(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173518
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】プローブ
(51)【国際特許分類】
G01R 1/067 20060101AFI20231130BHJP
【FI】
G01R1/067 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022085828
(22)【出願日】2022-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000006758
【氏名又は名称】株式会社ヨコオ
(74)【代理人】
【識別番号】100136375
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 弘実
(74)【代理人】
【識別番号】100079290
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 隆
(72)【発明者】
【氏名】林 拓也
【テーマコード(参考)】
2G011
【Fターム(参考)】
2G011AA04
2G011AA09
2G011AB01
2G011AB03
2G011AB04
2G011AC14
2G011AC31
(57)【要約】
【課題】プランジャの内部側圧を確実に発生させて抵抗値の安定化を図る。
【解決手段】バレルの一端部に設けられる第1プランジャと、前記バレル内を摺動自在で、前記バレルの他端部から突出する第2プランジャと、前記第1プランジャと前記第2プランジャとを互いに離れる方向に付勢するスプリングとを備え、前記スプリングは、疎巻部と、この一端側に位置して前記第1プランジャに当接する第1座巻部と、他端側に位置して前記第2プランジャに当接する第2座巻部とを有し、前記第1座巻部の中心軸は、前記疎巻部の中心軸に対して第1の方向にオフセットし、かつ前記第2座巻部の中心軸は、前記疎巻部の中心軸に対して前記第1の方向とは反対の第2の方向にオフセットしている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性で中空のバレルと、
前記バレルの一方の端部に設けられる導電性の第1プランジャと、
前記バレル内を摺動自在で、前記バレルの他方の端部から突出する導電性の第2プランジャと、
前記バレル内に設けられ、前記第1プランジャと前記第2プランジャとを互いに離れる方向に付勢するスプリングと、を備え、
前記スプリングは、疎巻部と、前記疎巻部の一端側に位置して前記第1プランジャに当接する第1座巻部と、前記疎巻部の他端側に位置して前記第2プランジャに当接する第2座巻部と、を有し、
前記第1座巻部の中心軸は、前記疎巻部の中心軸に対して第1の方向にオフセットし、かつ前記第2座巻部の中心軸は、前記疎巻部の中心軸に対して前記第1の方向とは反対の第2の方向にオフセットしている、プローブ。
【請求項2】
前記第2プランジャは前記第2座巻部と係合する凸部を有する、請求項1に記載のプローブ。
【請求項3】
前記第1プランジャは前記第1座巻部と係合する凸部を有し、前記第2プランジャは前記第2座巻部と係合する凸部を有する、請求項1に記載のプローブ。
【請求項4】
前記疎巻部の外周端と、前記第1座巻部及び前記第2座巻部の外周端とは、前記第1座巻部及び前記第2座巻部の中心軸が、それぞれ前記疎巻部の中心軸に対してオフセットした方向の外側で揃っている、請求項1から3のいずれか一項に記載のプローブ。
【請求項5】
前記第1座巻部及び前記第2座巻部は、前記スプリングの中心軸に垂直な軸を回転支点として180°回転させたとき、前記疎巻部に対して同じ位置関係となる、請求項1から3のいずれか一項に記載のプローブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プローブに関する。
【背景技術】
【0002】
図1及び
図2は従来のプローブ5を示す。このプローブ5は、導電性で中空のバレル(チューブ)50の一方の端部に導電性の第1プランジャ60を固着し、バレル50の他方の端部から突出可能に導電性の第2プランジャ70を摺動自在に設けている。そして、プローブ5は、バレル50内の導電性のスプリング80で第2プランジャ70の先端部をバレル50から突出させる向きに付勢する構成である。
【0003】
この場合、スプリング80は両端部がテーパー状に小径となっていて、第1及び第2プランジャ60,70の基端側端面に形成された凸部61,71の外周にスプリング80の端部を係合させている。しかし、スプリング80の中間部に対して両端部を同心のテーパー状小径部とした構造であると、スプリング圧縮時の
図2から判るように、スプリング80が直線的にほぼ密着巻状態にまで縮む。側圧、つまりバレル50の内壁に第2プランジャ70の入管部72を押し付ける向きの側方の圧力を発生させることが困難である。このため、プローブ5の抵抗値、換言すれば、第1プランジャ60と第2プランジャ70間の抵抗値が安定しない。
【0004】
また、下記特許文献1には、ピンのスプリングに接触する部分(以下、ピン底面という)を円錐に加工するともに、ピンとチューブの穴で構成された空間内に、スプリングを設置したプローブピンが開示されている。この場合、スプリングは、径がほぼ等しい中央部分と、これに隣接しかつ徐々に径が小さくなりかつその中心軸が中央部分の中心軸から斜め方向にオフセットされたテーパ部分をもち、全体として湾曲した形状が特徴となっている。使用時にピン底面の円錐部とチューブ穴底面により、スプリングの両端が押し縮められると、ピンはスプリングのテーパ部分によってチューブの軸方向から傾斜した方向に荷重を受けるため、ピンは傾いた状態にあり、ピンがチューブ内壁に押し付けられることでスプリングの軸方向の圧縮量に応じた側圧を発生させている。但し、スプリングの構造は複雑で製造に手間がかかる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、
図1及び
図2に示す一般的なスプリング構造のプローブであると側圧を安定的に発生させることができず、プローブの抵抗値が安定しない。また、特許文献1のプローブピンの場合にはスプリング構造が複雑な場合の適用が難しい。
【0007】
本発明はこうした状況を認識してなされたものであり、その目的の一例は、比較的簡単なスプリング構造でプランジャの内部側圧を確実に発生させて抵抗値の安定化を図ったプローブを提供することにある。本発明の他の目的は、本明細書の記載から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、プローブであって、導電性で中空のバレルと、
前記バレルの一方の端部に設けられる導電性の第1プランジャと、
前記バレル内を摺動自在で、前記バレルの他方の端部から突出する導電性の第2プランジャと、
前記バレル内に設けられ、前記第1プランジャと前記第2プランジャとを互いに離れる方向に付勢するスプリングと、を備え、
前記スプリングは、疎巻部と、前記疎巻部の一端側に位置して前記第1プランジャに当接する第1座巻部と、前記疎巻部の他端側に位置して前記第2プランジャに当接する第2座巻部と、を有し、
前記第1座巻部の中心軸は、前記疎巻部の中心軸に対して第1の方向にオフセットし、かつ前記第2座巻部の中心軸は、前記疎巻部の中心軸に対して前記第1の方向とは反対の第2の方向にオフセットしている。
【0009】
本発明の上記態様によれば、比較的簡単なスプリング構造でプランジャの内部側圧を確実に発生させて抵抗値の安定化を図ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】従来のプローブであって、圧縮状態の縦断面図である。
【
図3】本発明に係るプローブの実施の形態1を示す縦断面図である。
【
図4】実施の形態1であって、圧縮状態の縦断面図である。
【
図5】
図4の要部を拡大した要部拡大断面図である。
【
図6】実施の形態1で用いるスプリングの正面図である。
【
図9】実施の形態1で示したプローブの使用例を示す説明図である。
【
図10】本発明に係るプローブの実施の形態2を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態を詳述する。なお、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理等には同一の符号を付し、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は発明を限定するものではなく例示であり、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0012】
図3から
図8を用いて本発明に係るプローブの実施の形態1を説明する。
図3は本発明に係るプローブの実施の形態1を示す縦断面図、
図4は同じく圧縮状態の縦断面図、
図5は
図4の要部を拡大した要部拡大断面図である。これらの図に示すように、プローブ1は、導電性で中空のバレル(チューブ)10の一方の端部に導電性の第1プランジャ20を固着し、バレル10の他方の端部から突出可能に導電性の第2プランジャ30を摺動自在に設けている。スプリング40は、第1プランジャ20と第2プランジャ30とを互いに離れる方向に付勢する。そして、プローブ1は、バレル10内の導電性のスプリング40で第2プランジャ30の先端部をバレル10から突出させる向きに付勢する構成である。但し、スプリング40の構成が
図1及び
図2に示した従来例とは大きく異なっている。
【0013】
図6は外力が無いときのスプリング40の正面図、
図7は左側面図、
図8は右側面図である。これらの図に示すように、スプリング40は弾性金属線を巻回した導電性のコイルスプリングであり、一定の外径となるように巻かれた疎巻部41と、疎巻部41の一端側に位置して第1プランジャ20に当接する第1座巻部42と、疎巻部41の他端側に位置して第2プランジャ30に当接する第2座巻部43とを有する。疎巻部41は圧縮バネとして機能する有効巻部である。第1座巻部42及び第2座巻部43は疎巻部41よりも小径であり、例えば密巻きである。
図7及び
図8からわかるように、第1座巻部42の中心軸aは、疎巻部41の中心軸cに対して第1の方向にオフセットし、かつ疎巻部41の外周端と第1座巻部42の外周端とは、疎巻部41の中心軸cに対してオフセットする第1の方向の外側で揃っている。第2座巻部43の中心軸bは、疎巻部41の中心軸cに対して前記第1の方向とは反対の第2の方向にオフセットし、かつ疎巻部41の外周端と第2座巻部43の外周端とは、疎巻部41の中心軸cに対してオフセットする第2の方向の外側で揃っている。
【0014】
プローブ1において、バレル10は円柱状中空部を有し、バレル10の一方の端部に設けられる第1プランジャ20は、フランジ部21と、バレル10の一方の端部と嵌合する基端側の入管部22と、バレル10の外側に突出する先端部25とを有する。先端部25は尖った突起部26を複数有している。入管部22はフランジ部21よりも小径であって、入管部22の中間位置にはその外周を周回する凹溝23が形成されている。そして、バレル10の加工(例えばポンチ加工)により、バレル10の内周に凹溝23と係合する凸部11を形成することで、バレル10に対して第1プランジャ20を固定している。なお、第1プランジャ20の基端側端面にはスプリング40と係合する凸部は存在しない。
【0015】
中空のバレル10の他方の端部に設けられる第2プランジャ30は、基端側の入管部31と、入管部31よりも小径の先端部35とを有する。入管部31はバレル10の円柱状中空部内壁に対して摺動自在な摺動部31aと、その基端側に形成されたテーパ状面取り部31bとを有する。入管部31は、バレル10端部のかしめ部12により、バレル10から外れないように保持される。第2プランジャ30はその基端側端面に形成された凸部32を有する。凸部32は例えば第2プランジャ30の中心軸30aと同心の円柱状でありスプリング40の第2座巻部43が嵌まり易いように先端側が先細のテーパとなっている。
【0016】
第1座巻部42は第1プランジャ20の平坦な基端側端面に当接している。第2座巻部43は、第2プランジャ30の基端側端面に当接して第2プランジャ30の先端部35をバレル10から突出する向きに付勢するとともに、第2プランジャ30の凸部32の基部の片側(
図5では基部の下側)と係合して第2プランジャ30を傾ける向きの力を発生する。つまり、
図2Cのスプリング圧縮状態の拡大断面図において、スプリング40の疎巻部41は略菱形状に縮むため、バレル10の中心軸10aに対して傾いて縮むことになる。このため、スプリング40側からみたとき、第2座巻部43は第2プランジャ30をバレル10の中心軸10aに対し傾いた力Faで押すことになる。力Faは側圧成分Fa1とバレル10の中心軸10aに平行な側圧に寄与しない成分Fa2とに分解でき、側圧成分Fa1が発生することが判る。また、スプリング40を圧縮する第2プランジャ30側からみたとき、第2プランジャ30はスプリング40をバレル10の中心軸10aに対し傾いた力Fbで押すことになる。力Fbは側圧成分Fb1とバレル10の中心軸10aに平行な側圧に寄与しない成分Fb2とに分解でき、側圧成分Fb1が発生することが判る。この側圧成分により入管部31の摺動部31aの基端側部分が確実にバレル10の内壁に接触する。
【0017】
以上の実施の形態1の構成において、
図3の無荷重の状態であってもスプリング40の第1座巻部42が疎巻部41に対して第1の方向にオフセットし、第2座巻部43が疎巻部41に対して第2の方向にオフセットしていることに起因して、疎巻部41はバレル10の中心軸10aに対して傾き、側圧を発生する。この結果、第2プランジャ30の中心軸30aが、バレル10の中心軸10aに対して傾く方向に力が加わり、第2プランジャ30の摺動部31aの基端側部分がバレル10の内壁に接触する。このため、プローブ1の抵抗値、つまり第1プランジャ20と第2プランジャ30間の抵抗値は十分低く保持される。また、
図4及び
図5のように荷重によって第2プランジャ30の先端部25が押し込まれた状態では、スプリング40の疎巻部41は略菱形状に縮むため、バレル10の中心軸10aに対して傾き、第2座巻部43を介して第2プランジャ30の凸部32にオフセット方向の力が加わり側圧が発生する。この場合も同様に、第1プランジャ20と第2プランジャ30間の抵抗値は十分低く保持される。
【0018】
図9は実施の形態1に示したプローブ1の使用例を示す説明図である。この場合、プローブ1は絶縁支持体100を有するソケット90に組み込まれている。絶縁支持体100は貫通孔101aを有する第1絶縁支持体101と、貫通孔102aを有する第2絶縁支持体102とを重ねた構造であり、貫通孔101a及び貫通孔102a内にプローブ1が脱落しないように保持されている。
【0019】
ソケット90を使用して半導体等の検査対象物110の検査を行う場合、第1プランジャ20の突起部26が検査対象物110のバンプ111に押された状態で接触し、第2プランジャ30の先端部35が検査用基板120の電極121に当接する。これにより、プローブ1を介して検査対象物110のバンプ111と検査用基板120間を電気接続する。
【0020】
本実施の形態によれば、下記の効果を奏することができる。
【0021】
(1) バレル10内のスプリング40には、疎巻部41の一端側及び他端側に疎巻部41よりも小径の第1座巻部42及び第2座巻部43がそれぞれ設けられ、第1座巻部42の中心軸aは、疎巻部41の中心軸cに対して第1の方向にオフセットし、かつ第2座巻部43の中心軸bは、中心軸cに対して前記第1の方向とは反対の第2の方向にオフセットしている。このため、疎巻部41はその中心軸cがバレル10の中心軸10aに対して傾いた状態で圧縮される。この結果、バレル10に摺動自在に設けられた第2プランジャ30をバレル内壁方向に押す内部側圧が発生し、プローブ1の抵抗値、つまり第1プランジャ20と第2プランジャ30間の抵抗値を安定的に低い値に維持できる。従来のプローブではスプリングの撓みが発生しにくく、抵抗値が安定しなかったが、本実施の形態の構造では側圧を確実に発生させて安定した低抵抗値を実現できる。
【0022】
(2) 第2プランジャ30は、スプリング40の第2座巻部43が当接する基端側端面を有するが、さらに基端側端面から突出する凸部32を有する。この凸部32に第2座巻部43が係合して第2座巻部43のオフセット方向に力を加えるため、より確実に側圧を発生できる。なお、第1プランジャ20はバレル10に固定されており、その基端側端面は凸部の無い平坦面でよい。平坦面であっても、
図3,
図4及び
図5のようにスプリング40はバレル10の中心軸10aに対して傾いた状態で安定する。
【0023】
(3) 凸部32は先端側に向けてテーパ状に小径となっているため、スプリング40の第2座巻部43が嵌まりやすく、組立作業性が良い。
【0024】
(4) スプリング40の第1座巻部42及び第2座巻部43は、スプリング40の中心軸(疎巻部41の中心軸cと考えて良い)に垂直な軸を回転支点として180°回転しても疎巻部41に対して同じ位置関係となるため、天地逆さでも同じ性能が出るため組立性がよい。組立時にスプリング40のバレル10への挿入方向に配慮する必要が無い。
【0025】
(5) スプリング40の疎巻部41の外周端と、第1座巻部42の外周端とは、第1座巻部42の中心軸が疎巻部41の中心軸に対してオフセットした方向の外側で揃っている。すなわち、
図3等では、第1座巻部42の下方が疎巻部41の左下方と揃っている。また、スプリング40の疎巻部41の外周端と、第2座巻部43の外周端とは、第2座巻部43の中心軸が疎巻部41の中心軸に対してオフセットした方向の外側で揃っている。すなわち、
図3等では、第2座巻部43の上方が疎巻部41の右上方と揃っている。以上のことから、第1座巻部42及び第2座巻部43の中心軸が、それぞれ疎巻部41の中心軸に対してオフセットしたオフセット量を大きくでき、プローブ1の製造も容易である
【0026】
図10は、本発明に係るプローブの実施の形態2を示す。この場合、プローブ2の第1プランジャ20Aはバレル10に固定ではなく、第2プランジャ30と同様の構造を有してバレル10に対して摺動自在である。その他の構成は前述の実施の形態1と同様である。
【0027】
実施の形態2の構成では、第1プランジャ20A及び第2プランジャ30共に可動であるため、伸縮のストロークを大きくすることが可能となる。その他の効果は実施の形態1に準ずる。
【0028】
以上、実施の形態を例に本発明を説明したが、実施の形態の各構成要素や各処理プロセスには請求項に記載の範囲で種々の変形が可能であることは当業者に理解されるところである。以下、変形例について触れる。
【0029】
実施の形態1では、バレルと第1プランジャが別部品である場合を説明したが、第1プランジャがバレルと一体に一部品で形成されたバレル・プランジャ構造であってもよい。また、独立したバレルが無い構成であってもよい。
【0030】
実施の形態1では、第1プランジャは先端部に尖った突起部を複数有している場合を図示したが、突起部は1個でもよく、その形状及び配置は検査対象物のバンプ若しくは電極等に対応させて適宜変更可能である。
【0031】
実施の形態1及び2では、スプリング40を第1プランジャ20(20A)から見たときに、スプリング40が右巻きになっている場合を図示したが、左巻きであってもよい。
【0032】
本明細書によれば、以下の態様のプローブが提供される。
(態様1)
態様1は、導電性で中空のバレルと、
前記バレルの一方の端部に設けられる導電性の第1プランジャと、
前記バレル内を摺動自在で、前記バレルの他方の端部から突出する導電性の第2プランジャと、
前記バレル内に設けられ、前記第1プランジャと前記第2プランジャとを互いに離れる方向に付勢するスプリングと、を備え、
前記スプリングは、疎巻部と、前記疎巻部の一端側に位置して前記第1プランジャに当接する第1座巻部と、前記疎巻部の他端側に位置して前記第2プランジャに当接する第2座巻部と、を有し、
前記第1座巻部の中心軸は、前記疎巻部の中心軸に対して第1の方向にオフセットし、かつ前記第2座巻部の中心軸は、前記疎巻部の中心軸に対して前記第1の方向とは反対の第2の方向にオフセットしている、プローブである。
【0033】
上述の態様1によれば、前記第2プランジャを前記バレル内壁方向に押す内部側圧を発生させて、プローブの抵抗値、つまり前記第1プランジャと前記第2プランジャ間の抵抗値を安定的に低い値に維持できる。
【0034】
(態様2)
態様2は、前記第2プランジャは前記第2座巻部と係合する凸部を有する。
【0035】
上述の態様2によれば、前記第2プランジャ側の凸部に前記第2座巻部が係合して前記第2座巻部のオフセット方向に力を加えるため、より確実に側圧を発生できる。
【0036】
(態様3)
態様3は、前記第1プランジャは前記第1座巻部と係合する凸部を有し、前記第2プランジャは前記第2座巻部と係合する凸部を有する。
【0037】
上述の態様3によれば、前記第1及び第2プランジャが前記バレル内を摺動自在な場合においても、前記第1プランジャ側の凸部に前記第1座巻部が係合して前記第1座巻部のオフセット方向に力を加えるとともに、前記第2プランジャ側の凸部に前記第2座巻部が係合して前記第2座巻部のオフセット方向に力を加えるため、第1及び第2プランジャの両側において確実に側圧を発生できる。
【0038】
(態様4)
態様4は、前記疎巻部の外周端と、前記第1座巻部及び前記第2座巻部の外周端とは、前記第1座巻部及び前記第2座巻部の中心軸が、それぞれ前記疎巻部の中心軸に対してオフセットした方向の外側で揃っている。
【0039】
上述の態様4によれば、前記疎巻部に対する前記第1及び第2座巻部のオフセット量を大きくでき、製造も容易である。
【0040】
(態様5)
態様5は、前記第1座巻部及び前記第2座巻部が、前記スプリングの中心軸に垂直な軸を回転支点として180°回転させたとき、前記疎巻部に対して同じ位置関係となる。
【0041】
上述の態様5によれば、前記スプリングが天地逆さでも同じ性能が出るため組立性がよい。組立時に前記スプリングの前記バレルへの挿入方向に配慮する必要が無い。
【符号の説明】
【0042】
1,2 プローブ
10 バレル
10a バレルの中心軸
20,20A 第1プランジャ
30 第2プランジャ
30a 第2プランジャの中心軸
40 スプリング
41 疎巻部
42 第1座巻部
43 第2座巻部
a 第1座巻部の中心軸
b 第2座巻部の中心軸
c 疎巻部の中心軸