(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173580
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】電池モジュール及び電池モジュールの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 50/293 20210101AFI20231130BHJP
【FI】
H01M50/293
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022085923
(22)【出願日】2022-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】507357232
【氏名又は名称】株式会社AESCジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(74)【代理人】
【識別番号】100127236
【弁理士】
【氏名又は名称】天城 聡
(72)【発明者】
【氏名】雨谷 竜一
(72)【発明者】
【氏名】井澤 貴美
(72)【発明者】
【氏名】岡住 綾馬
(72)【発明者】
【氏名】荒川 悟
(72)【発明者】
【氏名】ムハッマド ファウザン
【テーマコード(参考)】
5H040
【Fターム(参考)】
5H040AA03
5H040AT02
5H040AT04
5H040FF02
5H040JJ04
5H040LL06
5H040NN00
(57)【要約】
【課題】電池モジュールを製造するための作業性を向上させる。
【解決手段】電池モジュール10は、複数の電池セル100及び機能材200を備えている。機能材200は、隣り合う電池セル100の間に位置している。機能材200は、弾性粒子210及びバインダ220を含んでいる。弾性粒子210は、バインダ220に分散されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池セルと、
隣り合う前記電池セルの間に位置する機能材と、
を備え、
前記機能材は、弾性粒子と、前記弾性粒子が分散されたバインダと、を含む、電池モジュール。
【請求項2】
前記機能材の25℃及び10%撓みにおける圧縮力撓みが3.0kPa以上10kPa以下であり、
前記機能材の70℃及び70%撓みにおける圧縮力撓みが0.40MPa以上0.60MPa以下である、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記弾性粒子が樹脂製中空粒子である、請求項1又は2に記載の電池モジュール。
【請求項4】
前記バインダがアクリル系樹脂である、請求項1又は2に記載の電池モジュール。
【請求項5】
弾性粒子及びバインダを含むスラリを電池セルに塗布する工程と、
前記バインダを硬化する工程と、
を備える、電池モジュールの製造方法。
【請求項6】
前記バインダを硬化する工程後、前記弾性粒子及び前記バインダを含む機能材の25℃及び10%撓みにおける圧縮力撓みが3.0kPa以上10kPa以下であり、
前記バインダを硬化する工程後、前記機能材の70℃及び70%撓みにおける圧縮力撓みが0.40MPa以上0.60MPa以下である、請求項5に記載の電池モジュールの製造方法。
【請求項7】
前記弾性粒子が樹脂製中空粒子である、請求項5又は6に記載の電池モジュールの製造方法。
【請求項8】
前記バインダがアクリル系樹脂である、請求項5又は6に記載の電池モジュールの製造方法。
【請求項9】
前記バインダを硬化する工程において、前記バインダへ光照射して前記バインダを硬化する、請求項5又は6に記載の電池モジュールの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池モジュール及び電池モジュールの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数の電池セルを備える様々な電池モジュールが開発されている。電池モジュールにおいて、複数の電池セルは、所定方向に配列されている。
【0003】
特許文献1には、電池モジュールの一例について記載されている。この電池モジュールは、隣り合う電池セルの間に位置するスペーサを備えている。スペーサは、熱硬化性樹脂で形成されている。
【0004】
特許文献2には、電池モジュールの一例について記載されている。この電池モジュールは、隣り合う電池セルの間に位置するスペーサを備えている。スペーサは、包装体及び複数の粒状体を有している。複数の粒状体は、包装体に収容されている。
【0005】
特許文献3には、電池モジュールの一例について記載されている。この電池モジュールは、弾性接着剤を備えている。弾性接着剤は、隣り合う電池モジュールの間に位置している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010-097693号公報
【特許文献2】特開2014-072055号公報
【特許文献3】国際公開第2018/163708号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
隣り合う電池セルの間には、ウレタンシート等のコンプレッションパッドが設けられることがある。しかしながら、コンプレッションパッドが用いられる場合、電池セルのサイズに応じてコンプレッションパッドのサイズを変更する必要がある。特に、電池セルのサイズが比較的大きくなると、コンプレッションパッドのサイズも大きくなる。この場合、静電気等の所定の要因によってコンプレッションパッドの取り扱いが難しくなることがある。また、コンプレッションパッドが用いられる場合、コンプレッションパッドの一面に設けられたPET(ポリエチレンテレフタラート)フィルム等のシートの剥離が必要なことがある。このため、隣り合う電池セルの間にコンプレッションパッドが設けられた場合、電池モジュールを製造するための作業性が低下することがある。
【0008】
本発明の目的の一例は、電池モジュールを製造するための作業性を向上させることにある。本発明の他の目的は、本明細書の記載から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、以下のとおりである。
[1]
複数の電池セルと、
隣り合う前記電池セルの間に位置する機能材と、
を備え、
前記機能材は、弾性粒子と、前記弾性粒子が分散されたバインダと、を含む、電池モジュール。
[2]
前記機能材の25℃及び10%撓みにおける圧縮力撓みが3.0kPa以上10kPa以下であり、
前記機能材の70℃及び70%撓みにおける圧縮力撓みが0.40MPa以上0.60MPa以下である、[1]に記載の電池モジュール。
[3]
前記弾性粒子が樹脂製中空粒子である、[1]又は[2]に記載の電池モジュール。
[4]
前記バインダがアクリル系樹脂である、[1]~[3]のいずれか一つに記載の電池モジュール。
[5]
弾性粒子及びバインダを含むスラリを電池セルに塗布する工程と、
前記バインダを硬化する工程と、
を備える、電池モジュールの製造方法。
[6]
前記バインダを硬化する工程後、前記弾性粒子及び前記バインダを含む機能材の25℃及び10%撓みにおける圧縮力撓みが3.0kPa以上10kPa以下であり、
前記バインダを硬化する工程後、前記機能材の70℃及び70%撓みにおける圧縮力撓みが0.40MPa以上0.60MPa以下である、[5]に記載の電池モジュールの製造方法。
[7]
前記弾性粒子が樹脂製中空粒子である、[5]又は[6]に記載の電池モジュールの製造方法。
[8]
前記バインダがアクリル系樹脂である、[5]~[7]のいずれか一つに記載の電池モジュールの製造方法。
[9]
前記バインダを硬化する工程において、前記バインダへ光照射して前記バインダを硬化する、[5]~[8]のいずれか一つに記載の電池モジュールの製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明の上記態様によれば、電池モジュールを製造するための作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態に係る電池モジュールの斜視図である。
【
図3】実施形態に係る電池モジュールの製造方法を説明するための図である。
【
図4】実施形態に係る電池モジュールの製造方法を説明するための図である。
【
図5】変形例に係る電池モジュールの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態及び変形例について、図面を用いて説明する。すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0013】
図1は、実施形態に係る電池モジュール10の斜視図である。
図2は、
図1のA-A´断面模式図である。
【0014】
各図には、説明のため、X方向、Y方向及びZ方向が示されている。X方向は、後述する電池セル100の長手方向を示している。Y方向は、X方向に直交している。Y方向は、電池セル100の厚さ方向を示している。Z方向は、X方向及びY方向の双方に直交している。Z方向は、電池セル100の短手方向を示している。以下、必要に応じて、Y方向に垂直な方向をXZ平面方向という。
【0015】
図1及び
図2に示すように、電池モジュール10は、複数の電池セル100及び複数の機能材200を備えている。複数の電池セル100及び複数の機能材200は、Y方向に交互に配列されている。これによって、各機能材200は、Y方向に隣り合う電池セル100の間に位置している。電池モジュール10は、例えば、Z方向が鉛直方向と略平行となってX方向及びY方向が鉛直方向に垂直な水平方向と略平行となる状態で配置されている。電池モジュール10は、例えば、不図示の収容体に収容されている。ただし、電池モジュール10の配置は、この例に限定されない。
【0016】
図1を参照して、複数の電池セル100ついて説明する。なお、
図1では、説明のため、6つの電池セル100が模式的に示されている。ただし、電池モジュール10に含まれる電池セル100の数は
図1に示す例に限定されない。
【0017】
各電池セル100は、外装材102、正極タブ112及び負極タブ114を有している。外装材102は、不図示の電池要素及び不図示の電解液を封止している。電池要素は、Y方向に交互に積層された複数の正極及び複数の負極と、Y方向に隣り合う正極及び負極の間に位置するセパレータと、を含んでいる。正極タブ112及び負極タブ114は、外装材102のX方向の互いに反対側の辺から引き出されている。正極タブ112は、上述の複数の正極に電気的に接続されている。負極タブ114は、上述の複数の負極に電気的に接続されている。ただし、電池セル100の構造は、上述した例に限定されない。
【0018】
実施形態において、Y方向に配列された複数の電池セル100は、Y方向の一方側の電池セル100からY方向の他方側の電池セル100にかけて順に直列に接続されている。具体的には、Y方向に隣り合う2つの電池セル100の一方から引き出された正極タブ112及び負極タブ114と、Y方向に隣り合う2つの電池セル100の他方から引き出された正極タブ112及び負極タブ114と、はX方向において互いに反対に向けられている。Y方向に隣り合う2つの電池セル100のX方向の一方側では、一方の電池セル100から引き出された正極タブ112と、他方の電池セル100から引き出された負極タブ114と、が例えばレーザ溶接によって互いに接合されている。例えば、
図1の最も上の電池セル100から
図1の左側に引き出された正極タブ112と、
図1の上から2つ目の電池セル100から
図1の左側に引き出された負極タブ114と、が互いに接合されている。また、
図1の上から2つ目の電池セル100から
図1の右側に引き出された正極タブ112と、
図1の上から3つ目の電池セル100から
図1の右側に引き出された負極タブ114と、が互いに接合されている。このようにして、複数の電池セル100では、
図1の左側の正極タブ112及び負極タブ114の接合部と、
図1の右側の正極タブ112及び負極タブ114の接合部と、が互い違いに配置されている。
【0019】
図2を参照して、複数の機能材200について説明する。
【0020】
各機能材200は、弾性粒子210及びバインダ220を含んでいる。弾性粒子210は、バインダ220内において分散されている。
【0021】
実施形態において、弾性粒子210は、樹脂製中空粒子である。弾性粒子210は、例えば、アクリル-スチレン系共重合体からなっている。例えば、弾性粒子210の材料の弾性率は、バインダ220の材料の弾性率より低くなっている。弾性粒子210の材料の弾性率は、例えば、1GPa以上20GPa以下である。実施形態において、弾性粒子210は、中空の略球殻形状となっている。弾性粒子210の粒子径は、例えば、75μm以上300μm以下である。弾性粒子210の内孔径は、例えば、50μm以上200μm以下である。ただし、弾性粒子210の材料及び構造は、この例に限定されない。なお、
図2に示す弾性粒子210は、Y方向に隣り合う電池セル100のY方向の圧縮によってY方向に潰れたように模式的に示されている。
【0022】
実施形態において、バインダ220は、樹脂からなっている。具体的には、バインダ220は、例えば、硬化アクリル系樹脂である。バインダ220は、例えば、紫外線硬化アクリル系樹脂にすることができる。
図2に示す例において、バインダ220は、樹脂の硬化体となっている。ただし、バインダ220の材料は、この例に限定されない。バインダ220は、当該バインダ220のY方向の両側に位置する2つの電池セル100に接着されている。電池セル100とバインダ220との接着強度は、例えば、約10kPaである。ただし、当該接着強度は、この例に限定されない。
【0023】
電池セル100によってY方向に圧縮されていない状態の機能材200のY方向の厚さは、例えば、0.10mm以上1.5mm以下である。ただし、機能材200のY方向の厚さは、この例に限定されない。
【0024】
機能材200の弾性粒子210によって占められていない部分の空隙率は、機能材200の全体積に対して、例えば、60体積%以上70体積%以下となっている。当該空隙率が当該下限値以上である場合、機能材200をY方向に圧縮しやすくすることができる。当該空隙率が当該上限値以下である場合、機能材200の強度を向上させることができる。ただし、当該空隙率は、この例に限定されない。当該空隙率は、例えば、機能材200のX方向に垂直な断面の走査型電子顕微鏡(SEM)の観察によって測定される。
【0025】
実施形態において、機能材200は、Y方向に配列された電池セル100を固定する固定材として機能している。電池モジュール10には、例えば、電池モジュール10への衝撃や電池モジュール10が搭載された自動車の振動によって、外部から力が加えられることがある。実施形態においては、このような力が電池モジュール10に加わっても、機能材200によって、各電池セル100のXZ平面方向のずれを抑制することができる。
【0026】
実施形態において、機能材200は、各外装材102の内部に設けられた複数の正極及び複数の負極を固定する固定材として機能している。機能材200は、Y方向に隣り合う電池セル100によってY方向に圧縮されている。機能材200は、弾性粒子210によってY方向において弾性的に変形可能になっている。したがって、各電池セル100は、機能材200からの加圧力を受けている。このため、外装材102の内部に設けられた複数の正極及び複数の負極のXZ平面方向のずれを機能材200からの加圧力によって抑制することができる。
【0027】
実施形態において、機能材200は、電池セル100のY方向の膨れに応じて変形する緩衝材として機能している。電池セル100の充電によって、電池セル100はY方向に膨れることがある。上述したように、機能材200は、弾性粒子210によってY方向において弾性的に変形可能になっている。このため、電池セル100がY方向に膨れた場合、機能材200は、電池セル100のY方向の膨れに応じてY方向に収縮することができる。
【0028】
機能材200の25℃及び10%撓みにおける圧縮力撓みは、例えば、3.0kPa以上10kPa以下にすることができる。例えば、電池モジュール10の初期状態又は電池モジュール10の放電状態において、機能材200の温度は約25℃となる。この状態において当該圧縮力撓みが上述の下限値以上である場合、各電池セル100のXZ平面方向のずれや、各外装材102の内部に設けられた複数の正極及び複数の負極のXZ平面方向のずれを抑制することができる。上述の状態において当該圧縮力撓みが上述の上限値以下である場合、機能材200のY方向の圧縮による電池セル100や各外装材102の内部に設けられた複数の正極及び複数の負荷を抑制することができる。
【0029】
機能材200の70℃及び70%撓みにおける圧縮力撓みは、例えば、0.40MPa以上0.60MPa以下にすることができる。例えば、電池モジュール10の充電状態において、機能材200の温度は約70℃となる。この状態において、当該圧縮力撓みが上述の下限値以上である場合、各電池セル100のXZ平面方向のずれや、各外装材102の内部に設けられた複数の正極及び複数の負極のXZ平面方向のずれを抑制することができる。上述の状態において当該圧縮力撓みが上述の上限値以下である場合、機能材200のY方向の圧縮による電池セル100や各外装材102の内部に設けられた複数の正極及び複数の負荷を抑制することができる。
【0030】
上述の圧縮力撓みは、ASTM D3574に準拠して測定されている。
【0031】
図3及び
図4は、実施形態に係る電池モジュール10の製造方法を説明するための図である。実施形態に係る電池モジュール10は、以下のようにして製造される。
図3及び
図4を用いた説明においては、特に断りがない限り、Y方向は鉛直方向に略平行となっており、X方向及びZ方向は水平方向に略平行となっている。また、特に断りがない限り、Y方向を示す矢印の先端側は鉛直方向の上側であり、Y方向を示す矢印の基端側は鉛直方向の下側である。
【0032】
まず、弾性粒子210及びバインダ220を含むスラリ200´を用意する。
【0033】
次いで、
図3に示すように、外装材102の上面にスラリ200´を塗布する。
図3に示す例では、外装材102の上方に位置するノズル310からスラリ200´を滴下している。したがって、ノズル310を移動させることで外装材102の上面の所望の領域にスラリ200´を塗布することができる。このため、ウレタンシート等のコンプレッションパッドを外装材102の上面のサイズに応じた所定のサイズに切り出して外装材102の上面に貼り付ける場合と比較して、機能材200の形成範囲を容易に調整することができる。また、実施形態では、ウレタンシート等のコンプレッションパッドが用いられる場合と比較して、コンプレッションパッドからのPETフィルム等のシートの剥離が不要である。したがって、実施形態では、コンプレッションパッドが用いられる場合と比較して、電池モジュール10の製造時間を短くすることができる。このため、実施形態では、電池モジュール10を製造するための作業性を向上させることができる。スラリ200´は、外装材102の上面の例えば75%以上100%以下の面積に塗布される。
【0034】
次いで、
図4に示すように、スラリ200´に紫外線322を照射する。
図4に示す例では、電池セル100の上方に位置する光源320から紫外線322が照射されている。紫外線322によってバインダ220が硬化する。これによって、スラリ200´が機能材200となる。また、機能材200は、外装材102の上面に接着される。
【0035】
なお、バインダ220の硬化方法は、
図4に示す光硬化に限定されない。バインダ220は、例えば、熱硬化によって硬化されてもよい。
【0036】
次いで、機能材200が形成された電池セル100の上面側に他の電池セル100を積層する。これによって、当該機能材200の上面と、当該他の電池セル100の下面と、が互いに接着される。この場合、当該機能材200の下面と、当該機能材200の下方に位置する電池セル100の上面と、の接着強度と、当該機能材200の上面と、当該機能材200の上方に位置する他の電池セル100の下面と、の接着強度と、が例えばほとんど等しくなっている。次いで、当該他の電池セル100の上面に、
図3及び
図4を用いて説明した方法と同様にして機能材200を形成する。このようにして、所定の数の電池セル100及び機能材200をY方向に交互に積層して、複数の電池モジュール10が製造される。
【0037】
図5は、変形例に係る電池モジュール10Aの斜視図である。変形例に係る電池モジュール10Aは、以下の点を除いて、実施形態に係る電池モジュール10と同様である。
【0038】
変形例に係る電池モジュール10Aは、複数のセル群100Gを備えている。
図5では、説明のため、3つのセル群100Gが模式的に示されている。ただし、電池モジュール10Aに含まれるセル群100Gの数は
図5に示す例に限定されない。各セル群100Gは、2つの電池セル100を含んでいる。ただし、各セル群100Gに含まれる電池セル100の数は、2つに限定されず、3つ以上であってもよい。各セル群100Gは、正極タブ群112G及び負極タブ群114Gを含んでいる。正極タブ群112Gは、各セル群100Gに含まれる複数の電池セル100から引き出された複数の正極タブ112を含んでいる。負極タブ群114Gは、各セル群100Gに含まれる複数の電池セル100から引き出された複数の負極タブ114を含んでいる。
【0039】
各セル群100Gに含まれる複数の電池セル100は、並列に接続されている。Y方向に積層された複数のセル群100Gは、Y方向の一方側のセル群100GからY方向の他方側のセル群100Gにかけて順に直列に接続されている。具体的には、Y方向に隣り合う2つのセル群100Gの一方から引き出された正極タブ群112G及び負極タブ群114Gと、Y方向に隣り合う2つのセル群100Gの他方から引き出された正極タブ群112G及び負極タブ群114Gと、はX方向において互いに反対に向けられている。Y方向に隣り合う2つのセル群100GのX方向の一方側では、一方のセル群100Gから引き出された正極タブ群112Gと、他方のセル群100Gから引き出された負極タブ群114Gと、が例えばレーザ溶接によって互いに接合されている。例えば、
図5の最も上のセル群100Gから
図5の左側に引き出された正極タブ群112Gと、
図5の上から2つ目のセル群100Gから
図5の左側に引き出された負極タブ群114Gと、が互いに接合されている。また、
図5の上から2つ目のセル群100Gから
図5の右側に引き出された正極タブ群112Gと、
図5の上から3つ目のセル群100Gから
図5の右側に引き出された負極タブ群114Gと、が互いに接合されている。このようにして、複数のセル群100Gでは、
図5の左側の正極タブ群112G及び負極タブ群114Gの接合部と、
図5の右側の正極タブ群112G及び負極タブ群114Gの接合部と、が互い違いに配置されている。
【0040】
図5に示す変形例においても、実施形態と同様にして、Y方向に隣り合う電池セル100の間に機能材200を設けることができる。したがって、変形例においても、実施形態と同様にして、電池モジュール10Aを製造するための作業性を向上させることができる。
【0041】
以上、図面を参照して本発明の実施形態及び変形例について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【符号の説明】
【0042】
10,10A 電池モジュール
100 電池セル
100G セル群
102 外装材
112 正極タブ
112G 正極タブ群
114 負極タブ
114G 負極タブ群
200 機能材
210 弾性粒子
220 バインダ
310 ノズル
320 光源
322 紫外線