(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173545
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】水素ステーション
(51)【国際特許分類】
F17C 5/06 20060101AFI20231130BHJP
H01M 8/04 20160101ALI20231130BHJP
H01M 8/0438 20160101ALI20231130BHJP
H01M 8/04746 20160101ALI20231130BHJP
【FI】
F17C5/06
H01M8/04 J
H01M8/0438
H01M8/04746
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022085875
(22)【出願日】2022-05-26
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000936
【氏名又は名称】弁理士法人青海国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古田 博貴
(72)【発明者】
【氏名】西井 匠
(72)【発明者】
【氏名】石倉 威文
【テーマコード(参考)】
3E172
5H127
【Fターム(参考)】
3E172AA02
3E172AA05
3E172AB01
3E172BA01
3E172BA04
3E172BB13
3E172BB17
3E172BD03
3E172BD05
3E172EA02
3E172EA12
3E172EA14
3E172EA16
3E172EA22
3E172EA24
3E172EA26
3E172EA35
3E172EA51
3E172EB02
3E172EB08
3E172EB20
5H127AB04
5H127AC07
5H127AC15
5H127BA02
5H127BA22
5H127BA59
5H127DB77
5H127DC82
5H127FF20
(57)【要約】
【課題】低コストで効率よく水素を充填する。
【解決手段】水素ステーション100は、水素源から出力された水素を昇圧する圧縮機120と、流量調整弁CV、および、流量調整弁CVと車両10のタンク12とを接続可能に設けられる接続流路142を有するディスペンサー140と、圧縮機120の吐出側と、流量調整弁CVとを接続する主流路130と、主流路130に設けられる蓄圧器150と、主流路130における圧縮機120と蓄圧器150との間に流入口が接続され、主流路130における蓄圧器150と流量調整弁CVとの間に流出口が接続されるバイパス流路160と、タンク12の圧力を取得する圧力取得部と、を備え、圧縮機120の最大吐出圧P1、蓄圧器150の常用圧力P2、タンク12への最終充填圧力P3は、以下の式(1)を満たす。
P1≧P3>P2 …式(1)
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素源から出力された水素を昇圧する圧縮機と、
流量調整弁、および、前記流量調整弁と車両のタンクとを接続可能に設けられる接続流路を有するディスペンサーと、
前記圧縮機の吐出側と、前記流量調整弁とを接続する主流路と、
前記主流路に設けられる蓄圧器と、
前記主流路における前記圧縮機と前記蓄圧器との間に流入口が接続され、前記主流路における前記蓄圧器と前記流量調整弁との間に流出口が接続されるバイパス流路と、
前記タンクの圧力を取得する圧力取得部と、
を備え、
前記圧縮機の最大吐出圧P1、前記蓄圧器の常用圧力P2、前記タンクへの最終充填圧力P3は、以下の式(1)を満たす、水素ステーション。
P1≧P3>P2 …式(1)
【請求項2】
前記圧力取得部によって取得された前記タンクの圧力に基づいて、差圧充填状態と直接充填状態とに切り換える切換制御部を備え、
前記差圧充填状態は、
前記蓄圧器に貯留された水素を、前記流量調整弁、および、前記接続流路を介して、前記タンクに供給する状態であり、
前記直接充填状態は、
前記圧縮機から吐出された水素を、前記バイパス流路、前記流量調整弁、および、前記接続流路を介して、前記タンクに供給する状態であり、
前記切換制御部は、
前記タンクにおける水素の充填率が第1閾値未満である場合、前記差圧充填状態とし、
前記タンクにおける水素の充填率が前記第1閾値以上であり、かつ、前記タンクの昇圧率が第2閾値以下である場合、前記直接充填状態とする、請求項1に記載の水素ステーション。
【請求項3】
前記差圧充填状態である場合に、前記タンクの昇圧率が規定値範囲内であるか否かを判定する昇圧率判定部と、
前記昇圧率判定部によって前記タンクの昇圧率が前記規定値範囲外であると判定されると、前記タンクの昇圧率が前記規定値範囲内となるように、前記流量調整弁の開度を制御する開度制御部と、
を備える、請求項2に記載の水素ステーション。
【請求項4】
前記差圧充填状態である場合であって、所定期間に亘って前記タンクの昇圧率が前記規定値範囲外である場合に、前記接続流路と前記タンクとの接続を解除する接続制御部を備える、請求項3に記載の水素ステーション。
【請求項5】
前記昇圧率判定部は、前記直接充填状態である場合、前記昇圧率の判定を不実行とする、請求項3または4に記載の水素ステーション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のタンクに水素を充填する水素ステーションに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、差圧充填方式の水素ステーションが開発されている。差圧充填方式の水素ステーションは、圧縮機によって昇圧された水素を蓄圧する高圧蓄圧器を備え、高圧蓄圧器と車両のタンクとの圧力差(差圧)によって、高圧蓄圧器から車両のタンクへ水素が充填される(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記したように、従来の差圧充填方式の水素ステーションでは、高圧蓄圧器と車両のタンクとの差圧によって水素を充填するため、高圧蓄圧器の常用圧力を車両のタンクの最高充填圧力より高くする必要がある。このため、高圧蓄圧器のコストが高くなるという問題がある。
【0005】
本発明は、低コストで効率よく水素を充填することが可能な水素ステーションを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の水素ステーションは、水素源から出力された水素を昇圧する圧縮機と、流量調整弁、および、流量調整弁と車両のタンクとを接続可能に設けられる接続流路を有するディスペンサーと、圧縮機の吐出側と、流量調整弁とを接続する主流路と、主流路に設けられる蓄圧器と、主流路における圧縮機と蓄圧器との間に流入口が接続され、主流路における蓄圧器と流量調整弁との間に流出口が接続されるバイパス流路と、タンクの圧力を取得する圧力取得部と、を備え、圧縮機の最大吐出圧P1、蓄圧器の常用圧力P2、タンクへの最終充填圧力P3は、以下の式(1)を満たす。
P1≧P3>P2 …式(1)
【0007】
また、上記水素ステーションは、圧力取得部によって取得されたタンクの圧力に基づいて、差圧充填状態と直接充填状態とに切り換える切換制御部を備え、差圧充填状態は、蓄圧器に貯留された水素を、流量調整弁、および、接続流路を介して、タンクに供給する状態であり、直接充填状態は、圧縮機から吐出された水素を、バイパス流路、流量調整弁、および、接続流路を介して、タンクに供給する状態であり、切換制御部は、タンクにおける水素の充填率が第1閾値未満である場合、差圧充填状態とし、タンクにおける水素の充填率が第1閾値以上であり、かつ、タンクの昇圧率が第2閾値以下である場合、直接充填状態としてもよい。
【0008】
また、上記水素ステーションは、差圧充填状態である場合に、タンクの昇圧率が規定値範囲内であるか否かを判定する昇圧率判定部と、昇圧率判定部によってタンクの昇圧率が規定値範囲外であると判定されると、タンクの昇圧率が規定値範囲内となるように、流量調整弁の開度を制御する開度制御部と、を備えてもよい。
【0009】
また、上記水素ステーションは、差圧充填状態である場合であって、所定期間に亘ってタンクの昇圧率が規定値範囲外である場合に、接続流路とタンクとの接続を解除する接続制御部を備えてもよい。
【0010】
また、昇圧率判定部は、直接充填状態である場合、昇圧率の判定を不実行としてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、低コストで効率よく水素を充填することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施形態に係る水素ステーションを説明する図である。
【
図2】本実施形態に係る中央制御部の機能ブロック図である。
【
図3】本実施形態の水素ステーションの運転処理の流れを示すフローチャートである。
【
図4】本実施形態の水素ステーションの充填処理の流れを示す第1のフローチャートである。
【
図5】本実施形態の水素ステーションの充填処理の流れを示す第2のフローチャートである。
【
図6】本実施形態の水素ステーションの充填処理の流れを示す第3のフローチャートである。
【
図7】変形例に係る水素ステーションを説明する図である。
【
図8】変形例に係る中央制御部の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0014】
[水素ステーション100]
図1は、本実施形態に係る水素ステーション100を説明する図である。
図1に示すように、水素ステーション100は、車両10に搭載されたタンク12に水素を充填(供給)する。車両10は、燃料電池を搭載した車両であり、例えば、乗用車、バス、トラック、バイク(二輪車)である。
【0015】
図1に示すように、水素ステーション100は、水素源110と、圧縮機120と、主流路130と、ディスペンサー140と、蓄圧器150と、バイパス流路160と、中央制御部170とを含む。なお、
図1中、破線の矢印は、信号の流れを示す。
【0016】
水素ステーション100は、オンサイト型であってもオフサイト型であってもよい。水素ステーション100がオンサイト型である場合、水素源110は、例えば、水素製造装置や、水電解装置である。水素製造装置は、例えば、都市ガス、液化石油ガス(LPG:Liquefied Petroleum Gas)等の化石燃料から純度の高い水素を製造して出力する。水素製造装置は、例えば、300Nm3/hで水素を出力する。水素ステーション100がオフサイト型である場合、水素源110は、例えば、水素トレーラの水素貯蔵容器である。
【0017】
圧縮機120は、水素源110から出力された水素を昇圧(圧縮)する。圧縮機120の吸入側は、水素源110に接続される。圧縮機120の吐出側は、主流路130を介して、ディスペンサー140の流量調整弁CVに接続される。水素ステーション100がオンサイト型であり、水素源110が水素製造装置である場合、圧縮機120の定格流量は、例えば、水素製造装置の水素製造能力(例えば、300Nm3/h)以上である。一方、水素ステーション100がオフサイト型である場合、圧縮機120の定格流量に限定はない。
【0018】
ディスペンサー140は、車両10のタンク12に水素を充填する。ディスペンサー140は、流量調整弁CVと、接続流路142とを含む。流量調整弁CVは、接続流路142に出力される水素の流量を調整する。流量調整弁CVは、後述する開度制御部218によって開度が制御される。接続流路142は、流量調整弁CVと車両10のタンク12とを接続可能に設けられる。なお、本実施形態において、車両10内において、タンク12の上流側には逆止弁SV1が設けられる。接続流路142は、逆止弁SV1に接続される。逆止弁SV1は、タンク12から接続流路142への水素の逆流を防止する。
【0019】
蓄圧器150は、主流路130に設けられる。蓄圧器150は、水素源110から出力され、圧縮機120によって昇圧された水素を貯留する。
【0020】
バイパス流路160は、主流路130における圧縮機120と蓄圧器150との間に流入口が接続され、主流路130における蓄圧器150と流量調整弁CVとの間に流出口が接続される。
【0021】
主流路130における圧縮機120と蓄圧器150との間には、開閉弁V1が設けられる。主流路130における蓄圧器150と流量調整弁CVとの間には、開閉弁V2が設けられる。バイパス流路160には、開閉弁V3が設けられる。開閉弁V1~V3は、後述する切換制御部214によって開閉される。また、主流路130における蓄圧器150と開閉弁V2との間には、逆止弁SV2が設けられる。逆止弁SV2は、バイパス流路160から蓄圧器150への水素の逆流、および、タンク12から蓄圧器150への水素の逆流を防止する。
【0022】
なお、本実施形態に係る水素ステーション100において、圧縮機120の最大吐出圧P1、蓄圧器150の常用圧力(最大許容圧力)P2、タンク12への最終充填圧力P3は、以下の式(1)を満たす。
P1≧P3>P2 …式(1)
圧縮機120の最大吐出圧P1は、例えば、45MPaである。蓄圧器150の常用圧力P2は、例えば、40MPaである。
【0023】
中央制御部170は、CPU(中央処理装置)を含む半導体集積回路で構成される。中央制御部170は、ROMからCPUを動作させるためのプログラムやパラメータ等を読み出す。中央制御部170は、ワークエリアとしてのRAMや他の電子回路と協働して水素ステーション100全体を管理および制御する。
【0024】
図2は、本実施形態に係る中央制御部170の機能ブロック図である。
図2に示すように、中央制御部170は、圧力取得部210、充填率判定部212、切換制御部214、昇圧率判定部216、開度制御部218、接続制御部220として機能する。
【0025】
圧力取得部210は、車両10のタンク12の最高充填圧力(最大許容圧力)を取得する。また、圧力取得部210は、車両10のタンク12の現在の圧力を取得する。
【0026】
充填率判定部212は、タンク12の最高充填圧力と、タンク12の現在の圧力と、タンク12の現在の温度とに基づき、タンク12における水素の充填率[%]を算出する。また、充填率判定部212は、水素の充填率が第1閾値以上であるか否かを判定する。なお、第1閾値は、例えば、50%である。
【0027】
切換制御部214は、圧力取得部210によって取得された、タンク12の最高充填圧力および現在の圧力から計算される、タンク12における水素の充填率およびタンク12の昇圧率に基づいて、差圧充填状態と直接充填状態とに切り換える。差圧充填状態は、蓄圧器150に貯留された水素を、主流路130、流量調整弁CV、および、接続流路142を介して、タンク12に供給する状態である。直接充填状態は、圧縮機120から吐出された水素を、バイパス流路160、流量調整弁CV、および、接続流路142を介して、タンク12に供給する状態である。
【0028】
本実施形態において、切換制御部214は、圧縮機120を動作させるとともに、開閉弁V1、V2を開弁し、開閉弁V3を閉弁して、差圧充填状態とする。なお、差圧充填状態の際、圧縮機120を動作させずともよい。また、切換制御部214は、圧縮機120を動作させるとともに、開閉弁V3を開弁し、開閉弁V1、V2を閉弁して、直接充填状態とする。
【0029】
切換制御部214は、タンク12における水素の充填率が第1閾値未満である場合、差圧充填状態とする。また、切換制御部214は、タンク12における水素の充填率が第1閾値以上であり、かつ、タンク12の昇圧率が第2閾値以下である場合、直接充填状態とする。また、第2閾値は、例えば、圧縮機120によってタンク12に直接水素を充填した場合の昇圧率に設定される。本実施形態において、第2閾値は、例えば、8MPa/分である。本実施形態において、切換制御部214は、圧力取得部210によって取得されたタンク12の最高充填圧力および現在の圧力と、タンク12内の温度とに基づいて、タンク12における水素の充填率を算出する。
【0030】
昇圧率判定部216は、差圧充填状態である場合に、タンク12の昇圧率が規定値範囲内であるか否かを判定する。規定値範囲は、充填プロトコル(充填技術基準)によって決定される。また、昇圧率判定部216は、直接充填状態である場合、昇圧率の判定を不実行とする。
【0031】
開度制御部218は、昇圧率判定部216によってタンク12の昇圧率が規定値範囲外であると判定されると、タンク12の昇圧率が規定値範囲内となるように、流量調整弁CVの開度を制御する。
【0032】
接続制御部220は、差圧充填状態である場合であって、所定期間に亘ってタンク12の昇圧率が規定値範囲外である場合に、接続流路142とタンク12との接続を解除する。所定期間は、例えば、15秒である。
【0033】
[水素ステーション100の運転処理]
続いて、上記水素ステーション100の運転処理について説明する。
図3は、本実施形態の水素ステーション100の運転処理の流れを示すフローチャートである。
図3に示すように、水素ステーション100の運転処理は、タンク圧力取得処理S110と、差圧充填切換処理S120と、充填処理S130とを含む。本実施形態においてユーザによる操作入力に応じて、ディスペンサー140の接続流路142が車両10のタンク12に接続されたら、当該運転処理が開始される。
【0034】
[タンク圧力取得処理S110]
圧力取得部210は、例えば、車両10の通信手段と通信を確立して、車両10のタンク12の最高充填圧力PTと、現在のタンク12の圧力とを取得する。
【0035】
[差圧充填切換処理S120]
切換制御部214は、開閉弁V1、V2を開弁し、開閉弁V3を閉弁して、差圧充填状態とする。また、切換制御部214は、圧縮機120の動作を開始させる。
【0036】
[充填処理S130]
中央制御部170は、車両10のタンク12への水素の充填を行う。
図4は、本実施形態の水素ステーション100の充填処理S130の流れを示す第1のフローチャートである。
図5は、本実施形態の水素ステーション100の充填処理S130の流れを示す第2のフローチャートである。
図6は、本実施形態の水素ステーション100の充填処理S130の流れを示す第3のフローチャートである。
図4~
図6に示すように、本実施形態に係る充填処理S130は、充填率判定処理S210と、第1昇圧率判定処理S212と、終了条件判定処理S214と、接続解除処理S216と、上限値判定処理S220と、最小値判定処理S222と、最大値判定処理S224と、期間判定処理S226と、第1流量制御処理S228と、第2昇圧率判定処理S230と、直接充填切換処理S232と、第2流量制御処理S234とを含む。以下、各処理について説明する。
【0037】
[充填率判定処理S210]
充填率判定部212は、タンク12における水素の充填率が第1閾値未満であるか否かを判定する。その結果、第1閾値未満であると判定した場合(S210におけるYES)、充填率判定部212は、第1昇圧率判定処理S212に処理を移す。一方、第1閾値未満ではない、つまり、第1閾値以上であると判定した場合(S210におけるNO)、充填率判定部212は、第2昇圧率判定処理S230に処理を移す(
図6参照)。
【0038】
[第1昇圧率判定処理S212]
昇圧率判定部216は、タンク12の昇圧率が規定値範囲内であるか否かを判定する。その結果、規定値範囲内であると判定した場合(S212におけるYES)、昇圧率判定部216は、終了条件判定処理S214に処理を移す。一方、規定値範囲内ではない、つまり、規定値範囲外(規定値範囲の上限値超、または、規定値範囲の下限値未満)であると判定した場合(S212におけるNO)、昇圧率判定部216は、上限値判定処理S220に処理を移す(
図5参照)。
【0039】
[終了条件判定処理S214]
中央制御部170は、終了条件を満たすか否かを判定する。終了条件は、例えば、車両10のタンク12が、充填プロトコルで定められる目標圧力に到達すること、車両10のタンク12の圧力(最終充填圧力P3)が圧縮機120の最大吐出圧P1に到達すること、および、車両10のタンク12の昇圧率が所定値を下回ることのうちのいずれかである。所定値は、目標とされる充填時間に基づいて決定される。所定値は、例えば、2MPa/分である。
【0040】
その結果、終了条件を満たすと判定した場合(S214におけるYES)、中央制御部170は、接続解除処理S216に処理を移す。一方、終了条件を満たさないと判定した場合(S214におけるNO)、中央制御部170は、充填率判定処理S210からの処理を繰り返す。
【0041】
[接続解除処理S216]
接続制御部220は、開閉弁V2、V3を閉弁し、接続流路142とタンク12との接続を解除する。また、接続制御部220は、蓄圧器150の圧力が常用圧力になるまで、圧縮機120の動作を維持し、蓄圧器150の圧力が常用圧力に到達したら(蓄圧器150が満蓄となったら)、圧縮機120の動作を停止する。そして、接続制御部220は、開閉弁V1を閉弁する。
【0042】
[上限値判定処理S220]
図5に示すように、昇圧率判定部216は、タンク12の昇圧率が、規定値範囲外のうちの、規定値範囲の上限値超であるか、規定値範囲の下限値未満であるかを判定する。その結果、規定値範囲の上限値超であると判定した場合(S220におけるYES)、昇圧率判定部216は、最小値判定処理S222に処理を移す。一方、規定値範囲の上限値超ではない、つまり、規定値範囲の下限値未満であると判定した場合(S220におけるNO)、昇圧率判定部216は、最大値判定処理S224に処理を移す。
【0043】
[最小値判定処理S222]
開度制御部218は、流量調整弁CVの開度が最小値であるか否かを判定する。その結果、流量調整弁CVの開度が最小値であると判定した場合(S222におけるYES)、開度制御部218は、期間判定処理S226に処理を移す。一方、流量調整弁CVの開度が最小値ではない、つまり、流量調整弁CVの開度が最小値超であると判定した場合(S222におけるNO)、開度制御部218は、第1流量制御処理S228に処理を移す。
【0044】
[最大値判定処理S224]
開度制御部218は、流量調整弁CVの開度が最大値であるか否かを判定する。その結果、流量調整弁CVの開度が最大値であると判定した場合(S224におけるYES)、開度制御部218は、期間判定処理S226に処理を移す。一方、流量調整弁CVの開度が最大値ではない、つまり、流量調整弁CVの開度が最大値未満であると判定した場合(S224におけるNO)、開度制御部218は、第1流量制御処理S228に処理を移す。
【0045】
[期間判定処理S226]
接続制御部220は、所定期間に亘ってタンク12の昇圧率が規定値範囲外であるか否かを判定する。本実施形態において、接続制御部220は、昇圧率が規定値範囲の上限値超となり、流量調整弁CVの開度が最小値となってから所定期間が経過したか、または、昇圧率が規定値範囲の下限値未満となり、流量調整弁CVの開度が最大値となってから所定期間が経過したかを判定する。その結果、所定期間が経過した(所定期間に亘ってタンク12の昇圧率が規定値範囲外である)と判定した場合(S226におけるYES)、接続制御部220は、接続解除処理S216に処理を移す(
図4参照)。一方、所定期間が経過していない(タンク12の昇圧率が規定値範囲外である期間が所定期間未満である)と判定した場合(S226におけるNO)、接続制御部220は、充填率判定処理S210からの処理を繰り返す(
図4参照)。
【0046】
[第1流量制御処理S228]
開度制御部218は、タンク12の昇圧率が規定値範囲内となるように、流量調整弁CVの開度を制御して、終了条件判定処理S214に処理を移す(
図4参照)。
【0047】
[第2昇圧率判定処理S230]
図6に示すように、昇圧率判定部216は、車両10のタンク12の昇圧率が第2閾値以下であるか否かを判定する。その結果、タンク12の昇圧率が第2閾値以下であると判定した場合(S230におけるYES)、切換制御部214は、直接充填切換処理S232に処理を移す。一方、タンク12の昇圧率が第2閾値以下ではない、つまり、タンク12の昇圧率が第2閾値超であると判定した場合(S230におけるNO)、切換制御部214は、終了条件判定処理S214に処理を移す(
図4参照)。
【0048】
[直接充填切換処理S232]
切換制御部214は、開閉弁V1、V2を閉弁し、開閉弁V3を開弁して、差圧充填状態から直接充填状態へ切り換える。
【0049】
[第2流量制御処理S234]
開度制御部218は、流量調整弁CVの開度を最大値に調整し、終了条件判定処理S214に処理を移す(
図4参照)。
【0050】
以上説明したように、本実施形態の水素ステーション100では、車両10のタンク12への水素の充填を、まず、差圧充填状態とする。差圧充填状態を実行している期間が経過するにつれて、蓄圧器150の圧力がタンク12の圧力に近づくことにより、タンク12の昇圧率が低下する。そして、タンク12の昇圧率が第2閾値以下となったら、切換制御部214は、直接充填状態に切り換える。これにより、圧縮機120の最大吐出圧P1、蓄圧器150の常用圧力P2、および、タンク12への最終充填圧力P3が、上記の式(1)を満たすことになる。したがって、水素ステーション100は、蓄圧器150の常用圧力P2を超えて、車両10のタンク12に水素を充填することができる。
【0051】
一方、従来の水素ステーションは、バイパス流路160を備えず、差圧充填状態のみで水素の充填を行っていたため、蓄圧器の常用圧力は、車両のタンクの最高充填圧力より高くする必要があった。このため、従来の水素ステーションは、蓄圧器のコストが高くなってしまうという問題があった。
【0052】
また、バイパス流路160を備えていたとしても、蓄圧器の常用圧力が車両のタンクの最高充填圧力以上である比較例では、蓄圧器のコストが高くなってしまうという問題があった。
【0053】
これに対し、本実施形態に係る水素ステーション100は、バイパス流路160を有し、かつ、圧縮機120の最大吐出圧P1が蓄圧器150の常用圧力P2より大きいため、蓄圧器150の常用圧力P2を超えて、圧縮機120から車両10のタンク12に直接水素を充填することができる。このため、水素ステーション100は、蓄圧器150の常用圧力P2を低くしても、車両10のタンク12に大量の水素(圧縮機120の最大吐出圧P1まで)を充填することが可能となる。
【0054】
したがって、水素ステーション100は、蓄圧器150に要するコストを削減して、車両10のタンク12に効率よく水素を充填することができる。
【0055】
また、差圧充填状態(充填の前半期間)である場合、タンク12の昇圧率が規定値範囲の下限値未満となると、タンク12の温度が想定よりも低くなるため、最終的にタンク12に水素を充填しすぎてしまうおそれがある。そこで、上記したように、開度制御部218は、差圧充填状態である場合、タンク12の昇圧率が規定値範囲外であると判定されると、タンク12の昇圧率が規定値範囲内となるように、流量調整弁CVの開度を制御する。これにより、開度制御部218は、タンク12の温度を想定の範囲内とすることができる。したがって、水素ステーション100は、タンク12への水素の過剰な充填を回避することが可能となる。
【0056】
また、上記したように、接続制御部220は、差圧充填状態である場合であって、所定期間に亘ってタンク12の昇圧率が規定値範囲外である場合に、接続流路142とタンク12との接続を解除する。つまり、接続制御部220は、タンク12の温度が想定の範囲外となる場合に、接続流路142とタンク12との接続を解除する。これにより、水素ステーション100は、タンク12への水素の過剰な充填を回避することが可能となる。
【0057】
また、直接充填状態(充填の後半期間)である場合には、差圧充填状態である場合よりも充填速度が遅いため、タンク12の温度があまり変化しない。このため、充填の後半期間において、タンク12の昇圧率が規定値範囲の上限値を超えることはない。また、充填中はタンク12の温度と圧力の両方を取得しているため、タンク12に水素を充填しすぎてしまうことはない。そこで、上記したように、昇圧率判定部216は、直接充填状態である場合、昇圧率の判定を不実行としてもよい。これにより、昇圧率判定部216の処理負荷を低減することが可能となる。
【0058】
また、上記したように、充填の後半において、タンク12の昇圧率は、規定値範囲の下限値未満であってもよい。このため、水素ステーション100は、圧縮機120の流量を、規定値範囲の下限値未満に相当する小流量とすることができる。したがって、水素ステーション100は、圧縮機120のコストを削減することが可能となる。
【0059】
以上より、本実施形態に係る水素ステーション100は、建設コスト、および、運営コストを低減することができる。
【0060】
[変形例]
図7は、変形例に係る水素ステーション300を説明する図である。
図7に示すように、水素ステーション300は、水素源110と、圧縮機120と、主流路130と、ディスペンサー140と、蓄圧器150と、バイパス流路160と、サクションタンク310と、バイパス流路320と、中央制御部370とを含む。なお、
図7中、破線の矢印は、信号の流れを示す。なお、上記水素ステーション100と実質的に等しい構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0061】
サクションタンク310は、水素源110と圧縮機120との間に設けられる。サクションタンク310は、クッションタンクである。サクションタンク310は、水素源110から出力された水素、および、蓄圧器150から送出された水素のうちのいずれか一方または両方の圧力変動を吸収する。
【0062】
バイパス流路320は、サクションタンク310に流入口が接続され、主流路130における逆止弁SV2と開閉弁V2との間に流出口が接続される。バイパス流路320には、減圧弁RVおよび開閉弁V4が設けられる。
【0063】
減圧弁RVは、蓄圧器150に蓄圧された水素を所定の圧力に減圧する。所定の圧力は、圧縮機120の吸入圧力によって決定される。所定の圧力は、例えば0.8MPaである。
【0064】
開閉弁V4は、バイパス流路320における蓄圧器150と減圧弁RVとの間に設けられる。開閉弁V4は、後述する切換制御部374によって開閉される。
【0065】
中央制御部370は、CPU(中央処理装置)を含む半導体集積回路で構成される。中央制御部370は、ROMからCPUを動作させるためのプログラムやパラメータ等を読み出す。中央制御部370は、ワークエリアとしてのRAMや他の電子回路と協働して水素ステーション300全体を管理および制御する。
【0066】
図8は、変形例に係る中央制御部370の機能ブロック図である。
図8に示すように、中央制御部370は、圧力取得部210、充填率判定部212、切換制御部374、昇圧率判定部216、開度制御部218、接続制御部220として機能する。
【0067】
変形例において、切換制御部374は、差圧充填状態から直接充填状態に切り換える際に、開閉弁V3の開弁とともに、開閉弁V4を開弁する。また、切換制御部374は、直接充填状態から差圧充填状態に切り換える際に、開閉弁V3の閉弁とともに開閉弁V4を閉弁する。例えば、切換制御部374は、サクションタンク310の圧力が所定の圧力よりも低い場合(例えば、0.6MPa)、開閉弁V4を開弁する。また、切換制御部374は、サクションタンク310の圧力が所定の圧力よりも高い場合(例えば、0.8MPa)、開閉弁V4を閉弁する。所定の圧力は、圧縮機120の吸入圧力によって決定される。
【0068】
以上説明したように、変形例に係る水素ステーション300において圧縮機120は、直接充填状態において、水素源110から出力された水素に加えて、蓄圧器150に貯留された水素を昇圧することができる。これにより、水素源110の出力能力が圧縮機120の定格流量よりも低い場合であっても、圧縮機120の定格流量でタンク12に水素を充填することが可能となる。したがって、変形例に係る水素ステーション300は、直接充填状態において、タンク12への水素の充填時間を短縮することができる。
【0069】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0070】
例えば、上記実施形態において、圧縮機120の最大吐出圧P1とタンク12への最終充填圧力P3とが等しい場合を例に挙げた。しかし、圧縮機120の最大吐出圧P1は、タンク12への最終充填圧力P3より大きくてもよい。
【0071】
また、上記実施形態において、水素ステーション100が、切換制御部214を備える場合を例に挙げた。しかし、水素ステーション100は、切換制御部214を備えずともよい。この場合、水素ステーション100は、差圧充填状態と直接充填状態とを並行して実行してもよい。つまり、水素ステーション100は、蓄圧器150および圧縮機120から並行して車両10のタンク12へ水素を充填してもよい。
【0072】
また、上記実施形態において、水素ステーション100が、昇圧率判定部216および開度制御部218を備える場合を例に挙げた。しかし、水素ステーション100は、昇圧率判定部216および開度制御部218を備えずともよい。
【0073】
また、上記実施形態において、水素ステーション100が接続制御部220を備える場合を例に挙げた。しかし、水素ステーション100は、接続制御部220を備えずともよい。
【0074】
また、上記実施形態において、昇圧率判定部216が、直接充填状態である場合、昇圧率の判定を不実行とする場合を例に挙げた。しかし、昇圧率判定部216は、直接充填状態である場合であっても、タンク12の昇圧率が規定値範囲内であるか否かを判定してもよい。
【0075】
また、上記実施形態において、圧力取得部210が、車両10の通信手段と通信を確立し、車両10のタンク12の最高充填圧力PTを取得する場合を例に挙げた。しかし、圧力取得部210は、車両10のタンク12の最高充填圧力PTを取得できれば、取得手段に限定はない。例えば、圧力取得部210は、ユーザによる操作入力に応じて、タンク12の最高充填圧力PTを取得してもよい。なお、ユーザによる操作入力は、車両10の運転手や水素ステーション100、300の充填員が、車両情報が書き込まれたカードをカードリーダに読み込ませる処理等を含む。
【0076】
また、上記実施形態において、圧力取得部210は、現在のタンク12の圧力を取得する場合を例に挙げた。しかし、圧力取得部210は、ディスペンサー140(接続流路142)の出口の圧力を取得し、この出口の圧力を現在のタンク12の圧力とみなしてもよい。
【符号の説明】
【0077】
CV 流量調整弁
10 車両
12 タンク
100 水素ステーション
110 水素源
120 圧縮機
130 主流路
140 ディスペンサー
142 接続流路
150 蓄圧器
160 バイパス流路
210 圧力取得部
212 充填率判定部
214 切換制御部
216 昇圧率判定部
218 開度制御部
220 接続制御部
300 水素ステーション
374 切換制御部
【手続補正書】
【提出日】2022-08-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素源から出力された水素を昇圧する圧縮機と、
流量調整弁、および、前記流量調整弁と車両のタンクとを接続可能に設けられる接続流路を有するディスペンサーと、
前記圧縮機の吐出側と、前記流量調整弁とを接続する主流路と、
前記主流路に設けられる蓄圧器と、
前記主流路における前記圧縮機と前記蓄圧器との間に流入口が接続され、前記主流路における前記蓄圧器と前記流量調整弁との間に流出口が接続されるバイパス流路と、
前記タンクの圧力を取得する圧力取得部と、
前記圧力取得部によって取得された前記タンクの圧力に基づいて、差圧充填状態と直接充填状態とに切り換える切換制御部と、
を備え、
前記差圧充填状態は、
前記蓄圧器に貯留された水素を、前記流量調整弁、および、前記接続流路を介して、前記タンクに供給する状態であり、
前記直接充填状態は、
前記圧縮機から吐出された水素を、前記バイパス流路、前記流量調整弁、および、前記接続流路を介して、前記タンクに供給する状態であり、
前記切換制御部は、
前記タンクの最高充填圧力、前記タンクの現在の圧力、および、前記タンクの現在の温度に基づいて決定される、前記タンクにおける水素の充填率が第1閾値未満である場合、前記差圧充填状態とし、
前記タンクにおける水素の充填率が前記第1閾値以上であり、かつ、前記タンクの昇圧率が第2閾値以下である場合、前記直接充填状態とし、
前記圧縮機の最大吐出圧P1、前記蓄圧器の常用圧力P2、前記タンクへの最終充填圧力P3は、以下の式(1)を満たす、水素ステーション。
P1≧P3>P2 …式(1)
【請求項2】
前記差圧充填状態である場合に、前記タンクの昇圧率が規定値範囲内であるか否かを判定する昇圧率判定部と、
前記昇圧率判定部によって前記タンクの昇圧率が前記規定値範囲外であると判定されると、前記タンクの昇圧率が前記規定値範囲内となるように、前記流量調整弁の開度を制御する開度制御部と、
を備える、請求項1に記載の水素ステーション。
【請求項3】
前記差圧充填状態である場合であって、所定期間に亘って前記タンクの昇圧率が前記規定値範囲外である場合に、前記接続流路と前記タンクとの接続を解除する接続制御部を備える、請求項2に記載の水素ステーション。
【請求項4】
前記昇圧率判定部は、前記直接充填状態である場合、前記昇圧率の判定を不実行とする、請求項2または3に記載の水素ステーション。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の水素ステーションは、水素源から出力された水素を昇圧する圧縮機と、流量調整弁、および、流量調整弁と車両のタンクとを接続可能に設けられる接続流路を有するディスペンサーと、圧縮機の吐出側と、流量調整弁とを接続する主流路と、主流路に設けられる蓄圧器と、主流路における圧縮機と蓄圧器との間に流入口が接続され、主流路における蓄圧器と流量調整弁との間に流出口が接続されるバイパス流路と、タンクの圧力を取得する圧力取得部と、圧力取得部によって取得されたタンクの圧力に基づいて、差圧充填状態と直接充填状態とに切り換える切換制御部と、を備え、差圧充填状態は、蓄圧器に貯留された水素を、流量調整弁、および、接続流路を介して、タンクに供給する状態であり、直接充填状態は、圧縮機から吐出された水素を、バイパス流路、流量調整弁、および、接続流路を介して、タンクに供給する状態であり、切換制御部は、タンクの最高充填圧力、タンクの現在の圧力、および、タンクの現在の温度に基づいて決定される、タンクにおける水素の充填率が第1閾値未満である場合、差圧充填状態とし、タンクにおける水素の充填率が第1閾値以上であり、かつ、タンクの昇圧率が第2閾値以下である場合、直接充填状態とし、圧縮機の最大吐出圧P1、蓄圧器の常用圧力P2、タンクへの最終充填圧力P3は、以下の式(1)を満たす。
P1≧P3>P2 …式(1)
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】削除
【補正の内容】