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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173516
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/00 20230101AFI20231130BHJP
【FI】
G06Q10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022085826
(22)【出願日】2022-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390031897
【氏名又は名称】東京ガスiネット株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】村口 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 未香
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA02
(57)【要約】
【課題】顧客の元に訪問しているときに見積もりの依頼を受け付けた場合に、顧客の個人情報に応じた見積もりを提供する。
【解決手段】顧客先へ訪問する第1担当者と顧客との合意内容を少なくとも含む見積額の算出の依頼に関する依頼情報を取得する依頼取得手段と、依頼取得手段により取得した依頼情報を、見積書を作成する第2担当者に報知する制御を行う依頼報知手段と、報知を受けた第2担当者に対して顧客の情報を提供し、顧客の情報を加味して算出された見積情報を取得する見積取得手段と、見積情報を第1担当者に報知する制御を行う見積報知制御手段と、を有することを特徴とする、情報処理装置。
【選択図】図8―2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客先へ訪問する第1担当者と当該顧客との合意内容を少なくとも含む見積額の算出の依頼に関する依頼情報を取得する依頼取得手段と、
依頼取得手段により取得した前記依頼情報を、見積書を作成する第2担当者に報知する制御を行う依頼報知手段と、
前記報知を受けた前記第2担当者に対して前記顧客の情報を提供し、当該顧客の情報を加味して算出された見積情報を取得する見積取得手段と、
前記見積情報を前記第1担当者に報知する制御を行う見積報知制御手段と、
を有することを特徴とする、
情報処理装置。
【請求項2】
前記依頼取得手段は、前記依頼情報として、前記合意内容を補完する撮像画像のデータをさらに取得することを特徴とする、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記依頼取得手段は、前記依頼情報として、前記合意内容の合意時に前記第1担当者により撮像された前記撮像画像のデータを取得することを特徴とする、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記見積取得手段は、前記見積情報として、前記依頼情報に基づいて算出された複数種類の見積を取得し、
前記見積報知制御手段は、前記見積情報として、前記複数種類の見積を、選択可能な態様で前記第1担当者に報知する制御を行うことを特徴とする、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記見積報知制御手段は、前記見積情報として、前記第2担当者による順位が付された前記複数種類の見積を、選択可能な態様で前記第1担当者に報知する制御を行うことを特徴とする、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
担当者と顧客との合意内容を少なくとも含む、見積額の算出を依頼するための入力操作を受け付ける受付手段と、
前記入力操作により入力された情報と、顧客を識別することができる顧客識別情報とを、依頼情報として送信する制御を行う送信制御手段と、
前記依頼情報に基づいて算出された前記見積額を示す見積情報を取得する取得手段と、
取得した前記見積情報を表示する制御を行う表示制御手段と、
を有することを特徴とする、
情報処理装置。
【請求項7】
コンピュータに、
顧客先へ訪問する第1担当者と当該顧客との合意内容を少なくとも含む見積額の算出の依頼に関する依頼情報を取得する機能と、
取得した前記依頼情報を、見積書を作成する第2担当者に報知する制御を行う機能と、
前記報知を受けた前記第2担当者に対して前記顧客の情報を提供し、当該顧客の情報を加味して算出された見積情報を取得する機能と、
前記見積情報を前記第1担当者に報知する制御を行う機能と、
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
顧客から提示された見積り条件に応じた見積書の作成を支援する技術は従来から存在する。
たとえば、特許文献1(特開2016-194883号公報)には、建築物を構成する部材を標準化し、前もって準備された部材の寸法・形状や、他の部材とのディテールをあらかじめ決定して統一しておく規格型システム建築物について、対象となる規格型システム建築物の設計条件に関するデータおよび他の所定のデータを入力することにより、規格型システム建築物の見積価格を算出する見積システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-194883号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
高い機密性が求められる顧客の個人情報を、様々な顧客の元に訪問する営業担当者の端末からアクセス可能な状態にすることは情報保護の観点から好ましくない場合がある。そのため、情報保護のために、例えば、営業担当者が外出中である場合は、営業担当者の端末から機密性の高い情報のアクセスを禁止する方法がある。訪問先で顧客から見積額を尋ねられた場合、訪問先であるため顧客の個人情報を参照できない場合が多い。
本発明は、顧客の元に訪問しているときに見積もりの依頼を受け付けた場合に、顧客の個人情報に応じた見積もりを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、顧客先へ訪問する第1担当者と当該顧客との合意内容を少なくとも含む見積額の算出の依頼に関する依頼情報を取得する依頼取得手段と、依頼取得手段により取得した前記依頼情報を、見積書を作成する第2担当者に報知する制御を行う依頼報知手段と、前記報知を受けた前記第2担当者に対して前記顧客の情報を提供し、当該顧客の情報を加味して算出された見積情報を取得する見積取得手段と、前記見積情報を前記第1担当者に報知する制御を行う見積報知制御手段と、を有することを特徴とする、情報処理装置である。
請求項2に記載された発明は、前記依頼取得手段は、前記依頼情報として、前記合意内容を補完する撮像画像のデータをさらに取得することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項3に記載された発明は、前記依頼取得手段は、前記依頼情報として、前記合意内容の合意時に前記第1担当者により撮像された前記撮像画像のデータを取得することを特徴とする、請求項2に記載の情報処理装置である。
請求項4に記載された発明は、前記見積取得手段は、前記見積情報として、前記依頼情報に基づいて算出された複数種類の見積を取得し、前記見積報知制御手段は、前記見積情報として、前記複数種類の見積を、選択可能な態様で前記第1担当者に報知する制御を行うことを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項5に記載された発明は、前記見積報知制御手段は、前記見積情報として、前記第2担当者による順位が付された前記複数種類の見積を、選択可能な態様で前記第1担当者に報知する制御を行うことを特徴とする、請求項4に記載の情報処理装置である。
請求項6に記載された発明は、担当者と顧客との合意内容を少なくとも含む、見積額の算出を依頼するための入力操作を受け付ける受付手段と、前記入力操作により入力された情報と、顧客を識別することができる顧客識別情報とを、依頼情報として送信する制御を行う送信制御手段と、前記依頼情報に基づいて算出された前記見積額を示す見積情報を取得する取得手段と、取得した前記見積情報を表示する制御を行う表示制御手段と、を有することを特徴とする、情報処理装置である。
請求項7に記載された発明は、コンピュータに、顧客先へ訪問する第1担当者と当該顧客との合意内容を少なくとも含む見積額の算出の依頼に関する依頼情報を取得する機能と、取得した前記依頼情報を、見積書を作成する第2担当者に報知する制御を行う機能と、前記報知を受けた前記第2担当者に対して前記顧客の情報を提供し、当該顧客の情報を加味して算出された見積情報を取得する機能と、前記見積情報を前記第1担当者に報知する制御を行う機能と、を実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0006】
本願の発明によると、顧客の元に訪問しているときに見積もりの依頼を受け付けた場合に、顧客の個人情報に応じた見積もりを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施の形態が適用される情報処理システムの全体構成の一例を示す図である。
図2】本実施の形態が適用される情報処理装置としての管理サーバのハードウェア構成を示す図である。
図3】本実施の形態が適用される情報処理装置としての営業端末のハードウェア構成を示す図である。
図4】本実施の形態が適用される情報処理装置としての見積端末のハードウェア構成を示す図である。
図5】管理サーバの機能構成を示す図である。
図6】営業端末の機能構成を示す図である。
図7】見積端末の機能構成を示す図である。
図8-1】管理サーバの処理の流れを示すフローチャートである。
図8-2】管理サーバの処理の流れの一部であるサブルーチンを示すフローチャートである。
図9】営業端末に入力する処理の流れを示すフローチャートである。
図10】営業端末に見積を表示する処理の流れを示すフローチャートである。
図11】営業端末に表示されるユーザインターフェースの具体例を示す図である。
図12】営業端末に依頼情報を入力する際のユーザインターフェースの具体例を示す図である。
図13】お打合せシートの具体例を示す図である。
図14】営業端末に複数の見積が一覧で表示された際のユーザインターフェースの具体例である。
図15】営業端末に一件の見積の詳細が表示された際のユーザインターフェースの具体例である。
図16】「確認画面」の表示の具体例と、確認された後の表示の具体例である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(情報処理システムの全体構成)
図1は、本実施の形態が適用される情報処理システム1の全体構成の一例を示す図である。本実施の形態に係る情報処理システム1は、情報処理システム1の全体の管理をする管理サーバ10と、顧客の居住地に訪問し営業活動を行う営業担当者が用いる営業端末30と、修理や交換等の工事の見積を作成する見積担当者が用いる見積端末50とがネットワーク90を介して接続されることにより構成されている。ネットワーク90は、例えば、LAN(Local Area Network)、インターネット等である。
また、本実施の形態に係る情報処理システム1は、営業端末30と接続され、営業担当者が携帯する携帯型印刷機40を備える。携帯型印刷機40は、例えば、USB(Universal Serial Bus)ケーブルによる有線接続やBluetooth(登録商標)による無線接続で営業端末30と接続される。
営業担当者が第1担当者の一例であり、見積担当者が第2担当者の一例である。
本実施の形態では、見積担当者は事務所内等の機密性が保たれる場所にて、営業担当者からの依頼に応じて見積(見積書)を作成する。
【0009】
営業担当者は、営業先で顧客から依頼を受け付けた場合に、依頼を管理サーバ10に登録するための処理を行う。依頼の種類としては、例えば、故障している機器に対して修理を行う「機器修理」や顧客の家に備え付けられている機器を交換する「機器交換」、機器を販売し設置する「販売」等がある。
【0010】
管理サーバ10は、営業端末30からある依頼について見積もりを作成する旨を受け付けると、受け付けた依頼について「見積を作成するための情報」を生成する。そして、生成した「見積を作成するための情報」を見積端末50へ送信する。ここで、管理サーバ10が生成する「見積を作成するための情報」は、例えば顧客の個人情報に基づいて生成され、秘匿性が求められる情報である。また、「見積を作成するための情報」には、例えば営業担当者と顧客との合意内容が含まれる。営業担当者と顧客との合意内容とは、修理や交換を行う製品についての情報や工事を行う際に許容される事柄、施工する日時等の情報である。
見積担当者は、管理サーバ10から送られてきた「見積を作成するための情報」に基づいて、見積を作成する。見積は、修理や取付等を依頼する顧客に対して、施工に係る費用を提示するために作成される情報である。見積情報は、顧客が支払う金額に関する情報を含む情報である。
【0011】
管理サーバ10は、見積を作成するための情報として、見積端末50に顧客の情報を提供してもよい。この場合には、見積担当者は、見積端末50に送られた顧客の情報を加味して見積もりを作成する。顧客の情報として、例えば、契約継続年数や家族構成、ペットの有無、顧客の年齢、購入履歴情報、顧客のガスの利用情報、電気の利用情報などを記憶している。顧客の個人情報は高い機密性が求められることから、多くの顧客の元に訪問する営業担当者の端末に各顧客の個人情報を記憶させ、もしくは、アクセス可能とするのは情報保護の観点から好ましくない。管理サーバ10側にてかかる個人情報を記憶し、管理することで、顧客の個人情報が流出する問題を軽減できる。また、ガスの利用状況や電気の利用状況など、日々移り変わる流動情報を営業端末で管理することは難しく、さらに他のシステムにて管理される他システム管理情報を顧客情報として利用したい場合もある。管理サーバ10側にて流動情報や他システム管理情報などからなる個人情報を利用し一元管理することで、営業端末30だけではできない、充実した顧客情報を利用した見積り作成が実現できる。
【0012】
(管理サーバのハードウェア構成)
図2は、本実施の形態が適用される情報処理装置としての管理サーバ10のハードウェア構成を示す図である。
管理サーバ10は、例えばデスクトップPCなどのコンピュータ装置で構成される。管理サーバ10は、装置全体を制御するCPU(Central Processing Unit)である制御部11と、演算に際して作業エリアとして用いられるRAM(Random Access Memory)等のメモリ12と、プログラムや各種設定データなどの記憶に用いられるHDD(Hard Disk Drive)や半導体メモリ等の記憶装置である記憶部13と、を有している。記憶部13には、各種情報を記憶するデータベースとして、顧客からの依頼ごとに情報を記憶している依頼情報DB901、顧客ごとに個人情報を記憶している顧客情報DB902、商品の機能や値段が記憶されている商品情報DB903を有している。なお、これらの依頼情報DB901と、顧客情報DB902と、商品情報DB903とは、管理サーバ10に直接接続されてなくてもよく、例えばネットワーク90を介して管理サーバ10に接続される外部の記憶装置であってもよい。また、ネットワーク90を介してデータの送受信を行う通信部14と、管理サーバ10への入力を受け付けるキーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル等の操作部15と、画像やテキスト情報などを表示する液晶パネル等からなる表示部16とを有している。
【0013】
(営業端末のハードウェア構成)
図3は、本実施の形態が適用される情報処理装置としての営業端末30のハードウェア構成を示す図である。
営業端末30は、例えば、スマートフォンやタブレット端末、ノートPC等のコンピュータ装置で構成される。営業端末30は、装置全体を制御する制御部31と、演算に際して作業エリアとして用いられるメモリ32と、各種情報を記憶する記憶部33と、外部機器とデータの送受信を行う通信部34と、ユーザからの操作を受け付ける操作部35と、ユーザに対して各種情報を表示する表示部36とを有している。また、カメラ等で構成され、カメラのファインダとしても機能する表示部36に表示された被写体を撮像し、画像のデータとして取得する撮像部37を有している。
【0014】
(見積端末のハードウェア構成)
図4は、本実施の形態が適用される情報処理装置としての見積端末50のハードウェア構成を示す図である。
見積端末50は、例えばデスクトップPCやノートパソコン、スマートフォンなどのコンピュータ装置で構成される。見積端末50装置全体を制御する制御部51と、演算に際して作業エリアとして用いられるメモリ52と、各種情報を記憶する記憶部53と、外部機器とデータの送受信を行う通信部54と、ユーザからの操作を受け付ける操作部55と、ユーザに対して各種情報を表示する表示部56とを有している。
【0015】
(管理サーバの制御部の機能構成)
図5は、管理サーバ10の機能構成を示す図である。
管理サーバ10の制御部11では、営業担当者が受け付けた顧客からの依頼に関する依頼情報を取得する依頼情報取得部101と、顧客に関する情報である顧客情報を取得する顧客情報取得部102と、商品についての情報である商品情報を取得する商品情報取得部103と、見積を作成するのに用いる情報を生成する見積依頼情報生成部104と、見積を作成するのに用いる情報を見積担当者に送信する見積依頼報知部105と、見積担当者が作成した見積を取得する見積情報取得部106と、営業担当者に見積情報を送信する見積報知部107とを有する。
【0016】
依頼情報取得部101は、通信部14(図2参照)を介して営業端末30から各種の依頼情報を取得するとともに、依頼情報DB901(図2参照)から依頼情報を取得する。「依頼情報」は依頼ごとに管理され、顧客を識別する情報に紐付けられて記憶される。依頼情報DB901は、顧客が依頼する事案に関して営業担当者と顧客とが合意した情報を記憶する。「依頼情報」としては、例えば、「修理」、「交換」、「販売」等の顧客が依頼する事案の種類を示す情報が一例として挙げられる。また、依頼する事案の種類が、例えば「修理」である場合は依頼情報として、修理する製品を識別するための情報や、修理する製品の故障の状態等が一例として挙げられる。修理する製品の故障の状態として故障品を撮影した画像データであってもよい。また、例えば、見積を依頼する事案が「交換」である場合は、交換前の製品の情報や、交換を希望する製品の情報を記憶する。また、交換を行う製品および周辺を撮影した画像データを記憶してもよい。また、依頼する事案が「販売」の場合、購入を希望する製品を識別する情報である製品名や、製品の識別番号が依頼情報の一例として挙げられる。また、購入する製品を特定していない場合は、購入を希望する製品の分類が依頼情報の一例として挙げられる。購入する製品の分類とは、例えば、「給湯器」や「ビルトインコンロ」等の一般名詞や、製品のサイズや機能の条件を示す情報である。例えば、設置する場所の広さの都合上、サイズが限定されている場合や、顧客が購入する製品の機能についての要望がある場合に依頼情報に含まれる。
【0017】
顧客情報取得部102は、顧客情報DB902(図2参照)に記憶されている顧客情報の他、通信部14(図2参照)を介して他のシステムにて管理される顧客の情報を、「顧客の個人情報」として取得する。「顧客の個人情報」は、顧客に関する情報であり、通常、高い秘匿性が求められる情報である。「顧客の個人情報」としては、例えば、顧客の氏名、年齢、住所などの顧客自身の情報である。また、「顧客の個人情報」としては、例えば、顧客が購入した商品や顧客が提供を受けたサービスの内容を示す「顧客の履歴情報」を含んでもよい。「提供を受けたサービスの内容」には、例えば、「ガスの契約情報」や「電気の使用料」等がある。
【0018】
商品情報取得部103は、DB903(図2参照)や、ネットワークに接続された外部のサーバなどの他のシステムから通信部14(図2参照)を介して商品情報を取得する。商品情報DB903は、製品ごとに値段や寸法、機能、性能等が記憶される。製品の性能には、例えば、単身世帯に適した製品であるという情報や、世帯人数が4人以上の世帯に適した製品であるという情報も一例として挙げられる。また、製品ごとに割引率の設定を定めてもよく、例えば、ガス契約継続2年以上の顧客は10%割引や、新規の顧客は5%割引などが適宜、設定される。
【0019】
見積依頼情報生成部104は、営業端末30から、見積の作成の旨を受け付けると、見積担当者が見積を作成する際に用いる「見積を作成するための情報」を生成する。見積依頼情報生成部104は、依頼情報DB901と、顧客情報DB902と、商品情報DB903との情報に基づいて「見積を作成するための情報」を生成する。「見積を作成するための情報」とは、見積担当者が見積を作成する際に、参照する情報である。
例えば「販売」の依頼を見積もる場合、見積依頼情報生成部104は、依頼情報DB901と顧客情報DB902とに適した製品を、見積を作成すべき製品として、「見積を作成するための情報」に含ませる。顧客の情報に適した製品情報とは、数多くの製品情報の中から、顧客の特性に対して適合度を高めるものとして選定された製品情報である。例えば、顧客の情報として世帯人数が選択された場合には、その世帯人数に適した製品が顧客の情報に適した製品情報である。また、例えば顧客の情報として購入履歴が選択された場合には、現在の数々の製品の中から、過去の実績の傾向に合わせた製品を顧客の情報に適した製品情報として選択する。更に、顧客の情報として過去の割引率が存在する場合には、その過去の割引率を検討の一つとして今回の割引率を決定することも有効である。例えば同一の割引率を適用することや、現在の市場の特性に合わせて過去の割引率から今回の割引率を選定する等である。例えば、顧客の情報と製品情報とに基づいてより高い割引率が設定されている製品を顧客の情報に適した製品としてもよい。
また、例えば、「修理」の依頼を見積もる場合、顧客の情報として、修理を行う対象を購入した履歴がある場合は、算出された見積額に対して割引をするといった情報を「見積を作成するための情報」に含ませる。
また、例えば、秘匿性が低い顧客の個人情報を「見積を作成するための情報」に含ませてもよい。
【0020】
見積依頼報知部105は、見積依頼情報生成部104が生成した「見積を作成するための情報」を見積端末50に送信する。
見積担当者は、取得した「見積を作成するための情報」を参照し、見積を作成する。
【0021】
見積情報取得部106は、見積端末50から送信されてきた見積情報を取得する。見積情報の一例としては、例えば、見積の各々を識別するための見積番号と、本命情報と、見積承認情報と、見積承認要否と、見積結果と、作成日と、合計実売価格(税込)と、値引・割引合計額と、見積作成者と、製品名等を記憶する。なお、これらの全ての項目を有する必要はない。
ここで本命情報とは、複数の見積を作成した場合に、顧客に対して提示する見積としてよりふさわしい見積を示したものである。この本命情報は、例えば、見積作成者が順位付けをしてもよいし、予め定められた規則に従って定められていてもよい。予め定められた規則とは、例えば、経営戦略上の判断で定められ、具体的には、「粗利率」が大きい見積を本命とする規則や「割引額」が大きい見積を本命とする規則、「合計実売価格(税込)」が小さい見積を本命とする規則等である。
また、本命情報の一例としては、顧客に対して提示する見積として一番ふさわしい見積に対して、「1」を付与し、次にふさわしい見積に対して「2」を付与することにより、全ての見積に対して順位付けをする。また、本命情報の他の一例としては、顧客に対して提示する見積として一番ふさわしい見積にのみ、本命であることを示す情報を付与してもよい。
【0022】
見積報知部107は、営業担当者が依頼ごとに見積の一覧を閲覧できるように、営業端末30のユーザインターフェースに表示される見積の一覧情報を生成し、営業端末30に送信する。また、見積報知部107は、営業担当者が一件ずつ見積の詳細を閲覧できるように、営業端末30のユーザインターフェースに表示される見積の1件ずつの詳細情報を生成し送信する。
【0023】
(営業端末の制御部の機能構成)
図6は、営業端末30の機能構成を示す図である。
営業端末30は、依頼入力部301と、画像取得部302と、シート作成部303と、送信制御部304と、見積情報取得部305と、表示制御部306と、入力操作受付部307と、を備える。
【0024】
依頼入力部301は、営業担当者が訪問先の顧客から依頼を受け付けた場合に、依頼の内容を依頼情報DBに入力するための処理を行う。営業担当者は、後に詳述するユーザインターフェースを用いて依頼の内容に関する情報を入力する。営業担当者により入力された情報を管理サーバ10へ送信する。
【0025】
画像取得部302は、依頼の内容に関する画像情報を取得する。例えば、営業端末30のアプリケーションを用いて故障した製品を撮像し、交換や設置をおこなう場所の周辺画像を撮像し、依頼情報の内容に関する画像情報として取得する。
【0026】
シート作成部303は、携帯型印刷機40を制御し、顧客の依頼内容を印刷媒体に印刷する。顧客の依頼内容が印刷された印刷媒体のことを以下、お打合せシートと呼ぶ。お打合せシートは、営業担当者と顧客との間の約束事を客観的なものとするために作成される。お打合せシートには、顧客の依頼内容と、顧客と営業担当者とが行った約束事とが印刷される。また、営業担当者と顧客との間で合意がなされた際に、印刷されたシートを、画像取得部302を用いてシートを撮影する。この画像情報を依頼情報の内容に関する画像情報の一例とすることができる。なお、打合せシート撮影する際に顧客のサインを貰うことで、営業担当者と顧客との間で交わされた約束事が客観的な物とすることが出来る。
【0027】
送信制御部304は、通信部34(図3参照)を介して各種情報を管理サーバ10または外部に向けて送信する制御を行なう。例えば、送信制御部304は、依頼入力部301により入力が受け付けられた情報および、画像取得部302が取得した画像情報を管理サーバ10に向けて送信する。
【0028】
見積情報取得部305は、通信部34を介して、見積端末50にて作成された見積情報を管理サーバ10から取得する。
【0029】
表示制御部306は、表示手段として、各種情報を表示部36(図3参照)に表示させる制御を行なう。例えば、表示制御部306は、表示部36にユーザインターフェースを表示させる制御を行なう。ユーザインターフェースは、営業端末30に予めインストールされた、ユーザ向けのアプリケーションソフトウェアを起動することで表示させることもできるし、ユーザ向けのウェブサイトにアクセスすることでも表示させることができる。このユーザインターフェースには、取得した見積情報が表示される。なお、ユーザインターフェースに表示される見積情報の具体例については、図14及び図15を参照して後述する。また、ユーザインターフェースには、情報を入力するための入力欄が表示される。
【0030】
入力操作受付部307は、受付手段として、ユーザである営業担当者の入力操作を受け付ける。営業担当者の入力としては、例えば、指によるタッチ操作および音声入力等が挙げられる。例えば、入力操作受付部307は、アプリケーションソフトウェアを起動させるための入力操作を受け付ける。
【0031】
また、例えば、入力操作受付部307は、アプリケーションソフトウェアの起動により表示部36に表示されたユーザインターフェースを介して入力された各種情報を受け付ける。ユーザインターフェースを介して入力される情報としては、例えば、依頼情報、写真画像情報等が挙げられる。また、例えば、入力操作受付部307は、管理サーバ10から送信されてきた見積情報を表示させるための入力操作を受け付ける。
【0032】
(見積端末の制御部の機能構成)
図7は、見積端末50の機能構成を示す図である。
見積端末50は、情報取得部501と、表示制御部502と、入力操作受付部503と、送信制御部504とが機能する。
【0033】
情報取得部501は、通信部54を介して各種情報を取得する。例えば、情報取得部501は、管理サーバ10から送信されてきた依頼情報や顧客情報など、見積担当者が見積作業を行うに際して必要な各種情報を取得する。
【0034】
表示制御部502は、表示手段として、各種情報を表示部56(図4参照)に表示させる制御を行う。例えば、表示制御部502は、表示部56にユーザインターフェースを表示させる制御を行う。ユーザインターフェースは、見積端末50に予めインストールされた、ユーザ向けのアプリケーションソフトウェアを起動することで表示させることもできるし、ユーザ向けのウェブサイトにアクセスすることでも表示させることができる。このユーザインターフェースには、依頼情報や顧客の情報が表示され、依頼情報や顧客の情報を参照して見積を作成する。見積担当者は、例えば、顧客の情報として、「割引情報」が表示されている場合は、その割引率を用いて見積を作成したり、顧客の家族構成が表示されている場合は、家族構成に適切な商品を選択して見積を作成したりする。
【0035】
入力操作受付部503は、受付手段として、見積担当者の入力操作を受け付ける。訪問者の入力操作としては、例えば、キーボードによる入力やマウス操作、指によるタッチ操作等が挙げられる。例えば、入力操作受付部503は、アプリケーションソフトウェアを起動させるための入力操作を受け付ける。
【0036】
また、例えば、入力操作受付部503は、アプリケーションソフトウェアの起動により表示部56に表示されたユーザインターフェースを介して入力された各種情報を受け付ける。ユーザインターフェースを介して入力される情報としては、例えば、見積書に関する情報等が挙げられる。
【0037】
送信制御部504は、通信部54(図4参照)を介して各種情報を管理サーバ10または外部に向けて送信する制御を行う。例えば、送信制御部504は、入力操作受付部503により入力が受け付けられた見積書に関する情報を管理サーバ10に向けて送信する制御を行う。
【0038】
以下、管理サーバ10および営業端末30が行う処理(動作)を説明する。
(管理サーバの処理の流れ)
図8―1は、管理サーバ10の処理の流れを示すフローチャートである。
管理サーバ10は、営業端末30から見積を依頼する旨を受信したか否かを判断する(ステップ801)、見積を依頼する旨を受信した場合は、「見積を作成するための情報」である見積依頼情報を生成する(ステップ802)。これに対して、営業端末30から見積を依頼する旨を受信しない場合(ステップ801でNO)、営業端末30から見積を依頼する旨を受信するまでステップ801を繰り返す。なお、「見積を作成するための情報」を生成する処理の詳細は図8-2を用いて、後述する。
【0039】
管理サーバ10は、ステップ802で見積依頼情報を生成すると、取得した依頼情報を見積端末50に向けて送信する(ステップ803)。
【0040】
ステップ804では、見積端末50から、見積担当者が作成した見積情報を受信すると(ステップ804でYES)、見積情報を取得し、依頼情報DB901に記憶させる(ステップ805)。一方、ステップ804で、見積端末50から、見積担当者が作成した見積情報を受信しない場合(ステップ804でNO)、見積情報を受信するまでステップ804を繰り返す。
ステップ805で見積情報を依頼情報DBに記憶させると、取得した見積情報を営業端末30に向けて送信し(ステップ806)、処理を終了する。
【0041】
図8-2は、図8―1のステップ802の「見積を作成するための情報」を生成する処理の一例を示すフローチャートである。
管理サーバ10は、図8―1のステップ801で見積を依頼する旨が送られてきた事案の見積依頼情報を取得する(ステップ811)。また管理サーバ10は、商品DB903から製品情報を取得し、依頼情報の条件に適合する製品情報を抽出する(ステップ812)。ここで、依頼情報に合う製品情報とは、依頼情報の設置可能な製品のサイズや指定された条件を満たす製品情報である。さらに管理サーバ10は、顧客情報DBから顧客の情報を取得する(ステップ813)。その後、管理サーバ10は、ステップ812で抽出した製品情報から、顧客の情報に適した商品を抽出する(ステップ814)。そして、見積を作成すべき商品として、抽出された商品の情報を見積依頼情報に含ませて、見積依頼情報を生成し(ステップ815)、図8―1のフローチャートに戻る。
【0042】
(営業端末の処理の流れ)
図9は、営業端末に入力する処理の流れを示すフローチャートである。
営業端末30では、アプリケーションソフトウェアを起動させるための入力操作が行われると(ステップ821でYES)、制御部31(図3参照)は、表示部36にユーザインターフェースを表示する(ステップ822)。これに対して、アプリケーションソフトウェアを起動させるための入力操作が行われない場合(ステップ821でNO)、アプリケーションソフトウェアを起動させるための入力操作が行われるまでステップ801を繰り返す。
【0043】
営業端末30では、ユーザインターフェースを介して、依頼を登録する情報を入力するための入力操作が行われると(ステップ823でYES)、その入力操作を受け付け、管理サーバ10に情報を送信する(ステップ824)。これに対して、依頼を登録する情報を入力するための入力操作が行われていない場合には(ステップ823でNO)、営業端末30は、ステップ824を飛ばしてステップ825に進む。
【0044】
ステップ825において、営業端末30は、「お打合せシートの作成・印刷」の情報を入力するための入力操作が行われた場合(ステップ825でYES)、その入力操作を受け付け、携帯型印刷機40(図1)を制御し、印刷を行う(ステップ826)。
ステップ827において、画像データを入力するための入力操作が行われると(ステップ827でYES)、入力操作を受け付け、例えば、撮像部37を用いて撮像した画像データを管理サーバ10に情報を送信する(ステップ828)。ステップ827において画像データを入力するための入力操作が行われない場合(ステップ827でNO)、ステップ828を飛ばしてステップ829へ進む。
【0045】
ステップ829では、見積を依頼するための入力操作が行われたか否かを判断する。見積を依頼するための入力操作が行われた場合は(ステップ829でYES)、入力操作を受け付け、管理サーバ10に、見積作成する依頼を送信し、処理が終了する(ステップ830)。ステップ829で、見積を依頼するための入力操作が行われたと判断されない場合は(ステップ829でNO)、ステップ823へ戻る。
【0046】
図10は、営業端末30で見積情報を参照する場合の処理の流れを示すフローチャートである。
営業端末30では、アプリケーションソフトウェアを起動させるための入力操作が行われると(ステップ841でYES)、制御部31(図3参照)は、表示部36にユーザインターフェースを表示する(ステップ842)。
【0047】
営業端末30の操作部35を介して営業担当者から見積を閲覧する要求を受け付けると(ステップ843でYES)、営業端末30は、記憶部33に見積情報が記憶されているか否かを判断する(ステップ844)。ステップ844で見積情報があると判断されると(ステップ844でYES)、表示部36に見積一覧を表示する(ステップ845)。
さらに、例えば操作部35を介して営業担当者から詳細表示の要求を受け付けると(ステップ846でYES)、受け付けた見積の詳細を表示部36に表示する(ステップ847)。
【0048】
そして、営業端末30は、操作部35を介して営業担当者から見積の閲覧を終了する指示を受け付けると(ステップ848)、表示部36にユーザインターフェースを表示して(ステップ849)、処理を終了する。
また、ステップ844で、営業端末30は、記憶部33に見積情報がないと判断された場合は(ステップ844でNO)、営業端末30は、表示部36に「見積情報がない旨」を表示して(ステップ850)、ステップ849に進む。
【0049】
(具体例)
本実施形態の営業端末30のユーザインターフェースの一例を説明する。
図11は、営業端末30に表示されるユーザインターフェースの具体例を示す図である。図11は、ステップ822、842(図9、10参照)において表示されるユーザインターフェースの一例である。
【0050】
図11に示すユーザインターフェースには、「お知らせはありません。」等の各種情報を営業担当者に提示するための文字が表示される情報提示欄361が表示されている。情報提示欄361は、営業担当者に情報を伝えるために用いられ、例えば、見積が完成したこと示す情報が情報提示欄361に表示される。情報提示欄361に情報が表示される際に、営業担当者に知らせるために音を鳴らしたり、バイブレーションによる振動を生じさせたりしてもよい。また、図11に示すユーザインターフェースには、「依頼訂正」と表記されたボタン362と、「依頼登録」と表記されたボタン363と、「お打合せシート作成・印刷」と表記されたボタン364と、「写真(機器・紙書類撮影)」と表記されたボタン365と、が表示されている。営業担当者が、ボタン362~365のいずれかをタップすると、タップされたボタンに表記されている機能を用いるための画面が表示される。
【0051】
「依頼訂正」と表記されたボタン362は、登録済みの依頼の内容を訂正するための入力フォームへ移動するためのボタンである。また、「依頼登録」と表記されたボタン363は、顧客から受け付けた新たな依頼についての情報を入力するための入力フォームへ移動するためのボタンである。また、「お打合せシート作成・印刷」と表記されたボタン364をタップするとお打合せシートを作成するための入力フォームへ移動する。また、「写真(機器・紙書類撮影)」と表記されたボタン365は、写真撮影するための機能に移行するためのボタンである。
【0052】
また、作成された見積を閲覧する際に用いる「見積参照」と表記されたボタン366、見積担当者に対して見積もりを作成することを依頼する際に用いる「見積依頼」と表記されたボタン367とが表示されている。
【0053】
図12は、図11の「依頼登録」と表記されたボタン363をタップしたときに表示される入力フォームの一例である。
図12の入力フォームは、「お申出内容」と表記され、営業端末30の操作部35を用いて文字入力可能な欄が設けられている。営業担当者はこの欄に文字入力をすることで、顧客からの依頼内容を登録することが出来る。図12の例では、「給湯器が古くて音が大きくなってきたので壊れないか心配していた。修理ではなくお見積もりをご希望されている。」との文字が入力されている。
図12の入力フォームは、「作業指示メモ」と表記され、営業端末30の操作部35を用いて文字入力可能な欄が設けられており、作業指示メモを入力することが出来る。なお、「作業指示メモ」は工事担当者などの関係者に知らせるための情報を入力する欄である。
さらに、作業区分を選択するための表示がされており、「作業区分」の隣の「>」をタップすると、作業区分が表示され選択することが出来る。そして、見積対象分類として「湯沸かし器」と表示されている。また、作業日を入力する欄や、時間指定をする欄が設けられる。
【0054】
図13は、お打合せシートの具体例を示す図である。
お打合せシートには、右上に発行年月日が記載される。また、上部中央付近に「お打合せシート」と見出しが印刷され、その下に各種情報が印刷される。図13の例では、「お客様番号:123456」と記載され、「お名前:特許 太郎」、「次回お伺い予定:なし」、「ご準備頂くもの:なし」と印刷される。
さらに、お申出内容が印刷される欄と、お打合せ内容が印刷される欄がある。図13の例ではお申し出内容として「給湯器が古くて音が大きくなってきたので壊れないか心配していた。修理ではなくお見積もりをご希望されている」と記載されている。また、お打合せ内容として「機能性の高い給湯器を希望している」と記載されている。
そして、「お客様サイン」の欄があり、こちらにお客様のサインを貰う。右下に営業担当者の氏名が印刷されている。
なお、営業端末30の撮像部37(図3参照)で、お客様のサインが記入されたお打合せシートの写真をとり、お打合せシート自体は顧客に渡して、お打合せシートの写真の画像情報を、ネットワーク90を介して管理サーバ10に送信する。依頼内容が記載されたお打合せシートの画像情報は、管理サーバ10が管理し、依頼情報DB901に依頼ごとに記憶させる。
【0055】
図14は、営業端末30に複数の見積が一覧で表示された際のユーザインターフェースの具体例である。図15は、営業端末30に一件の見積の詳細が表示された際のユーザインターフェースの具体例である。
図14は、図11の「見積参照」ボタン366を営業担当者がタップした際に営業端末30のユーザインターフェースに表示される具体例である。上部に「見積参照」と表示され、「見積参照」の表示の左側に「<」と表記されたボタン371が表示されている。ボタン371は、前の表示画面に戻るためのボタンであり、ボタン371をタップすると、例えば、図11のユーザインターフェースが表示される。
さらに、「案件番号検索」と表示され、その横に数字を入力できる入力欄372と、虫眼鏡が表記されたボタン373がある。図14の例では、入力欄372には、現在表示されている見積を識別する番号である「3128-97421」が表示されている。なお、入力欄372に他の見積を識別する番号を入力し、ボタン373をタップすると、その入力された番号に該当する見積が表示される。
【0056】
そして、「見積一覧」の表示と共に、見積が一覧形式で表示される。なお、ここで一覧形式とは、ユーザインターフェースの表示手段の表示領域に一覧の全体が一時に表示される表示形態の他にも、一覧の全体が一時に表示されなくとも、スクロールさせることで一覧の全体を認識できる表示形態も含む。
【0057】
見積の一覧形式の表示では、見積の概要を知るための情報として予め定められた項目を表示する。例えば、本実施の形態では、見積を識別するための番号と、本命情報と、見積を行った事案の種類と、見積作成者と、合計実販売価格と、値引・割引合計額と、が表示される。図14の例では、3件分の見積が表示されている。図14の見積一覧の一番上に表示されている見積は、見積の番号として「3128―97421―5」と記載があり、右側に本命であることを示す情報として丸が表示されている。なお、本命であることを示す丸は、作図の都合上色を付けることが出来ないが、赤色で表示され目立つ形態で表示される。事案の種類として「給湯器交換」と記載され、「見積製作者:芝 三郎」と表示される。さらに「合計実販売価格(税込):¥331,100」と表示され、「値引・割引合計額:¥0」と表示される。
また各見積に対応付けられて、「>」と表記されたボタン374a、374b、374cが表示される。このボタン374a―374cのボタンをタップすると、1件ごとの見積の詳細が表示される。
【0058】
図15は、見積の詳細を表示する画面の一例である。
ここでは、見積番号として「3128―97421―5」が表示される。見積番号の下の欄には、本命情報として赤丸の印が表示されている。見積結果として、「作成日」、「合計実販売価格」、「値引・割引合計額」、「見積作成者」、「製品名」、「製品番号」等が表示されている。また、関連する情報として、「案件状況」と「見積承認状況」と「見積承認要否」と、「工事概要」と、「請求先住所」と、「成約予定日」と、「承認日」等が表示されている。さらに、一番下の欄に「@」が表示される。この「@」が表示されている欄の右には、「>」が下向きに表記されたボタン381が表示されている。このボタン381をタップすると、「確認画面」が表示される。
【0059】
図16は、「確認画面」の表示の具体例と、確認された後の表示の具体例である。図16の「確認画面」には、「確認」及び「粗利率を開きます。よろしいですか?」のメッセージとともに「キャンセル」と表記されたボタン391と、「OK」と表記されたボタン392が表示される。「キャンセル」と表記されたボタン391をタップすると、確認画面の表示が消える。「OK」と表記されたボタン392をタップすると、確認画面の表示が消え、@(アットマーク)が表記されていた欄に粗利率が一定時間表示される。図16の具体例では、@(アットマーク)が表記されていた欄に「粗利率」、「57.1%」と表示される。ここで一定時間とは、情報を確認するのに要する時間として設定され、例えば、10秒間表示される。そして、一定時間表示されると、粗利率の表示が自動的に消える。
また、粗利率を表示するためにパスワードを入力する構成としてもよく、また、「@」を長押しする構成としてもよい。さらに、他にも顧客に提示することが適切でない情報を「@」欄に含める構成としてもよい。本実施の形態では、「@」欄の内容を営業担当者が確認でき、「@」欄の内容が非表示状態になっている画面を顧客に見せることで顧客に提示すべきでない情報を隠しつつ、顧客に見積情報を提供することが出来る。
【符号の説明】
【0060】
10…管理サーバ、30…営業端末、40…携帯型印刷機、50…見積端末、90…ネットワーク、101…依頼情報取得部、102…顧客情報取得部、103…商品情報取得部、104…見積依頼情報生成部、105…見積依頼報知部、106…見積情報取得部、107…見積報知部、301…依頼入力部、302…画像取得部、303…シート作成部、304…送信制御部、305…見積情報取得部、306…表示制御部、307…入力操作受付部、501…情報取得部、502…表示制御部、503…入力操作受付部、504…送信制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8-1】
図8-2】
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16