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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173582
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】空調室内機、及び空気調和装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/20 20060101AFI20231130BHJP
   F24F 1/0059 20190101ALI20231130BHJP
   F28F 9/013 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
F24F1/0007 401E
F24F1/0007 401D
F24F1/0059
F28F9/013 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022085927
(22)【出願日】2022-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井川 慎介
(72)【発明者】
【氏名】村田 勝則
【テーマコード(参考)】
3L051
【Fターム(参考)】
3L051BH02
3L051BJ10
(57)【要約】
【課題】熱交換器に固定されるアース端子の取り付けまたは取り外し作業におけるアース端子周囲の部品への破損を抑制する。
【解決手段】空調室内機(30)は、端部に管板(75)を有する熱交換器(40)と、熱交換器(40)をアースするアース線(99)と、アース線(99)の一端を管板(75)に固定する第1固定部(81)と、開口(97)が形成されるカバー部(95)とを備える。カバー部(95)は、第1固定部(81)が開口(97)から露出するように設けられると共に、第1固定部(81)の周囲を覆う。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端部に管板(75)を有する熱交換器(40)と、
前記熱交換器(40)をアースするアース線(99)と、
前記アース線(99)の一端を前記管板(75)に固定する第1固定部(81)と、
開口(97)が形成されるカバー部(95)とを備え、
前記カバー部(95)は、前記第1固定部(81)が前記開口(97)から露出するように設けられると共に、前記第1固定部(81)の周囲を覆うことを特徴とする空調室内機。
【請求項2】
前記第1固定部(81)は、ネジ部材により構成される
ことを特徴とする請求項1に記載の空調室内機。
【請求項3】
前記第1固定部(81)は、円形のネジ頭部(81a)を備え、
前記第1固定部(81)を前記ネジ頭部(81a)の正面から見たとき、前記開口(97)の縁から前記ネジ頭部(81a)の外周縁までの距離は、該ネジ頭部(81a)の半径よりも小さい
ことを特徴とする請求項2に記載の空調室内機。
【請求項4】
前記第1固定部(81)は、前記熱交換器(40)の前面に設けられ、
前記カバー部(95)は、前記熱交換器(40)の前面または側方の一部を覆う
ことを特徴とする請求項1に記載の空調室内機。
【請求項5】
前記アース線(99)は、前記カバー部(95)の背面側に配置される
ことを特徴とする請求項4に記載の空調室内機。
【請求項6】
前記カバー部(95)は、水を下方へ案内するガイド部(88)を備え、
該ガイド部(88)は、前記開口(97)の縁、または前記開口(97)の下方に設けられる
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1つに記載の空調室内機。
【請求項7】
前記アース線(99)の他端は、前記第1固定部(81)よりも高い位置で固定される
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1つに記載の空調室内機。
【請求項8】
前記カバー部(95)は、前記アース線(99)の一端から他端の間の一部を固定する第2固定部(83)を備える
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1つに記載の空調室内機。
【請求項9】
前記カバー部(95)は、前記伝熱管(27)のうち前記管板(75)から側方へ突出した部分に固定される
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1つに記載の空調室内機。
【請求項10】
前記カバー部(95)は、前記伝熱管(27)のうち前記管板(75)から側方へ突出した部分まで覆う
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1つに記載の空調室内機。
【請求項11】
前記熱交換器(40)は前記伝熱管(27)を流通する冷媒により空気と熱交換を行い、
前記冷媒は、可燃性である
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1つに記載の空調室内機。
【請求項12】
請求項1~5のいずれか1つに記載の空調室内機(30)を備えた空気調和装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空調室内機、及び空気調和装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、管板と冷媒配管とのアース経路を形成するためのアース接続部材を備える熱交換器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-220606号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、熱交換器に固定されるアース端子を、工具を用いて取り外す場合、工具の先端がアース端子周囲に接触する可能性がある。例えばアース端子周囲に冷媒配管がある場合、工具によって冷媒配管が破損し、冷媒が漏洩してしまう恐れがある。
【0005】
本開示の目的は、熱交換器に固定されるアース端子の取り付けまたは取り外し作業におけるアース端子周囲の部品への破損を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様は、
端部に管板(75)を有する熱交換器(40)と、
前記熱交換器(40)をアースするアース線(99)と、
前記アース線(99)の一端を前記管板(75)に固定する第1固定部(81)と、
開口(97)が形成されるカバー部(95)とを備え、
前記カバー部(95)は、前記第1固定部(81)が前記開口(97)から露出するように設けられると共に、前記第1固定部(81)の周囲を覆う空調室内機である。
【0007】
第1の態様では、カバー部(95)が第1固定部(81)の周囲を覆っているため、工具を用いて第1固定部(81)の取り付け等を行う際に、第1固定部(81)周囲の部品に工具の先端が触れてしまうことを抑制できる。このことで、第1固定部(81)周囲の部品の変形や破損を抑制できる。
【0008】
本開示の第2の態様は、第1の態様において、
前記第1固定部(81)は、ネジ部材により構成される。
【0009】
第2の態様では、アース線(99)の一端をネジ固定できる。
【0010】
本開示の第3の態様は、第2の態様において、
前記第1固定部(81)は、円形のネジ頭部(81a)を備え、
前記第1固定部(81)を前記ネジ頭部(81a)の正面から見たとき、前記開口(97)の縁から前記ネジ頭部(81a)の外周縁までの距離は、該ネジ頭部(81a)の半径よりも小さい。
【0011】
第3の態様では、開口(97)の縁とネジ頭部(81a)の外周縁との隙間を比較的小さくできるため、第1固定部(81)周囲の部品を保護できる。
【0012】
本開示の第4の態様は、第1~第3の態様のいずれか1つにおいて、
前記第1固定部(81)は、前記熱交換器(40)の前面に設けられ、
前記カバー部(95)は、前記熱交換器(40)の前面または側方の一部を覆う。
【0013】
第4の態様では、第1固定部(81)が熱交換器(40)の前面に位置することで、アース線(99)の取り付け及び取外し作業を容易にできる。また、アース線(99)の取り付け及び取り外し作業時に熱交換器(40)の前面、または管板(75)から側方に突出する伝熱管(27)を保護できる。
【0014】
本開示の第5の態様は、第4の態様において、
前記アース線(99)は、前記カバー部(95)の背面側に配置される。
【0015】
第5の態様では、カバー部(95)の前面が結露しても、アース線(99)はカバー部(95)の背面側にあることによりアース線(99)が濡れることを抑制でき、ひいては漏電を抑制できる。
【0016】
本開示の第6の態様は、第1~第5の態様のいずれか1つにおいて、
前記カバー部(95)は、水を下方へ案内するガイド部(88)を備え、
前記ガイド部(88)は、前記開口(97)の縁、または前記開口(97)の下方に設けられる。
【0017】
第6の態様では、第1固定部(81)及びアース線(99)に付着した結露水を下方に流すことができる。これにより漏電を抑制できる。
【0018】
本開示の第7の態様は、第1~第6の態様のいずれか1つにおいて、
前記アース線(99)の他端は、前記第1固定部(81)よりも高い位置で固定される。
【0019】
第7の態様では、アース線(99)に付着した結露水は、アース線(99)をつたって第1固定部(81)に向かう。これにより結露水を、第1固定部(81)を介してカバー部(95)から排出できる。
【0020】
本開示の第8の態様は、第1~第7の態様のいずれか1つにおいて、
前記カバー部(95)は、前記アース線(99)の一端から他端の間の一部を固定する第2固定部(83)を備える。
【0021】
第8の態様では、アース線(99)をたゆませないようにすることができる。これによりアース線(99)のたゆみに結露水が溜まってしまうことを抑制できる。また、各空調調和装置間で、アース線(99)の取り付け状態が不揃いになることを抑制できる。
【0022】
本開示の第9の態様は、第1~第8の態様のいずれか1つにおいて、
前記カバー部(95)は、前記伝熱管(27)に固定される。
【0023】
第9の態様では、伝熱管(27)を利用してカバー部(95)を機内に固定できる。カバー部(95)を固定する部材を設けることを不要にできる。
【0024】
本開示の第10の態様は、第1~第9の態様のいずれか1つにおいて、
前記カバー部(95)は、前記伝熱管(27)のうち前記管板(75)から側方へ突出した部分まで覆う。
【0025】
第10の態様によると、管板(75)から側方へ突出する伝熱管(27)を保護できる。
【0026】
本開示の第11の態様は、第1~第10の態様のいずれか1つにおいて、
前記熱交換器(40)は前記伝熱管(27)を流通する冷媒により空気と熱交換を行い、
前記冷媒は、可燃性である。
【0027】
第11の態様では、カバー部(95)により、第1固定部(81)周囲の伝熱管(27)の破損が抑制されるため冷媒の漏洩を抑制できる。これにより、可燃性の冷媒が室内空間に漏洩することで引火してしまうことを未然に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、実施形態に係る空気調和装置の概略の配管系統図である。
図2図2は、室内機の外観を表す斜視図である。
図3図3は、室内機の内部構造を示す縦断面図である。
図4図4は、室内機の内部構造の一部を示す立体斜視図である。
図5図5は、室内機の内部を前側から見た図である。(A)は、室内機の内部の右側部分を示す。(B)は、支持板部の正面の拡大図である。(C)は、(B)のV-V矢視断面図である。
図6図6は、室内機の内部構造の一部を示す縦断面図である。
図7図7は、その他の実施形態に係る室内機の支持板部を示す図5(B)に相当する図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。また、以下に説明する各実施形態、変形例、その他の例等の各構成は、本発明を実施可能な範囲において、組み合わせたり、一部を置換したりできる。
【0030】
(1)空気調和装置の全体構成
図1は、空気調和装置(10)の概略の配管系統図を示す。空気調和装置(10)は、対象空間の空気の温度を調節する。対象空間は室内空間である。空気調和装置(10)は、冷房運転と暖房運転とを行う。冷房運転では、空気調和装置(10)が室内空間の空気を冷却する。暖房運転では、空気調和装置(10)が室内空間の空気を加熱する。
【0031】
空気調和装置(10)は、冷媒回路(11)を備える。冷媒回路(11)には、冷媒が充填される。冷媒回路(11)は、冷媒を循環させることにより冷凍サイクルを行う。冷媒回路(11)には、可燃性の冷媒が充填されている。本例の冷媒は、強燃性の自然冷媒であるプロパン(R290)である。自然冷媒は、オゾン破壊係数がゼロであり、地球温暖化係数も低く、環境への負荷が少ない冷媒である。
【0032】
空気調和装置(10)は、室外機(20)、室内機(30)、第1連絡配管(12)、第2連絡配管(13)を備える。空気調和装置(10)は、1つの室外機(20)と1つの室内機(30)とを有するペア式である。室外機(20)は、圧縮機(21)、室外熱交換器(22)、膨張弁(23)、四方切換弁(24)、及び室外ファン(25)を備える。室内機(30)は、室内熱交換器(40)及びクロスフローファン(50)を備える。室内機(30)は、本開示の空調室内機(30)の一例である。
【0033】
(1-1)室外機
室外機(20)は、室外空間に設置される。
【0034】
圧縮機(21)は、冷媒を圧縮する。圧縮機(21)は回転式の圧縮機である。回転式の圧縮機(21)は、揺動式、ローリングピストン式、スクロール式などで構成される。
【0035】
室外熱交換器(22)は、冷媒と室外空気とを熱交換させる。室外熱交換器(22)はフィンアンドチューブ式である。
【0036】
室外ファン(25)は、室外空気を搬送する。室外ファン(25)により搬送される空気は、室外熱交換器(22)を通過する。室外ファン(25)はプロペラファンである。
【0037】
膨張弁(23)は、冷媒を減圧する。膨張弁(23)は、電子式あるいは感温式の膨張弁である。
【0038】
四方切換弁(24)は、冷媒回路(11)の冷媒の流れを逆転させる。四方切換弁(24)は、図1の実線で示す第1状態と、図1の破線で示す第2状態とに切り換わる。第1状態の四方切換弁(24)は、圧縮機(21)の吐出側と室外熱交換器(22)のガス側とを連通させると同時に、圧縮機(21)の吸入側と室内熱交換器(40)のガス側とを連通させる。第2状態の四方切換弁(24)は、圧縮機(21)の吐出側と室内熱交換器(40)のガス側とを連通させると同時に、圧縮機(21)の吸入側と室外熱交換器(22)のガス側とを連通させる。
【0039】
(1-2)室内機
室内機(30)は、室内空間に設置される。
【0040】
室内熱交換器(40)は、冷媒と室内空気とを熱交換させる。室内熱交換器(40)はフィンアンドチューブ式である。
【0041】
クロスフローファン(50)は、室内空気を搬送する室内ファンである。クロスフローファン(50)により搬送される空気は、室内熱交換器(40)を通過する。
【0042】
(1-3)第1連絡配管及び第2連絡配管
第1連絡配管(12)と第2連絡配管(13)は、室内機(30)及び室外機(20)を互いに接続する。第1連絡配管(12)はガス管であり、第2連絡配管(13)は、液管である。第1連絡配管(12)は、室内熱交換器(40)のガス端に接続する。第2連絡配管(13)は、室内熱交換器(40)の液端に接続する。
【0043】
(2)室内機の詳細
図2は、室内機(30)を前側から見た斜視図である。図3は、室内機(30)の縦断面図である。以下の説明において、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」及び「右」に関する語句は、室内機(30)を正面から見た場合の方向(図3の矢印で示す方向)を指す。
【0044】
室内機(30)は、壁面に設けられる。室内機(30)は、壁掛け式の空調室内機である。室内機(30)は、ケーシング(31)、室内熱交換器(40)、クロスフローファン(50)、フラップ(90)、及び防滴カバー(95)を備える。
【0045】
(2-1)ケーシング
ケーシング(31)は、室内機(30)の外郭を形成している。ケーシング(31)の内部には、室内熱交換器(40)、及びクロスフローファン(50)を収容する内部空間(S)が形成される。
【0046】
図2に示すように、ケーシング(31)は、左右に横長の箱状に形成される。ケーシング(31)は、前板(32)、後板(33)、上板(34)、及び下板(35)を有する。
【0047】
ケーシング(31)は、吸込開口(36)を有する。吸込開口(36)は、ケーシング(31)の上板(34)に形成される。吸込開口(36)は、ケーシング(31)の長手方向(左右方向)に延びている。吸込開口(36)は、室内空間の空気をケーシング(31)の内部空間(S)に取り込む。
【0048】
ケーシング(31)は、吹出開口(37)を有する。吹出開口(37)は下板(35)に形成される。吹出開口(37)は、ケーシング(31)の長手方向に延びている。吹出開口(37)は、吹出流路(61)を流れた空気を室内空間へ吹き出す。吹出開口(37)には、2つのフラップ(90,90)が設けられる。各フラップ(90)は、吹出開口(37)から吹き出される空気の風向を調節する。
【0049】
(2-2)室内熱交換器
室内熱交換器(40)は、伝熱管(27)を流通する冷媒により空気と熱交換を行う。
【0050】
図3及び図4に示すように、室内熱交換器(40)は、複数のフィン(F)と、複数の伝熱管(27)とを有する。フィン(F)は、薄板状に形成される。複数のフィン(F)は、クロスフローファン(50)の軸心0の方向(左右方向)に沿って等間隔で配置される。複数の伝熱管(27)は、左右方向に延びると共に、複数のフィン(F)を貫通する。伝熱管(27)の内部は、冷媒の流路を形成する。伝熱管(27)は、冷媒回路(11)の一部を構成する。
【0051】
室内熱交換器(40)は、前側熱交換部(41)及び後側熱交換部(42)を含む。室内熱交換器(40)は、前側補助熱交換部(43)及び後側補助熱交換部(44)をさらに含む。前側熱交換部(41)、後側熱交換部(42)、前側補助熱交換部(43)、及び後側補助熱交換部(44)は、互いに別体に構成される。
【0052】
前側熱交換部(41)は、クロスフローファン(50)の前側に配置される。前側熱交換部(41)は、上から下に向かって順に、第1熱交換部(H1)、第2熱交換部(H2)、及び第3熱交換部(H3)を含む。第1熱交換部(H1)、第2熱交換部(H2)、及び第3熱交換部(H3)の各フィン(F)は一体に形成される。
【0053】
第1熱交換部(H1)は、クロスフローファン(50)の前側上方に位置するとともにクロスフローファン(50)に向かって傾斜している。第2熱交換部(H2)は、クロスフローファン(50)の前方に鉛直な姿勢で配置される。第3熱交換部(H3)は、クロスフローファン(50)の前側下方に位置するとともにクロスフローファン(50)に向かって傾斜している。
【0054】
後側熱交換部(42)は、クロスフローファン(50)の上方に配置される。後側熱交換部(42)は、クロスフローファン(50)の上方からクロスフローファン(50)の後方に向かって傾斜している。
【0055】
前側補助熱交換部(43)は、前側熱交換部(41)の前側に配置される。前側補助熱交換部(43)は、前側熱交換部(41)における空気流れの上流側に配置される。前側補助熱交換部(43)は、第1熱交換部(H1)に沿うように傾斜している。前側補助熱交換部(43)は、第1熱交換部(H1)と重なる。
【0056】
後側補助熱交換部(44)は、後側熱交換部(42)の後側に配置される。後側補助熱交換部(44)は、後側熱交換部(42)の中間部と重なる。後側補助熱交換部(44)は、後側熱交換部(42)における空気流れの上流側に配置される。
【0057】
(2-3)管板
室内熱交換器(40)は、端部に管板(75)を有する。具体的に、一対の管板(75)が、室内熱交換器(40)の右端と左端とにそれぞれ配置される。管板(75)は、金属製の板状部材である。室内熱交換器(40)の右端に配置される管板(75)は、室内熱交換器(40)の右端に配置されるフィン(F)の板面を覆うように設けられる。室内熱交換器(40)の左端に配置される管板(75)は、室内熱交換器(40)の左端に配置されるフィン(F)の板面を覆うように設けられる。以下の説明において、「管板(75)」は、室内熱交換器(40)の右端に配置される管板(75)を指す。
【0058】
管板(75)は、第1前側管板(76)、第2前側管板(77)、第1後側管板(78)、及び第2後側管板(79)とを有する。
【0059】
第1前側管板(76)は、上部前側管板(76a)、中部前側管板(76b)、及び下部前側管板(76c)を有する。上部前側管板(76a)は、第1熱交換部(H1)の右側面に接する。中部前側管板(76b)は、第2熱交換部(H2)の右側面に接する。下部前側管板(76c)は、第3熱交換部(H3)の右側面に接する。
【0060】
第2前側管板(77)は、前側補助熱交換部(43)の右側面に接する。第1後側管板(78)は、後側熱交換部(42)の右側面に配置される。第2後側管板(79)は、後側補助熱交換部(44)の右側面に接する。
【0061】
管板(75)には、複数の伝熱管(27)が挿通する複数の挿通孔(29)が形成される。伝熱管(27)は、挿通孔(29)に挿通されることで管板(75)に固定される。以下では、管板(75)から右方に突出する複数の伝熱管(27)を右側伝熱管部(28)と称する(図5参照)。右側伝熱管部(28)の一部は、管板(75)から右方へ突出した後再び管板に挿通されるようにU字状に形成される。
【0062】
管板(75)は、フランジ部(75a)を有する。フランジ部(75a)は、矩形の板状に形成される。フランジ部(75a)は、第2熱交換部(H2)の前面に配置される。具体的に、フランジ部(75a)は、第2熱交換部(H2)の右端寄りに形成される。また、フランジ部(75a)は、第2熱交換部(H2)の中央の高さ位置からその上端に亘って形成される。このことで、フランジ部(75a)は、第2熱交換部(H2)の複数のフィン(F)の前端(前辺)の一部を覆う。
【0063】
フランジ部(75a)には、取付穴(図示省略)が形成される。取付穴は、アース線(99)の一端を固定する第1端部固定部(81)が取り付けられる穴である。第1端部固定部(81)の詳細は後述する。
【0064】
(2-4)クロスフローファン
図3に示すように、クロスフローファン(50)は、水平方向(左右方向)に延びるファンロータ(51)と、ファンロータ(51)を駆動するモータ(図示省略)とを備えている。ファンロータ(51)は、その軸心の周りに周方向に配列される複数のファン翼を有する。クロスフローファン(50)は、回転により内部空間(S)の空気を搬送する。
【0065】
(2-5)前側水受け部、及び後側水受け部
前側水受け部(72)は、前側熱交換部(41)及び前側補助熱交換部(43)の下方に位置する部分に形成される。前側水受け部(72)は、凝縮水を受けるドレンパンである。
【0066】
後側水受け部(62)は、後側熱交換部(42)及び後側補助熱交換部(44)の下方に位置する部分に形成される。後側水受け部(62)は、凝縮水を受けるドレンパンである。
【0067】
(2-6)電装品箱
図5(A)に示すように、室内機(30)は電装品箱(60)を有する。電装品箱(60)は、概ね直方体に形成される。電装品箱(60)は、室内機(30)内の右端の上寄りに配置される。具体的に、電装品箱(60)は、右側伝熱管部(28)の右側に配置される。電装品箱(60)の上面は、ケーシング(31)の上板(34)近傍に配置される。電装品箱(60)には、所定のプリント基板や電気部品が収容されている。
【0068】
(3)基本動作
空気調和装置(10)の基本的な運転動作について説明する。空気調和装置(10)は、冷房運転及び暖房運転を実行する。
【0069】
(3-1)冷房運転の冷媒の流れ
冷房運転では、四方切換弁(24)は第1状態となる。圧縮機(21)で圧縮された冷媒は、室外熱交換器(22)を流れる。室外熱交換器(22)は、冷媒と室外空気とを熱交換させる。室外熱交換器(22)で放熱、あるいは凝縮した冷媒は、膨張弁(23)で減圧された後、室内熱交換器(40)を流れる。室内熱交換器(40)は、冷媒と室内空気とを熱交換させる。室内熱交換器(40)で蒸発した冷媒は、圧縮機(21)で再び圧縮される。
【0070】
(3-2)暖房運転の冷媒の流れ
暖房運転では、四方切換弁(24)は第2状態となる。圧縮機(21)で圧縮された冷媒は、室内熱交換器(40)を流れる。室内熱交換器(40)は、冷媒と室内空気とを熱交換させる。室内熱交換器(40)で放熱、あるいは凝縮した冷媒は、膨張弁(23)で減圧された後、室外熱交換器(22)を流れる。室外熱交換器(22)は、冷媒と室外空気とを熱交換させる。室外熱交換器(22)で蒸発した冷媒は、圧縮機(21)で再び圧縮される。
【0071】
(4)アース線の固定
図5(A)に示すように、本例の空調室内機(30)は、室内熱交換器(40)をアースするアース線(99)を備える。アース線(99)は、管板(75)と電装品箱(60)との間のアース経路を形成する。アース線(99)は、後述する防滴カバー(95)の背面側に配置される。以下、アース線(99)の固定に関する構成について詳細に説明する。
【0072】
(4-1)第1端部固定部及び第2端部固定部
管板(75)に接続されるアース線(99)の一端を、第1端部(99a)とし、電装品箱(60)に接続されるアース線(99)の他端を、第2端部(99b)とする。
【0073】
第1端部(99a)は、第1端部固定部(81)に固定される。第1端部固定部(81)は、本開示の第1固定部(81)の一例である。第1端部固定部(81)は、室内熱交換器(40)の前面に設けられる。具体的に、第1端部固定部(81)は、管板(75)のフランジ部(75a)に設けられる。このように、第1端部固定部(81)は、アース線(99)の一端である第1端部(99a)を管板(75)に固定する。
【0074】
第1端部固定部(81)は、円形のネジ頭部(81a)を有するネジ部材により構成される。ネジ部材は、フランジ部(75a)に形成される取付穴に螺合されることで、フランジ部(75a)に締結される。アース線(99)の第1端部(99a)は、ネジ部材のネジ頭部(81a)とフランジ部(75a)との間に挟み込まれることで、管板(75)に固定される。
【0075】
第2端部固定部(82)は、電装品箱(60)に設けられる。具体的に、第2端部固定部(82)は、電装品箱(60)の上面に設けられる。電装品箱(60)の上面は、フランジ部(75a)よりも上方に位置する。言い換えると、アース線(99)の他端である第2端部(99b)は、第1端部固定部(81)よりも高い位置で固定される。
【0076】
(4-2)防滴カバー
防滴カバー(95)は、本開示のカバー部(95)の一例である。防滴カバー(95)は、右側伝熱管部(28)における結露水が機外へ漏出することを抑制すると共に、該結露水を、防滴カバー(95)の下方に配置される前側水受け部(72)へ案内する。
【0077】
防滴カバー(95)は、室内熱交換器(40)の前面及び側方の一部を覆う。防滴カバー(95)には開口(97)が形成される。詳細は後述するが、防滴カバー(95)は、第1端部固定部(81)が開口(97)から露出するように設けられると共に、第1端部固定部(81)の周囲を覆う。防滴カバー(95)は、カバー本体(95a)及び支持板部(95b)を有する。
【0078】
(4-2-1)カバー本体
カバー本体(95a)は、右側伝熱管部(28)の前側及び右側を囲うように設けられる。具体的に、カバー本体(95a)は、管板(75)から右側伝熱管部(28)の右端に亘って延びると共に、右側伝熱管部(28)の右端からその後方に向かって延びる。また、カバー本体(95a)は、右側伝熱管部(28)の中央の高さ位置からその下端に亘って形成される。カバー本体(95a)の下端は、前側水受け部(72)の上方に配置される。
【0079】
カバー本体(95a)の前面には、複数の突条部(96a,96b)が形成される。突条部(96a,96b)は、カバー本体(95a)の前面に付着した水を、前側水受け部(72)に案内する。具体的に、突条部(96a,96b)は、右から左に向かって下方へ傾斜する第1突条部(96a)と、左から右に向かって下方へ傾斜する第2突条部(96b)とを有する。第1突条部(96a)及び第2突条部(96b)は、第1突条部(96a)の下端が第2突条部(96b)下端よりも下方に位置するように左右方向に隣り合う。一対の第1突条部(96a)及び第2突条部(96b)は、上下方向に複数形成される。突条部(96a,96b)により、カバー本体(95a)の前面に付着した水が機外へ飛散することを抑制する。
【0080】
カバー本体(95a)は、中間部固定部(83)を有する。中間部固定部(83)は、カバー本体(95a)の背面に設けられる。中間部固定部(83)は、アース線(99)の弛みを抑えるために、アース線(99)を防滴カバー(95)に保持する部材である。中間部固定部(83)は、アース線(99)の一端から他端までの間の一部を固定する。具体的に、中間部固定部(83)は、アース線(99)の中央部分をカバー本体(95a)に固定する。中間部固定部(83)は本開示の第2固定部(83)の一例である。
【0081】
図6に示すように、カバー本体(95a)の背面には、カバー固定部(98)が設けられる。カバー固定部(98)は、伝熱管(27)に向かって後方に延びる。カバー固定部(98)の先端が伝熱管(27)に固定されることで防滴カバー(95)全体が右側伝熱管部(28)に固定される。具体的に、カバー固定部(98)の先端には、伝熱管(27)に嵌まる把持部(98a)が設けられている。把持部(98a)は、伝熱管(27)が延びる方向に直交する断面がC字状に形成される。把持部(98a)内に伝熱管(27)が嵌まることで、防滴カバー(95)は伝熱管(27)に固定される。このように、防滴カバー(95)は、伝熱管(27)のうち管板(75)から側方へ突出した部分である右側伝熱管部(28)に固定される。
【0082】
(4-2-2)支持板部
図5(A)に示すように、支持板部(95b)は、カバー本体(95a)の左端において、フランジ部(75a)に対応する位置から左方に延びるように形成される。支持板部(95b)は、フランジ部(75a)の前面に接するように配置される。このことで、防滴カバー(95)は、管板(75)に支持される。
【0083】
支持板部(95b)は、略矩形に形成されている。支持板部(95b)は、フランジ部(75a)の左側まで延びる。支持板部(95b)は、フランジ部(75a)の上方まで延びる。支持板部(95b)は、フランジ部(75a)の下方まで延びる。このように、支持板部(95b)は、フランジ部(75a)の周囲まで覆う。特に、支持板部(95b)は、フランジ部(75a)周辺のフィン(F)を覆う。
【0084】
図5(B)に示すように、開口(97)は、支持板部(95b)に形成される。開口(97)は、概ね矩形に形成される。開口(97)は、支持板部(95b)の中央よりも上寄りに位置する。開口(97)は、第1端部固定部(81)が支持板部(95b)から露出するように形成される。このように、支持板部(95b)は、第1端部固定部(81)の周囲を覆うように設けられる。
【0085】
ここで、第1端部固定部(81)の周囲は、第1端部固定部(81)をネジ頭部(81a)の正面から見て、ネジ頭部(81a)の外周縁から径方向外方へ距離d1離れた位置よりも広い範囲をいう。距離d1は、ネジ頭部(81a)の半径d2よりも小さい。別の言い方をすると、開口(97)の縁からネジ頭部(81a)の外周縁までの距離d1は、ネジ頭部(81a)の半径d2よりも小さい。
【0086】
図5(B)及び図5(C)に示すように、支持板部(95b)には、ガイド部(88)が設けられる。ガイド部(88)は、第1固定部(81)に付着した水を下方へ案内する板状の部材である。ガイド部(88)は、開口(97)の縁に沿って設けられる。具体的に、ガイド部(88)は、下側ガイド部(88a)と左側ガイド部(88b)とから構成される。
【0087】
下側ガイド部(88a)は、開口(97)の縁における下側部分に配置される。下側ガイド部(88a)は、支持板部(95b)から前方へ延びるにつれて上方に向かって湾曲するように形成される。下側ガイド部(88a)の右端は開放されている。
【0088】
左側ガイド部(88b)は、開口(97)の縁における左側部分に配置される。左側ガイド部(88b)は、支持板部(95b)から前方へ延びるにつれて、右方に向かって湾曲するように形成される。
【0089】
下側ガイド部(88a)と左側ガイド部(88b)とは連続し、かつ一体に形成される。こように、ガイド部(88)内は、水が溜まるポケット状に形成され、ガイド部(88)内の水は、下側ガイド部(88a)の右端から下方に向かって流れる。
【0090】
(5)特徴
(5-1)特徴1
本実施形態の空調室内機(30)では、端部に管板(75)を有する室内熱交換器(40)と、室内熱交換器(40)をアースするアース線(99)の一端を管板(75)に固定する第1端部固定部(81)(第1固定部)と、開口(97)が形成される防滴カバー(95)(カバー部)とを備える。防滴カバー(95)は、第1端部固定部(81)が開口(97)から露出するように設けられると共に、第1端部固定部(81)の周囲を覆う。
【0091】
本実施形態によると、支持板部(95b)が第1端部固定部(81)の周囲を覆っているため、第1端部固定部(81)の取り付けまたは取り外しの際に、工具の先端が右側伝熱管部(28)やフィン(F)に触れることを抑制できる。このことにより、フィン(F)の変形や、伝熱管(27)の破損を防ぐことができ、ひいては伝熱管(27)から冷媒漏れを抑制できる。
【0092】
(5-2)特徴2
本実施形態の空調室内機(30)では、第1端部固定部(81)は、ネジ部材により構成される。これにより、簡便にアース線(99)の第1端部(99a)を固定できる。
【0093】
(5-3)特徴3
本実施形態の空調室内機(30)では、第1端部固定部(81)は、円形のネジ頭部(81a)を備える。第1端部固定部(81)をネジ頭部(81a)の正面から見たとき、開口(97)の縁からネジ頭部(81a)の外周縁までの距離d1は、該ネジ頭部(81a)の半径d2よりも小さい。
【0094】
本実施形態によると、開口(97)の縁とネジ頭部(81a)の外周縁との隙間を小さくできるため、工具の先端が第1端部固定部(81)から外れても、その周囲の部品に工具の先端が接触してしまうことを抑制できる。
【0095】
(5-4)特徴4
本実施形態の空調室内機(30)では、第1端部固定部(81)は、室内熱交換器(40)の前面に設けられ、防滴カバー(95)は、室内熱交換器(40)の前面及び側方の一部を覆う。
【0096】
本実施形態によると、第1端部固定部(81)が室内熱交換器(40)の前面に位置するため、例えば第1端部固定部(81)が室内熱交換器(40)の側面に位置する場合よりもアース線(99)の取り付けまたは取り外しを容易に行うことができる。
【0097】
加えて、アース線(99)の取り付けまたは取り外しの作業時に室内熱交換器(40)の前面、及び右側伝熱管部(28)を工具から保護できる。
【0098】
加えて、第1端部固定部(81)が室内熱交換器(40)の前面にあることで、工具の先端が支持板部(95b)から外れたとしてもフィン(F)に接触することで、伝熱管(27)を保護できる。
【0099】
(5-5)特徴5
本実施形態の空調室内機(30)では、アース線(99)は、防滴カバー(95)の背面側に配置される。このことにより、室内熱交換器(40)の冷却により防滴カバー(95)の前面が結露しても、アース線(99)は防滴カバー(95)の背面側にあることによりアース線(99)が濡れることを抑制できる。ひいては漏電を抑制できる。
【0100】
(5-6)特徴6
本実施形態の空調室内機(30)では、防滴カバー(95)は、水を下方へ案内するガイド部(88)を備える。ガイド部(88)は、開口(97)の縁に設けられる。
【0101】
本実施形態によると、ガイド部(88)により、第1端部固定部(81)及びアース線(99)に付着した結露水を下方に流すことができる。これにより、結露水が機外に漏出することを抑制できる。
【0102】
(5-7)特徴7
本実施形態の空調室内機(30)では、アース線(99)の他端は、第1端部固定部(81)よりも高い位置で固定される。これにより、アース線(99)に付着した結露水は、アース線(99)をつたって第1端部固定部(81)へ流れる。このように、アース線(99)に付着した結露水を、第1端部固定部(81)を介して防滴カバー(95)から下方へ排出できる。
【0103】
(5-8)特徴8
本実施形態の空調室内機(30)では、防滴カバー(95)は、アース線(99)の一端から他端の間の一部を固定する中間部固定部(83)(第2固定部)を備える。
【0104】
本実施形態によると、アース線(99)をたゆませないようにすることができる。これによりアース線(99)のたゆみに結露水が溜まってしまうことを抑制できる。また、各室内機(30)間で、アース線(99)の取り付け状態が不揃いになることを抑制できる。このことで、室内機(30)の品質を安定させることができる。アース線(99)の取り付け状態とは、例えば、アース線(99)のたゆみの状態や、アース線(99)の機能部品への接触状態を指す。
【0105】
(5-9)特徴9
本実施形態の空調室内機(30)では、防滴カバー(95)は、伝熱管(27)に固定される。これにより、伝熱管(27)を利用して防滴カバー(95)を室内熱交換器(40)に固定できる。防滴カバー(95)を固定する部材を設けることを不要にできる。
【0106】
(5-10)特徴10
本実施形態の空調室内機(30)では、防滴カバー(95)は、伝熱管(27)のうち管板(75)から側方へ突出した部分まで覆う。これにより、伝熱管(27)を保護できる。
【0107】
(5-11)特徴11
本実施形態の空調室内機(30)では、室内熱交換器(40)は伝熱管(27)を流通する冷媒により空気と熱交換を行い、冷媒は可燃性である。
【0108】
本実施形態によると、支持板部(95b)により第1端部固定部(81)の周囲の伝熱管(27)が保護されるため、冷媒が可燃性であってもより安全にアース線(99)の取り付け及び取り外しを行うことができる。
【0109】
(6)その他の実施形態
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
【0110】
ガイド部(88)は、開口(97)の縁の少なくとも下側部分に設けられていればよい。また、ガイド部(88)は、開口(97)の縁に設けられていなくてもよく、開口(97)の縁よりも下方に設けられてもよい。
【0111】
ガイド部(88)は、第1端部固定部(81)の付着した水滴を下方に配置される前側水受け部(72)に案内できればよく、ガイド部(88)の形状は限定されるものではない。
【0112】
図7に示すように、開口(97)には2つの第1端部固定部(81)が露出していてもよい。2つの第1端部固定部(81)は、上下方向に並んで配置される。第1端部固定部(81)は、3つ以上であってもよい。
【0113】
第1端部固定部(81)はネジ部材でなくてもよい。第1端部固定部(81)は、ファストン端子であってもよい。
【0114】
カバー本体(95a)には、中間部固定部(83)が設けられていなくてもよい。アース線(99)は、カバー本体(95a)の前側に配置されてもよい。
【0115】
防滴カバー(95)は、室内熱交換器(40)の前面または側方の一部を覆うように構成されていてもよい。
【0116】
支持板部(95b)は、防滴カバー(95)と別体であってもよい。この場合、支持板部(95b)は本開示のカバー部(95)に対応する。支持板部(95b)は、第1端部固定部(81)の周囲を覆うように構成されていればよく、支持板部(95b)の大きさに限定はない。
【0117】
開口(97)は、第1端部固定部(81)が露出されるように形成されていればよく、第1端部固定部(81)を正面から見て、ネジ頭部(81a)の半径d2よりも大きい距離d1があってもよい。
【0118】
上記実施形態において、冷媒は、R32やR1234yf等のフロン系の冷媒、不燃性のHFC冷媒であってもよい。
【0119】
以上、実施形態及び変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態及び変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。以上に述べた「第1」、「第2」、…という記載は、これらの記載が付与された語句を区別するために用いられており、その語句の数や順序までも限定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0120】
以上説明したように、本開示は、空調室内機及び空気調和装置について有用である。
【符号の説明】
【0121】
10 空気調和装置
27 伝熱管
30 室内機(空調室内機)
40 室内熱交換器(熱交換器)
75 管板
81 第1端部固定部(第1固定部)
81a ネジ頭部
83 中間部固定部(第2固定部)
88 ガイド部
95 防滴カバー(カバー部)
97 開口
99 アース線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7