(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173660
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】液冷式回転圧縮機及びその冷却液供給方法
(51)【国際特許分類】
F04C 18/16 20060101AFI20231130BHJP
F04B 49/22 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
F04C18/16 Q
F04C18/16 F
F04B49/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022086079
(22)【出願日】2022-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】久野 奈柄
(72)【発明者】
【氏名】飯島 遼太
(72)【発明者】
【氏名】千葉 紘太郎
(72)【発明者】
【氏名】土屋 豪
【テーマコード(参考)】
3H145
【Fターム(参考)】
3H145AA05
3H145BA19
3H145CA06
3H145CA09
3H145DA12
3H145EA14
3H145EA17
(57)【要約】
【課題】圧縮室内に注入される冷却液の量を減じても、冷却液の噴射速度の低下を抑制する。
【解決手段】液冷式回転圧縮機は、固定壁と回転壁により形成されて気体を圧縮する圧縮室を有する圧縮機本体と、圧縮室に冷却液を注入する液注入路を備え、回転壁の回転速度を変化させて吐出流量を調整する。また、前記液注入路から圧縮機本体に供給される冷却液の量を、回転壁の回転速度の変化に応じて調整する液量調整部と、液注入路における液量調整部の下流側に圧縮気体を供給する圧縮気体供給路を備え、圧縮機本体に供給される冷却液の量に応じて、液注入路に圧縮気体供給路から圧縮気体を供給する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定壁と回転壁により圧縮室を形成する圧縮機本体と、前記圧縮室に冷却液を注入する液注入路を備え、前記圧縮機本体の負荷率を変化させて吐出流量を調整する液冷式回転圧縮機であって、
前記液注入路から前記圧縮機本体に供給される前記冷却液の量を、前記圧縮機本体の負荷率の変化に応じて調整する液量調整部と、
前記液注入路における前記液量調整部の下流側に圧縮気体を供給する圧縮気体供給路を備え、
前記圧縮機本体に供給される前記冷却液の量に応じて、前記液注入路に前記圧縮気体供給路から圧縮気体を供給することを特徴とする液冷式回転圧縮機。
【請求項2】
請求項1に記載の液冷式回転圧縮機であって、
前記圧縮気体供給路から前記液注入路に供給する圧縮気体の量は、前記圧縮機本体に供給される冷却液の量が少なくなるほど多くすることを特徴とする液冷式回転圧縮機。
【請求項3】
請求項2に記載の液冷式回転圧縮機であって、
前記圧縮機本体に供給される冷却液の体積流量の変化量に応じて、変化する冷却液の体積流量と略同じ体積流量の圧縮気体を前記液注入路に供給し、冷却液と圧縮気体を合わせた気液混合流体の体積流量をほぼ一定にして前記圧縮機本体に供給することを特徴とする液冷式回転圧縮機。
【請求項4】
請求項1に記載の液冷式回転圧縮機であって、
前記固定壁は回転圧縮機のケーシング、前記回転壁は回転圧縮機のロータであり、
前記ケーシングには、気体を吸い込む吸入口と、圧縮された気体を吐出する吐出口と、前記圧縮室に液体を注入する噴射口が設けられ、
前記噴射口には前記液注入路が接続され、
前記液注入路には、前記液量調整部としての第1の流量調整弁と、この流量調整弁の下流側に設けられた気液混合部が備えられ、
前記気液混合部には、前記圧縮気体供給路が接続され、
前記圧縮気体供給路には第2の流量調整弁が設けられていることを特徴とする液冷式回転圧縮機。
【請求項5】
請求項4に記載の液冷式回転圧縮機であって、
前記吐出口から吐出された圧縮気体と冷却液との混合流体から気体と液体を分離する気液分離器と、前記気液分離器で分離された液体を冷却する液冷却器を備え、
前記液注入路は、前記液冷却器で冷却された冷却液を前記噴射口に供給する冷却液循環経路を構成し、
前記気液分離器で分離された圧縮気体の一部を、前記圧縮気体供給路を介して前記気液混合部に供給することを特徴とする液冷式回転圧縮機。
【請求項6】
請求項5に記載の液冷式回転圧縮機であって、
前記液注入路に設けられている第1の流量調整弁と、前記圧縮気体供給路に設けられている第2の流量調整弁を制御する制御装置を備え、
前記制御装置は、前記ロータの回転速度の変化に応じて前記圧縮機本体に供給される液体の量を調整するように前記液注入路の第1の流量調整弁を制御し、前記圧縮機に供給される液体の量に応じて、前記圧縮気体供給路の第2の流量調整弁を制御することを特徴とする液冷式回転圧縮機。
【請求項7】
請求項6に記載の液冷式回転圧縮機であって、
前記液注入路における前記気液混合部の下流側に体積流量を検出する流量検出器を設け、
前記制御装置は、前記流量検出器で検出された体積流量に基づいて、前記液注入路に設けられている前記第1の流量調整弁と前記圧縮気体供給路に設けられている前記第2の流量調整弁を制御することを特徴とする液冷式回転圧縮機。
【請求項8】
請求項4に記載の液冷式回転圧縮機であって、
前記気液混合部は、液注入路からの液体と圧縮気体供給路からの気体を混合して気泡流を生成することを特徴とする液冷式回転圧縮機。
【請求項9】
請求項8に記載の液冷式回転圧縮機であって、
前記気液混合部は、チーズ、二流体ノズル、液噴射エジェクタの何れか、或いは多孔板を用いて構成していることを特徴とする液冷式回転圧縮機。
【請求項10】
請求項5に記載の液冷式回転圧縮機において、
液冷式回転圧縮機は油冷式のスクリュー圧縮機であり、前記ロータはスクリューロータ、前記圧縮室で圧縮される気体は空気、前記圧縮室に注入される前記液体は潤滑油であることを特徴とする液冷式回転圧縮機。
【請求項11】
請求項5に記載の液冷式回転圧縮機であって、
前記液注入路における前記気液混合部と前記第1の流量調整弁との間には、前記気液混合部から前記第1の流量調整弁側への逆流を防止する第1の逆止弁が設けられ、
前記圧縮気体供給路における前記気液混合部と前記第2の流量調整弁との間には、前記気液混合部から前記第2の流量調整弁側への逆流を防止する第2の逆止弁が設けられていることを特徴とする液冷式回転圧縮機。
【請求項12】
圧縮機の圧縮室に液注入路からの冷却液を噴射する液冷式回転圧縮機の冷却液供給方法であって、
前記圧縮機の負荷率に応じて前記圧縮機に供給する前記冷却液の量を制御し、
前記圧縮機に供給される前記冷却液の量に応じて前記液注入路に圧縮気体を供給し、
前記冷却液と前記圧縮気体を合わせた気液混合流体の体積流量を、前記圧縮機の負荷率に拘わらず概略一定に制御して前記圧縮機に供給することを特徴とする液冷式回転圧縮機の冷却液供給方法。
【請求項13】
請求項12に記載の液冷式回転圧縮機の冷却液供給方法であって、
前記液注入路に供給される圧縮気体は前記圧縮機から吐出された圧縮気体の一部であることを特徴とする液冷式回転圧縮機の冷却液供給方法。
【請求項14】
請求項13に記載の液冷式回転圧縮機の冷却液供給方法であって、
前記圧縮機に供給される冷却液の体積流量の変化量に応じて、変化する冷却液の体積流量と略同じ体積流量の圧縮気体を前記液注入路に供給し、冷却液と圧縮気体を合わせた気液混合流体の体積流量をほぼ一定にして前記圧縮機に供給することを特徴とする液冷式回転圧縮機の冷却液供給方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液冷式回転圧縮機及びその冷却液供給方法に関し、例えば、油冷式スクリュー圧縮機や水噴射式スクリュー圧縮機などに適するものである。
【背景技術】
【0002】
液冷式回転圧縮機は、ケーシングなどの固定壁とロータなどの回転壁で囲まれた内部空間(圧縮室)にある空気などの気体を、空間を狭めながら回転力で圧縮すると共に、圧縮熱を油や水などの液体(冷却液)で徐冷し、圧縮された気体を取り出す機械である。徐冷用の冷却液は、圧縮室を形成する前記固定壁の内壁に設けた液噴射ノズルから噴射され、圧縮された気体や回転壁と熱交換して昇温され、圧縮室出口(吐出口)から圧縮された気体(圧縮ガス)と共に吐出され、その後オイルセパレータなどの気液分離器で圧縮ガスから分離される。分離された液体は冷却器で熱交換されて冷却され、前記圧縮室へ戻るという循環サイクルを構成している。
【0003】
冷却液を油(潤滑油)、圧縮される気体を空気とすると、冷却液である油で除熱すべき熱量は圧縮される空気の量に比例する。このため、圧縮機の運転状況が定格運転時よりも低速回転で運転される場合、循環液量(循環油量)を減らすことが可能である。圧縮室へ供給される液体の量(質量)を少なくできれば、圧縮機の回転力で冷却液に与える加速仕事を減じることができるため、消費電力の低減になる。
【0004】
これに関連する公知例として、特開平8-42476号公報(特許文献1)に記載のものがあり、この特許文献1のものには、圧縮機の回転速度に応じて作動室(圧縮室)内に注入される潤滑油の油量を増減することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1のものでは、圧縮機の回転速度に応じて圧縮室内に注入される冷却液の量を増減するようにしているが、圧縮室に注入される冷却液の量を減じると、注入される冷却液の噴射速度も低下する。冷却液の噴射速度が低下すると、圧縮室を形成している回転壁面(例えばスクリューロータの壁面)に冷却液が十分に到達せずに、回転壁面間(ロータ間)や回転壁面と固定壁面との間の潤滑やシール、或いは圧縮気体の徐冷を十分に行えなくなるという課題がある。
【0007】
本発明の目的は、圧縮室内に注入される冷却液の量を減じても、冷却液の噴射速度の低下を抑制することのできる液冷式回転圧縮機及びその冷却液供給方法を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は、固定壁と回転壁により圧縮室を形成する圧縮機本体と、前記圧縮室に冷却液を注入する液注入路を備え、前記圧縮機本体の負荷率を変化させて圧縮気体の吐出流量を調整する液冷式回転圧縮機であって、前記液注入路から前記圧縮機本体に供給される前記冷却液の量を、前記圧縮機本体の負荷率の変化に応じて調整する液量調整部と、前記液注入路における前記液量調整部の下流側に圧縮気体を供給する圧縮気体供給路を備え、前記圧縮機本体に供給される前記冷却液の量に応じて、前記液注入路に前記圧縮気体供給路から圧縮気体を供給することを特徴とする。
【0009】
本発明の他の特徴は、圧縮機の圧縮室に液注入路からの冷却液を噴射する液冷式回転圧縮機の冷却液供給方法であって、前記圧縮機の負荷率に応じて前記圧縮機に供給する前記冷却液の量を制御し、前記圧縮機に供給される前記冷却液の量に応じて前記液注入路に前記圧縮機から吐出された圧縮気体の一部を供給し、前記冷却液と前記圧縮気体を合わせた気液混合流体の体積流量を、前記圧縮機の負荷率に拘わらず概略一定に制御して前記圧縮機に供給することにある。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、圧縮室内に注入される冷却液の量を減じても、冷却液の噴射速度の低下を抑制することのできる液冷式回転圧縮機及びその冷却液供給方法を得ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の液冷式回転圧縮機の実施例1を示す図で、全体構成を示す系統図。
【
図2】
図1における圧縮機本体の要部断面図で、噴射口から圧縮室に気泡流が噴射される状況を説明する図。
【
図3】
図1に示す気液混合部としてチーズを用いた例を示す断面図。
【
図4】
図1に示す気液混合部として二流体ノズルを用いた例を示す断面図。
【
図5】
図1に示す気液混合部として液噴射エジェクタを用いた例を示す断面図。
【
図6】
図1に示す気液混合部として多孔板を用いて構成した例を示す断面図。
【
図8】
図1に示す圧縮機本体での圧縮室容積の変化と圧縮室内圧力との関係を説明する圧力―容積曲線図。
【
図9】
図1に示す液冷式回転式圧縮機における負荷率の変化と、圧縮空気の流量や発熱量などの関係を説明する物理量の模式時刻推移図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の液冷式回転圧縮機の具体的実施例を、図面を用いて説明する。各図において同一符号を付した部分は同一または相当する部分を示している。
【実施例0013】
図1は、本発明の液冷式回転圧縮機の実施例1を示す図で、全体構成を示す系統図、
図2は
図1における圧縮機本体の要部断面図で、噴射口から圧縮室に気泡流が噴射される状況を説明する図である。また、本実施例では液冷式回転圧縮機として、空気を圧縮して圧縮空気を製造する油冷式スクリュー圧縮機である場合について説明する。
【0014】
図1に示すように、外部の空気は、吸気フィルタ1及び吸入絞り弁2を通り、圧縮機本体(圧縮機)3のケーシング(固定壁)3aに設けられている吸入口3bから圧縮機本体3に吸入される。圧縮機本体3の内部にはスクリューロータ(ロータ;回転壁)が設けられており、前記ケーシングとスクリューロータにより形成される圧縮室に取り込まれて圧縮され、前記ケーシング3aに設けられている吐出口3cから吐出される。また、前記ケーシング3aには前記圧縮室に潤滑油(冷却液)を注入するための噴射口3dが設けられており、冷却された潤滑油が圧縮室に注入される。圧縮室に注入された潤滑油は、圧縮空気に混入され、圧縮機本体3内部のスクリューロータ間、及びスクリューロータとケーシング3a間の潤滑と隙間のシールを行う。また、圧縮工程で生じる圧縮熱により高温になった圧縮空気やスクリューロータから熱を奪って冷却する。
【0015】
所定圧力まで圧縮された圧縮空気と圧縮室に注入された潤滑油の混合流体は前記吐出口3cから吐出され、この混合流体はオイルセパレータ(気液分離器)4に流入して、圧縮空気と潤滑油に分離され、大部分の潤滑油を分離された圧縮空気は、吐出配管などの吐出流路5を通って圧縮空気の用途(需要先)に供給される。
【0016】
また、前記オイルセパレータ4で分離された潤滑油6は、配管を介してオイルクーラ(液冷却器)7に入り、ここで冷却された後、オイルフィルタ8を通過し、給油配管(液注入路)9を通って、圧縮機本体3の前記噴射口3dから圧縮中間工程の圧縮室に注入される。即ち、前記オイルセパレータ4内は、ほぼ吐出圧力であり、潤滑油が注入される圧縮中間工程の圧縮室は吐出圧力よりも低い圧力となっているので、その差圧により潤滑油は圧縮室に注入される。潤滑油はこのような循環経路を構成して流れ、圧縮機本体3内での潤滑、シール、圧縮空気の冷却等の役割を果たしている。
【0017】
10は前記圧縮機本体3のスクリューロータを駆動する電動機、11は前記電動機10に商用交流電源からの電力を周波数変換して供給するインバータであり、圧縮機は圧縮空気を必要とする需要先の要求空気量に応じて回転数制御される。即ち、外部から供給される商用交流電力は、インバータ11により圧縮機の負荷量に応じた周波数と電圧に変換されて電動機10に供給される。圧縮機本体3は回転速度(負荷率)を変化させて吐出流量を調整し、吐出圧力をほぼ一定に制御する。
【0018】
需要先の要求空気量が多くなり前記圧縮機本体3のスクリューロータの回転数を増加させると、圧縮機本体3に吸入されて圧縮される空気量が増加するので、その分圧縮熱も多く発生する。逆に、回転数が減少すると、その分圧縮熱の発生も少なくなる。
そこで、本実施例では、前記給油配管(液注入路)9の途中に液量調整部としての流量調整弁(第1の流量調整弁)12を設けると共に、この流量調整弁12を制御する制御装置13を設けている。
【0019】
圧縮機本体3に供給される潤滑油は、冷却、潤滑、シールとしての機能がある。潤滑油の質量は空気に比べ格段に大きいため、スクリューロータの回転による攪拌損失を生じる。このため、潤滑油の供給量は必要最小限にすることが望ましいが、供給する潤滑油量を少なくすると以下の新たな課題があることがわかった。
【0020】
圧縮機の回転数(回転速度)の情報は、インバータ11から前記制御装置13に送られ、制御装置13は、圧縮機の回転数に応じて、前記流量調整弁12を制御し、圧縮機本体3への潤滑油量を増減する。しかし、潤滑油量を減らした場合、前記噴射口3dから圧縮室に注入される潤滑油の質量流量Qm kg/sも体積流量Qv m3/sも減少する。このため、噴射口(噴射ノズル)3d(断面積A m2)から噴射される潤滑油の噴射速度U m/sは、「Qv/A」となるため低下する。
【0021】
前記噴射口3dは、取り回し自由度の大きいケーシング3aの下部側に設けられている。このため、噴射口3dから圧縮室に噴射される潤滑油は重力に逆らって上方へ噴射されることになる。潤滑油の量が減少すると噴射口3dから噴射される潤滑油の噴射速度も低下するため、圧縮室を形成しているスクリューロータの壁面に潤滑油が十分に到達できず、潤滑油を圧縮室全体に十分に供給できない課題がある。
【0022】
また、前記噴射口3dは、通常複数の噴射ノズルで構成され、衝突噴流を作り微細な油滴として圧縮室に供給するようにしているが、供給される潤滑油量が減少すると、複数の噴射ノズルで衝突噴流を作る際に、噴射される潤滑油の噴射速度が低下して十分な液滴特性、即ち十分に微細な液滴が得られない課題もある。
【0023】
これらの課題を解決するため、本発明では、前記圧縮機本体3に供給される潤滑油(冷却液)の量に応じて、前記給油配管(液注入路)9に圧縮気体を供給し、前記圧縮機本体3に供給される潤滑油と圧縮気体を合わせた気液混合流体の体積流量を、圧縮機の回転数に拘わらず概略一定に制御して前記圧縮機本体3に供給するようにしている。
【0024】
具体的には、
図1に示すように、給油配管9における流量調整弁12の下流側に気液混合部14を設け、この気液混合部14に、前記オイルセパレータ4で分離された圧縮気体の一部を導く圧縮気体供給路(戻し空気配管)15を接続する。また、圧縮気体供給路15には流量調整弁(第2の流量調整弁)16を設け、前記圧縮機本体3に供給される潤滑油(冷却液)の量が少なくなるほど、前記圧縮気体供給路15から前記給油配管9に供給する圧縮気体の量を多くするように、前記流量調整弁16は前記制御装置13により制御される。
【0025】
即ち、本実施例では、前記圧縮機本体3に供給される潤滑油の体積流量の変化量に応じて、変化する潤滑油の体積流量と概略同じ体積流量の圧縮気体を前記給油配管9に供給し、前記気液混合部14下流における潤滑油と圧縮気体を合わせた気液混合流(気泡流)の体積流量がほぼ一定になるようにして前記圧縮機本体3に供給するように構成されている。
【0026】
また、本実施例では、前記気液混合部14の下流側に体積流量を検出する流量検出器(流量計)17を設け、前記制御装置13は、前記流量検出器17で検出された体積流量の値に基づいて、前記給油配管9に設けられている前記流量調整弁12と前記圧縮気体供給路15に設けられている前記流量調整弁16を制御するようにしている。
【0027】
即ち、前記制御装置13は、圧縮機本体(圧縮機)3のスクリューロータにおける回転速度の変化に応じて、圧縮機に供給される潤滑油の量を調整するように給油配管9の流量調整弁12を制御する。このとき、回転数に応じた所定の潤滑油量になるように前記流量検出器17で検出された値に基づいて、制御装置13は流量調整弁12を制御する。また、前記圧縮機に供給される潤滑油の量に応じて、圧縮気体供給路15の流量調整弁16を制御し、気液混合部14下流における潤滑油と圧縮気体を合わせた気液混合流の体積流量が潤滑油量の変化にかかわらず概略一定になるようにして前記圧縮機本体3に供給する。
【0028】
具体的には、変化する潤滑油の体積流量と概略同じ体積流量の圧縮気体を前記給油配管9に供給することで、回転数が変化して圧縮機に供給される潤滑油量が減少しても、圧縮機に供給される気液混合流の体積流量は変化しないように制御される。
なお、上述した本実施例では、電動機の回転数を変化させて負荷率を変化させているが、負荷率を変化させる手段としては、例えば電動機を一定速のものとし、吸入絞り弁2により、吸込空気量を調整するようにしても良い。
【0029】
図2は圧縮機本体3の要部を示し、ケーシング(固定壁)3aの内面に形成された噴射口3dから圧縮室3eに気泡流が噴射される状況を示している。この
図2に示すように、圧縮機本体3のケーシング3aには、噴射口3dと、この噴射口3dに給油配管9(
図1参照)から供給される潤滑油を導くため、前記ケーシング3aの内部には冷却液流路3fが形成されている。前記冷却液流路3fには、気液混合部14で生成された気泡流(気液混合流)20が供給され、この気泡流20は油と気泡21で構成されており、ケーシング3aに設けられている噴射口3dから油滴22となって圧縮室3eに噴出される。
【0030】
前記噴射口3dは、通常複数箇所(例えばスクリューロータのねじ溝方向に沿って或いは軸方向に沿って複数箇所)に設けられ、且つ各噴射口3dは、圧縮室3eと連通し互いに向き合う2つの複数の噴射ノズル3d1,3d2で構成されている。これら2つの噴射ノズル3d1,3d2により、2方向から噴射される潤滑油を衝突させることにより、更に微細な油滴(液滴)として圧縮室3eに拡散される。この油滴22は、圧縮室3eのスクリューロータ(回転壁)3gの壁面に到達して油膜23になったり、圧縮室内空間に飛散して、圧縮空気やスクリューロータ3gから熱を奪って冷却する。
【0031】
前記冷却液流路3fと噴射口3dは、一般に、取り回し自由度の大きいケーシング3aの下部側に設けられており、冷却液流路3fに供給され噴射口3dから圧縮室3eに噴射される潤滑油は重力に逆らって上方へ噴射される。冷却液流路3fに供給される潤滑油の量が減少すると、噴射口3dから噴射される潤滑油の噴射速度も低下するが、本実施例では、潤滑油量が減少しても圧縮空気を混入させた気泡流として体積流量が減少しないようにして圧縮機に供給する。
【0032】
従って、噴射口3dから噴射される潤滑油の噴射速度の低下を抑制できるから、圧縮室3eを形成しているスクリューロータ3gの壁面に潤滑油を十分に到達させることができる。これにより、潤滑油を圧縮室3eの全体に十分に供給でき、ロータ間やロータとケーシング間の潤滑やシールを確実に行うことができる。
また、噴射口3dから噴射される潤滑油の噴射速度を維持できるので、複数の噴射ノズル3d1,3d2による衝突噴流により、十分な液滴特性、即ち十分に微細な液滴を得ることもできる。
【0033】
このように、本実施例によれば、圧縮機の回転数に応じて必要な冷却能力に合わせて、油の流量を変化させても、気泡流20の体積流量を一定に保つことができるので、噴射口3dから噴射される油の噴射速度を一定に維持でき、油滴22を設計通りの粒径にできると共に油滴22の到達距離も十分にできるので、必要な冷却能力を確保しつつロータ間やロータとケーシング間のシール性や潤滑性も良好に維持できる。また、気泡流20とすることにより、体積流量を確保しつつ圧縮室3eに入る油の質量(油量)を低減できるので、油の攪拌損失を低減して消費電力の低減を図ることもできる。
【0034】
なお、圧縮機の起動時などでは、オイルセパレータ4内の圧力が圧縮室3eの圧力よりも低くなるなど、潤滑油の循環経路内の圧力が不安定になる場合がある。このような場合に圧縮室3eのガスや潤滑油が給油配管9や圧縮気体供給路15側に逆流するのを防止するため、本実施例では、
図1に示すように、第1の流量調整弁12と気液混合部14との間、及び第2の流量調整弁16と気液混合部14との間にそれぞれ逆止弁18,19を設けている。このように逆止弁19,19を設ければ、圧縮室3eからの逆流を防止できるだけでなく、給油配管9から圧縮気体供給路15側への逆流や、圧縮気体供給路15から給油配管9の流量調整弁12側への逆流も防止できる。
【0035】
次に、本実施例の油冷式圧縮機の動作を説明する。
圧縮機本体3から吐出された圧縮空気と潤滑油の混合流体は、オイルセパレータ4に流入して、圧縮空気と潤滑油(油)に分離され、分離された圧縮空気は需要先に供給されるが、分離された油は圧縮熱により高温となっているので、オイルクーラ7で冷却された後、オイルフィルタ8を通過し、流量調整弁12へ導かれる。
【0036】
電動機10の回転速度はインバータ11より電気信号として制御装置13に出力される。制御装置13には、回転速度と、圧縮機本体3への適切な給油量との関係が予め設定されており、この関係に従って前記制御装置13は前記流量調整弁12の開度を制御する。
【0037】
特に、大径ロータ(回転壁)を持つ圧縮機などでは、消費電力が大きいので、圧縮機回転速度の低下に従って給油量を減少することで、潤滑油の攪拌損失を低減でき、消費電力低減効果が大きい。そこで、制御装置13は、圧縮機回転速度の低下に従って給油量を減少するように流量調整弁12を制御し、反対に回転速度が上昇するに従って給油量を多くするように流量調整弁12を制御する。
【0038】
また、本実施例では、流量調整弁12の制御に応じて、或いは流量調整弁12の制御と同時に、圧縮気体供給路15の流量調整弁16も制御し、気液混合部14から冷却液流路3fに供給される気泡流(気液混合流)の体積流量が一定に保持されるように制御する。
【0039】
なお、油と空気の気泡流は、圧縮機本体3内で圧縮空気などを冷却後、再びオイルセパレータ4で空気と油に分離されるので、オイルクーラ7の流路には気泡が取り除かれた油が流入し、気泡混入による伝熱性能低下はない。
また、前記流量調整弁12,16や前記流量検出器17を作動させる電力は、例えば前記インバータ11から供給される。
【0040】
前記気液混合部14は、給油配管9におけるオイルフィルタ8と圧縮機本体3の間に設けられ、少なくとも2つの入口と、1つの出口を備える3口の気液混合部となっている。気液混合部14の出口側(圧縮機本体3側)には前記流量検出器17が設けられ、気液混合部14の第1入口側(オイルフィルタ8側)の給油配管9には前記流量調整弁12が配置されている。気液混合部14の第2入口側(圧縮気体供給路15側)には前記流量調整弁16が設けられている。
【0041】
油の循環中に、圧縮気体側の流量調整弁16を開くと、気液混合部14内で油と空気が混合され、気液混合部14の出口では気泡流(気液混合流)が形成される。流量検出器17と2つの流量調整弁12,16は前記制御装置13に接続されており、制御装置13から流量検出器17の出力をモニタし、2つの流量調整弁12,16の開度を調整して気泡流の体積流量を任意の或いは所定の流量に調節できる。
【0042】
本実施例では、逆止弁18,19を設けているので、気液混合部14の圧力が流量調整弁12,16側の圧力より高い場合でも、流量調整弁12,16側への逆流も防止できる。
なお、前記流量調整弁12,16の代わりに圧力計と圧力調節弁を用い、差圧を制御しながら流量を制御することも可能である。
【0043】
以下、前記気液混合部14の具体例を
図3~
図7を用いて説明する。
図3は、気液混合部14として、3口からなるT字配管部品であるチーズ14Aを用いた例を示す断面図である。24は給油配管9からチーズ14Aの第1入口に供給される潤滑油、25は圧縮気体供給路15からチーズ14Aの第2入口に供給される圧縮空気であり、潤滑油と圧縮空気はチーズ14Aで混合されて気泡流20となってチーズ14Aの出口から圧縮機本体3側に供給される。
【0044】
チーズ14Aを用いれば安価に構成することができるが、気泡流20が不均一になる可能性がある。このため、圧縮空気の注入側に液中噴射ノズルを設けると、細かい気泡を生成できる。
【0045】
図4は、気液混合部14として、3口からなる二流体ノズル(気液混合器)14Bを用いた例を示す断面図である。24は給油配管9から二流体ノズル14Bの第1入口に供給される潤滑油、25は圧縮気体供給路15から二流体ノズル14Bの第2入口に供給される圧縮空気であり、潤滑油と圧縮空気は二流体ノズル14B内で混合されて気泡流20となり、二流体ノズル14Bの出口から圧縮機本体3側に供給される。
二流体ノズル14Bは、一般に微量の液体を多量の高圧気体によって噴霧を生成するために用いられるが、油と空気の量を調節することにより液体が多い気泡流も生成可能である。
【0046】
図5は、気液混合部14として、3口からなる液噴射エジェクタ14Cを用いた例を示す断面図である。24は給油配管9から液噴射エジェクタ14Cの第1入口に供給される潤滑油、25は圧縮気体供給路15から液噴射エジェクタ14Cの第2入口に供給される圧縮空気であり、潤滑油と圧縮空気は液噴射エジェクタ14Cの内部で混合されて気泡流20を生成し、液噴射エジェクタ14Cの出口から圧縮機本体3側に供給される。
【0047】
液噴射エジェクタ14Cは、化学反応に用いる気泡塔の気液分散器として多用されており、気泡分散性がよく、液中のガスホールドアップと気液の流量の関係などが明らかにされており、気液混合部14の機能を充分に発揮させることができる。しかし、圧力損失が大きくなる可能性がある。
【0048】
図6及び
図7を用いて、気液混合部14を、多孔板(多孔壁)を用いて構成する例について説明する。
図6は気液混合部14の断面図、
図7は
図6に示す多孔板26の斜視図である。
この例は、気液間、即ち、給油配管9を流れる潤滑油24と、給油配管9に設けた気液混合部14に接続する圧縮気体供給路15を流れる圧縮空気25との間に、多数の孔26aを有する多孔板26を設け、この多孔板26を介して潤滑油と圧縮空気を混合して気泡流20を生成するようにしたものである。潤滑油と圧縮空気の接続部に設けた多孔板26の外周にはOリング等のシール材27を設けることで、圧縮気体や潤滑油が外部に漏れないようにシールしている。
【0049】
この例では、多孔板26により気体を気泡化して潤滑油に混合するので、気泡流20を生成し易いが、多孔板26に形成した孔26aの径が小さいと圧力損失が大きくなる可能性がある。
前記多孔板26は、
図7に示すようなパンチングメタル、或いは焼結金属やポーラスメタルなどで構成すると良い。
【0050】
図8は
図1に示す圧縮機本体3での圧縮室容積の変化と圧縮室内圧力との関係を説明する圧力―容積曲線図であり、横軸は圧縮室容積、縦軸は圧縮室内圧力である。ここでは液冷式回転圧縮機が油冷式スクリュー圧縮機である場合を例にとり、説明する。
【0051】
スクリュー圧縮機などの回転式圧縮機は図中のABCDの順で動作する。
図1に示す吸入絞り弁2を通過した空気は、圧縮機本体3の圧縮室入口が開口するとその内部へ吸い込みを開始する(A)。この時の圧力は吸込圧力Psである。スクリューロータ(ロータ)の回転に伴ってその容積が拡大し、最大容積に到達すると圧縮室の入口が閉じて吸込完了になると同時に圧縮開始となる(B)。その後、ロータの回転に伴い圧縮室の容積は減少して圧縮が進行し、昇圧発熱するので、圧縮空気を冷却するため、噴射口3dから潤滑油が圧縮室内に噴射され、圧縮熱を潤滑油へ吸収する。圧縮室が吐出口に開口すると圧縮が完了して吐出開始となる(C)。この時の圧力は吐出圧力Pdである。圧力Pdまで圧縮された圧縮空気は潤滑油と共に、ロータの回転に伴って吐出口から吐出され、Dの位置で吐出完了となる。その後はロータの回転と共に再びAからDの工程を繰り返す。A~Bが吸込工程、B~Cが圧縮工程、C~Dが吐出工程となる。
【0052】
前記圧縮工程内で昇圧して発熱した圧縮空気を冷却するため、噴射口3dから潤滑油が圧縮室内に噴射されるが、
図8に示す例では、Eの区間が潤滑油の噴射区間となっている。この噴射区間での圧力は吐出圧力Pdよりも低いP1~P2となっており、オイルセパレータ4内の圧力はPdであるから、その圧力差で潤滑油を圧縮室に注入することができる。なお、潤滑油を注入するためには、圧縮室圧力P2よりも高い圧力が必要であり、且つ油の注入量を制御するため、
図1の制御装置13で流量調整弁12,16を制御する。
図1に示す流量検出器17の下流に圧力計を更に設け、その圧力値を制御装置で読み取り、フィードバック制御するように構成するとなお好ましい。
【0053】
図9は、
図1に示す液冷式回転式圧縮機における負荷率(回転数)の変化と、圧縮空気の流量や発熱量などの関係を説明する物理量の模式時刻推移図である。本実施例では、オイルセパレータ4で油を分離した後の圧縮空気の一部を、給油配管9の気液混合部14に供給しているが、この空気を戻し空気と呼ぶ。
【0054】
各グラフ(時刻推移図)(a)~(j)の横軸は経過時間、縦軸は各物理量を表す。グラフ(a)は、圧縮機が駆動されてロータの回転が開始され、回転数が定格に達した後、段階的に減少し、その後増加して定格に戻るように制御されている状況を示している。グラフ(b)の圧縮空気量、発熱量は、(a)の回転数の増減に比例する。グラフ(c)の潤滑油(冷却液)の必要流量も同様である。
【0055】
ここで、潤滑油の流量も回転数の増減に比例して増減するが、グラフ(d)に示すように、潤滑油の減少分と概略等しい体積流量の戻し空気を潤滑油に供給すると、グラフ(e)に示すように、生成される気泡流の総体積流量を一定に保持することができる。これにより、グラフ(f)に示すように。油滴(液滴)の噴射速度も回転数の増減にかかわらず一定に保持できる。
【0056】
グラフ(g)(h)に示すように、圧縮室に注入される潤滑油の質量流量は、回転数に比例して増減し、注入される戻し空気(圧縮空気)の質量流量は反比例して増減する。しかし、空気の密度は油の約1/100であるため、空気の質量流量増加分の影響は小さく、気泡流の質量流量は、グラフ(i)に示すように、概略油の質量流量とみなせる。従って、本実施例では、油滴(液滴)の噴射速度は保ちつつ、油に対する攪拌損失を、グラフ(j)で示すように、回転数の増減に比例させることが可能となる。
図9の例では、回転数を階段状に変化させているが、曲線状に変化させても、同様に制御が可能である。ただし、回転数と流量の時間遅れをより考慮して制御する必要はある。
【0057】
以上説明したように、本実施例によれば、圧縮機回転数が低下したときには、流量調整弁12の開度を小さくして潤滑油(冷却液)の体積流量を減少させ、流量調整弁16の開度を大きくして減少した潤滑油の体積流量にほぼ等しい体積流量の圧縮空気を前記潤滑油に加えるので、圧縮機に供給される気液混合流(気泡流)の体積流量を一定に保持することが可能となる。従って、噴射口から圧縮室に噴射する油滴の噴射速度を必要な値に保つことができるから、ロータ間やロータとケーシング間の潤滑やシールを十分に行うことができる。
【0058】
一方、気液混合流体は、低密度な圧縮空気が混入されているので、体積流量を維持しつつ質量流量を低減できる。このため、潤滑油の攪拌損失を低減できるから、消費電力を削減できる。また、潤滑油の質量流量を低減できるので、潤滑油を冷却するオイルクーラの冷却能力も低減でき、例えば冷却ファンの低速化により消費電力を削減できる。
【0059】
また、冷却液が炭素を含む潤滑油である場合、定格運転時でも圧縮気体を混ぜて気液混合流として圧縮室に注入する構成とすることにより、潤滑油量を低減しても噴射速度を維持できるから、炭素を含む潤滑油の使用量を必要最小限にすることが可能となり、潤滑油の低減による脱炭素化や環境保全にも貢献できる。
【0060】
本発明は、圧縮機本体3が、ケーシング3aと、このケーシング3a内に回転自在に配置された雌雄一対のスクリューロータ(ねじ形ロータ)3gを備え、スクリューロータ3gとケーシング3aにより囲まれた空間が圧縮室3eとなり、その圧縮室3eの体積がスクリューロータ3gの回転と共に小さくなることにより空気を圧縮するように構成されている油冷式スクリュー圧縮機に特に好適である。
【0061】
しかし、本発明は、上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、油の代わりに水を噴射する水噴射式スクリュー圧縮機にも同様に適用できる。また、圧縮機本体がスクリュー圧縮機のものには限られず、前記圧縮機本体3をスクロール圧縮機とすることも可能であり、圧縮室に液体を注入する回転型圧縮機であれば同様に適用可能である。
また、上記した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。