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特開2023-173511情報処理装置、情報処理システム、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173511
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20231130BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022085820
(22)【出願日】2022-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】村口 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】西村 美奈子
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC12
(57)【要約】
【課題】訪問による応対者を支援する情報として、その応対者に応じた情報が提供されるようにする。
【解決手段】情報処理装置としての管理サーバ10は、制御部11を備え、制御部11では、所在地情報取得部101が、顧客の所在地を示す所在地情報を取得し、応対情報取得部103が、顧客への応対の実績に関する応対情報を取得し、機密度設定部104が、応対情報の属性に応じて、応対情報ごとに機密の度合を設定し、支援情報生成部107が、所在地情報および応対情報と、機密の度合と、地図データとに基づいて、顧客の所在地に訪問して応対する応対者を支援するための支援情報を生成する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客の所在地を示す所在地情報を取得する所在地情報取得手段と、
前記顧客への応対の実績に関する応対情報を取得する応対情報取得手段と、
取得された前記応対情報の属性に応じて、当該応対情報ごとに機密の度合を設定する設定手段と、
取得された前記所在地情報および前記応対情報と、当該応対情報ごとに設定された前記機密の度合と、地図データとに基づいて、前記顧客の所在地に訪問して応対する応対者を支援するための支援情報を生成する生成手段と、
を有することを特徴とする、
情報処理装置。
【請求項2】
前記応対者の属性に関する応対者属性情報を取得する応対者属性情報取得手段をさらに有し、
前記生成手段は、前記所在地情報および前記応対情報と、前記機密の度合と、前記地図データと、前記応対者属性情報とに基づいて、前記支援情報を生成することを特徴とする、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記応対者属性情報取得手段は、前記応対者属性情報として、前記応対者が所属する組織に関する情報と、当該応対者の役職に関する情報とを取得し、
前記生成手段は、前記所在地情報および前記応対情報と、前記機密の度合と、前記地図データと、前記応対者属性情報により特定される、前記応対者が属する組織と、当該応対者の役職と、前記機密の度合とに基づいて、前記支援情報を生成することを特徴とする、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記設定手段は、前記応対情報の属性として、複数の企業のグループで共有可能な情報、当該グループを構成する企業ごとに共有可能な情報、当該企業の部署ごとに共有可能な情報、当該部署のチームごとに共有可能な情報、および役職ごとに共有可能な情報のうちいずれかであるかに応じて、前記機密の度合を設定することを特徴とする、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記設定手段は、前記応対情報を共有可能な組織の規模が大きくなるほど前記機密の度合を低く設定し、当該応対情報を共有可能な役職の位が高くなるほど当該機密の度合を高く設定することを特徴とする、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
顧客の所在地を示す所在地情報と、当該顧客への応対の実績に関する応対情報を入力する操作を受け付ける入力受付手段と、
入力された前記所在地情報および前記応対情報を他の情報処理装置に向けて送信する制御を行う送信制御手段と、
前記他の情報処理装置により、前記応対情報の属性に応じて当該応対情報ごとに機密の度合が設定され、当該機密の度合と、前記所在地情報と、前記応対情報とに基づいて、前記顧客の所在地に訪問する応対者を支援するための支援情報が生成されると、当該支援情報を取得する取得手段と、
取得された前記支援情報と、地図データとを対応付けて表示する制御を行う表示制御手段と、
を有することを特徴とする、
情報処理装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記顧客の前記応対情報を少なくとも含む前記支援情報を、前記地図データの前記顧客の所在地に重畳させて表示する制御を行うことを特徴とする、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記入力受付手段は、前記地図データの前記顧客の所在地を指定するための入力操作をさらに受け付け、
前記表示制御手段は、前記入力操作により指定された、前記地図データの前記顧客の所在地に、当該顧客の前記応対情報を少なくとも含む前記支援情報を重畳させて表示する制御を行うことを特徴とする、
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記表示制御手段は、前記応対情報の機密の度合と、前記入力操作を行った前記応対者の属性とに応じて生成された前記支援情報を表示する制御を行うことを特徴とする、
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
顧客の所在地を示す所在地情報と、当該顧客への応対の実績に関する応対情報を入力する操作を受け付ける入力受付手段と、
入力された前記応対情報の属性に応じて、当該応対情報ごとに機密の度合を設定する設定手段と、
入力された前記所在地情報および前記応対情報と、当該応対情報ごとに設定された前記機密の度合と、地図データとに基づいて、前記顧客の所在地に訪問して応対する応対者を支援するための支援情報を生成する生成手段と、
生成された前記支援情報と、地図データとを対応付けて表示する制御を行う表示制御手段と、
を有することを特徴とする、
情報処理システム。
【請求項11】
コンピュータに、
顧客の所在地を示す所在地情報を取得する機能と、
前記顧客への応対の実績に関する応対情報を取得する機能と、
取得された前記応対情報の属性に応じて、当該応対情報ごとに機密の度合を設定する機能と、
取得された前記所在地情報および前記応対情報と、当該応対情報ごとに設定された前記機密の度合と、地図データとに基づいて、前記顧客の所在地に訪問して応対する応対者を支援するための支援情報を生成する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
顧客に応対する応対者に情報を提供することで応対業務を支援する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-293179号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような技術では、顧客の状況や、顧客と関連性を有する単語など、顧客に応じた情報が応対者に提供される。これに対して、応対者は、営業担当者、コールセンターのオペレータ、配達担当者、請求担当者など様々であり、役職も様々である。また、情報の種類によっては企業を跨いで共有されるものもある。このため、応対者に応じた情報が提供されることが望ましい。特に、訪問による応対者(例えば、営業担当者、配達担当者など)は、訪問によらない応対者(例えば、コールセンターのオペレータ、請求担当者など)に比べて、訪問時間の制約や、外出先での情報漏洩のリスクがあるため、応対時に必要となる情報に限定して提供されることが望ましい。
【0005】
本発明の目的は、訪問による応対者を支援する情報として、その応対者に応じた情報が提供されるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載された発明は、顧客の所在地を示す所在地情報を取得する所在地情報取得手段と、前記顧客への応対の実績に関する応対情報を取得する応対情報取得手段と、取得された前記応対情報の属性に応じて、当該応対情報ごとに機密の度合を設定する設定手段と、取得された前記所在地情報および前記応対情報と、当該応対情報ごとに設定された前記機密の度合と、地図データとに基づいて、前記顧客の所在地に訪問して応対する応対者を支援するための支援情報を生成する生成手段と、を有することを特徴とする、情報処理装置である。
請求項2に記載された発明は、前記応対者の属性に関する応対者属性情報を取得する応対者属性情報取得手段をさらに有し、前記生成手段は、前記所在地情報および前記応対情報と、前記機密の度合と、前記地図データと、前記応対者属性情報とに基づいて、前記支援情報を生成することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項3に記載された発明は、前記応対者属性情報取得手段は、前記応対者属性情報として、前記応対者が所属する組織に関する情報と、当該応対者の役職に関する情報とを取得し、前記生成手段は、前記所在地情報および前記応対情報と、前記機密の度合と、前記地図データと、前記応対者属性情報により特定される、前記応対者が属する組織と、当該応対者の役職と、前記機密の度合とに基づいて、前記支援情報を生成することを特徴とする、請求項2に記載の情報処理装置である。
請求項4に記載された発明は、前記設定手段は、前記応対情報の属性として、複数の企業のグループで共有可能な情報、当該グループを構成する企業ごとに共有可能な情報、当該企業の部署ごとに共有可能な情報、当該部署のチームごとに共有可能な情報、および役職ごとに共有可能な情報のうちいずれかであるかに応じて、前記機密の度合を設定することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項5に記載された発明は、前記設定手段は、前記応対情報を共有可能な組織の規模が大きくなるほど前記機密の度合を低く設定し、当該応対情報を共有可能な役職の位が高くなるほど当該機密の度合を高く設定することを特徴とする、請求項4に記載の情報処理装置である。
請求項6に記載された発明は、顧客の所在地を示す所在地情報と、当該顧客への応対の実績に関する応対情報を入力する操作を受け付ける入力受付手段と、入力された前記所在地情報および前記応対情報を他の情報処理装置に向けて送信する制御を行う送信制御手段と、前記他の情報処理装置により、前記応対情報の属性に応じて当該応対情報ごとに機密の度合が設定され、当該機密の度合と、前記所在地情報と、前記応対情報とに基づいて、前記顧客の所在地に訪問する応対者を支援するための支援情報が生成されると、当該支援情報を取得する取得手段と、取得された前記支援情報と、地図データとを対応付けて表示する制御を行う表示制御手段と、を有することを特徴とする、情報処理装置である。
請求項7に記載された発明は、前記表示制御手段は、前記顧客の前記応対情報を少なくとも含む前記支援情報を、前記地図データの前記顧客の所在地に重畳させて表示する制御を行うことを特徴とする、請求項6に記載の情報処理装置である。
請求項8に記載された発明は、前記入力受付手段は、前記地図データの前記顧客の所在地を指定するための入力操作をさらに受け付け、前記表示制御手段は、前記入力操作により指定された、前記地図データの前記顧客の所在地に、当該顧客の前記応対情報を少なくとも含む前記支援情報を重畳させて表示する制御を行うことを特徴とする、請求項7に記載の情報処理装置である。
請求項9に記載された発明は、前記表示制御手段は、前記応対情報の機密の度合と、前記入力操作を行った前記応対者の属性とに応じて生成された前記支援情報を表示する制御を行うことを特徴とする、請求項8に記載の情報処理装置である。
請求項10に記載された発明は、顧客の所在地を示す所在地情報と、当該顧客への応対の実績に関する応対情報を入力する操作を受け付ける入力受付手段と、入力された前記応対情報の属性に応じて、当該応対情報ごとに機密の度合を設定する設定手段と、入力された前記所在地情報および前記応対情報と、当該応対情報ごとに設定された前記機密の度合と、地図データとに基づいて、前記顧客の所在地に訪問して応対する応対者を支援するための支援情報を生成する生成手段と、生成された前記支援情報と、地図データとを対応付けて表示する制御を行う表示制御手段と、を有することを特徴とする、情報処理システムである。
請求項11に記載された発明は、コンピュータに、顧客の所在地を示す所在地情報を取得する機能と、前記顧客への応対の実績に関する応対情報を取得する機能と、取得された前記応対情報の属性に応じて、当該応対情報ごとに機密の度合を設定する機能と、取得された前記所在地情報および前記応対情報と、当該応対情報ごとに設定された前記機密の度合と、地図データとに基づいて、前記顧客の所在地に訪問して応対する応対者を支援するための支援情報を生成する機能と、を実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の本発明によれば、訪問による応対者を支援する情報として、その応対者に応じた情報を提供可能とする情報処理装置を提供できる。
請求項2の本発明によれば、訪問による応対者を支援する情報として、その応対者の属性に応じた情報を提供できる。
請求項3の本発明によれば、訪問による応対者を支援する情報として、その応対者の組織や役職に応じた情報を提供できる。
請求項4の本発明によれば、訪問による応対者を支援する情報として、その応対者の組織や役職に応じた情報を提供できる。
請求項5の本発明によれば、訪問による応対者を支援する情報として、その応対者の組織の大きさや役職の高さに応じた情報を提供できる。
請求項6の本発明によれば、訪問による応対者を支援する情報として、その応対者に応じた情報を提供可能とする情報処理装置を提供できる。
請求項7の本発明によれば、訪問による応対者を支援する情報として、その応対者に応じた情報を、地図データに対応付けて提供することができる。
請求項8の本発明によれば、訪問による応対者を支援する情報として、その応対者に応じた情報を、地図データに対応付けて提供することができる。
請求項9の本発明によれば、訪問による応対者を支援する情報として、機密の度合と、応対者の属性とに応じた情報を、地図データに対応付けて提供することができる。
請求項10の本発明によれば、訪問による応対者を支援する情報として、その応対者に応じた情報を提供可能とする情報処理システムを提供できる。
請求項11の本発明によれば、訪問による応対者を支援する情報として、その応対者に応じた情報を提供可能とするプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施の形態が適用される情報処理システムの全体構成の一例を示す図である。
図2】本実施の形態が適用される情報処理装置としての管理サーバのハードウェア構成を示す図である。
図3】管理サーバの制御部の機能構成を示す図である。
図4】応対者端末の制御部の機能構成を示す図である。
図5】応対者管理端末の制御部の機能構成を示す図である。
図6】管理サーバの処理の流れを示すフローチャートである。
図7】応対情報を登録する応対者の応対者端末の処理の流れを示すフローチャートである。
図8】応対情報の提供を受ける応対者の応対者端末の処理の流れを示すフローチャートである。
図9】応対者管理端末の処理の流れを示すフローチャートである。
図10】管理サーバの記憶部の顧客DBに記憶されている情報の具体例を示す図である。
図11】管理サーバの記憶部の応対者DBに記憶されている情報の具体例を示す図である。
図12】支援情報の提供を受ける応対者が操作する応対者端末に表示されるユーザインターフェースの具体例を示す図である。
図13】支援情報の提供を受ける応対者が操作する応対者端末に表示されるユーザインターフェースの具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(情報処理システムの構成)
図1は、本実施の形態が適用される情報処理システム1の全体構成の一例を示す図である。
情報処理システム1は、管理サーバ10と、応対者端末30-1乃至30-n(nは2以上の整数値)と、応対者管理端末40とがネットワーク90を介して接続されることにより構成されている。ネットワーク90は、例えば、LAN(Local Area Network)、インターネット等である。なお、応対者端末30-1乃至30-nの各々を個別に説明する必要がない場合、これらをまとめて応対者端末30と呼ぶ。
【0010】
管理サーバ10は、情報処理システム1の全体の管理をするサーバとしての情報処理装置である。例えば、管理サーバ10は、顧客の所在地を示す情報(以下、「所在地情報」と呼ぶ。)と、顧客への応対の実績に関する情報(以下、「応対情報」と呼ぶ。)とを取得する。また、管理サーバ10は、取得した応対情報の属性に応じて、情報の機密の度合を示す値(以下、「機密度」と呼ぶ。)を応対情報ごとに設定する。
【0011】
管理サーバ10は、所在地情報および応対情報と、応対情報ごとに設定した機密の度合と、地図データとに基づいて、顧客の所在地に訪問して応対する応対者を支援するための情報(以下、「支援情報」と呼ぶ。)を生成し、応対者端末30に向けて送信する。また、管理サーバ10は、応対者の属性に関する情報(以下、「応対者属性情報」と呼ぶ。)を取得し、所在地情報および応対情報と、応対情報ごとに設定した機密の度合と、地図データと、応対者属性情報とに基づいて、支援情報を生成することもできる。「応対者」には、例えば、営業担当者、作業担当者、配達担当者等が含まれる。なお、管理サーバ10によるこれらの処理の詳細については後述する。
【0012】
応対者端末30は、応対者が操作するパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等の情報処理装置である。例えば、応対者端末30は、予め定められたユーザインターフェースを表示部(図2の説明参照)に表示する。また、例えば、応対者端末30は、管理サーバ10または外部から送信され受信した情報を取得し、その情報の少なくとも一部をユーザインターフェースに表示する。ここで、「外部」とは、例えば、図1のネットワーク90に接続されているが、情報処理システム1には属しない外部のサーバ等のことをいう。また、ユーザインターフェースに表示される情報としては、例えば、顧客の所在地と支援情報とが表示された地図データ等が挙げられる。
【0013】
また、例えば、応対者端末30は、ユーザインターフェースに入力された入力情報を受け付けて、管理サーバ10に向けて送信する。応対者端末30から管理サーバ10に向けて送信される入力情報としては、例えば、所在地情報、応対情報、訪問先となる顧客の所在地と支援情報とを地図データに表示させるために入力された、顧客を指定するための情報(以下、「訪問先指定情報」と呼ぶ)等が挙げられる。また、例えば、応対者端末30は、管理サーバ10から送信されてきた支援情報を取得して地図データ上に表示する。なお、応対者端末30によるこれらの処理の詳細については後述する。
【0014】
応対者管理端末40は、応対者を管理する管理者が操作するパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等の情報処理装置である。例えば、応対者管理端末40は、応対者ごとの応対者属性情報を管理しており、予め定められたタイミングで応対者属性情報の一部(例えば、更新がなされた部分のみ)または全部を管理サーバ10に向けて送信する。これにより、管理サーバ10にて記憶される応対者属性情報は、最新の状態が維持される。なお、図1において、応対者管理端末40は1台のみ記載されているが、複数台存在する場合もある。例えば、情報処理システム1が複数の企業からなるグループで共有されている場合には、企業ごとに応対者管理端末40が配置され、各々の企業に属する応対者の各々の応対者属性情報が管理される。
【0015】
情報処理システム1を構成する管理サーバ10、応対者端末30、および応対者管理端末40の各々の上述の処理は一例であり、情報処理システム1全体として上述の処理を実現させる機能を備えていればよい。このため、上述の処理を実現させる機能のうち、一部または全部を情報処理システム1内で分担してもよいし協働してもよい。すなわち、管理サーバ10の機能の一部または全部を応対者端末30や応対者管理端末40の機能としてもよいし、応対者端末30や応対者管理端末40の機能の一部または全部を管理サーバ10の機能としてもよい。さらに、情報処理システム1を構成する管理サーバ10、応対者端末30、および応対者管理端末40の各々の機能の一部または全部を、図示せぬ他のサーバ等に移譲してもよい。これにより、情報処理システム1全体としての処理が促進され、また、処理を補完し合うことも可能となる。
【0016】
(管理サーバのハードウェア構成)
図2は、本実施の形態が適用される情報処理装置としての管理サーバ10のハードウェア構成を示す図である。
管理サーバ10は、制御部11と、メモリ12と、記憶部13と、通信部14と、操作部15と、表示部16とを有している。これらの各部は、データバス、アドレスバス、PCI(Peripheral Component Interconnect)バス等で接続されている。
【0017】
制御部11は、OS(基本ソフトウェア)やアプリケーションソフトウェア(応用ソフトウェア)等の各種ソフトウェアの実行を通じて管理サーバ10の機能の制御を行うプロセッサである。制御部11は、例えばCPU(Central Processing Unit)で構成される。メモリ12は、各種ソフトウェアやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域であり、演算に際して作業エリアとして用いられる。メモリ12は、例えばRAM(Random Access Memory)等で構成される。
【0018】
記憶部13は、各種ソフトウェアに対する入力データや各種ソフトウェアからの出力データ等を記憶する記憶領域である。記憶部13は、例えばプログラムや各種設定データなどの記憶に用いられるHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、半導体メモリ等で構成される。記憶部13には、各種情報を記憶するデータベースとして、例えば、顧客ごとの所在地情報が記憶された所在地DB131、地図データが記憶された地図DB132、顧客ごとの所在地情報、および応対情報が記憶された顧客DB133、応対者ごとの応対者属性情報が記憶された応対者DB134等が格納されている。
【0019】
通信部14は、ネットワーク90を介して応対者端末30および外部との間でデータの送受信を行う。操作部15は、例えばキーボード、マウス、機械式のボタン、スイッチで構成され、入力操作を受け付ける。操作部15には、表示部16と一体的にタッチパネルを構成するタッチセンサも含まれる。表示部16は、例えば情報の表示に用いられる液晶ディスプレイや有機EL(=Electro Luminescence)ディスプレイで構成され、画像やテキストのデータなどを表示する。
【0020】
(応対者端末および応対者管理端末のハードウェア構成)
応対者端末30および応対者管理端末40のハードウェア構成は、いずれも図2に示す管理サーバ10のハードウェア構成と同様の構成を備えている。すなわち、応対者端末30および応対者管理端末40は、図2の制御部11、メモリ12、記憶部13、通信部14、操作部15、および表示部16と同様の機能を有する制御部、メモリ、記憶部、通信部、操作部、および表示部をそれぞれ備えており、図示および説明を省略する。
【0021】
(管理サーバの制御部の機能構成)
図3は、管理サーバ10の制御部11の機能構成を示す図である。
管理サーバ10の制御部11では、所在地情報取得部101と、地図データ取得部102と、応対情報取得部103と、機密度設定部104と、応対者属性情報取得部105と、指定情報取得部106と、支援情報生成部107と、送信制御部108とが機能する。
【0022】
所在地情報取得部101は、所在地情報を取得する。所在地情報としては、例えば、住所、緯度および経度を示す座標、施設名、建物名等が挙げられる。所在地情報の提供元は特に限定されず、例えば、事前調査を行った営業担当者から提供される場合もあれば、外部から提供される場合もある。所在地情報取得部101により取得された所在地情報は、データベースに記憶されて顧客ごとに管理される。具体的には、顧客を一意に特定可能な識別情報(例えば、顧客ID等)に所在地情報が対応付けられて、所在地DB131に記憶されて管理される。
【0023】
地図データ取得部102は、外部から送信されてきた地図データを取得する。地図データ取得部102により取得された地図データは、データベースに記憶されて管理される。具体的には、取得された地図データは、記憶部13の地図DB132に記憶されて管理される。なお、地図データは、管理サーバ10により独自に作成されるものであってもよいが、一般的に利用されている地図データを利用してもよい。地図データは、予め定められたタイミングで更新が行われることで最新の状態が維持される。
【0024】
応対情報取得部103は、顧客ごとの応対情報を取得する。「応対情報」としては、例えば、顧客の所在地に応対のために訪問したことで判明した留意事項(例えば、駐車場に関する情報等)、応対により得られた顧客との合意事項、顧客からの要望、クレーム等が挙げられる。応対情報は、顧客への応対を過去に行ったことがある応対者により入力される。応対情報取得部103により取得された応対情報は、データベースに記憶されて顧客ごとに管理される。具体的には、顧客を一意に特定可能な識別情報に応対情報が対応付けられて、顧客DB133に記憶されて管理される。
【0025】
機密度設定部104は、応対情報取得部103により取得された応対情報の属性に応じて、応対情報ごとに機密度を設定する。例えば、機密度設定部104は、応対情報が、複数の企業のグループで共有可能な情報、そのグループを構成する企業ごとに共有可能な情報、企業の部署ごとに共有可能な情報、部署のチームごとに共有可能な情報、および役職ごとに共有可能な情報のうちいずれかであるかに応じて機密度を設定する。この場合、機密度設定部104は、例えば、応対情報を共有可能な組織の規模が大きくなるほど応対情報の機密度を低く設定し、応対情報を共有可能な役職の位が高くなるほど応対情報の機密度を高く設定することができる。機密度は、応対情報に対応付けられて、顧客DB133に記憶されて管理される。
【0026】
応対者属性情報取得部105は、応対者の応対者属性情報を取得する。「応対者属性情報」としては、例えば、応対者が所属する組織に関する情報、応対者の役職に関する情報等が挙げられる。応対者属性情報は、応対者管理端末40から送信されてくる。応対者属性情報取得部105により取得された応対者属性情報は、データベースに記憶されて応対者ごとに管理される。具体的には、応対者を一意に特定可能な識別情報に応対者属性情報が対応付けられて、応対者DB134に記憶されて管理される。
【0027】
指定情報取得部106は、応対者端末30から送信されてきた、訪問先指定情報を取得する。
支援情報生成部107は、支援情報を生成する。具体的には、支援情報生成部107は、訪問先指定情報により特定される顧客ごとの所在地情報および応対情報と、応対情報ごとに設定された機密度と、地図データとに基づいて、支援情報を生成する。また、所在地情報および応対情報と、応対情報ごとに設定された機密度と、地図データと、応対者属性情報とに基づいて、支援情報を生成することもできる。この場合、例えば、支援情報生成部107は、応対者属性情報により特定される応対者が属する組織や応対者の役職と、所在地情報、応対情報、機密度、および地図データとに基づいて、支援情報を生成する。
【0028】
送信制御部108は、通信部14(図2参照)を介して各種情報を応対者端末30、応対者管理端末40、または外部に向けて送信する制御を行う。例えば、送信制御部108は、支援情報生成部107により生成された支援情報を応対者端末30に向けて送信する制御を行う。また、例えば、送信制御部108は、地図データ取得部102により取得された地図データ、およびその更新情報を応対者端末30に向けて送信する制御を行う。
【0029】
(応対者端末の制御部の機能構成)
図4は、応対者端末30の制御部の機能構成を示す図である。
応対者端末30の制御部では、情報取得部301と、表示制御部302と、入力操作受付部303と、送信制御部304とが機能する。
【0030】
情報取得部301は、各種情報を取得する。例えば、情報取得部301は、管理サーバ10および外部から送信されてきた情報を取得する。管理サーバ10や外部から送信されてくる情報としては、例えば、地図データおよび支援情報等が挙げられる。
【0031】
表示制御部302は、表示手段として、各種情報を表示部に表示する制御を行う。例えば、表示制御部302は、表示部にユーザインターフェースを表示する制御を行う。ユーザインターフェースは、応対者端末30に予めインストールされた、ユーザ向けのアプリケーションソフトウェアを起動することで表示させることもできるし、ユーザ向けのウェブサイトにアクセスすることでも表示させることができる。ユーザインターフェースには、例えば、顧客の所在地や支援情報等が表示された地図データが表示される。この場合、表示制御部302は、地図データの顧客の所在地に支援情報を重畳させて表示する制御を行う。
【0032】
入力操作受付部303は、入力受付手段として、応対者の入力操作を受け付ける。応対者の入力操作としては、例えば、指によるタッチ操作およびマウス操作等が挙げられる。入力操作受付部303は、アプリケーションソフトウェアを起動させるための入力操作を受け付ける。また、入力操作受付部303は、アプリケーションソフトウェアの起動により表示部に表示されたユーザインターフェースを介して入力された各種情報を受け付ける。ユーザインターフェースを介して入力される情報としては、例えば、所在地情報、応対情報、訪問先指定情報等が挙げられる。
【0033】
送信制御部304は、通信部を介して各種情報を管理サーバ10、応対者管理端末40、または外部に向けて送信する制御を行う。例えば、送信制御部304は、入力操作受付部303により入力が受け付けられた、所在地情報、応対情報、訪問先指定情報等を管理サーバ10に向けて送信する制御を行う。
【0034】
(応対者管理端末の制御部の機能構成)
図5は、応対者管理端末40の制御部の機能構成を示す図である。
応対者管理端末40の制御部では、応対者属性情報管理部401と、表示制御部402と、入力操作受付部403と、送信制御部404とが機能する。
【0035】
応対者属性情報管理部401は、応対者の応対者属性情報をデータベースに記憶して管理する。具体的には、応対者属性情報管理部401は、企業グループごと、企業グループを構成する企業ごと、企業を構成する部署ごと、部署に属するチームごとにそれぞれ配置された応対者管理端末40により管理される1以上の応対者の各々の応対者属性情報を、記憶部に設けられたデータベース(例えば、図2の応対者DB134に対応するデータベース)に記憶して管理する。
【0036】
表示制御部402は、図4の表示制御部302と同様の機能として、ユーザインターフェース等の各種情報を表示部に表示する制御を行う。ユーザインターフェースには、例えば、応対者属性情報を入力するための入力欄が表示される。
【0037】
入力操作受付部403は、応対者を管理する管理者の入力操作を受け付ける。管理者の入力操作としては、例えば、指によるタッチ操作およびマウス操作等が挙げられる。入力操作受付部403は、アプリケーションソフトウェアを起動させるための入力操作を受け付ける。また、入力操作受付部403は、アプリケーションソフトウェアの起動により表示部に表示されたユーザインターフェースを介して、応対者属性情報を登録するための入力操作を受け付ける。
【0038】
送信制御部404は、通信部を介して各種情報を管理サーバ10、応対者端末30、または外部に向けて送信する制御を行う。例えば、送信制御部404は、入力操作受付部403により入力が受け付けられた応対者属性情報を管理サーバ10に向けて送信する制御を行う。
【0039】
(管理サーバの処理の流れ)
図6は、管理サーバ10の処理の流れを示すフローチャートである。
管理サーバ10は、所在地情報が送信されてくると(ステップ601でYES)、送信されてきた所在地情報を取得する(ステップ602)。これに対して、所在地情報が送信されてきていない場合(ステップ601でNO)、管理サーバ10は、所在地情報が送信されてくるまでステップ601を繰り返す。
【0040】
管理サーバ10は、地図データが送信されてくると(ステップ603でYES)、送信されてきた地図データを取得する(ステップ604)。これに対して、地図データが送信されてきていない場合(ステップ603でNO)、管理サーバ10は、地図データが送信されてくるまでステップ603を繰り返す。
【0041】
管理サーバ10は、顧客ごとの応対情報が送信されてくると(ステップ605でYES)、送信されてきた応対情報を取得し(ステップ606)、応対情報の属性に応じて、応対情報ごとに機密度を設定する(ステップ607)。これに対して、応対情報が送信されてきていない場合(ステップ605でNO)、管理サーバ10は、応対情報が送信されてくるまでステップ605を繰り返す。
【0042】
管理サーバ10は、応対者が決定され、応対者の応対者属性情報が送信されてくると(ステップ608でYES)、送信されてきた応対者属性情報を取得する(ステップ609)。これに対して、応対者属性情報が送信されてきていない場合(ステップ608でNO)、管理サーバ10は、応対者属性情報が送信されてくるまでステップ608を繰り返す。なお、応対者属性情報を取得することなく、所在地情報および応対情報と、応対情報ごとに設定された機密度と、地図データとに基づいて、支援情報を生成することもできる。この場合、図示はしないが、ステップ608をスキップしてステップ610に進む。
【0043】
管理サーバ10は、訪問先指定情報が送信されてくると(ステップ610でYES)、訪問先指定情報を取得し(ステップ611)、指定された訪問先となる顧客の所在地情報および応対情報と、応対情報ごとに設定された機密度と、地図データと、応対者属性情報とに基づいて、支援情報を生成する(ステップ612)。なお、ステップ608をスキップしている場合には、所在地情報および応対情報と、機密度と、地図データとに基づいて、支援情報を生成する。これに対して、訪問先指定情報が送信されてきていない場合(ステップ610でNO)、管理サーバ10は、訪問先指定情報が送信されてくるまでステップ610を繰り返す。そして、管理サーバ10は、ステップ612で生成した支援情報を応対者端末30に向けて送信する(ステップ613)。
【0044】
(応対者端末の処理の流れ)
図7および図8は、応対者端末30の処理の流れを示すフローチャートである。なお、図7および図8では、応対者端末30-1を操作する応対者が応対情報を登録し、応対者端末30-2を操作する応対者が支援情報の提供を受けるものとする。
図7において、応対者端末30-1は、アプリケーションソフトウェアを起動させるための入力操作が行われると(ステップ701でYES)、入力操作を受け付けて(ステップ702)、表示部にユーザインターフェースを表示する(ステップ703)。これに対して、アプリケーションソフトウェアを起動させるための入力操作が行われない場合(ステップ701でNO)、応対者端末30は、アプリケーションソフトウェアを起動させるための入力操作が行われるまでステップ701を繰り返す。
【0045】
応対者端末30-1は、ユーザインターフェースを介して、顧客の所在地情報および応対情報を登録するための入力操作が行われると(ステップ704でYES)、入力操作を受け付けて(ステップ705)、その入力情報を管理サーバ10に向けて送信する(ステップ706)。これに対して、顧客の所在地情報および応対情報を登録するための入力操作が行われていない場合(ステップ704でNO)、応対者端末30-1は、顧客の所在地情報および応対情報を登録するための入力操作が行われるまでステップ704を繰り返す。
【0046】
図8において、応対者端末30-2は、アプリケーションソフトウェアを起動させるための入力操作が行われると(ステップ801でYES)、入力操作を受け付けて(ステップ802)、表示部にユーザインターフェースを表示する(ステップ803)。これに対して、アプリケーションソフトウェアを起動させるための入力操作が行われていない場合(ステップ801でNO)、応対者端末30-2は、アプリケーションソフトウェアを起動させるための入力操作が行われるまでステップ801を繰り返す。
【0047】
応対者端末30-2は、訪問先指定情報を入力する操作が行われると(ステップ804でYES)、入力操作を受け付けて(ステップ805)、入力された訪問先指定情報を管理サーバ10に向けて送信する(ステップ806)。これに対して、訪問先指定情報を入力する操作が行われていない場合(ステップ804でNO)、応対者端末30-2は、訪問先指定情報を入力する操作が行われるまでステップ804を繰り返す。
【0048】
応対者端末30-2は、管理サーバ10から地図データが送信されてくると(ステップ807でYES)、送信されてきた地図データを取得する(ステップ808)。これに対して、地図データが送信されてきていない場合(ステップ807でNO)、応対者端末30-2は、地図データが送信されてくるまでステップ807を繰り返す。
【0049】
応対者端末30-2は、管理サーバ10から支援情報が送信されてくると(ステップ809でYES)、送信されてきた支援情報を取得し(ステップ810)、地図データの顧客の所在地に支援情報を重畳させて表示する(ステップ811)。これに対して、支援情報が送信されてきていない場合(ステップ809でNO)、応対者端末30-2は、支援情報が送信されてくるまでステップ809を繰り返す。
【0050】
(応対者管理端末の処理の流れ)
図9は、応対者管理端末40の処理の流れを示すフローチャートである。
応対者管理端末40は、応対者の応対者属性情報をデータベースに記憶して管理する(ステップ901)。応対者管理端末40は、アプリケーションソフトウェアを起動させるための入力操作が行われると(ステップ902でYES)、入力操作を受け付けて(ステップ903)、表示部にユーザインターフェースを表示する(ステップ904)。これに対して、アプリケーションソフトウェアを起動させるための入力操作が行われない場合(ステップ902でNO)、応対者管理端末40は、アプリケーションソフトウェアを起動させるための入力操作が行われるまでステップ902を繰り返す。
【0051】
応対者管理端末40は、ユーザインターフェースを介して、応対者属性情報を登録するための入力操作が行われると(ステップ905でYES)、入力操作を受け付けて(ステップ906)、入力された応対者属性情報を管理サーバ10に向けて送信する(ステップ907)。これに対して、応対者属性情報を登録するための入力操作が行われていない場合(ステップ905でNO)、応対者管理端末40は、応対者属性情報を登録するための入力操作が行われるまでステップ905を繰り返す。
【0052】
(具体例)
図10は、管理サーバ10の記憶部13の顧客DB133に記憶されている情報の具体例を示す図である。
管理サーバ10の記憶部13に格納された顧客DB133には、図10に示すように、「顧客ID」、「名前」、「所在地情報」、「情報ID」、「応対情報」、「属性(1)」乃至「属性(3)」、「機密度」等の項目の各々の情報が顧客ごとに記憶されている。このうち、「顧客ID」には、顧客を一意に特定可能な識別情報、「名前」には、顧客の名前、「所在地情報」には、顧客の住所等が記憶されている。
【0053】
また、「情報ID」には、応対情報を一意に特定可能な識別情報、「応対情報」には、応対情報の具体的内容が記憶されている。「属性(1)」乃至「属性(3)」には、応対情報の属性を示す情報が記憶されており、あらゆる属性を設定することができる。例えば、個人情報に該当するかどうか、公開しても問題ない情報に該当するかどうかといった属性を設定することができる。また、例えば、企業秘密のように、複数の企業のグループで共有可能な情報に該当するかどうか、グループを構成する企業ごとに共有可能な情報に該当するかどうか、企業の部署ごとに共有可能な情報に該当するかどうか、部署のチームごとに共有可能な情報に該当するかどうか、役職ごとに共有可能な情報に該当するかどうかといった属性を設定することができる。なお、図10の例では、「属性(1)」乃至「属性(3)」の3個の属性のみが項目として挙げられているが、m個(mは2以上の整数値)の属性を設定することができる。
【0054】
また、「機密度」には、応対情報ごとに設定された機密度を示す値が記憶されている。図10の例において、機密度「5」は、機密性が最も高いことを示し、機密度「1」は、機密性が最も低いことを示している。この場合、例えば、個人情報のように機密性が高い情報については、機密度「5」が設定され、公開可能な情報のように機密性が低い情報については、機密度「1」が設定される。
【0055】
ここで、例えば、図10の例において、応対情報の属性として、「属性(1)」が「個人情報に該当するかどうか」であり、「属性(2)」が「グループを構成する企業ごとに共有可能な情報に該当するかどうか」であり、「属性(3)」が「役職ごとに共有可能な情報に該当するかどうか」であったとする。
【0056】
この場合、例えば、顧客IDが「5001-000001」である顧客の応対情報は2つ記憶されており、いずれも機密度が「5」である。このうち、1つ目の情報(一番上の情報)は、個人情報に該当するが、グループを構成する企業ごとに共有可能な情報にも、役職ごとに共有可能な情報にも該当しない情報であることを示している。また、2つ目の情報(上から2番目の情報)は、個人情報に該当し、かつ、グループを構成する企業ごとに共有可能な情報に該当するが、役職ごとに共有可能な情報ではないことを示している。
【0057】
また、例えば、顧客IDが「5001-000002」である顧客の応対情報は3つ記憶されており、機密度は上から順に「4」、「2」、「3」となっている。このうち、1つ目の情報(上から3番目の情報)は、個人情報に該当しないが、グループを構成する企業ごとに共有可能な情報と、役職ごとに共有可能な情報とに該当する情報であることを示している。また、2つ目の情報(上から4番目の情報)は、個人情報にも、グループを構成する企業ごとに共有可能な情報にも、役職ごとに共有可能な情報にも該当しないことを示している。また、3つ目の情報(上から5番目の情報)は、個人情報にも、グループを構成する企業ごとに共有可能な情報にも該当しないが、役職ごとに共有可能な情報に該当することを示している。
【0058】
図11は、管理サーバ10の記憶部13の応対者DB134に記憶されている情報の具体例を示す図である。
管理サーバ10の記憶部13に格納された応対者DB134には、図11に示すように、「応対者ID」、「名前」、「グループ名」、「企業名」、「部署名(1)」、「部署名(2)」、「役職」等の項目の各々の情報が応対者ごとに記憶されている。このうち、「応対者ID」には、応対者を一意に特定可能な識別情報、「名前」には、応対者の名前、「グループ名」には、応対者が属する企業を含む複数の企業で構成されたグループの名前、「企業名」には、応対者が属する企業の名前、「部署名(1)」および「部署名(2)」には、応対者が属する部署の名前、「役職」には、応対者の役職が記憶されている。
【0059】
例えば、応対者IDが「1001-020101」(一番上)である応対者は、複数の企業で構成されたグループ(グループ名「AAAグループ」)を構成する企業(企業名「株式会社a」)の「営業部」の「営業課」の「課長」である。また、例えば、応対者IDが「1001-020102」(上から2番目)である応対者は、応対者IDが「1001-020101」である応対者が「課長」を務める「営業課」の「課員」である。
【0060】
また、例えば、応対者IDが「1001-020201」(上から3番目)である応対者は、応対者IDが「1001-020101」(一番上)である応対者、および応対者IDが「1001-020102」(上から2番目)である応対者と同じ企業(企業名「株式会社a」)の「業務部」の「業務課」の「課長」である。また、例えば、応対者IDが「1001-020202」(上から4番目)である応対者は、応対者IDが「1001-020201」(上から3番目)である応対者が「課長」を務める「業務課」の「課員」である。
【0061】
また、例えば、応対者IDが「1002-030502」(上から5番目)である応対者は、複数の企業で構成されたグループ(グループ名「AAAグループ」)を構成する企業(企業名「株式会社b」)の「集配部」の「□□エリア」を担当する「配達員」である。また、例えば、応対者IDが「1002-040503」(上から6番目)である応対者は、応対者IDが「1002-030502」(上から5番目)である応対者と同じ企業(企業名「株式会社b」)の「修繕工事部」の「□□エリア」を担当する「配達員」である。また、例えば、応対者IDが「1003-000001」(上から7番目)である応対者は、複数の企業で構成されたグループ(グループ名「AAAグループ」)を構成する企業(企業名「c工務店」)の「社長」である。
【0062】
図12および図13は、支援情報の提供を受ける応対者が操作する応対者端末30-2に表示されるユーザインターフェースの具体例を示す図である。なお、図12および図13の例では、応対情報として、顧客の所在地に存在する建物の属性情報が登録されているものとする。
支援情報の提供を受けようとする応対者は、応対者端末30-2に予めインストールされたアプリケーションソフトウェアを起動し、予め定められたログイン操作を行うと、ユーザインターフェースに地図が表示される。
【0063】
応対者が、訪問先となる顧客の所在地を指定する操作を行うと、支援情報が地図上に表示される。具体的には、例えば、図12に示すようなシンボルCが地図上に表示される。シンボルCは、支援情報の種類に応じて形状が異なる。例えば、図12の例のように、訪問先となる顧客の所在地の周辺の領域を示す矩形の形状で表示される場合もあれば、訪問先となる顧客の所在地をスポット的に示す形状(例えば、ピンの形状)で表示される場合もある。
【0064】
ここで、応対者が、地図上のシンボルCを選択する操作を行うと、例えば、図13に示すようなユーザインターフェースが表示される。ユーザインターフェースには、支援情報として、「建物の属性表示」の欄と、「建物の属性内容」の欄とが配置されている。このうち、「建物の属性表示」の欄には、「建物の属性情報の表示方法」という表記の下に、「属性情報の切替」と表記されたボタンB1が表示されている。応対者は、ボタンB1を押下する操作を行うことで、シンボルCの領域内に存在する複数の建物(例えば、事務棟、工場、倉庫など)ごとの支援情報(建物の属性情報)を切り替えて表示させることができる。
【0065】
また、「建物の属性内容」の欄には、建物ごとの支援情報(建物の属性情報)が表示される。図13には、その一例として、シンボルCにより示される領域が、「駐車禁止エリア」であることが、「関連画像」とともに示されている。応対者は、このような支援情報を確認することで、例えば、駐車場を事前に調べたり、自動車の利用を控えたりするなどの対応をとることができる。
【0066】
ユーザインターフェースに表示される支援情報は、訪問先として指定された顧客ごとの所在地情報および応対情報と、応対情報ごとに設定された機密度と、地図データと、応対者属性情報とに基づいて生成された情報である。このため、図13に示す支援情報(建物の属性情報)は、応対情報(例えば、「備考」の欄に表示された情報や関連画像等)の機密度や、応対者属性情報に応じて、ユーザインターフェースに表示することができ、また表示されないようにすることができる。また、応対情報の機密度や、応対者属性情報に応じて、シンボルCそのものが地図上に表示されないようにすることができ、または、地図上に表示されてもシンボルCを選択できないようにすることもできる。
【0067】
例えば、同じグループ(例えば、図11の「AAAグループ」)に属する3の企業(例えば、図11の「株式会社a」、「株式会社b」、「c工務店」)があり、そのうち1の企業(例えば、図11の「株式会社a」)に属する応対者のみが共有可能な応対情報については、他の企業(例えば、図11の「株式会社b」、「c工務店」)に属する応対者が支援情報として提供を受けることができないようにすることができる。また、例えば、同じ企業(例えば、図11の「株式会社a」)に属する応対者のうち役職が課長以上の者(例えば、図11の「役職」が「課長」である応対者)のみが共有可能な応対情報については、役職が課長未満である応対者(例えば、図11の「役職」が「課員」である応対者)が支援情報として提供を受けることができないようにすることができる。
【0068】
以上、本実施の形態について説明したが、本発明は上述した本実施の形態に限るものではない。また、本発明による効果も、上述した本実施の形態に記載されたものに限定されない。例えば、図1に示す情報処理システム1の構成、図2に示す管理サーバ10のハードウェア構成は、いずれも本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。
【0069】
また、図3に示す管理サーバ10の機能構成、図4に示す応対者端末30の機能構成、および図5に示す応対者管理端末40の機能構成も例示に過ぎず、特に限定されない。上述した処理を全体として実行できる機能が図1の情報処理システム1に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能構成を用いるかは、図3図4、および図5の例に限定されない。
【0070】
また、図6に示す管理サーバ10の処理のステップの順序、図7および図8の各々に示す応対者端末30-1および30-2の各々の処理のステップの順序、図9に示す応対者管理端末40の処理のステップの順序も例示に過ぎず、特に限定されない。図示されたステップの順序に沿って時系列的に行われる処理だけではなく、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別的に行われてもよい。また、図10乃至図13に示す具体例も一例に過ぎず、特に限定されない。
【符号の説明】
【0071】
1…情報処理システム、10…応対者端末、11…制御部、30…管理サーバ、90…ネットワーク、101…所在地情報取得部、102…地図データ取得部、103…応対情報取得部、104…機密度設定部、105…応対者属性情報取得部、106…支援情報生成部、107…指定情報取得部、108…送信制御部、301…情報取得部、302…表示制御部、303…入力操作受付部、304…送信制御部、401…応対者属性情報管理部、402…表示制御部、403…入力操作受付部、404…送信制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13