(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173652
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】吐出容器用の外装品、吐出製品
(51)【国際特許分類】
B65D 83/20 20060101AFI20231130BHJP
B65D 83/22 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
B65D83/20
B65D83/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022086065
(22)【出願日】2022-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】391021031
【氏名又は名称】株式会社ダイゾー
(74)【代理人】
【識別番号】100100044
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 重夫
(74)【代理人】
【識別番号】100205888
【弁理士】
【氏名又は名称】北川 孝之助
(72)【発明者】
【氏名】高橋 知之
【テーマコード(参考)】
3E014
【Fターム(参考)】
3E014PA01
3E014PB01
3E014PC02
3E014PD01
3E014PE14
3E014PF09
(57)【要約】
【課題】吐出容器からの意図しない外れを防止しつつ、簡単な操作で吐出容器から取り外すことができる吐出容器用の外装品を提供する。
【解決手段】肩カバー20と、肩カバー20に回動可能に取り付けられた本体カバー40と、吐出容器2に係合する係合突起30aを有し、係合突起30aの吐出容器2との係合/離間を操作可能に肩カバー20に取り付けられた操作部30と、を備え、本体カバー40がストッパー部41aを備えており、本体カバー40を中心軸回りに回動することで、ストッパー部41aが操作部30の操作方向(上方)に位置して操作部30を操作できない状態と、操作部30の操作方向(上方)から移動して操作部30を操作できる状態に切り替えることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
肩カバーと、
肩カバーに回動可能に取り付けられた本体カバーと、
吐出容器に係合する係合突起を有し、係合突起の吐出容器との係合/離間を操作可能に肩カバーに取り付けられた操作部と、を備え、
本体カバーがストッパー部を備えており、本体カバーを中心軸回りに回動することで、ストッパー部が邪魔をして操作部を操作できない状態と、操作部を操作できる状態に切り替えることができる、吐出容器用の外装品。
【請求項2】
操作部が、肩カバーに回動可能に取り付けられており、回転操作により、係合突起を吐出容器から離間させる、請求項1記載の吐出容器用の外装品。
【請求項3】
操作部が、肩カバーにスライド可能に取り付けられており、スライド操作により、係合突起を吐出容器から離間させる、請求項1記載の吐出容器用の外装品。
【請求項4】
吐出容器と、請求項1~3のいずれかに記載の吐出容器用の外装品と、を備えた吐出製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吐出容器用の付け替え式の外装品と、その外装品を取り付けた吐出製品に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の
図6~8には、エアゾール式製品のマウンティングカップに嵌合する下肩カバーと、下肩カバーに着脱可能な上肩カバーとを備えた肩カバー構造が開示されている。この肩カバー構造は、下肩カバーにクランク状案内用孔部が設けられ、上肩カバーに案内用凸部が設けられており、上肩カバーを上下動操作及び回動操作することで案内用凸部をクランク状案内用孔部の終端まで移動させ、下肩カバーから上肩カバーを分離することができる。
【0003】
引用文献2には、噴射部材本体とヒンジ部を介して接続する、ヒンジ部よりも上に押部を有し、ヒンジ部よりも下にエアゾール容器と係合する係合部を有する係合片を備え、押部を押し込むことで係合片を回動させ、エアゾール容器との係合を解除することができる噴射部材や、噴射部材本体の外周に螺着され、螺着している部分の径を縮径させることができる操作リングを備え、操作リングを回転移動させることで、エアゾール容器と噴射部材本体の係合突起との係合を緩めることができる噴射部材が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-6488号公報
【特許文献2】特許第5192715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の肩カバー構造は、クランク状案内用孔部に沿って案内用凸部を移動させる必要があり操作性が悪い。特許文献2の噴射部材は、操作は簡単であるが、不意に係合を緩めてしまう恐れがある。
【0006】
本発明は、吐出容器からの意図しない外れを防止しつつ、簡単な操作で吐出容器から取り外すことができる吐出容器用の外装品の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の吐出容器用の外装品10、10A、10Bは、肩カバー20、20A、20Bと、肩カバー20、20A、20Bに回動可能に取り付けられた本体カバー40、40Aと、吐出容器2に係合する係合突起30aを有し、係合突起30aの吐出容器2との係合/離間を操作可能に肩カバー20、20A、20Bに取り付けられた操作部30、30A、30Bと、を備え、本体カバー40、40Aがストッパー部41aを備えており、本体カバー40、40Aを中心軸回りに回動することで、ストッパー部41aが邪魔をして操作部30、30A、30Bを操作できない状態と、操作部30、30A、30Bを操作できる状態に切り替えることができることを特徴としている。
【0008】
また、操作部30、30Bが、肩カバー20に回動可能に取り付けられており、回転操作により、係合突起30aを吐出容器2から離間させることが好ましい。又は、操作部30Aが、肩カバー20にスライド可能に取り付けられており、スライド操作により、係合突起30aを吐出容器2から離間させることが好ましい。
【0009】
本発明の吐出製品1は、吐出容器2と、上記吐出容器用の外装品10、10A、10Bと、を備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明の吐出容器用の外装品と吐出製品は、本体カバーを中心軸回りに回動させることで操作部の操作が可能になり、回動後に操作部を操作することで吐出容器と係合突起との係合が外れ、外装品を吐出容器から取り外すことができる。すなわち、連続した操作ではなく、独立した2段階の操作で係合を外すため、噴射時や輸送時での意図しない外れを防止することができる。意図しない外れを防止できるため、取り外し操作を複雑化する必要がなく、簡単な操作で取り外せる機構を採用することができる。
【0011】
操作部が、肩カバーに回動可能に取り付けられており、回転操作により、係合突起を吐出容器から離間させる場合、本体カバーを回動させた後、操作部を回転操作するだけでよいため、外装品の取り外しを簡単に行える。また、操作部が、肩カバーにスライド可能に取り付けられており、スライド操作により、係合突起を吐出容器から離間させる場合、本体カバーを回動させた後、操作部をスライド操作するだけでよいため、外装品の取り外しを簡単に行える。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態に係る吐出製品の一部縦断面図である。
【
図2】
図2Aは本発明の一実施形態に係る外装品の平面図、
図2Bは外装品を前方左側から見た斜視図、
図2Cは外装品を後方左側から見た斜視図である。
【
図3】外装品を後方左側から見たときの分解斜視図である。
【
図4】吐出容器からの外装品の取り外しの過程を示す縦断面図である。
【
図6】別の外装品を後方左側から見たときの分解斜視図である。
【
図7】
図7Aは、さらに別の外装品を後方左側から見たときの斜視図、
図7Bは本体カバーを回動させた状態を示す斜視図、
図7Cは操作部を回転操作したときの斜視図、
図7Dは
図7Aの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明の一実施形態に係る吐出製品と外装品について図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、吐出製品1は、吐出容器2と、吐出容器2に付け替え可能に取り付けられた外装品10とを備えている。
【0014】
吐出容器2は、容器本体3と、エアゾールバルブ4とを備えた、所謂エアゾール缶である。
【0015】
容器本体3は、例えばブリキやアルミニウム等の金属製であって、底部3aと、底部3aの外周端から立ち上がる略円筒状の胴部3bと、胴部3bの上端から徐々に縮径しながら上方に延びる肩部3cと、肩部3cの上端に下端が巻き締め固定されたドーム部3dとを備えている。ドーム部3dの上端は開口しており、この開口を縁取るようにしてビード部3eが設けられている。ビード部3eの下には周方向に連続する窪みが形成されている。ビード部3eの外形は平面視円形である。
【0016】
エアゾールバルブ4は、側面にステム孔を有する有底筒状のステム4aと、ステム4aを上下動可能に収容するハウジングと、ステム4aを常時上方に付勢する弾性体(バネ)と、ステム4aが押し下げられる又は傾倒する前はステム孔を塞ぎ、ステム4aが押し下げられた又は傾倒したときには変形してステム孔を開放するステムラバーと、ハウジングを容器本体に固定するマウンティングカップ4bとを備えている。
【0017】
エアゾールバルブ4は、マウンティングカップ4bの外周縁4b1を容器本体3のビード部3eに被せ、カシメることで容器本体3に固定されている。カシメに際しては、複数のクリンプ爪を径外方向に拡げて、マウンティングカップ4bの内周壁を径外方向に押しやるため、内周壁の平面形状は略多角形状となるが、マウンティングカップ4bの外周縁4b1は平面視円形を保っている。なお、マウンティングカップ4bの外周縁4b1と、後述する外装品10の肩カバー20と本体カバー40とは平面視同心(軸心)上に位置している。
【0018】
上記構成の吐出容器2には、原液と、原液を吐出するための噴射剤とからなるエアゾール組成物が充填されている。
【0019】
外装品10は、
図1~
図3に示すように、吐出容器2に取り付けられる肩カバー20と、吐出容器2に外周側から係合する係合突起30aを有し、係合突起30aの吐出容器2との係合/離間を操作可能に肩カバー20の後方に取り付けられた操作部30と、肩カバー20の上部に中心軸回りに回動可能に取り付けられた本体カバー40とを備えている。
【0020】
肩カバー20は、
図3に示すように、ビード部3eやマウンティングカップ4bの外周縁4b1に外嵌する外筒21と、外筒21の上方に一体ないし結合し、本体カバー40を肩カバー20に回動可能に取り付けるための内筒22と、内筒22の内側に位置し、吐出容器2のステム4aに取り付けられるボタン本体23とを備えている。
【0021】
外筒21は、
図1に示すように、その内周面に、ビード部3eやマウンティングカップ4bの外周縁4b1の下面に係合する固定リブ21aを備えている。この固定リブ21aは、外筒21の前方にのみ設けられており、側方や後方には設けられていない。外筒21は、
図3に示すように、円環の後方の一部が欠けた平面視略C字状であって、開放端が後方に向けられている。開放端からは、後方に向かって延びる取付部21bが設けられており、この取付部21bに操作部30が縦方向に回転可能に取り付けられている。なお、吐出容器2の重量に合わせて固定リブ21aの係合力を高める場合は、固定リブ21aを側方に設けてもよい。側方の固定リブ21aは前方の固定リブ21aよりも平面視の周方向長さ(設ける範囲)を短くする、固定リブ21aの横方向の突出量を小さくするなど、係合力を前方の固定リブ21aよりも弱くして外しやすくすることが好ましい。
【0022】
内筒22は、円環の前方の一部が欠けた平面視略C字状である。また、外筒21よりも小径である。内筒22の外周面には周方向に延びる凸部22aが設けられている。この凸部22aは、後述する本体カバー40の凹溝41b(
図1参照)に嵌められて、本体カバー40の周方向の回動を許容しつつ、本体カバー40の肩カバー20からの外れを防止する。なお、本体カバー40はこの内筒22の中心軸回りに回動する。
【0023】
ボタン本体23は、縦筒23aと、縦筒23aの上端から前方に延びる横筒23bと、縦筒23aから後方に延びる延出部23cとを備えている。
図1に示すように、縦筒23aの下端がステム4aの上部に外嵌する。横筒23bの先端には、エアゾール組成物を霧状などの所望の形態で吐出するための噴射ノズル24が取り付けられている。噴射ノズル24は前方に噴射孔24aを備えている。延出部23cは、内筒22に縦方向に回動可能に取り付けられている。このボタン本体23は、後述する本体カバー40のレバー42を押し下げると、レバー42に押し下げられるようにして回動し、ステム4aを押し下げる。ステム4aから吐出されたエアゾール組成物は、縦筒23aと横筒23bの内部に形成された内部通路と、噴射ノズル24を通って噴射孔24aから外部に吐出される。
【0024】
操作部30は、
図3に示すように縦断面略Γ字状であって、下端近傍に位置する係合突起30aの他に、係合突起30aの上方であってコーナー部近傍に位置する回転軸30bと、回転軸30bの後方であって後端近傍に位置する操作フランジ30cとを備えている。操作部30の一部である操作フランジ30cは、平面視、ストッパー部41aよりも外方に突出している。操作部30は、回動可能に肩カバー20に取り付けられている。具体的には、回転軸30bを取付部21bに取り付けることで縦方向に回動可能となっている。
【0025】
この操作部30は、操作フランジ30cを上に持ち上げるように回転操作すると回転軸30bを中心として操作部30全体が回動し、係合突起30aが吐出容器2のビード部3eやマウンティングカップ4bの外周縁4b1から離間する方向に移動する。反対に、操作フランジ30cを下に押し下げるように回転操作すると回転軸を中心として操作部30全体が回動し、係合突起30aが吐出容器2のビード部3eやマウンティングカップ4bの外周縁4b1に近づく方向に移動する。操作フランジ30cを完全に下に押し下げた状態で、係合突起30aは、ビード部3eやマウンティングカップ4bの外周縁4b1の下面に係合する。従って、肩カバー20は、前方の固定リブ21aと後方の係合突起30aの2か所で吐出容器2に係合しているといえる。固定リブ21aと係合突起30aの両方が係合することで、充分な嵌合強度と回転トルク抵抗を得ることができ、吐出容器2に対する外装品10の上方向への移動や、カバー部41の中心軸回りの回動に伴う肩カバー20の共回りを防止することができる。
【0026】
本体カバー40は、主にボタン本体23を覆うカバー部41と、カバー部41に回動可能に取り付けられたレバー42とを備えている。
【0027】
カバー部41は略円筒状であるが、後方の一部が径外方向(後方)に突出している。この突出した部分が、操作部30の回動を規制するストッパー部41aである。ストッパー部41aは、平面視で操作部30の回転軸30bよりも外方に突出しており、操作フランジ30cを上に持ち上げようとする際に干渉して操作部30の回転操作を阻止する。カバー部41の、ストッパー部41aが設けられていない部分は、平面視で回転軸30bよりも内側にあり、操作部30の回動に干渉しない。カバー部41の前方には、
図1に示すように、噴射孔24aから吐出されたエアゾール組成物を通すための噴射開口41dが設けられている。カバー部41の内周面には、内筒22の凸部22aを嵌めるための凹溝41bが設けられている。凹溝41bは周方向に延びており、内筒22に取り付けられた本体カバー40の横方向(内筒の中心軸周り)の回転を許容する。
【0028】
レバー42は、その前端部が、カバー部41の前方上面に縦方向に回動可能にヒンジ42aを介して取り付けられている。レバー42の後端部は後方に延びている。カバー部41には、上面から後方側面にわたってレバー開口41cが形成されており、レバー42はこのレバー開口41cから外部に露出し、外部からレバー42を押し下げる(吐出操作する)ことができるようになっている。なお、吐出操作するときは、レバー42の後端部を押し下げるとヒンジ42aが軸となりボタン本体23を押し下げる。また、ボタン本体23も延出部23cを介して内筒22に取り付けられているため、2つのテコによりレバー42の操作荷重が小さくなり、吐出操作しやすい。
【0029】
次に、外装品10を吐出容器2から取り外す手順について説明する。
図4及び
図5のS1は、吐出容器2に外装品10を固定している状態を示す。この固定状態では、操作部30の操作方向である上方にストッパー部41aが位置している。そのため、ストッパー部41aが邪魔をして操作部30を回転操作(係合突起30aの係脱操作を)することができない。要は操作不可状態になっている。操作部30を回転操作するには、肩カバー20に対して本体カバー40を周方向(例えば平面視反時計回り)に相対的に回動させ、操作部30の上方からストッパー部41aを移動させる。この際、レバー42もカバー部41と一緒に回動する。
図5のS2に示すように、約70度回すことで、操作部30の上方からストッパー部41aが完全に移動する。これによりストッパー部41aによる回動規制が解消し(解消状態に切り替えられ)、操作可能状態になるため、
図4のS3に示すように、操作フランジ30cを上に持ち上げるように回転操作して係合突起30aを後方に退避させ(退避状態とし)、吐出容器2との係合を解除する。係合突起30aの係合が解除された状態で、操作フランジ30cをさらに持ち上げると、S4に示すように、固定リブ21aの係合も解除され、吐出容器2から外装品10を取り外すことができる。
【0030】
このように本発明の外装品10は、本体カバー40と操作部30の2つの部材をそれぞれ決められた順番で操作しない限り、吐出容器2から取り外すことができないため、意図しない外れを防止することができる。一方で各部材の操作自体は、本体カバー40の中心軸回り(周方向)の回動と操作部30の縦方向の回動といった単純なものであり、取り外そうという意思がある場合は簡単に取り外すことができる。そのため、消費者でも簡単に外装品10を着脱することが可能で、吐出容器2と外装品10の分別処理や、外装品10のリユースの促進を図ることができる。
【0031】
なお、外装品10を吐出容器2に取り付ける場合は、操作フランジ30cを上に持ち上げ、係合突起30aを後方に退避させた退避状態で、固定リブ21aをマウンティングカップ4bの外周縁4b1に係合させつつ、外筒21をマウンティングカップ4bの外周縁4b1に外嵌させる。この際、縦筒23aもステム4aに外嵌させておく。次に、操作フランジ30cを下に押し下げて係合突起30aを前方に移動させ、マウンティングカップ4bの外周縁4b1に係合させる(係合突起30aの係合操作)。そして、操作部30の上方にストッパー部41aが来るように本体カバー40を周方向(例えば平面視時計回り)に回動させることで固定状態に切り替え、取り付けを完了する。本体カバー40を回動させると、噴射開口41dが前方に移動し、噴射孔24aと噴射開口41dの位置が揃う。また、レバー42がボタン本体23の上方に位置するようになり、レバー42を押し込めば、エアゾール組成物を吐出できるようになる。
【0032】
また、別の取り付け方法として、ストッパー部41aが操作部30の操作方向に位置する固定状態にした上で、外筒21をマウンティングカップ4bの外周縁4b1に外嵌させ、下方に押し込むことで取り付けてもよい。押し込みによって、固定リブ21aと係合突起30aが弾性変形してビード部3eやマウンティングカップ4bの外周縁4b1を乗り越え、その後、固定リブ21aと係合突起30aが元の形状に戻り、ビード部3eやマウンティングカップ4bの外周縁4b1とそれぞれ係合する。
【0033】
図6は、別の外装品10Aを示している。この外装品10Aでは、操作部30Aが後方にスライド可能に肩カバー20Aに取り付けられている。例えば取付部21bに横方向に延びる横溝21b1を設け、この横溝21b1に操作部30Aの回転軸30bを嵌め込めば、後方へのスライドが可能になる。操作部30Aを後方(吐出容器2から離間する方向)にスライド操作(係合突起30aの係脱操作を)することで、係合突起30aが吐出容器2から離間し、係合が解除される。反対に、操作部30Aを前方(吐出容器2に近づく方向)にスライド操作(係合突起30aの係合操作を)すると、係合突起30aが吐出容器2に近づき、係合する。
【0034】
ストッパー部41aは、操作部30Aの後方へのスライド操作を邪魔するため、操作部30Aと係合している。具体的には、操作部30Aの上面に突起部30c1が設けられ、ストッパー部41aの下面に周方向に延びる、左端が開放された溝41a1が設けられており、溝41a1に突起部30c1が嵌められることにより、操作部30Aの後方へのスライド操作が規制されている。要は、操作部30Aの操作方向(後方)に、溝41a1の一部を画定する壁部41a2が位置しており、壁部41a2を突起部30c1に当接させることで操作部30Aをスライド操作できないように邪魔をしている。操作部30Aをスライド操作するには、本体カバー40Aを周方向に回動させて、ストッパー部41aの溝41a1と操作部30Aの突起部30c1との係合を解除する。なお、ストッパー部41aの外周部と操作フランジ30cの外周部の位置を同じにする、またはストッパー部41aの外周部を操作フランジ30cの外周部よりも外方に突出させることで、ストッパー部41aで操作フランジ30cの上面全体を覆い、操作フランジ30cを摘まめないように邪魔をしてもよい。
【0035】
他の構成については
図1の外装品10と同一であるため、同符号を付し説明は省略する。
【0036】
図7は、さらに別の外装品10Bを示している。この外装品10Bでは、肩カバー20Bと操作部30Bとが一体に成形されている。具体的にはヒンジ30dを介して縦方向に回動可能に連結している。
図7Aや
図7Dに示すように、操作部30BはL字を反転させたような縦断面形状であって、上下方向の略中央にヒンジ30dが位置している。このヒンジ30dはねじれ変形に対してねじれる前の元の形状に戻ろうとする復元性(バネ性)を備えている。例えば合成樹脂製である。肩カバー20Bと操作部30Bの全体を合成樹脂製としてもよい。ヒンジ30dは取付部21dに連結されている。係合突起30aは、ヒンジ30dの下方であって下端近傍から吐出容器2に向かって突出している。また、ヒンジ30dの上部が押部30eになっている。操作フランジは無いが設けてもよい。
【0037】
押部30eを本体カバー40に向かって押し込み操作すると、
図7Cに示すように操作部30Bはヒンジ30dを中心として縦方向に回動し、係合突起30aが吐出容器2から離間し、係合が解除される。押部30eから手を放し、押し込み操作を止めると、押し込みによってねじれていたヒンジ30dが元の形状に戻って、操作部30B全体が押し込まれる前の元の位置に戻る(
図7B参照)。この際、係合突起30aは吐出容器2に近づき、係合する。そのため、外装品10Bを吐出容器2から取り外すには、押部30eを押し込み続けなければならない。
【0038】
ストッパー部41aは、押部30eの前方(押し込み方向)に位置し、押部30eの押し込み操作を邪魔する(操作不可状態)。押部30eを操作するには、本体カバー40を周方向に回動させて、ストッパー部41aを押部30eの前方(操作方向)から移動させる(操作可能状態:
図7B参照)。カバー部41の、ストッパー部41aが設けられていない部分は、ストッパー部41aに比べて小径であり、ストッパー部41aから見れば凹んでいるため、押部30eを押し込み操作できるようになる。
【0039】
他の構成については
図1の外装品10と同一であるため、同符号を付し説明は省略する。
【0040】
以上に、この発明の実施形態について説明したが、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することが可能である。例えば、
図1の外装品10や
図7の外装品10Bでは、操作部30、30Bが縦方向に回動していたが、横方向に回動するようにしてもよい。例えば、操作部30、30Bの左右どちらかの一端を回動可能に肩カバー20に取り付ければ、横方向の回動が可能になる。この場合、例えば
図6の外装品10Aの操作規制機構(突起部30c1と溝41a1)を採用すれば、
図1の外装品10や
図6の外装品10A、
図7の外装品10Bと同じように、2アクションで取り外しができる外装品になる。
【0041】
また、
図6の外装品10Aでは、操作部30Aを横方向にスライド操作していたが、下方向にスライド操作できるようにしてもよい。この場合でも、係合突起30aと吐出容器2との係合を解除することができる。操作規制機構としては、例えばストッパー部41aの後端を操作部30A下面にまで延設し、ストッパー部41aで係合突起30aを抱持することが考えられる。
【0042】
内筒22の突部22aと本体カバー40の凹溝41bとの凹凸嵌合や、取付部21bの横溝21b1と操作部30Aの回転軸30bとの凹凸嵌合、操作フランジ30cの突起部30c1とストッパー部41aの溝41a1との凹凸嵌合については、凹と凸の関係を入れ替えてもよい。また、ドーム部3dを有する吐出容器2を用いていたが、ドーム部3dではなく、肩部3cの上端にビード部3eを設けた吐出容器2を用い、そのビード部3eに外装品10、10Aを取り付けるようにしてもよい。本体カバー40、40Aの回動方向は時計回りでも反時計回りでも構わない。
【符号の説明】
【0043】
1 吐出製品
2 吐出容器
3 容器本体
3a 底部
3b 胴部
3c 肩部
3d ドーム部
3e ビード部
4 エアゾールバルブ
4a ステム
4b マウンティングカップ
4b1 外周縁
10、10A、10B 外装品
20、20A、20B 肩カバー
21 外筒
21a 固定リブ
21b 取付部
21b1 横溝
22 内筒
22a 凸部
23 ボタン本体
23a 縦筒
23b 横筒
23c 延出部
24 噴射ノズル
24a 噴射孔
30、30A、30B 操作部
30a 係合突起
30b 回転軸
30c 操作フランジ
30c1 突起部
30d ヒンジ
30e 押部
40、40A 本体カバー
41 カバー部
41a ストッパー部
41a1 溝
41a2 壁部
41b 凹溝
41c レバー開口
41d 噴射開口
42 レバー
42a ヒンジ