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特開2023-173618照明制御設計支援システム、照明制御設計支援方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173618
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】照明制御設計支援システム、照明制御設計支援方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/08 20120101AFI20231130BHJP
【FI】
G06Q50/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022085989
(22)【出願日】2022-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000124591
【氏名又は名称】河村電器産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】平下 英里
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC07
(57)【要約】
【課題】照明制御システムの設計者に照明制御システムを導入する場合の初期費用を照明器具の制御方式毎に把握させつつ照明制御システムの設計を支援する。
【解決手段】照明器具と照明器具を制御する制御機器と照明器具に接続される分電盤とを含む照明制御システムの設計を支援する照明制御設計支援システムは、照明制御システムの設計に用いられる情報を取得する取得部と、取得部によって取得された情報から算出項目を算出する算出部とを備え、取得部によって取得される照明制御システムが導入される場合の初期費用を算出するための情報には、照明器具の台数と、1台あたりの照明器具の費用と、制御機器の費用と、分電盤に関する費用と、照明制御システムの施工費用とが少なくとも含まれ、算出部は、それらに基づいて、照明制御システムが導入される場合の初期費用を算出する初期費用算出部を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明器具と、前記照明器具を制御する制御機器と、前記照明器具に接続される分電盤とを含む照明制御システムの設計を支援する照明制御設計支援システムであって、
前記照明制御システムの設計に用いられる情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された情報から算出項目を算出する算出部とを備え、
前記取得部によって取得される情報には、前記照明制御システムが導入される場合の初期費用を算出するための情報が含まれ、
前記照明制御システムが導入される場合の初期費用を算出するための情報には、前記照明器具の台数と、1台あたりの前記照明器具の費用と、前記制御機器の費用と、前記分電盤に関する費用と、前記照明制御システムの施工費用とが少なくとも含まれ、
前記算出部は、
少なくとも前記照明器具の台数と、1台あたりの前記照明器具の費用と、前記制御機器の費用と、前記分電盤に関する費用と、前記照明制御システムの施工費用とに基づいて、前記照明制御システムが導入される場合の初期費用を算出する初期費用算出部を備える、
照明制御設計支援システム。
【請求項2】
前記取得部によって取得される情報には、前記照明制御システムが導入される場合の1年当たりの電力使用料金を算出するための情報と、前記照明制御システムが導入されない場合の1年当たりの電力使用料金を算出するための情報とが含まれ、
前記照明制御システムが導入される場合の1年当たりの電力使用料金を算出するための情報には、前記照明器具の1台当たりの消費電力と、前記照明器具の使用時間と、電力使用料金単価と、前記照明制御システムが導入されない場合に使用される照明器具である制御なし照明器具による電力使用量に対する前記照明制御システムが導入される場合における前記照明器具による電力使用量の割合を示す削減後率とが少なくとも含まれ、
前記照明制御システムが導入されない場合の1年当たりの電力使用料金を算出するための情報には、前記制御なし照明器具の1台当たりの消費電力と、前記制御なし照明器具の使用時間と、前記電力使用料金単価とが少なくとも含まれ、
前記算出部は、
前記照明制御システムが導入される場合の初期費用に、前記照明制御システムが導入される場合の1年当たりの電力使用料金と前記照明制御システムが導入された時点からの経過年数との積を加算したものを、前記照明制御システムが導入されない場合の1年当たりの電力使用料金と前記照明制御システムが導入された時点からの前記経過年数との積から減算したものを、前記照明制御システムが導入された時点から前記経過年数が経過した時点における省エネ金額として算出する省エネ金額算出部を備え、
前記省エネ金額算出部は、前記制御機器による前記照明器具の制御方式毎に、前記照明制御システムが導入された時点から前記経過年数が経過した時点における省エネ金額を算出項目として算出する、
請求項1に記載の照明制御設計支援システム。
【請求項3】
前記制御機器による前記照明器具の制御方式には、
前記照明制御システムとは異なるシステムとの連携が可能な制御方式である高機能制御方式と、電力線通信(PLC)制御方式と、無線制御方式と、2線式制御方式とが含まれる、
請求項1に記載の照明制御設計支援システム。
【請求項4】
前記分電盤に関する費用には、
前記照明器具に接続される前記分電盤に追加される機器の費用である追加機器費用が含まれる、
請求項1に記載の照明制御設計支援システム。
【請求項5】
前記追加機器費用は、前記制御機器による前記照明器具の制御方式に応じて異なる値に設定されている、
請求項4に記載の照明制御設計支援システム。
【請求項6】
前記照明制御システムが導入される場合の初期費用には、
1台当たりの前記照明器具の費用と、前記照明制御システムが導入されない場合に使用される照明器具である制御なし照明器具の1台当たりの費用との差額と、前記照明器具の台数との積である照明器具費用差額が含まれる、
請求項1に記載の照明制御設計支援システム。
【請求項7】
1台当たりの前記照明器具の費用は、前記制御機器による前記照明器具の制御方式に応じて異なる値に設定されている、
請求項6に記載の照明制御設計支援システム。
【請求項8】
前記照明制御システムが導入される場合の初期費用には、前記照明制御システムの施工費用が含まれ、
前記照明制御システムの施工費用は、前記制御機器による前記照明器具の制御方式に応じて異なる値に設定されている、
請求項1に記載の照明制御設計支援システム。
【請求項9】
前記照明制御システムの施工費用は、前記照明制御システムが導入される建物の構造に応じて異なる値に設定されている、
請求項8に記載の照明制御設計支援システム。
【請求項10】
前記算出部は、
少なくとも前記制御機器による前記照明器具の制御方式と、予め作成された前記分電盤の設計図テンプレートとに基づいて、前記分電盤の前記設計図テンプレートに必要な機器を追加したものである前記分電盤の設計図を作成する分電盤設計機器費用算出部を備える、
請求項1に記載の照明制御設計支援システム。
【請求項11】
前記算出部は、
前記照明器具の台数と、前記照明器具を制御する前記制御機器の台数と、前記照明器具の制御に用いられるセンサの台数と、前記照明制御システムが導入される建物の階数と、階毎の前記照明器具の台数と、階毎の前記制御機器の台数と、階毎の前記センサの台数と、階層単位基本システム構成図および分電盤図とに基づいて、前記照明制御システムが導入される建物の階数に対応するシステム構成図を作成するシステム構成図作成部を備える、
請求項1に記載の照明制御設計支援システム。
【請求項12】
照明器具と、前記照明器具を制御する制御機器と、前記照明器具に接続される分電盤とを含む照明制御システムの設計を支援する照明制御設計支援方法であって、
前記照明制御システムの設計に用いられる情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにおいて取得された情報から算出項目を算出する算出ステップとを備え、
前記取得ステップにおいて取得される情報には、前記照明制御システムが導入される場合の初期費用を算出するための情報が含まれ、
前記照明制御システムが導入される場合の初期費用を算出するための情報には、前記照明器具の台数と、1台あたりの前記照明器具の費用と、前記制御機器の費用と、前記分電盤に関する費用と、前記照明制御システムの施工費用とが少なくとも含まれ、
前記算出ステップには、
少なくとも前記照明器具の台数と、1台あたりの前記照明器具の費用と、前記制御機器の費用と、前記分電盤に関する費用と、前記照明制御システムの施工費用とに基づいて、前記照明制御システムが導入される場合の初期費用を算出する初期費用算出ステップが含まれる、
照明制御設計支援方法。
【請求項13】
コンピュータに、
照明器具と、前記照明器具を制御する制御機器と、前記照明器具に接続される分電盤とを含む照明制御システムの設計を支援する照明制御設計支援ステップを実行させるためのプログラムであって、
前記照明制御設計支援ステップには、
前記照明制御システムの設計に用いられる情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにおいて取得された情報から算出項目を算出する算出ステップとが含まれ、
前記取得ステップにおいて取得される情報には、前記照明制御システムが導入される場合の初期費用を算出するための情報が含まれ、
前記照明制御システムが導入される場合の初期費用を算出するための情報には、前記照明器具の台数と、1台あたりの前記照明器具の費用と、前記制御機器の費用と、前記分電盤に関する費用と、前記照明制御システムの施工費用とが少なくとも含まれ、
前記算出ステップには、
少なくとも前記照明器具の台数と、1台あたりの前記照明器具の費用と、前記制御機器の費用と、前記分電盤に関する費用と、前記照明制御システムの施工費用とに基づいて、前記照明制御システムが導入される場合の初期費用を算出する初期費用算出ステップが含まれる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明制御設計支援システム、照明制御設計支援方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、建物に設置された設備の取り替えを提案するリニューアル支援システムについて記載されている。特許文献1に記載された技術では、リニューアル支援システムが計測装置から受け取る3次元の空間情報に基づいて、既存の器具が推定される。特許文献1には、取り替え対象の設備が照明器具である例について記載されている。
また、特許文献1には、既存の照明器具に代わる新規の照明器具の候補を選択するときに、新規の照明器具として、既存の照明器具と効率および機能が同等以上である照明器具のうち初期費用が最小である照明器具が選択される例について記載されている。更に、特許文献1には、リニューアル支援システムが作成した情報を用いて部屋の光環境のシミュレーションが行われる例について記載されている。また、特許文献1には、新規の照明器具が用いられる場合の電気料金を求める例について記載されている。
【0003】
ところで、照明器具を含む照明制御システムを導入する場合の初期費用は、照明器具の制御方式に応じて異なる。ところが、特許文献1に記載された技術では、初期費用などを算出する場合に、照明器具の制御方式について考慮されない。そのため、特許文献1に記載された技術では、照明制御システムを導入する場合の初期費用を適切に算出することができず、照明制御システムの設計を適切に支援することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-190098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した点に鑑み、本発明は、照明制御システムの設計者に照明制御システムを導入する場合の初期費用を照明器具の制御方式毎に把握させつつ照明制御システムの設計を支援することができる照明制御設計支援システム、照明制御設計支援方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、照明器具と、前記照明器具を制御する制御機器と、前記照明器具に接続される分電盤とを含む照明制御システムの設計を支援する照明制御設計支援システムであって、前記照明制御システムの設計に用いられる情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得された情報から算出項目を算出する算出部とを備え、前記取得部によって取得される情報には、前記照明制御システムが導入される場合の初期費用を算出するための情報が含まれ、前記照明制御システムが導入される場合の初期費用を算出するための情報には、前記照明器具の台数と、1台あたりの前記照明器具の費用と、前記制御機器の費用と、前記分電盤に関する費用と、前記照明制御システムの施工費用とが少なくとも含まれ、前記算出部は、少なくとも前記照明器具の台数と、1台あたりの前記照明器具の費用と、前記制御機器の費用と、前記分電盤に関する費用と、前記照明制御システムの施工費用とに基づいて、前記照明制御システムが導入される場合の初期費用を算出する初期費用算出部を備える、照明制御設計支援システムである。
【0007】
本発明の一態様は、照明器具と、前記照明器具を制御する制御機器と、前記照明器具に接続される分電盤とを含む照明制御システムの設計を支援する照明制御設計支援方法であって、前記照明制御システムの設計に用いられる情報を取得する取得ステップと、前記取得ステップにおいて取得された情報から算出項目を算出する算出ステップとを備え、前記取得ステップにおいて取得される情報には、前記照明制御システムが導入される場合の初期費用を算出するための情報が含まれ、前記照明制御システムが導入される場合の初期費用を算出するための情報には、前記照明器具の台数と、1台あたりの前記照明器具の費用と、前記制御機器の費用と、前記分電盤に関する費用と、前記照明制御システムの施工費用とが少なくとも含まれ、前記算出ステップには、少なくとも前記照明器具の台数と、1台あたりの前記照明器具の費用と、前記制御機器の費用と、前記分電盤に関する費用と、前記照明制御システムの施工費用とに基づいて、前記照明制御システムが導入される場合の初期費用を算出する初期費用算出ステップが含まれる、照明制御設計支援方法である。
【0008】
本発明の一態様は、コンピュータに、照明器具と、前記照明器具を制御する制御機器と、前記照明器具に接続される分電盤とを含む照明制御システムの設計を支援する照明制御設計支援ステップを実行させるためのプログラムであって、前記照明制御設計支援ステップには、前記照明制御システムの設計に用いられる情報を取得する取得ステップと、前記取得ステップにおいて取得された情報から算出項目を算出する算出ステップとが含まれ、前記取得ステップにおいて取得される情報には、前記照明制御システムが導入される場合の初期費用を算出するための情報が含まれ、前記照明制御システムが導入される場合の初期費用を算出するための情報には、前記照明器具の台数と、1台あたりの前記照明器具の費用と、前記制御機器の費用と、前記分電盤に関する費用と、前記照明制御システムの施工費用とが少なくとも含まれ、前記算出ステップには、少なくとも前記照明器具の台数と、1台あたりの前記照明器具の費用と、前記制御機器の費用と、前記分電盤に関する費用と、前記照明制御システムの施工費用とに基づいて、前記照明制御システムが導入される場合の初期費用を算出する初期費用算出ステップが含まれる、プログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、照明制御システムの設計者に照明制御システムの導入による省エネ金額を照明器具の制御方式毎に把握させつつ照明制御システムの設計を支援することができる照明制御設計支援システム、照明制御設計支援方法およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態の照明制御設計支援システム1などの一例を示す図である。
図2】制御方式選定部12Aによる照明器具LC1の制御方式A6の選定に用いられるマップA5の一例を示す図である。
図3】制御機器LC2による照明器具LC1の制御方式A6と分電盤LC4の設計図D2を作成する時に分電盤LC4の設計図テンプレートD1に追加される機器との関係などを示す関係式D0の一例を説明するための図である。
図4】分電盤LC4の設計図D2を作成する時に用いられる分電盤LC4の設計図テンプレートD1などの一例を示す図である。
図5】施工費用算出部12Gによる施工費用G4の算出に用いられる照明器具LC1の制御方式A6(高機能制御方式A61、PLC制御方式A62、無線制御方式A63および2線式制御方式A64)と人件費G1と施工用部材費G3との関係の一例を示す図である。
図6】施工費用算出部12Gによる施工費用G4の算出に用いられる建物構造係数G2の標準値「1.0」に対する加算値を得るために用いられる関係の一例を示す図である。
図7】制御機器LC2による照明器具LC1の制御方式がPLC制御方式A62である場合の初期費用H1に、PLC制御方式A62が導入される場合の1年当たりの電力使用料金J6とPLC制御方式A62が導入された時点からの経過年数L1との積(=J6×L1)を加算したもの(=H1+J6×L1)と、照明制御システムLCが導入されない場合の1年当たりの電力使用料金I5と照明制御システムLCが導入された時点からの経過年数L1との積(=I5×L1)と、省エネ金額L2(=I5×L1-(H1+J6×L1))との関係の一例を示す図である。
図8】第1実施形態の照明制御設計支援システム1によるシミュレーション結果の一例を示す図である。
図9】システム構成図作成部12Pによって用いられる階層単位基本システム構成図P5および分電盤図P6の一例を示す図である。
図10図9に示す階層単位基本システム構成図P5および分電盤図P6を用いることによって作成された照明制御システムLCが導入される建物の階数P1に対応するシステム構成図P7の一例を示す図である。
図11】第1実施形態の照明制御設計支援システム1において実行される処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1実施形態>
以下、本発明の照明制御設計支援システム、照明制御設計支援方法およびプログラムの第1実施形態について説明する。
【0012】
図1は第1実施形態の照明制御設計支援システム1などの一例を示す図である。詳細には、図1(A)は第1実施形態の照明制御設計支援システム1の一例を示しており、図1(B)は第1実施形態の照明制御設計支援システム1による設計支援の対象の照明制御システムLCの一例を示している。
図1に示す例では、照明制御システムLCが、照明器具LC1と、照明器具LC1を制御する制御機器LC2と、制御機器LC2による照明器具LC1の制御に用いられるセンサLC3と、照明器具LC1に接続されている分電盤LC4とを含む。第1実施形態の照明制御設計支援システム1は、照明制御システムLCの設計者による照明制御システムLCの設計を支援する。照明制御設計支援システム1は、取得部11と、算出部12とを備えている。
図1に示す例では、照明制御設計支援システム1による設計支援の対象の照明制御システムLCが、制御機器LC2による照明器具LC1の制御に用いられるセンサLC3を含むが、他の例(例えばスケジュール制御が適用される例など)では、照明制御設計支援システム1による設計支援の対象の照明制御システムLCがセンサLC3を含まなくてもよい。
【0013】
取得部11は、照明制御システムLCの設計に用いられる情報(後述する「入力項目」、「記憶項目」および算出部12によって算出された「算出項目」の一部)を取得する。取得部11によって取得される情報には、例えば照明制御システムLCが導入される場合の初期費用H1を算出するための情報、照明制御システムLCが導入される場合の1年当たりの電力使用料金J6を算出するための情報、照明制御システムLCが導入されない場合の1年当たりの電力使用料金I5を算出するための情報などが含まれる。
照明制御システムLCが導入される場合の初期費用H1を算出するための情報には、照明器具LC1の台数B6、1台あたりの照明器具LC1の費用F2、制御機器LC2の費用B7と、分電盤LC4に関する費用、照明制御システムLCの施工費用G4などが含まれる。
照明制御システムLCが導入される場合の1年当たりの電力使用料金J6を算出するための情報には、照明器具LC1の1台当たりの消費電力J1、照明器具LC1の使用時間J2、電力使用料金単価J3、照明制御システムLCが導入されない場合に使用される照明器具である制御なし照明器具LEによる電力使用量に対する照明制御システムLCが導入される場合における照明器具LC1による電力使用量の割合を示す削減後率J4などが含まれる。
照明制御システムLCが導入されない場合の1年当たりの電力使用料金I5を算出するための情報には、制御なし照明器具LEの1台当たりの消費電力I1、制御なし照明器具LEの使用時間I2、電力使用料金単価I3などが含まれる。
【0014】
算出部12は、取得部11によって取得された情報(入力項目、記憶項目および算出項目の一部)から算出項目を算出する。算出部12は、制御方式選定部12Aと、機器台数費用算出部12Bと、システムエンジニア費用算出部12Cと、分電盤設計機器費用算出部12Dと、制御システム費用算出部12Eと、照明器具費用差額算出部12Fと、施工費用算出部12Gと、初期費用算出部12Hと、第1電力使用料金算出部12Iと、第2電力使用料金算出部12Jと、第1初期費用回収所要年数算出部12Kと、省エネ金額算出部12Lと、温室効果ガス削減量算出部12Mと、第2初期費用回収所要年数算出部12Nと、システム構成図作成部12Pとを備えている。
制御方式選定部12Aは、制御機器LC2による照明器具LC1の制御方式A6を選定する。後で詳細に説明するように、照明制御設計支援システム1は、照明制御システムLCの設計者による照明制御システムLCの設計を支援するために、制御方式選定部12Aにより選定された制御方式A6で制御機器LC2によって照明器具LC1が制御される場合における照明制御システムLCの初期費用H1、1年当たりの電力使用料金J6などのシミュレーションを行う。
【0015】
図2は制御方式選定部12Aによる照明器具LC1の制御方式A6の選定に用いられるマップA5の一例を示す図である。
図2に示す例では、制御方式選定部12Aが、照明制御システムLCの設計者によって照明制御設計支援システム1に入力された照明制御システムLCとセキュリティシステムとの連携の要否A1と、照明制御システムLCと防災システムとの連携の要否A2と、照明制御システムLCと空調管理システムとの連携の要否A3と、照明制御システムLCと空調デマンド制御システムとの連携の要否A4と、図2に示すマップA5とに基づいて、照明器具LC1の制御方式A6を選定する。セキュリティシステム、防災システム、空調管理システムおよび空調デマンド制御システムは、照明制御システムLCとは異なるシステムである。制御方式選定部12Aによって選定される照明器具LC1の制御方式A6には、高機能制御方式A61、PLC(電力線通信)制御方式A62、無線制御方式A63および2線式制御方式A64が含まれる。
【0016】
制御方式選定部12Aが照明器具LC1の制御方式A6として高機能制御方式A61を選定する場合には、照明制御システムLCが他のシステム(セキュリティシステム、防災システム、空調管理システムおよび空調デマンド制御システムのいずれか)と連携することができる。
制御方式選定部12Aが照明器具LC1の制御方式A6として高機能制御方式A61を選定する場合であって、照明制御設計支援システム1とセキュリティシステムとが連携する場合の一例では、制御機器LC2は、例えば下記のURLが示すwebサイトに記載された技術と同様の技術を用いることによって、例えば、セキュリティシステムと連動して全館の照明器具LC1のON/OFFを制御する。
https://www.fukunishi.com/products/article082/
【0017】
制御方式選定部12Aが照明器具LC1の制御方式A6として高機能制御方式A61を選定する場合であって、照明制御設計支援システム1と防災システムとが連携する場合の一例では、照明制御設計支援システム1が、例えば下記のURLが示すwebサイトに記載された技術と同様の技術を用いることによって、防災システムと連携する。
https://www.wago.co.jp/solution/building-solution/
【0018】
制御方式選定部12Aが照明器具LC1の制御方式A6として高機能制御方式A61を選定する場合であって、照明制御設計支援システム1と空調管理システムとが連携する場合の一例では、例えば下記のURLが示すwebサイトに記載された技術と同様の技術を用いることによって、照明制御システムLCが、照明・空調設備制御連携を行う。
https://www.nikken.co.jp/ja/news/press_release/pj4urv0000002w43-att/20210310.pdf
【0019】
制御方式選定部12Aが照明器具LC1の制御方式A6として高機能制御方式A61を選定する場合であって、照明制御設計支援システム1と空調デマンド制御とが連携する場合の一例では、例えば下記のURLが示すwebサイトに記載された技術と同様の技術を用いることによって、照明・空調が自動制御され、デマンドが抑制される。
https://www.ricoh.co.jp/service/lighting-and-air-conditioning-control-system
【0020】
制御方式選定部12Aが照明器具LC1の制御方式A6として高機能制御方式A61を選定する場合であって、照明制御設計支援システム1と空調デマンド制御とが連携する場合の他の例では、例えば下記のURLが示すwebサイトに記載された技術と同様の技術を用いることによって、照明・空調のデマンド制御が実行される。
https://www.melsc.co.jp/business/eco_solution/wp/pdf/cata_sa1-mico.pdf
【0021】
制御方式選定部12Aが照明器具LC1の制御方式A6としてPLC制御方式A62を選定する場合には、照明制御システムLCが空調デマンド制御システムと連携することができる。
制御方式選定部12Aが照明器具LC1の制御方式A6としてPLC制御方式A62を選定する場合の一例では、制御機器LC2は、例えば下記のURLが示すwebサイトに記載された技術と同様の技術を用いることにより、電力線通信を利用して照明器具LC1を制御する。
https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/2004/21/news080.html
【0022】
制御方式選定部12Aが照明器具LC1の制御方式A6として無線制御方式A63を選定する場合の一例では、制御機器LC2は、例えば下記のURLが示すwebサイトに記載された技術と同様の技術を用いることにより、無線通信を利用して照明器具LC1を制御する。
https://www.mitsubishielectric.co.jp/ldg/ja/lighting/products/control/local/advantage_02.html
【0023】
制御方式選定部12Aが照明器具LC1の制御方式A6として無線制御方式A63を選定する場合の他の例では、制御機器LC2は、例えば下記のURLが示すwebサイトに記載された技術と同様の技術を用いることにより、無線システムを利用して照明器具LC1を制御する。
https://www.ntt-f.co.jp/service/building/fit_lc/
【0024】
制御方式選定部12Aが照明器具LC1の制御方式A6として2線式制御方式A64を選定する場合の一例では、制御機器LC2は、例えば下記のURLが示すwebサイトに記載された技術と同様の技術を用いることにより、2線式多重伝送を利用して照明器具LC1を制御する。
https://www.tlt.co.jp/tlt/products/system/mesl.htm
【0025】
制御方式選定部12Aが照明器具LC1の制御方式A6として2線式制御方式A64を選定する場合の他の例では、制御機器LC2は、例えば下記のURLが示すwebサイトに記載された技術と同様の技術を用いることにより、2線式の多重伝送方式を利用して照明器具LC1を制御する。
https://www2.panasonic.biz/jp/densetsu/bs/lighting_control/full2/transmission/
【0026】
図2に示す例では、照明制御設計支援システム1が、照明制御システムLCの設計者によるセキュリティシステムとの連携の要否A1の入力と、防災システムとの連携の要否A2の入力と、空調管理システムとの連携の要否A3の入力と、空調デマンド制御システムとの連携の要否A4の入力とを受け付ける。つまり、セキュリティシステムとの連携の要否A1と、防災システムとの連携の要否A2と、空調管理システムとの連携の要否A3と、空調デマンド制御システムとの連携の要否A4とは、入力項目であり、取得部11によって取得される。
図2に示すマップA5は、照明制御設計支援システム1の内部または外部に記憶項目として記憶されており、取得部11によって取得される。
制御方式選定部12Aが、制御機器LC2による照明器具LC1の制御方式A6として、高機能制御方式A61、PLC制御方式A62、無線制御方式A63および2線式制御方式A64のうちの複数の制御方式を選定する場合、照明制御設計支援システム1は、複数の制御方式のそれぞれの場合における照明制御システムLCの初期費用H1、1年当たりの電力使用料金J6などのシミュレーションを行う。
【0027】
図1に示す例では、機器台数費用算出部12Bが、照明器具LC1の台数B1、人感制御の要否B2、照度制御の要否B3およびスケジュール制御の要否B4と、所定の関係式B5とに基づいて、照明器具LC1を制御する制御機器LC2の台数B6(算出項目)を算出する。機器台数費用算出部12Bによって算出される制御機器LC2の台数B6には、後述するリモコンリレーの台数などが含まれる。
照明制御設計支援システム1は、照明制御システムLCの設計者による照明器具LC1の台数B1の入力と、人感制御の要否B2の入力と、照度制御の要否B3の入力と、スケジュール制御の要否B4の入力とを受け付ける。つまり、照明器具LC1の台数B1、人感制御の要否B2、照度制御の要否B3およびスケジュール制御の要否B4は、入力項目であり、取得部11によって取得される。
関係式B5は、照明制御設計支援システム1の内部または外部に記憶項目として記憶されており、取得部11によって取得される。
また、機器台数費用算出部12Bは、照明器具LC1の台数B1、人感制御の要否B2、照度制御の要否B3およびスケジュール制御の要否B4と、関係式B5とに基づいて、照明器具LC1を制御する制御機器LC2の費用B7(算出項目)を算出する。
更に、機器台数費用算出部12Bは、照明器具LC1の台数B1、人感制御の要否B2、照度制御の要否B3およびスケジュール制御の要否B4と、関係式B5とに基づいて、照明器具LC1の制御に用いられるセンサLC3の台数B8(算出項目)を算出する。
また、機器台数費用算出部12Bは、照明器具LC1の台数B1、人感制御の要否B2、照度制御の要否B3およびスケジュール制御の要否B4と、関係式B5とに基づいて、照明器具LC1の制御に用いられるセンサLC3の費用B9(算出項目)を算出する。
【0028】
関係式B5の一例では、制御機器LC2による照明器具LC1の制御方式A6がPLC制御方式A62である場合に、機器台数費用算出部12Bが、制御機器LC2の台数B6として「親機の台数(=照明制御システムLCが導入される1つの建物当たり(1物件当たり)1台)」および「制御子機の台数(=照明器具LC1の台数B1を5で除した値)」を算出し、制御機器LC2の費用B7として「親機の費用(例えば照明制御システムLCが導入される1つの建物当たり(1物件当たり)30万円)」および「制御子機の費用(例えば3万円/台×40台=120万円)」を算出する。
【0029】
人感制御の要否B2として、人感制御が不要である旨が照明制御設計支援システム1に入力された場合に、機器台数費用算出部12Bは、センサLC3の台数B8として、人感センサの台数「0台」を算出し、センサLC3の費用B9として、人感センサの費用「0円」を算出する。人感制御の要否B2として、人感制御が必要である旨が入力された場合に、機器台数費用算出部12Bは、センサLC3の台数B8として、照明器具LC1の台数B1を、1台の人感センサによって対応可能な照明器具LC1の台数(例えば20台)で除した値を算出し、センサLC3の費用B9として、人感センサの台数に、1台当たりの人感センサの費用(例えば5万円/台)を乗じた値を算出する。
照度制御の要否B3として、照度制御が不要である旨が照明制御設計支援システム1に入力された場合に、機器台数費用算出部12Bは、センサLC3の台数B8として、照度センサの台数「0台」を算出し、センサLC3の費用B9として、照度センサの費用「0円」を算出する。照度制御の要否B3として、照度制御が必要である旨が入力された場合に、機器台数費用算出部12Bは、センサLC3の台数B8として、照明器具LC1の台数B1を、1台の照度センサによって対応可能な照明器具LC1の台数(例えば20台)で除した値を算出し、センサLC3の費用B9として、照度センサの台数に、1台当たりの照度センサの費用(例えば5万円/台)を乗じた値を算出する。
人感制御および照度制御では、例えば下記のURLが示すwebサイトに記載された技術と同様の技術を用いた制御が行われる。
https://www.jlma.or.jp/information/220315cutback.pdf
【0030】
スケジュール制御の要否B4として、スケジュール制御が不要である旨が照明制御設計支援システム1に入力された場合に、機器台数費用算出部12Bは、センサLC3の台数B8として「0台」を算出し、センサLC3の費用B9として「0円」を算出する。スケジュール制御の要否B4として、スケジュール制御が必要である旨が入力された場合にも、機器台数費用算出部12Bは、センサLC3の台数B8として「0台」を算出し、センサLC3の費用B9として「0円」を算出する。
スケジュール制御では、例えば下記のURLが示すwebサイトに記載された技術と同様の技術を用いた制御が行われる。
https://www.jlma.or.jp/information/220315cutback.pdf
【0031】
関係式B5には、上述した制御機器LC2による照明器具LC1の制御方式A6がPLC制御方式A62である場合の照明器具LC1の台数B1、人感制御の要否B2、照度制御の要否B3およびスケジュール制御の要否B4と、照明器具LC1を制御する制御機器LC2の台数B6との関係と同様の、制御機器LC2による照明器具LC1の制御方式A6が高機能制御方式A61である場合の照明器具LC1の台数B1、人感制御の要否B2、照度制御の要否B3およびスケジュール制御の要否B4と、照明器具LC1を制御する制御機器LC2の台数B6との関係、制御機器LC2による照明器具LC1の制御方式A6が無線制御方式A63である場合の照明器具LC1の台数B1、人感制御の要否B2、照度制御の要否B3およびスケジュール制御の要否B4と、照明器具LC1を制御する制御機器LC2の台数B6との関係、および、制御機器LC2による照明器具LC1の制御方式A6が2線式制御方式A64である場合の照明器具LC1の台数B1、人感制御の要否B2、照度制御の要否B3およびスケジュール制御の要否B4と、照明器具LC1を制御する制御機器LC2の台数B6との関係が含まれる。
【0032】
また、関係式B5には、上述した制御機器LC2による照明器具LC1の制御方式A6がPLC制御方式A62である場合の照明器具LC1の台数B1、人感制御の要否B2、照度制御の要否B3およびスケジュール制御の要否B4と、照明器具LC1を制御する制御機器LC2の費用B7との関係と同様の、制御機器LC2による照明器具LC1の制御方式A6が高機能制御方式A61である場合の照明器具LC1の台数B1、人感制御の要否B2、照度制御の要否B3およびスケジュール制御の要否B4と、照明器具LC1を制御する制御機器LC2の費用B7との関係、制御機器LC2による照明器具LC1の制御方式A6が無線制御方式A63である場合の照明器具LC1の台数B1、人感制御の要否B2、照度制御の要否B3およびスケジュール制御の要否B4と、照明器具LC1を制御する制御機器LC2の費用B7との関係、および、制御機器LC2による照明器具LC1の制御方式A6が2線式制御方式A64である場合の照明器具LC1の台数B1、人感制御の要否B2、照度制御の要否B3およびスケジュール制御の要否B4と、照明器具LC1を制御する制御機器LC2の費用B7との関係が含まれる。
【0033】
更に、関係式B5には、上述した制御機器LC2による照明器具LC1の制御方式A6がPLC制御方式A62である場合の照明器具LC1の台数B1、人感制御の要否B2、照度制御の要否B3およびスケジュール制御の要否B4と、照明器具LC1の制御に用いられるセンサLC3の台数B8との関係と同様の、制御機器LC2による照明器具LC1の制御方式A6が高機能制御方式A61である場合の照明器具LC1の台数B1、人感制御の要否B2、照度制御の要否B3およびスケジュール制御の要否B4と、照明器具LC1の制御に用いられるセンサLC3の台数B8との関係、制御機器LC2による照明器具LC1の制御方式A6が無線制御方式A63である場合の照明器具LC1の台数B1、人感制御の要否B2、照度制御の要否B3およびスケジュール制御の要否B4と、照明器具LC1の制御に用いられるセンサLC3の台数B8との関係、および、制御機器LC2による照明器具LC1の制御方式A6が2線式制御方式A64である場合の照明器具LC1の台数B1、人感制御の要否B2、照度制御の要否B3およびスケジュール制御の要否B4と、照明器具LC1の制御に用いられるセンサLC3の台数B8との関係が含まれる。
【0034】
また、関係式B5には、上述した制御機器LC2による照明器具LC1の制御方式A6がPLC制御方式A62である場合の照明器具LC1の台数B1、人感制御の要否B2、照度制御の要否B3およびスケジュール制御の要否B4と、照明器具LC1の制御に用いられるセンサLC3の費用B9との関係と同様の、制御機器LC2による照明器具LC1の制御方式A6が高機能制御方式A61である場合の照明器具LC1の台数B1、人感制御の要否B2、照度制御の要否B3およびスケジュール制御の要否B4と、照明器具LC1の制御に用いられるセンサLC3の費用B9との関係、制御機器LC2による照明器具LC1の制御方式A6が無線制御方式A63である場合の照明器具LC1の台数B1、人感制御の要否B2、照度制御の要否B3およびスケジュール制御の要否B4と、照明器具LC1の制御に用いられるセンサLC3の費用B9との関係、および、制御機器LC2による照明器具LC1の制御方式A6が2線式制御方式A64である場合の照明器具LC1の台数B1、人感制御の要否B2、照度制御の要否B3およびスケジュール制御の要否B4と、照明器具LC1の制御に用いられるセンサLC3の費用B9との関係が含まれる。
【0035】
図1に示す例では、システムエンジニア費用算出部12Cが、照明器具LC1の台数B1と、照明器具LC1を制御する制御機器LC2の制御方式A6と、所定の関係式C0とに基づいて、システムエンジニア費用C3(算出項目)を算出する。
照明制御設計支援システム1は、照明制御システムLCの設計者による照明器具LC1の台数B1の入力を受け付ける。つまり、照明器具LC1の台数B1は、入力項目であり、取得部11によって取得される。
関係式C0は、照明制御設計支援システム1の内部または外部に記憶項目として記憶されており、取得部11によって取得される。
関係式C0は、例えば下記の(1)式によって表される。下記の(1)式において、C1は、1物件当たりの固定費用であり、C2は1台の照明器具LC1当たりの費用である。
C3=C1+C2×B1 (1)
【0036】
関係式C0の一例では、制御機器LC2による照明器具LC1の制御方式A6がPLC制御方式A62である場合に、1物件当たり(照明制御システムLCが導入される1つの建物当たり)の固定費用C1が例えば50000円であり、1台の照明器具LC1当たりの費用C2が例えば200円である。
関係式C0には、上述した制御機器LC2による照明器具LC1の制御方式A6がPLC制御方式A62である場合の照明器具LC1の台数B1とシステムエンジニア費用C3との関係と同様の、制御機器LC2による照明器具LC1の制御方式A6が高機能制御方式A61である場合の照明器具LC1の台数B1とシステムエンジニア費用C3との関係、制御機器LC2による照明器具LC1の制御方式A6が無線制御方式A63である場合の照明器具LC1の台数B1とシステムエンジニア費用C3との関係、および、制御機器LC2による照明器具LC1の制御方式A6が2線式制御方式A64である場合の照明器具LC1の台数B1とシステムエンジニア費用C3との関係が含まれる。
【0037】
図1に示す例では、分電盤設計機器費用算出部12Dが、制御機器LC2による照明器具LC1の制御方式A6と、予め作成された分電盤LC4の設計図テンプレートD1と、所定の関係式D0とに基づいて、分電盤LC4の設計図D2(分電盤LC4の設計図テンプレートD1に必要な機器を追加したもの)を作成する。
また、分電盤設計機器費用算出部12Dが、制御機器LC2による照明器具LC1の制御方式A6と、関係式D0とに基づいて、分電盤LC4の設計図D2を作成する時に分電盤LC4の設計図テンプレートD1に追加される機器の費用である追加機器費用D3(算出項目)を算出する。
【0038】
図3は制御機器LC2による照明器具LC1の制御方式A6と分電盤LC4の設計図D2を作成する時に分電盤LC4の設計図テンプレートD1に追加される機器との関係などを示す関係式D0の一例を説明するための図である。
図3に示す例では、制御機器LC2による照明器具LC1の制御方式A6が高機能制御方式A61である場合、分電盤設計機器費用算出部12Dは、分電盤LC4の設計図D2を作成する時に、分電盤LC4の設計図テンプレートD1に対して「親機」を追加する。また、分電盤設計機器費用算出部12Dは、分電盤LC4の設計図D2を作成する時に、分電盤LC4の設計図テンプレートD1の「キャビネット縦寸法」を「200mm」増加させる。更に、分電盤設計機器費用算出部12Dは、分電盤LC4の設計図D2を作成する時に分電盤LC4の設計図テンプレートD1に追加される機器の費用である追加機器費用D3(「親機」等の費用)として「5000円」を算出する。
また、制御機器LC2による照明器具LC1の制御方式A6がPLC制御方式A62である場合、分電盤設計機器費用算出部12Dは、分電盤LC4の設計図D2を作成する時に、分電盤LC4の設計図テンプレートD1に対して「親機」を追加する。また、分電盤設計機器費用算出部12Dは、分電盤LC4の設計図D2を作成する時に、分電盤LC4の設計図テンプレートD1の「キャビネット縦寸法」を「200mm」増加させる。更に、分電盤設計機器費用算出部12Dは、分電盤LC4の設計図D2を作成する時に分電盤LC4の設計図テンプレートD1に追加される機器の費用である追加機器費用D3(「親機」等の費用)として「5000円」を算出する。
【0039】
制御機器LC2による照明器具LC1の制御方式A6が無線制御方式A63である場合、分電盤設計機器費用算出部12Dは、分電盤LC4の設計図D2を作成する時に、分電盤LC4の設計図テンプレートD1に対して「リモコンリレー」を追加する。また、分電盤設計機器費用算出部12Dは、分電盤LC4の設計図D2を作成する時に、分電盤LC4の設計図テンプレートD1の「キャビネット縦寸法」を「追加されるリモコンリレー6台につき100mm」増加させる。更に、分電盤設計機器費用算出部12Dは、分電盤LC4の設計図D2を作成する時に分電盤LC4の設計図テンプレートD1に追加される機器の費用である追加機器費用D3(「リモコンリレー」等の費用)として「追加されるリモコンリレー6台につき(キャビネット縦寸法100mmの増加につき)2500円」を算出する。
制御機器LC2による照明器具LC1の制御方式A6が2線式制御方式A64である場合、分電盤設計機器費用算出部12Dは、分電盤LC4の設計図D2を作成する時に、分電盤LC4の設計図テンプレートD1に対して「リモコンリレー」を追加する。また、分電盤設計機器費用算出部12Dは、分電盤LC4の設計図D2を作成する時に、分電盤LC4の設計図テンプレートD1の「キャビネット縦寸法」を「追加されるリモコンリレー6台につき100mm」増加させる。更に、分電盤設計機器費用算出部12Dは、分電盤LC4の設計図D2を作成する時に分電盤LC4の設計図テンプレートD1に追加される機器の費用である追加機器費用D3(「リモコンリレー」等の費用)として「追加されるリモコンリレー6台につき(キャビネット縦寸法100mmの増加につき)2500円」を算出する。
図6に示すように、分電盤設計機器費用算出部12Dによって算出される追加機器費用D3は、制御機器LC2による照明器具LC1の制御方式A6(高機能制御方式A61、PLC制御方式A62、無線制御方式A63および2線式制御方式A64)に応じて異なる値に設定されている。
【0040】
図4は分電盤LC4の設計図D2を作成する時に用いられる分電盤LC4の設計図テンプレートD1などの一例を示す図である。詳細には、図4(A)は分電盤LC4の設計図D2を作成する時に用いられる分電盤LC4の設計図テンプレートD1などの一例を示しており、図4(B)は制御機器LC2による照明器具LC1の制御方式A6が高機能制御方式A61である場合または制御機器LC2による照明器具LC1の制御方式A6がPLC制御方式A62である場合に分電盤設計機器費用算出部12Dによって作成される分電盤LC4の設計図D2を示しており、図4(C)は制御機器LC2による照明器具LC1の制御方式A6が無線制御方式A63でありかつリモコンリレーが20台である場合または制御機器LC2による照明器具LC1の制御方式A6が2線式制御方式A64でありかつリモコンリレーが20台である場合に分電盤設計機器費用算出部12Dによって作成される分電盤LC4の設計図D2を示している。
図4(A)および図4(B)に示す例では、分電盤設計機器費用算出部12Dが、分電盤LC4の設計図テンプレートD1に必要な機器として「親機」を追加することによって、分電盤LC4の設計図D2を作成する。また、分電盤設計機器費用算出部12Dは、分電盤LC4の設計図D2を作成する時に分電盤LC4の設計図テンプレートD1に追加される機器の費用である追加機器費用D3として5000円を算出する。
図4(A)および図4(C)に示す例では、分電盤設計機器費用算出部12Dが、分電盤LC4の設計図テンプレートD1に必要な機器として「20台のリモコンリレー」を追加することによって、分電盤LC4の設計図D2を作成する。また、分電盤設計機器費用算出部12Dは、分電盤LC4の設計図D2を作成する時に分電盤LC4の設計図テンプレートD1に追加される機器の費用である追加機器費用D3として約8000円(=20台×2500円/6台)を算出する。
【0041】
図1に示す例では、制御システム費用算出部12Eが、分電盤設計機器費用算出部12Dによって算出された追加機器費用D3と、機器台数費用算出部12Bによって算出された照明器具LC1を制御する制御機器LC2の費用B7と、機器台数費用算出部12Bによって算出された照明器具LC1の制御に用いられるセンサLC3の費用B9と、システムエンジニア費用算出部12Cによって算出されたシステムエンジニア費用C3とを加算することによって、制御システム費用E1(=追加機器費用D3+照明器具LC1を制御する制御機器LC2の費用B7+照明器具LC1の制御に用いられるセンサLC3の費用B9+システムエンジニア費用C3)(算出項目)を算出する。
詳細には、制御システム費用算出部12Eは、照明器具LC1の制御方式A6(高機能制御方式A61、PLC制御方式A62、無線制御方式A63および2線式制御方式A64)のうちの照明制御システムLCの初期費用H1、1年当たりの電力使用料金J6などのシミュレーションの対象となる制御方式毎に制御システム費用E1を算出する。
【0042】
図1に示す例では、照明器具費用差額算出部12Fが、照明器具LC1の台数B1と、1台あたりの制御なし照明器具LEの費用F1と、1台あたりの照明器具LC1の費用F2と、下記の(2)式とに基づいて、照明器具費用差額F3(照明制御システムLCの導入に伴う照明器具の費用の追加分)(算出項目)を算出する。
F3=B1×(F2-F1) (2)
【0043】
1台あたりの制御なし照明器具LEの費用F1、1台あたりの照明器具LC1の費用F2および上記の(2)式で示す関係は、照明制御設計支援システム1の内部または外部に記憶項目として記憶されており、取得部11によって取得される。
【0044】
詳細には、照明器具費用差額算出部12Fは、照明器具LC1の制御方式A6(高機能制御方式A61、PLC制御方式A62、無線制御方式A63および2線式制御方式A64)のうちの照明制御システムLCの初期費用H1、1年当たりの電力使用料金J6などのシミュレーションの対象となる制御方式毎に照明器具費用差額F3を算出する。
1台あたりの制御なし照明器具LEの費用F1は例えば10000円であり、照明器具LC1の制御方式A6が高機能制御方式A61である場合の1台あたりの照明器具LC1の費用F2は例えば15000円であり、照明器具LC1の制御方式A6がPLC制御方式A62である場合の1台あたりの照明器具LC1の費用F2は例えば13000円であり、照明器具LC1の制御方式A6がPLC無線制御方式A63である場合の1台あたりの照明器具LC1の費用F2は例えば16000円であり、照明器具LC1の制御方式A6が2線式制御方式A64である場合の1台あたりの照明器具LC1の費用F2は例えば13000円である。
つまり、1台当たりの照明器具LC1の費用F2は、制御機器LC2による照明器具LC1の制御方式A6(高機能制御方式A61、PLC制御方式A62、無線制御方式A63および2線式制御方式A64)に応じて異なる値に設定されている。
【0045】
図1に示す例では、施工費用算出部12Gが、照明器具LC1の制御方式A6に応じた人件費G1と、照明器具LC1と分電盤LC4とを含む建物構造(照明制御システムLCが導入される建物構造)に応じた係数である建物構造係数G2と、照明器具LC1の制御方式A6に応じた施工用部材費G3と、照明器具LC1の台数B1と、下記の(3)式とに基づいて、施工費用G4(算出項目)を算出する。
G4=(G1×G2+G3)×B1 (3)
【0046】
図5は施工費用算出部12Gによる施工費用G4の算出に用いられる照明器具LC1の制御方式A6(高機能制御方式A61、PLC制御方式A62、無線制御方式A63および2線式制御方式A64)と人件費G1と施工用部材費G3との関係の一例を示す図である。
図5に示す例では、照明器具LC1の制御方式A6が高機能制御方式A61である場合における人件費G1が2500円に設定され、施工用部材費G3が750円に設定されている。照明器具LC1の制御方式A6がPLC制御方式A62である場合における人件費G1は500円に設定され、施工用部材費G3は0円に設定されている。照明器具LC1の制御方式A6が無線制御方式A63である場合における人件費G1は500円に設定され、施工用部材費G3は0円に設定されている。照明器具LC1の制御方式A6が2線式制御方式A64である場合における人件費G1は2500円に設定され、施工用部材費G3は750円に設定されている。
図5に示すような照明器具LC1の制御方式A6と人件費G1と施工用部材費G3との関係は、照明制御設計支援システム1の内部または外部に記憶項目として記憶されており、取得部11によって取得される。
【0047】
図6は施工費用算出部12Gによる施工費用G4の算出に用いられる建物構造係数G2の標準値「1.0」に対する加算値を得るために用いられる関係の一例を示す図である。
図6に示す例では、照明器具LC1の制御方式A6が高機能制御方式A61である場合であって、照明器具LC1と分電盤LC4とを含む建物構造(照明制御システムLCが導入される建物構造)が平屋である場合に、建物構造係数G2の標準値「1.0」に対する加算が行われない(つまり、値ゼロが加算される)。照明器具LC1の制御方式A6が高機能制御方式A61である場合に、照明器具LC1と分電盤LC4とを含む建物構造が1階層増えるごとに建物構造係数G2の標準値「1.0」に対して値「0.2」が加算される。すなわち、例えば、照明器具LC1の制御方式A6が高機能制御方式A61である場合であって、照明器具LC1と分電盤LC4とを含む建物構造が2階建てである場合に、建物構造係数G2の標準値「1.0」に対して値「0.2」が加算される。照明器具LC1の制御方式A6が高機能制御方式A61である場合であって、照明器具LC1と分電盤LC4とを含む建物構造が3階建てである場合に、建物構造係数G2の標準値「1.0」に対して値「0.4」が加算される。
照明器具LC1の制御方式A6が高機能制御方式A61である場合であって、分電盤LC4から照明器具LC1までの距離が1m以下である場合に、建物構造係数G2の標準値「1.0」に対する加算が行われない(つまり、値ゼロが加算される)。照明器具LC1の制御方式A6が高機能制御方式A61である場合に、分電盤LC4から照明器具LC1までの距離が1mから3m増えるごとに建物構造係数G2の標準値「1.0」に対して値「0.1」が更に加算される。すなわち、例えば、照明器具LC1の制御方式A6が高機能制御方式A61である場合であって、分電盤LC4から照明器具LC1までの距離が1mより大きく4m以下である場合に、建物構造係数G2の標準値「1.0」に対して値「0.1」が更に加算される。照明器具LC1の制御方式A6が高機能制御方式A61である場合であって、分電盤LC4から照明器具LC1までの距離が4mより大きく7m以下である場合に、建物構造係数G2の標準値「1.0」に対して値「0.2」が更に加算される。
照明器具LC1の制御方式A6が高機能制御方式A61である場合であって、照明制御システムLCが導入される建物の天井の高さが3m以下である場合に、建物構造係数G2の標準値「1.0」に対する加算が行われない(つまり、値ゼロが加算される)。照明器具LC1の制御方式A6が高機能制御方式A61である場合に、照明制御システムLCが導入される建物の天井の高さが3mから1m増えるごとに建物構造係数G2の標準値「1.0」に対して値「0.1」が更に加算される。すなわち、例えば、照明器具LC1の制御方式A6が高機能制御方式A61である場合であって、照明制御システムLCが導入される建物の天井の高さが3mより高く4m以下である場合に、建物構造係数G2の標準値「1.0」に対して値「0.1」が更に加算される。照明器具LC1の制御方式A6が高機能制御方式A61である場合であって、照明制御システムLCが導入される建物の天井の高さが4mより高く5m以下である場合に、建物構造係数G2の標準値「1.0」に対して値「0.2」が更に加算される。
【0048】
照明器具LC1の制御方式A6がPLC制御方式A62である場合には、照明器具LC1と分電盤LC4とを含む建物構造(照明制御システムLCが導入される建物構造)に応じた建物構造係数G2の標準値「1.0」に対する加算が行われない(つまり、値ゼロが加算される)。
また、照明器具LC1の制御方式A6がPLC制御方式A62である場合には、分電盤LC4から照明器具LC1までの距離に応じた建物構造係数G2の標準値「1.0」に対する加算が行われない(つまり、値ゼロが加算される)。
照明器具LC1の制御方式A6がPLC制御方式A62である場合であって、照明制御システムLCが導入される建物の天井の高さが3m以下である場合に、建物構造係数G2の標準値「1.0」に対する加算が行われない(つまり、値ゼロが加算される)。照明器具LC1の制御方式A6がPLC制御方式A62である場合に、照明制御システムLCが導入される建物の天井の高さが3mから1m増えるごとに建物構造係数G2の標準値「1.0」に対して値「0.1」が加算される。すなわち、例えば、照明器具LC1の制御方式A6がPLC制御方式A62である場合であって、照明制御システムLCが導入される建物の天井の高さが3mより高く4m以下である場合に、建物構造係数G2の標準値「1.0」に対して値「0.1」が加算される。照明器具LC1の制御方式A6がPLC制御方式A62である場合であって、照明制御システムLCが導入される建物の天井の高さが4mより高く5m以下である場合に、建物構造係数G2の標準値「1.0」に対して値「0.2」が加算される。
【0049】
照明器具LC1の制御方式A6が無線制御方式A63または2線式制御方式A64である場合であって、照明器具LC1と分電盤LC4とを含む建物構造(照明制御システムLCが導入される建物構造)が平屋である場合に、建物構造係数G2の標準値「1.0」に対する加算が行われない(つまり、値ゼロが加算される)。照明器具LC1の制御方式A6が無線制御方式A63または2線式制御方式A64である場合に、照明器具LC1と分電盤LC4とを含む建物構造が1階層増えるごとに建物構造係数G2の標準値「1.0」に対して値「0.2」が加算される。
照明器具LC1の制御方式A6が無線制御方式A63または2線式制御方式A64である場合であって、分電盤LC4から照明器具LC1までの距離が1m以下である場合に、建物構造係数G2の標準値「1.0」に対する加算が行われない(つまり、値ゼロが加算される)。照明器具LC1の制御方式A6が無線制御方式A63または2線式制御方式A64である場合に、分電盤LC4から照明器具LC1までの距離が1mから3m増えるごとに建物構造係数G2の標準値「1.0」に対して値「0.1」が更に加算される。
照明器具LC1の制御方式A6が無線制御方式A63または2線式制御方式A64である場合であって、照明制御システムLCが導入される建物の天井の高さが3m以下である場合に、建物構造係数G2の標準値「1.0」に対する加算が行われない(つまり、値ゼロが加算される)。照明器具LC1の制御方式A6が無線制御方式A63または2線式制御方式A64である場合に、照明制御システムLCが導入される建物の天井の高さが3mから1m増えるごとに建物構造係数G2の標準値「1.0」に対して値「0.1」が更に加算される。
【0050】
例えば、照明器具LC1の制御方式A6がPLC制御方式A62であって、照明器具LC1と分電盤LC4とを含む建物構造が2階建て(つまり、建物構造係数G2の標準値「1.0」に対する加算なし)であって、分電盤LC4から照明器具LC1までの距離が3m(つまり、建物構造係数G2の標準値「1.0」に対する加算なし)であって、照明制御システムLCが導入される建物の天井の高さが5m(つまり、4mより高く5m以下)である場合に、施工費用算出部12Gが、建物構造係数G2(算出項目)として、値「1.2(=基準値「1.0」+加算値「0.2」)」を算出する。
更に、施工費用算出部12Gは、照明器具LC1の台数B1が200台である場合に、施工費用G4として、「120000円(=(500円×1.2+0円)×200台)」を算出する。
図6に示すように、建物構造係数G2の値が制御機器LC2による照明器具LC1の制御方式A6(高機能制御方式A61、PLC制御方式A62、無線制御方式A63および2線式制御方式A64)に応じて異なるため、照明制御システムLCの施工費用G4は、制御機器LC2による照明器具LC1の制御方式A6に応じて異なる値に設定されていると言える。
また、図6に示すように、建物構造係数G2の値は、照明制御システムLCが導入される建物の構造(階数、分電盤LC4から照明器具LC1までの距離、建物の天井の高さ)に応じて異なるため、照明制御システムLCの施工費用G4は、照明制御システムLCが導入される建物の構造に応じて異なる値に設定されていると言える。
【0051】
図1に示す例では、初期費用算出部12Hが、少なくとも照明器具LC1の台数B6と、1台あたりの照明器具LC1の費用F2と、制御機器LC2の費用B7と、分電盤LC4に関する費用と、照明制御システムLCの施工費用G4とに基づいて、照明制御システムLCが導入される場合の初期費用H1を算出する。分電盤LC4に関する費用には、例えば分電盤LC4の設計図D2を作成する時に分電盤LC4の設計図テンプレートD1に追加される機器の費用である追加機器費用D3等が含まれる。
詳細には、図1に示す例では、初期費用算出部12Hが、制御システム費用算出部12Eによって算出された制御システム費用E1(=分電盤LC4の設計図D2を作成する時に分電盤LC4の設計図テンプレートD1に追加される機器の費用である追加機器費用D3+照明器具LC1を制御する制御機器LC2の費用B7+照明器具LC1の制御に用いられるセンサLC3の費用B9+システムエンジニア費用C3)と、照明器具費用差額算出部12Fによって算出された照明器具費用差額F3(=照明器具LC1の台数B1×(1台あたりの照明器具LC1の費用F2-1台あたりの制御なし照明器具LEの費用F1))と、施工費用算出部12Gによって算出された施工費用G4(=(照明器具LC1の制御方式A6に応じた人件費G1×建物構造係数G2+施工用部材費G3)×照明器具LC1の台数B1)とを加算することによって、照明制御システムLCが導入される場合の初期費用H1(=制御システム費用E1+照明器具費用差額F3+施工費用G4)(算出項目)を算出する。
つまり、照明制御システムLCが導入される場合の初期費用H1には、1台当たりの照明器具LC1の費用F2と1台当たりの制御なし照明器具LEの費用F1との差額(=F2-F1)と、照明器具LC1の台数B6との積(=(F2-F1)×B6)である照明器具費用差額F3が含まれる。また、照明制御システムLCが導入される場合の初期費用H1には、照明制御システムLCの施工費用G4が含まれる。
詳細には、初期費用算出部12Hは、照明器具LC1の制御方式A6(高機能制御方式A61、PLC制御方式A62、無線制御方式A63および2線式制御方式A64)のうちの照明制御システムLCの初期費用H1のシミュレーションの対象となる制御方式毎に初期費用H1を算出する。
図1に示す例では、建物構造係数G2(照明制御システムLCが導入される建物の構造を示す情報)が、照明制御システムLCが導入される場合の初期費用H1を算出するために用いられるが、他の例では、建物構造係数G2(照明制御システムLCが導入される建物の構造を示す情報)が、照明制御システムLCが導入される場合の初期費用H1を算出するために用いられなくてもよい。
図1に示す例では、照明制御システムLCが導入される場合の初期費用H1を算出するために、照明器具費用差額算出部12Fによって算出された照明器具費用差額F3(=照明器具LC1の台数B1×(1台あたりの照明器具LC1の費用F2-1台あたりの制御なし照明器具LEの費用F1))が用いられるが、他の例では、照明制御システムLCが導入される場合の初期費用H1を算出するために照明器具費用差額F3が用いられなくてもよい。
【0052】
図1に示す例では、第1電力使用料金算出部12Iが、1台当たりの制御なし照明器具LEの消費電力I1(入力項目)と、制御なし照明器具LEの台数と、電気使用時間(制御なし照明器具LEの使用時間)I2(入力項目)と、電力使用料金単価I3(記憶項目)と、下記の(4)式(記憶項目)とに基づいて、1日当たりの制御なし照明器具LEの電力使用料金I4(算出項目)を算出する。詳細には、第1電力使用料金算出部12Iは、制御なし照明器具LEの台数として、照明器具LC1の台数B1を用いる。また、第1電力使用料金算出部12Iは、電気使用時間(制御なし照明器具LEの使用時間)I2として、後述する電気使用時間(照明器具LC1の使用時間)J2を用いる。更に、第1電力使用料金算出部12Iは、電力使用料金単価I3として、後述する電力使用料金単価J3を用いる。
I4=I1×B1×I2×I3 (4)
【0053】
また、第1電力使用料金算出部12Iは、1日当たりの制御なし照明器具LEの電力使用料金I4と、下記の(5)式(記憶項目)とに基づいて、1年当たりの制御なし照明器具LEの電力使用料金I5(算出項目)を算出する。1年当たりの制御なし照明器具LEの電力使用料金I5は、「照明制御システムLCが導入されない場合の1年当たりの電力使用料金」に相当する。
I5=I4×365 (5)
【0054】
図1に示す例では、第2電力使用料金算出部12Jが、1台当たりの照明器具LC1(つまり、制御方式A6での照明制御が行われる照明器具LC1)の消費電力J1(入力項目)と、照明器具LC1の台数B1と、電気使用時間(照明器具LC1の使用時間)J2(入力項目)と、電力使用料金単価J3(記憶項目)と、制御方式A6を適用しない場合の電力使用量に対する制御方式A6を適用する場合の電力使用量の割合を示す削減後率J4(入力項目)と、下記の(6)式(記憶項目)とに基づいて、1日当たりの照明器具LC1の電力使用料金J5(算出項目)を算出する。詳細には、制御方式A6を適用しない場合の電力使用量に対する制御方式A6を適用する場合の電力使用量の割合を示す削減後率J4として、ゼロより大きく1より小さい値が、照明制御システムLCの設計者によって照明制御設計支援システム1に入力される。つまり、第1実施形態の照明制御設計支援システム1では、制御方式A6が照明器具LC1に適用されるため、制御方式A6を適用する場合の電力使用量(照明器具LC1による電力使用量)は、制御方式A6を適用しない場合の電力使用量(制御なし照明器具LEによる電力使用量)より少ない、という考え方をする。
J5=J1×B1×J2×J3×J4 (6)
【0055】
また、第2電力使用料金算出部12Jは、1日当たりの照明器具LC1の電力使用料金J5と、下記の(7)式(記憶項目)とに基づいて、1年当たりの照明器具LC1の電力使用料金J6(算出項目)を算出する。1年当たりの照明器具LC1の電力使用料金J6は、「照明制御システムLCが導入される場合の1年当たりの電力使用料金」に相当する。
J6=J5×365 (7)
【0056】
図1に示す例では、第1初期費用回収所要年数算出部12Kが、初期費用算出部12Hによって算出された照明制御システムLCが導入される場合(詳細には、照明制御システムLCが空調デマンド制御システムと連携しない場合)の初期費用H1と、第1電力使用料金算出部12Iによって算出された1年当たりの制御なし照明器具LEの電力使用料金(照明制御システムLCが導入されない場合の1年当たりの電力使用料金)I5と、第2電力使用料金算出部12Jによって算出された1年当たりの照明器具LC1の電力使用料金(照明制御システムLCが導入される場合の1年当たりの電力使用料金)J6と、下記の(8)式(記憶項目)とに基づいて、初期費用H1を回収するために必要な所要年数である第1初期費用回収所要年数K1(算出項目)を算出する。
K1=H1/(I5-J6) (8)
【0057】
図1に示す例では、省エネ金額算出部12Lが、初期費用算出部12Hによって算出された照明制御システムLCが導入される場合の初期費用H1と、第1電力使用料金算出部12Iによって算出された1年当たりの制御なし照明器具LEの電力使用料金(照明制御システムLCが導入されない場合の1年当たりの電力使用料金)I5と、第2電力使用料金算出部12Jによって算出された1年当たりの照明器具LC1の電力使用料金(照明制御システムLCが導入される場合の1年当たりの電力使用料金)J6と、照明制御システムLCが導入された時点からの経過年数L1と、下記の(9)式(記憶項目)とに基づいて、照明制御システムLCが導入された時点から経過年数L1が経過した時点における省エネ金額L2(算出項目)を算出する。詳細には、省エネ金額L2は、初期費用H1を回収する以前の年において負の値になり、初期費用H1を回収した以降の年において正の値になる。
L2=I5×L1-(H1+J6×L1) (9)
【0058】
すなわち、省エネ金額算出部12Lは、照明制御システムLCが導入される場合の初期費用H1に、照明制御システムLCが導入される場合の1年当たりの電力使用料金J6と照明制御システムLCが導入された時点からの経過年数L1との積(=J6×L1)を加算したもの(=H1+J6×L1)を、照明制御システムLCが導入されない場合の1年当たりの電力使用料金I5と照明制御システムLCが導入された時点からの経過年数L1との積(=I5×L1)から減算したもの(=I5×L1-(H1+J6×L1))を、照明制御システムLCが導入された時点から経過年数L1が経過した時点における省エネ金額L2として算出する。
詳細には、省エネ金額算出部12Lは、制御機器LC2による照明器具LC1の制御方式毎に(つまり、高機能制御方式A61、PLC制御方式A62、無線制御方式A63および2線式制御方式A64のうちの省エネ金額L2のシミュレーションの対象となる制御方式毎に)、照明制御システムLCが導入された時点から経過年数L1が経過した時点における省エネ金額L2を算出する。
【0059】
図7は制御機器LC2による照明器具LC1の制御方式がPLC制御方式A62である場合の初期費用H1に、PLC制御方式A62が導入される場合の1年当たりの電力使用料金J6とPLC制御方式A62が導入された時点からの経過年数L1との積(=J6×L1)を加算したもの(=H1+J6×L1)と、照明制御システムLCが導入されない場合の1年当たりの電力使用料金I5と照明制御システムLCが導入された時点からの経過年数L1との積(=I5×L1)と、省エネ金額L2(=I5×L1-(H1+J6×L1))との関係の一例を示す図である。
図7に示す例では、制御機器LC2による照明器具LC1の制御方式がPLC制御方式A62であり、初期費用H1が2815000円であり、1年当たりの制御なし照明器具LEの電力使用料金(照明制御システムLCが導入されない場合の1年当たりの電力使用料金)I5が481800円であり、1年当たりの照明器具LC1の電力使用料金(照明制御システムLCが導入される場合の1年当たりの電力使用料金)J6が289080円である。
図7に示すように、省エネ金額L2は、初期費用H1を回収する以前の年(つまり、PLC制御方式A62が導入された時点からの経過年数L1が14以下の場合)において負の値になり、初期費用H1を回収した以降の年(つまり、PLC制御方式A62が導入された時点からの経過年数L1が15以上の場合)において正の値になる。
詳細には、図7に示す例では、第1初期費用回収所要年数K1が約14.6年(=2815000/(481800-289080))になる。
【0060】
図1に示す例では、温室効果ガス削減量算出部12Mが、1台当たりの照明器具LC1の消費電力J1と、削減後率J4を1から減算した値(=1-J4)と、照明器具LC1の台数B1と、電気使用時間(照明器具LC1の使用時間)J2と、例えば下記のURLが示すwebサイトなどから得られる温室効果ガス排出係数M1(入力項目または記憶項目)と、下記の(10)式(記憶項目)とに基づいて、1日当たりの温室効果ガス削減量M2(算出項目)を算出する。
M2=J1×(1-J4)×B1×J2×M1 (10)
https://www.env.go.jp/press/files/jp/115373.pdf
https://ghg-santeikohyo.env.go.jp/files/calc/itiran_2020_rev.pdf
https://ghg-santeikohyo.env.go.jp/files/calc/r04_coefficient_rev.pdf
https://www.tepco.co.jp/ep/notice/news/2021/1628675_8909.html
https://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2016html/1-3-3.html
【0061】
また、温室効果ガス削減量算出部12Mは、1日当たりの温室効果ガス削減量M2と、下記の(11)式(記憶項目)とに基づいて、1年当たりの温室効果ガス削減量M3を算出する。
M3=M2×365 (11)
【0062】
図1に示す例では、第2初期費用回収所要年数算出部12Nが、初期費用算出部12Hによって算出された照明制御システムLCが導入される場合の初期費用H1(詳細には、照明制御システムLCの導入のみに伴う初期費用)と、照明制御システムLCと連携する空調デマンド制御システムが導入される場合の初期費用である空調デマンド制御システム初期費用N1(入力項目)と、第1電力使用料金算出部12Iによって算出された1年当たりの制御なし照明器具LEの電力使用料金(照明制御システムLCが導入されない場合の1年当たりの電力使用料金)I5と、第2電力使用料金算出部12Jによって算出された1年当たりの照明器具LC1の電力使用料金(照明制御システムLCが導入される場合の1年当たりの電力使用料金)J6と、空調デマンド制御システムの導入に伴う1年当たりの電力使用料金の削減額N2と、下記の(12)式(記憶項目)とに基づいて、初期費用H1および空調デマンド制御システム初期費用N1を回収するために必要な所要年数である第2初期費用回収所要年数N3(算出項目)を算出する。
N3=(H1+N1)/(I5-J6+N2) (12)
【0063】
図8は第1実施形態の照明制御設計支援システム1によるシミュレーション結果の一例を示す図である。
図8(A)に示す例では、照明制御設計支援システム1が、照明制御システムLCが導入されない場合(つまり、制御なし照明器具LEが用いられ、制御方式A6での照明制御が行われない場合)における制御システム費用E1として「0円」を算出し、照明器具費用差額F3として「0円」を算出し、施工費用G4として「0円」を算出し、初期費用H1として「0円」を算出し、1年当たりの制御なし照明器具LEの電力使用料金I5として「481800円」を算出する。
また、照明制御設計支援システム1が、照明制御システムLCが導入される場合であって、照明器具LC1の制御方式A6として高機能制御方式A61が選定される場合における制御システム費用E1として「2500000円」を算出し、照明器具費用差額F3として「1000000円」を算出し、施工費用G4として「900000円」を算出し、初期費用H1として「4400000円」を算出し、1年当たりの照明器具LC1の電力使用料金J6として「289080円」を算出し、第1初期費用回収所要年数K1として「22.8年」を算出し、1年当たりの温室効果ガス削減量M3として「3.85t」を算出し、空調デマンド制御システム初期費用N1として「1000000円」を算出し、空調デマンド制御システムの導入に伴う1年当たりの電力使用料金の削減額N2として「300000円」を算出し、第2初期費用回収所要年数N3として「11.0年」を算出する。
【0064】
照明制御設計支援システム1が、照明制御システムLCが導入される場合であって、照明器具LC1の制御方式A6としてPLC制御方式A62が選定される場合における制御システム費用E1として「2095000円」を算出し、照明器具費用差額F3として「600000円」を算出し、施工費用G4として「120000円」を算出し、初期費用H1として「2815000円」を算出し、1年当たりの照明器具LC1の電力使用料金J6として「289080円」を算出し、第1初期費用回収所要年数K1として「14.6年」を算出し、1年当たりの温室効果ガス削減量M3として「3.85t」を算出し、空調デマンド制御システム初期費用N1として「300000円」を算出し、空調デマンド制御システムの導入に伴う1年当たりの電力使用料金の削減額N2として「300000円」を算出し、第2初期費用回収所要年数N3として「6.3年」を算出する。
また、照明制御設計支援システム1が、照明制御システムLCが導入される場合であって、照明器具LC1の制御方式A6として無線制御方式A63が選定される場合における制御システム費用E1として「1700000円」を算出し、照明器具費用差額F3として「1200000円」を算出し、施工費用G4として「150000円」を算出し、初期費用H1として「3050000円」を算出し、1年当たりの照明器具LC1の電力使用料金J6として「289080円」を算出し、第1初期費用回収所要年数K1として「15.8年」を算出し、1年当たりの温室効果ガス削減量M3として「3.85t」を算出する。
更に、照明制御設計支援システム1が、照明制御システムLCが導入される場合であって、照明器具LC1の制御方式A6として2線式制御方式A64が選定される場合における制御システム費用E1として「1500000円」を算出し、照明器具費用差額F3として「600000円」を算出し、施工費用G4として「900000円」を算出し、初期費用H1として「3000000円」を算出し、1年当たりの照明器具LC1の電力使用料金J6として「289080円」を算出し、第1初期費用回収所要年数K1として「15.6年」を算出し、1年当たりの温室効果ガス削減量M3として「3.85t」を算出する。
【0065】
図8(B)に示す例では、照明器具LC1の制御方式A6としてPLC制御方式A62が選定される場合に、省エネ金額L2は、初期費用H1を回収する以前の年(つまり、PLC制御方式A62が導入された時点からの経過年数L1が14以下の場合)において負の値になり、初期費用H1を回収した以降の年(つまり、PLC制御方式A62が導入された時点からの経過年数L1が15以上の場合)において正の値になる。
一方、照明器具LC1の制御方式A6として高機能制御方式A61が選定される場合には、高機能制御方式A61が導入された時点からの経過年数L1が15年になっても、省エネ金額L2は正の値にならない。
【0066】
図1に示す例では、システム構成図作成部12Pが、照明器具LC1の台数B1と、照明制御システムLCが導入される建物の階数P1(入力項目)と、下記の(13)式(記憶項目)とに基づいて、階毎の照明器具LC1の台数P2(算出項目)を算出する。
P2=B1/P1 (13)
【0067】
また、システム構成図作成部12Pは、照明器具LC1を制御する制御機器LC2の台数B6と、照明制御システムLCが導入される建物の階数P1と、下記の(14)式(記憶項目)とに基づいて、階毎の制御機器LC2の台数P3(算出項目)を算出する。
P3=B6/P1 (14)
【0068】
更に、システム構成図作成部12Pは、照明器具LC1の制御に用いられるセンサLC3の台数B8と、照明制御システムLCが導入される建物の階数P1と、下記の(15)式(記憶項目)とに基づいて、階毎のセンサLC3の台数P4(算出項目)を算出する。
P4=B8/P1 (15)
【0069】
また、システム構成図作成部12Pは、階毎の照明器具LC1の台数P2と、階毎の制御機器LC2の台数P3と、階毎のセンサLC3の台数P4と、照明制御設計支援システム1の内部または外部に記憶項目として記憶されている階層単位基本システム構成図P5および分電盤図P6とに基づいて、照明制御システムLCが導入される建物の階数P1に対応するシステム構成図P7を作成する。
【0070】
図9はシステム構成図作成部12Pによって用いられる階層単位基本システム構成図P5および分電盤図P6の一例を示す図である。図10図9に示す階層単位基本システム構成図P5および分電盤図P6を用いることによって作成された照明制御システムLCが導入される建物の階数P1に対応するシステム構成図P7の一例を示す図である。
図9および図10に示す例では、システム構成図作成部12Pは、照明器具LC1の制御方式A6としてPLC制御方式A62が選定された場合におけるシステム構成図P7を作成する。
詳細には、システム構成図作成部12Pが、第1に、照明制御システムLCが導入される建物の階数P1(図9および図10に示す例では、「2」)分だけ、図9に示す階層単位基本システム構成図P5を積み上げる(つまり、2つの階層単位基本システム構成図P5を積み上げる)。第2に、システム構成図作成部12Pが、階層単位基本システム構成図P5中の照明器具LC1の台数「00」をシステム構成図P7中では階毎の照明器具LC1の台数P2に変更し、階層単位基本システム構成図P5中の制御機器LC2(「子機」)の台数「00」をシステム構成図P7中では階毎の制御機器LC2の台数P3に変更し、階層単位基本システム構成図P5中のセンサLC3(「人感センサ」)の台数「00」をシステム構成図P7中では階毎のセンサLC3の台数P4に変更する。第3に、システム構成図作成部12Pは、図9に示す分電盤図P6を、図10に示すシステム構成図P7の1階部分の横に配置する。その結果、照明制御システムLCの設計者がシステム構成図P7を作成する必要なく、図10に示すシステム構成図P7が、システム構成図作成部12Pによって作成される。
【0071】
図11は第1実施形態の照明制御設計支援システム1において実行される処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図11に示す例では、ステップS1において、照明制御設計支援システム1が、照明制御システムLCの設計者による照明器具LC1の台数B1および照明制御システムLCが導入される建物の構造の入力を受け付ける。
ステップS3では、照明制御設計支援システム1が、照明制御システムLCの設計者による他のシステム(セキュリティシステム、防災システム、空調管理システム、空調デマンド制御システム)との連携の要否の入力を受け付ける。
ステップS1およびステップS3では、照明制御設計支援システム1が受け付けた情報が、照明制御システムLCの設計に用いられる情報として、取得部11によって取得される。
【0072】
ステップS4では、制御方式選定部12Aが、制御機器LC2による照明器具LC1の制御方式A6を選定し、機器台数費用算出部12Bが、照明器具LC1を制御する制御機器LC2の台数B6と、照明器具LC1の制御に用いられるセンサLC3の台数B8とを算出する。
ステップS5では、機器台数費用算出部12Bが、照明器具LC1を制御する制御機器LC2の費用B7と、照明器具LC1の制御に用いられるセンサLC3の費用B9とを算出し、システムエンジニア費用算出部12Cが、システムエンジニア費用C3を算出する。
ステップS6では、分電盤設計機器費用算出部12Dが、分電盤LC4の設計図D2(分電盤LC4の設計図テンプレートD1に必要な機器を追加したもの)を作成し、分電盤LC4の設計図D2を作成する時に分電盤LC4の設計図テンプレートD1に追加される機器の費用である追加機器費用D3を算出する。
【0073】
ステップS7では、制御システム費用算出部12Eが、制御システム費用E1(=追加機器費用D3+照明器具LC1を制御する制御機器LC2の費用B7+照明器具LC1の制御に用いられるセンサLC3の費用B9+システムエンジニア費用C3)を算出する。
ステップS8では、照明器具費用差額算出部12Fが、照明器具費用差額F3(照明制御システムLCの導入に伴う照明器具の費用の追加分)を算出する。
ステップS9では、施工費用算出部12Gが、施工費用G4を算出する。
ステップS10では、初期費用算出部12Hが、照明制御システムLCが導入される場合の初期費用H1を算出する。
【0074】
ステップS11では、第1電力使用料金算出部12Iが、1年当たりの制御なし照明器具LEの電力使用料金I5を算出する。
ステップS12では、第2電力使用料金算出部12Jが、1年当たりの照明器具LC1の電力使用料金J6を算出する。
ステップS13では、第1初期費用回収所要年数算出部12Kが、初期費用H1を回収するために必要な所要年数である第1初期費用回収所要年数K1を算出する。
ステップS14では、省エネ金額算出部12Lが、照明制御システムLCが導入された時点から経過年数L1が経過した時点における省エネ金額L2を算出する。ステップS14では、制御機器LC2による照明器具LC1の制御方式A6毎に、照明制御システムLCが導入された時点から経過年数L1が経過した時点における省エネ金額L2が算出される。
ステップS15では、温室効果ガス削減量算出部12Mが、1年当たりの温室効果ガス削減量M3を算出する。
【0075】
照明制御システムLCが空調デマンド制御システムと連携する場合には、ステップS16において、第2初期費用回収所要年数算出部12Nが、初期費用H1および空調デマンド制御システム初期費用N1を回収するために必要な所要年数である第2初期費用回収所要年数N3を算出する。
【0076】
ステップS17では、システム構成図作成部12Pが、照明制御システムLCが導入される建物の階数P1に対応するシステム構成図P7を作成する。
【0077】
第1実施形態の照明制御設計支援システム1によれば、照明制御システムLCの設計者に照明制御システムLCの導入による省エネ金額L2を照明器具LC1の制御方式A6毎に把握させつつ照明制御システムLCの設計を支援することができる。
【0078】
<第2実施形態>
以下、本発明の照明制御設計支援システム、照明制御設計支援方法およびプログラムの第2実施形態について説明する。
第2実施形態の照明制御設計支援システム1は、後述する点を除き、上述した第1実施形態の照明制御設計支援システム1と同様に構成されている。従って、第2実施形態の照明制御設計支援システム1によれば、後述する点を除き、上述した第1実施形態の照明制御設計支援システム1と同様の効果を奏することができる。
【0079】
上述した第1実施形態の照明制御設計支援システム1は、例えば照明制御システムLCの設計者による照明制御システムLCの設計を支援するサービスを提供する事業者が管理するサーバ装置の内部などに配置されている。
一方、第2実施形態の照明制御設計支援システム1は、照明制御設計支援システム1の利用者(つまり、照明制御システムLCの設計者)が利用する例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォンなどの端末装置によって構成されている。
【0080】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。上述した各実施形態および各例に記載の構成を組み合わせてもよい。
【0081】
なお、上述した実施形態における照明制御設計支援システム1が備える各部の機能全体あるいはその一部は、これらの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶部のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【符号の説明】
【0082】
1…照明制御設計支援システム、11…取得部、12…算出部、12A…制御方式選定部、12B…機器台数費用算出部、12C…システムエンジニア費用算出部、12D…分電盤設計機器費用算出部、12E…制御システム費用算出部、12F…照明器具費用差額算出部、12G…施工費用算出部、12H…初期費用算出部、12I…第1電力使用料金算出部、12J…第2電力使用料金算出部、12K…第1初期費用回収所要年数算出部、12L…省エネ金額算出部、12M…温室効果ガス削減量算出部、12N…第2初期費用回収所要年数算出部、12P…システム構成図作成部、LC…照明制御システム、LC1…照明器具、LC2…制御機器、LC3…センサ、LC4…分電盤、LE…制御なし照明器具
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