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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173665
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】袋供給装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 43/18 20060101AFI20231130BHJP
【FI】
B65B43/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022086086
(22)【出願日】2022-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000142850
【氏名又は名称】株式会社古川製作所
(72)【発明者】
【氏名】平谷 隆幸
【テーマコード(参考)】
3E030
【Fターム(参考)】
3E030AA04
3E030BA02
3E030BB02
3E030BC02
3E030DA02
3E030GA04
(57)【要約】
【課題】従来の給袋装置では、吸盤により袋を吸着する際に、袋を後方にずらしてしまうことがあった。
【解決手段】本発明の袋供給装置20は、積層された袋2における最上位の袋2を吸盤7により吸着して供給する袋供給装置であり、吸盤7を支持する吸盤支持ブロック22と、中央後部寄りに設けられた軸心Hを中心として揺動可能に軸支された揺動リンク23と、揺動リンク23の先端部に回動可能に取り付けられて、吸盤支持ブロック22が一体的に回動する状態で吸盤支持ブロック22を支持する先端支持リンク24と、本体25aと出退ロッド25bとを有し、揺動リンク23に本体25aが回動可能な状態で取り付けられ、出退ロッド25bが先端支持リンク24に回動可能に連結されたアクチュエータ25と、揺動リンク23をメイン駆動軸30により揺動させる駆動力伝達リンク26と、を備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層されて収納された複数の袋の最上位の袋を吸盤により吸着して包装装置に供給する袋供給装置であって、
前記袋供給装置は、メイン駆動軸の駆動力により、メイン回動軸を中心として回動可能に支持された揺動リンクと、
揺動リンクの先端部に先端回動軸を中心として回動可能に取り付けられた先端支持リンクと、
先端支持リンクの先端部に取付けられ、先端支持リンクと一体的に回動する、吸盤が取り付けられた吸盤支持ブロックと、
先端支持リンクの先端回動軸を中心にして、先端支持リンクを回動するアクチュエータと、
を備えていることを特徴とする袋供給装置。
【請求項2】
メイン駆動軸と揺動リンクとの間を伝達リンクと駆動リンクと調整連結リンクとから構成された駆動力伝達リンクで連結し、メイン駆動軸の駆動力により揺動リンクを回動し、
先端支持リンクにエアシリンダからなるアクチュエータを接続し、エアシリンダの出退ロッドを出退して先端支持リンクを回動する
ことを特徴とする請求項1に記載の袋供給装置。
【請求項3】
袋供給装置に制御装置が設けられ、この制御装置は、吸着工程において、吸盤が吸着位置に達する前に、アクチュエータを駆動して、袋を受け渡す供給姿勢から、揺動リンクを回転して、吸盤の吸着面が袋の表面に沿う吸着姿勢となるように先端支持リンクを回動させる制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の袋供給装置。
【請求項4】
アクチュエータの出退ロッドを縮小した状態で、揺動リンクの軸心と、先端支持リンクの軸心とを結ぶ直線の延長線に、袋吸着時の吸盤の吸着面が沿うように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の袋供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータリー式包装装置などに空の袋を供給する袋供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の袋供給装置は、積層された状態で収納されている空の袋を1枚ずつ取り上げてロータリー式包装装置などに供給する装置である。図5は、特許文献1に開示されている給袋装置(袋箱)1であって、この給袋装置1には、多数の空の袋(袋群)2が上下に積層された状態で収納されている。この特許文献1の給袋装置1は、積層された袋群を下方から支える棚板3と、袋群の横ずれを防止する左右1対の側板4と、積層された袋群が前方に移動しないように阻止するストッパ板5などを備えている。なお、給袋装置1から袋2が1枚ずつ取り上げると、図示しないモータによって昇降軸6が回転(以下において一方向に回る場合を「回転」、正逆方向に回る方向が変わる場合を「回動」として説明する。)して棚板3が少し上昇し、最上位の袋2の高さが一定となる。
【0003】
図5において、7は袋2を吸着する吸盤、8は吸盤7から空気を吸引する(陰圧を加える)吸引ホース、9は受け渡し機構であって、吸盤7で吸着して持ち上げられた袋2を把持部10で把持してロータリー式包装装置などに受け渡す。また、11は前記吸盤7を所定の軌跡で揺動させるための平行リンク機構である。平行リンク機構11の役割は、図7に示すように、吸盤7が下降した際に、吸盤7の吸着面が最上位の袋2と平行な姿勢となるように揺動させる働きをする。
【0004】
前記平行リンク機構11は、上部揺動リンク11A、下部揺動リンク11B、先端側連結リンク11C、後端側連結リンク11Dの4つのリンクから構成され、これらのリンク11A~11Dが連結部12A~12Dにより互いに回動可能に連結されている。また、図5等に示すように、吸盤7が取付けられた吸盤支持ブロック13が、先端側連結リンク11Cから側方に延びる2本の支持ロッド14A、14Bにより支持されている。先端側連結リンク11Cの回動により、吸盤支持ブロック13および吸盤7が一体的に回動する。
【0005】
前記のように、上部揺動リンク11Aと後端側連結リンク11Dとは、連結部12Aにより回動可能に連結されているが、この連結部12Aには、連結部12Aと同軸心の駆動回動軸15が挿入されている。駆動回動軸15は、図示しないリンク機構等の駆動源により正逆方向に回動するが、この回動力は上部揺動リンク11Aに直接には伝達されず、後端側連結リンク11Dだけに伝達される。このため、駆動回動軸15により後端側連結リンク11Dが連結部12Aの軸心Xを中心として、所定角度範囲で回動する。これに伴い、下部揺動リンク11Bが上部揺動リンク11Aと平行に重なり合った状態になった後も、さらに、駆動回動軸15により後端側連結リンク11Dが図6のG方向に回転する。このため、平行リンク機構11の先端の吸盤7が上方に回転し、袋2が持ち上げられる。そして、袋2が受け渡し機構9の把持部10で把持された後、ロータリー式包装装置などに供給される。
【0006】
逆に、吸盤7により袋2を吸着する際には、駆動回動軸15の時計回りの回転により、後端側連結リンク11Dが図7のE方向に回動し、これに下部揺動リンク11Bと先端側連結リンク11Cとが連動し、先端側連結リンク11C、後端側連結リンク11Dをほぼ垂直姿勢とし、吸盤7の吸着面が、袋2の平面部分に沿った姿勢(例えば、図7に示すように、水平姿勢)となる。この際、袋2の吸盤7による吸着動作が行われて、最上位の袋2が吸着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2011-219122公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1の従来の給袋装置1では、図示しないリンク機構等の駆動源によって駆動回動軸15を正逆方向に回動し、この回動力を平行リンク機構11により、吸盤7の上下の首振り動作と、袋2の捲り上げる動作の2つの動作を行っている。しかし、前記従来の給袋装置1では、以下のような不都合が発生するおそれがある。すなわち、平行リンク機構11は、後端側連結リンク11Dが図7のE方向に回動すると共に、下部揺動リンク11Bと先端側連結リンク11Cが連動し、先端側連結リンク11Cおよび吸盤支持ブロック13が連結部12C(軸心Y)を中心として時計回り(図7のF方向)に回転する。通常、図7に示すように、吸盤7の吸着面が、袋2の平面に沿った姿勢であると、吸盤7が袋2を確実に吸着して袋2が正確な位置からずれるようなことはない。しかし、平行リンク機構11が高速で可動する場合には、吸盤7の時計回り(図7のF方向)の回転の勢いにより最上位の袋2を後方にずらしてしまうおそれがある。
【0009】
後方への袋2のずれが発生すると、受け渡し機構9からロータリー式包装装置のクランプに受け渡す際に、袋2の位置がずれてしまうおそれがある。袋2がずれてしまうと、ロータリー式包装装置のシーラによる袋口の正規のシール位置がずれてしまい、不良品の発生のおそれがある。また、極端な場合、捲り上げられた袋2を受け渡し機構9の把持部10が把持する際に、把持ミスが発生することがある。また、受け渡し機構9からロータリー式包装装置へ袋2を受け渡す際にミスが発生する場合も有る。
【0010】
本発明は、かかる課題に鑑み、袋を吸盤で吸着する際に、袋が後方にずれることを防止することができる袋供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の袋供給装置は、積層されて収納された複数の袋の最上位の袋を吸盤により吸着して包装装置に供給する袋供給装置であって、前記袋供給装置は、メイン駆動軸の駆動力により、メイン回動軸を中心として回動可能に支持された揺動リンクと、揺動リンクの先端部に先端回動軸を中心として回動可能に取り付けられた先端支持リンクと、先端支持リンクの先端部に取付けられ、先端支持リンクと一体的に回動する、吸盤が取り付けられた吸盤支持ブロックと、先端支持リンクの先端回動軸を中心にして、先端支持リンクを回動するアクチュエータと、を備えていることを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、吸着工程において、吸盤が吸着位置に達する前に、アクチュエータを駆動して先端支持リンクを回動しておき、この後に、揺動リンクを回転して、吸盤により袋を吸着する。すなわち、袋の供給姿勢から吸着姿勢に移動する際に、予め、アクチュエータを駆動して先端支持リンクを回動しておくことで、この後に吸盤を吸着位置に移動させる際には、吸盤や吸盤支持ブロックおよび先端支持リンクを回転させることなく、揺動リンクを回転させ、吸盤の吸着面が袋の表面に沿う吸着姿勢となるようにして、袋を吸着する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の袋供給装置によれば、吸盤により袋を吸着する際に、吸盤を取付けた吸盤支持ブロックや先端支持リンクを揺動リンクに対して回動させることなく、吸盤の吸着面が袋の表面に沿う吸着姿勢で袋を吸着することができる。これにより、吸盤により袋を吸着する際に、袋を後方にずらしてしまうことがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の袋供給装置の側面図
図2】同袋供給装置の袋吸着時の側面図
図3】同袋供給装置の袋供給時の側面図
図4】本発明の変形例の袋供給装置の側面図
図5】従来の袋供給装置の側面図
図6】従来の袋供給装置の側面図
図7】従来の袋供給装置の側面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の袋供給装置20を図面に基づき説明する。なお、従来の給袋装置1と重複する構成部分についても説明を加えるが、同機能の構成要素には同符号を使用する。図1に示すように、この袋供給装置20においても、多数の空の袋(袋群)2が袋供給装置20内に上下に積層された状態で収納されている。袋供給装置20は、積層された袋群を下方から支持する棚板3と、棚板3上に積層された袋群を案内して横ずれを防止する左右1対の側板4と、積層された袋群が前側に移動することを阻止するストッパ板5などを備えている。なお、袋供給装置20から最上位の袋2が1枚ずつ取り上げられると、図示しないモータによって昇降軸6が回転して棚板3が少し上昇し、最上位の袋2の高さを一定にする。なお、図1において、7は袋2を吸着する吸盤、8は吸盤7から空気を吸引する(陰圧を加える)吸引ホース、9は受け渡し機構であって、吸盤7で吸着して捲り上げられた袋2を把持部10で把持してロータリー式包装装置などに受け渡す。
【0016】
21は吸盤7を所定の移動軌跡で移動させながら支持するリンク機構である。本発明のリンク機構21は、吸盤7を支持する部材としての吸盤支持ブロック22と、中央後部寄りの軸心Hを中心として揺動(回動)可能に軸支された揺動リンク23と、揺動リンク23の先端部に交差して回動可能に軸支され、吸盤支持ブロック22が回動可能に支持された先端支持リンク24と、揺動リンク23の後方下端部と先端支持リンク24の下端部とに架け渡され、軸心Iを中心に先端支持リンク24を回動するアクチュエータ25と、軸心Hを中心に揺動リンク23を揺動(回動)する駆動力伝達リンク26と、を備えている。なお、この実施例において、アクチュエータ25はエアシリンダを用いており、エアシリンダの本体25aとこの本体25aから出退する出退ロッド25bとを有し、揺動リンク23の後側下端部に本体25aの基端部が回動可能な状態で取り付けられ、出退ロッド25bの先端が先端支持リンク24の下端部に連結している。
【0017】
なお、リンク機構21の揺動リンク23と、先端支持リンク24と、アクチュエータ25と、駆動力伝達リンク26などは、袋供給装置20の側部に配置されている。また、27は先端回動軸であって、軸受27Aを介して揺動リンク23に回動可能に取り付けられ、この先端回動軸27に先端支持リンク24が取付けられている。28はメイン回動軸であって、軸受28Aを介して側板4に回動可能に設けられて、このメイン回動軸28に揺動リンク23が回動可能に取付けられている。このメイン回動軸28の中心が、揺動リンク23が揺動する軸心Hである。
【0018】
この実施の形態では、吸盤7を支持する吸盤支持ブロック22が、先端支持リンク24の上部から側方に延びる2本の支持ロッド29A、29Bにより支持されている。すなわち、支持ロッド29A、29Bを介して、吸盤支持ブロック22が先端支持リンク24により支持されており、吸盤支持ブロック22および吸盤7は、先端支持リンク24と一体的に回動する。
【0019】
また、メイン回動軸28には、駆動力伝達リンク26を構成する伝達リンク26Aの上端部が固定され、下方に延びて配置されている。他方、メイン駆動軸30には、同じく駆動力伝達リンク26を構成する駆動リンク26Bの上端部が固定され、下方に延びて配置されている。前記伝達リンク26Aと駆動リンク26Bの下端部間を、連結距離を調整可能な調整連結リンク26Cが連結している。駆動リンク26Bは、図示しないリンク機構等の駆動源により、メイン駆動軸30を中心に回動し、この動きが、調整連結リンク26Cと伝達リンク26Aとを介して、メイン回動軸28に伝達されて、揺動リンク23を揺動する。
【0020】
袋供給装置20には、図示しない制御装置を備えている。この制御装置は、吸盤7から受け渡し機構9に袋2を受け渡す供給姿勢(図3)から、吸盤7が吸着姿勢(図2)に達する前の準備姿勢(図1)において、アクチュエータ25を駆動し、先端支持リンク24が軸心Iを中心に時計回りに回転し、吸盤7の吸着面が袋2の表面に沿う吸着姿勢となるように吸盤支持ブロック22を回転するように制御を行う。具体的には、供給姿勢で袋2を供給する際には、アクチュエータ25の出退ロッド25bを伸長させるが、袋2の供給動作が終わると、図1の準備姿勢では出退ロッド25bを縮小する。ただし、前記のように吸盤支持ブロック22の回転は、吸盤2が供給姿勢から吸着姿勢の間で徐々に回転するようにしてもよい。
【0021】
なお、図3に示す、袋2を受け渡し機構9に供給する供給姿勢においては、吸盤7の吸着面は、側面視において、揺動リンク23の揺動する軸心Hと、先端支持リンク24の先端回動軸27の軸心Iとを結ぶ直線の延長線より上方に位置している。これに対して、アクチュエータ25の出退ロッド25bを縮小させた、図1に示す準備姿勢では、揺動リンク23の揺動する軸心Hと、先端支持リンク24の先端回動軸27の軸心Iとを結ぶ直線の延長線に、吸盤7の吸着面が沿うように配置されている。さらに、吸盤7の吸着時の状態を示す図2の吸着姿勢でも同様であって、軸心Hと、軸心Iとを結ぶ直線の延長線に、吸盤7の吸着面が沿うように配置され、最上位の袋2を吸着する位置とほぼ一致する。
【0022】
なお、この実施の形態では、揺動リンク23は、側面視において、太い略L字形のリンクが横に伏した状態であって、先端部が半円形で後端部に比べて幅が広い。他方、後端部側は細幅で下方に延び、下端にアクチュエータ25の本体25aの基端部が回動可能に軸支されている。ただし、揺動リンク23は、かかる形態に限定されるものではない。
【0023】
次に、袋供給装置20の作用について説明する。吸盤7が袋2を吸着する際には、図1に示すように、吸盤7の準備姿勢から、メイン駆動軸30により駆動リンク26BをJ方向に回転させる。この動きが調整連結リンク26Cと伝達リンク26Aとを介して、メイン回動軸28に伝達される。このため、メイン回動軸28に取付けられた揺動リンク23はK方向(図2)に回転し、その先端が下降する。これにより、先端支持リンク24、吸盤支持ブロック22および吸盤7は、揺動リンク23に対する相対的な位置が変わることなく、軸心Hを中心として一体的に回転する。吸盤7が最上位の袋2に接触する際には、吸盤7の吸着面が、袋2の表面にほぼ沿った姿勢で当接するとともに、吸盤7の吸引動作により、袋2が吸着される。
【0024】
すなわち、袋2の吸着動作を行う前に、予め、アクチュエータ25の出退ロッド25bを縮小させておき、吸着時には、揺動リンク23に対する先端支持リンク24の回動動作を行わない。これにより、吸着時には、揺動リンク23が軸心Hを中心として回転し、直線に近い軌跡で、吸盤7が下降して吸着動作が行われる。このように、吸着時には、先端支持リンク24を揺動リンク23に対して回動させなくても、袋2を吸着することができるので、従来のように吸盤7により袋2を吸着する際に、この袋2を後方にずらしてしまうことがない。このため、従来生じていた、ロータリー式包装装置などのシーラによるシール位置のずれに伴う不良品の発生や、袋2の受け渡しの際のミスの発生を防止することができ、ひいては、ロータリー式包装装置などの包装機の信頼性の向上を図ることができる。
【0025】
なお、吸盤7が袋2を吸着した後は、メイン駆動軸30が逆回転して、図3に示すように、軸心Hを中心にして揺動リンク23を反時計回り(M方向)に回転し、揺動リンク23の先端部を上昇させる。揺動リンク23の先端部が袋2の供給姿勢になるまでか、または、供給姿勢になった後に、アクチュエータ25の出退ロッド25bを伸長して、図3に示すように、先端支持リンク24の上部が斜め後方に傾斜するように回動する。その結果、先端支持リンク24の先端部と一体的に、吸盤支持ブロック22および吸盤7が、供給姿勢となる。この後、斜め上方に持ち上げられた袋2の一端部を受け渡し機構9の把持部10で把持し、ロータリー式包装機などのクランプに受け渡す。なお、把持部10が袋2を把持すると、吸盤7の吸引動作が停止するので、袋2が受け渡し機構9の把持部10に把持されて、ロータリー式包装装置などに受け渡すことができる。
【0026】
なお、上記構成によれば、伝達リンク26Aと駆動リンク26Bの間に、調整連結リンク26Cで連結しているので、この間の連結距離が調整可能となって、最上位の袋2の位置に応じて、吸盤2の吸着位置をより吸着に適した状態に調整することができる。
【0027】
上記実施の形態では、揺動リンク23とメイン駆動軸30との間に、駆動力伝達リンク26を設けて、メイン回動軸28を回動しているが、これに限るものではなく、例えば、メイン回動軸28をモータ等で直接回転させるように構成してもよい。また、先端回動軸27は先端支持リンク24を介してアクチュエータ25で回動しているが、これも先端回動軸27をモータ等で直接回転させるように構成してもよい。
【0028】
また、実施の形態では、先端支持リンク24を回動するためのアクチュエータに、エアシリンダを用いたが、アクチュエータ25はエアシリンダに限定されるものではなく、ソレノイドのような電磁石で伸縮するような機構のものであってもよい。また、リニアアクチュエータのような機構のものであってもよい。
【0029】
また、図1図3に示す実施の形態では、積層された袋2の表面がほぼ水平な状態で積層されているが、かかる構成に限るものではない。すなわち、図4に示すように、積層された袋2が少し下り勾配となるように傾斜させて積層するようにしてもよく、これによれば、吸着時などに、袋2が後方にずれることをより確実に防止することができる。
【0030】
また、上記実施の形態では、袋2をロータリー式包装装置に供給する場合を述べたが、ロータリー式包装装置以外に、直線式包装装置や楕円形状の包装装置であってもよく、包装装置の種類は問わない。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明は、空の袋をロータリー式包装装置などの各種の包装機に供給する袋供給装置に有用である。
【符号の説明】
【0032】
2 袋
3 棚板
4 側板
5 ストッパ板
6 昇降軸
7 吸盤
8 吸引ホース
9 受け渡し機構
10 把持部
20 袋供給装置
21 リンク機構
22 吸盤支持ブロック
23 揺動リンク
24 先端支持リンク
25 アクチュエータ
25a 本体
25b 出退ロッド
26 駆動力伝達リンク
26A 伝達リンク
26B 駆動リンク
26C 調整連結リンク
27 先端回動軸
27A 軸受
28 メイン回動軸
28A 軸受
29A、29B 支持ロッド
30 メイン駆動軸
H 軸心
I 軸心
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7