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特開2023-173514情報処理装置、情報処理システム、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173514
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20230101AFI20231130BHJP
【FI】
G06Q10/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022085824
(22)【出願日】2022-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390031897
【氏名又は名称】東京ガスiネット株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】村口 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 未香
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA10
(57)【要約】
【課題】特定の顧客に対する担当者間の引継ぎや情報共有のための入力操作を簡略化して、重複業務や顧客とのトラブルの発生を抑制する。
【解決手段】情報処理装置としての管理サーバ10は、制御部11を備え、制御部11では、進捗情報管理部103が、予め定められた複数の業務の各々を構成する予め定められた複数の作業の各々の進捗状況を示す作業進捗情報に基づいて、複数の業務の各々の進捗状況を示す業務進捗情報を顧客ごとに管理し、作業進捗情報取得部101が、作業進捗情報の更新の指示に関する作業更新指示情報を取得し、進捗情報更新部105が、取得さえた作業更新指示情報に基づいて、管理されている作業進捗情報および業務進捗情報を更新する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められた複数の業務の各々を構成する予め定められた複数の作業の各々の進捗状況を示す作業進捗情報に基づいて、当該複数の業務の各々の進捗状況を示す業務進捗情報を顧客ごとに管理する管理手段と、
前記作業進捗情報の更新の指示に関する作業更新指示情報を取得する取得手段と、
取得された前記作業更新指示情報に基づいて、管理手段により管理されている前記作業進捗情報および前記業務進捗情報を更新する更新手段と、
を有することを特徴とする、
情報処理装置。
【請求項2】
前記作業進捗情報の前記更新の指示は、前記複数の前記作業のうち第1の作業を担当する者による、第2の作業の当該作業進捗情報を更新するための指示であることを特徴とする、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記取得手段は、前記業務進捗情報の前記更新の指示に関する業務更新指示情報をさらに取得し、
前記更新手段は、取得された前記業務更新指示情報に基づいて、前記業務進捗情報をさらに更新することを特徴とする、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記業務進捗情報の前記更新の指示は、前記複数の前記業務うち第1の業務の少なくとも一部を担当する者による、第2の業務の当該業務進捗情報を更新するための指示であることを特徴とする、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記管理手段は、前記顧客を一意に特定可能な情報に、前記作業進捗情報と前記業務進捗情報とを対応付けて、予め定められたデータベースに記憶することで管理することを特徴とする、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
予め定められた複数の業務の各々を構成する予め定められた複数の作業の各々の進捗状況を示す作業進捗情報の更新を指示するための入力操作を受け付ける入力操作受付手段と、
前記入力操作により入力された情報を、前記作業進捗情報の更新の指示に関する作業更新指示情報として送信する制御を行う送信制御手段と、
を有することを特徴とする、
情報処理装置。
【請求項7】
前記入力操作は、前記複数の前記作業うち第1の作業を担当する者による、第2の作業の前記作業進捗情報の更新を指示するための入力操作であることを特徴とする、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記入力操作受付手段は、前記複数の業務の各々の進捗状況を示す業務進捗情報の更新を指示するための入力操作をさらに受け付け、
前記送信制御手段は、前記入力操作により入力された情報を、前記業務進捗情報の更新の指示に関する業務更新指示情報として送信する制御を行うことを特徴とする、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記入力操作は、前記複数の前記業務うち第1の業務の少なくとも一部を担当する者による、第2の業務の前記業務進捗情報の更新を指示するための入力操作であることを特徴とする、
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記作業進捗情報および前記業務進捗情報の更新を指示するための入力操作は、顧客ごとに受け付け可能なユーザインターフェースに対して行われる入力操作であることを特徴とする、
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記ユーザインターフェースは、前記顧客が操作する自機の種類に応じて、予め定められたアプリケーションソフトウェアまたはウェブサイトを介して表示されることを特徴とする、
請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
予め定められた複数の業務の各々を構成する予め定められた複数の作業の各々の進捗状況を示す作業進捗情報に基づいて、当該複数の業務の各々の進捗状況を示す業務進捗情報を顧客ごとに管理する管理手段と、
前記作業進捗情報の更新を指示するための入力操作を受け付ける入力操作受付手段と、
前記入力操作により入力された情報を、前記作業進捗情報の更新の指示に関する作業更新指示情報として送信する制御を行う送信制御手段と、
前記作業更新指示情報を取得する取得手段と、
前記作業更新指示情報に基づいて、管理手段により管理されている前記作業進捗情報を更新する更新手段と、
を有することを特徴とする、
情報処理システム。
【請求項13】
コンピュータに、
予め定められた複数の業務の各々を構成する予め定められた複数の作業の各々の進捗状況を示す作業進捗情報に基づいて、当該複数の業務の各々の進捗状況を示す業務進捗情報を顧客ごとに管理する機能と、
前記作業進捗情報の更新の指示に関する作業更新指示情報を取得する機能と、
取得された前記作業更新指示情報に基づいて、前記作業進捗情報を更新する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
入力された作業内容や引継ぎに関する情報に基づいて、担当者(例えば、営業担当者や作業担当者)間の引継ぎを支援する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-079158号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような技術を利用した、特定の顧客に対する担当者間の引継ぎや情報共有は、顧客ごとに個別事情を把握する必要があったり、情報の入力に手間を要したりすることがあるため不十分となることが多い。この場合、担当者間の重複業務や、顧客とのトラブルが生じるおそれがある。
【0005】
本発明の目的は、特定の顧客に対する担当者間の引継ぎや情報共有のための入力操作を簡略化して、重複業務や顧客とのトラブルの発生を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載された発明は、予め定められた複数の業務の各々を構成する予め定められた複数の作業の各々の進捗状況を示す作業進捗情報に基づいて、当該複数の業務の各々の進捗状況を示す業務進捗情報を顧客ごとに管理する管理手段と、前記作業進捗情報の更新の指示に関する作業更新指示情報を取得する取得手段と、取得された前記作業更新指示情報に基づいて、管理手段により管理されている前記作業進捗情報および前記業務進捗情報を更新する更新手段と、を有することを特徴とする、情報処理装置である。
請求項2に記載された発明は、前記作業進捗情報の前記更新の指示は、前記複数の前記作業のうち第1の作業を担当する者による、第2の作業の当該作業進捗情報を更新するための指示であることを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項3に記載された発明は、前記取得手段は、前記業務進捗情報の前記更新の指示に関する業務更新指示情報をさらに取得し、前記更新手段は、取得された前記業務更新指示情報に基づいて、前記業務進捗情報をさらに更新することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項4に記載された発明は、前記業務進捗情報の前記更新の指示は、前記複数の前記業務うち第1の業務の少なくとも一部を担当する者による、第2の業務の当該業務進捗情報を更新するための指示であることを特徴とする、請求項3に記載の情報処理装置である。
請求項5に記載された発明は、前記管理手段は、前記顧客を一意に特定可能な情報に、前記作業進捗情報と前記業務進捗情報とを対応付けて、予め定められたデータベースに記憶することで管理することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項6に記載された発明は、予め定められた複数の業務の各々を構成する予め定められた複数の作業の各々の進捗状況を示す作業進捗情報の更新を指示するための入力操作を受け付ける入力操作受付手段と、前記入力操作により入力された情報を、前記作業進捗情報の更新の指示に関する作業更新指示情報として送信する制御を行う送信制御手段と、を有することを特徴とする、情報処理装置である。
請求項7に記載された発明は、前記入力操作は、前記複数の前記作業うち第1の作業を担当する者による、第2の作業の前記作業進捗情報の更新を指示するための入力操作であることを特徴とする、請求項6に記載の情報処理装置である。
請求項8に記載された発明は、前記入力操作受付手段は、前記複数の業務の各々の進捗状況を示す業務進捗情報の更新を指示するための入力操作をさらに受け付け、前記送信制御手段は、前記入力操作により入力された情報を、前記業務進捗情報の更新の指示に関する業務更新指示情報として送信する制御を行うことを特徴とする、請求項6に記載の情報処理装置である。
請求項9に記載された発明は、前記入力操作は、前記複数の前記業務うち第1の業務の少なくとも一部を担当する者による、第2の業務の前記業務進捗情報の更新を指示するための入力操作であることを特徴とする、請求項8に記載の情報処理装置である。
請求項10に記載された発明は、前記作業進捗情報および前記業務進捗情報の更新を指示するための入力操作は、顧客ごとに受け付け可能なユーザインターフェースに対して行われる入力操作であることを特徴とする、請求項8に記載の情報処理装置である。
請求項11に記載された発明は、前記ユーザインターフェースは、前記顧客が操作する自機の種類に応じて、予め定められたアプリケーションソフトウェアまたはウェブサイトを介して表示されることを特徴とする、請求項10に記載の情報処理装置である。
請求項12に記載された発明は、予め定められた複数の業務の各々を構成する予め定められた複数の作業の各々の進捗状況を示す作業進捗情報に基づいて、当該複数の業務の各々の進捗状況を示す業務進捗情報を顧客ごとに管理する管理手段と、前記作業進捗情報の更新を指示するための入力操作を受け付ける入力操作受付手段と、前記入力操作により入力された情報を、前記作業進捗情報の更新の指示に関する作業更新指示情報として送信する制御を行う送信制御手段と、前記作業更新指示情報を取得する取得手段と、前記作業更新指示情報に基づいて、管理手段により管理されている前記作業進捗情報を更新する更新手段と、を有することを特徴とする、情報処理システムである。
請求項13に記載された発明は、コンピュータに、予め定められた複数の業務の各々を構成する予め定められた複数の作業の各々の進捗状況を示す作業進捗情報に基づいて、当該複数の業務の各々の進捗状況を示す業務進捗情報を顧客ごとに管理する機能と、前記作業進捗情報の更新の指示に関する作業更新指示情報を取得する機能と、取得された前記作業更新指示情報に基づいて、前記作業進捗情報を更新する機能と、を実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の本発明によれば、特定の顧客に対する担当者間の業務および作業の引継ぎや情報共有のための入力操作を簡略化して、重複業務や顧客とのトラブルの発生を抑制することを可能にする情報処理装置を提供できる。
請求項2の本発明によれば、特定の顧客に対し、同一の業務内の異なる作業をそれぞれ担当する担当者間の引継ぎや情報共有のための入力操作を簡略化して、重複業務や顧客とのトラブルの発生を抑制することができる。
請求項3の本発明によれば、特定の顧客に対する担当者間の業務の引継ぎや情報共有のための入力操作を簡略化して、重複業務や顧客とのトラブルの発生を抑制することができる。
請求項4の本発明によれば、特定の顧客に対し、異なる業務をそれぞれ担当する担当者間の引継ぎや情報共有のための入力操作を簡略化して、重複業務や顧客とのトラブルの発生を抑制することができる。
請求項5の本発明によれば、顧客ごとに業務および作業の進捗状況が管理されるので、顧客との接点を点(単発的な個別案件)から線(持続可能性のある継続案件)に繋げることができる。
請求項6の本発明によれば、特定の顧客に対する担当者間の引継ぎや情報共有のための入力操作を簡略化して、重複業務や顧客とのトラブルの発生を抑制することを可能にする情報処理装置を提供できる。
請求項7の本発明によれば、特定の顧客に対し、同一の業務内の異なる作業をそれぞれ担当する担当者間の引継ぎや情報共有のための入力操作を簡略化して、重複業務や顧客とのトラブルの発生を抑制することができる。
請求項8の本発明によれば、特定の顧客に対する担当者間の業務の引継ぎや情報共有のための入力操作を簡略化して、重複業務や顧客とのトラブルの発生を抑制することができる。
請求項9の本発明によれば、特定の顧客に対し、異なる業務をそれぞれ担当する担当者間の引継ぎや情報共有のための入力操作を簡略化して、重複業務や顧客とのトラブルの発生を抑制することができる。
請求項10の本発明によれば、多忙な担当者でも簡易な操作で引継ぎや情報共有のための情報を入力することが可能となる。
請求項11の本発明によれば、多忙な担当者でも自身が操作する情報処理装置の種類を問わずに簡易な操作で引継ぎや情報共有のための情報を入力することが可能となる。
請求項12の本発明によれば、特定の顧客に対する担当者間の引継ぎや情報共有のための入力操作を簡略化して、重複業務や顧客とのトラブルの発生を抑制することを可能にする情報処理システムを提供できる。
請求項13の本発明によれば、特定の顧客に対する担当者間の引継ぎや情報共有のための入力操作を簡略化して、重複業務や顧客とのトラブルの発生を抑制することを可能にするプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施の形態が適用される情報処理システムの全体構成の一例を示す図である。
図2】本実施の形態が適用される情報処理装置としての管理サーバのハードウェア構成を示す図である。
図3】本実施の形態が適用される情報処理装置としてのユーザ端末のハードウェア構成を示す図である。
図4】管理サーバの制御部の機能構成を示す図である。
図5】ユーザ端末の制御部の機能構成を示す図である。
図6】管理サーバの処理の流れを示すフローチャートである。
図7】第1の作業を担当する者が操作するユーザ端末の処理の流れを示すフローチャートである。
図8】第2の作業を担当する者が操作するユーザ端末の処理の流れを示すフローチャートである。
図9】業務と作業との関係の具体例を示す図である。
図10】ユーザ端末の表示部に表示されるユーザインターフェースの具体例を示す図である。
図11】ユーザ端末の表示部に表示されるユーザインターフェースの具体例を示す図である。
図12】ユーザ端末の表示部に表示されるユーザインターフェースの具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(情報処理システムの構成)
図1は、本実施の形態が適用される情報処理システム1の全体構成の一例を示す図である。
情報処理システム1は、管理サーバ10と、ユーザ端末30-1乃至30-n(nは2以上の整数値)とがネットワーク90を介して接続されることにより構成されている。ネットワーク90は、例えば、LAN(Local Area Network)、インターネット等である。なお、ユーザ端末30-1乃至30-nの各々を個別に説明する必要がない場合、これらをまとめてユーザ端末30と呼ぶ。
【0010】
管理サーバ10は、情報処理システム1の全体の管理をするサーバとしての情報処理装置である。例えば、管理サーバ10は、予め定められた複数の業務の各々を構成する予め定められた複数の作業の各々の進捗状況を示す情報(以下、「作業進捗情報」と呼ぶ。)に基づいて、複数の業務の各々の進捗状況を示す情報(以下、「業務進捗情報」と呼ぶ。)をデータベースに記憶して顧客ごとに管理する。
【0011】
また、例えば、管理サーバ10は、ユーザ端末30から送信されてくる、作業進捗情報の更新の指示に関する情報(以下、「作業更新指示情報」と呼ぶ。)を取得し、その作業更新指示情報に基づいて、データベースに記憶されている作業進捗情報および業務進捗情報を更新する。また、例えば、管理サーバ10は、ユーザ端末30から送信されてくる、業務進捗情報の更新の指示に関する情報(以下、「業務更新指示情報」と呼ぶ。)を取得し、その業務更新指示情報に基づいて、データベースに記憶されている業務進捗情報を更新する。なお、管理サーバ10によるこれらの処理の詳細については後述する。
【0012】
ユーザ端末30は、ユーザが操作するパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等の情報処理装置である。例えば、ユーザ端末30は、予め定められたユーザインターフェースを表示部36(図3参照)に表示する。また、例えば、ユーザ端末30は、管理サーバ10または外部から送信され受信した情報をユーザインターフェースに表示する。ユーザインターフェースに表示される情報としては、例えば、作業進捗情報、業務進捗情報等が挙げられる。
【0013】
また、ユーザ端末30は、ユーザインターフェースに入力された入力情報を受け付けて、管理サーバ10に向けて送信する。ユーザ端末30から管理サーバ10に向けて送信される入力情報としては、例えば、作業更新指示情報、業務更新指示情報等が挙げられる。なお、ユーザ端末30によるこれらの処理の詳細については後述する。
【0014】
情報処理システム1を構成する管理サーバ10およびユーザ端末30の各々の上述の処理は一例であり、情報処理システム1全体として上述の処理を実現させる機能を備えていればよい。このため、上述の処理を実現させる機能のうち、一部または全部を情報処理システム1内で分担してもよいし協働してもよい。すなわち、管理サーバ10の機能の一部または全部をユーザ端末30の機能としてもよいし、ユーザ端末30の機能の一部または全部を管理サーバ10の機能としてもよい。さらに、情報処理システム1を構成する管理サーバ10およびユーザ端末30の各々の機能の一部または全部を、図示せぬ他のサーバ等に移譲してもよい。これにより、情報処理システム1全体としての処理が促進され、また、処理を補完し合うことも可能となる。
【0015】
(管理サーバのハードウェア構成)
図2は、本実施の形態が適用される情報処理装置としての管理サーバ10のハードウェア構成を示す図である。
管理サーバ10は、制御部11と、メモリ12と、記憶部13と、通信部14と、操作部15と、表示部16とを有している。これらの各部は、データバス、アドレスバス、PCI(Peripheral Component Interconnect)バス等で接続されている。
【0016】
制御部11は、OS(基本ソフトウェア)やアプリケーションソフトウェア(応用ソフトウェア)等の各種ソフトウェアの実行を通じて管理サーバ10の機能の制御を行うプロセッサである。制御部11は、例えばCPU(Central Processing Unit)で構成される。メモリ12は、各種ソフトウェアやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域であり、演算に際して作業エリアとして用いられる。メモリ12は、例えばRAM(Random Access Memory)等で構成される。
【0017】
記憶部13は、各種ソフトウェアに対する入力データや各種ソフトウェアからの出力データ等を記憶する記憶領域である。記憶部13は、例えばプログラムや各種設定データなどの記憶に用いられるHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、半導体メモリ等で構成される。記憶部13には、各種情報を記憶するデータベースとして、例えば、顧客ごとの業務進捗情報および作業進捗情報が記憶された進捗DB131等が格納されている。
【0018】
通信部14は、ネットワーク90を介してユーザ端末30および外部との間でデータの送受信を行う。操作部15は、例えばキーボード、マウス、機械式のボタン、スイッチで構成され、入力操作を受け付ける。操作部15には、表示部16と一体的にタッチパネルを構成するタッチセンサも含まれる。表示部16は、例えば情報の表示に用いられる液晶ディスプレイや有機EL(=Electro Luminescence)ディスプレイで構成され、画像やテキストのデータなどを表示する。
【0019】
(ユーザ端末のハードウェア構成)
図3は、本実施の形態が適用される情報処理装置としてのユーザ端末30のハードウェア構成を示す図である。
ユーザ端末30は、図2の管理サーバ10の制御部11、メモリ12、記憶部13、通信部14、操作部15、および表示部16の各々に対応するハードウェア構成と、撮像部37とを有している。そして、これらの各部は、データバス、アドレスバス、PCIバス等で接続されている。
【0020】
すなわち、ユーザ端末30は、CPU等のプロセッサで構成される制御部31と、RAM等の記憶領域で構成されるメモリ32と、HDDやSDD、半導体メモリ等の記憶領域で構成される記憶部33とを有している。また、ネットワーク90を介して管理サーバ10や外部との間でデータの送受信を行う通信部34を有している。
【0021】
また、ユーザ端末30は、キーボード、マウス、タッチパネル等で構成される操作部35と、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等で構成される表示部36を有している。また、カメラ等で構成され、カメラのファインダとしても機能する表示部36に表示された被写体を撮像し、画像のデータとして取得する撮像部37とを有している。
【0022】
(管理サーバの制御部の機能構成)
図4は、管理サーバ10の制御部11の機能構成を示す図である。
管理サーバ10の制御部11では、作業進捗情報取得部101と、業務進捗情報生成部102と、進捗情報管理部103と、指示情報取得部104と、進捗情報更新部105と、送信制御部106とが機能する。
【0023】
作業進捗情報取得部101は、ユーザ端末30から送信されてきた作業進捗情報を取得する。取得される作業進捗情報としては、例えば、顧客を訪問して挨拶を行う段階であることを示す情報、顧客に対して提案を行う段階であることを示す情報、現地における検分や調査を行う段階であることを示す情報、顧客に対して見積書を提出する段階であることを示す情報、顧客に提供する商品やサービスの設計を行う段階であることを示す情報、顧客との折衝や打ち合わせを行う段階であることを示す情報、顧客との間で契約書を取り交わす段階であることを示す情報等が挙げられる。
【0024】
業務進捗情報生成部102は、作業進捗情報取得部101により取得された複数の作業進捗情報に基づいて、業務進捗情報を生成する。生成される業務進捗情報としては、顧客に対して商品やサービスを販売する段階であることを示す情報、能動的に顧客に働きかけることで顧客との接点を広げていく活動(以下、「能動的接点活動」と呼ぶ。)を行う段階であることを示す情報、商品やサービスを販売した後のアフターフォローを行う段階であることを示す情報、商品やサービスの利用開始に必要となる作業(例えば、商品がガス機器である場合の開栓作業など)を行う段階であることを示す情報、商品として顧客に提供された機器等の修理を行う段階であることを示す情報、商品として顧客に提供された機器等の定期保安点検等を行う段階であることを示す情報等が挙げられる。
【0025】
進捗情報管理部103は、複数の作業の各々の作業進捗情報に基づいて、複数の業務の各々の業務進捗情報を顧客ごとに管理する。具体的には、管理サーバ10は、顧客を一意に特定可能な情報に作業進捗情報および業務進捗情報を対応付けて記憶部13の進捗DB131(図2参照)に記憶して管理する。「顧客を一意に特定可能な情報」としては、例えば、顧客の名称、顧客ID等が挙げられる。
【0026】
ここで、例えば、「現地調査」、「見積り」、および「設置」という3つの作業が順次完了することで「販売」という1つの業務が完了するものと予め定められていたとする。この場合、作業進捗情報には、現在進行中の作業が「現地調査」、「見積り」、および「設置」のうちいずれかであることを示す情報が含まれる。また、業務進捗情報には、現在進行中の業務が「販売」であることを示す情報が含まれる。
【0027】
指示情報取得部104は、ユーザ端末30から送信されてきた作業更新指示情報を取得する。この場合、第1の作業を担当する者がユーザ端末30を用いて作業更新指示情報を送信する。すなわち、作業進捗情報の更新の指示は、複数の作業のうち第1の作業を担当する者による第2の作業の作業進捗情報を更新するための指示となる。例えば、上述の例と同様に、「現地調査」、「見積り」、および「設置」という3つの作業が順次完了すると、「販売」という1つの業務が完了するものとし、第1の作業が「現地調査」であったとする。この場合、作業進捗情報の更新の指示は、「現地調査」の作業を担当する者による、「見積り」の作業(第2の作業)の作業進捗情報を更新するための指示となる。
【0028】
また、指示情報取得部104は、ユーザ端末30から送信されてきた業務更新指示情報を取得する。この場合、第1の業務の少なくとも一部を担当する者がユーザ端末30を用いて業務更新指示情報を送信する。すなわち、業務進捗情報の更新の指示は、複数の業務うち第1の業務の少なくとも一部を担当する者による、第2の業務の業務進捗情報を更新するための指示となる。例えば、「販売」の次の業務が「アフターフォロー」であり、第1の業務が「販売」であったとする。この場合、業務進捗情報の更新の指示は、「販売」の業務の少なくとも一部を担当する者による、「アフターフォロー」の業務(第2の業務)の業務進捗情報を更新するための指示となる。
【0029】
進捗情報更新部105は、指示情報取得部104により取得された作業更新指示情報に基づいて、記憶部13の進捗DB131に記憶されている作業進捗情報および業務進捗情報を更新する。すなわち、作業更新指示情報に基づいて作業進捗情報が更新されると、その更新の影響を受ける業務進捗情報についても自動的に更新される。また、進捗情報更新部105は、指示情報取得部104により取得された業務更新指示情報に基づいて、進捗DB131に記憶されている業務進捗情報を更新する。
【0030】
例えば、上述の例と同様に、「現地調査」、「見積り」、および「設置」という3つの作業が順次完了することで「販売」という1つの業務が完了し、「販売」の次の業務が「アフターフォロー」であったとする。そして、業務進捗情報により特定される第1の業務が「販売」であり、作業進捗情報により特定される第1の作業が「見積り」であり、「見積り」の作業を行ったユーザ(例えば、営業担当者)に対する顧客からの設置依頼があったとする。
【0031】
この場合、「見積り」の作業を行ったユーザは、ユーザ端末30を操作して、作業更新指示情報を送信する。この作業更新指示情報には、現在進行中の作業を「見積り」から「設置」に更新させるための指示が含まれる。このため、進捗情報更新部105は、データベースに記憶されている作業進捗情報により特定される作業を「見積り」から「設置」に更新する。
【0032】
その後、設置作業が完了すると、「販売」の業務が完了することになる。そこで、設置作業を完了させたユーザ(例えば、作業担当者)は、ユーザ端末30を操作して、現在進行中の業務を「販売」から次の業務である「アフターフォロー」に更新させるための業務更新指示情報を送信する。ユーザ端末30から送信されてくる業務更新指示情報には、現在進行中の業務を「販売」から「アフターフォロー」に更新させるための指示が含まれる。このため、進捗情報更新部105は、データベースに記憶されている業務進捗情報により特定される業務を「販売」から「アフターフォロー」に更新する。
【0033】
送信制御部106は、通信部14(図2参照)を介して各種情報をユーザ端末30または外部に向けて送信する制御を行う。例えば、送信制御部106は、作業進捗情報をユーザ端末30に向けて送信する制御を行う。また、送信制御部106は、業務進捗情報生成部102により生成された業務進捗情報を、ユーザ端末30に向けて送信する制御を行う。
【0034】
(ユーザ端末の制御部の機能構成)
図5は、ユーザ端末30の制御部31の機能構成を示す図である。
ユーザ端末30の制御部31では、情報取得部301と、表示制御部302と、入力操作受付部303と、送信制御部304とが機能する。
【0035】
情報取得部301は、各種情報を取得する。例えば、情報取得部301は、管理サーバ10および外部から送信されてきた情報を取得する。このうち、管理サーバ10から送信されてくる情報としては、例えば、業務進捗情報、作業進捗情報等が挙げられる。
【0036】
表示制御部302は、表示手段として、各種情報を表示部36(図3参照)に表示させる制御を行う。例えば、表示制御部302は、表示部36にユーザインターフェースを表示させる制御を行う。ユーザインターフェースは、ユーザ端末30に予めインストールされた、ユーザ向けのアプリケーションソフトウェアを起動することで表示させることもできるし、ユーザ向けのウェブサイトにアクセスすることでも表示させることができる。
【0037】
ユーザインターフェースには、例えば、顧客ごとの作業進捗情報および業務進捗情報が表示される。また、ユーザインターフェースには、作業更新指示情報および業務更新指示情報を入力するための入力欄が表示される。なお、ユーザインターフェースに表示される作業進捗情報および業務進捗情報の具体例、作業更新指示情報および業務更新指示情報を入力するための入力欄の具体例については、図10乃至図12を参照して後述する。
【0038】
入力操作受付部303は、入力操作受付手段として、ユーザの入力操作を受け付ける。ユーザの入力操作としては、指によるタッチ操作およびマウス操作等が挙げられる。入力操作受付部303は、アプリケーションソフトウェアを起動させるための入力操作を受け付ける。また、入力操作受付部303は、アプリケーションソフトウェアの起動により表示部36に表示されたユーザインターフェースを介して入力された各種情報を受け付ける。
【0039】
ユーザインターフェースを介して行われる入力操作としては、例えば、作業進捗情報の更新を指示するための入力操作、業務進捗情報の更新を指示するための入力操作、作業進捗情報および業務進捗情報の問い合わせに関する情報(以下、「問い合わせ情報」と呼ぶ。)を管理サーバ10に向けて送信するための入力操作等が挙げられる。このうち、作業進捗情報の更新を指示するための入力操作は、業務を構成する複数の作業うち第1の作業を担当する者による第2の作業の作業進捗情報の更新を指示するための入力操作となる。また、業務進捗情報の更新を指示するための入力操作は、複数の業務のうち第1の業務を担当する者による第2の業務の業務進捗情報の更新を指示するための入力操作となる。
【0040】
送信制御部304は、通信部34(図3参照)を介して各種情報を管理サーバ10または外部に向けて送信する制御を行う。例えば、送信制御部304は、入力操作受付部303により入力が受け付けられた入力情報を管理サーバ10に向けて送信する制御を行う。管理サーバ10に向けて送信される情報としては、例えば、作業更新指示情報、業務更新指示情報、作業進捗情報および業務進捗情報の各々に関する問い合わせ情報等が挙げられる。
【0041】
(管理サーバの処理)
図6は、管理サーバ10の処理の流れを示すフローチャートである。なお、以下において、ユーザ端末30-1の操作は第1の作業を担当する者が行い、ユーザ端末30-2の操作は第2の作業を担当する者が行うものとする。
管理サーバ10は、ユーザ端末30-1から作業進捗情報が送信されてくると(ステップ601でYES)、その作業進捗情報を取得する(ステップ602)。これに対して、作業進捗情報が送信されてきていない場合(ステップ601でNO)、管理サーバ10は、作業進捗情報が送信されてくるまでステップ601を繰り返す。
【0042】
管理サーバ10は、ステップ602で取得した作業進捗情報に基づいて、業務進捗情報を生成し(ステップ603)、生成した業務進捗情報をデータベースに記憶して顧客ごとに管理する(ステップ604)。具体的には、管理サーバ10は、顧客を一意に特定可能な情報(例えば、顧客の名称、顧客ID等)に作業進捗情報および業務進捗情報を対応付けて記憶部13の進捗DB131(図2参照)に記憶して管理する。
【0043】
管理サーバ10は、ユーザ端末30-1から作業更新指示情報が送信されてくると(ステップ605でYES)、その作業更新指示情報を取得し(ステップ606)、取得した作業更新指示情報に基づいて、データベースに記憶されている作業進捗情報および業務進捗情報を更新する(ステップ607)。これに対して、作業更新指示情報が送信されてきていない場合(ステップ605でNO)、管理サーバ10はステップ608に進む。
【0044】
管理サーバ10は、ユーザ端末30-1から業務更新指示情報が送信されてくると(ステップ608でYES)、その業務更新指示情報を取得し(ステップ609)、取得した業務更新指示情報に基づいて、データベースに記憶されている業務進捗情報を更新する(ステップ610)。これに対して、ユーザ端末30-1から業務更新指示情報が送信されてきていない場合(ステップ608でNO)、管理サーバ10はステップ611に進む。
【0045】
管理サーバ10は、ユーザ端末30-2から、作業進捗情報および業務進捗情報の各々に関する問い合わせ情報が送信されてくると(ステップ611でYES)、その問い合わせ情報を取得し(ステップ612)、ステップ607およびステップ610の各々で更新した作業更新指示情報および作業更新指示情報をユーザ端末30-2に向けて送信する(ステップ613)。これに対して、問い合わせ情報が送信されてきていない場合(ステップ611でNO)、管理サーバ10は、問い合わせ情報が送信されてくるまでステップ611を繰り返す。
【0046】
(ユーザ端末の処理)
図7は、第1の作業を担当する者が操作するユーザ端末30-1の処理の流れを示すフローチャートである。
ユーザ端末30-1は、アプリケーションソフトウェアを起動させるための入力操作が行われると(ステップ701でYES)、表示部36(図3参照)にユーザインターフェースを表示する(ステップ702)。これに対して、アプリケーションソフトウェアを起動させるための入力操作が行われない場合(ステップ701でNO)、ユーザ端末30-1は、アプリケーションソフトウェアを起動させるための入力操作が行われるまでステップ701を繰り返す。
【0047】
ユーザ端末30-1は、ユーザインターフェースを介して作業進捗情報の更新を指示するための入力操作が行われると(ステップ703でYES)、その入力操作を受け付けて(ステップ704)、その入力情報を、作業更新指示情報として管理サーバ10に向けて送信する(ステップ705)。これに対して、作業進捗情報の更新を指示するための入力操作が行われていない場合には(ステップ703でNO)、ステップ706に進む。
【0048】
ユーザ端末30-1は、ユーザインターフェースを介して、業務進捗情報の更新を指示するための入力操作が行われると(ステップ706でYES)、その入力操作を受け付けて(ステップ707)、その入力情報を、業務更新指示情報として管理サーバ10に向けて送信する(ステップ708)。これに対して、業務進捗情報の更新を指示するための入力操作が行われていない場合には(ステップ706でNO)、ステップ703に戻る。
【0049】
図8は、第2の作業を担当する者が操作するユーザ端末30-2の処理の流れを示すフローチャートである。なお、図8のステップ801およびステップ802の各々の処理は、図7のステップ701およびステップ702の各々の処理と同様であり、説明を省略する。
【0050】
ユーザ端末30-2は、ユーザインターフェースを介して作業進捗情報を表示させるための入力操作が行われると(ステップ803でYES)、その入力操作を受け付けて(ステップ804)、その入力情報を、作業進捗情報に関する問い合わせ情報として管理サーバ10に向けて送信する(ステップ805)。これに対して、作業進捗情報を表示させるための入力操作が行われていない場合には(ステップ803でNO)、ステップ806に進む。
【0051】
ユーザ端末30-2は、ユーザインターフェースを介して、業務進捗情報を表示させるための入力操作が行われると(ステップ806でYES)、その入力操作を受け付けて(ステップ807)、その入力情報を、業務進捗情報に関する問い合わせ情報として管理サーバ10に向けて送信する(ステップ808)。これに対して、業務進捗情報表示させるための入力操作が行われていない場合には(ステップ806でNO)、ステップ803に戻る。
【0052】
(具体例)
図9は、業務と作業との関係の具体例を示す図である。
図9に示す「能動的接点活動」および「販売」は、複数のユーザが所属する組織における業務の種類を示しており、「営業」および「訪問日調整」は、「能動的接点活動」という業務を構成する作業の種類を示し、「現地調査」、「見積り」、および「設置」は、「販売」という業務を構成する作業の種類を示している。
【0053】
また、図9に示すように、進捗管理上「能動的接点活動」の次案件が「販売」となるので、「能動的接点活動」が上述の第1の業務である場合、「販売」は第2の業務となる。また、「営業」が上述の第1の作業である場合、「訪問日調整」は上述の第2の作業となり、「現地調査」が上述の第1の作業である場合、「見積り」は上述の第2の作業となる。また、「見積り」が上述の第1の作業である場合、「設置」は上述の第2の作業となる。
【0054】
例えば、複数のユーザが所属する組織において「営業」を担当する第1のユーザが、「能動的接点活動」における「営業」を行い、その結果として、新規顧客を獲得したとする。この場合、第1のユーザは、「営業」に継続する作業である「訪問日調整」を担当する第2のユーザに向けて作業を開始させるための指示を出す。具体的には、第1のユーザは、ユーザ端末30に表示されたユーザインターフェースに対する入力操作により、作業進捗情報を更新するための指示を出すことで、第2のユーザに向けて作業を開始させるための指示を出す。第1のユーザにより入力された情報は、作業更新指示情報として管理サーバ10に向けて送信される。その後、管理サーバ10において作業進捗情報が更新され、更新後の作業進捗情報が第2のユーザに提示される。
【0055】
次に、第2のユーザが、更新後の作業進捗情報に基づき、「能動的接点活動」における「訪問日調整」を行い、その結果として、現地調査を行う日時が決定したとする。この場合、第2のユーザは、「能動的接点活動」の次案件である「販売」における「現地調査」を担当する第3のユーザに向けて作業を開始させるための指示を出す。具体的には、第2のユーザは、ユーザ端末30に表示されたユーザインターフェースに対する入力操作により、業務進捗情報を更新するための指示を出すことで、第3のユーザに向けて業務および作業を開始させるための指示を出す。第2のユーザにより入力された情報は、業務更新指示情報として管理サーバ10に向けて送信される。その後、管理サーバ10において業務進捗情報が更新され、更新後の業務進捗情報が第3のユーザに提示される。
【0056】
次に、第3のユーザが、「販売」における「現地調査」を行い、その結果として、顧客から見積りの依頼があったとする。この場合、第3のユーザは、「現地調査」に継続する作業である「見積り」を担当する第4のユーザに向けて作業を開始させるための指示を出す。その後、第4のユーザが、「販売」における「見積り」を行い、その結果として、顧客から見積り内容の承諾と、販売対象となる商品の購入依頼と、販売された商品の設置の依頼とがあったとする。この場合、第4のユーザは、「見積り」に継続する作業である「設置」を担当する第5のユーザに向けて作業を開始させるための指示を出す。
【0057】
なお、第3のユーザによる第4のユーザに向けた作業開始の指示、および第4のユーザによる第5のユーザに向けた作業開始の指示の具体的な処理の流れについては、上述の第1のユーザによる作業進捗情報を更新するための指示の場合と同様であり、説明を省略する。また、図示はしないが、「販売」の次案件の業務がある場合には(例えば、アフターフォロー)、第5のユーザが、「販売」の次案件の業務における作業を担当する第6のユーザに対して、上述の第2のユーザによる指示と同様の指示を出す。
【0058】
以下、図10乃至図12に示す具体例において、第1の作業を担当する第1のユーザのユーザ端末30に対する入力操作により、第1の作業の後に継続する第2の作業を担当する第2のユーザに向けて作業開始の指示を出すことを「継続作業指示登録」と呼び、次案件の業務の指示を出すことを「次案件登録」と呼ぶこととする。
【0059】
図10乃至図12は、ユーザ端末30の表示部36に表示されるユーザインターフェースの具体例を示す図である。
図10には、ユーザの入力操作により、「継続作業指示登録」および「次案件登録」を行う際、ユーザ端末30の表示部36に表示されるユーザインターフェースの具体例が示されている。このうち、図10(A)に示すユーザインターフェースには、ユーザに対するお知らせ等の情報が表示される情報表示欄R1と、「当日作業指示」と表記されたボタンB1と、「継続作業指示」と表記されたボタンB2と、「次案件」と表記されたボタンB3と、「継続作業指示登録」と表記されたボタンB4と、「次案件登録」と表記されたボタンB5とが配置されている。
【0060】
情報表示欄R1には、ユーザに周知すべき情報として、ユーザが当日行うべき作業に関する指示があることを示すメッセージや、ユーザに関係する継続作業指示登録がなされたことを示すメッセージや、ユーザに関係する次案件登録がなされたことを示すメッセージ等が表示される。ボタンB1は、ユーザが、当日行うべき作業を確認する際に押下するボタンである。ボタンB2は、ユーザが、自身に関係する継続作業指示の内容を確認する際に押下するボタンである。ボタンB3は、ユーザが、自身に関係する次案件の内容を確認する際に押下するボタンである。ボタンB4は、ユーザが、継続作業指示登録を行う際に押下するボタンである。ボタンB5は、ユーザが、次案件登録を行う際に押下するボタンである。
【0061】
図10(B)に示すユーザインターフェースは、図10(A)に示すボタンB1乃至B3が押下されたときに表示されるユーザインターフェースである。図10(B)に示すユーザインターフェースには、情報表示欄R2が表示されている。情報表示欄R2には、「作業指示情報」として、ユーザが行うべき作業の内容が表示される。「作業指示情報」には、図10(B)に示すように、作業指示番号、設置場所番号、業務区分、および業務詳細区分が含まれる。このうち、「業務区分」は、上述の「業務」に相当する。また、「業務詳細区分」は、上述の「作業」に相当する。なお、図10(B)に示す情報表示欄R2は、図10(A)に示すユーザインターフェースに並べて表示されるようにしてもよいし、個別に表示されるようにしてもよい。
【0062】
図11には、上述の図10(A)の「継続作業指示登録」と表記されたボタンB4が押下されたときに表示されるユーザインターフェースの具体例が示されている。ユーザは、第1のユーザとして、図11に示すユーザインターフェースに設けられている入力項目に対する入力作業を行う。ユーザにより入力される情報は、上述の作業更新指示情報となる。ユーザは、継続作業指示登録に必要となる情報を入力するときには、「作業指示」と表記されたタブボタンB11を押下し、図11に示す入力項目を表示させてから情報の入力を行う。
【0063】
なお、ユーザは、基本情報や顧客情報を参照したいときには、「基本」と表記されたタブボタンB12や、「お客さま」と表記されたタブボタンB13を押下することで参照することができる。なお、「基本情報」としては、例えば、案件番号、業務区分、業務詳細区分、案件名等が挙げられる。また、「顧客情報」としては、例えば、顧客を識別するための区分、顧客ID(お客さま番号)、顧客の名称等が挙げられる。
【0064】
タブボタンB11が押下されたときに表示される入力項目には、図11に示すように、作業先、行き先メモ、お申出内容、作業指示メモ、作業区分、作業日、時間指定の有無、作業時間帯開始時間、作業時間帯終了時間、作業終了希望時間、作業前連絡の有無、オートロックの有無、在宅時間帯開始時間、在宅時間帯終了時間、立会者、立会者名、立会者電話番号、作業主担当者、および応対メモが含まれる。ユーザは、これらの入力項目に対する入力操作を行い、最後に「登録」と表記されたボタンB14を押下する。これにより、継続作業指示登録が完了する。このとき、継続作業指示登録が完了したことをユーザに報知するための1つの手法として、上述の図10(A)の「継続作業指示登録」と表記されたボタンB4が非アクティブ化されるようにしてもよい。
【0065】
図12には、上述の図10(A)の「次案件登録」と表記されたボタンB5が押下されたときに表示されるユーザインターフェースの具体例が示されている。ユーザは、第1のユーザとして、図12に示すユーザインターフェースに設けられている入力項目に対する入力作業を行う。ユーザにより入力される情報は、上述の業務更新指示情報となる。ユーザは、次案件登録に必要となる情報を入力するときには、「作業指示」と表記されたタブボタンB21を押下し、図12に示す入力項目を表示させてから情報の入力を行う。
【0066】
なお、ユーザは、図12に示す入力項目に対する入力操作を行う前段階の作業として、基本情報および顧客情報を入力する。基本情報を入力するときには、「案件基本」と表記されたタブボタンB22を押下する。また、顧客情報を入力するときには、「お客さま」と表記されたタブボタンB23を押下する。なお、前案件(前段階の業務)が存在する場合には、基本情報および顧客情報が引き継がれるため、入力は不要となる。
【0067】
タブボタンB21が押下されたときに表示される入力項目には、図12に示すように、作業先、お申出内容、作業指示メモ、作業区分、作業日、時間指定の有無、作業時間帯開始時間、作業時間帯終了時間、作業終了希望時間、作業前連絡の有無、オートロックの有無、在宅時間帯開始時間、在宅時間帯終了時間、立会者、立会者名、立会者電話番号、および作業主担当者が含まれる。ユーザは、これらの入力項目に対する入力操作を行い、最後に「登録」と表記されたボタンB24を押下する。これにより、次案件登録が完了する。このとき、次案件登録が完了したことをユーザに報知するための1つの手法として、上述の図10(A)の「次案件登録」と表記されたボタンB5が非アクティブ化されるようにしてもよい。
【0068】
以上、本実施の形態について説明したが、本発明は上述した本実施の形態に限るものではない。また、本発明による効果も、上述した本実施の形態に記載されたものに限定されない。例えば、図1に示す情報処理システム1の構成、図2および図3の各々に示す管理サーバ10およびユーザ端末30の各々のハードウェア構成は、いずれも本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。また、図4に示す管理サーバ10の機能構成、図5に示すユーザ端末30の機能構成も例示に過ぎず、特に限定されない。上述した処理を全体として実行できる機能が図1の情報処理システム1に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能構成を用いるかは図4および図5の例に限定されない。
【0069】
また、図6に示す管理サーバ10の処理のステップの順序、図7示すユーザ端末30-1の処理のステップの順序、および図8示すユーザ端末30-2の処理のステップの順序も例示に過ぎず、特に限定されない。図示されたステップの順序に沿って時系列的に行われる処理だけではなく、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別的に行われてもよい。また、図9乃至図12に示す具体例も一例に過ぎず、特に限定されない。
【符号の説明】
【0070】
1…情報処理システム、10…管理サーバ、11…制御部、30…ユーザ端末、31…制御部、90…ネットワーク、101…作業進捗情報取得部、102…業務進捗情報生成部、103…進捗情報管理部、104…指示情報取得部、105…進捗情報更新部、106…送信制御部、301…情報取得部、302…表示制御部、303…入力操作受付部、304…送信制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12