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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173606
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20231130BHJP
【FI】
A63F7/02 320
A63F7/02 304D
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022085967
(22)【出願日】2022-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】100111970
【弁理士】
【氏名又は名称】三林 大介
(74)【代理人】
【識別番号】100163315
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健二
(72)【発明者】
【氏名】市原 卓人
【テーマコード(参考)】
2C088
2C333
【Fターム(参考)】
2C088EB78
2C333AA05
2C333AA11
2C333CA29
2C333CA49
2C333GA01
(57)【要約】
【課題】遊技興趣をより高める演出を実行可能な遊技機を提供する。
【解決手段】本発明の遊技機では、表示器に第1画像および第2画像が並行して表示されている状態で駆動演出が行われる場合は、第1画像については、表示器が第1状態である場合と同じ態様(すなわち、駆動演出に対応しない態様)で表示され、第2画像については、表示器が第2状態となることに対応する態様(すなわち、駆動演出に対応する態様)で表示される。このため、第1画像と第2画像とで、駆動演出に対する対応度合を異ならせるという斬新な演出を実現することができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
【選択図】図19
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技媒体を利用して遊技を行う遊技機であって、
所定の画像が表示される表示器を備えており、
前記表示器を第1状態から第2状態まで動かす駆動演出を実行可能である
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技機において、
前記表示器には、第1画像および第2画像が並行して表示されることがあり、
前記表示器に前記第1画像および前記第2画像が並行して表示されている状態で前記駆動演出が行われる場合は、
前記第1画像については、前記表示器が前記第1状態である場合と同じ態様で表示するものの、
前記第2画像については、前記表示器が前記第2状態となることに対応する態様で表示する
ことを特徴とする遊技機。
【請求項3】
請求項1に記載の遊技機において、
前記駆動演出は、前記表示器を、前記第1状態から第1方向に特定角度だけ傾けることで前記第2状態とする演出であり、
前記表示器には、第1画像および第2画像が並行して表示されることがあり、
前記表示器に前記第1画像および前記第2画像が並行して表示されている状態で前記駆動演出が行われる場合は、
前記第1画像については、前記表示器に対して、前記第1状態である場合と同じ傾きで表示するものの、
前記第2画像については、前記表示器に対して、前記第1方向とは反対の第2方向に前記特定角度だけ傾けて表示する
ことを特徴とする遊技機。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の遊技機において、
前記駆動演出が行われるに際しては、前記第1画像については色彩を変更せず、前記第2画像については色彩を変更する
ことを特徴とする遊技機。
【請求項5】
請求項2または請求項3に記載の遊技機において、
前記駆動演出が行われるに際しては、前記第1画像については大きさを変更せず、前記第2画像については大きさを変更する
ことを特徴とする遊技機。
【請求項6】
請求項1に記載の遊技機において、
前記駆動演出において、前記表示器は、前記第1状態から前記第2状態となる過程で中途状態となるものであり、
前記表示器には、第1画像および第2画像が並行して表示されることがあり、
前記表示器に前記第1画像および前記第2画像が並行して表示されている状態で前記駆動演出が行われる場合において、
前記表示器が前記第1状態から前記中途状態となるに際しては、前記第1画像および前記第2画像の双方について、前記表示器が前記第1状態である場合と同じ態様で表示して、
前記表示器が前記中途状態から前記第2状態となるに際しては、前記第1画像については、前記表示器が前記第1状態である場合と同じ態様で表示するものの、前記第2画像については、前記表示器が前記第2状態となることに対応する態様で表示する
ことを特徴とする遊技機。
【請求項7】
請求項1に記載の遊技機において、
前記駆動演出は、前記表示器を、前記第1状態から第1方向に第1特定角度だけ傾けることで中途状態とした後に、更に前記第1方向に第2特定角度だけ傾けることで前記第2状態とする演出であり、
前記表示器には、第1画像および第2画像が並行して表示されることがあり、
前記表示器に前記第1画像および前記第2画像が並行して表示されている状態で前記駆動演出が行われる場合は、
前記表示器が前記第1状態から前記中途状態となるに際しては、前記第1画像および前記第2画像の双方について、前記表示器に対して、前記第1状態である場合と同じ傾きで表示して、
前記表示器が前記中途状態から前記第2状態となるに際しては、前記第1画像については、前記表示器に対して、前記第1状態である場合と同じ傾きで表示するものの、前記第2画像については、前記表示器に対して、前記第1方向とは反対の第2方向に前記第2特定角度だけ傾けて表示する
ことを特徴とする遊技機。
【請求項8】
請求項6または請求項7に記載の遊技機において、
前記駆動演出において前記表示器が前記第1状態から前記中途状態となるまでは、前記第1画像および前記第2画像の双方について色彩を変更せず、
前記駆動演出において前記表示器が前記中途状態となった後は、前記第1画像については色彩を変更せず、前記第2画像については色彩を変更する
ことを特徴とする遊技機。
【請求項9】
請求項6または請求項7に記載の遊技機において、
前記駆動演出において前記表示器が前記第1状態から前記中途状態となるまでは、前記第1画像および前記第2画像の双方について大きさを変更せず、
前記駆動演出において前記表示器が前記中途状態となった後は、前記第1画像については大きさを変更せず、前記第2画像については大きさを変更する
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技球や遊技メダル等の遊技媒体を利用して遊技を行う遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機としては、遊技盤に形成された遊技領域に向けて遊技球を発射することによって遊技を行うパチンコ機や、遊技メダルを投入後、外周面に複数種類の図柄が描かれた回胴を回転させることによって遊技を行うスロットマシンなどが知られている。このような遊技機では、所定の付与条件が成立すると、遊技者に特典を付与する。例えば、遊技領域に設けられた始動口に遊技球が入球すると、識別図柄(例えば特別図柄など)を変動表示させ、該識別図柄が当り図柄(例えば大当り図柄など)で停止表示されると、可変入球口が入球可能状態となる当り遊技(例えば大当り遊技など)を行う遊技機が存在する。
【0003】
このような遊技機では、種々の演出を行うことが一般的である。例えば、上述した当り遊技を行う遊技機では、識別図柄の変動表示中に、当該識別図柄が当り図柄で表示される可能性を示唆すべく、キャラクターを表示する演出が行われる(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008-178756号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の技術は、一般的な遊技者にとって周知の技術であり、遊技興趣を十分に高めることができないという問題があった。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、遊技興趣をより高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の遊技機は次の構成を採用した。すなわち、
遊技媒体を利用して遊技を行う遊技機であって、
所定の画像が表示される表示器を備えており、
前記表示器を第1状態から第2状態まで動かす駆動演出を実行可能である
ことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の遊技機は、
前記表示器には、第1画像および第2画像が並行して表示されることがあり、
前記表示器に前記第1画像および前記第2画像が並行して表示されている状態で前記駆動演出が行われる場合は、
前記第1画像については、前記表示器が前記第1状態である場合と同じ態様で表示するものの、
前記第2画像については、前記表示器が前記第2状態となることに対応する態様で表示する
こととしてもよい。
【0009】
また、本発明の遊技機は、
前記駆動演出は、前記表示器を、前記第1状態から第1方向に特定角度だけ傾けることで前記第2状態とする演出であり、
前記表示器には、第1画像および第2画像が並行して表示されることがあり、
前記表示器に前記第1画像および前記第2画像が並行して表示されている状態で前記駆動演出が行われる場合は、
前記第1画像については、前記表示器に対して、前記第1状態である場合と同じ傾きで表示するものの、
前記第2画像については、前記表示器に対して、前記第1方向とは反対の第2方向に前記特定角度だけ傾けて表示する
こととしてもよい。
【0010】
また、本発明の遊技機は、
前記駆動演出が行われるに際しては、前記第1画像については色彩を変更せず、前記第2画像については色彩を変更する
こととしてもよい。
【0011】
また、本発明の遊技機は、
前記駆動演出が行われるに際しては、前記第1画像については大きさを変更せず、前記第2画像については大きさを変更する
こととしてもよい。
【0012】
また、本発明の遊技機は、
前記駆動演出において、前記表示器は、前記第1状態から前記第2状態となる過程で中途状態となるものであり、
前記表示器には、第1画像および第2画像が並行して表示されることがあり、
前記表示器に前記第1画像および前記第2画像が並行して表示されている状態で前記駆動演出が行われる場合において、
前記表示器が前記第1状態から前記中途状態となるに際しては、前記第1画像および前記第2画像の双方について、前記表示器が前記第1状態である場合と同じ態様で表示して、
前記表示器が前記中途状態から前記第2状態となるに際しては、前記第1画像については、前記表示器が前記第1状態である場合と同じ態様で表示するものの、前記第2画像については、前記表示器が前記第2状態となることに対応する態様で表示する
こととしてもよい。
【0013】
また、本発明の遊技機は、
前記駆動演出は、前記表示器を、前記第1状態から第1方向に第1特定角度だけ傾けることで中途状態とした後に、更に前記第1方向に第2特定角度だけ傾けることで前記第2状態とする演出であり、
前記表示器には、第1画像および第2画像が並行して表示されることがあり、
前記表示器に前記第1画像および前記第2画像が並行して表示されている状態で前記駆動演出が行われる場合は、
前記表示器が前記第1状態から前記中途状態となるに際しては、前記第1画像および前記第2画像の双方について、前記表示器に対して、前記第1状態である場合と同じ傾きで表示して、
前記表示器が前記中途状態から前記第2状態となるに際しては、前記第1画像については、前記表示器に対して、前記第1状態である場合と同じ傾きで表示するものの、前記第2画像については、前記表示器に対して、前記第1方向とは反対の第2方向に前記第2特定角度だけ傾けて表示する
こととしてもよい。
【0014】
また、本発明の遊技機は、
前記駆動演出において前記表示器が前記第1状態から前記中途状態となるまでは、前記第1画像および前記第2画像の双方について色彩を変更せず、
前記駆動演出において前記表示器が前記中途状態となった後は、前記第1画像については色彩を変更せず、前記第2画像については色彩を変更する
こととしてもよい。
【0015】
また、本発明の遊技機は、
前記駆動演出において前記表示器が前記第1状態から前記中途状態となるまでは、前記第1画像および前記第2画像の双方について大きさを変更せず、
前記駆動演出において前記表示器が前記中途状態となった後は、前記第1画像については大きさを変更せず、前記第2画像については大きさを変更する
こととしてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、遊技興趣をより高める演出を実行可能な遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本実施例のパチンコ機1の正面図である。
図2】本実施例の遊技盤20の盤面構成を示す説明図である。
図3】本実施例のパチンコ機1における制御回路の構成を示すブロック図である。
図4】本実施例のセグメント表示部50の構成を示す説明図である。
図5】本実施例の1種当りの種類、2種当りの種類を示す説明図である。
図6】本実施例の演出表示器41の表示内容を例示する説明図である。
図7】本実施例の非電サポ状態で第1特図を変動表示させる場合の遊技の進行態様を示す説明図である。
図8】本実施例の電サポ状態で第2特図を変動表示させる場合の進行態様を示す説明図である。
図9】本実施例の主制御基板200のCPU201よって実行される遊技制御処理を示すフローチャートである。
図10】本実施例の変動パターン選択テーブルを概念的に示す説明図である。
図11】本実施例の変動パターン選択テーブルの種類を示す説明図である。
図12】本実施例のサブ制御基板220のCPU221よって実行される演出制御処理を示すフローチャートである。
図13】本実施例のサブ制御基板220のCPU221の受信コマンドに対応する処理を示す説明図である。
図14】本実施例の「SPリーチ演出」の「大当り期待度」を示す説明図である。
図15】本実施例の「表示器回転演出」が行われる様子を示す説明図である。
図16】本実施例の「表示器回転演出」が行われる際の画像の表示態様を示す説明図である。
図17】本実施例の「エンブレム演出」が行われる様子を示す説明図である。
図18】本実施例の「表示器回転演出A」が行われる際の画像の表示態様を示す説明図である。
図19】本実施例の「表示器回転演出B」が行われる際の画像の表示態様を示す説明図である。
図20】本実施例の「表示器回転演出B」が行われる際の「エンブレム画像」の表示角度を示す説明図である。
図21】本実施例の「表示器回転演出C」が行われる際の画像の表示態様を示す説明図である。
図22】本実施例の「表示器回転演出C」が行われる際の「エンブレム画像」の表示角度を示す説明図である。
図23】本実施例の「表示器回転演出D」が行われる際の画像の表示態様を示す説明図である。
図24】本実施例の「表示器回転演出D」が行われる際の「エンブレム画像」の表示角度を示す説明図である。
図25】本実施例の「表示器回転演出」の「大当り期待度」を示す説明図である。
図26】変形例2を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
上述した本発明の内容を明確にするために、本発明の実施例について説明する。尚、実施例においては、特に断りがない限りは、パチンコ機正面に向かって右側を「右」と表現し、左側を「左」と表現する。
【0019】
また、以下の実施例は次のような順序に従って説明する。
A.パチンコ機の装置構成:
A-1.装置前面側の構成:
A-2.遊技盤の構成:
A-3.制御回路の構成:
B.遊技の内容:
C.遊技制御処理:
D.演出制御処理:
E.SPリーチ演出:
F.表示器回転演出:
G.表示器回転演出とエンブレム演出の関係:
G-1.エンブレム演出:
G-2.エンブレム演出に並行する表示器回転演出:
G-2-1.表示器回転演出A:
G-2-2.表示器回転演出B:
G-2-3.表示器回転演出C:
G-2-4.表示器回転演出D:
G-3.表示器回転演出の大当り期待度:
H.変形例:
H-1.変形例1:
H-2.変形例2:
【0020】
A.パチンコ機の装置構成 :
A-1.装置前面側の構成 :
図1は、本実施例のパチンコ機1の正面図である。図1に示すように、パチンコ機1の前面部には、前面枠4が設けられている。前面枠4の略中央部には窓部4aが形成されており、この窓部4aには合成樹脂製の透明板4bが嵌め込まれている。遊技者は、窓部4a(透明板4b)を通して奥側に配置される遊技盤20(図2参照)の遊技領域を視認可能である。また、前面枠4における窓部4aの右下方には、小窓部4cが形成されており、この小窓部4cには合成樹脂板等の透明板4dが嵌め込まれている。遊技者は、小窓部4c(透明板4d)を通して奥側に配置された遊技盤20のセグメント表示部50(図2参照)を視認可能である。詳しくは後述するが、セグメント表示部50とは、複数のLEDの組合せによって遊技に係る情報を表示する表示部である。
【0021】
前面枠4における窓部4aの上方には上部ランプ5aが設けられ、窓部4aの周縁部における右部には右サイドランプ5bが設けられ、窓部4aの周縁部における左部には左サイドランプ5cが設けられている。また、窓部4aの左右上方には上部スピーカー6aが設けられており、前面枠4の下方(後述する本体枠の幕板前面)には下部スピーカー6bが設けられている。これらの上部ランプ5a、右サイドランプ5b、左サイドランプ5c、上部スピーカー6a、下部スピーカー6bは、遊技上の演出効果を高めるために駆動される。
【0022】
前面枠4における窓部4aの下方には、上皿部7が設けられている。上皿部7には、パチンコ機1に対応して設けられたカードユニット60を介して貸し出される遊技球や、パチンコ機1から払い出される遊技球が貯留される。また、上皿部7の下方には下皿部8が設けられており、上皿部7の容量を超えて貸し出された遊技球や、上皿部7の容量を超えて払い出された遊技球が貯留される。
【0023】
前面枠4における下皿部8の右方には、発射ハンドル9が設けられている。発射ハンドル9の回転軸は、発射ハンドル9の奥側に搭載された発射装置ユニットに接続されており、この発射装置ユニットには、上皿部7に貯留された遊技球が供給される。遊技者が発射ハンドル9を回転させると、その回転が発射装置ユニットに伝達され、発射装置ユニットに内蔵された発射モーターが回転して、回転角度に応じた強さで遊技球が発射される。
【0024】
また、上皿部7の縁部には遊技者による押下操作が可能な演出ボタン10aが設けられており、下皿部8の左方には遊技者による押込操作や回転操作が可能なジョグシャトル10bが設けられている。また、図示は省略するが、上皿部7の縁部であって演出ボタン10aの左側には方向ボタン10cが設けられている。方向ボタン10cは上下左右方向のそれぞれに対応する4個のボタン(上ボタン、下ボタン、左ボタン、右ボタン)から構成されている。これらの演出ボタン10aや、ジョグシャトル10b、方向ボタン10cは、何れも遊技者によって操作される演出操作部であり、所定の条件成立時に遊技者によって操作されると、所定の遊技演出が行われる。
【0025】
また、図示は省略するが、前面枠4の背面側には中枠および本体枠が設けられ、前面枠4は、一端(図1における左側)が中枠に対して回動可能に軸支されており、中枠は、一端(図1における左側)が本体枠に対して回動可能に軸支されている。本体枠は、木製の板状部材を組み立てて構成された略長方形の枠体であり、パチンコ機1はこの本体枠が島設備に取り付けられることで遊技ホールに設置される。中枠の前面側には遊技盤20が着脱可能に取り付けられており、前面枠4が中枠に対してパチンコ機1前方側に回動(開放)されると、遊技盤20が露出された状態となる。
【0026】
A-2.遊技盤の構成 :
図2は、遊技盤20の盤面構成を示す説明図である。前述したように、遊技盤20は中枠の前面側に着脱可能に取り付けられている。図2に示すように、遊技盤20の中央には略円形状の遊技領域21が形成されている。発射装置ユニット261(図3参照)から発射された遊技球は、外レール22と内レール23との間を通って遊技領域21に放出され、遊技領域21の上方から下方に向かって流下する。遊技領域21は、前面枠4の窓部4aを通して遊技者に視認されるので、当然ながら、遊技領域21を流下する遊技球の様子も窓部4aを通して遊技者に視認されることとなる。
【0027】
遊技領域21の略中央には、表示器用開口部40が開口されている(設けられている)。遊技盤20の背面側(裏側)には、演出表示器41(液晶表示器など)が、その表示領域(表示画面)が表示器用開口部40に対向する(臨む)ように設けられている。遊技者は、表示器用開口部40を通して(介して)演出表示器41の表示領域(表示画面)(ひいては、表示領域に表示される種々の画像)を視認することが可能である。表示器用開口部40の周囲部には、遊技領域21や演出表示器41を装飾する装飾部が設けられている。例えば、当該パチンコ機1の題材となった作品のタイトルやキャラクターに関連する装飾が施された装飾部が設けられている。
【0028】
遊技領域21における表示器用開口部40(演出表示器41)の下方には、開口部の大きさが不変(一定)であり遊技球が常時入球可能な始動口である第1始動口24が設けられている。第1始動口24に入球した遊技球は、内部に設けられた通路を通って遊技盤20の裏面側に導かれる。第1始動口24の内部の通路には第1始動口センサー24s(図3参照)が設けられており、第1始動口24に入球した遊技球を検知可能である。
【0029】
また、遊技領域21における表示器用開口部40(演出表示器41)の左下には、遊技球が通過可能な左普通図柄作動ゲート71が設けられており、左普通図柄作動ゲート71の内部には、遊技球の通過を検知する左ゲートセンサー71s(図3参照)が設けられている。また、遊技領域21における表示器用開口部40(演出表示器41)の右下には、遊技球が通過可能な右普通図柄作動ゲート72が設けられており、右普通図柄作動ゲート72の内部には、遊技球の通過を検知する右ゲートセンサー72s(図3参照)が設けられている。左普通図柄作動ゲート71および右普通図柄作動ゲート72は、機能が互いに共通していることから、本明細書では、これらを特に区別しない場合はまとめて「普通図柄作動ゲート71,72」とも表現する。また、左ゲートセンサー71sおよび右ゲートセンサー72sも、機能が互いに共通していることから、本明細書では、これらを特に区別しない場合はまとめて「ゲートセンサー71s,72s」とも表現する。
【0030】
また、右普通図柄作動ゲート72の下方には、遊技球の入球可能性が変化する入球口(始動口)である第2始動口25が設けられている。すなわち、第2始動口25は、パチンコ機1の前後方向に回動可能な開閉扉26(図中のハッチング部分)を備えており、開閉扉26が略直立して遊技球が入球不能な閉鎖状態(入球不能状態)と、開閉扉26がパチンコ機1の前方側に回動して遊技球が入球可能な開放状態(入球可能状態)とに変化可能である。図2では、第2始動口25が開放状態となっている様子が示されている。第2始動口25に入球した遊技球は、内部に設けられた通路を通って遊技盤20の裏面側に導かれる。第2始動口25の内部の通路には第2始動口センサー25s(図3参照)が設けられており、第2始動口25に入球した遊技球を検知可能である。
【0031】
また、遊技領域21における第1始動口24の下方には、略長方形状に大きく開口された大入賞口28(可変入球口)が設けられている。大入賞口28は、パチンコ機1の前後方向に回動可能な開閉扉29(図中のハッチング部分)を備えており、開閉扉29が略直立して遊技球が入球不能な閉鎖状態(入球不能状態)と、開閉扉29がパチンコ機1の前方側に回動して遊技球が入球可能な開放状態(入球可能状態)とに変化可能である。図2では、大入賞口28が開放状態となっている様子が示されている。大入賞口28に入球した遊技球は、内部に設けられた通路を通って遊技盤20の裏面側に導かれる。大入賞口28の内部の通路には大入賞口センサー28s(図3参照)が設けられており、大入賞口28に入球した遊技球を検知可能である。
【0032】
また、遊技領域21における第2始動口25の下方(遊技領域21の右下隅部)には、遊技盤20面から前方(遊技者側)に突出した突出体33が設けられている。突出体33の上面は、右側から左側にかけて下方へ傾斜しており、遊技球が右側から左側(パチンコ機1中央側)に転動可能な転動面34となっている。この転動面34の中途部(遊技球の転動方向の中途部)には、小入賞口35(可変入球口)が設けられている。この小入賞口35は、パチンコ機1の前後方向に摺動可能(移動可能)な開閉扉36(図中のハッチング部分)を備えており、開閉扉36が前方側に摺動(移動)して遊技球が入球不能な閉鎖状態と、開閉扉36が後方側に摺動(移動)して遊技球が入球可能な開放状態とに変化可能である。転動面34上を転動する遊技球は、当然ながら、小入賞口35が開放状態にあるときは小入賞口35に入球し、小入賞口35が閉鎖状態にあるときは小入賞口35に入球することなく小入賞口35(開閉扉36)の上方を通過することとなる。
【0033】
小入賞口35に入球した遊技球は、突出体33内部に設けられた通路37(図中の破線部分)を通って特定口38(いわゆる「V」、図中の破線部分)に導かれる。突出体33の前壁は少なくとも一部が透明板によって形成されており(光透過性を有しており)、遊技者は突出体33の前壁を通して、小入賞口35に入球した遊技球が特定口38に導かれる様子を視認可能である。小入賞口35の内部には小入賞口センサー35s(図3参照)が設けられており、小入賞口35に入球した遊技球を検知可能である。また、特定口38の内部には特定口センサー38s(図3参照)が設けられており、特定口38に入球した遊技球を検知可能である。
【0034】
また、上述した各遊技装置の周辺には、遊技球が入球可能なその他入球口30や、遊技球の流下経路に影響を与える風車型ホイール31や多数の障害釘(図示省略)が設けられている。また、遊技領域21の最下部にはアウト口32が設けられており、上述した第1始動口24、第2始動口25、大入賞口28、小入賞口35、その他入球口30の何れにも入球しなかった遊技球は、アウト口32から遊技盤20の裏側に排出される。
【0035】
上述した左普通図柄作動ゲート71、第1始動口24には、表示器用開口部40(演出表示器41)の左方の領域を流下する遊技球が入球可能である。これに対して、右普通図柄作動ゲート72、第2始動口25、大入賞口28、小入賞口35には、表示器用開口部40(演出表示器41)の右方の領域を流下する遊技球が入球可能(または通過可能)である。以下では、表示器用開口部40(演出表示器41)の左方の領域を流下するように遊技球を発射させることを「左打ち」とも表現し、表示器用開口部40(演出表示器41)の右方の領域を流下するように遊技球を発射させることを「右打ち」とも表現する。尚、本実施例のパチンコ機1では、第1始動口24に遊技球が入球した場合は3個の遊技球が遊技者に払い出され、第2始動口25に遊技球が入球した場合は4個の遊技球が遊技者に払い出され、その他入球口30に遊技球が入球した場合は5個の遊技球が遊技者に払い出される。また、大入賞口28に遊技球が入球した場合は10個の遊技球が遊技者に払い出され、小入賞口35に遊技球が入球した場合は3個の遊技球が払い出される。
【0036】
遊技盤20における遊技領域21の右下方には、LEDの組合せによって遊技に係る情報を表示するセグメント表示部50が設けられている。セグメント表示部50は、前面枠4に設けられた小窓部4c(図1参照)を通して遊技者に視認される。尚、セグメント表示部50の詳しい表示内容については後述する。
【0037】
A-3.制御回路の構成 :
次に、本実施例のパチンコ機1における制御回路の構成について説明する。図3は、本実施例のパチンコ機1における制御回路の構成を示したブロック図である。図示されているようにパチンコ機1の制御回路は、多くの制御基板や、各種基板、中継端子板などから構成されている。詳しくは、遊技の基本的な進行に係る制御を司る主制御基板200と、遊技の演出に係る制御を司るサブ制御基板220と、サブ制御基板220の制御下で画像の表示や音声の出力に係る制御を司る画像音声制御基板230と、サブ制御基板220の制御下でランプの発光に係る制御を司るランプ制御基板226と、遊技球の貸し出しや払い出しに係る制御を司る払出制御基板240と、遊技球の発射に係る制御を司る発射制御基板260などから構成されている。これら制御基板は、各種論理演算および算出演算を実行するCPU(図3におけるCPU201、221、231等)や、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM(図3におけるROM202、222、232等)、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM(図3における203、223、233等)、入出力用回路など、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。
【0038】
主制御基板200には、第1始動口24へ入球した遊技球を検知する第1始動口センサー24sや、第2始動口25へ入球した遊技球を検知する第2始動口センサー25s、大入賞口28へ入球した遊技球を検知する大入賞口センサー28s、左普通図柄作動ゲート71を通過した遊技球を検知する左ゲートセンサー71s、右普通図柄作動ゲート72を通過した遊技球を検知する右ゲートセンサー72s、小入賞口35に入球した遊技球を検知する小入賞口センサー35s、特定口38に入球した遊技球を検知する特定口センサー38sなどが接続されている。主制御基板200のCPU201は、これらのセンサーなどから遊技球の検知信号の入力があると、その検知信号の入力のあったセンサーに対応するコマンドを、サブ制御基板220や、払出制御基板240、発射制御基板260などに向けて送信する。
【0039】
また、主制御基板200には、第2始動口25に設けられた開閉扉26に開閉動作を行わせるための(第2始動口25を開放状態、閉鎖状態にするための)第2始動口ソレノイド26mや、大入賞口28に設けられた開閉扉29に開閉動作を行わせるための(大入賞口28を開放状態、閉鎖状態にするための)大入賞口ソレノイド29m、小入賞口35に設けられた開閉扉36に開閉動作を行わせるための(小入賞口35を開放状態、閉鎖状態にするための)小入賞口ソレノイド35m、セグメント表示部50などが接続されている。主制御基板200のCPU201は、第2始動口ソレノイド26m、大入賞口ソレノイド29m、小入賞口ソレノイド35m、セグメント表示部50に向けて駆動信号を送信することにより、これらの動作の制御を行う。
【0040】
サブ制御基板220には、画像音声制御基板230や、ランプ制御基板226、演出操作基板228が接続されている。サブ制御基板220のCPU221は、主制御基板200からの各種コマンドを受信すると、コマンドの内容を解析して、その内容に応じた演出を行う。すなわち、画像音声制御基板230に対しては、出力画像や出力音声を指定するコマンドを送信し、ランプ制御基板226に対しては、上部ランプ5a、右サイドランプ5b、左サイドランプ5c(以下「各種ランプ5a~5c」ともいう)の発光パターンを指定するコマンドを送信することによって、演出を行う。また、サブ制御基板220のCPU221は、演出操作基板228を介して、演出ボタン10aや、ジョグシャトル10b、方向ボタン10cに対する遊技者の操作を検知すると、該操作に対応する演出を行う。
【0041】
画像音声制御基板230は、CPU231、ROM232、RAM233に加えて、VDP234、画像ROM235、音声ROM236を備えている。画像音声制御基板230のCPU231は、サブ制御基板220からコマンドを受信すると、そのコマンドに対応する画像の表示をVDP234に指示する。VDP234は、指示された画像の表示に利用する画像データ(例えば、スプライトデータや動画データなど)を画像ROM235から読み出して画像を生成し、演出表示器41の表示画面(表示領域)に出力する。また、画像音声制御基板230のCPU231は、サブ制御基板220からコマンドを受信すると、そのコマンドに対応する音声データを音声ROM236から読み出す。そして、該音声データに基づく音声を、アンプ基板224を介して、上部スピーカー6aおよび下部スピーカー6b(以下「各種スピーカー6a,6b」ともいう)から出力する。
【0042】
払出制御基板240には、上皿部7に設けられた球貸ボタン241(図1では図示省略)や、パチンコ機1に並設されたカードユニット242、払出モーター243などが接続されている。球貸ボタン241が操作されると、この信号は、払出制御基板240を介してカードユニット242に伝達される。カードユニット242は、払出制御基板240とデータを通信しながら、払出モーター243を駆動して遊技球の貸し出しを行う。また、主制御基板200から遊技球の払い出しを指示する払出コマンドを受信した場合も、払出モーター243を駆動して遊技球の払い出しを行う。
【0043】
また、払出制御基板240には発射制御基板260が接続されており、発射制御基板260には、遊技球を発射させるための発射モーター262や遊技者が発射ハンドル9に触れていることを検知するタッチスイッチ263等を有する発射装置ユニット261が接続されている。発射制御基板260は、タッチスイッチ263を介して遊技者が発射ハンドル9に触れていることを検知すると、発射モーター262を駆動することによって、発射ハンドル9の回転角度に応じた強さで遊技球を発射する。
【0044】
B.遊技の内容 :
本実施例のパチンコ機1では、次のようにして遊技が進行する。上皿部7に遊技球が貯留された状態で発射ハンドル9が回転されると、貯留された遊技球が1球ずつ発射装置ユニット261に供給されて、図2を用いて前述した遊技領域21に発射される。遊技球を打ち出す強さは発射ハンドル9の回転角度に対応するので、遊技者は発射ハンドル9の回転角度を変化させることによって、所望する領域に遊技球を流下させることができる。例えば、表示器用開口部40(演出表示器41)の左方の領域を流下するように遊技球を発射させたり(左打ちを行ったり)、表示器用開口部40(演出表示器41)の右方の領域を流下するように遊技球を発射させたり(右打ちを行ったり)することができる。
【0045】
本実施例のパチンコ機1では、第2始動口25への遊技球の入球頻度に係る遊技状態が適宜設定される。詳しくは、第2始動口25への遊技球の入球頻度に係る遊技状態が『第2始動口25への遊技球の入球頻度が低い(第2始動口25が開放状態となる頻度が低い)非電サポ状態』または『第2始動口25への遊技球の入球頻度が高い(第2始動口25が開放状態となる頻度が高い)電サポ状態』に設定される。そして、非電サポ状態では、第2始動口25よりも第1始動口24に遊技球が入球し易く、電サポ状態では、第1始動口24よりも第2始動口25に遊技球が入球し易い。このため、非電サポ状態では、遊技者に左打ちを行わせる(第1始動口24への入球を狙わせる)ことができ、電サポ状態では、遊技者に右打ちを行わせる(第2始動口25への入球を狙わせる)ことができる。
【0046】
尚、セグメント表示部50には、上述した電サポ状態中であることを示す電サポ表示部58が設けられている。すなわち、図4に示すように、電サポ表示部58には、3個のLEDが配置されており、電サポ状態中は、この3個のLEDを点灯することによって電サポ状態中であることを示す。また、図4に示すように、セグメント表示部50には、右打ちを行うことを示す右打ち表示部59が設けられている。電サポ状態中は第2始動口25への遊技球の入球頻度が高く、且つ、第2始動口25は右打ちされた遊技球が入球可能であるので、電サポ状態中は右打ちを行うことが遊技者にとって有益である。そこで、電サポ状態中は、右打ち表示部59に配置された2個のLEDを点灯することによって右打ちを行うことを遊技者に促す。
【0047】
<特別図柄の変動表示>
図2を用いて前述したように、第1始動口24には(主に非電サポ状態中に)左打ちされた遊技球が入球可能である。左打ちされた遊技球が第1始動口24に入球し、その入球した遊技球が第1始動口センサー24sにより検知されると、所定の判定乱数(後述する大当り判定乱数など)を取得し、該判定乱数に基づいて、「大当り」、「外れ」の何れであるかを判定する大当り判定を行う。このような大当り判定を行ったら、当該大当り判定の結果に基づいて、第1特別図柄を変動表示させた後に停止表示させる。
【0048】
また、図2を用いて前述したように、第2始動口25には右打ちされた遊技球が入球可能である。右打ちされた遊技球が第2始動口25に入球し、その入球した遊技球が第2始動口センサー25sにより検知されると、所定の判定乱数(後述する大当り判定乱数など)を取得し、該判定乱数に基づいて、「大当り」、「小当り」、「外れ」の何れであるかを判定する大当り判定を行う。このような大当り判定を行ったら、当該大当り判定の結果に基づいて、第2特別図柄を変動表示させた後に停止表示させる。すなわち、遊技球が第2始動口25に入球することに基づく大当り判定では、「小当り」であるか否かも判定する。
【0049】
尚、本明細書では「第1特別図柄」を「第1特図」とも表現し、「第2特別図柄」を「第2特図」とも表現する。また、「第1特図」と「第2特図」とを特に区別しない場合は、これらをまとめて「特別図柄」とも表現する。
【0050】
ここで、第1特図、第2特図について説明する。図4は、セグメント表示部50を拡大して示す説明図である。前述したように、セグメント表示部50は遊技盤20における遊技領域21の右下方に設けられており(図2参照)、遊技者は前面枠4の小窓部4c(図1参照)を通してセグメント表示部50を視認可能である。図4に示すように、セグメント表示部50には、第1特図を表示する第1特図表示部51と、第2特図を表示する第2特図表示部52が設けられており、これらの表示部にはそれぞれ9個のLEDが配置されている。第1特図および第2特図は、それぞれの表示部において、9個のLEDのうち点灯するLEDを切り換えることによって変動表示され、9個のLEDのうち所定のLEDを点灯した状態とすることで停止表示される。
【0051】
本実施例のパチンコ機1では、第1特図として、200種類の「大当り図柄(大当り図柄101~300)」、1種類の「外れ図柄(外れ図柄401)」を停止表示可能である。また、第2特図として、200種類の「大当り図柄(大当り図柄501~700)」、100種類の「小当り図柄(小当り図柄701~800)」、1種類の「外れ図柄(外れ図柄801)」を停止表示可能である。これらの図柄の種類は、点灯するLEDの組合せの相違によって識別可能である。
【0052】
遊技球が第1始動口24に入球することに基づく大当り判定(本明細書では「第1特図についての大当り判定」ともいう)の結果が「大当り」である場合は第1特図が「大当り図柄101~300」の何れかで停止表示され、「外れ」である場合は第1特図が「外れ図柄401」で停止表示される。尚、『第1特図についての大当り判定』では、約300分の1の確率で「大当り」と判定される。
【0053】
また、遊技球が第2始動口25に入球することに基づく大当り判定(本明細書では「第2特図についての大当り判定」ともいう)の結果が「大当り」である場合は第2特図が「大当り図柄501~700」の何れかで停止表示され、「小当り」である場合は第2特図が「小当り図柄701~800」の何れかで停止表示され、「外れ」である場合は第2特図が「外れ図柄801」で停止表示される。尚、『第2特図についての大当り判定』では、約300分の1の確率で「大当り」と判定され、約6分の1の確率で「小当り」と判定される。
【0054】
特別図柄(第1特図または第2特図)を大当り図柄、小当り図柄、外れ図柄の何れかで停止表示したら、停止表示された図柄を確定させるべく、図柄が停止表示された状態を所定の時間が経過するまで維持する表示(以下「確定表示」ともいう)を行う。以下では、特別図柄が変動表示を開始してから確定表示されるまでの遊技、すなわち、1回の変動表示の結果が得られるまでの遊技を「図柄変動遊技」とも表現する。
【0055】
<大当り遊技>
本実施例のパチンコ機1では、大入賞口28が開放状態となるラウンド遊技が複数回行われる大当り遊技を実行可能である。大入賞口28に遊技球が入球すると多くの遊技球が払い出される(1個の遊技球が入球する毎に10個の遊技球が払い出される)ので、大当り遊技は遊技者にとって有利な遊技である。図2を用いて前述したように、大入賞口28には右打ちされた遊技球が入球可能であるので、当然ながら、大当り遊技中は右打ちを行うことが遊技者にとって有益である。そこで、大当り遊技中も、電サポ状態中と同様に、セグメント表示部50の右打ち表示部59に配置された2個のLEDを点灯することによって右打ちを行うことを促す。本実施例では、このような大当り遊技として、開始契機が互いに異なる「1種当り」と「2種当り」とを実行可能である。
【0056】
<1種当り>
1種当りは、第1特図または第2特図が何れかの大当り図柄で停止表示された場合(第1特図または第2特図についての大当り判定の結果が「大当り」である場合)に開始される。この1種当りとしては、「停止表示された大当り図柄の種類」に応じて、「ラウンド遊技回数」および「大当り遊技終了後の遊技状態」が異なる複数種類を実行可能である。
【0057】
すなわち、図5(a)に示すように、第1特図が「大当り図柄101~200」で停止表示された場合は(第1特図が大当り図柄で停止表示される場合は50%の確率で)、『6回のラウンド遊技が行われて、大当り遊技終了後の遊技状態が電サポ状態となる1種当り(本明細書では「6R電サポの1種当り」ともいう)』が行われる。また、第1特図が「大当り図柄201~300」で停止表示された場合は(第1特図が大当り図柄で停止表示される場合は50%の確率で)、『6回のラウンド遊技が行われて、大当り遊技終了後の遊技状態が非電サポ状態となる1種当り(本明細書では「6R非電サポの1種当り」ともいう)』が行われる。
【0058】
尚、「6R電サポの1種当り」が行われた場合は、当該「6R電サポの1種当り」の終了に伴って電サポ状態が設定されるところ、この電サポ状態は、新たに大当り遊技が行われない限りは、6回の図柄変動遊技(第1特図および第2特図の変動表示)が行われるまで継続して設定される。そして、当該6回の図柄変動遊技が行われたら、電サポ状態に代えて非電サポ状態が設定される。換言すると、「6R電サポの1種当り」の終了に伴って電サポ状態が設定された場合は、当該電サポ状態にて実行可能な図柄変動遊技の回数(本明細書では「電サポ回数」ともいう)が6回に設定される(電サポ回数6回の電サポ状態が設定される)。
【0059】
これに対して、第2特図が大当り図柄で停止表示される場合は100%の確率で、『10回のラウンド遊技が行われて、大当り遊技終了後の遊技状態が電サポ状態となる1種当り(本明細書では「10R電サポの1種当り」ともいう)』が行われる。もっとも、この場合において、「10R電サポの1種当り」の終了に伴って設定される電サポ回数は、「停止表示された大当り図柄の種類」に応じて設定される。
【0060】
詳しくは、図5(b)に示すように、第2特図が「大当り図柄501~560」で停止表示されることで「10R電サポの1種当り」が行われた場合(第2特図が大当り図柄で停止表示される場合は30%の確率で)は、電サポ回数が3回に設定される(電サポ回数3回の電サポ状態が設定さる)。また、第2特図が「大当り図柄561~640」で停止表示されることで「10R電サポの1種当り」が行われた場合(第2特図が大当り図柄で停止表示される場合は40%の確率で)は、電サポ回数が6回に設定される(電サポ回数6回の電サポ状態が設定さる)。また、第2特図が「大当り図柄641~700」で停止表示されることで「10R電サポの1種当り」が行われた場合(第2特図が大当り図柄で停止表示される場合は30%の確率で)は、電サポ回数が10回に設定される(電サポ回数10回の電サポ状態が設定さる)。
【0061】
以上のように、本実施例のパチンコ機1では、第1特図が大当り図柄で停止表示された場合よりも、第2特図が大当り図柄で停止表示された場合の方が、ラウンド遊技回数の多い1種当りが行われる。また、第1特図が大当り図柄で停止表示された場合よりも、第2特図が大当り図柄で停止表示された場合の方が、高い確率で1種当り終了後に電サポ状態が設定される。従って、第1特図の変動表示(第1特図についての大当り判定)が行われる場合よりも第2特図の変動表示(第2特図についての大当り判定)が行われる場合の方が遊技者にとって有利であると言うことができる。
【0062】
<2種当り>
以上は1種当りについて説明した。これに対して、2種当りは、遊技球が特定口38(図2参照)に入球した場合に開始される。詳しくは、本実施例のパチンコ機1では、第2特図が何れかの小当り図柄で停止表示された場合(第2特図についての大当り判定の結果が「小当り」である場合)に小入賞口35(図2参照)が開放状態となる小当り遊技が行われる。そして、この小当り遊技中に遊技球が小入賞口35に入球して、当該遊技球が特定口38に入球すると、2種当りが開始される。本実施例のパチンコ機1では、小当り遊技が行われる場合は、右打ちが行われていれば、ほぼ100%の確率で遊技球が小入賞口35に入球する。従って、小当り遊技が行われる場合は、ほぼ100%の確率で2種当りが行われることとなる。
【0063】
このような2種当りとしては、『10回のラウンド遊技が行われて、大当り遊技終了後の遊技状態が電サポ状態となる2種当り(本明細書では「10R電サポの2種当り」ともいう)』が行われる。もっとも、この場合において、「10R電サポの2種当り」の終了に伴って設定される電サポ回数は、「停止表示された小当り図柄の種類」に応じて設定される。
【0064】
詳しくは、図5(c)に示すように、第2特図が「小当り図柄701~730」で停止表示されることで「10R電サポの2種当り」が行われた場合は(第2特図が小当り図柄で停止表示されて2種当りが開始される場合は30%の確率で)、電サポ回数が3回に設定される(電サポ回数3回の電サポ状態が設定さる)。また、第2特図が「大当り図柄731~770」で停止表示されることで「10R電サポの2種当り」が行われた場合は(第2特図が小当り図柄で停止表示されて2種当りが開始される場合は40%の確率で)、電サポ回数が6回に設定される(電サポ回数6回の電サポ状態が設定さる)。また、第2特図が「大当り図柄771~800」で停止表示されることで「10R電サポの2種当り」が行われた場合は(第2特図が小当り図柄で停止表示されて2種当りが開始される場合は30%の確率で)、電サポ回数が10回に設定される(電サポ回数10回の電サポ状態が設定さる)。
【0065】
以上のように、本実施例のパチンコ機1では、第2特図の変動表示が行われる場合は2種当りが行われることがある。このことからも、第1特図の変動表示(第1特図についての大当り判定)が行われる場合よりも第2特図の変動表示(第2特図についての大当り判定)が行われる場合の方が遊技者にとって有利であると言うことができる。
【0066】
尚、本実施例のパチンコ機1において、1回のラウンド遊技は、10個の遊技球が入球した場合(10カウント)または30秒が経過した場合に終了するので、ほとんどの場合において1回のラウンド遊技では100個(10カウント×払出数10個)の遊技球が払い出される。従って、当然ながら、ラウンド遊技回数の多い大当り遊技の方が、ラウンド遊技回数が少ない大当り遊技よりも遊技者に多くの遊技球が払い出されることとなる。このため、ラウンド遊技回数のより多い大当り遊技が行われることを遊技者に期待させることができる。
【0067】
また、上述した大当り遊技の実行中は、セグメント表示部50のラウンド表示部55に実行中の大当り遊技のラウンド遊技回数が表示される。すなわち、図4に示すように、ラウンド表示部55には3個のLEDが配置されており、このラウンド表示部55では、3個のLEDのうち左と中のLEDを点灯することでラウンド遊技回数が6回の大当り遊技の実行中であることを示し、右と中のLEDを点灯することでラウンド遊技回数が10回の大当り遊技の実行中であることを示す。
【0068】
<特別図柄の保留>
遊技球が第1始動口24に入球すると、上述したように『第1特図についての大当り判定』や第1特図の変動表示が行われるものの、これらの大当り判定や変動表示は、遊技球が第1始動口24に入球後に直ぐに行われるのではなく、取得された判定乱数を第1特図保留として一旦記憶する。そして、所定の条件が成立したら、記憶した第1特図保留に基づいて大当り判定や第1特図の変動表示を行う。このような第1特図保留は4個を上限として記憶される。第1特図保留の記憶数(第1特図保留数)は、セグメント表示部50の第1特図保留表示部53に表示される。すなわち、図4に示すように、第1特図保留表示部53には2個のLEDが配置されており、この第1特図保留表示部53では、2個のLEDのうち両方を消灯することで第1特図保留数が0個であることを示し、1個のLEDを点灯することで第1特図保留数が1個であることを示し、2個のLEDを点灯することで第1特図保留数が2個であることを示し、1個のLEDを点滅することで第1特図保留数が3個であることを示し、2個のLEDを点滅することで第1特図保留数が4個であることを示す。
【0069】
また、遊技球が第2始動口25に入球すると、上述したように『第2特図についての大当り判定』や第2特図の変動表示が行われるものの、これらの大当り判定や変動表示も、遊技球が第2始動口25に入球後に直ぐに行われるのではなく、取得された判定乱数を第2特図保留として一旦記憶する。そして、所定の条件が成立したら、記憶した第2特図保留に基づいて大当り判定や第2特図の変動表示を行う。このような第2特図保留も4個を上限として記憶される。第2特図保留の記憶数(第2特図保留数)は、セグメント表示部50の第2特図保留表示部54に表示される。すなわち、図4に示すように、第2特図保留表示部54には2個のLEDが配置されており、この第2特図保留表示部54では、2個のLEDのうち両方を消灯することで第2特図保留数が0個であることを示し、1個のLEDを点灯することで第2特図保留数が1個であることを示し、2個のLEDを点灯することで第2特図保留数が2個であることを示し、1個のLEDを点滅することで第2特図保留数が3個であることを示し、2個のLEDを点滅することで第2特図保留数が4個であることを示す。
【0070】
尚、本実施例のパチンコ機1では、何れかの特別図柄の変動表示中や、何れかの特別図柄の確定表示中、大当り遊技中、小当り遊技中は、第1特図保留や第2特図保留が記憶されていても、これらの保留に係る大当り判定や変動表示は行わない。また、第1特図保留および第2特図保留のうち第1特図保留のみが記憶されている場合は、最先に記憶された第1特図保留に係る大当り判定と第1特図の変動表示とを行うが、第2特図保留が記憶されている場合は第1特図保留が記憶されているか否かに拘わらず、第2特図保留に係る大当り判定と第2特図の変動表示とを行う。すなわち、第2特図を第1特図に優先して変動表示させる(いわゆる第2特図の優先変動機能を有する)。
【0071】
<普通図柄の変動表示、普図当り遊技>
図2を用いて前述したように、左普通図柄作動ゲート71には左打ちされた遊技球が通過可能であり、右普通図柄作動ゲート72には右打ちされた遊技球が通過可能である。遊技球が左普通図柄作動ゲート71および右普通図柄作動ゲート72の何れか(普通図柄作動ゲート71,72)を通過し、その遊技球が左ゲートセンサー71sおよび右ゲートセンサー72sの何れか(ゲートセンサー71s,72s)により検知されると、所定の判定乱数(後述する普図当り判定乱数)を取得し、該判定乱数に基づいて「普図当り」、「外れ」の何れであるかを判定する普図当り判定を行う。すなわち、左打ちされた場合も右打ちされた場合も、普図当り判定が行われることがある。
【0072】
そして、この普図当り判定の結果に基づいて、普通図柄を変動表示させた後に停止表示させる。図4に示すように、セグメント表示部50には、普通図柄を表示する普図表示部56が設けられており、普図表示部56には2個のLEDが配置されている。普通図柄は、普図表示部56において、2個のLEDのうち点灯するLEDを切り換えることによって変動表示され、2個のLEDのうち所定のLEDを点灯した状態とすることで停止表示される。本実施例のパチンコ機1では、普通図柄として、2個のLEDのうち左のLEDを点灯させた普図当り図柄1100と、右のLEDを点灯させた普図当り図柄1101と、左右(2つ)のLEDを点灯させた普図外れ図柄1102の3種類の図柄を停止表示可能である。普図当り判定の結果が普図当りである場合は、普通図柄が普図当り図柄1100、1101の何れかで停止表示され、普図当り判定の結果が普図外れである場合は、普通図柄が普図外れ図柄1102で停止表示される。こうして普通図柄を普図当り図柄または普図外れ図柄で停止表示したら、停止表示された図柄を確定させるべく、図柄が停止表示された状態を所定の時間が経過するまで維持する表示(確定表示)を行う。そして、普通図柄が普図当り図柄で停止表示された場合は、第2始動口25が開放状態となった後に閉鎖状態となる普図当り遊技が行われる。
【0073】
上述した非電サポ状態や電サポ状態は、普図当り判定で「普図当り」と判定される確率(本明細書では「普図当り確率」ともいう)、普通図柄の変動表示の態様、普図当り遊技の態様を異ならせることによって設定される。つまり、非電サポ状態においては、普図当り確率は約100分の1であり、普通図柄の変動時間として長い時間が選択され易く(1000m秒、2000m秒、3000m秒の何れかが均等に選択され)、普図当り遊技中は第2始動口25が短時間(16m秒×1回)だけ開放状態となる。
【0074】
これに対して、電サポ状態においては、普図当り確率は約100分の99であり、普通図柄の変動時間として短い時間が選択され易く(1000m秒、1252m秒、1500m秒の何れかが均等に選択され)、普図当り遊技中は第2始動口25が長時間(840m秒×2回)開放状態となる。これによって、非電サポ状態中は、第2始動口25が開放状態となる頻度(割合)が低くなり、第2始動口25への遊技球の入球頻度も低くなる。これに対して、電サポ状態中は、第2始動口25が開放状態となる頻度(割合)が高くなり、第2始動口25への遊技球の入球頻度も高くなる。
【0075】
<演出表示器41の表示内容>
上述したような遊技を行うための処理は、主に主制御基板200のCPU201によって行われる。本実施例のパチンコ機1では、上述したような遊技に合わせて、演出表示器41に種々の画像を表示する演出を行う。このような演出を行うための処理は、主にサブ制御基板220のCPU221によって行われる。
【0076】
例えば、演出表示器41では、第1特図または第2特図の変動表示(図柄変動遊技)に合わせた演出(以下「図柄変動演出」ともいう)が行われる。すなわち、特別図柄(第1特図または第2特図)の変動表示(図柄変動遊技)の開始タイミングと同期して、演出表示器41において3つの装飾図柄41a,41b,41cの変動表示を一斉に開始する。その後、特別図柄の変動時間が経過するまで種々の態様で装飾図柄41a,41b,41cの変動表示を行う。そして、特別図柄の変動表示の終了タイミング(特別図柄の停止表示)と同期して装飾図柄41a,41b,41cの変動表示を終了する。本実施例のパチンコ機1では、装飾図柄として「1」~「7」までの7個の数字を示す図柄(意匠化した図柄)を表示可能である。
【0077】
図6(a)には、3つの装飾図柄41a,41b,41cが一斉に変動表示している様子が概念的に示されている。変動表示が開始された後、所定時間が経過すると、通常であれば、初めに左装飾図柄41aが「1」~「7」の何れかの数字を示す図柄で停止表示され、次に、右装飾図柄41cが停止表示され、最後に中装飾図柄41bが停止表示される。これら演出表示器41で停止表示される3つの装飾図柄41a,41b,41cの組合せは、前述した第1特図表示部51または第2特図表示部52にて停止表示される特別図柄(第1特図または第2特図)と対応するように構成されている。
【0078】
詳しくは、第1特図または第2特図が大当り図柄で停止表示される場合は、演出表示器41の3つの装飾図柄41a,41b,41cが同じ図柄となる柄組合せ(本明細書では「ゾロ目」ともいう)で停止表示される。また、第2特図が小当り図柄で停止表示される場合も、3つの装飾図柄41a,41b,41cが「ゾロ目」で停止表示される。すなわち、本実施例のパチンコ機1では、第1特図または第2特図が大当り図柄で停止表示される場合は1種当りが行われるところ、第2特図が小当り図柄で停止表示される場合は略100%の確率で(小当り遊技を介して)2種当りが行われる。そして、これらのことは大当り遊技が行われるという観点では同じであるので、第1特図または第2特図が大当り図柄で停止表示された場合であっても、第2特図が小当り図柄で停止表示された場合であっても、3つの装飾図柄41a,41b,41cを「ゾロ目」で停止表示させることとしている。
【0079】
これに対して、第1特図または第2特図が外れ図柄で停止表示される場合は、3つの装飾図柄41a,41b,41cは同じ図柄で揃わない図柄組合せ(本明細書では「バラケ目」ともいう)で停止表示される。尚、停止表示された装飾図柄41a、41b、41cは、特別図柄の確定表示時間が経過するまで停止表示された状態となる(確定表示される)。
【0080】
このように、第1特図表示部51または第2特図表示部52で表示される特別図柄と、演出表示器41で表示される3つの装飾図柄41a,41b,41cとは、表示内容が互いに対応しており、変動表示中の特別図柄が停止表示する際には、3つの装飾図柄41a,41b,41cも停止表示するようになっている。しかも、図2に示すように、演出表示器41は、第1特図表示部51または第2特図表示部52(セグメント表示部50)よりも目に付き易い位置に設けられており、表示画面も大きく、表示内容も分かり易いので、遊技者は演出表示器41の表示画面を視認しながら遊技を行うことが通常である。
【0081】
従って、例えば、図6(b)に示すように、演出表示器41の表示画面上で初めに停止表示される左装飾図柄41aと、続いて停止表示される右装飾図柄41cとが「ゾロ目」になり得る態様で停止表示された場合には、最後に停止表示される中装飾図柄41bが停止表示して、「ゾロ目」が停止表示されるのではないかと、遊技者は装飾図柄の変動表示(図柄変動演出)を注視することになる。
【0082】
このように、2つの装飾図柄(複数の装飾図柄のうち1つを除いた装飾図柄)を、「ゾロ目」になり得る態様で停止表示させて、最後の装飾図柄を変動表示させた状態で行われる演出は「リーチ演出」と呼ばれており、このリーチ演出を発生させることで遊技興趣を高めることが可能である
【0083】
尚、装飾図柄41a,41b,41cの変動表示は「装飾図柄変動」として捉えることもでき、装飾図柄41a,41b,41cの変動表示(装飾図柄変動)を実行するサブ制御基板220のCPU221は、「装飾図柄変動手段」として捉えることもでき、リーチ演出を実行するサブ制御基板220のCPU221は「リーチ演出実行手段」として捉えることもできる。
【0084】
また、図6に示すように、特図保留が記憶されていることを示す「保留画像(例えば、ボールを示す円形の画像)」が表示される。詳しくは、非電サポ状態中であれば、記憶されている第1特図保留数(開始が保留されている第1特図の変動表示の数)と同数の「保留画像」が表示され、電サポ状態中であれば、記憶されている第2特図保留数(開始が保留されている第1特図の変動表示の数)と同数の「保留画像」が表示される。特図保留が記憶されている状態は、特別図柄(装飾図柄41a,41b,41c)の変動表示の開始が保留されている状態であるので、「保留画像」は、特別図柄(装飾図柄41a,41b,41c)の変動表示の開始が保留されていることを示唆する画像として捉えることもできる。
【0085】
<遊技の主な進行態様>
本実施例のパチンコ機1では主に次のような態様で遊技が進行される。図7図8は、本実施例の主な遊技の進行態様を示す説明図である。なかでも、図7には、非電サポ状態の主な遊技の進行態様が示されており、図8には、電サポ状態の主な遊技の進行態様が示されている。
【0086】
非電サポ状態中は、第2始動口25が開放状態になる頻度が低い。このため、「右打ち」を行っても、遊技球が第2始動口25に入球することは稀である。従って、非電サポ状態中は、図7に示すように、「左打ち」を行うことによって、第1始動口24への入球を狙う遊技(第1特図の変動表示が専ら行われる遊技、本明細書では「第1特図主体の遊技」ともいう)が行われる。左打ちを行うことにより、第1始動口24に遊技球が入球すると(ev.1)、『第1特図についての大当り判定』が行われると共に第1特図の変動表示が行われる(ev.2)。『第1特図についての大当り判定』では約300分の1の確率で「大当り」と判定されるので、ほとんどの場合は、第1特図は外れ図柄で停止表示される。このような第1特図の変動表示を繰り返しているうちに、『第1特図についての大当り判定』で「大当り」と判定されると、第1特図が大当り図柄で停止表示されて(ev.3)、1種当りが行われる(ev.4)。
【0087】
そして、この1種当りが終了すると、図5(a)を用いて前述したように、約50%の確率で非電サポ状態が設定され(ev.5)、約50%の確率で電サポ回数6回の電サポ状態が設定される(ev.6)。これらのうち、非電サポ状態が設定された場合は(ev.5)、第2始動口25が開放状態になる頻度が低いままであるので、上述した左打ちを行う遊技(図7に示す第1特図主体の遊技)が繰り返されることとなる。
【0088】
これに対して、電サポ状態が設定された場合は(ev.6)、次のように遊技が進行する。すなわち、電サポ状態中は、第2始動口25が開放状態になる頻度が高く、遊技球を第2始動口25に入球させ易い。従って、電サポ状態中は、図8に示すように、「右打ち」を行うことによって第2始動口25への入球を狙う遊技(第2特図の変動表示が専ら行われる遊技、本明細書では「第2特図主体の遊技」ともいう)が行われる。そして、第2始動口25に遊技球が入球すると(ev.11)、『第2特図についての大当り判定』が行われると共に第2特図の変動表示が行われる(ev.12)。
【0089】
『第2特図についての大当り判定』でも、『第1特図についての大当り判定』と同様に、約300分の1の確率で「大当り」と判定される。そして、「大当り」と判定された場合は、第2特図が大当り図柄で停止表示されて(ev.13)、1種当りが行われる(ev.14)。
【0090】
そして、この1種当りが終了すると、図5(b)を用いて前述したように、100%の確率で電サポ状態が設定される(ev.15)。そして、この際の電サポ回数は、30%の確率で3回に設定され、40%の確率で6回に設定され、30%の確率で10回に設定される。このように電サポ状態が設定された場合は(ev.15)、第2始動口25が開放状態になる頻度が高いままであるので、上述した右打ちを行う遊技(図8に示す第2特図主体の遊技)が繰り返されることとなる。
【0091】
また、『第2特図についての大当り判定』では、約6分の1の確率で「小当り」と判定される。そして、「小当り」と判定された場合は、第2特図が小当り図柄で停止表示されて(ev.17)、小当り遊技が行われる(ev.18)。そして、小当り遊技中に遊技球が小入賞口35に入球して、当該遊技球が特定口38に入球すると(ev.19)、2種当りが行われる(ev.20)。これに対して、小当り遊技が行われても遊技球が特定口38に入球しなければ(ev.23)2種当りは行われない。もっとも、本実施例のパチンコ機1では、小当り遊技が行われる場合は、右打ちが行われていれば、ほぼ100%の確率で遊技球が小入賞口35に入球する。従って、小当り遊技が行われる場合は、ほぼ100%の確率で2種当りが行われることとなり、ひいては、第2特図の変動表示が行われる場合は、約6分の1の確率で(小当り遊技を介して)2種当りが行われることとなる。
【0092】
2種当りが終了すると(ev.20)、図5(c)を用いて前述したように、100%の確率で電サポ状態が設定される(ev.21)。そして、この際の電サポ回数も、30%の確率で3回に設定され、40%の確率で6回に設定され、30%の確率で10回に設定される。このように電サポ状態が設定された場合も(ev.21)、第2始動口25が開放状態になる頻度が高いままであるので、上述した右打ちを行う遊技(図8に示す第2特図主体の遊技)が繰り返されることとなる。
【0093】
尚、電サポ状態が設定された場合は、その後に大当り遊技が行われることなく電サポ回数分(3回、6回、10回)の図柄変動遊技が行われたら(残りの電サポ回数が0回になったら)、電サポ状態に代えて非電サポ状態が設定される。この場合も、上述した左打ちを行う遊技(図7に示す第1特図主体の遊技)が行われることとなる。
【0094】
以上のように本実施例のパチンコ機1では、電サポ状態中に『第2特図についての大当り判定(第2特図の変動表示)』が行われる場合は、第2特図が大当り図柄で停止表示される場合に加えて、第2特図が小当り図柄で停止表示される場合も、大当り遊技が行われるように遊技者に感じさせることができる。換言すると、電サポ状態においては、第2特図の変動表示で大当り図柄が停止表示する確率である約300分の1と、小当り図柄が停止表示する確率である約6分の1との合計である約300分の51の確率で、大当り遊技が行われるように遊技者に感じさせることができる。
【0095】
C.遊技制御処理 :
図9は、遊技の進行に係る制御を行うための遊技制御処理を示すフローチャートである。遊技制御処理は、主制御基板200のCPU201によって、所定周期毎に(例えば4msec毎に発生するタイマ割り込みに基づいて)行われる。以下、フローチャートに従って、主制御基板200のCPU201が行う遊技制御処理について説明する。尚、以下の説明では、CPU201の初期化処理や、割り込み禁止処理、割り込み許可処理などの周知の処理については、その説明を省略している。
【0096】
<出力処理>
図9に示すように、主制御基板200のCPU201は遊技制御処理を開始すると先ず、出力処理(S100)を行う。本実施例のパチンコ機1では、後述する各種処理において、サブ制御基板220を初めとする各種制御基板に向けて送信する各種コマンドをRAM203に確保された出力バッファに記憶する。出力処理(S100)では、このように出力バッファに記憶された各種コマンドを各種制御基板に向けて送信する。こうすることにより、例えば、サブ制御基板220では、遊技の進行に合わせた演出の制御が行われることになり、払出制御基板240では、払出モーター243の駆動制御(遊技球の払い出し)が行われることとなる。
【0097】
<入力処理>
主制御基板200のCPU201は、続いて、入力処理(S200)を行う。本実施例のパチンコ機1では上述したように、第1始動口24、第2始動口25、その他入球口30、大入賞口28、小入賞口35の何れかに遊技球が入球した場合は遊技球が払い出される。そこで、入力処理(S200)では、これらの入球を検知するセンサー類(第1始動口センサー24sや、第2始動口センサー25s、大入賞口センサー28s、小入賞口センサー35s等)について、遊技球を検知したか否かを判断する。その結果、遊技球を検知している場合は、払い出す遊技球の数を示す払出コマンドを上述した出力バッファに記憶する。こうして出力バッファに記憶された払出コマンドは次回の出力処理(S100)で払出制御基板240に向けて送信される。
【0098】
<乱数更新処理>
主制御基板200のCPU201は、続いて、乱数更新処理(S300)を行う。本実施例のパチンコ機1では上述したように、所定の判定乱数に基づいて大当り判定や普図当り判定が行われる。詳しくは、大当り判定は「大当り判定乱数」に基づいて行われ、普図当り判定は「普図当り判定乱数」に基づいて行われる。また、本実施例のパチンコ機1における特別図柄の変動表示は後述する変動パターンに基づいて行われるが、この変動パターンは「変動パターン選択乱数」に基づいて選択される。
【0099】
また、本実施例のパチンコ機1では、大当り判定結果が「大当り」である場合は複数種類の大当り図柄のうち何れかの大当り図柄が停止表示され、大当り判定結果が「小当り」である場合は複数種類の小当り図柄のうち何れかの小当り図柄が停止表示されるが、これらの図柄の種類は「図柄選択乱数」に基づいて選択される。乱数更新処理(S300)では、これらの乱数を更新する。尚、これらの乱数の更新は、乱数更新処理(S300)においてだけでなく、遊技制御処理を終了してから次の遊技制御処理を開始する(次のタイマ割り込み)までの期間にも行うこととしてもよい。また、乱数更新の専用回路を設けて、この専用回路で乱数を更新することとしてもよい。
【0100】
<始動口等センサー検出処理>
主制御基板200のCPU201は、続いて、始動口等センサー検出処理(S400)を行う。この始動口等センサー検出処理(S400)では、先ず、ゲートセンサー71s,72sの検知結果に基づいて、遊技球が普通図柄作動ゲート71,72を通過したか否かを判断する。その結果、遊技球が普通図柄作動ゲート71,72を通過した場合は、普図当り遊技中、普通図柄の変動表示中、普通図柄の確定表示中の何れかであるか否かを判断する。その結果、普図当り遊技中、普通図柄の変動表示中、普通図柄の確定表示中の何れでもない場合は、普図当り判定乱数を取得すると共に該普図当り判定乱数を記憶する。
【0101】
こうしてゲートセンサー71s,72sに係る処理を行ったら、続いて、第1始動口センサー24sの検知結果に基づいて、遊技球が第1始動口24に入球したか否かを判断する。その結果、遊技球が第1始動口24に入球した場合は、第1特図保留数が上限値である4個に達しているか否かを判断する。そして、第1特図保留数が4個に達していなければ、大当り判定乱数、変動パターン選択乱数、図柄選択乱数を取得すると共にこれらの乱数を第1特図保留として記憶する。第1特図保留(取得情報)は、記憶した順序を識別できるように、RAM203に確保された第1特図保留記憶領域(取得情報記憶手段)に記憶される。
【0102】
ここで、第1特図の変動表示(図柄変動遊技)は、第1特図保留として取得された大当り判定乱数、変動パターン選択乱数、図柄選択乱数に基づいて行われる。また、第1特図の変動表示に合わせて行われる演出(図柄変動演出)も、第1特図保留として取得された大当り判定乱数、変動パターン選択乱数、図柄選択乱数に基づいて行われる。従って、第1特図保留を記憶した場合は、未だ該第1特図保留に基づく変動表示が開始されていなくても(変動開始条件が成立していなくても)、該第1特図保留に基づく変動表示や演出(第1特図保留に基づく図柄変動遊技や図柄変動演出)の態様を判定することが可能である。例えば、第1特図保留に基づく変動表示が行われる前であっても、該第1特図保留についての大当り判定の結果(大当り、外れ)や、該大当り判定の結果が「大当り」となるのであれば開始される大当り遊技の種類、リーチ演出が行われるか否か(取得情報が所定の情報であるか否か)等を判定することが可能である。このような判定は事前判定と称されるものであって、本実施例のパチンコ機1では、第1特図保留を記憶すると、該第1特図保留について事前判定を行い、該事前判定結果を該第1特図保留と対応付けて記憶する。
【0103】
こうして、第1特図保留を記憶すると共に該第1特図保留についての事前判定結果を記憶したら、この事前判定結果を示す事前判定結果コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。このように出力バッファに記憶された事前判定結果コマンドは、次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。こうすることによって、サブ制御基板220は、第1特図保留の事前判定結果に基づいて種々の演出を実行することが可能となる。尚、遊技球が第1始動口24に入球していなかった場合や、第1特図保留数が既に4個に達していた場合は、新たな第1特図保留は記憶せず、事前判定も行わない。
【0104】
こうして第1特図保留の記憶に係る処理を行ったら、続いて、第2始動口センサー25sの検知結果に基づいて、遊技球が第2始動口25に入球したか否かを判断する。その結果、遊技球が第2始動口25に入球した場合は、第2特図保留数が上限値である4個に達しているか否かを判断する。そして、第2特図保留数が4個に達していなければ、大当り判定乱数、変動パターン選択乱数、図柄選択乱数を取得すると共にこれらの乱数を第2特図保留として記憶する。第2特図保留は、記憶した順序を識別できるように、RAM203に確保された第2特図保留記憶領域に記憶される。こうして第2特図保留を記憶したら、該第2特図保留についても上述と同様の事前判定を行う。但し、第2特図保留についての事前判定では、大当り判定の結果が小当りである否かの判定も行う。
【0105】
こうして、第2特図保留を記憶すると共に該第2特図保留についての事前判定結果を記憶したら、この事前判定結果を示す事前判定結果コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。こうして出力バッファに記憶された事前判定結果コマンドも次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。こうすることによって、サブ制御基板220は、第2特図保留の事前判定結果に基づいて種々の演出を実行することが可能となる。尚、遊技球が第2始動口25に入球していなかった場合や、第2特図保留数が既に4個に達していた場合は、新たな第2特図保留は記憶せず、事前判定も行わない。
【0106】
<普通動作処理>
主制御基板200のCPU201は、続いて、普通動作処理(S500)を行う。この普通動作処理(S500)では、普通図柄を変動表示させたり、普図当り遊技を実行したりする処理が行われる。すなわち、主制御基板200のCPU201は先ず、上述の始動口等センサー検出処理(S400)にて普図当り判定乱数を記憶したか否かを判断する。その結果、普図当り判定乱数を記憶した場合は、記憶した普図当り判定乱数を読み出し、該普図当り判定乱数に基づいて普図当り判定を行う。
【0107】
普図当り判定を行ったら、該普図当り判定の結果が普図当りであるか否かを判断する。その結果、普図当り判定の結果が普図当りである場合は、今回の普通図柄の変動表示にて停止表示する普図当り図柄(停止図柄)を決定し、当該決定した普図当り図柄を記憶する。すなわち、普図当り図柄1100が停止図柄として決定された場合は、今回の普通図柄の変動表示の結果として普図表示部56の左のLED(図4参照)を点灯することを記憶する。これに対して、普図当り図柄1101が停止図柄として決定された場合は、今回の普通図柄の変動表示の結果として普図表示部56の右のLED(図4参照)を点灯することを記憶する。一方、普図当り判定の結果が普図外れである場合は、今回の普通図柄の変動表示にて停止表示する図柄(停止図柄)として普図外れ図柄1102を記憶する。すなわち、今回の普通図柄の変動表示の結果として普図表示部56の左右(2つ)のLED(図4参照)を点灯することを記憶する。
【0108】
こうして、今回の普通図柄の変動表示にて停止表示する図柄(停止図柄)を記憶したら、普通図柄の変動時間を設定する。詳しくは、非電サポ状態中であれば、1000m秒、2000m秒、3000m秒の何れかを設定し、電サポ状態中であれば、1000m秒、1252m秒、1500m秒の何れかを設定する。普通図柄の変動時間を設定したら、普通図柄の変動表示を開始する。そして、今回の普図当り判定の対象となった普図当り判定乱数を記憶領域から消去する。
【0109】
以上は、普図当り遊技中、普通図柄の変動表示中、普通図柄の確定表示中の何れでもない場合の処理について説明した。これに対して、普通図柄の変動表示中である場合は、変動表示中の普通図柄の変動時間が経過したか否かを判断する。その結果、変動時間が経過したと判断された場合は、変動表示中の普通図柄を予め記憶しておいた態様で停止表示する。すなわち、普図当り判定の結果が普図当りであり、普図当り図柄1100を停止表示させる場合は、普図表示部56の左のLEDを点灯した状態とし(普図当り図柄1100を停止表示し)、普図当り図柄1101を停止表示させる場合は、普図表示部56の右のLEDを点灯した状態とする(普図当り図柄1101を停止表示する)。これに対して、普図当り判定の結果が外れであった場合は普図表示部56の左右(2つ)のLEDを点灯した状態とする(普図外れ図柄1102を停止表示する)。このように普通図柄を停止表示したら、普通図柄の確定表示が開始されるので、普通図柄の確定表示時間を設定する。
【0110】
これに対して、普通図柄の確定表示中である場合は、確定表示時間が経過したか否かを判断する。その結果、確定表示時間が経過した場合は、今回停止表示(確定表示)された普通図柄が普図当り図柄(普図表示部56の左のLEDの点灯)であるか否かを判断する。その結果、停止表示された普通図柄が普図当り図柄であった場合は、普図当り遊技における第2始動口25の開放パターン(開放回数、開放時間、閉鎖時間など)を設定する。
【0111】
詳しくは、非電サポ状態中である場合は、第2始動口25が16m秒間×1回だけ開放状態となる開放パターンを設定する。一方、電サポ状態中であれば、第2始動口25が840m秒×2回だけ開放状態となる開放パターンを設定する。こうして開放パターンを設定したら、普図当り遊技を開始する。
【0112】
普図当り遊技の実行中は、上述の開放パターンで第2始動口25が開放状態・閉鎖状態となるように、第2始動口ソレノイド26mを制御して開閉扉26を動作させる。そして、この開放パターンに従う制御が終了したら普図当り遊技を終了する。普図当り遊技を終了するに際しては、普図当り遊技の終了を示す普図当り遊技終了コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。こうして出力バッファに記憶された普図当り遊技終了コマンドも、次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。
【0113】
<特別動作処理>
主制御基板200のCPU201は、続いて、特別動作処理(S600)を行う。この特別動作処理(S600)では、特別図柄(第1特図または第2特図)を変動表示させたり、大当り遊技を実行したり、小当り遊技を実行したりする処理が行われる。すなわち、主制御基板200のCPU201は先ず、大当り遊技中、小当り遊技中、特別図柄(第1特図または第2特図)の変動表示中、特別図柄(第1特図または第2特図)の確定表示中の何れかであるか否かを判断する。
【0114】
その結果、これらの何れでもない場合は、第2特図保留記憶領域に第2特図保留が記憶されているか否かを判断する。その結果、第2特図保留記憶領域に第2特図保留が記憶されている場合は、記憶されている第2特図保留のうち最先に記憶された第2特図保留(大当り判定乱数、変動パターン選択乱数、図柄選択乱数)を読み出す。そして、読み出した第2特図保留に含まれる大当り判定乱数に基づいて大当り判定(第2特図についての大当り判定)を行う。『第2特図についての大当り判定』では、「大当り」、「小当り」、「外れ」の何れであるかが判定される。
【0115】
一方、第2特図保留が記憶されていない場合は、今度は、第1特図保留記憶領域に第1特図保留が記憶されているか否かを判断する。その結果、第1特図保留記憶領域に第1特図保留が記憶されている場合は、記憶されている第1特図保留のうち最先に記憶された第1特図保留(大当り判定乱数、図柄選択乱数、変動パターン選択乱数)を読み出す。そして、読み出した第1特図保留に含まれる大当り判定乱数に基づいて大当り判定(第1特図についての大当り判定)を行う。『第1特図についての大当り判定』では、「大当り」、「外れ」の何れであるかが判定される。
【0116】
ここで、本実施例のパチンコ機1では、大当り判定乱数は、0~65535の範囲で更新される乱数(65536個の値をとることが可能な乱数)であり、第1特図保留または第2特図保留として取得した大当り判定乱数が「大当り」に対応する値の何れかであれば「大当り」と判定する。このような「大当り」に対応する値を適宜設定することによって、『第1特図についての大当り判定』および『第2特図についての大当り判定』の双方において「大当り」と判定される確率が約300分の1に設定される。
【0117】
また、第2特図保留として取得した大当り判定乱数が「小当り」に対応する値の何れかであれば「小当り」と判定する。このような「小当り」に対応する値を適宜設定することによって、『第2特図についての大当り判定』では「小当り」と判定される確率が約6分の1に設定される。
【0118】
そして、大当り判定の結果が「大当り」である場合は、今回読み出した第1特図保留または第2特図保留に含まれる図柄選択乱数に基づいて、今回の特別図柄の変動表示(図柄変動遊技)にて停止表示する大当り図柄の種類を選択する。すなわち、図5を用いて前述したように、本実施例のパチンコ機1では、第1特図としては大当り図柄101~300を停止表示可能であり、第2特図としては大当り図柄501~700を停止表示可能である。そこで、第1特図保留を読み出した場合は、大当り図柄101~300に図柄選択乱数が割り振られた大当り図柄選択テーブル(図示省略)を参照して、第1特図保留として読み出した図柄選択乱数に対応する大当り図柄を、停止表示する図柄として選択する。また、第2特図保留を読み出した場合は、大当り図柄501~700に図柄選択乱数が割り振られた大当り図柄選択テーブルを参照して、第2特図保留として読み出した図柄選択乱数に対応する大当り図柄を、停止表示する図柄として選択する。尚、大当り図柄選択テーブルは、主制御基板200のROM202に予め記憶されている。
【0119】
また、第2特図についての大当り判定の結果が「小当り」である場合は、今回読み出した第2特図保留に含まれる図柄選択乱数に基づいて、今回の特別図柄の変動表示(図柄変動遊技)にて停止表示する小当り図柄の種類を選択する。すなわち、図5を用いて前述したように、本実施例のパチンコ機1では、第2特図として小当り図柄701~800を停止表示可能である。そこで、小当り図柄701~800に図柄選択乱数が割り振られた小当り図柄選択テーブルを参照して、第2特図保留として読み出した図柄選択乱数に対応する小当り図柄を、停止表示する図柄として選択する。尚、小当り図柄選択テーブルは、主制御基板200のROM202に予め記憶されている。
【0120】
一方、大当り判定の結果が「外れ」である場合は、今回読み出した特図保留が第1特図保留であれば、停止表示する図柄として外れ図柄401を選択し、今回読み出した特図保留が第2特図保留であれば、停止表示する図柄として外れ図柄801を選択する。尚、停止表示する図柄として選択された大当り図柄、小当り図柄、外れ図柄は、RAM203に確保された停止図柄記憶領域に記憶される。
【0121】
こうして停止表示する図柄を選択したら、特別図柄の変動表示(図柄変動遊技)の変動パターンを選択する。変動パターンとは、特別図柄(第1特図または第2特図)が変動表示を開始してから停止表示するまでの時間(変動時間)であり、各変動パターンには他の変動パターンと識別するための情報(変動パターンID)が付されている。変動パターンを選択する処理では変動パターン選択テーブルを参照する。変動パターン選択テーブルとは、図10に示すように、複数の変動パターン(変動パターンID、変動時間)に変動パターン選択乱数が割り振られたテーブルである。変動パターンを選択する処理では、このような変動パターン選択テーブルを参照して、第1特図保留または第2特図保留として今回読み出した変動パターン選択乱数に対応する変動パターンを、今回の変動パターンとして決定する。従って、各変動パターンが選択される確率は、取得可能な変動パターン選択乱数のうち各変動パターンに割り振られた乱数の割合によって決定される。
【0122】
このように選択された変動パターンは後述の変動パターン指定コマンドとして、サブ制御基板220に向けて送信される。サブ制御基板220のCPU221は、変動パターン指定コマンドを受信すると、該変動パターン指定コマンドに基づいて今回の図柄変動遊技の変動パターンを認識し、認識した変動パターンに基づく(対応する)演出パターンで図柄変動演出を実行する。
【0123】
上述した変動パターンを選択する処理では、常時同じ変動パターン選択テーブルを参照するのではなく、種々の遊技進行状況に対応する変動パターン選択テーブルを参照する。詳しくは、図11に示すように、特別図柄の種類(第1特図または第2特図)や、現在設定されている遊技状態、大当り判定の結果、記憶されている第1特図保留および第2特図保留の数などに対応する変動パターン選択テーブルを参照する。また、図示は省略するが、今回開始される1種当りや2種当りの種類(図5を用いて前述した1種当りや2種当りの種類)にも対応する変動パターン選択テーブルを参照する。こうすることで、種々の遊技進行状況に対応する変動パターンを選択可能となり、ひいては、サブ制御基板220のCPU221は種々の遊技進行状況に対応する演出パターンで図柄変動演出を実行可能となる。
【0124】
例えば、サブ制御基板220のCPU221は、『第1特図についての大当り判定』または『第2特図についての大当り判定』の結果が「大当り」である場合は、リーチ演出の後に装飾図柄41a,41b,41cを「ゾロ目」で停止表示する図柄変動演出を実行する。また、『第2特図についての大当り判定』の結果が「小当り」である場合も、リーチ演出の後に装飾図柄41a,41b,41cを「ゾロ目」で停止表示する図柄変動演出を実行する。
【0125】
また、『第1特図についての大当り判定』または『第2特図についての大当り判定』の結果が「外れ」である場合は、リーチ演出を行うことなく、あるいは、リーチ演出の後に、装飾図柄41a,41b,41cを「バラケ目」で停止表示する図柄変動演出を実行する。尚、各変動パターン選択テーブルは、主制御基板200のROM202に予め記憶されている。
【0126】
こうして、今回の特別図柄の変動表示にて停止表示させる図柄を選択すると共に、今回の特別図柄の変動表示の変動パターンを選択したら、特別図柄の変動表示を開始する。そして、今回選択された変動パターンを示す変動パターン指定コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。このように出力バッファに記憶された変動パターン指定コマンドは、次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。また、今回の大当り判定の対象となった第1特図保留または第2特図保留を、第1特図保留記憶領域または第2特図保留記憶領域から消去する。
【0127】
以上は、大当り遊技中、小当り遊技中、特別図柄(第1特図または第2特図)の変動表示中、特別図柄の確定表示中の何れでもない場合の処理について説明した。これに対して、特別図柄の変動表示中である場合は、変動表示中の特別図柄の変動時間が経過したか否かを判断する。その結果、変動時間が経過したと判断された場合は、変動表示中の特別図柄を予め停止図柄記憶領域に記憶しておいた図柄で停止表示する(確定表示を開始する)。このように特別図柄が停止表示されたら、特別図柄の確定表示が開始されるので、特別図柄の確定表示時間を設定する。そして、特別図柄を停止表示したことを示す変動停止コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。このように出力バッファに記憶された変動停止コマンドは、次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。
【0128】
そして、特別図柄の確定表示中である場合は、確定表示時間が経過したか否かを判断する。その結果、確定表示時間が経過した場合は、今回停止表示(確定表示)された特別図柄が大当り図柄、小当り図柄、外れ図柄の何れであるかを判断する。
【0129】
その結果、停止表示された特別図柄が外れ図柄であった場合は、電サポ状態が設定されているか否かも判断する。そして、電サポ状態中に特別図柄が外れ図柄で停止表示された場合は、残りの電サポ回数を1回減算する。その結果、残りの電サポ回数が0回になったら、電サポ状態に代えて非電サポ状態を設定する。このように新たに非電サポ状態を設定した場合は、新たに設定された遊技状態(ここでは非電サポ状態)を示す遊技状態指定コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。そして、このように出力バッファに記憶された遊技状態指定コマンドは、次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。
【0130】
これに対して、停止表示された特別図柄が小当り図柄であった場合も、先ずは、電サポ状態が設定されているか否かを判断し、電サポ状態が設定されている場合は、残りの電サポ回数を1回減算する。その結果、残りの電サポ回数が0回になったら、電サポ状態に代えて非電サポ状態を設定する。このように新たに非電サポ状態を設定した場合は、新たに設定された遊技状態(ここでは非電サポ状態)を示す遊技状態指定コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。そして、このように出力バッファに記憶された遊技状態指定コマンドは、次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。
【0131】
また、小当り図柄が停止表示されたことを受けて、小当り遊技における小入賞口35の開放パターン(開放回数、開放時間、閉鎖時間など)を設定する。本実施例のパチンコ機1では、小当り遊技中は、小入賞口35が1.6秒間開放状態となるので、このような小入賞口35の開放パターンを設定する。こうして小入賞口35の開放パターンを設定したら、小当り遊技を開始する。そして、小当り遊技の開始を示す小当り遊技開始コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。出力バッファに記憶された小当り遊技開始コマンドは、次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。
【0132】
また、停止表示された特別図柄が大当り図柄であった場合は、1種当りにおける大入賞口28の開放パターン(開放回数、開放時間、閉鎖時間など)を設定する。図5を用いて前述したように、本実施例のパチンコ機1では、停止表示された大当り図柄の種類などによって1種当り中のラウンド遊技の回数が異なる。従って、停止表示された大当り図柄の種類などに対応させて大入賞口28の開放パターンを設定する。こうして大入賞口28の開放パターンを設定したら、1種当りを開始する。そして、1種当りの開始を示す大当り遊技開始コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。この大当り遊技開始コマンドには、今回開始する1種当りの種類(図5参照)を示す情報も含まれている。出力バッファに記憶された大当り遊技開始コマンドは、次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。
【0133】
以上は、特別図柄の確定表示中である場合の処理について説明した。これに対して、小当り遊技中である場合は、上述の開放パターン(1.6秒間開放状態とする開放パターン)で小入賞口35が開放状態・閉鎖状態となるように、小入賞口ソレノイド35mを制御して開閉扉36を動作させる。そして、上述の開放パターンに従う小入賞口ソレノイド35mの制御(開閉扉36の動作)が終了したら、小当り遊技の終了を示す小当り遊技終了コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。このように出力バッファに記憶された小当り遊技終了コマンドは、次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。
【0134】
そして、今回の小当り遊技中に小入賞口35に遊技球が入球したか否かを判断する。その結果、今回の小当り遊技中に小入賞口35に遊技球が入球した場合は、当該遊技球が特定口38に入球したか否かを判断する。その結果、遊技球が特定口38に入球した場合は、2種当りを開始すべく、2種当りにおける大入賞口28の開放パターン(開放回数、開放時間、閉鎖時間など)を設定する。こうして大入賞口28の開放パターンを設定したら、2種当りを開始する。そして、2種当りの開始を示す大当り遊技開始コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。この大当り遊技開始コマンドには、今回開始する2種当りの種類(図5参照)を示す情報も含まれている。出力バッファに記憶された大当り遊技開始コマンドは、次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。
【0135】
以上は、小当り遊技中である場合の処理について説明した。これに対して、大当り遊技中(1種当り中または2種当り中)である場合は、上述の開放パターンで大入賞口28が開放状態・閉鎖状態となるように、大入賞口ソレノイド29mを制御して開閉扉29を動作させる。そして、ラウンド遊技の開始時には、ラウンド遊技の開始を示すラウンド遊技開始コマンドをRAM203の出力バッファに記憶し、ラウンド遊技の終了時には、ラウンド遊技の終了を示すラウンド遊技終了コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。このように出力バッファに記憶されたラウンド遊技開始コマンド、ラウンド遊技終了コマンドは、次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。
【0136】
また、上述の開放パターンに従う大入賞口ソレノイド29mの制御(開閉扉29の動作)が終了したら大当り遊技を終了する。そして、大当り遊技の終了を示す大当り遊技終了コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。このように出力バッファに記憶された大当り遊技終了コマンドは、次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。大当り遊技を終了したら、該大当り遊技の種類(図5参照)に応じて、遊技状態として非電サポ状態または電サポ状態を設定する。また、電サポ状態を設定するに際しては、大当り図柄または小当り図柄の種類に応じて、電サポ回数を3回、6回、10回の何れかに設定する。このように遊技状態を設定した場合も、設定された遊技状態を示す遊技状態指定コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。このように出力バッファに記憶された遊技状態指定コマンドは、次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。
【0137】
<保留数処理>
主制御基板200のCPU201は、続いて、保留数処理(S700)を行う。この保留数処理(S700)では、第1特図保留記憶領域に記憶されている第1特図保留の数、および、第2特図保留記憶領域に記憶されている第2特図保留の数を読み出して、これらの数を示す保留数伝達コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。こうして出力バッファに記憶された保留数伝達コマンドも次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。こうすることによって、サブ制御基板220は、第1特図保留の数や第2特図保留の数に対応する保留画像を演出表示器41に表示する等、これらの数に基づいて種々の演出を実行することが可能となる。
【0138】
尚、特別図柄の変動表示である「特別図柄変動」を実行する「主制御基板200のCPU201」は「特別図柄変動手段」として捉えることもでき、大当り遊技は「特定遊技」、「特典」として捉えることもでき、特別図柄の変動表示(特別図柄変動)で特別図柄が大当り図柄または小当り図柄で停止表示された場合に大当り遊技(特定遊技)を実行する「主制御基板200のCPU201」は「特定遊技実行手段」、「特典付与手段」として捉えることもできる。また、非電サポ状態と電サポ状態とを設定可能な「主制御基板200のCPU201」は「遊技状態設定手段」として捉えることもできる。
【0139】
D.演出制御処理 :
図12は、演出に係る制御を行うための演出制御処理を示すフローチャートである。演出制御処理は、サブ制御基板220のCPU221によって、所定周期毎(例えば10msec毎に発生するタイマ割り込みに基づいて)行われる。以下、フローチャートに従って、サブ制御基板220のCPU221が行う演出制御処理について説明する。尚、以下の説明では、CPU221の初期化処理や、割り込み禁止処理、割り込み許可処理などの周知の処理については、その説明を省略している。
【0140】
演出制御処理を開始すると、サブ制御基板220のCPU221は先ず、コマンド解析処理を行う(S800)。ここで、サブ制御基板220のCPU221は、主制御基板200からコマンドを受信するたびに、外部割り込み処理として、受信したコマンドをRAM223の受信コマンド記憶領域に記憶している。コマンド解析処理(S800)では、この受信コマンド記憶領域に記憶されたコマンド、すなわち、主制御基板200から受信したコマンドに対応する演出を決定し、この演出を行うために画像音声制御基板230やランプ制御基板226等に送信するコマンドをRAM223に確保された出力バッファに記憶する。
【0141】
サブ制御基板220のCPU221は、続いて、出力処理を行う(S900)。この処理では、RAM223の出力バッファに記憶されたコマンドを画像音声制御基板230やランプ制御基板226等に送信する。サブ制御基板220からコマンドを受信すると、画像音声制御基板230は、受信したコマンドに対応する画像を演出表示器41に表示すると共に、受信したコマンドに対応する音声を各種スピーカー6a,6b等から出力する。また、ランプ制御基板226は、受信したコマンドに対応する発光パターンで各種ランプ5a~5c等を発光させる。
【0142】
以上のように、サブ制御基板220は、画像音声制御基板230やランプ制御基板226等と協働して各種演出を実行するが、本明細書では説明の便宜上、このような各種演出を実行することを、単に「サブ制御基板220のCPU221が各種演出を実行する」とも表現する。
【0143】
図13には、主制御基板200から受信したコマンドに対応して、サブ制御基板220のCPU221が行う処理(各種演出など)を示している。図13に示すように、サブ制御基板220のCPU221は、事前判定結果コマンドを受信した場合は、新たに特図保留が記憶されたことを検出すると共に(特図保留が記憶されていることを示す保留画像を表示すると共に)、事前判定結果に基づく演出である事前演出を行う。例えば、事前判定結果に対応するキャラクター等の画像を演出表示器41に表示させる。尚、事前判定演出は、事前判定結果コマンドを受信した場合において、常時行う必要はなく、所定の条件が成立したら(例えば所定の実行抽選に当選したら)行うこととしてもよい。
【0144】
また、サブ制御基板220のCPU221は、保留数伝達コマンドを受信すると、このコマンドによって示される第1特図保留数および第2特図保留数と同数の保留画像を、演出表示器41の第1保留表示領域41dや第2保留表示領域41eに表示する。尚、第1特図保留数および第2特図保留数の両方を常時表示する必要はなく、例えば、左打ちが行われる非電サポ状態、すなわち、第1特図主体の遊技が行われる状態においては、第1特図保留数を表示し、右打ちが行われる非電サポ状態、すなわち、第2特図主体の遊技が行われる状態においては、第2特図保留数を表示することとしてもよい。
【0145】
また、サブ制御基板220のCPU221は、変動パターン指定コマンドを受信すると、特別図柄(第1特図または第2特図)の変動表示に合わせて、変動パターン指定コマンドが示す変動パターンに対応する図柄変動演出(装飾図柄41a,41b,41cの変動表示を含む)を開始する。
【0146】
すなわち、『第1特図についての大当り判定』または『第2特図についての大当り判定』の結果が「大当り」である際に選択される変動パターン(変動パターン指定コマンド)を受信した場合は(第1特図または第2特図が大当り図柄で停止表示される場合は)、リーチ演出の後に装飾図柄41a,41b,41cを「ゾロ目」で停止表示する図柄変動演出を開始する。また、『第2特図についての大当り判定』の結果が「小当り」である際に選択される変動パターン(変動パターン指定コマンド)を受信した場合も(第2特図が小当り図柄で停止表示される場合も)、リーチ演出の後に装飾図柄41a,41b,41cを「ゾロ目」で停止表示する図柄変動演出を開始する。
【0147】
また、『第1特図についての大当り判定』または『第2特図についての大当り判定』の結果が「外れ」である際に選択される変動パターン(変動パターン指定コマンド)を受信した場合は(第1特図または第2特図が外れ図柄で停止表示される場合は)、リーチ演出を行うことなく、あるいは、リーチ演出の後に、装飾図柄41a,41b,41cを「バラケ目」で停止表示する図柄変動演出を開始する。そして図柄変動演出の実行中に変動停止コマンドを受信すると、図柄変動演出を終了する。
【0148】
また、図13に示すように、サブ制御基板220のCPU221は、小当り遊技開始コマンドを受信すると、小当り遊技中であることを示す小当り遊技演出を開始する。そして、小当り遊技終了コマンドを受信すると、サブ制御基板220のCPU221は、小当り遊技演出を終了する。また、小当り遊技中に特定口入球コマンドを受信すると、遊技球が特定口38に入球したことを示す(2種当りが開始されることが確定したことを示す)特定口入球演出を実行する。特定口入球コマンドは、第2特図が小当り図柄で停止表示されることで小当り遊技(第2特図に基づく小当り遊技)が開始され、当該小当り遊技中に入球した遊技球が特定口38に入球した場合、換言すると、2種当りが行われる場合に、主制御基板200から送信されるコマンドである。特定口入球演出としては、例えば、「V」の文字画像を表示する演出を実行する。
【0149】
また、サブ制御基板220のCPU221は、大当り遊技開始コマンドを受信すると、大当り遊技中であることを示す大当り遊技演出を開始する。例えば、大当り遊技が開始されるタイミングで、大当り遊技の開始を示すファンファーレ演出を実行すると共に、大当り遊技中であることを示す動画(いわゆるムービー)の表示を開始する。また、開始された大当り遊技のラウンド遊技回数を示唆する演出や、開始された大当り遊技終了後に設定される遊技状態(非電サポ状態または電サポ状態)を示唆する演出を実行する。本実施例のパチンコ機1では、このような大当り遊技演出として、態様(例えば、表示する動画など)が互いに異なる複数の大当り遊技演出を実行可能であり、何れの大当り遊技演出を実行するかは、所定の抽選結果や、大当り遊技の種類に応じて決定される。
【0150】
大当り遊技中にラウンド遊技開始コマンドを受信すると、サブ制御基板220のCPU221は、ラウンド遊技中であることを示すラウンド遊技演出を(例えば、大当り遊技演出に重ねて)開始する。例えば、実行中の大当り遊技におけるラウンド遊技の回数を示す演出(例えば、1R,2R,3R・・・を表示する演出など)を開始する。そして、ラウンド遊技終了コマンドを受信すると、ラウンド遊技演出を終了し、大当り遊技終了コマンドを受信すると、大当り遊技演出を終了する。
【0151】
また、サブ制御基板220のCPU221は、遊技状態指定コマンドを受信すると、設定された遊技状態に対応する演出を開始する。例えば、装飾図柄41a,41b,41cやその背景画像を遊技状態に対応する態様(色彩や形状など)とする演出を実行したり、電サポ状態が設定された場合は残りの電サポ回数を表示する演出を開始したりする。
【0152】
E.SPリーチ演出 :
ここで、本実施例のパチンコ機1では、図6(b)を用いて前述したリーチ演出として、特定のキャラクターが表示されるSPリーチ演出を実行可能である。詳しくは、キャラクターAが表示されるSPリーチ演出Aと、キャラクターBが表示されるSPリーチ演出Bと、キャラクターCが表示されるSPリーチ演出Cと、キャラクターDが表示されるSPリーチ演出Dとを実行可能である。
【0153】
このようなSPリーチ演出は、通常のリーチ演出(特定のキャラクターの表示を伴わないリーチ演出、本明細書では「通常リーチ演出」ともいう)が開始されてから所定の時間が経過した後に、開始される。当然ながら、通常リーチ演出が行われた場合であっても、SPリーチ演出が開始されないまま、装飾図柄41a,41b,41cが停止表示されることもある(特別図柄の変動表示が終了することもある)。
【0154】
尚、図柄変動演出は、変動パターンに対応して行われるので、図柄変動演出の一環として行われるこれらのSPリーチ演出も(当然ながら通常リーチ演出も)、それぞれに対応する変動パターンが選択された場合に行われる。
【0155】
詳しくは、『第1特図についての大当り判定』または『第2特図についての大当り判定』の結果が「大当り」である場合に各SPリーチ演出(あるいは通常リーチ演出)に対応する変動パターンが選択されると、この変動パターンに対応するSPリーチ演出(あるいは通常リーチ演出)が行われた後、装飾図柄41a,41b,41cが「ゾロ目」で停止表示する図柄変動演出が行われる。また、『第2特図についての大当り判定』の結果が「小当り」である場合に各SPリーチ演出(あるいは通常リーチ演出)に対応する変動パターンが選択されると、この変動パターンに対応するSPリーチ演出(あるいは通常リーチ演出)が行われた後、装飾図柄41a,41b,41cが「ゾロ目」で停止表示する図柄変動演出が行われる。
【0156】
また、『第1特図についての大当り判定』または『第2特図についての大当り判定』の結果が「外れ」である場合に各SPリーチ演出(あるいは通常リーチ演出)に対応する変動パターンが選択されると、この変動パターンに対応するSPリーチ演出(あるいは通常リーチ演出)が行われた後、装飾図柄41a,41b,41cが「バラケ目」で停止表示する図柄変動演出が行われる。
【0157】
SPリーチ演出A~Dは、『第1特図または第2特図が大当り図柄で停止表示される可能性(1種当りが行われる可能性)』または『第2特図が小当り図柄で停止表示される可能性(2種当りが行われる可能性)』、換言すると、『大当り遊技が行われる可能性(本明細書では「大当り期待度」ともいう)』を示唆する演出である。そして、これらのSPリーチ演出が示唆する「大当り期待度」は、SPリーチ演出Aが行われる場合が最も低く、SPリーチ演出Bが行われる場合→SPリーチ演出Cが行われる場合→SPリーチ演出Dが行われる場合となるにつれて高くなる。また、通常リーチ演出は行われるもののSPリーチ演出が行われない場合は、SPリーチ演出が行われる場合よりも、「大当り期待度」は低くなる。このため、遊技者に対して、通常リーチ演出が開始された場合は、SPリーチ演出が行われること(SPリーチ演出に発展すること)を期待させることができ、SPリーチ演出が行われる場合は、当該SPリーチ演出が「大当り期待度」のより高い演出であることを期待させることとなる。
【0158】
図14には、SPリーチ演出A~Dの「大当り期待度」が示されている。図14に示すように、「大当り期待度」は、SPリーチ演出Aが行われた場合は10%であり(10%の確率で装飾図柄41a,41b,41cがゾロ目で停止表示され)、SPリーチ演出Bが行われた場合は30%であり(30%の確率で装飾図柄41a,41b,41cがゾロ目で停止表示され)、SPリーチ演出Cが行われた場合は40%であり(40%の確率で装飾図柄41a,41b,41cがゾロ目で停止表示され)、SPリーチ演出Dが行われた場合は50%である(50%の確率で装飾図柄41a,41b,41cがゾロ目で停止表示される)。
【0159】
このような「大当り期待度」は、SPリーチ演出A~Dの実行確率(SPリーチ演出A~Dに対応する変動パターンが選択される確率)を適宜設定することによって実現される。詳しくは、SPリーチ演出A~Dの実行確率(SPリーチ演出A~Dに対応する変動パターンが選択される確率)は、図10を用いて前述した変動パターン選択テーブルにおいて、各変動パターンに割り振られる変動パターン選択乱数の割合を適宜設定することによって実現される。
【0160】
例えば、『第1特図または第2特図が大当り図柄で停止表示される場合』または『第2特図が小当り図柄で停止表示される場合』、換言すると、1種当りまたは2種当りが行われる場合(装飾図柄41a,41b,41cがゾロ目で停止表示される場合)は、「SPリーチ演出Aの実行確率」が最も低く、「SPリーチ演出Bの実行確率」→「SPリーチ演出Cの実行確率」→「SPリーチ演出Dの実行確率」となるにつれて高くなるように設定されている。
【0161】
逆に、『第1特図または第2特図が外れ図柄で停止表示される場合』、換言すると、大当り遊技が行われない場合(装飾図柄41a,41b,41cがバラケ目で停止表示される場合)は、「SPリーチ演出Aの実行確率」が最も高く、「SPリーチ演出Bの実行確率」→「SPリーチ演出Cの実行確率」→「SPリーチ演出Dの実行確率」となるにつれて低くなるように設定されている。
【0162】
これによって、示唆される「大当り期待度」は、SPリーチ演出Aが行われる場合が最も低く、SPリーチ演出Bが行われる場合→SPリーチ演出Cが行われる場合→SPリーチ演出Dが行われる場合となるにつれて高くなる。この結果、遊技者に対して、「大当り期待度」のより高いSPリーチ演出が行われることを期待させることとなる。
【0163】
F.表示器回転演出 :
ここで、本実施例のパチンコ機1では、図15に示すように、『演出表示器41を回転させる(傾ける)表示器回転演出』を実行可能である。詳しくは、遊技盤20の背面側(裏側)には、演出表示器41を回転させるための機構、例えば、演出表示器41を回転可能に支持するボールベアリングや、ステッピングモーター、その動力を演出表示器41に伝達するギヤなどが設けられている。
【0164】
そして、サブ制御基板220のCPU221が「表示器回転演出」に係る信号を上述した機構に送信すると、この機構が演出表示器41を回転させる(表示器回転演出が実行される)。例えば、サブ制御基板220のCPU221がステッピングモーターに向けて駆動信号を出力すると、ステッピングモーターの動力が演出表示器41に伝達されて演出表示器41が回転する(表示器回転演出が実行される)。
【0165】
尚、本実施例のパチンコ機1では、「表示器回転演出」としては、演出表示器41を正面視で右回り(時計回り)に1回転させる演出(360度回転させる演出)を実行することとしている。また、演出表示器41を回転させるための機構としては、周知の種々の技術を採用することができるので、この機構についての図示や詳しい説明は省略する。
【0166】
上述したような「表示器回転演出」は「大当り期待度」を示唆している。すなわち、「表示器回転演出」が行われる場合の方が「表示器回転演出」が行われない場合よりも、「大当り期待度」が高いこととしている。
【0167】
尚、「表示器回転演出」は、SPリーチ演出が行われる可能性(本明細書では「SPリーチ期待度」ともいう)を示唆していることとしてもよい。すなわち、「表示器回転演出」が行われる場合の方が「表示器回転演出」が行われない場合よりも、「SPリーチ期待度」が高いこととしもよい。
【0168】
上述のような「表示器回転演出」は、通常リーチ演出の実行中に開始される。通常リーチ演出の実行中は、当然ながら、各種画像が表示されている。例えば、図15に示すように、装飾図柄41a,41b,41cや保留画像が表示されており、その他にも、これらの画像が重ねて表示される背景画像、換言すると、表示領域を示す画像(他の画像が表示される領域を示す画像)などが表示されている。
【0169】
そして、「表示回転演出」がリーチ演出の実行中に行われると、遊技者からは、その際に表示されている画像(装飾図柄41a,41b,41c、保留画像、背景画像など)が回転しているように見えることとなる。すなわち、「表示器回転演出」の実行中においては、演出表示器41に表示されている画像は、表示画面上では(演出表示器41に対しては)回転させられていなくても(傾けられていなくても)、演出表示器41(表示画面)自体が回転するので(傾くので)、それに伴って、遊技者に対しては自ずと回転する(傾く)こととなる(遊技者からは当該画像が回転して見えることとなる)。
【0170】
図16には、「表示回転演出」が行われる際に遊技者から見える画像(表示器)を例示している。本実施例の「表示器回転演出」では、演出表示器41が正面視で右回り(時計回り)に1回転(360度回転)する。図16(a)に示すように、演出表示器41が未だ回転して(傾いて)いない状態では、当然ながら、演出表示器41(の表示画面)に表示されている画像は(遊技者に対して)回転していない(傾いていない)。
【0171】
一方、「表示回転演出」が開始されて、図16(b)に示すように、演出表示器41が右回りに60度まで回転した(傾いた)場合は、演出表示器41に表示されている画像は、表示画面上では(演出表示器41に対しては)回転させられていなくても(傾けられていなくても)、演出表示器41自体が回転している(傾いている)ので、それに伴って(遊技者に対して自ずと)右回りに60度回転する(傾く)こととなる(遊技者からは当該画像は右回りに60度回転したように見えることとなる)。
【0172】
詳しくは、演出表示器41に表示されている画像は、表示画面上では(演出表示器41に対しては)回転させられていなくても(傾けられていなくても)、演出表示器41の回転(傾き)に伴って(遊技者に対して自ずと)右回りに60度回転した(傾いた)位置に移動すると共に、その姿勢は(遊技者に対して自ずと)右回りに60度回転する(傾く)こととなる。
【0173】
そして、図16(c)~(g)に示すように、その後も同様に、演出表示器41に表示されている画像は、表示画面上では(演出表示器41に対しては)回転させられていなくても(傾けられていなくても)、(遊技者に対して自ずと)演出表示器41が右回りに回転した角度(60度~360度)と同じ角度だけ演出表示器41と同じ方向(右回り)に回転する(傾く)こととなる。
【0174】
詳しくは、演出表示器41に表示されている画像は、表示画面上では(演出表示器41に対しては)回転させられていなくても(傾けられていなくても)、演出表示器41が右回りに回転した角度と同じ角度だけ(遊技者に対して自ずと)右回りに回転した(傾いた)位置に移動して、その姿勢は演出表示器41が右回りに回転した角度と同じ角度だけ(遊技者に対して自ずと)回転する(傾く)こととなる。
【0175】
そして、演出表示器41が右回りに1回転(360度)した場合は、演出表示器41に表示されている画像は、表示画面上では(演出表示器41に対しては)回転させられていなくても(傾けられていなくても)、演出表示器41自体が1回転しているので、それに伴って(遊技者に対して自ずと)右回りに1回転(360度回転)することとなる(遊技者からは当該画像は右回りに360度回転したように見えることとなる)。
【0176】
詳しくは、演出表示器41に表示されている画像は、表示画面上では(演出表示器41に対しては)回転させられていなくても(傾けられていなくても)、演出表示器41の回転(傾き)に伴って(遊技者に対して自ずと)右回りに1回転(360度回転)した位置に移動すると共に、その姿勢は(遊技者に対して自ずと)右回りに1回転(360度回転)することとなる。
【0177】
以上のように本実施例のパチンコ機1では、演出表示器41に表示されている画像を表示画面上では(演出表示器41に対しては)回転させなくても(傾けなくても)、「表示回転演出」を行うことによって(演出表示器41自体を回転させることによって)、遊技者に対して、演出表示器41に表示されている画像が回転した(傾いた)ように感じさせることが可能となる。
【0178】
G.表示器回転演出とエンブレム演出の関係 :
G-1.エンブレム演出 :
以上は「表示器回転演出」について説明したが、本実施例のパチンコ機1では、その他にも、『エンブレム画像を表示するエンブレム演出』を実行可能である。
【0179】
図17には、本実施例の「エンブレム演出」が行われている様子が示されている。図17に示すように、「エンブレム演出」は通常リーチ演出の実行中に行われる。そして、この「エンブレム演出」では、演出表示器41の表示画面の中央部に「エンブレム画像」が表示される。「エンブレム画像」としては、種々の画像を採用可能であるが、図17に示すように、本実施例のパチンコ機1では、青色の正六角形であり、星形のマークとEmblemの文字が付された画像を「エンブレム画像」として採用している。
【0180】
このような「エンブレム演出」は「大当り期待度」を示唆している。すなわち、「エンブレム演出」が行われる場合の方が「エンブレム演出」が行われない場合よりも、「大当り期待度」が高いこととしている。
【0181】
尚、「エンブレム演出」は、「SPリーチ期待度」を示唆していることとしてもよい。すなわち、「エンブレム演出」が行われる場合の方が「エンブレム演出」が行われない場合よりも、「SPリーチ期待度」が高いこととしもよい。
【0182】
G-2.エンブレム演出に並行する表示器回転演出 :
上述したように本実施例のパチンコ機1では、「エンブレム演出」も実行可能であるところ、この「エンブレム演出」は通常リーチ演出の実行中に行われることから、「エンブレム演出」が実行された状態(エンブレム画像が表示された状態)であっても、上述した「表示器回転演出」が行われることがある(エンブレム演出に並行して表示回転演出が行われることがある)。
【0183】
そして、このような場合は、図18に示すように、「エンブレム画像」についても(その他の画像と同様に)、表示画面上では(演出表示器41に対しては)回転させられていなくても(傾けられていなくても)、演出表示器41自体が右回りに1回転するので、それに伴って(遊技者に対して自ずと)右回りに1回転(360度回転)することとなる(遊技者からは当該画像は右回りに360度回転したように見えることとなる)。尚、「エンブレム画像」は、演出表示器41の回転する際の中心(回転軸)に対応する位置に表示される。このため、演出表示器41が回転する場合において、「エンブレム画像」は、遊技者に対しては、位置は移動しないまま回転する(傾く)こととなる(遊技者からは位置は移動せずに回転するように見える)。
【0184】
ここで、本実施例のパチンコ機1では、上述のように「エンブレム演出」に並行して「表示器回転演出」が行われた場合における「エンブレム画像」の見せ方(表示態様)に特徴を有している。本実施例のパチンコ機1では、「エンブレム演出」に並行して行われる「表示器回転演出」として、「エンブレム画像」の見せ方(表示態様)が互いに異なる「表示器回転演出A」、「表示器回転演出B」、「表示器回転演出C」、「表示器回転演出D」を実行可能である。
【0185】
G-2-1.表示器回転演出A :
これらのうち「表示器回転演出A」は、図18を用いて上述した演出である。すなわち、「表示器回転演出A」では、「エンブレム画像」を、表示画面上では(演出表示器41に対しては)回転させることはない(傾けることはない)。このため、「エンブレム画像」は、演出表示器41自体が右回りに1回転することに伴って(遊技者に対して自ずと)右回りに1回転(360度回転)することとなる(遊技者からは当該画像は右回りに360度回転したように見えることとなる)。
【0186】
一方、「表示器回転演出B」~「表示器回転演出D」は、演出表示器41が1回転している期間のうち、一部または全部の期間において「エンブレム画像」が(遊技者に対して)回転しない演出である。すなわち、演出表示器41が回転しているのにも拘わらず、遊技者からは「エンブレム画像」が回転していないように見えることのある演出である。
【0187】
G-2-2.表示器回転演出B :
なかでも、図19に示すように、「表示器回転演出B」は、演出表示器41が1回転している期間の全てにおいて、「エンブレム画像」が(遊技者に対して)回転しない演出である(遊技者からは「エンブレム画像」が回転していないように見える演出である)。詳しくは、「表示器回転演出B」では、演出表示器41が回転する前に(演出表示器41の回転角度が0度である状態で)、「エンブレム画像」の色彩を青色から赤色に変更する。本実施例のパチンコ機1では、このように「エンブレム画像」の色彩を青色から赤色に変更することによって、「エンブレム画像」が回転しないことを示唆している。
【0188】
その後、演出表示器41を1回転させる(回転角度が0度から360度になる)ものの、演出表示器41が1回転している期間の全てにおいて、「エンブレム画像」は(遊技者に対して)回転しない(遊技者からは「エンブレム画像」が回転していないように見える)。
【0189】
このような「表示器回転演出B」は、「エンブレム画像」を次のような態様で表示することにより実現することができる。図20には、「表示器回転演出B」が行われる際の「エンブレム画像」の表示態様が示されている。図20では、「エンブレム画像」の表示態様を理解し易いように、演出表示器41を回転させずに図示しており、この点が図19とは異なっている。
【0190】
図20(a)に示すように「表示器回転演出B」では、演出表示器41の回転角度が0度である状態で、「エンブレム画像」の色彩を青色から赤色に変更する。そして、図20(b)に示すように、演出表示器41の回転角度が60度になることに対応して、「エンブレム画像」を左回りに60度回転させて表示する。すなわち、演出表示器41は右回りに60度回転することから、「エンブレム画像」については、その反対方向である左回りに60度回転させて表示する。こうすると、演出表示器41が60度回転したにも拘わらず、「エンブレム画像」は遊技者に対しては回転していない状態となる(遊技者からは回転していないように見える)(図19(b)参照)。
【0191】
そして、図20(c)に示すように、演出表示器41の回転角度が60度から120度になることに対応して、「エンブレム画像」を左回りに更に60度(演出表示器41の回転角度が0度のときからは120度)回転させて表示する。すなわち、演出表示器41は右回りに更に60度回転することから、「エンブレム画像」については、その反対方向である左回りに更に60度(合計で120度)回転させて表示する。こうすると、演出表示器41が更に60度(合計で120度)回転したにも拘わらず、「エンブレム画像」は遊技者に対しては回転していない状態となる(遊技者からは回転していないように見える)(図19(c)参照)。
【0192】
そして、図20(d)に示すように、演出表示器41の回転角度が120度から180度になることに対応して、「エンブレム画像」を左回りに更に60度(演出表示器41の回転角度が0度のときからは180度)回転させて表示する。すなわち、演出表示器41は右回りに更に60度回転することから、「エンブレム画像」については、その反対方向である左回りに更に60度(合計で180度)回転させて表示する。こうすると、演出表示器41が更に60度(合計で180度)回転したにも拘わらず、「エンブレム画像」は遊技者に対しては回転していない状態となる(遊技者からは回転していないように見える)(図19(d)参照)。
【0193】
そして、図20(e)に示すように、演出表示器41の回転角度が180度から240度になることに対応して、「エンブレム画像」を左回りに更に60度(演出表示器41の回転角度が0度のときからは240度)回転させて表示する。すなわち、演出表示器41は右回りに更に60度回転することから、「エンブレム画像」については、その反対方向である左回りに更に60度(合計で240度)回転させて表示する。こうすると、演出表示器41が更に60度(合計で240度)回転したにも拘わらず、「エンブレム画像」は遊技者に対しては回転していない状態となる(遊技者からは回転していないように見える)(図19(e)参照)。
【0194】
そして、図20(f)に示すように、演出表示器41の回転角度が240度から300度になることに対応して、「エンブレム画像」を左回りに更に60度(演出表示器41の回転角度が0度のときからは300度)回転させて表示する。すなわち、演出表示器41は右回りに更に60度回転することから、「エンブレム画像」については、その反対方向である左回りに更に60度(合計で300度)回転させて表示する。こうすると、演出表示器41が更に60度(合計で300度)回転したにも拘わらず、「エンブレム画像」は遊技者に対しては回転していない状態となる(遊技者からは回転していないように見える)(図19(f)参照)。
【0195】
そして、図20(g)に示すように、演出表示器41の回転角度が300度から360度になることに対応して、「エンブレム画像」を左回りに更に60度(演出表示器41の回転角度が0度のときからは360度)回転させて表示する。すなわち、演出表示器41は右回りに更に60度回転することから、「エンブレム画像」については、その反対方向である左回りに更に60度(合計で360度)回転させて表示する。こうすると、演出表示器41が更に60度(合計で360度)回転したにも拘わらず、「エンブレム画像」は遊技者に対しては回転していない状態となる(遊技者からは回転していないように見える)(図19(g)参照)。
【0196】
以上のように「表示器回転演出B」においては、「エンブレム画像以外の画像(第1画像)」については、演出表示器41の回転角度が0度である状態(第1状態)である場合と同じ態様(すなわち、表示器回転演出に対応しない態様)で表示され、「エンブレム画像(第2画像)」については、演出表示器41が回転した状態(第2状態)となることに対応する態様(すなわち、表示器回転演出に対応する態様)で表示される。このため、「エンブレム画像以外の画像(第1画像)」と「エンブレム画像(第2画像)」とで、表示器回転演出に対する対応度合を異ならせるという斬新な演出を実現することができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
【0197】
また、演出表示器41が右回り(第1方向)に360度回転するところ、「エンブレム画像以外の画像(第1画像)」については、演出表示器41に対して、演出表示器41の回転角度が0度である状態(第1状態)である場合と同じ傾き(すなわち、表示器回転演出に対応しない傾き)で表示され、「エンブレム画像(第2画像)」については、演出表示器41に対して、右回り(第1方向)とは反対の左回り(第2方向)に360度(特定角度)回転させて(すなわち、表示器回転演出に対応する傾きで)表示される。この場合、遊技者にとっては、「エンブレム画像以外の画像(第1画像)」については、演出表示器41の回転(傾き)に追従して回転した(傾けられた)ように見えることとなり、「エンブレム画像(第2画像)」については、演出表示器41が回転した(傾いた)にも拘わらず回転しなかった(傾きが変わらなかった)ように見えることとなる。
【0198】
このため、「表示器回転演出」が行われることで演出表示器41に注目した遊技者に対して、演出表示器41(エンブレム画像以外の画像(第1画像))が回転した(傾いた)にも拘わらず当該演出表示器41に表示されている「エンブレム画像(第2画像)」は回転しなかった(傾かなった)という意外性を与えることができる。ひいては、「エンブレム画像以外の画像(第1画像)」と「エンブレム画像(第2画像)」とで、表示器回転演出に対する対応度合(表示器の傾きに追従する度合)を異ならせるという斬新な演出を実現することができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
【0199】
また、「表示器回転演出B」においては、上述したように、「エンブレム画像以外の画像(第1画像)」については、演出表示器41の回転角度が0度の状態(第1状態)である場合と同じ態様(すなわち、表示器回転演出に対応しない態様)で表示され、「エンブレム画像(第2画像)」については、演出表示器41が回転した状態(第2状態)となることに対応する態様(すなわち、表示器回転演出に対応する態様)で表示される。そして、これに際しては、「エンブレム画像以外の画像(第1画像)」については色彩が変更されず、「エンブレム画像(第2画像)」については色彩が青色から赤色に変更される。このため、表示器回転演出に対する対応度合が「エンブレム画像以外の画像(第1画像)」と「エンブレム画像(第2画像)」とで相違することに、遊技者を更に注目させることが可能となる。
【0200】
尚、「エンブレム画像(第2画像)」の色彩を青色から赤色に変更するタイミングで、「エンブレム画像(第2画像)」の大きさを変更する(拡大または縮小)することとしてもよい。こうすることによっても、表示器回転演出に対する対応度合が「エンブレム画像以外の画像(第1画像)」と「エンブレム画像(第2画像)」とで相違することに、遊技者を更に注目させることが可能となる。
【0201】
尚、「演出表示器41」は、「表示器」として捉えることもでき、「表示器回転演出」は、「駆動演出」として捉えることもできる。また、装飾図柄41a,41b,41c、保留画像、背景画像などの「エンブレム画像以外の画像」は、「第1画像」として捉えることもでき、「エンブレム画像」は、「第2画像」として捉えることもできる。また、演出表示器41の回転角度が0度である状態は、「第1状態」として捉えることもでき、演出表示器41が回転した状態は、「第2状態」として捉えることもできる。また、右回りは「第1方向」として捉えることもでき、左回りは「第2方向」として捉えることもできる。
【0202】
G-2-3.表示器回転演出C :
以上は「表示器回転演出B」について説明した。これに対して、「表示器回転演出C」は、図21に示すように、演出表示器41が1回転(360度回転)する期間のうち、前半の期間(演出表示器41の回転角度が0度から180度になるまでの期間)においては、「エンブレム画像」が(遊技者に対して)回転せず(遊技者からは「エンブレム画像」が回転していないように見えて)、後半の期間(演出表示器41の回転角度が180度から360度になるまでの期間)においては、「エンブレム画像」が(遊技者に対して)回転する(遊技者からは「エンブレム画像」が回転しているように見える)演出である。
【0203】
詳しくは、「表示器回転演出C」でも、演出表示器41が回転する前に(演出表示器41の回転角度が0度である状態で)、「エンブレム画像」の色彩を青色から赤色に変更する。本実施例のパチンコ機1では、このように「エンブレム画像」の色彩を青色から赤色に変更することによって、「エンブレム画像」が回転しないことを示唆している。
【0204】
その後、演出表示器41を1回転させる(回転角度が0度から360度になる)ものの、その期間のうち演出表示器41の回転角度が0度から180度になる期間においては、「エンブレム画像」は(遊技者に対して)回転せず(遊技者からは「エンブレム画像」が回転していないように見えて)、演出表示器41の回転角度が180度から360度になる期間においては、「エンブレム画像」が(遊技者に対して)回転する(遊技者からは「エンブレム画像」も回転しているように見える)。
【0205】
このような「表示器回転演出C」は、「エンブレム画像」を次のような態様で表示することにより実現することができる。図22には、「表示器回転演出C」が行われる際の「エンブレム画像」の表示態様が示されている。図22では、「エンブレム画像」の表示態様を理解し易いように、演出表示器41を回転させずに図示しており、この点が図21とは異なっている。
【0206】
図22(a)に示すように「表示器回転演出C」では、演出表示器41の回転角度が0度である状態で、「エンブレム画像」の色彩を青色から赤色に変更する。そして、図22(b)に示すように、演出表示器41の回転角度が60度になることに対応して、「エンブレム画像」を左回りに60度回転させて表示する。すなわち、演出表示器41は右回りに60度回転することから、「エンブレム画像」については、その反対方向である左回りに60度回転させて表示する。こうすると、演出表示器41が60度回転したにも拘わらず、「エンブレム画像」は遊技者に対しては回転していない状態となる(遊技者からは回転していないように見える)(図21(b)参照)。
【0207】
そして、図22(c)に示すように、演出表示器41の回転角度が60度から120度になることに対応して、「エンブレム画像」を左回りに更に60度(演出表示器41の回転角度が0度のときからは120度)回転させて表示する。すなわち、演出表示器41は右回りに更に60度回転することから、「エンブレム画像」については、その反対方向である左回りに更に60度(合計で120度)回転させて表示する。こうすると、演出表示器41が更に60度(合計で120度)回転したにも拘わらず、「エンブレム画像」は遊技者に対しては回転していない状態となる(遊技者からは回転していないように見える)(図21(c)参照)。
【0208】
そして、図22(d)に示すように、演出表示器41の回転角度が120度から180度になることに対応して、「エンブレム画像」を左回りに更に60度(演出表示器41の回転角度が0度のときからは180度)回転させて表示する。すなわち、演出表示器41は右回りに更に60度回転することから、「エンブレム画像」については、その反対方向である左回りに更に60度(合計で180度)回転させて表示する。こうすると、演出表示器41が更に60度(合計で180度)回転したにも拘わらず、「エンブレム画像」は遊技者に対しては回転していない状態となる(遊技者からは回転していないように見える)(図21(d)参照)。
【0209】
そして、この後は(演出表示器41の回転角度が180度から360度になる期間においては)、「エンブレム画像」を(遊技者に対して)回転させる(「エンブレム画像」が回転しているように遊技者に見せる)。
【0210】
すなわち、先ず、演出表示器41の回転角度が180度である状態で、「エンブレム画像」の色彩を赤色から青色に変更する(戻す)。本実施例のパチンコ機1では、このように「エンブレム画像」の色彩を赤色から青色に変更する(戻す)ことによって、「エンブレム画像」が回転する(「エンブレム画像」の回転が開始される)ことを示唆している。
【0211】
そして、図22(d)~(g)に示すように、演出表示器41の回転角度が180度から360度になる期間においては、表示画面上では(演出表示器41に対しては)「エンブレム画像」は回転させない(傾けない)。すなわち、表示画面上で(演出表示器41に対して)左回りに180度回転した状態を維持する。このため、演出表示器41の回転角度が180度から360度になる期間においては、「エンブレム画像」は、演出表示器41自体が右回りに(180度から360度まで)180度回転(半回転)することに伴って(遊技者に対して自ずと)右回りに180度回転(半回転)することとなる(遊技者からは「エンブレム画像」が右回りに180度回転したように見えることとなる)(図21(d)~(g)参照)。
【0212】
以上のように「表示器回転演出C」においては、演出表示器41が演出表示器41の回転角度が0度である状態(第1状態)から180度である状態(中途状態)になるに際しては(すなわち、表示器回転演出の途中までは)、「エンブレム画像以外の画像(第1画像)」については、演出表示器41の回転角度が0度である状態(第1状態)である場合と同じ態様(すなわち、表示器回転演出に対応しない態様)で表示され、「エンブレム画像(第2画像)」については、演出表示器41が演出表示器41の回転角度が180度である状態(中途状態)となることに対応する態様(すなわち、表示器回転演出に対応する態様)で表示される。もっとも、その後に、演出表示器41の回転角度が180度である状態(中途状態)から360度である状態(第2状態)になるまでは(すなわち、表示器回転演出の途中からは)、「エンブレム画像以外の画像(第1画像)」および「エンブレム画像(第2画像)」の双方について、演出表示器41の回転角度が180度である状態(中途状態)である場合と同じ態様(すなわち、表示器回転演出に対応しない態様)で表示される。
【0213】
すなわち、「エンブレム画像以外の画像(第1画像)」については、表示器回転演出の最初から最後まで表示器回転演出に対応しない態様で表示されるものの、「エンブレム画像(第2画像)」については、表示器回転演出の途中まで表示器回転演出に対応する態様で表示される。このため、「エンブレム画像以外の画像(第1画像)」と「エンブレム画像(第2画像)」とで、表示器回転演出に対する対応度合を当該表示器回転演出の途中まで異ならせるという斬新な演出を実現することができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
【0214】
また、演出表示器41の回転角度が0度である状態(第1状態)から180度である状態(中途状態)になるに際しては(すなわち、表示器回転演出の途中までは)、「エンブレム画像以外の画像(第1画像)」については、演出表示器41に対して、演出表示器41の回転角度が0度である状態(第1状態)である場合と同じ傾き(すなわち、表示器回転演出に対応しない傾き)で表示され、「エンブレム画像(第2画像)」については、演出表示器41に対して、右回り(演出表示器41の回転方向、第1方向)とは反対の左回り(第2方向)に180度(第2特定角度)回転させて(すなわち、表示器回転演出に対応する傾きで)表示される。もっとも、その後に、演出表示器41の回転角度が180度である状態(中途状態)から360度である状態(第2状態)になるまでは、「エンブレム画像以外の画像(第1画像)」および「エンブレム画像(第2画像)」の双方について、演出表示器41に対して、演出表示器41の回転角度が180度である状態(中途状態)である場合と同じ傾き(すなわち、表示器回転演出に対応しない傾き)で表示される。
【0215】
すなわち、「エンブレム画像以外の画像(第1画像)」については、表示器回転演出の最初から最後まで表示器回転演出に対応しない傾きで表示されるものの、「エンブレム画像(第2画像)」については、表示器回転演出の途中まで表示器回転演出に対応する傾きで表示される。そして、この場合、遊技者にとっては、表示器回転演出の途中までは、
「エンブレム画像以外の画像(第1画像)」については、演出表示器41の回転(傾き)に追従して回転した(傾けられた)ように見えることとなり、「エンブレム画像(第2画像)」については、演出表示器41が回転した(傾いた)にも拘わらず回転しなかった(傾きが変わらなかった)ように見えることとなり、表示器回転演出の途中からは、「エンブレム画像以外の画像(第1画像)」および「エンブレム画像(第2画像)」の双方について、演出表示器41の回転(傾き)に追従して回転した(傾けられた)ように見えることとなる。
【0216】
このため、表示器回転演出が行われることで演出表示器41に注目した遊技者に対して、「エンブレム画像(第2画像)」について、演出表示器41(エンブレム画像以外の画像(第1画像))が回転した(傾いた)にも拘わらず回転しなかった(傾かなった)ものの、表示器回転演出の途中からは演出表示器41(エンブレム画像以外の画像(第1画像))の傾きに追従して傾いた(回転が開始された)という意外性を与えることができる。
【0217】
また、「表示器回転演出C」においては、演出表示器41の回転角度が0度である状態(第1状態)から180度である状態(中途状態)になるまでは、「エンブレム画像以外の画像(第1画像)」については、演出表示器41の回転角度が0度である状態(第1状態)である場合と同じ態様(すなわち、表示器回転演出に対応しない態様)で表示され、「エンブレム画像(第2画像)」については、演出表示器41の回転角度が180度である状態(中途状態)となることに対応する態様(すなわち、表示器回転演出に対応する態様)で表示されるところ、これに際しては、「エンブレム画像以外の画像(第1画像)」および「エンブレム画像(第2画像)」の双方について色彩が変更されない。
【0218】
これに対して、演出表示器41の回転角度が180度である状態(中途状態)から360度である状態(第2状態)になるに際しては、「エンブレム画像以外の画像(第1画像)」および「エンブレム画像(第2画像)」の双方について、演出表示器41の回転角度が0度である状態(第1状態)である場合と同じ態様(すなわち、表示器回転演出に対応しない態様)で表示されるところ、これに際しては、「エンブレム画像以外の画像(第1画像)」については色彩が変更されず、「エンブレム画像(第2画像)」については色彩が赤色から青色に変更される(戻される)。このため、表示器回転演出の途中までは「エンブレム画像(第2画像)」が(遊技者に対して)回転しないものの、当該表示器回転演出の途中からは「エンブレム画像以外の画像(第1画像)」と同様に「エンブレム画像(第2画像)」が(遊技者に対して)回転することに、遊技者を注目させることが可能となる。
【0219】
尚、「エンブレム画像(第2画像)」の色彩を赤色から青色に変更する(戻す)タイミングで、「エンブレム画像(第2画像)」の大きさを変更する(拡大または縮小)することとしてもよい。こうすることによっても、示器回転演出の途中までは「エンブレム画像(第2画像)」が(遊技者に対して)回転しないものの、当該表示器回転演出の途中からは「エンブレム画像以外の画像(第1画像)」と同様に「エンブレム画像(第2画像)」が(遊技者に対して)回転する(回転が開始する)ことに、遊技者を注目させることが可能となる。
【0220】
尚、演出表示器41の回転角度が0度である状態は、「第1状態」として捉えることもでき、演出表示器41の回転角度が180度である状態は、「中途状態」として捉えることもでき、演出表示器41の回転角度が360度である状態は、「第2状態」として捉えることもできる。
【0221】
G-2-4.表示器回転演出D :
以上は「表示器回転演出C」について説明した。これに対して、「表示器回転演出D」は、図23に示すように、演出表示器41が1回転(360度回転)する期間のうち、前半の期間(演出表示器41の回転角度が0度から180度になるまでの期間)においては、「エンブレム画像」が(遊技者に対して)回転して(遊技者からは「エンブレム画像」が回転しているように見えて)、後半の期間(演出表示器41の回転角度が180度から360度になるまでの期間)においては、「エンブレム画像」が(遊技者に対して)回転しない(遊技者からは「エンブレム画像」が回転していないように見える)演出である。
【0222】
詳しくは、「表示器回転演出D」では、図24(a)~(d)に示すように、演出表示器41の回転角度が0度から180度になる期間においては、表示画面上では(演出表示器41に対しては)「エンブレム画像」は回転させない(傾けない)。このため、演出表示器41の回転角度が0度から180度になる期間においては、「エンブレム画像」は、演出表示器41自体が右回りに(0度から180度まで)180度回転(半回転)することに伴って(遊技者に対して自ずと)右回りに180度回転(半回転)することとなる(遊技者からは当該画像は右回りに180度回転したように見えることとなる)(図23(a)~(d)参照)。
【0223】
そして、この後は(演出表示器41の回転角度が180度から360度になる期間においては)、「エンブレム画像」を(遊技者に対して)回転させない(「エンブレム画像」が回転していないように遊技者に見せる)。
【0224】
すなわち、先ず、演出表示器41の回転角度が180度である状態で、「エンブレム画像」の色彩を青色から赤色に変更する。本実施例のパチンコ機1では、このように「エンブレム画像」の色彩を青色から赤色に変更することによって、「エンブレム画像」が回転しない(「エンブレム画像」の回転が停止する)ことを示唆している。
【0225】
そして、図24(e)に示すように、演出表示器41の回転角度が180度から240度になることに対応して、「エンブレム画像」を左回りに60度回転させて表示する。すなわち、演出表示器41は右回りに更に60度回転することから、「エンブレム画像」については、その反対方向である左回りに60度回転させて表示する。こうすると、演出表示器41が合計で240度回転した期間のうち、最後の60度回転する期間(回転角度が180度から240度になるまでの期間)は、演出表示器41が回転したにも拘わらず、「エンブレム画像」は遊技者に対しては回転していない状態となる(遊技者からは回転していないように見える)(図23(e)参照)。
【0226】
そして、図24(f)に示すように、演出表示器41の回転角度が240度から300度になることに対応して、「エンブレム画像」を左回りに更に60度(合計で120度)回転させて表示する。すなわち、演出表示器41は右回りに更に60度回転することから、「エンブレム画像」については、その反対方向である左回りに更に60度(合計で120度)回転させて表示する。こうすると、演出表示器41が合計で300度回転した期間のうち、最後の120度回転する期間(回転角度が180度から300度になるまでの期間)は、演出表示器41が回転したにも拘わらず、「エンブレム画像」は遊技者に対しては回転していない状態となる(遊技者からは回転していないように見える)(図23(f)参照)。
【0227】
そして、図24(g)に示すように、演出表示器41の回転角度が300度から360度になることに対応して、「エンブレム画像」を左回りに更に60度(合計で180度)回転させて表示する。すなわち、演出表示器41は右回りに更に60度回転することから、「エンブレム画像」については、その反対方向である左回りに更に60度(合計で180度)回転させて表示する。こうすると、演出表示器41が合計で360度回転した期間のうち、最後の180度回転する期間(回転角度が180度から360度になるまでの期間)は、演出表示器41が回転したにも拘わらず、「エンブレム画像」は遊技者に対しては回転していない状態となる(遊技者からは回転していないように見える)(図23(f)参照)。
【0228】
以上のように「表示器回転演出D」においては、演出表示器41の回転角度が0度である状態(第1状態)から180度である状態(中途状態)になるまでは、「エンブレム画像以外の画像(第1画像)」および「エンブレム画像(第2画像)」の双方について、演出表示器41の回転角度が0度である状態(第1状態)である場合と同じ態様(すなわち、表示器回転演出に対応しない態様)で表示される。もっとも、その後に、演出表示器41が演出表示器41の回転角度が180度である状態(中途状態)から360度である状態(第2状態)になるに際しては(すなわち、表示器回転演出の途中からは)、「エンブレム画像以外の画像(第1画像)」については、演出表示器41の回転角度が0度である状態(第1状態)である場合と同じ態様(すなわち、表示器回転演出に対応しない態様)で表示され、「エンブレム画像(第2画像)」については、演出表示器41が演出表示器41の回転角度が360度である状態(第2状態)となることに対応する態様(すなわち、表示器回転演出に対応する態様)で表示される。
【0229】
すなわち、「エンブレム画像以外の画像(第1画像)」については、表示器回転演出の最初から最後まで表示器回転演出に対応しない態様で表示されるものの、「エンブレム画像(第2画像)」については、表示器回転演出の途中から表示器回転演出に対応する態様で表示される。このため、「エンブレム画像以外の画像(第1画像)」と「エンブレム画像(第2画像)」とで、表示器回転演出に対する対応度合を当該表示器回転演出の途中から異ならせるという斬新な演出を実現することができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
【0230】
また、演出表示器41の回転角度が0度である状態(第1状態)から180度である状態(中途状態)になるまでは、「エンブレム画像以外の画像(第1画像)」および「エンブレム画像(第2画像)」の双方について、演出表示器41に対して、演出表示器41の回転角度が0度である状態(第1状態)である場合と同じ傾き(すなわち、表示器回転演出に対応しない傾き)で表示される。もっとも、その後に、演出表示器41の回転角度が180度である状態(中途状態)から360度である状態(第2状態)になるに際しては(すなわち、表示器回転演出の途中からは)、「エンブレム画像以外の画像(第1画像)」については、演出表示器41に対して、演出表示器41の回転角度が0度である状態(第1状態)である場合と同じ傾き(すなわち、表示器回転演出に対応しない傾き)で表示され、「エンブレム画像(第2画像)」については、演出表示器41に対して、右回り(演出表示器41の回転方向、第1方向)とは反対の左回り(第2方向)に180度(第2特定角度)回転させて(すなわち、表示器回転演出に対応する傾きで)表示される。
【0231】
すなわち、「エンブレム画像以外の画像(第1画像)」については、表示器回転演出の最初から最後まで表示器回転演出に対応しない傾きで表示されるものの、「エンブレム画像(第2画像)」については、表示器回転演出の途中から表示器回転演出に対応する傾きで表示される。そして、この場合、遊技者にとっては、表示器回転演出の途中までは、「エンブレム画像以外の画像(第1画像)」および「エンブレム画像(第2画像)」の双方について、演出表示器41の回転(傾き)に追従して回転した(傾けられた)ように見えることとなり、表示器回転演出の途中からは、「エンブレム画像以外の画像(第1画像)」については、演出表示器41の回転(傾き)に追従して回転した(傾けられた)ように見えることとなり、「エンブレム画像(第2画像)」については、演出表示器41が回転した(傾いた)にも拘わらず回転しなかった(傾きが変わらなかった)ように見えることとなる。
【0232】
このため、表示器回転演出が行われることで演出表示器41に注目した遊技者に対して、「エンブレム画像(第2画像)」について、表示器回転演出の途中までは演出表示器41(エンブレム画像以外の画像(第1画像))の傾きに追従して傾いたものの、表示器回転演出の途中からは演出表示器41(エンブレム画像以外の画像(第1画像))が回転した(傾いた)にも拘わらず回転しなかった(回転が止まった、傾かなった、傾く動きが止まった)という意外性を与えることができる。
【0233】
また、「表示器回転演出D」においては、演出表示器41の回転角度が0度である状態(第1状態)から180度である状態(中途状態)になるまでは、「エンブレム画像以外の画像(第1画像)」および「エンブレム画像(第2画像)」の双方について、演出表示器41の回転角度が0度である状態(第1状態)である場合と同じ態様(すなわち、表示器回転演出に対応しない態様)で表示されるところ、これに際しては、「エンブレム画像以外の画像(第1画像)」および「エンブレム画像(第2画像)」の双方について色彩が変更されない。
【0234】
これに対して、演出表示器41の回転角度が180度である状態(中途状態)から360度である状態(第2状態)になるに際しては、「エンブレム画像以外の画像(第1画像)」については、演出表示器41の回転角度が0度である状態(第1状態)である場合と同じ態様(すなわち、表示器回転演出に対応しない態様)で表示され、「エンブレム画像(第2画像)」については、演出表示器41の回転角度が360度である状態(第2状態)となることに対応する態様(すなわち、表示器回転演出に対応する態様)で表示されるところ、これに際しては、「エンブレム画像以外の画像(第1画像)」については色彩が変更されず、「エンブレム画像(第2画像)」については色彩が青色から赤色に変更される。このため、表示器回転演出の途中までは、「エンブレム画像以外の画像(第1画像)」と同様に「エンブレム画像(第2画像)」が(遊技者に対して)回転するものの、当該表示器回転演出の途中からは「エンブレム画像(第2画像)」が(遊技者に対して)回転しないことに、遊技者を注目させることが可能となる。
【0235】
尚、「エンブレム画像(第2画像)」の色彩を青色から赤色に変更するタイミングで、「エンブレム画像(第2画像)」の大きさを変更する(拡大または縮小)することとしてもよい。こうすることによっても、表示器回転演出の途中までは、「エンブレム画像以外の画像(第1画像)」と同様に「エンブレム画像(第2画像)」が(遊技者に対して)回転するものの、当該表示器回転演出の途中からは「エンブレム画像(第2画像)」が(遊技者に対して)回転しない(回転が停止する)ことに、遊技者を注目させることが可能となる。
【0236】
尚、演出表示器41の回転角度が0度である状態は、「第1状態」として捉えることもでき、演出表示器41の回転角度が180度である状態は、「中途状態」として捉えることもでき、演出表示器41の回転角度が360度である状態は、「第2状態」として捉えることもできる。
【0237】
G-3.表示器回転演出の大当り期待度 :
図25には、表示器回転演出A~Dの「大当り期待度(あるいはSPリーチ期待度)」が示されている。図25に示すように、表示器回転演出Aが行われた場合の「大当り期待度(あるいはSPリーチ期待度)」は10%であり(10%の確率で装飾図柄41a,41b,41cがゾロ目で停止表示され)(あるいは10%の確率でSPリーチ演出が実行され)、表示器回転演出Bが行われた場合の「大当り期待度(あるいはSPリーチ期待度)」は30%である(30%の確率で装飾図柄41a,41b,41cがゾロ目で停止表示される)(あるいは30%の確率でSPリーチ演出が実行される)。
【0238】
また、表示器回転演出Cが行われた場合の「大当り期待度(あるいはSPリーチ期待度)」は40%であり(40%の確率で装飾図柄41a,41b,41cがゾロ目で停止表示され)(あるいは40%の確率でSPリーチ演出が実行され)、表示器回転演出Dが行われた場合の「大当り期待度(あるいはSPリーチ期待度)」は50%である(50%の確率で装飾図柄41a,41b,41cがゾロ目で停止表示される)(あるいは50%の確率でSPリーチ演出が実行される)。
【0239】
従って、遊技者に対して、「大当り期待度(あるいはSPリーチ期待度)」のより高い表示器回転演出が行われることを期待させることができる。
【0240】
H.変形例 :
次に変形例について説明する。
H-1.変形例1 :
上述した「エンブレム画像(第2画像)」は、演出操作部(演出ボタン10a、ジョグシャトル10b、方向ボタン10cなど)に対する操作を遊技者に促す「操作催促画像」であってもよい。すなわち、「操作催促画像」は、遊技者にとって視認し易いことが求められることから、演出表示器41が回転する(傾く)場合であっても、「操作催促画像」は、遊技者に対しては回転していない状態となる(遊技者からは回転していないように見える)構成としてもよい。こうすると、演出表示器41が回転する場合であっても、「操作催促画像」を遊技者にとって視認し易くすることができる。
【0241】
また、上述した実施例では、表示器用開口部40の周囲部には、遊技領域21や演出表示器41を装飾する装飾部が設けられている。そこで、上述した「エンブレム画像(第2画像)」は、この装飾部に対応する「装飾部対応画像」であることとしてもよい。より詳しくは、「装飾部対応画像」と装飾部の一部とで、1つの対象物を示すこととしてもよい。例えば、刀の柄を模した装飾部(刀の柄状に形成された装飾部)が設けられており、「装飾対応画像」は、当該装飾部に対応して刀の刃を示す画像であることとしてもよい。
【0242】
この場合は、装飾部と「装飾部対応画像」とで、1つの刀を示すこととなるところ、演出表示器41の回転に伴って「装飾部対応画像」が遊技者に対して回転してしまうと、装飾部に対しても回転してしまい、「装飾部対応画像」が装飾部に対応しなくなってしまう。その結果、装飾部と「装飾部対応画像」とで、1つの刀を示すことができなくなってしまう。そこで、演出表示器41が回転する(傾く)場合であっても、「装飾部対応画像」は、遊技者に対しては回転していない状態となる(遊技者からは回転していないように見える)構成としてもよい。こうすると、演出表示器41が回転する場合であっても、「装飾部対応画像」が装飾部に対応した状態を維持することができ、ひいては、装飾部と「装飾部対応画像」とで1つの刀を示す状態を維持することができる。
【0243】
H-2.変形例2 :
上述した実施例では、演出表示器41を回転させる演出(表示器回転演出)を実行可能であることとしたが、演出表示器41を特定方向(例えば、右方向)に移動させる演出を実行可能であることとしてもよい。尚、演出表示器41を特定方向に移動させる機構については、周知の種々の技術を採用することができるので、この機構についての図示や詳しい説明は省略する。
【0244】
そして、エンブレム画像が表示された状態であっても、演出表示器41を特定方向(例えば、右方向)に移動させる演出が実行されることがあることとしてもよい。このような場合は、図26(a)に示すように、「エンブレム画像」についても(その他の画像と同様に)、表示画面上では(演出表示器41に対しては)移動させられていなくても、演出表示器41自体が特定方向(例えば、右方向)に移動するので、それに伴って(遊技者に対して自ずと)特定方向(例えば、右方向)に移動することとなる(遊技者からは特定方向に移動したように見えることとなる)。
【0245】
そこで、このような場合は、図26(b)に示すように、演出表示器41が特定方向(例えば、右方向)に移動する期間のうち、一部または全部の期間において、「エンブレム画像」を表示画面上で特定方向とは逆方向(例えば、左方向)に移動させることとしてもよい。例えば、演出表示器41が特定方向(例えば、右方向)に50mm移動する場合は、「エンブレム画像」を表示画面上で特定方向とは逆方向(例えば、左方向)に50mm移動させることとしてもよい。こうすると、演出表示器41が特定方向(例えば、右方向)に50mm移動したにも拘わらず、「エンブレム画像」は遊技者に対しては移動していない状態となる(遊技者からは移動していないように見える)。
【0246】
尚、図柄変動演出は、変動パターンに対応して行われるので、図柄変動演出の一環として行われる上述した実施例や変形例の「表示器回転演出」や「エンブレム演出」を含む各種演出も、それぞれに対応する変動パターンが選択された場合に行われる。そして、その場合の「大当り期待度」(あるいはSPリーチ期待度)は、上述した実施例や変形例の「表示器回転演出」や「エンブレム演出」を含む各種演出の実行確率(各種演出に対応する変動パターンが選択される確率)を適宜設定することによって実現される。
【0247】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
【0248】
例えば、上述した実施例および変形例においては、表示器回転演出では、演出表示器41を360度回転させることとしたが、これに限らず、演出表示器41を所定の角度(例えば、30度)だけ傾けることとしてもよい。
【0249】
また、上述した実施例および変形例では、遊技盤20に形成された遊技領域21に向けて遊技球を発射することによって遊技を行うパチンコ機1に本発明を適用したが、外周面に複数種類の図柄が描かれた回胴を回転させ、該回胴を停止させることによって遊技を行うスロットマシン(回胴式遊技機)に本発明を適用することとしてもよい。スロットマシンでは、回胴が所定の図柄の組合せで停止表示されると遊技メダルが払い出されるので、本発明をスロットマシンに適用することとした場合は、遊技メダルを遊技媒体として捉えることができる。
【0250】
また、上述した実施例及び変形例においては、遊技ホールの島設備から供給される遊技球を払い出すことによって、遊技の結果としての利益(遊技価値)を遊技者に付与するパチンコ機1に本発明を適用した例を説明した。これに限らず、「遊技球の払い出し」とは異なる形態で遊技上の利益を付与するタイプの遊技機にも、本発明を適用することができる。例えば、各種入球口への遊技球の入球が発生することで、その入球に対応する利益の量(遊技価値の大きさ)を示すデータを記憶することによって、遊技上の利益(遊技価値)を遊技者に付与するタイプのパチンコ機にも本発明を適用することができ、この場合にも、上述した実施例と同様の効果を得ることができる。尚、遊技上の利益(遊技価値)をデータ化して遊技者に付与するタイプのパチンコ機としては、パチンコ機に内蔵された複数個の遊技球を循環させて使用する遊技機、具体的には、各種入球口あるいはアウト口を経て遊技盤の裏面に排出された遊技球を、再度、発射位置に戻して発射するように構成されたパチンコ機(いわゆる封入式遊技機)を例示できる。
【0251】
<上述した実施例から抽出できる遊技機A1~遊技機A9>
上述した実施例のパチンコ機は、次のような遊技機A1~遊技機A9として捉えることもできる。
【0252】
<遊技機A1>
<概要>
表示器を第1状態から第2状態まで動かす駆動演出を実行可能。
<請求項形式>
遊技媒体を利用して遊技を行う遊技機であって、
所定の画像が表示される表示器を備えており、
前記表示器を第1状態から第2状態まで動かす駆動演出を実行可能である
ことを特徴とする遊技機。
【0253】
このような遊技機では、所定の画像が表示される表示器を備えているところ、この表示器を第1状態から第2状態まで動かす駆動演出が実行されることがある。このため、遊技者に対して、表示器に注目させることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
【0254】
<遊技機A2>
<概要>
遊技機A1に従属。
表示器に第1画像および第2画像が並行して表示されている状態で駆動演出が行われる場合は、第1画像については、表示器が第1状態である場合と同じ態様で表示して、第2画像については、表示器が第2状態となることに対応する態様で表示する。
<請求項形式>
遊技機A1において、
前記表示器には、第1画像および第2画像が並行して表示されることがあり、
前記表示器に前記第1画像および前記第2画像が並行して表示されている状態で前記駆動演出が行われる場合は、
前記第1画像については、前記表示器が前記第1状態である場合と同じ態様で表示するものの、
前記第2画像については、前記表示器が前記第2状態となることに対応する態様で表示する
ことを特徴とする遊技機。
【0255】
このような遊技機では、表示器に第1画像および第2画像が並行して表示されている状態で駆動演出が行われる場合は、第1画像については、表示器が第1状態である場合と同じ態様(すなわち、駆動演出に対応しない態様)で表示され、第2画像については、表示器が第2状態となることに対応する態様(すなわち、駆動演出に対応する態様)で表示される。このため、第1画像と第2画像とで、駆動演出に対する対応度合を異ならせるという斬新な演出を実現することができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
【0256】
<遊技機A3>
<概要>
遊技機A1に従属。
駆動演出は、表示器を、第1状態から第1方向に特定角度だけ傾けることで第2状態とする演出。
表示器に第1画像および第2画像が並行して表示されている状態で駆動演出が行われる場合は、第1画像については、表示器に対して、第1状態である場合と同じ傾きで表示して、第2画像については、表示器に対して、第1方向とは反対の第2方向に特定角度だけ傾けて表示する。
<請求項形式>
遊技機A1において、
前記駆動演出は、前記表示器を、前記第1状態から第1方向に特定角度だけ傾けることで前記第2状態とする演出であり、
前記表示器には、第1画像および第2画像が並行して表示されることがあり、
前記表示器に前記第1画像および前記第2画像が並行して表示されている状態で前記駆動演出が行われる場合は、
前記第1画像については、前記表示器に対して、前記第1状態である場合と同じ傾きで表示するものの、
前記第2画像については、前記表示器に対して、前記第1方向とは反対の第2方向に前記特定角度だけ傾けて表示する
ことを特徴とする遊技機。
【0257】
このような遊技機では、表示器に第1画像および第2画像が並行して表示されている状態で駆動演出が行われる場合は、第1画像については、表示器に対して、第1状態である場合と同じ傾き(すなわち、駆動演出に対応しない傾き)で表示され、第2画像については、表示器に対して、第1方向とは反対の第2方向に特定角度だけ傾けて(すなわち、駆動演出に対応する傾きで)表示される。この場合、遊技者にとっては、第1画像については、表示器の傾きに追従して傾けられたように見えることとなり、第2画像については、表示器が傾いたにも拘わらず傾きが変わらなかったように見えることとなる。このため、駆動演出が行われることで表示器に注目した遊技者に対して、表示器(第1画像)が傾いたにも拘わらず当該表示器に表示されている第2画像は傾かなったという意外性を与えることができる。ひいては、第1画像と第2画像とで、駆動演出に対する対応度合(表示器の傾きに追従する度合)を異ならせるという斬新な演出を実現することができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
【0258】
<遊技機A4>
<概要>
遊技機A2、遊技機A3に従属。
駆動演出が行われるに際しては、第1画像については色彩を変更せず、第2画像については色彩を変更する。
<請求項形式>
遊技機A2または遊技機A3において、
前記駆動演出が行われるに際しては、前記第1画像については色彩を変更せず、前記第2画像については色彩を変更する
ことを特徴とする遊技機。
【0259】
このような遊技機では、上述したように、第1画像については、表示器が第1状態である場合と同じ態様(すなわち、駆動演出に対応しない態様)で表示され、第2画像については、表示器が第2状態となることに対応する態様(すなわち、駆動演出に対応する態様)で表示される。そして、これに際しては、第1画像については色彩が変更されず、第2画像については色彩が変更される。このため、駆動演出に対する対応度合が第1画像と第2画像とで相違することに、遊技者を更に注目させることが可能となる。
【0260】
<遊技機A5>
<概要>
遊技機A2、遊技機A3に従属。
駆動演出が行われるに際しては、第1画像については大きさを変更せず、第2画像については大きさを変更する。
<請求項形式>
遊技機A2または遊技機A3において、
前記駆動演出が行われるに際しては、前記第1画像については大きさを変更せず、前記第2画像については大きさを変更する
ことを特徴とする遊技機。
【0261】
このような遊技機では、上述したように、第1画像については、表示器が第1状態である場合と同じ態様(すなわち、駆動演出に対応しない態様)で表示され、第2画像については、表示器が第2状態となることに対応する態様(すなわち、駆動演出に対応する態様)で表示される。そして、これに際しては、第1画像については大きさが変更されず、第2画像については大きさが変更される。このため、駆動演出に対する対応度合が第1画像と第2画像とで相違することに、遊技者を更に注目させることが可能となる。
【0262】
<遊技機A6>
<概要>
遊技機A1に従属。
駆動演出において、表示器は、第1状態→中途状態→第2状態となる。
表示器に第1画像および第2画像が並行して表示されている状態で駆動演出が行われる場合は、第1画像および第2画像については、次の(1)、(2)のように表示する。
(1)表示器が第1状態→中途状態となるに際しては、第1画像および第2画像の双方について、表示器が第1状態である場合と同じ態様で表示する。
(2)表示器が中途状態→第2状態となるに際しては、第1画像については、表示器が第1状態である場合と同じ態様で表示して、第2画像については、表示器が第2状態となることに対応する態様で表示する。
<請求項形式>
遊技機A1において、
前記駆動演出において、前記表示器は、前記第1状態から前記第2状態となる過程で中途状態となるものであり、
前記表示器には、第1画像および第2画像が並行して表示されることがあり、
前記表示器に前記第1画像および前記第2画像が並行して表示されている状態で前記駆動演出が行われる場合において、
前記表示器が前記第1状態から前記中途状態となるに際しては、前記第1画像および前記第2画像の双方について、前記表示器が前記第1状態である場合と同じ態様で表示して、
前記表示器が前記中途状態から前記第2状態となるに際しては、前記第1画像については、前記表示器が前記第1状態である場合と同じ態様で表示するものの、前記第2画像については、前記表示器が前記第2状態となることに対応する態様で表示する
ことを特徴とする遊技機。
【0263】
このような遊技機では、表示器に第1画像および第2画像が並行して表示されている状態で駆動演出が行われる場合は、表示器が第1状態から中途状態になるまでは、第1画像および第2画像の双方について、表示器が第1状態である場合と同じ態様(すなわち、駆動演出に対応しない態様)で表示される。もっとも、その後に、表示器が中途状態から第2状態になるに際しては(すなわち、駆動演出の途中からは)、第1画像については、表示器が第1状態である場合と同じ態様(すなわち、駆動演出に対応しない態様)で表示され、第2画像については、表示器が第2状態となることに対応する態様(すなわち、駆動演出に対応する態様)で表示される。
【0264】
すなわち、第1画像については、駆動演出の最初から最後まで駆動演出に対応しない態様で表示されるものの、第2画像については、駆動演出の途中から駆動演出に対応する態様で表示される。このため、第1画像と第2画像とで、駆動演出に対する対応度合を当該駆動演出の途中から異ならせるという斬新な演出を実現することができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
【0265】
<遊技機A7>
<概要>
遊技機A1に従属。
駆動演出において、表示器は、第1状態→中途状態(第1方向に第1特定角度だけ傾けられた状態)→第2状態(更に第1方向に第2特定角度だけ傾けられた状態)となる。
表示器に第1画像および第2画像が並行して表示されている状態で駆動演出が行われる場合は、第1画像および第2画像については、次の(1)、(2)のように表示する。
(1)表示器が第1状態→中途状態となるに際しては、第1画像および第2画像の双方について、表示器に対して、第1状態である場合と同じ傾きで表示する。
(2)表示器が中途状態→第2状態となるに際しては、第1画像については、表示器に対して、第1状態である場合と同じ傾きで表示して、第2画像については、表示器に対して、第1方向とは反対の第2方向に第2特定角度だけ傾けて表示する。
<請求項形式>
遊技機A1において、
前記駆動演出は、前記表示器を、前記第1状態から第1方向に第1特定角度だけ傾けることで中途状態とした後に、更に前記第1方向に第2特定角度だけ傾けることで前記第2状態とする演出であり、
前記表示器には、第1画像および第2画像が並行して表示されることがあり、
前記表示器に前記第1画像および前記第2画像が並行して表示されている状態で前記駆動演出が行われる場合は、
前記表示器が前記第1状態から前記中途状態となるに際しては、前記第1画像および前記第2画像の双方について、前記表示器に対して、前記第1状態である場合と同じ傾きで表示して、
前記表示器が前記中途状態から前記第2状態となるに際しては、前記第1画像については、前記表示器に対して、前記第1状態である場合と同じ傾きで表示するものの、前記第2画像については、前記表示器に対して、前記第1方向とは反対の第2方向に前記第2特定角度だけ傾けて表示する
ことを特徴とする遊技機。
【0266】
このような遊技機では、表示器に第1画像および第2画像が並行して表示されている状態で駆動演出が行われる場合は、表示器が第1状態から中途状態になるまでは、第1画像および第2画像の双方について、表示器に対して、第1状態である場合と同じ傾き(すなわち、駆動演出に対応しない傾き)で表示される。もっとも、その後に、表示器が中途状態から第2状態になるに際しては(すなわち、駆動演出の途中からは)、第1画像については、表示器に対して、第1状態である場合と同じ傾き(すなわち、駆動演出に対応しない傾き)で表示され、第2画像については、表示器に対して、第1方向とは反対の第2方向に第2特定角度だけ傾けて(すなわち、駆動演出に対応する傾きで)表示される。
【0267】
すなわち、第1画像については、駆動演出の最初から最後まで駆動演出に対応しない傾きで表示されるものの、第2画像については、駆動演出の途中から駆動演出に対応する傾きで表示される。そして、この場合、遊技者にとっては、駆動演出の途中までは、第1画像および第2画像の双方について、表示器の傾きに追従して傾けられたように見えることとなり、駆動演出の途中からは、第1画像については、表示器の傾きに追従して傾けられたように見えることとなり、第2画像については、表示器が傾いたにも拘わらず傾きが変わらなかったように見えることとなる。
【0268】
このため、駆動演出が行われることで表示器に注目した遊技者に対して、第2画像について、駆動演出の途中までは表示器(第1画像)の傾きに追従して傾いたものの、駆動演出の途中からは表示器(第1画像)が傾いたにも拘わらず傾かなった(傾く動きが止まった)という意外性を与えることができる。
【0269】
<遊技機A8>
<概要>
遊技機A6、遊技機A7に従属。
表示器が第1状態→中途状態となるまでは、第1画像および第2画像の双方について色彩を変更しない。
表示器が中途状態となった後は、第1画像については色彩を変更せず、第2画像については色彩を変更する。
<請求項形式>
遊技機A6または遊技機A7において、
前記駆動演出において前記表示器が前記第1状態から前記中途状態となるまでは、前記第1画像および前記第2画像の双方について色彩を変更せず、
前記駆動演出において前記表示器が前記中途状態となった後は、前記第1画像については色彩を変更せず、前記第2画像については色彩を変更する
ことを特徴とする遊技機。
【0270】
このような遊技機では、表示器が第1状態から中途状態となるまでは、第1画像および第2画像の双方について表示器が第1状態である場合と同じ態様(すなわち、駆動演出に対応しない態様)で表示されるところ。これに際しては、第1画像および第2画像の双方について色彩が変更されない。
【0271】
これに対して、表示器が中途状態から第2状態になるに際しては、第1画像については、表示器が第1状態である場合と同じ態様(すなわち、駆動演出に対応しない態様)で表示され、第2画像については、表示器が第2状態となることに対応する態様(すなわち、駆動演出に対応する態様)で表示されるところ、これに際しては、第1画像については色彩が変更されず、第2画像については色彩が変更される。このため、駆動演出に対する対応度合は、当該駆動演出の途中までは第1画像と第2画像とで同じであるものの、当該駆動演出の途中からは第1画像と第2画像とで相違することに、遊技者を更に注目させることが可能となる。
【0272】
<遊技機A9>
<概要>
遊技機A6、遊技機A7に従属。
表示器が第1状態→中途状態となるまでは、第1画像および第2画像の双方について大きさを変更しない。
表示器が中途状態となった後は、第1画像については大きさを変更せず、第2画像については大きさを変更する。
<請求項形式>
遊技機A6または遊技機A7において、
前記駆動演出において前記表示器が前記第1状態から前記中途状態となるまでは、前記第1画像および前記第2画像の双方について大きさを変更せず、
前記駆動演出において前記表示器が前記中途状態となった後は、前記第1画像については大きさを変更せず、前記第2画像については大きさを変更する
ことを特徴とする遊技機。
【0273】
このような遊技機では、表示器が第1状態から中途状態となるまでは、第1画像および第2画像の双方について表示器が第1状態である場合と同じ態様(すなわち、駆動演出に対応しない態様)で表示されるところ。これに際しては、第1画像および第2画像の双方について大きさが変更されない。
【0274】
これに対して、表示器が中途状態から第2状態になるに際しては、第1画像については、表示器が第1状態である場合と同じ態様(すなわち、駆動演出に対応しない態様)で表示され、第2画像については、表示器が第2状態となることに対応する態様(すなわち、駆動演出に対応する態様)で表示されるところ、これに際しては、第1画像については大きさが変更されず、第2画像については大きさが変更される。このため、駆動演出に対する対応度合は、当該駆動演出の途中までは第1画像と第2画像とで同じであるものの、当該駆動演出の途中からは第1画像と第2画像とで相違することに、遊技者を更に注目させることが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0275】
本発明は、遊技ホールで用いられる遊技機に利用することができる。
【符号の説明】
【0276】
1…パチンコ機(遊技機)、24…第1始動口、25…第2始動口、28…大入賞口、35…小入賞口、38…特定口、41…演出表示器、50…セグメント表示部、200…主制御基板、201…CPU、202…ROM、220…サブ制御基板、221…CPU。
図1
図2
図3
図4
図5
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