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特開2023-173624レーダ物標検出装置及びレーダ物標検出プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173624
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】レーダ物標検出装置及びレーダ物標検出プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01S 13/72 20060101AFI20231130BHJP
【FI】
G01S13/72
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022085999
(22)【出願日】2022-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000004330
【氏名又は名称】日本無線株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119677
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100160495
【弁理士】
【氏名又は名称】畑 雅明
(74)【代理人】
【識別番号】100173716
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100115794
【弁理士】
【氏名又は名称】今下 勝博
(72)【発明者】
【氏名】米谷 凜太郎
【テーマコード(参考)】
5J070
【Fターム(参考)】
5J070AC02
5J070AC06
5J070AC11
5J070AE02
5J070AF05
5J070AH04
5J070AH12
5J070AJ03
5J070AK22
5J070BB04
(57)【要約】
【課題】本開示は、スキャン間相関処理を用いて移動物標を追尾するにあたり、(1)移動物標の形状及びサイズに欠けを生じさせないこと、(2)移動物標の追尾処理の負担を小さくすること、(3)移動物標の速度算出の精度を高くすること、及び(4)移動物標の高速移動の追尾を行なうことを目的とする。
【解決手段】クラスタ抽出部31は、クラスタを物標候補として抽出し、物標候補の重心位置を算出する。そして、物標候補判別部35は、重心位置を追尾対象として採用し、物標候補を真の物標又はクラッタとして判別する。ここで、レーダ画像取出部32は、過去の複数の時刻のレーダ画像に対して、物標候補の重心位置の周辺のみのレーダ画像を取り出す。そして、移動速度算出部33は、物標候補の重心位置の周辺のみのレーダ画像に基づいて、物標候補の移動速度を算出する。
【選択図】図2


【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在の時刻のレーダスキャンにおけるn次元の空間のレーダ画像に対して、クラスタを物標候補として抽出し、前記物標候補の重心位置を算出するクラスタ抽出部と、
過去の複数の時刻のレーダスキャンにおけるn次元の空間のレーダ画像に対して、前記物標候補の重心位置の周辺のレーダ画像を取り出すレーダ画像取出部と、
前記過去の複数の時刻のレーダスキャンにおける前記物標候補の重心位置の周辺のレーダ画像に基づいて、前記物標候補の移動速度を算出する移動速度算出部と、
前記現在の時刻の1スキャン前のレーダスキャンにおける前記物標候補の重心位置の観測値と、算出された前記物標候補の移動速度と、に基づいて、前記現在の時刻のレーダスキャンにおける前記物標候補の重心位置の予測値を算出する重心位置予測部と、
前記現在の時刻のレーダスキャンにおける前記物標候補の重心位置の予測値と、前記現在の時刻のレーダスキャンにおける前記物標候補の重心位置の観測値と、の一致程度に基づいて、前記物標候補を真の物標又はクラッタとして判別する物標候補判別部と、
を備えることを特徴とするレーダ物標検出装置。
【請求項2】
前記クラスタ抽出部は、前記クラスタの面積及び最遠点距離が所定閾値未満であるときに、前記クラスタを前記物標候補から除去し、前記クラスタの面積及び最遠点距離が前記所定閾値以上であるときに、前記クラスタを前記物標候補として抽出する
ことを特徴とする、請求項1に記載のレーダ物標検出装置。
【請求項3】
前記クラスタ抽出部は、前記クラスタの最大電力と比べて所定電力だけ小さい電力閾値に基づいて、前記クラスタからサイドローブを除去しレーダエコーを抽出する
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載のレーダ物標検出装置。
【請求項4】
前記移動速度算出部は、前記過去の複数の時刻のレーダスキャンにおける前記物標候補の重心位置の周辺のレーダ画像に対して、時間軸及び空間軸を含む(n+1)次元のフーリエ変換を実行し、n次元の主成分平面及び折返成分平面を構成する点群を抽出する
ことを特徴とする、請求項1に記載のレーダ物標検出装置。
【請求項5】
前記移動速度算出部は、前記n次元の主成分平面及び折返成分平面を構成する点群を抽出されたフーリエ空間に対して、時間周波数軸及び空間周波数軸を含む(n+1)次元の逆フーリエ変換を実行し、前記過去の複数の時刻のレーダスキャンにおける前記物標候補の最大電力位置の複数の組み合わせに基づいて、前記物標候補の移動速度のヒストグラムを算出し、前記物標候補の移動速度の最頻値ブロック内の平均値を算出する
ことを特徴とする、請求項4に記載のレーダ物標検出装置。
【請求項6】
前記移動速度算出部は、前記n次元の主成分平面及び折返成分平面を構成する点群を抽出されたフーリエ空間に対して、前記フーリエ空間の端点で前記n次元の主成分平面及び折返成分平面を連続させ、前記フーリエ空間の端点で連続された前記n次元の主成分平面及び折返成分平面の法線ベクトルに基づいて、前記物標候補の移動速度を算出する
ことを特徴とする、請求項4に記載のレーダ物標検出装置。
【請求項7】
前記移動速度算出部は、前記n次元の主成分平面及び折返成分平面を構成する点群を抽出されたフーリエ空間に対して、(n+1)点の組み合わせをランダムにかつ複数回だけ抽出し、ランダムにかつ複数回だけ抽出された前記(n+1)点の組み合わせが構成するn次元の平面の法線ベクトルに基づいて、前記物標候補の移動速度のヒストグラムを算出し、前記物標候補の移動速度の最頻値ブロック内の平均値を算出する
ことを特徴とする、請求項4に記載のレーダ物標検出装置。
【請求項8】
請求項1に記載のレーダ物標検出装置が備える各処理部が実行する各処理ステップを、順にコンピュータ又はFPGA(Field Programmable Gate Array)に実行させるためのレーダ物標検出プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、スキャン間相関処理を用いて移動物標を追尾する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
スキャン間相関処理を用いて移動物標を追尾する技術が、特許文献1等に開示されている。特許文献1等では、海上レーダ等を用いて船舶等の移動物標を追尾する。
【0003】
従来技術のレーダ物標検出処理の内容を図1に示す。レーダ画像Rは、複数の処理ブロックBに分割され、スキャン間相関処理は、処理ブロックB単位で実行される。
【0004】
図1の吹き出し中の左上欄の処理ブロックBでは、現在の時刻の1スキャン前のレーダスキャンにおいて観測された直前スキャン物標TLの最大電力位置と、現在の時刻のレーダスキャンにおいて観測された現在スキャン物標TPの最大電力位置と、の差分に基づいて、現在スキャン物標TPの移動速度を算出する。図1の吹き出し中の右上欄の処理ブロックBでは、現在の時刻の1スキャン前のレーダスキャンにおいて観測された直前スキャン物標TLと、算出された現在スキャン物標TPの移動速度と、に基づいて、現在の時刻のレーダスキャンにおいて予測される現在物標予測位置TP’を算出する。
【0005】
図1の吹き出し中の左下欄の処理ブロックBでは、現在の時刻のレーダスキャンにおいて予測される現在物標予測位置TP’と、現在の時刻のレーダスキャンにおいて観測された現在スキャン物標TPと、の一致程度に基づいて、現在スキャン物標TPを真の物標又はクラッタとして判別する。つまり、現在物標予測位置TP’と現在スキャン物標TPとが距離閾値を超えず一致するときに、現在スキャン物標TPを真の物標として判別し維持する。一方で、現在物標予測位置TP’と現在スキャン物標TPとが距離閾値を超えて一致しないときに、現在スキャン物標TPをクラッタとして判別し除去する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第5775287号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図1の吹き出し中の右下欄の処理ブロックBでは、現在の時刻のレーダスキャンにおいて予測される現在物標予測位置TP’と、現在の時刻のレーダスキャンにおいて観測された現在スキャン物標TPと、の重ね合わせに基づいて、現在重ね合わせ物標TSを出力する。つまり、現在物標予測位置TP’と現在スキャン物標TPとが距離閾値を超えず一致するときに、現在重ね合わせ物標TSを出力する。一方で、現在物標予測位置TP’と現在スキャン物標TPとが距離閾値を超えて一致しないときに、何らの物標も出力しない。
【0008】
ここで、移動物標の重ね合わせ処理は、ピクセル単位で実行されるため、移動物標の形状及びサイズに欠けを生じさせてしまう。そして、スキャン間相関処理は、全ての処理ブロックB単位で実行されるため、移動物標の追尾処理の負担を大きくしてしまう。さらに、スキャン間相関処理は、現在及び直前の時刻のみの処理ブロックB単位の相関を算出するため、移動物標の速度算出の精度を低くしてしまう。そして、スキャン間相関処理は、小さい処理ブロックB単位で実行されるため、移動物標の高速移動の追尾を行なえない。
【0009】
そこで、前記課題を解決するために、本開示は、スキャン間相関処理を用いて移動物標を追尾するにあたり、(1)移動物標の形状及びサイズに欠けを生じさせないこと、(2)移動物標の追尾処理の負担を小さくすること、(3)移動物標の速度算出の精度を高くすること、及び(4)移動物標の高速移動の追尾を行なうことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、クラスタを物標候補として抽出し、物標候補の重心位置を算出する。そして、重心位置を追尾対象として採用し、物標候補を真の物標又はクラッタとして判別する。ここで、過去の複数の時刻のレーダ画像に対して、物標候補の重心位置の周辺のみのレーダ画像を取り出す。そして、物標候補の重心位置の周辺のみのレーダ画像に基づいて、物標候補の移動速度を算出する。
【0011】
具体的には、本開示は、現在の時刻のレーダスキャンにおけるn次元の空間のレーダ画像に対して、クラスタを物標候補として抽出し、前記物標候補の重心位置を算出するクラスタ抽出部と、過去の複数の時刻のレーダスキャンにおけるn次元の空間のレーダ画像に対して、前記物標候補の重心位置の周辺のレーダ画像を取り出すレーダ画像取出部と、前記過去の複数の時刻のレーダスキャンにおける前記物標候補の重心位置の周辺のレーダ画像に基づいて、前記物標候補の移動速度を算出する移動速度算出部と、前記現在の時刻の1スキャン前のレーダスキャンにおける前記物標候補の重心位置の観測値と、算出された前記物標候補の移動速度と、に基づいて、前記現在の時刻のレーダスキャンにおける前記物標候補の重心位置の予測値を算出する重心位置予測部と、前記現在の時刻のレーダスキャンにおける前記物標候補の重心位置の予測値と、前記現在の時刻のレーダスキャンにおける前記物標候補の重心位置の観測値と、の一致程度に基づいて、前記物標候補を真の物標又はクラッタとして判別する物標候補判別部と、を備えることを特徴とするレーダ物標検出装置である。
【0012】
この構成によれば、(1)移動物標の形状及びサイズに欠けを生じさせないこと、(2)移動物標の追尾処理の負担を小さくすること、(3)移動物標の速度算出の精度を高くすること、及び(4)移動物標の高速移動の追尾を行なうことができる。
【0013】
また、本開示は、前記クラスタ抽出部は、前記クラスタの面積及び最遠点距離が所定閾値未満であるときに、前記クラスタを前記物標候補から除去し、前記クラスタの面積及び最遠点距離が前記所定閾値以上であるときに、前記クラスタを前記物標候補として抽出することを特徴とするレーダ物標検出装置である。
【0014】
この構成によれば、所定閾値と比べてサイズの大きいクラスタを物標候補として抽出するため、所定の形状及び大きさを有する所望物標を追尾することができる。
【0015】
また、本開示は、前記クラスタ抽出部は、前記クラスタの最大電力と比べて所定電力だけ小さい電力閾値に基づいて、前記クラスタからサイドローブを除去しレーダエコーを抽出することを特徴とするレーダ物標検出装置である。
【0016】
この構成によれば、電力閾値と比べて電力の低い電力分布箇所をサイドローブとして除去するため、所定の形状及び大きさを有する所望物標を追尾することができる。
【0017】
また、本開示は、前記移動速度算出部は、前記過去の複数の時刻のレーダスキャンにおける前記物標候補の重心位置の周辺のレーダ画像に対して、時間軸及び空間軸を含む(n+1)次元のフーリエ変換を実行し、n次元の主成分平面及び折返成分平面を構成する点群を抽出することを特徴とするレーダ物標検出装置である。
【0018】
この構成によれば、移動速度算出処理の準備を実行することができ、フーリエ変換処理の負担を小さくすることができる。n次元の主成分平面及び折返成分平面を構成する点群を抽出するために、(1)各第1~n座標値において、強度が最大の各第(n+1)座標値を探索し、(2)第1~n+1座標値の原点を起点に、強度が大きい第1~n+1座標値を探索し、又は(3)強度を降順に配列し、所定の順位以上の強度を抽出する。
【0019】
また、本開示は、前記移動速度算出部は、前記n次元の主成分平面及び折返成分平面を構成する点群を抽出されたフーリエ空間に対して、時間周波数軸及び空間周波数軸を含む(n+1)次元の逆フーリエ変換を実行し、前記過去の複数の時刻のレーダスキャンにおける前記物標候補の最大電力位置の複数の組み合わせに基づいて、前記物標候補の移動速度のヒストグラムを算出し、前記物標候補の移動速度の最頻値ブロック内の平均値を算出することを特徴とするレーダ物標検出装置である。
【0020】
この構成によれば、過去の一時刻の物標候補の最大電力位置がクラッタであっても、物標候補の移動速度のヒストグラムを算出し、物標候補の移動速度の最頻値ブロック内の平均値を算出するため、移動物標の速度算出の精度を高くすることができる。
【0021】
また、本開示は、前記移動速度算出部は、前記n次元の主成分平面及び折返成分平面を構成する点群を抽出されたフーリエ空間に対して、前記フーリエ空間の端点で前記n次元の主成分平面及び折返成分平面を連続させ、前記フーリエ空間の端点で連続された前記n次元の主成分平面及び折返成分平面の法線ベクトルに基づいて、前記物標候補の移動速度を算出することを特徴とするレーダ物標検出装置である。
【0022】
この構成によれば、n次元の主成分平面及び折返成分平面が分断していても、n次元の主成分平面及び折返成分平面を連続させ、n次元の主成分平面及び折返成分平面の法線ベクトルを一意に算出するため、移動物標の速度算出の精度を高くすることができる。
【0023】
また、本開示は、前記移動速度算出部は、前記n次元の主成分平面及び折返成分平面を構成する点群を抽出されたフーリエ空間に対して、(n+1)点の組み合わせをランダムにかつ複数回だけ抽出し、ランダムにかつ複数回だけ抽出された前記(n+1)点の組み合わせが構成するn次元の平面の法線ベクトルに基づいて、前記物標候補の移動速度のヒストグラムを算出し、前記物標候補の移動速度の最頻値ブロック内の平均値を算出することを特徴とするレーダ物標検出装置である。
【0024】
この構成によれば、(n+1)点の一組み合わせが複数の平面に跨っていても、物標候補の移動速度のヒストグラムを算出し、物標候補の移動速度の最頻値ブロック内の平均値を算出するため、移動物標の速度算出の精度を高くすることができる。
【0025】
また、本開示は、以上に記載のレーダ物標検出装置が備える各処理部が実行する各処理ステップを、順にコンピュータ又はFPGA(Field Programmable Gate Array)に実行させるためのレーダ物標検出プログラムである。
【0026】
この構成によれば、上記の効果を有するプログラムを提供することができる。
【0027】
なお、上記各開示の発明は、可能な限り組み合わせることができる。
【発明の効果】
【0028】
このように、本開示は、スキャン間相関処理を用いて移動物標を追尾するにあたり、(1)移動物標の形状及びサイズに欠けを生じさせないこと、(2)移動物標の追尾処理の負担を小さくすること、(3)移動物標の速度算出の精度を高くすること、及び(4)移動物標の高速移動の追尾を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】従来技術のレーダ物標検出処理の内容を示す図である。
図2】本開示のレーダ物標追尾システムの構成を示す図である。
図3】本開示のレーダ物標検出処理の手順を示す図である。
図4】本開示のクラスタ抽出処理の内容を示す図である。
図5】本開示のクラスタ抽出処理の内容を示す図である。
図6】本開示のクラスタ抽出処理の内容を示す図である。
図7】本開示のレーダ画像切出処理の内容を示す図である。
図8】本開示のフーリエ変換処理の内容を示す図である。
図9】本開示のフーリエ変換処理の内容を示す図である。
図10】本開示の第1の移動速度算出処理の内容を示す図である。
図11】本開示の第1の移動速度算出処理の内容を示す図である。
図12】本開示の第2の移動速度算出処理の内容を示す図である。
図13】本開示の第3の移動速度算出処理の内容を示す図である。
図14】本開示の第1~3の移動速度算出誤差の評価を示す図である。
図15】本開示の物標候補判別処理の内容を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
添付の図面を参照して本開示の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本開示の実施の例であり、本開示は以下の実施形態に制限されるものではない。
【0031】
(本開示のレーダ物標追尾システムの構成)
本開示のレーダ物標追尾システムの構成を図2に示す。本開示のレーダ物標検出処理の手順を図3に示す。レーダ物標追尾システムSは、レーダ送受信装置1、レーダ信号処理装置2及びレーダ物標検出装置3を備える。レーダ信号処理装置2は、パルス圧縮部21、コヒーレント積分部22、CFAR処理部23及び座標系変換部24を備える。レーダ物標検出装置3は、クラスタ抽出部31、レーダ画像取出部32、移動速度算出部33、重心位置予測部34及び物標候補判別部35を備え、図3に示したレーダ物標検出プログラムをコンピュータ又はFPGA(Field Programmable Gate Array)にインストールすることにより実現可能である。
【0032】
レーダ送受信装置1は、移動物標Tへとレーダ送信信号を照射し、移動物標Tからレーダ反射信号を受信する。レーダ信号処理装置2は、固体化レーダ信号処理を極座標系で実行する。レーダ物標検出装置3は、スキャン間相関処理を直交座標系で実行する。
【0033】
パルス圧縮部21は、移動物標Tから受信されたレーダ反射信号に対して、パルス圧縮を実行する。コヒーレント積分部22は、パルス圧縮されたレーダ反射信号に対して、コヒーレント積分を実行する。CFAR処理部23は、コヒーレント積分されたレーダ反射信号に対して、CFAR処理を実行する。座標系変換部24は、CFAR処理されたレーダ反射信号に対して、極座標系から直交座標系への座標系変換を実行する。
【0034】
クラスタ抽出部31は、クラスタを物標候補として抽出し、物標候補の重心位置を算出する(ステップS1)。物標候補判別部35は、重心位置を追尾対象として採用し、物標候補を真の物標又はクラッタとして判別する(ステップS5)。レーダ画像取出部32は、過去の複数の時刻のレーダ画像に対して、物標候補の重心位置の周辺のみのレーダ画像を取り出す(ステップS2)。移動速度算出部33は、物標候補の重心位置の周辺のみのレーダ画像に基づいて、物標候補の移動速度を算出する(ステップS3)。各処理部が実行する各処理ステップは、以下で詳細に説明する。
【0035】
よって、(1)移動物標Tの形状及びサイズに欠けを生じさせないこと、(2)移動物標Tの追尾処理の負担を小さくすること、(3)移動物標Tの速度算出の精度を高くすること、及び(4)移動物標Tの高速移動の追尾を行なうことができる。
【0036】
(本開示のクラスタ抽出処理の内容)
本開示のクラスタ抽出処理の内容を図4~6に示す。クラスタ抽出部31は、現在の時刻のレーダスキャンにおける2次元の空間のレーダ画像Rに対して、クラスタを物標候補TC1、TC2、TC3、TC4として抽出する(ステップS1、図4)。
【0037】
クラスタ抽出部31は、クラスタの面積及び最遠点距離が所定閾値未満であるときに、クラスタを物標候補TC2、TC3、TC4から除去し、クラスタの面積及び最遠点距離が所定閾値以上であるときに、クラスタを物標候補TC1として抽出する(ステップS1、図5)。ここで、物標候補の距離をRとし、距離方向の分解能をΔRとし、方位方向の分解能をΔθとする。すると、クラスタの面積に対する所定閾値は、RΔRΔθであり、クラスタの最遠点距離に対する所定閾値は、√{(RΔθ)+(ΔR)}である。
【0038】
よって、所定閾値と比べてサイズの大きいクラスタを物標候補TC1として抽出するため、所定の形状及び大きさを有する所望物標を追尾することができる。
【0039】
クラスタ抽出部31は、クラスタの最大電力と比べて所定電力だけ小さい電力閾値に基づいて、クラスタからサイドローブを除去しレーダエコーを抽出する(ステップS1、図6)。つまり、図5のクラスタの電力の低い外側部分は、サイトローブとして除去される。一方で、図5のクラスタの電力の高い内側部分は、レーダエコーとして抽出される。
【0040】
よって、電力閾値と比べて電力の低い電力分布箇所をサイドローブとして除去するため、所定の形状及び大きさを有する所望物標を追尾することができる。
【0041】
クラスタ抽出部31は、物標候補TC1の重心位置を算出する(ステップS1、図6)。ここで、物標候補TC1の重心位置は、電力の重み付けをされた重心位置である。
【0042】
(本開示のレーダ画像取出処理の内容)
本開示のレーダ画像切出処理の内容を図7に示す。レーダ画像取出部32は、過去の複数の時刻のレーダスキャンにおける2次元の空間のレーダ画像Rに対して、物標候補TCの重心位置CGの周辺のFFTブロックF1~Fnを取り出す(ステップS2、図7)。
【0043】
ここで、FFTブロックF1~Fnは、物標候補TCの重心位置CGを中心に有し(図7のFFTブロックFPを参照)、物標候補TCの最大速度及びレーダスキャンの取出回数nを考慮した長さを一辺に有する。すると、FFTブロックF1~Fnは、物標候補TCの重心位置CGを確実に収めるものの、物標候補TCの全体を収めなくてもよい。
【0044】
そして、FFTブロックF1~Fnが、広域にわたるならば、物標候補TCの高速移動の追尾を行なうことができる。一方で、FFTブロックF1~Fnが、広域ではないならば、ただ1個の物標候補TCの追尾を行なうことができ、他の物標やクラッタ、雑音等が入り込み速度算出精度が劣化することを防げる。そこで、FFTブロックF1~Fnは、物標候補TCの形状、サイズ及び速度に応じて、可変域にわたってもよい。さらに、FFTブロックF1~Fnは、フーリエ変換に備えてゼロパディングされる。
【0045】
(本開示の移動速度算出処理の内容)
本開示のフーリエ変換処理の内容を図8、9に示す。レーダ画像取出部32は、過去の複数の時刻のレーダスキャンにおける2次元の空間のレーダ画像R1~Rnに対して、物標候補TCの重心位置CGの周辺のFFTブロックF1~Fnを取り出す(ステップS2、図8)。移動速度算出部33は、過去の複数の時刻のレーダスキャンにおける物標候補TCの重心位置CGの周辺のFFTブロックF1~Fnに基づいて、物標候補TCの移動速度を算出する(ステップS3、図8、9及び後述の図10~13)。
【0046】
移動速度算出部33は、過去の複数の時刻のレーダスキャンにおける物標候補TCの重心位置CGの周辺のFFTブロックF1~Fnに対して、x軸、y軸及びt軸を含む3次元のフーリエ変換を実行し、フーリエ空間FSに対して、2次元の主成分平面MP及び折返成分平面NP1、NP2を構成する点群を抽出する(ステップS3、図8、9)。
【0047】
よって、移動速度算出処理の準備を実行することができ、フーリエ変換処理の負担を小さくすることができる。2次元の主成分平面MP及び折返成分平面NP1、NP2を構成する点群を抽出するために、(1)各(k、k)において、強度が最大の各ωを探索し、(2)(k、k、ω)の原点を起点に、強度が大きい(k、k、ω)を探索し、又は(3)強度を降順に配列し、所定の順位以上の強度を抽出する。
【0048】
本開示の第1の移動速度算出処理の内容を図10、11に示す。移動速度算出部33は、2次元の主成分平面MP及び折返成分平面NP1、NP2を構成する点群を抽出するために、各(k、k)において、強度が最大の各ωを探索する(ステップS3、図10)。また、移動速度算出部33は、2次元の主成分平面MP及び折返成分平面NP1、NP2を構成する点群以外について、一律に強度を減衰させる(ステップS3、図10)。
【0049】
次に、移動速度算出部33は、2次元の主成分平面MP及び折返成分平面NP1、NP2を構成する点群を抽出されたフーリエ空間FSに対して、k軸、k軸及びω軸を含む3次元の逆フーリエ変換を実行する(ステップS3、図11)。次に、移動速度算出部33は、過去の複数の時刻のレーダスキャンにおける物標候補TCの最大電力位置MAの複数の組み合わせに基づいて、物標候補TCの移動速度のヒストグラムHVを算出し、物標候補TCの移動速度の最頻値ブロック内の平均値を算出する(ステップS3、図11)。
【0050】
ここで、移動速度算出部33は、過去の一時刻の物標候補TCの最大電力位置MAがクラッタである可能性を考慮して、物標候補TCの移動速度のヒストグラムHVを算出している(ステップS3、図11)。そして、移動速度算出部33は、物標候補TCの移動速度の最頻値ピークが隣接ブロックに跨る可能性を考慮して、物標候補TCの移動速度のヒストグラムHVのブロック位置を修正してもよい(ステップS3、図11)。
【0051】
よって、過去の一時刻の物標候補TCの最大電力位置MAがクラッタであっても、物標候補TCの移動速度のヒストグラムHVを算出し、物標候補TCの移動速度の最頻値ブロック内の平均値を算出するため、移動物標の速度算出の精度を高くすることができる。
【0052】
本開示の第2の移動速度算出処理の内容を図12に示す。移動速度算出部33は、2次元の主成分平面MP及び折返成分平面NP1、NP2を構成する点群を抽出するために、(k、k、ω)の原点を起点に、強度が大きい(k、k、ω)を探索するが(ステップS3、図8、9)、図10に示した点群抽出方法を適用してもよい。
【0053】
次に、移動速度算出部33は、2次元の主成分平面MP及び折返成分平面NP1、NP2を構成する点群を抽出されたフーリエ空間FSに対して、フーリエ空間FSの端点で2次元の主成分平面MP及び折返成分平面NP1、NP2を連続させる(ステップS3、図12)。次に、移動速度算出部33は、フーリエ空間FSの端点で連続された2次元の主成分平面MP及び折返成分平面NP1、NP2の法線ベクトルVに基づいて、物標候補TCの移動速度を算出する(ステップS3、図12、ヒストグラムHVは不作成)。
【0054】
ここで、移動速度算出部33は、フーリエ空間FSの端点で連続された2次元の主成分平面MP及び折返成分平面NP1、NP2を、最小二乗法等のフィッティングに基づいて、k+k+ω=0と算出する(ステップS3、図12)。そして、移動速度算出部33は、2次元の主成分平面MP及び折返成分平面NP1、NP2の法線ベクトルVを、(v、v、1)と算出する(ステップS3、図12)。さらに、移動速度算出部33は、物標候補TCの移動速度を、(v、v)と算出する(ステップS3、図12)。
【0055】
よって、2次元の主成分平面MP及び折返成分平面NP1、NP2が分断していても、2次元の主成分平面MP及び折返成分平面NP1、NP2を連続させ、2次元の主成分平面MP及び折返成分平面NP1、NP2の法線ベクトルVを一意に算出するため(ヒストグラムHVは不作成)、移動物標の速度算出の精度を高くすることができる。
【0056】
本開示の第3の移動速度算出処理の内容を図13に示す。移動速度算出部33は、2次元の主成分平面MP及び折返成分平面NP1、NP2を構成する点群を抽出するために、強度を降順に配列し、所定の順位以上の強度を抽出するが(ステップS3、図8、9、強度の閾値自体は可変)、図10に示した点群抽出方法を適用してもよい。
【0057】
次に、移動速度算出部33は、2次元の主成分平面MP及び折返成分平面NP1、NP2を構成する点群を抽出されたフーリエ空間FSに対して、3点の組み合わせ(点D1~D3)、(点D4~D6)をランダムにかつ複数回だけ抽出する(ステップS3、図13)。次に、移動速度算出部33は、ランダムにかつ複数回だけ抽出された3点の組み合わせ(点D1~D3)、(点D4~D6)が構成する2次元の平面P1、P2の法線ベクトルV1、V2に基づいて、物標候補TCの移動速度のヒストグラムHVを算出し、物標候補TCの移動速度の最頻値ブロック内の平均値を算出する(ステップS3、図13)。
【0058】
ここで、移動速度算出部33は、3点の一組み合わせ(点D1~D3)が単一の平面(2次元の主成分平面MP)に載る場合のみならず、3点の一組み合わせ(点D4~D6)が複数の平面(2次元の主成分平面MP及び折返成分平面NP1、NP2)に跨る可能性を考慮して、物標候補TCの移動速度のヒストグラムHVを算出している(ステップS3、図13)。つまり、3点の組み合わせが単一の平面に載る場合は、複数回のランダム抽出のうちの多数回のランダム抽出で実現されるとともに、3点の組み合わせが構成する2次元の平面の法線ベクトルひいては物標候補TCの移動速度は、これらの多数回のランダム抽出で揃っている。一方で、3点の組み合わせが複数の平面に載る場合も、複数回のランダム抽出のうちの多数回のランダム抽出で実現されるものの、3点の組み合わせが構成する2次元の平面の法線ベクトルひいては物標候補TCの移動速度は、これらの多数回のランダム抽出でばらついている。さらに、移動速度算出部33は、物標候補TCの移動速度の最頻値ピークが隣接ブロックに跨る可能性を考慮して、物標候補TCの移動速度のヒストグラムHVのブロック位置を修正してもよい(ステップS3、図13)。
【0059】
よって、3点の一組み合わせ(点D1~D3ではなく点D4~D6)が複数の平面(2次元の主成分平面MP及び折返成分平面NP1、NP2)に跨っていても、物標候補TCの移動速度のヒストグラムHVを算出し、物標候補TCの移動速度の最頻値ブロック内の平均値を算出するため、移動物標の速度算出の精度を高くすることができる。
【0060】
本開示の第1~3の移動速度算出誤差の評価を図14に示す。図14では、演算回数は、4000回であり、移動物標のサイズは、3×15pixelであり、移動物標の移動方向は、0~90deg.で無作為に選択され、移動物標の移動速度は、0~4.1pixel/scanで無作為に選択され、FFTブロックのサイズは、64×64pixelであり、FFTブロックの総数は、8scansであり、クラッタは、存在しない。
【0061】
図14の左欄では、移動速度算出部33は、本開示の第1の移動速度算出処理(強成分抽出)を実行している(ステップS3、図10、11)。移動物標の速度誤差のヒストグラムにおいて、中央値は0.08pixel/scanであり、平均値は0.14pixel/scanである。雑音エコーの強いレーダスキャンの影響が除去されたうえで、物標候補TCの移動速度の最頻値ブロック内の平均値が算出されるため、移動物標の速度誤差が小さい。逆フーリエ変換が必要であるが、折返修正及びランダム抽出は不要である。
【0062】
図14の中欄では、移動速度算出部33は、本開示の第2の移動速度算出処理(折返修正)を実行している(ステップS3、図12)。移動物標の速度誤差のヒストグラムにおいて、中央値は0.17pixel/scanであり、平均値は0.20pixel/scanである。雑音エコーの強いレーダスキャンの影響が除去されることなく、2次元の主成分平面MPの法線ベクトルVが算出されるため、移動物標の速度誤差が若干大きい。折返修正が必要であるが、逆フーリエ変換及びランダム抽出は不要である。
【0063】
図14の右欄では、移動速度算出部33は、本開示の第3の移動速度算出処理(ランダム抽出)を実行している(ステップS3、図13)。移動物標の速度誤差のヒストグラムにおいて、中央値は0.22pixel/scanであり、平均値は0.31pixel/scanである。雑音エコーの強いレーダスキャンの影響が除去されることなく、2次元の主成分平面MPの法線ベクトルV1が算出されるため、移動物標の速度誤差が若干大きい。ランダム抽出が必要であるが、逆フーリエ変換及び折返修正は不要である。
【0064】
(本開示の物標候補判別処理の内容)
本開示の物標候補判別処理の内容を図15に示す。図15では、重心位置予測部34は、現在の時刻の1スキャン前のレーダスキャンにおける物標候補TCの重心位置CGの観測値と、算出された物標候補TCの移動速度と、に基づいて、現在の時刻のレーダスキャンにおける物標候補TCの重心位置の予測位置CG’を算出する(ステップS4)。
【0065】
図15の左欄では、物標候補判別部35は、現在の時刻のレーダスキャンにおける物標候補TCの重心位置の予測位置CG’と、現在の時刻のレーダスキャンにおける物標候補TCの重心位置CGの観測値と、が距離閾値(破線の円形の半径)を超えず一致することに基づいて、物標候補TCを真の物標として判別し維持する(ステップS5)。
【0066】
図15の右欄では、物標候補判別部35は、現在の時刻のレーダスキャンにおける物標候補TCの重心位置の予測位置CG’と、現在の時刻のレーダスキャンにおける物標候補TCの重心位置CGの観測値と、が距離閾値(破線の円形の半径)を超えて一致しないことに基づいて、物標候補TCをクラッタとして判別し除去する(ステップS5)。
【0067】
ここで、物標候補判別部35は、距離閾値(破線の円形の半径)を設定諸元とするにあたり、物標検出率(移動物標を正しく検出する確率)を高くするとともに、誤警報率(クラッタを移動物標に誤検出する確率)を低くするように、トレードオフを調整する。
【0068】
以上に示した実施形態では、図面の簡潔な記載のために、複数の時刻のレーダスキャンにおける、2次元の空間のレーダ画像に対して、移動物標の速度を算出している。例えば、PPI映像を利用する現行の船舶レーダでは、レーダ映像のX、Yの2次元データに対して、複数の時刻のスキャンを加えることにより、3次元データを扱うことになる。
【0069】
以上に対する変形例として、複数の時刻のレーダスキャンにおける、1次元、3次元又は4次元(3次元空間+ドップラ周波数成分)の空間のレーダ画像に対して、移動物標の速度を算出してもよい。例えば、平面的に配列されたアンテナを利用するレーダでは、又は、気象レーダのように高さを見ることができるレーダでは、レーダ映像のX、Y、Zの3次元データに対して、複数の時刻のスキャンを加えることにより、4次元データを扱うことになる。さらに、ターゲットのドップラ周波数を検出することができる固体化レーダ又は気象レーダでは、レーダ映像のX、Y、Z、Vの4次元データに対して、複数の時刻のスキャンを加えることにより、5次元データを扱うことになる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本開示のレーダ物標検出装置及びレーダ物標検出プログラムは、スキャン間相関処理を用いて移動物標を追尾する用途に適用することができ、スキャン間相関処理の一例として、海上レーダ等を用いて船舶等の移動物標を追尾する用途に適用することができる。
【符号の説明】
【0071】
R:レーダ画像
B:処理ブロック
TP:現在スキャン物標
TL:直前スキャン物標
TP’:現在物標予測位置
TS:現在重ね合わせ物標
S:レーダ物標追尾システム
T:移動物標
TC1、TC2、TC3、TC4、TC:物標候補
CG:重心位置
MA:最大電力位置
CG’:予測位置
R1、・・・、Rn:レーダ画像
FP、F1、・・・、Fn:FFTブロック
FS:フーリエ空間
MP:主成分平面
NP1、NP2:折返成分平面
HV:ヒストグラム
V、V1、V2:法線ベクトル
D1、D2、D3、D4、D5、D6:点
P1、P2:平面
1:レーダ送受信装置
2:レーダ信号処理装置
3:レーダ物標検出装置
21:パルス圧縮部
22:コヒーレント積分部
23:CFAR処理部
24:座標系変換部
31:クラスタ抽出部
32:レーダ画像取出部
33:移動速度算出部
34:重心位置予測部
35:物標候補判別部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15