処理が実行される。なお、割込禁止状態のときにCPU62に割込パルスが入力された場合は、メイン側タイマ割込処理(S5)は直ぐには開始されず、割込許可(S4)が実行されてから開始される。
【0083】
(メイン側タイマ割込処理)
次に、遊技制御用マイコン61が実行するメイン側タイマ割込処理(
図14のS5)の内容についてそれを示す
図15を参照しつつ説明する。
遊技制御用マイコン61は、出力処理を実行する(S10)。この出力処理では、以下に説明する各処理において主制御基板60のRAM64(
図3)に設けられた出力バッファにセットされたコマンドなどをサブ制御基板100(
図4)や払出制御基板73(
図3)などに出力する。特に本実施形態では普通図柄が変動を開始した場合に普通図柄が変動を開始したことを示す普図変動開始コマンド、及び特別図柄が変動を開始した場合に特別図柄が変動を開始したことを示す特図変動開始コマンドについても出力する。続いて、遊技制御用マイコン61は、入力処理を実行する(S11)。この入力処理では、主にパチンコ遊技機1に取付けられている各種センサ(第1始動口センサ11a、第2始動口センサ22a、第1大入賞口センサ32a、第2大入賞口センサ35a、ゲートセンサ12aなど(
図3))が検出した各検出信号を読み込む。続いて、遊技制御用マイコン61は、タイマ更新処理を実行する(S12)。このタイマ更新処理では、タイマとして作動している減算カウンタの更新(減算)を行う。続いて、遊技制御用マイコン61は、賞球制御処理を実行する(S13)。この賞球制御処理では、入力処理(S11)において読み込んだ各種センサの検出信号に基づいて、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払出コマンドをRAM64の出力バッファにセットする。払出コマンドは、払出制御基板73に対して出力されるコマンドである。続いて、遊技制御用マイコン61は、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する(S14)。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理は、
図14のメイン側主制御処理で実行する普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)と同じである。つまり、各乱数カウンタの初期値の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S5)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割込処理(S5)の終了後、次のメイン側タイマ割込処理(S5)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
【0084】
続いて、遊技制御用マイコン61は、後述する始動口センサ検出処理(S15)、V入賞検出処理(S16)、普通動作処理(S17)、特別図柄待機処理(S18)、特別図柄変動処理(S19)、その他の処理(S20)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S5)を終了する。その他の処理(S20)は、不正入賞を検知して報知するセキュリティ制御処理、磁気を利用した不正行為を検知して報知する磁気検出処理、前面枠18(
図1)や内枠の開放を検知して報知する扉開放処理、電波を利用した不正行為を検知して報知する不正電波検出処理、パチンコ遊技機1を振動させる不正行為を検知して報知する衝撃検出処理などである。そして、次にCPU62に割込パルスが入力されるまではメイン側主制御処理のS2~S4の処理が繰り返し実行され(
図14)、割込パルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S5)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S5)の出力処理(S10)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S5)にてRAM64(
図3)の出力バッファにセットされたコマンドなどが所定の基板へ出力される。
【0085】
(始動口センサ検出処理)
次に、遊技制御用マイコン61が実行する始動口センサ検出処理(
図15のS15)の内容についてそれを示す
図16を参照しつつ説明する。
遊技制御用マイコン61は、遊技球がゲート12(
図1)を通過したか否かを判定し(S20)、通過したと判定した場合は(S20:Yes)、ゲート通過処理を実行する(S21)。このゲート通過処理では、普図保留数が4以上であるか否か判定し、普図保留数が4以上でなければ、普図保留数に「1」を加算し、普通図柄の抽選を行うための当たり乱数を取得して記憶する処理を行う。
【0086】
また、S20において、遊技球がゲート12を通過していないと判定した場合は(S20:No)、遊技球が第2始動口22(
図1)に入賞したか否かを判定する(S22)。ここで、遊技球が第2始動口22に入賞したと判定した場合は(S22:Yes)、第2特図保留数U2が上限値の「4」に達しているか否か判定する(S23)。ここで、第2特図保留数U2が「4」に達していると判定した場合は(S23:Yes)、S28に進むが、第2特図保留数U2が「4」に達していないと判定した場合は(S23:No)、第2特図保留数U2に1を加算する(S24)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図関係乱数取得処理を実行する(S25)。この第2特図関係乱数取得処理では、大当たり乱数カウンタがカウントする大当たり乱数と、大当たり種別乱数カウンタがカウントする大当たり種別乱数と、リーチ乱数カウンタがカウントするリーチ乱数と、変動パターン乱数カウンタがカウントする変動パターン乱数とを取得し、それら取得した各乱数を第2特図保留記憶部64b(
図10)のうち、現在の第2特図保留数に応じた記憶領域に記憶する。たとえば、現在の第2特図保留数が「3」であった場合は、各乱数を第4記憶領域に記憶する。
【0087】
続いて、遊技制御用マイコン61は、第2始動入賞コマンド作成処理を実行する(S26)。この第2始動入賞コマンド作成処理では、S25において第2特図保留記憶部64bに格納した各乱数群に基づいて第2始動入賞コマンドを作成する。この第2始動入賞コマンドは、遊技球が第2始動口に入賞したことを示すデータ、S25において第2特図保留記憶部64bに格納した各乱数を示すデータなどにより構成されている。続いて、遊技制御用マイコン61は、S26において作成した第2始動入賞コマンドをRAM64の出力バッファにセットする(S27)。このセットされた第2始動入賞コマンドは、出力処理(
図15のS10)においてサブ制御基板100(
図4)に出力され、演出制御用マイコン101が第2始動入賞コマンドに含まれる各乱数に基づいて演出を実行する。
【0088】
続いて、遊技制御用マイコン61は、遊技球が第1始動口11(
図1)に入賞したか否かを判定する(S28)。ここで、遊技球が第1始動口11に入賞したと判定した場合は(S28:Yes)、第1特図保留数U1が上限値の「4」に達しているか否か判定する(S29)。ここで、第1特図保留数U1が「4」に達していると判定した場合は(S29:Yes)、この始動口センサ検出処理を終了するが、第1特図保留数U1が「4」に達していないと判定した場合は(S29:No)、第1特図保留数U1に1を加算する(S30)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図関係乱数取得処理を実行する(S31)。この第1特図関係乱数取得処理では、大当たり乱数と、大当たり種別乱数と、リーチ乱数と、変動パターン乱数とを取得し、それら取得した各乱数を第1特図保留記憶部64a(
図9)のうち、現在の第1特図保留数に応じた記憶領域に格納する。たとえば、現在の第1特図保留数が「3」であった場合は、各乱数を第4記憶領域に記憶する。
【0089】
続いて、遊技制御用マイコン61は、第1始動入賞コマンド作成処理を実行する(S32)。この第1始動入賞コマンド特定処理では、S31において第1特図保留記憶部64aに格納した各乱数群に基づいて第1始動入賞コマンドを作成する。この第1始動入賞コマンドは、遊技球が第1始動口11に入賞したことを示すデータ、S31において第1特図保留記憶部64aに格納した各乱数を示すデータなどにより構成されている。続いて、遊技制御用マイコン61は、S32において作成した第1始動入賞コマンドをRAM64の出力バッファにセットする(S33)。このセットされた第1始動入賞コマンドは、出力処理(
図15のS10)においてサブ制御基板100(
図4)に出力され、演出制御用マイコン101が第1始動入賞コマンドに含まれる各乱数に基づいて演出を実行する。
【0090】
(V入賞検出処理)
次に、遊技制御用マイコン61が実行するV入賞検出処理(
図15のS16)の内容についてそれを示す
図17を参照しつつ説明する。
遊技制御用マイコン61は、遊技球が第2大入賞口35内に設けられた特定領域を通過したか否かを判定し(S35)、通過したと判定した場合は(S35:Yes)、S36へと移行する。尚、遊技球が第2大入賞口35内に設けられた特定領域を通過したことは特定領域センサ35bによって検出される。遊技球が第2大入賞口35内に設けられた特定領域を通過していないと判定された場合は(S35:No)は、V入賞検出処理を終了する。
【0091】
遊技制御用マイコン61は、遊技球が第2大入賞口35内に設けられた特定領域を通過したと判定した場合、即ち大当たりと判定した場合には、大当たり種別乱数を取得し、大当たりの種類が設定された大当たり種別判定テーブルTa2(
図6)を参照し、大当たりの種類を判定する(S36)。但し、V入賞に基づく大当たりの種別判定は第2大入賞口35を開放する契機となった直前の小当たりの当選時(即ち特別図柄の当選時)に行い(即ち当選した小当たりの種別でその後の大当たりの種別を決定する)、前記S36ではその判定結果のみを取得するようにしても良い。
【0092】
続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たり判定において、大当たりと判定したことを示す大当たりフラグをONし(S37)、このV入賞検出処理を終える。
【0093】
(普通動作処理)
次に、遊技制御用マイコン61が実行する普通動作処理(
図15のS17)の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、普図保留数の加算、普通図柄表示器53による普通図柄の変動表示、普通図柄が当たりか否かの当たり判定、当たり判定の結果が当たりであった場合の普通可変入賞装置20の開閉動作などの処理を行う。
【0094】
(特別図柄待機処理)
次に、遊技制御用マイコン61が実行する特別図柄待機処理(
図15のS18)の内容についてそれを示す
図18を参照しつつ説明する。
遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2が「0」であるか否かを判定し(S60)、「0」ではないと判定した場合は(S60:No)、後述する第2特図大当たり判定処理(
図19)を実行する(S61)。続いて、遊技制御用マイコン61は、後述する第2特図変動パターン選択処理(
図20,
図21)を実行する(S62)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2から「1」を減算し(S63)、第2特図保留記憶部64b(
図10)の各記憶領域に格納されている各データを、記憶の順番が古い方の記憶領域、つまり、読み出される側に1つずつシフトする(S64)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図変動開始処理を実行する(S65)。つまり、第2特別図柄表示器52は、遊技制御用マイコン61が第2特図保留記憶部64b(
図10)に記憶されている大当たり乱数に基づいて当否判定を実行する順に第2特別図柄の変動表示を行う。また、第2特別図柄表示器52が第2特別図柄の変動表示を行う毎に、第2特図保留記憶部64bの各記憶領域に記憶されている各データは、記憶の順番が古い方の記憶領域にシフトされる。
この第2特図変動開始処理では、変動開始コマンドをRAM64の出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。RAM64の出力バッファにセットする変動開始コマンドには、後述する第2特図大当たり判定処理(
図19)においてセットされた特図停止図柄のデータや第2特図変動パターン選択処理(
図20,
図21)においてセットされた特図変動パターンのデータが含まれている。
【0095】
また、遊技制御用マイコン61は、S40において、第2特図保留数U2が「0」であると判定した場合は(S60:Yes)、第1特図保留数U1が「0」であるか否かを判定し(S66)、「0」ではないと判定した場合は(S66:No)、後述する第1特図大当たり判定処理(
図19)を実行する(S67)。続いて、遊技制御用マイコン61は、後述する第1特図変動パターン選択処理(
図20,
図21)を実行する(S68)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図保留数U1から「1」を減算し(S69)、第1特図保留記憶部64a(
図9)の各記憶領域に格納されている各データを、記憶の順番が古い方の記憶領域、つまり、読み出される側に1つずつシフトする(S70)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図変動開始処理を実行する(S71)。つまり、第1特別図柄表示器51は、遊技制御用マイコン61が第1特図保留記憶部64a(
図9)に記憶されている大当たり乱数に基づいて当否判定を実行する順に第1特別図柄の変動表示を行う。また、第1特別図柄表示器51が第1特別図柄の変動表示を行う毎に、第1特図保留記憶部64aの各記憶領域に記憶されている各データは、記憶の順番が古い方の記憶領域にシフトされる。
この第1特図変動開始処理では、変動開始コマンドをRAM64の出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。RAM64の出力バッファにセットする変動開始コマンドには、後述する第1特図大当たり判定処理(
図19)においてセットされた特図停止図柄のデータや第1特図変動パターン選択処理(
図20,
図21)においてセットされた変動パターンのデータが含まれている。
【0096】
また、遊技制御用マイコン61は、S46において、第1特図保留数U1が「0」であると判定した場合は(S66:Yes)、演出表示装置7が待機画面(客待ち用のデモ画面)を表示しているか否かを判定する(S72)。ここで、待機画面を表示していると判定した場合(S72:Yes)は、この特別図柄待機処理を終了し、待機画面を表示していないと判定した場合は(S72:No)、待機画面設定処理を実行する(S73)。この待機画面設定処理では、所定の待機時間の経過を待って、待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをRAM64の出力バッファにセットする。
また、本実施形態では、第1特図保留に基づく第1特別図柄の変動表示は、第2特図保留数U2が「0」の場合(S60:Yesの場合)に限って行われる。つまり、第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。
但し、いずれかの特図が変動中である場合にはS60以降の処理は行わずに、特別図柄待機処理を終了する
【0097】
(第2特図大当たり判定処理(第1特図大当たり判定処理))
次に、遊技制御用マイコン61が実行する第2特図大当たり判定処理(第1特図大当たり判定処理):
図18のS61)の内容についてそれを示す
図19を参照しつつ説明する。なお、第2特図大当たり判定処理(
図18のS61)と第1特図大当たり判定処理(
図18のS67)とは、処理の流れが同じであるため、まとめて説明する。また、第1特図保留記憶部64aおよび第2特図保留記憶部64bに共通の事項を説明する場合は、単に特図保留記憶部という。
【0098】
遊技制御用マイコン61は、RAM64の特図保留記憶部の第1記憶領域(
図9、
図10)に記憶されている大当たり乱数を読出し(S80)、大当たり判定テーブルTa1(
図5)を参照する(S81)。続いて、大当たり判定テーブルTa1の大当たり乱数を参照し、S80において読出した大当たり乱数と同じ乱数が存在するか否か、つまり、大当たりか否かの当否判定を行う(S82)。たとえば、第2特図の大当たり判定処理でS80において読出した大当たり乱数が「7」であった場合は、大当たり判定テーブルTa1のうち、大当たり乱数0~204の中に「7」が存在するため、大当たりと判定する(S82:Yes)。
【0099】
遊技制御用マイコン61は、S82において大当たりと判定した場合は(S82:Yes)、特図保留記憶部の第1記憶領域(
図9、
図10)に記憶されている大当たり種別乱数を読み出し、複数の大当たりの種類が設定された大当たり種別判定テーブルTa2(
図6)を参照し、大当たりの種類を判定する(S83)。大当たりの種類によって、特図の大当たり図柄、特図の停止図柄、振分率、最大ラウンド数および大当たり演出図柄などが異なる。また、大当たりの種類によって大当たり遊技終了後のa時短の変動回数についても決定される。ここで、振分率とは、大当たり種別判定テーブルに設定されている複数種類の大当たりのうち、所定の大当たりが選択される確率のことである。また、最大ラウンド数とは、大当たり遊技における実行可能な最大ラウンド数のことである。
【0100】
続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たり判定において、大当たりと判定したことを示す大当たりフラグをONし(S84)、S83において判定した大当たりの種類に応じた特図の大当たり図柄を確定表示するための特図停止図柄データをRAM64(
図3)に設けた特図バッファにセットし(S85)、この第2特図大当たり判定処理を終える。また、S82において、大当たりではない、つまり、ハズレと判定した場合は(S82:No)、更に大当たり判定テーブルTa1の小当たりに対応する乱数値の範囲を参照し、S80において読出した大当たり乱数と同じ乱数が存在するか否か、つまり、小当たりか否かの当否判定を行う(S86)。たとえば、第2特図の大当たり判定処理でS60において読出した大当たり乱数が「1234」であった場合は、大当たり判定テーブルTa1のうち、小当たりに対応する乱数範囲205~2216の中に「1234」が存在するため、小当たりと判定する(S86:Yes)。
【0101】
遊技制御用マイコン61は、S86において小当たりと判定した場合は(S86:Yes)、小当たりと判定したことを示す小当たりフラグをON(S87)する。また、1種2種混合機では小当たりの場合も実質的に大当たりとなるので、小当たりと判定された時点において大当たりと同様に大当たりの種別の判定するようにしても良い。
【0102】
一方、S86において小当たりでもないと判定した場合は(S86:No)、特図のハズレ図柄を確定表示するための特図停止図柄データを特図バッファにセットし(S85)、この第2特図大当たり判定処理を終える。
【0103】
(第2特図変動パターン選択処理(第1特図変動パターン選択処理))
次に、遊技制御用マイコン61が実行する第2特図変動パターン選択処理(第1特図変動パターン選択処理):
図18のS62,S68)の内容についてそれを示す
図20および
図21を参照しつつ説明する。なお、第2特図変動パターン選択処理(
図18のS62)と第1特図変動パターン選択処理(
図18のS68)とは、処理の流れが同じであるため、まとめて説明する。また、第1特図保留記憶部64aおよび第2特図保留記憶部64bに共通の事項を説明する場合は、単に特図保留記憶部という。
【0104】
遊技制御用マイコン61は、遊技状態が時短状態中であるか否かを判定し(S90)、時短状態中ではないと判定した場合は(S90:No)、大当たりフラグがONしているか否かを判定する(S91)。ここで、大当たりフラグがONしていると判定した場合は(S91:Yes)、特図変動パターン選択テーブルTa4(
図8)を参照して特図変動パターンを選択する(S92)。詳しくは、特図変動パターン選択テーブルTa4のうち、非時短状態で大当たりの場合の変動パターン乱数を参照する。そして、特図保留記憶部の第1記憶領域(
図9、
図10)に記憶されている変動パターン乱数を取得し、その取得した変動パターン乱数と同じ変動パターン乱数と対応付けられている特図変動パターンを選択する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、選択した変動パターンを示す変動パターンデータをRAM64(
図3)に設けた特図変動パターンバッファにセットし(S96)、この第2特図変動パターン選択処理を終える。
【0105】
また、遊技制御用マイコン61は、S91において大当たりフラグがONしていない、つまり、ハズレと判定した場合は(S91:No)、特図保留記憶部の第1記憶領域(
図9、
図10)に記憶されているリーチ乱数を取得し、その取得したリーチ乱数がリーチ成立乱数であるか否かを判定する(S93)。つまり、特図保留記憶部の第1記憶領域から取得したリーチ乱数が、リーチ判定テーブルTa3(
図7)のうち、非時短状態に設定されているリーチ乱数であるか否かを判定する。たとえば、特図保留記憶部の第1記憶領域から取得したリーチ乱数が「20」であった場合は、リーチ乱数「20」は、非時短状態に設定されているリーチ乱数0~27に存在するため、リーチ成立乱数であると判定する(S93:Yes)。ここで、遊技制御用マイコン61は、リーチ乱数がリーチ成立乱数であると判定した場合は(S93:Yes)、特図変動パターン選択テーブルTa4(
図8)を参照して特図変動パターンを選択する(S94)。詳しくは、特図変動パターン選択テーブルTa4のうち、非時短状態でリーチ有りハズレの場合の変動パターン乱数を参照する。そして、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている変動パターン乱数を取得し、その取得した変動パターン乱数と同じ変動パターン乱数と対応付けられている特図変動パターンを選択する。続いて、遊技制御用マイコン61は、選択した変動パターンを示す変動パターンデータをRAM64(
図3)に設けた特図変動パターンバッファにセットし(S96)、この第2特図変動パターン選択処理を終える。
【0106】
また、遊技制御用マイコン61は、S93においてリーチ乱数がリーチ成立乱数ではないと判定した場合は(S93:No)、特図変動パターン選択テーブルTa4(
図8)を参照して特図変動パターンを選択する(S95)。
続いて、遊技制御用マイコン61は、選択した変動パターンを示す変動パターンデータをRAM64(
図3)に設けた特図変動パターンバッファにセットし(S96)、この第2特図変動パターン選択処理を終える。
【0107】
また、遊技制御用マイコン61は、S70において時短状態中であると判定した場合は(S90:Yes)、大当たりフラグがONしているか否かを判定する(
図21のS97)。ここで、大当たりフラグがONしていると判定した場合は(S97:Yes)、特図変動パターン選択テーブルTa4(
図8)を参照して特図変動パターンを選択する(S98)。詳しくは、特図変動パターン選択テーブルTa4のうち、時短状態で大当たりの場合の変動パターン乱数を参照する。そして、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている変動パターン乱数を取得し、その取得した変動パターン乱数と同じ変動パターン乱数と対応付けられている特図変動パターンを選択する。続いて、遊技制御用マイコン61は、選択した変動パターンを示す変動パターンデータをRAM64(
図3)に設けた特図変動パターンバッファにセットし(
図20のS96)、この第2特図変動パターン選択処理を終える。
【0108】
また、遊技制御用マイコン61は、S97において大当たりフラグがONしていない、つまり、ハズレと判定した場合は(S97:No)、特図保留記憶部の第1記憶領域(
図9、
図10)に記憶されているリーチ乱数を取得し、その取得したリーチ乱数がリーチ成立乱数であるか否かを判定する(S99)。つまり、特図保留記憶部の第1記憶領域から取得したリーチ乱数が、リーチ判定テーブルTa3(
図7)のうち、時短状態に設定されているリーチ乱数であるか否かを判定する。たとえば、特図保留記憶部の第1記憶領域から取得したリーチ乱数が「8」であった場合は、リーチ乱数「8」は、時短状態に設定されているリーチ乱数0~11に存在するため、リーチ成立乱数であると判定する(S99:Yes)。ここで、遊技制御用マイコン61は、リーチ乱数がリーチ成立乱数であると判定した場合は(S99:Yes)、特図変動パターン選択テーブルTa4(
図8)を参照して特図変動パターンを選択する(S100)。詳しくは、特図変動パターン選択テーブルTa4のうち、時短状態でリーチ有りハズレの場合の変動パターン乱数を参照する。そして、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている変動パターン乱数を取得し、その取得した変動パターン乱数と同じ変動パターン乱数と対応付けられている特図変動パターンを選択する。続いて、遊技制御用マイコン61は、選択した変動パターンを示す変動パターンデータをRAM64(
図3)に設けた特図変動パターンバッファにセットし(
図20のS96)、この第2特図変動パターン選択処理を終える。
【0109】
また、遊技制御用マイコン61は、S99においてリーチ乱数がリーチ成立乱数ではないと判定した場合は(S99:No)、特図変動パターン選択テーブルTa4(
図8)を参照して特図変動パターンを選択する(S101)。詳しくは、特図変動パターン選択テーブルTa4のうち、時短状態でリーチ無しハズレの場合の変動パターン乱数を参照する。そして、特図保留記憶部の第1記憶領域(
図9、
図10)に記憶されている変動パターン乱数を取得し、その取得した変動パターン乱数と同じ変動パターン乱数と対応付けられている特図変動パターンを選択する。続いて、遊技制御用マイコン61は、選択した変動パターンを示す変動パターンデータをRAM64(
図3)に設けた特図変動パターンバッファにセットし(
図20のS96)、この第2特図変動パターン選択処理を終える。
【0110】
S96において特図変動パターンバッファにセットした変動パターンデータは、前述した特別図柄待機処理のS65(
図18)においてセットされる変動開始コマンドに含められ、メイン側タイマ割込処理の出力処理(
図15のS10)により、サブ制御基板100(
図4)へ出力される。また、第1特図変動パターン選択処理も第2特図変動パターン選択処理と同じ流れで実行され、S96において特図変動パターンバッファにセットした変動パターンデータは、前述した特別図柄待機処理のS71(
図18)においてセットされる変動開始コマンドに含められ、メイン側タイマ割込処理の出力処理(
図15のS10)により、サブ制御基板100(
図4)へ出力される。
【0111】
尚、説明は省略するが小当たりの場合においても特図変動パターン選択テーブルTa4(
図8)を参照して小当たりに対応した特図変動パターンの選択が行われる。特に1種2種混合機では第2特別図柄で小当たりに当選した場合も実質的に大当たりとなるので、大当たりした場合と同様の演出が選択されることとなる。
【0112】
(特別図柄変動処理)
次に、遊技制御用マイコン61が実行する特別図柄変動処理(
図15のS19)の内容についてそれを示す
図22を参照しつつ説明する。
遊技制御用マイコン61は、特別図柄の変動時間(
図18のS62またはS68において選択された特図変動パターンに応じて決まる変動時間、
図8参照)が終了したか否かを判定する(S110)。ここで、終了していないと判定した場合は(S110:No)、この特別図柄変動処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。一方、終了したと判定した場合は(S110:Yes)、特別図柄の変動表示を停止させるための変動停止コマンドをRAM64(
図3)に設けたコマンドバッファにセットする(S111)。続いて、遊技制御用マイコン61は、特別図柄の変動表示を、第2特図大当たり判定処理(第1特図大当たり判定処理)のS85(
図19)においてセットした特図停止図柄データに応じた図柄(特図の大当たり図柄または特図のハズレ図柄)で停止させる特別図柄停止処理を実行する(S112)。それによって、特別図柄が確定する。尚、特図変動パターン選択テーブルTa4にて選択された変動パターンに対応する停止時間(例えば500ms)だけ特別図柄は停止した状態を継続(特別図柄の確定状態を継続)し、その後に次回の特別図柄の変動が開始される。
【0113】
続いて、遊技制御用マイコン61は、遊技状態管理処理を実行する。この遊技状態管理処理では、例えば時短フラグがONになっているか否か判定し、ONになっている、即ち時短状態にあると判定した場合は、時短状態中における特別図柄の変動回数を減算方式でカウントする時短カウンタの値を1減算する。尚、時短カウンタは特定の大当たり遊技の終了時に予め決められた値(本実施形態では大当たり遊技の終了時は“0(時短なし)”又は“40”)がセットされる。尚、時短フラグがONで且つ時短カウンタの値が“0”となった場合には、大当たり遊技終了後の大当たりの種別によって決められた時短回数の変動(即ち、時短遊技状態の最終変動)が終了したことを示すので、今回の変動の終了とともに時短フラグをOFFにする。
【0114】
遊技制御用マイコン61は、各フラグの情報を含む遊技状態指定コマンドをRAM64の出力バッファにセットし、遊技状態管理処理を終える。RAM64の出力バッファにセットされた遊技状態指定コマンドは、メイン側タイマ割込処理の出力処理(
図15のS10)においてサブ制御基板100に出力される。
【0115】
続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグがONになっているか否かを判定し(S114)、ONになっていると判定した場合は(S114:Yes)、遊技状態リセット処理を実行する(S115)。この遊技状態リセット処理では、時短フラグがONになっているか否かを判定し、ONになっていると判定した場合は、時短フラグをOFFにする。つまり、大当たり遊技の実行中は、通常確率状態かつ非時短状態に制御される。
続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たり遊技を開始するために、大当たりオープニング設定を行い(S116)、大当たりオープニングを実行させるためのオープニングコマンドをセットする(S117)。大当たりオープニングとは、大当たりの発生を祝う演出画像を演出表示装置7に表示したり、大当たりの発生を祝う楽曲を各スピーカ8から再生したりする演出のことである。オープニング設定では、大当たり遊技のオープニングの実行時間を所定のタイマにセットする。
続いて、遊技制御用マイコン61は、特別電役作動有効カウンタの値をセットし(S118)、この特別図柄変動処理を終える。特別電役作動有効カウンタは、大当たり遊技におけるラウンド数の残回数をカウントするカウンタである。また、S114において大当たりフラグがONになっていないと判定した場合は(S114:No)、この特別図柄変動処理を終える。
【0116】
上記の本実施形態のパチンコ機では通常状態から第1特別図柄の抽選で時短ありの大当たりに当選し、大当たり遊技が終了した後には時短状態(a時短)へと移行する。a時短状態は電サポ制御が行われるので、第2始動口22へ入球し易くなり、遊技者は第2始動口22を狙って遊技を行うこととなる。a時短の回数は大当たりの種類によって異なっており、0回(時短なし)、40回の内から抽選により選択される(
図5)。例えば40回が選択された場合には最大で特別図柄が40回変動するまで時短状態(ラッシュ状態)は継続する。その40回の変動において大当たりに当選(V入賞による大当たりも含む)すれば、大当たり遊技後に再度時短状態となる(但し、第1特別図柄による抽選で当選した場合については必ずしも時短状態に移行するとは限らない)。
【0117】
一方、40回の内に大当たりに当選しなかった場合については、一旦時短状態は終了し、第2特別図柄の残保留による抽選が行われる。そして、第2特別図柄の残保留の変動において大当たりに当選(V入賞による大当たりも含む)すれば、大当たり遊技後に再度時短状態となる。
【0118】
(サブ側主制御処理)
次に、演出制御用マイコン101(
図4)が実行するサブ側主制御処理についてそれを示す
図23を参照しつつ説明する。
最初に、演出制御用マイコン101は、パチンコ遊技機1の電源がオンされたことに伴い、初期設定を実行する(S150)。この初期設定では、たとえば、スタックの設定、定数の設定、割込時間の設定、CPU102(
図4)の設定、SIO(System Input/Output)、PIO(Parallel Input/Output)、CTC(Counter/Timer Circuit:割込時間を管理するための回路)の設定、各種のフラグ、カウンタおよびタイマなどのリセットなどを行う。続いて、演出制御用マイコン101は、電源断信号がONしており、かつ、RAM120(
図4)の内容が正常であるか否かを判定し(S151)、ここで否定判定した場合は(S151:No)、RAM120を初期化し(S152)、S153に進む。また、S151において肯定判定した場合は(S151:Yes)、RAM120を初期化しないでS153に進む。つまり、電源断信号がONになっていない場合、または、電源断信号がONになっていてもRAM120の内容が正常でない場合には(S151:No)、RAM120を初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAM120の内容が正常に保たれている場合には(S151:Yes)、RAM120を初期化しない。また、RAM64の初期化(ラムクリ)が行われた場合についてはRAM120も初期化される。なお、RAM120を初期化すれば、各種のフラグ、カウンタおよびタイマなどの値はリセットされる。また、このS150~S152は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
【0119】
続いて、演出制御用マイコン101は、割込禁止を行い(S153)、乱数更新処理を実行する(S154)。この乱数更新処理では、種々の演出決定用乱数カウンタの初期値を更新する。なお、演出決定用乱数には、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出乱数などがある。乱数の更新方法は、前述の遊技制御用マイコン61が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。続いて、演出制御用マイコン101は、コマンド送信処理を実行する(S155)。このコマンド送信処理では、演出制御用マイコン101のRAM120内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板200、音声制御基板78およびランプ制御基板79などに送信する。続いて、演出制御用マイコン101は割込許可を実行する(S156)。以降、S153~S156を繰り返し実行する。また、割込許可中においては、受信割込処理(S157)、1msタイマ割込処理(S158)および10msタイマ割込処理(S159)の実行が可能となる。
【0120】
(受信割込処理)
次に、演出制御用マイコン101が実行する受信割込処理(
図23のS157)について説明する。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60(
図3)から、演出制御用マイコン101の外部INT(割込)入力部に与えられるストローブ信号(STB信号)の信号レベルが変化したか否か、つまり、コマンドを受信するタイミングであるか否かを判定する。具体的には、たとえば、ストローブ信号の信号レベルがハイレベルからローレベルに変化したか否かを判定する。そして、受信するタイミングでなはないと判定した場合は、この受信割込処理を終え、受信するタイミングであると判定した場合は、主制御基板60から送信されてきた各種のコマンドを受信し、それら受信した各種のコマンドをRAM120(
図4)の受信バッファに格納する。この受信割込処理は、他の割込処理(S158、S159)に優先して実行される処理である。
【0121】
(1msタイマ割込処理)
次に、演出制御用マイコン101が実行する1msタイマ割込処理(
図23のS158)についてそれを示す
図24を参照しつつ説明する。
演出制御用マイコン101は、サブ制御基板100に1msec周期の割込パルスが入力される度に、この1msタイマ割込処理を実行する。演出制御用マイコン101は、入力処理を実行する(S160)。この入力処理では、演出ボタン検出スイッチ9a、演出レバー押込検出スイッチ6gおよび演出レバー回転検出スイッチ6h(
図4)からの検出信号に基づいて、スイッチがONしたことを示すスイッチデータ(エッジデータおよびレベルデータ)を作成する。続いて、演出制御用マイコン101は、出力処理を実行する(S161)。この出力処理では、後述する変動演出開始処理のS205(
図27)においてRAM120(
図4)のコマンドバッファにセットされる変動開始コマンドを画像制御基板200に出力する。
【0122】
また、演出表示装置7の表示に合わせて盤ランプ2a、左サイドランプ23aおよび右サイドランプ23b(
図4)を発光させるために、後述する10msタイマ割込処理におけるランプ処理(
図25のS173)などで作成したランプデータをランプ制御基板79(
図4)に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ2a、左サイドランプ23aおよび右サイドランプ23bを所定の発光態様で発光させる。また、演出表示装置7の表示に合わせて可動体15(
図4)を駆動させるために、駆動データ(可動体15を駆動するためのデータ)を作成し、その作成した駆動データを出力する。つまり、駆動データにしたがって可動体15を所定の動作パターンで駆動させる。
【0123】
続いて、演出制御用マイコン101は、変動開始コマンドを出力したか否かを判定する(S162)。変動開始コマンドは、後述する変動演出開始処理のS205(
図27)においてRAM120(
図4)のコマンドバッファにセットされ、S161において画像制御基板200に出力される。ここで、演出制御用マイコン101は、変動開始コマンドを出力したと判定した場合は(S162:Yes)、変動演出パターンの変動時間の計測を開始する(S163)。続いて、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理を行い(S164)、この1msタイマ割込処理を終える。
【0124】
(10msタイマ割込処理)
次に、演出制御用マイコン101が実行する10msタイマ割込処理(
図23のS159)についてそれを示す
図25を参照しつつ説明する。
演出制御用マイコン101は、サブ制御基板100に10msec周期の割込パルスが入力される度に、この10msタイマ割込処理を実行する。演出制御用マイコン101は、後述する受信コマンド解析処理(
図26)を実行し(S170)、スイッチ状態取得処理を実行する(S171)。このスイッチ状態取得処理では、1msタイマ割込処理の入力処理(
図24のS160)において作成したスイッチデータを10msタイマ割込処理用のスイッチデータとしてRAM120に格納する。続いて、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータ、即ち演出ボタン9、演出レバー6の各操作手段の操作に基づいて、対応する各種処理を行う後述のスイッチ処理を実行する(S172)。
【0125】
続いて、演出制御用マイコン101は、ランプ処理を実行する(S173)。このランプ処理では、演出表示装置7の表示に合わせて各ランプ(盤ランプ2a、左サイドランプ23aおよび右サイドランプ23bなど)の発光を制御するためのランプデータの作成や発光演出の時間管理などを行う。これにより、各ランプは、演出表示装置7の表示に合った発光演出を行う。
【0126】
続いて、演出制御用マイコン101は、音声制御処理を実行する(S174)。この音声制御処理では、音声制御データ(各スピーカ8からの音声の出力を制御するためのデータ)の作成、その作成した音声制御データの音声制御基板78(
図4)への出力、音声演出の時間管理などを行う。これにより、演出表示装置7の表示に合わせて音声が各スピーカ8から出力される。続いて、演出制御用マイコン101は、その他の処理を実行し(S175)、この10msタイマ割込処理を終える。その他の処理(S175)では、変動演出パターン乱数、予告演出を決定するための予告演出乱数などを更新するなどの処理を実行する。
【0127】
(受信コマンド解析処理)
次に、演出制御用マイコン101が実行する受信コマンド解析処理(
図25のS170)についてそれを示す
図26を参照しつつ説明する。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60(
図3)から遊技状態指定コマンドを受信したか否かを判定し(S180)、受信したと判定した場合は(S180:Yes)、サブ側遊技状態設定処理を実行する(S181)。遊技状態指定コマンドには、遊技状態(時短状態か非時短状態か)を示す情報などが含まれている。このサブ側遊技状態設定処理では、受信した遊技状態指定コマンドを解析し、遊技状態指定コマンドに含まれている情報に基づき、遊技状態フラグを設定する。遊技状態フラグは、現時点で設定されている遊技状態を示すフラグである。遊技状態指定コマンドに含まれている情報が非時短状態を示している場合は、遊技状態フラグ「1」をセットする。また、時短状態を示している場合は、遊技状態フラグ「2」をセットする。
【0128】
続いて、演出制御用マイコン101は、主制御基板60からオープニングコマンドを受信したか否かを判定し(S182)、受信したと判定した場合は(S182:Yes)、オープニング演出選択処理を実行する(S183)。このオープニング演出選択処理では、オープニングコマンドを解析し、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出のパターン(内容)を選択する。詳しくは、オープニングコマンド毎にオープニング演出パターンが対応付けて設定されたオープニング演出パターン選択テーブル(図示せず)を参照し、受信したオープニングコマンドと対応付けられているオープニング演出パターンを選択する。そして、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドをRAM120(
図4)の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン101は、主制御基板60からラウンド指定コマンドを受信したか否かを判定し(S184)、受信したと判定した場合は(S184:Yes)、ラウンド演出選択処理を実行する(S185)。このラウンド演出選択処理では、大当たり遊技の各ラウンドにおいて実行する演出の種類を選択する。この演出は、演出表示装置7が表示する画像および各スピーカ8が出力する音声などによる演出であり、大当たりの種類によって異なる。詳しくは、ラウンド指定コマンド毎にラウンド演出が対応付けられたラウンド演出テーブル(図示せず)を参照し、受信したラウンド指定コマンドと対応付けられているラウンド演出を選択する。
続いて、演出制御用マイコン101は、主制御基板60から第2大入賞口入賞コマンドを受信したか否かを判定し(S186)、受信したと判定した場合は(S186:Yes)、第2大入賞口入賞時処理を実行する(S187)。この第2大入賞口入賞時処理では、第2大入賞口35に入賞した遊技球が特定領域を通過したか否かに応じて異なる演出を選択する処理などを行う。
【0129】
続いて、演出制御用マイコン101は、主制御基板60からエンディングコマンドを受信したか否かを判定し(S188)、受信したと判定した場合は(S188:Yes)、エンディング演出選択処理を実行する(S189)。このエンディング演出選択処理では、実行中の大当たり遊技の契機となった大当たりの種類に応じて、大当たりの終了時に演出表示装置7および各スピーカ8により実行するエンディング演出の種類を選択することなどを行う。続いて、演出制御用マイコン101は、主制御基板60から変動開始コマンドを受信したか否かを判定し(S190)、受信したと判定した場合は(S190:Yes)、後述する変動演出開始処理(
図27)を実行する(S191)。
【0130】
続いて、演出制御用マイコン101は、前記S191の変動演出開始処理において特にボタン演出を伴う演出内容が実行対象として選択された場合において、予告演出やSPリーチ中等の予め設定された特定のタイミングでボタン演出を行うボタン演出処理(
図30)を実行する(S192)。
【0131】
更に、演出制御用マイコン101は、主制御基板60から変動停止コマンドを受信したか否かを判定し(S193)、受信したと判定した場合は(S193:Yes)、変動演出終了処理を実行する(S194)。この変動演出終了処理では、演出制御用マイコン101は、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをRAM120(
図4)の出力バッファにセットする。セットした変動演出終了コマンドがコマンド送信処理(
図23のS155)によって画像制御基板200(
図4)に送信されると、画像制御基板200は、演出表示装置7において左演出図柄9L、中演出図柄9Cおよび右演出図柄9R(
図1)を所定の停止パターンを経て確定表示する。続いて、演出制御用マイコン101は、その他の処理を実行し(S195)、この受信コマンド解析処理を終える。その他の処理(S195)では、上記各コマンド以外のコマンド(たとえば、普通図柄変動開始コマンドや普通図柄変動停止コマンド)に基づく処理などを行う。
【0132】
(変動演出開始処理)
次に、演出制御用マイコン101が実行する変動演出開始処理(
図26のS191)についてそれを示す
図27を参照しつつ説明する。
演出制御用マイコン101は、受信した変動開始コマンドを解析する(S200)。変動開始コマンドには、第2特図変動パターン選択処理(第1特図変動パターン選択処理):
図20のS92、S94、S95、S98、S100、S101)でセットされた第2特図変動パターンの情報、または、第1特図変動パターンの情報が含まれている。続いて、演出制御用マイコン101は、S200において解析した変動開始コマンドが第1特図変動開始コマンドである場合は、第1特図保留演出カウンタの値を「1」減算し、第2特図変動開始コマンドである場合は、第2特図保留演出カウンタの値を「1」減算する(S201)。続いて、演出制御用マイコン101は、特図保留演出記憶部(第1特図保留演出記憶部121または第2特図保留演出記憶部122:
図12、
図13)に記憶されている始動入賞コマンドおよび先読み大当たりフラグなどの各データを古い記憶領域の方にシフトする(S202)。続いて、演出制御用マイコン101は、演出表示装置7が変動演出パターンを表示する際に最終的に確定表示する左演出図柄9L、中演出図柄9Cおよび右演出図柄9R(
図1)の組み合わせを、演出図柄選択テーブル(図示せず)を参照して選択する(S203)。
【0133】
続いて、演出制御用マイコン101は、演出内容選択処理を実行する(S204)。演出内容選択処理では、演出図柄の変動に伴ってパチンコ遊技機1で行われる演出の内容を演出選択テーブルTa5(
図11)を用いて選択する。演出選択テーブルTa5は、前述したように特図変動パターンと、判定結果と、演出選択乱数と、演出内容とを対応付けて構成されている。特図変動パターンは、S200における解析により得た特図変動パターンと対応している。演出選択乱数は、演出選択乱数カウンタがカウントする乱数の範囲の中で選択した乱数である。演出制御用マイコン101は、演出選択乱数カウンタがカウントする演出選択乱数を取得する。そして、演出選択テーブルTa5を参照し、S200における解析により得た特図変動パターンの情報に基づいて、その特図変動パターンと対応付けられている演出内容のうち、上記の取得した演出選択乱数と対応付けられている演出内容を選択する。続いて、演出制御用マイコン101は、S214において選択した演出内容の表示を演出表示装置7に開始させるための演出図柄変動表示開始コマンドをRAM120の出力バッファにセットする(S205)。
【0134】
(スイッチ処理)
次に、演出制御用マイコン101が実行するスイッチ処理(
図25のS172)についてそれを示す
図28を参照しつつ説明する。
先ず、S210において演出制御用マイコン101は、スイッチ状態取得処理(S171)にて格納したスイッチデータに基づいて、特にパチンコ遊技機1のオートボタン機能の設定を行う為の操作を受け付けたか否かを判定する。ここで“オートボタン機能”とは演出ボタン9の操作を自動で行う機能である。そして、オートボタン機能は遊技者が事前に遊技機のカスタマイズの一つとしてON、OFFを切り替えることが可能であり、オートボタン機能をONした状態では後述のように演出ボタン9の押圧操作が有効な期間において遊技者によって演出ボタン9の操作が物理的に行われなくとも演出ボタン9の操作が行われた場合と同じ処理を行う。また、本実施形態では以下のようにオートボタン機能のON、OFFに加えてオートボタン機能による操作の内容(押すタイミング、連打速度、適用対象等)についても遊技者が設定することが可能となっている。
【0135】
そして、具体的に前記S210では特別図柄が変動していない状態でパチンコ遊技機1の前面枠18に設けられた操作ボタンが操作され、メニュー画面からオートボタン機能に関する設定を行う項目が選択された場合に、オートボタン機能の設定を行う為の操作を受け付けたと判定する。尚、操作ボタンはパチンコ遊技機1で遊技を行う遊技者に操作可能な位置に設けられており、基本的に遊技者によって操作される。
【0136】
そして、オートボタン機能の設定を行う為の操作を受け付けたと判定された場合(S210:Yes)には、S211へと移行する。それに対して、オートボタン機能の設定を行う為の操作を受け付けていないと判定された場合(S210:No)には、現在設定されているオートボタン機能の設定内容を維持した状態でS212へと移行する。
【0137】
S211において演出制御用マイコン101は、演出表示装置7に対してオートボタン機能設定画面212を表示し、受け付けた操作ボタンの操作に基づいてオートボタン機能に関する設定を行う。具体的には、
図29に示すようにオートボタン機能設定画面212に猫を模した複数種類のキャラクタを表示する。この複数種類のキャラクタは、キャラクタ毎に異なるオートボタン機能による操作内容が紐付けられている。紐づけられる操作内容としては、例えば演出ボタン9の繰り返しの操作が要求されるボタン演出において演出ボタン9が自動で繰り返し操作される速度、操作有効期間内において演出ボタン9が自動で操作されるタイミング、開始される条件が異なる複数の操作有効期間がある場合に自動で操作される対象となる操作有効期間がある。そして、遊技者の操作に基づいてキャラクタを選択することにより、選択されたキャラクタに紐づけられた操作内容でオートボタン機能の操作内容が設定される。
【0138】
図29に示す例では、『気まぐれ猫』、『せっかち猫』、『のんびり猫』、『裏猫』の4種類のキャラクタが表示される。但し、『裏猫』については初期状態では選択対象として表示されず、遊技者の遊技レベル(遊技履歴)が一定値に到達した後に表示するようにする。ここで、遊技者の遊技レベルは遊技開始時点では“1(初期値)”であり、機種毎に設定されたミッション(例えばトータルの遊技時間が所定時間以上、変動回数が所定回数以上、大当たり回数が所定回数以上、特定の演出や予告を出現させる等)をクリアしたことを条件としてレベルが段階的に上昇する。即ち、遊技レベルが高い遊技者ほど、基本的にその遊技機で長く遊技を行っている(遊技をやり込んでいる)と推定できる。現在の遊技者の遊技レベルについてはRAM120に記憶される。但し、遊技者の遊技レベルは遊技者が所持するスマートフォンや外部のサーバに記憶しておき、スマートフォンやサーバから取得することも可能である。また、遊技レベルについては同じ機種(或いは同じメーカーの機種としても良い)であれば前回の遊技から引き継ぐことも可能であり、その場合にはたとえば遊技終了時点でパスワードを発行し、次回遊技する際に発行されたパスワードを入力することによって遊技レベルを引き継ぐことが可能となる。
【0139】
以下に各キャラクタの詳細について説明すると、先ず1つの目の『気まぐれ猫』はオートボタン機能の操作内容として“押下のタイミングはランダム”、“連打速度は普通”、“裏ボタンは対応無し”が紐づけられている。尚、“押下のタイミングはランダム”とは操作有効期間内のどのタイミングで演出ボタン9が操作されるかが毎回変わることを意味する。“連打速度が普通”とは特に演出ボタン9の繰り返しの操作が要求されるボタン演出において演出ボタン9が自動で繰り返し操作される速度が普通程度(例えば3回/秒)であることを意味する。“裏ボタンは対応無し”とは特に操作推奨演出を伴わずに開始される操作有効期間(遊技者に操作有効期間内であることを明示しない)については演出ボタン9の操作を自動で行わないことを意味する。
次に2つの目の『せっかち猫』はオートボタン機能の操作内容として“押下のタイミングは早い”、“連打速度は速い”、“裏ボタンは対応無し”が紐づけられている。尚、“押下のタイミングは早い”とは操作有効期間が開始された直後に演出ボタン9が操作されることを意味する。“連打速度が速い”とは特に演出ボタン9の繰り返しの操作が要求されるボタン演出において演出ボタン9が自動で繰り返し操作される速度が速い(例えば5回/秒)であることを意味する。“裏ボタンは対応無し”とは特に操作推奨演出を伴わずに開始される操作有効期間(遊技者に操作有効期間内であることを明示しない)については演出ボタン9の操作を自動で行わないことを意味する。
次に3つの目の『のんびり猫』はオートボタン機能の操作内容として“押下のタイミングは遅い”、“連打速度は遅い”、“裏ボタンは対応無し”が紐づけられている。尚、“押下のタイミングは遅い”とは操作有効期間が開始されてから一定期間経過後(例えば操作有効期間の1/2経過後)に演出ボタン9が操作されることを意味する。“連打速度が遅い”とは特に演出ボタン9の繰り返しの操作が要求されるボタン演出において演出ボタン9が自動で繰り返し操作される速度が遅い(例えば1回/秒)であることを意味する。“裏ボタンは対応無し”とは特に操作推奨演出を伴わずに開始される操作有効期間(遊技者に操作有効期間内であることを明示しない)については演出ボタン9の操作を自動で行わないことを意味する。
最後に4つの目の『裏猫』はオートボタン機能の操作内容として“押下のタイミングは早い”、“連打速度は普通”、“裏ボタンは対応あり”が紐づけられている。尚、“押下のタイミングは早い”とは操作有効期間が開始された直後に演出ボタン9が操作されることを意味する。“連打速度が普通”とは特に演出ボタン9の繰り返しの操作が要求されるボタン演出において演出ボタン9が自動で繰り返し操作される速度が普通程度(例えば3回/秒)であることを意味する。“裏ボタンは対応あり”とは特に操作推奨演出を伴わずに開始される操作有効期間(遊技者に操作有効期間内であることを明示しない)についても演出ボタン9の操作を自動で行うことを意味する。
尚、オートボタン機能設定画面212では遊技者の操作によりオートボタン機能をOFFする設定を行うことも可能である。
【0140】
また、オートボタン機能設定画面212において選択されたキャラクタはボタン演出においてボタンを操作するキャラクタとして演出表示装置7に表示されることとなる。例えば、オートボタン機能設定画面212において遊技者が『気まぐれ猫』を選択した場合には、上記のように『気まぐれ猫』に紐づけられた内容でオートボタン機能の操作内容が設定されるとともに、ボタン演出の実行時には『気まぐれ猫』が演出表示装置7に出現して演出ボタン9を操作するアクションを行う。そして、『気まぐれ猫』が演出ボタン9を操作するアクションと対応させて演出ボタン9の操作を自動で行う。
【0141】
また、上記オートボタン機能の設定操作は、パチンコ遊技機1に対してではなくスマートフォンなどの遊技者が所有する通信端末に対して行うようにしても良い。そして、パスワードや2次元コートなどを使って通信端末に対して遊技者が行った設定内容をパチンコ遊技機1が取得するようにしても良い。
【0142】
尚、前記S211で一旦設定されたオートボタン機能の操作内容は次回ラムクリされるまで有効とし、ラムクリされた場合には初期化されデフォルト(例えばオートボタン機能オフ)へと戻ることとなる。
【0143】
一方、S212において演出制御用マイコン101は、その他の操作されたボタンに対応する各種処理を実行する。例えば、演出カスタマイズの設定、音量や光量の設定などが可能である。
【0144】
(ボタン演出処理)
次に、演出制御用マイコン101が実行するボタン演出処理(
図26のS192)についてそれを示す
図30を参照しつつ説明する。
演出制御用マイコン101は、先ず前述した変動演出開始処理(
図27)のS204において特にボタン演出を伴う演出内容が実行対象として選択された場合に、ボタン演出を開始するタイミングとなったか否かを判定する(S220)。尚、本実施形態ではボタン演出を開始するタイミングは予告演出中及びSPリーチ中とするが、ボタン演出を開始するタイミングは予告演出中やSPリーチ中以外でも良く、例えば図柄の変動開始直後、図柄のリーチ成立時、SPリーチ後の昇格演出時、大当たり遊技中等が挙げられる。
【0145】
そして、ボタン演出を開始するタイミングとなったと判定された場合(S220:YES)には、S221へと移行する。S221では、遊技者に演出ボタン9等の操作手段の操作を促す操作推奨演出を実行する。但し、特に裏ボタン演出を行う場合においては前記S221の操作推奨演出は行われない。
【0146】
例えば
図31はセリフ予告でのボタン演出の例であり、図柄の変動開始後に画面下方にキャラクタの画像とともにウィンドウが表示される。そして、ウィンドウ内にボタンの画像213を表示し、遊技者に対して演出ボタン9の操作を促す。また、
図32はSPリーチ中のボタン演出の例であり、図柄の変動開始後にリーチが成立し、更にSPリーチに発展すると、SPリーチ中の所定のタイミングでボタンの画像216を表示し、遊技者に対して演出ボタン9の操作を促す。また、
図33はSPリーチ中において特に演出ボタン9の繰り返し操作を行うボタン演出の例であり、図柄の変動開始後にリーチが成立し、更にSPリーチに発展すると、SPリーチ中の所定のタイミングでボタンの画像221を表示するとともに繰り返し操作を促す文章についても表示し、遊技者に対して演出ボタン9の繰り返し操作を促す。
【0147】
更に、操作推奨演出を実行するのに合わせて操作を促された操作手段である演出ボタン9の操作が有効となる期間(以下、操作有効期間という)を開始する(S222)。この操作有効期間は開始してから所定の操作有効時間(例えば20秒)が経過した時点で終了する。尚、演出ボタン9でなく演出レバー6の操作を促すことも可能である。また、操作有効期間は必ずしも操作推奨演出が行われるのと同時で開始する必要はなく、操作推奨演出が行われる前から開始していても良い。また、裏ボタン演出については操作推奨演出を経ずに操作有効期間が開始される。一方、ボタン演出を開始するタイミングでないと判定された場合(S220:NO)には、S193へと移行する。
【0148】
その後、S223で演出制御用マイコン101は、オートボタン機能がONされているか否かを判定する。尚、オートボタン機能のON、OFFについては前述のスイッチ処理(
図28)において遊技者の操作に基づいて設定することが可能である。
【0149】
そして、オートボタン機能がONされていると判定された場合(S223:YES)には、S224へと移行する。それに対して、オートボタン機能がOFFされていると判定された場合(S223:No)には、S226へと移行する。
【0150】
S224で演出制御用マイコン101は、演出ボタン9の操作を自動で行う。即ち、遊技者によって演出ボタン9の操作が物理的に行われなくとも演出ボタン9の操作が行われた場合と同じ処理を行う。尚、自動操作の手段としては、ソレノイド等の駆動手段を用いて自動で物理的な演出ボタン9の操作を行ってもよいし、ソフトウェア上で演出ボタン9の操作が行われたとみなして処理を行ってよい。また、オートボタン機能がONされている場合であっても遊技者は手動で演出ボタン9の操作を行うことも可能である。その場合には、自動操作よりも遊技者の手動操作を優先して処理する。
【0151】
ここで、前述したように本実施形態ではオートボタン機能のON、OFFに加えてオートボタン機能による操作の内容(押すタイミング、連打速度、適用対象等)についても遊技者が設定することが可能となっている。従って、前記S224では遊技者によって事前に設定された操作内容を読み出し、読み出した操作内容に従って自動で演出ボタン9の操作を行う。但し、今回のボタン演出が自動操作の対象から外れている場合(例えば裏ボタン演出で『裏猫』以外が選択されている場合)については演出ボタン9の自動操作は行われない。
【0152】
また、前述したように本実施形態では猫を模した複数種類のキャラクタからキャラクタを選択することによりオートボタン機能の操作内容の設定を行う(
図29)が、選択されたキャラクタはボタン演出においてボタンを操作するキャラクタとして演出表示装置7に表示されることとなる。
【0153】
例えば、
図31に示すように遊技者が『気まぐれ猫』を選択した場合には、ボタン演出の実行時には操作有効期間内のランダムなタイミングで『気まぐれ猫』の画像214が演出表示装置7に出現してボタンの画像213を操作するアクションを行う。そして、『気まぐれ猫』の画像214がボタンの画像213を操作するアクションと対応させて演出ボタン9の操作を自動で行う。また、
図32でも同じように操作有効期間内のランダムなタイミングで『気まぐれ猫』の画像217が演出表示装置7に出現してボタンの画像216を操作するアクションを行う。そして、『気まぐれ猫』の画像217がボタンの画像216を操作するアクションと対応させて演出ボタン9の操作を自動で行う。また、
図33でも同じように操作有効期間内のランダムなタイミングで『気まぐれ猫』の画像222が演出表示装置7に出現してボタンの画像221を繰り返し操作するアクションを行う。そして、『気まぐれ猫』の画像222がボタンの画像221を繰り返し操作するアクションと対応させて演出ボタン9の操作を自動で繰り返し行う。
【0154】
その後、操作を促された操作手段が自動で操作されたことを契機として操作手段の操作に伴うボタン演出を実行する(S225)。例えば、
図31に示す例では、演出ボタン9が自動で操作されたことに基づいてウィンドウ内にセリフの画像215を表示する。また、
図32に示す例では、演出ボタン9が自動で操作されたことに基づいて大当たりの信頼度を示唆するカットイン218を表示する。また、
図33に示す例では、演出ボタン9が自動で所定回数操作されたことに基づいて大当たりに対応する演出内容が選択されている場合には、大当たりを示唆する画像223を出現させ、大当たりであることを遊技者に報知する。一方、図示は省略するがハズレに対応する演出内容が選択されている場合には、ハズレを示唆する画像を出現させ、ハズレであることを遊技者に報知する。その後、S193へと移行する。
【0155】
一方、S226で演出制御用マイコン101は、遊技者が操作を促された操作手段を操作したか否かを判定する。尚、演出ボタン9が操作されたか否かについては演出ボタン検出スイッチ9aの検出結果に基づいて判定可能であり、演出レバー6が操作されたか否かについては演出レバー押込検出スイッチ6gや演出レバー回転検出スイッチ6hの検出結果に基づいて判定可能である。特に、操作手段の繰り返し操作を行うボタン演出を実行する場合については操作手段が所定回数以上操作されたか否かを判定する。
【0156】
そして、遊技者が操作を促された操作手段を操作したと判定された場合(S226:YES)には、遊技者によって操作手段が操作されたことを契機として操作手段の操作に伴うボタン演出を実行する(S225)。その後、S193へと移行する。
【0157】
それに対して、遊技者が操作を促された操作手段を操作していないと判定された場合(S226:No)には、S227で演出制御用マイコン101は、遊技者が操作を促された操作手段を操作することなく前記S222で開始された操作有効期間が終了したか否かを判定する。そして、遊技者が操作を促された操作手段を操作することなく前記S222で開始された操作有効期間が終了したと判定された場合(S227:YES)には、ボタン演出を行うことなく終了する。但し、ボタン演出が行われなかった場合であってもその後に今回の変動の大当たり判定で大当たりや小当たりとなる場合には大当たりであることを最終的に報知し、ハズレの場合にはハズレであることについては最終的に報知する。
【0158】
一方で、遊技者が操作を促された操作手段を操作していないが操作有効期間は継続していると判定された場合(S227:No)には、S226へと戻る。そして、継続して操作手段の操作の受け付けを実行する。
【0159】
[実施形態の効果]
(1)上述した実施形態のパチンコ遊技機1を実施すれば、始動条件が成立したことに基づいて遊技情報を取得する遊技情報取得手段と、前記遊技情報に基づいて特典を付与するか否かを判断する特典付与判断手段と、前記特典付与判断手段による判断結果を示す図柄の変動表示及び停止表示を行う図柄変動手段と、遊技者に操作可能な位置に設けられた操作手段と、図柄の変動表示中又は大当たり遊技中の所定のタイミングで開始される遊技者による前記操作手段の操作が有効な操作有効期間内に、前記操作手段が操作されたことを契機として前記操作手段の操作に伴う演出を実行する演出実行手段と、前記操作有効期間において前記操作手段の操作を自動で行う自動操作手段と、前記自動操作手段による操作の内容を事前に遊技者の操作に基づいて設定する自動操作設定手段と、を有する。その結果、操作有効期間において操作手段の操作を自動で行う際の操作の内容を事前に遊技者の操作に基づいて設定可能とすることにより、従来に比べて遊技者の希望に合わせたより多彩なカスタマイズを可能とする。
(2)また、前記演出実行手段は、前記操作有効期間内に前記操作手段が繰り返し操作されることによって演出を実行し、前記自動操作設定手段は、前記操作有効期間において前記操作手段が自動で繰り返し操作される速度を設定する。その結果、操作有効期間において操作手段の操作を自動で行う際の操作の内容として、特に操作手段を繰り返し操作する速度を設定可能とすることにより、従来に比べて遊技者の希望に合わせたより多彩なカスタマイズを可能とする。
(3)また、前記自動操作設定手段は、前記操作有効期間内において前記操作手段が自動で操作されるタイミングを設定する。その結果、操作有効期間において操作手段の操作を自動で行う際の操作の内容として、特に操作手段を操作するタイミングを設定可能とすることにより、従来に比べて遊技者の希望に合わせたより多彩なカスタマイズを可能とする。
(4)また、開始される条件が異なる複数の前記操作有効期間があって、前記自動操作設定手段は、複数の前記操作有効期間の内から前記操作手段が自動で操作される対象となる前記操作有効期間を設定する。その結果、操作有効期間において操作手段の操作を自動で行う際の操作の内容として、特に操作手段を自動で操作する対象を設定可能とすることにより、従来に比べて遊技者の希望に合わせたより多彩なカスタマイズを可能とする。
(5)また、複数の前記操作有効期間の内には、遊技者に前記操作手段の操作を促す操作推奨演出を伴って開始される操作有効期間と、前記操作推奨演出を伴わずに開始される操作有効期間とがあって、前記自動操作設定手段は、前記操作推奨演出を伴わずに開始される前記操作有効期間について前記操作手段が自動で操作される対象とするか否かを設定する。その結果、操作有効期間において操作手段の操作を自動で行う際の操作の内容として、特に操作有効期間が遊技者に明示されない所謂裏ボタン演出について操作手段を自動で操作する対象とするか否かを設定可能とすることにより、従来に比べて遊技者の希望に合わせたより多彩なカスタマイズを可能とする。
(6)また、前記特典付与判断手段の判断結果を遊技者に報知する為の画像を表示する画像表示装置を備え、前記自動操作手段は、前記画像表示装置に前記操作手段を操作するキャラクタを表示するとともに、表示された前記キャラクタが前記操作手段を操作するアクションと対応させて前記操作手段の操作を自動で行い、前記キャラクタは複数種類あって、キャラクタ毎に異なる前記自動操作手段による操作の内容が紐付けられ、前記自動操作設定手段は、遊技者の操作に基づいて表示対象とする前記キャラクタを選択することにより前記自動操作手段による操作の内容を設定する。その結果、遊技者が画面上に表示するキャラクタを選択するという操作に基づいて、操作有効期間において操作手段の操作を自動で行う際の操作の内容を設定可能とすることにより、キャラクタを選択するという楽しさと遊技のカスタマイズを組み合わせた新たな遊技を提供可能となる。
【0160】
〈他の実施形態〉
(1)前述した実施形態では、遊技者が操作可能な操作手段として演出ボタン9を用いてボタン演出を行う例を示しているが、対象となる操作手段としては遊技者が操作可能な操作手段であればよく、例えば演出レバー6やその他の遊技機外面に設けられた各種のボタン、レバーであっても良い。更には、タッチパネルや赤外線センサなどの遊技者の動作を検出する手段であっても良い。
(2)また、前述した実施形態では、オートボタン機能の操作内容の設定を行う場合に、猫を模したキャラクタの選択を行うようにしているが、遊技者により選択対象となるキャラクタは猫以外であっても良い。また、キャラクタを選択することでオートボタン機能の操作内容の設定を行うのではなく、遊技者に設定内容を直接選択させても良い。例えば、操作手段の押下のタイミングを“ランダム”、“早い”、“遅い”の3つの候補の内から遊技者に選択させることにより、オートボタン機能の操作内容の設定を行うことも可能である。
(3)また、遊技者が選択可能とするキャラクタの種類については、所定条件を満たした場合に増やしたり減らしたりするようにしても良い。例えば、遊技者のこれまでの遊技履歴をRAM120に記憶し、確変状態を継続させてSPED(スペシャルエンディング)を見た後には、SPEDに関連するキャラクタを選択可能にしても良い。また、機種毎に設定されたミッション(例えばトータルの遊技時間が所定時間以上、変動回数が所定回数以上、大当たり回数が所定回数以上、特定の演出や予告を出現させる等)をクリアしたことを条件として選択可能なキャラクタの種類を増やすことも可能である。更に、特定の時間帯(開店直後や閉店間際)のみに選択可能な特別なキャラクタを出現させても良い。
(4)また、遊技者により事前に設定された内容と異なる内容で操作手段が自動で操作されることを、大当たりの信頼度を示唆する手段として用いても良い。例えば、操作手段の押下のタイミングを“早い”に設定している状態で、操作手段が自動で操作されるタイミングを遅らせることによって当該変動の大当たりの信頼度が高いことを遊技者に示唆することが可能である。
(5)また、前述した実施形態では、1種2種混合機に本願発明を適用した例について説明したが、1種2種混合機以外にも適用することが可能である。例えば、確変機やST機であっても良い。
(6)本発明は、パチンコ遊技機以外の遊技機、たとえば、回胴式遊技機(スロットマシンまたはパチスロともいう)にも適用することができる。本発明を回胴式遊技機に適用した場合には、回胴式遊技機が備える操作手段を操作してボタン演出を行う際のオートボタン機能の設定をカスタマイズ可能とする。
【符号の説明】
【0161】
1 パチンコ遊技機
2a 盤ランプ
6 演出レバー
7 演出表示装置
8 スピーカ
9 演出ボタン
23a 左サイドランプ
23b 右サイドランプ
78 音声制御基板
79 ランプ制御基板
101 演出制御用マイコン
202 画像制御用CPU
205 CGROM
212 オートボタン機能設定画面