(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173686
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】物品保持用スタンド
(51)【国際特許分類】
B42F 17/00 20060101AFI20231130BHJP
A63H 3/00 20060101ALI20231130BHJP
G09F 1/10 20060101ALI20231130BHJP
A47G 29/00 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
B42F17/00 D
A63H3/00 M
A63H3/00 Y
G09F1/10 Z
A47G29/00 G
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022086117
(22)【出願日】2022-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】誉田 恒之
【テーマコード(参考)】
2C017
2C150
3K100
【Fターム(参考)】
2C017VA08
2C017VB18
2C150BC02
2C150CA02
2C150DA25
2C150DD16
3K100AA20
3K100AC02
3K100AD01
3K100AF05
3K100AG10
3K100AH03
3K100AJ04
(57)【要約】
【課題】興趣性のある物品保持用スタンドを提供する。
【解決手段】物品保持用スタンド1は、第1の重さがある本体部10と、本体部10に連結され、第1の重さよりも軽い第2の重さがある口部20と、を備え、口部20は、第1方向に延びている下口ばし21と、下口ばし21との間隔を変更すべく動作可能な上口ばし22と、を含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品保持用スタンドであって、
第1の重さがある本体部と、
前記本体部に連結され、第1の重さよりも軽い第2の重さがある副体部と、を備え、
前記副体部は、第1方向に延びている第1部品と、前記第1部品との間隔を変更すべく動作可能な第2部品と、を含んでいる、
物品保持用スタンド。
【請求項2】
請求項1に記載の物品保持用スタンドであって、
前記第1方向は、水平方向に対し上向き方向に90度未満の方向、又は水平方向に対し下向き方向に90度未満の方向である、
物品保持用スタンド。
【請求項3】
請求項1に記載の物品保持用スタンドであって、
前記副体部は、前記第1部品、前記第2部品の少なくとも一方が前記本体部に対して着脱可能である、
物品保持用スタンド。
【請求項4】
請求項1に記載の物品保持用スタンドであって、
前記第1部品、及び前記第2部品は、各々が前記第1方向に延びている状態において、各々の対向する対面部が適合する形状である、
物品保持用スタンド。
【請求項5】
請求項4に記載の物品保持用スタンドであって、
前記第1部品、前記第2部品の少なくとも一方の前記対面部は、前記第1方向に対して傾斜している、
物品保持用スタンド。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の物品保持用スタンドであって、
前記対面部は、側面視で湾曲形状である、
物品保持用スタンド。
【請求項7】
請求項4又は5に記載の物品保持用スタンドであって、
前記第1部品の前記対面部の一部、及び前記第2部品の前記対面部の一部には、それぞれ尖突部が設けられ、
前記両尖突部は、前記第1部品、及び前記第2部品が前記第1方向に延びている状態において、交差する位置に位置している、
物品保持用スタンド。
【請求項8】
請求項1~5の何れか一項に記載の物品保持用スタンドであって、
少なくとも前記第2部品は、前記第1方向に延びている状態と、前記第1方向とは異なる第2方向に延びている状態との間で動作可能である、
物品保持用スタンド。
【請求項9】
請求項8に記載の物品保持用スタンドであって、
前記副体部は、前記第2部品が前記第1方向に延びている状態において、第1物品を保持可能に構成されている、
物品保持用スタンド。
【請求項10】
請求項8に記載の物品保持用スタンドであって、
前記副体部は、前記第2部品が前記第2方向に延びている状態において、第2物品を保持可能に構成されている、
物品保持用スタンド。
【請求項11】
請求項10に記載の物品保持用スタンドであって、
前記副体部は、前記第2部品が前記第1方向に延びている状態において、前記第2物品を保持不可能に構成されている、
物品保持用スタンド。
【請求項12】
請求項4又は5に記載の物品保持用スタンドであって、
前記第1部品の前記対面部、及び前記第2部品の前記対面部は、各々平坦面に形成されている、
物品保持用スタンド。
【請求項13】
請求項12に記載の物品保持用スタンドであって、
前記副体部において、前記両対面部以外の外面は、曲面部に形成されている、
物品保持用スタンド。
【請求項14】
請求項1~5の何れか一項に記載の物品保持用スタンドであって、
前記第2部品は、その重さが前記第1部品の重さよりも重い、
物品保持用スタンド。
【請求項15】
請求項1~5の何れか一項に記載の物品保持用スタンドであって、
前記第2部品は、前記本体部に対し揺動可能な揺動部を介して前記本体部に連結されている、
物品保持用スタンド。
【請求項16】
請求項1~5の何れか一項に記載の物品保持用スタンドであって、
前記本体部は、下面が平坦面に形成され、下面以外の外表面が丸みを帯びた形状を成している、
物品保持用スタンド。
【請求項17】
請求項1~5の何れか一項に記載の物品保持用スタンドであって、
前記本体部は、その下部に比重の大きい重りを含んでいる、
物品保持用スタンド。
【請求項18】
請求項1~5の何れか一項に記載の物品保持用スタンドであって、
前記本体部は、頭部及び胴体部を模した形状を成し、前記第1部品、及び前記第2部品は、口部を模した形状を成している、
物品保持用スタンド。
【請求項19】
請求項1~5の何れか一項に記載の物品保持用スタンドであって、
前記本体部は、鳥を模した形状を成し、前記第1部品、及び前記第2部品は、口ばしを模した形状を成している、
物品保持用スタンド。
【請求項20】
請求項1~5の何れか一項に記載の物品保持用スタンドであって、
前記本体部は、脚部をさらに備えている、
物品保持用スタンド。
【請求項21】
請求項20に記載の物品保持用スタンドであって、
前記脚部は、着脱可能に構成されている、
物品保持用スタンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品保持用スタンドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ペーパーなど保持する物品保持用スタンドがある。例えば、特許文献1には、シリコーン樹脂にて構成されたブロック部に、切り込みを入れてシート状物品を保持可能としたもので、合わせて、吸盤を備えて設置部位に吸着保持するペーパースタンドの構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されたペーパースタンドにあっては、切り込み及び吸盤を備える円柱状のブロック構造であることから、その興趣性が乏しいことに加えて、ペーパー以外の厚みのある物品を保持する場合には、他の部材を取り付けなければならない構成であった。
【0005】
本発明は、興趣性のある物品保持用スタンドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の物品保持用スタンド玩具は、第1の重さがある本体部と、本体部に連結され、第1の重さよりも軽い第2の重さがある副体部と、を備え、副体部は、第1方向に延びている第1部品と、第1部品との間隔を変更すべく動作可能な第2部品と、を含んでいる、ものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、興趣性のある物品保持用スタンドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明に係る物品保持用スタンドの一態様を示す斜視図である。
【
図3】
図1に示す物品保持用スタンドのXI-XI線断面図である。
【
図4】
図1に示す物品保持用スタンドにおいて、物品を保持した状態の一例を示す側面図である。
【
図5】
図1に示す物品保持用スタンドにおいて、物品を保持した状態の他の例を示す側面図である。
【
図6】
図5に示す物品を保持した状態の正面図である。
【
図7】
図1に示す物品保持用スタンドのラッピング状態の一態様を示す斜視図である。
【
図8】物品保持用スタンドの他の態様を示す斜視図である。
【
図9】
図8に示す物品保持用スタンドの側面図である。
【
図11】
図8に示す物品保持用スタンドにおいて、物品を保持した状態の一例を示す側面図である。
【
図12】
図8に示す物品保持用スタンドにおいて、物品を保持した状態の他の例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一態様について、
図1~
図12を参照して説明する。
(第1の態様)
図1は、本発明に係る物品保持用スタンドの一態様を示す斜視図である。
図1に示すように、物品保持用スタンド1は、後述する物品P(
図4参照)を保持するものであって、物品Pを保持したときに安定する特定の重さである、第1の重さを有する本体部10と、本体部10に連結され当該本体部10よりも軽い第2の重さの副体部の口部20と、を備えている。例えば、本体部10は、眼部19及び口部20を有する頭部11及び羽部18を有する胴体部12を備えた例えばカワセミ(鳥)を模した形状を成している。カワセミの口ばしを模した口部20は、両眼部19の間で頭部11の前方且つ若干上方へ向かう第1方向(1D)に向かって固定された第1の部品の下口ばし21と、この下口ばし21との間隔を変更するように開き状態の方向(第2方向(2D))に動作可能な第2の部品の上口ばし22と、を備えている。
【0010】
このカワセミを模した鳥型の物品保持用スタンド1は、本体部10の外表面10sは、丸みを帯びた形状を成しているが、底面部17bが平坦面に形成されて載置面70(
図4参照)に安定して置けるように構成されている。また、上述の「第1の重さ」とは、本体部10の外表面10sから大きく突出する口部20によって物品P(
図4及び
図5参照)を保持するときに、物品Pの重さで本体部10がバランスを崩して転倒しない重さであれば良く、その重さについては、保持対象の物品Pの形状や重さ、本体部10のサイズや材質によって変わるものであり、特に制限するものではない。
【0011】
図2は、
図1に示す物品保持用スタンドの分解斜視図であり、
図3は、
図1のXI-XI線断面図である。
本体部10は、
図2に示すように、左右の眼部19の間に底面部17bに対して所定の角度で傾斜して形成された第1取付け孔15、及び第2取付け孔16を備えている。第1取付け孔15には、下口ばし21の取り付け端部21bが挿入され固定される。第2取付け孔16には、上口ばし22が取り付けられるが、上口ばし22は、揺動部25を介して取付けられる。揺動部25は、例えば、棒状の軸部材25aとして構成され、その一端が球状のボール部25bを備え、他端が上口ばし22の連結孔22cに挿入固定される連結端25cを備えている。
【0012】
したがって、上口ばし22は、
図3に示すように、ボール部25bが第2取付け孔16の最深部に形成された球形内面の支持孔16bに嵌着され、このボールジョイント構造によって移動可能となっている。また、第2取付け孔16は、側面視において、支持孔16bから本体部10の外表面10sに向かって孔幅が大きくなるように傾斜している。これにより、上口ばし22は、その対面部22aが下口ばし21の対面部21aに接する位置(
図1及び
図3に示す状態)と、両対面部21a、22aの間隔が開くように開動した位置(
図3中において時計回りの方向)への移動が可能となっている。
【0013】
なお、
図3においては、支持孔16bは、内方広がりの円形形状となっているが、構造上の要件としては、ボール部25bが挿入できる形状であれば良い。また、本体部10は、合成樹脂による成形に際して、支持孔16bを按分するようなパーティングラインを設けた金型を用いても良いが、本態様においては、一体成形されているものであり、金型構造も平易になりその成形性は極めて良い。
【0014】
ここで、
図3に示すように、上口ばし22は、第1方向(1D)に沿うように延びている状態において、その対面部22aが下口ばし21の対面部21aに対して適合するような形状に構成されている。
なお、ここでいう「適合」とは、下口ばし21において略平面形状に構成された下側の対面部21aに対し、上側の対面部22aが、図示の如く略面接触するような平面形状の場合もあるが、他の構成の場合もある。例えば、後述するように物品Pの保持に際して、上下両対面部21a,22aが平行に対面しない構成でも良い。より具体的には、例えば、上下両対面部21a,22aは、物品Pの保持が可能な形状であれば湾曲対面で互いに面接触しない構成、両対面部21a,22aの一部が点接触する構成、更には、両対面部21a,22aが接触することなく交差するように位置ずれした形状であっても良く、その構成要件として物品Pの保持が可能な形状であれば、ここでいう「適合」の概念に入る。
【0015】
また、本体部10の下端側には、例えば、底部材17により閉じられる収容空間12aが形成されている。そして、この収容空間12aには、本体部10の他の部分よりも重い(比重の大きい)、例えば金属などで構成された、重り30を収容することができる。すなわち、重り30によって、本体部10の底部分の重量が重くなり(低重心)、口部20が本体部10から大きく張り出す形状で物品Pを保持した状態でも本体部10は安定する。
【0016】
図4は、
図1に示す物品保持用スタンド1において、シート状の第1物品P1(P)を保持した状態の一例を示す側面図である。
この場合、下口ばし21の下側の対面部21a、及び上口ばし22の上側の対面部22aは、前述の如く各々平坦面であることから、上口ばし22は、第1方向(1D)と略平行に延びている状態となり、第1物品P1に対して上から面接触して押え付けるようにして当該物品P1を保持している。
【0017】
このように、上口ばし22による第1物品P1の押させ付けは、揺動部25が支持孔16bとの摩擦が小さくてフリーの状態で回動できる場合には、上口ばし22の重さが、例えば下口ばし21よりも重く構成されることで、その自重により第1物品P1を押さえつける。一方、ボール部25bと支持孔16bとの摩擦力が大きく設定された場合には、その摩擦力を利用して上口ばし22を仮固定して第1物品P1を保持する。
【0018】
図5は、
図1に示す物品保持用スタンド1において、非シート状の厚みのある第2物品P2を保持した状態の他の例を示す側面図であり、
図6は、
図5に示す第2物品P2を保持した状態の正面図である。
【0019】
図5及び
図6においては、第2物品P2として例えば鉛筆等の筆記具を保持する場合について示しているが、口部20は、上口ばし22が下口ばし21に対して開く第2方向2Dに延びている。この場合、両対面部21a,22aは、第2物品P2の大きさ(太さ)に対応するように所定の角度で開いた状態で第2物品P2を保持している。この保持状態においては、上口ばし22の自重により第2物品P2を押さえつけるようにしても良い。また、その他の保持状態としては、例えば、第2口ばし22がその回動許容範囲の最大限の位置まで回動した状態の場合、この状態において、第2物品P2を両対面部21a,22a間に押し込むように保持しても良い。更に、第2口ばし22がボール部25bの摩擦力によって比較的硬く動くように構成されている場合には、第2口ばし22の回動を途中で止めるようにして第2物品P2を両対面部21a,22a間に保持しても良い。
【0020】
このように、第2物品P2が両対面部21a,22a間に押し込まれるように強く抑えられて保持された場合には、
図6に示すように、第2物品P2の長さ方向において、その保持位置が一方側に偏った状態(
図6においては、左方向に偏っている状態)でも保持が容易にできる。
【0021】
また、第2物品P2を両対面部21a,22a間に挿入する仕方としては、上口ばし22を第2方向2Dに持ち上げた状態で第2物品P2を両対面部21a,22a間に挿入するのが通常の使い方である。しかし、他の使い方もある。
図3を参照して説明すると、例えば、第2物品P2を先端部22tに当てるようにして上口ばし22を開くようにしながら当該第2物品P2を片手でもって両対面部21a,22a間に挿入することができる。これは、上口ばし22の先端部22tは、第1方向1Dに位置している状態で下口ばし21の先端部21tよりも突出していることで、
図3に示すような操作方法が可能となる。
【0022】
図7は、
図1に示す物品保持用スタンド1のラッピング状態の一態様を示す斜視図である。
口部20を構成する下口ばし21、及び上口ばし22は、前述の如く両対面部21a,22aは平坦面に構成されているが、それ以外の外面については、曲面部21s,22sを備える。すなわち、口部20は、鳥の口ばしを模していることから、曲面部21s,22sを有してその可愛らしさが表現されている。また、口部20は、下口ばし21、上口ばし22は、本体部10に対して着脱可能であることから、例えば、
図7に示すように、本体部10の底面部17bに対面部21a,22aが接するように配置することができる。このように口部20を構成する部材を配置して、例えばラッピングフィルム80にてラッピングすることで、全体形状が略球形状となり転動し易くなり、物品供給装置にて販売提供し易い構成をとることが可能である。物品供給装置は、ラッピングフィルム80にて覆われている状態の物品保持用スタンド1をランダムな配置で複数収容可能な収容部と、収容部から一つずつ玩具1を無作為に選択して供給可能な供給部と、供給部をロックするロック部と、代価の支払いを条件としてロック部のロックを解除し供給部を回転すべく操作可能な操作部と、収容部から供給口へと物品保持用スタンド1を転動可能に通過させる通路部とを備えている。
【0023】
また、本明細書においては、下口ばし21が向いた方向を第1方向(1D)として説明したが、下口ばし21は、鳥の頭の向きが前方を向いているとは限らない。すなわち、横を向いたり、場合によっては後方に向いたりする造形もあることから、ここで言う第1方向(1D)は、本体部10の前方の所定の上下範囲だけではなく、胴体部12を基準にして例えば前方、後方、及び左右方向などあらゆる方向とすることができる。更に、第1方向(1D)の上下方向の向きについては、水平方向に対し上向き方向に90度未満、並びに水平方向に対し下向き方向に90度未満である。これは、上口ばし22がその自重によって物品Pを挟み込むことができる構成である。
【0024】
(第2の態様)
図8は、物品保持用スタンド1の他の態様を示す斜視図であり、
図9は、
図8に示す物品保持用スタンド1の側面図である。また、
図10は、
図8のXII-XII線断面図である。
図8に示す物品保持用スタンド1は、ハシビロコウを模した鳥型のものであり、この場合においても、本体部10に対して口部20が着脱可能に構成されている。また、
図8に示すハシビロコウの場合には、二本の脚部40が設けられており、この脚部40についても着脱可能に構成されている。
【0025】
ハシビロコウの口ばしを模した口部20は、
図9に示すように、本体部10の前方且つ下方へ向かう第1方向(1D)に向かって固定された下口ばし21と、
図1に示したカワセミの場合と同様に、下口ばし21との間隔を変更可能な上口ばし22と、を備えている。しかし、この場合においては、カワセミを模した構成とは異なり、対面部21a,22aが平坦面とした構成ではない。例えば、下口ばしの21の対面部21aは、側面視において、先端部21tが上口ばし22側に向って尖り状に突出した尖突部を構成しており、対面部21aが本体部10側から先端部21tに向って下方に膨らむような湾曲面に構成されている。
【0026】
一方、上口ばし22の対面部22aは、側面視において、下口ばしの21の対面部21aに概ね倣うように湾曲しているが、その先端部22tが下口ばし21の先端部21tと交差するように湾曲した構成となっている。すなわち、
図9及び
図10に示すように、口部20が閉じた状態で、上口ばし22の先端部22tは、下口ばし21の先端部21tよりも先方(図中右側)で且つ下側に位置するように下側に向って湾曲した構成となっている。また、両対面部21a,22aは、特に両先端部21t,22tの近傍においては、第1方向(1D)に対して大きく湾曲し傾斜した面を構成している。
【0027】
また、一対の脚部40は、胴体部12に対して着脱可能に設けられているが、本体部10が載置面70に置かれるときは、この脚部40と胴体部12の尾部11bとの3点支持の状態でとなり、載置面70の平坦性に左右されず安定載置を可能にする。更に、脚部40は、本体部10の他の部分よりも重く構成されていることで、重りとして機能させることができる。
【0028】
図11は、
図8に示す物品保持用スタンド1において、第1物品P1を保持した状態の一例を示す側面図である。
この場合、第1物品P1(P)は下向きに保持されている。このとき、第1物品P1(P)は、上面側においては、側面視で上口ばし22の対面部22aの略中央部分と先端部21tとの二か所で接触している一方、下面側においては、当該二か所の間で下口ばし21の先端部22tに接触した状態で保持されている。このように、第1物品P1(P)は、その上面側と下面側とで少し位置ずれした位置で且つ尖突部である先端部21t,22tによって押されることで、若干の変形を伴って確りと係止される。したがって、
図11に示すように、第1物品P1(P)が下向きに傾斜するような保持が可能となる。
【0029】
図12は、
図8に示す物品保持用スタンド1において、第2物品P2を保持した状態を示す側面図である。
図12においては、第2物品P2として
図5に示した場合と同様に筆記具を保持する場合について示しているが、この場合においては、下口ばし21は、向いた方向は下方に傾斜している。しかし、下口ばし21の対面部21aは、例えば第2物品P2の外面形状に近似した湾曲面を備えると共に先端部22tが上方に向って突出していること、また、上口ばし22が上から押えることで第2物品P2を保持している。
【0030】
本態様においては、重く構成された本体部10から例えば横方向に張り出すようして、物品Pを保持可能な上下一対の上下口ばし22,21を備えているので、物品Pを安定して保持することができる。また、上下口ばし22,21の間隔が変更できるので、口部20に保持できる物品Pのサイズが広範囲になる。
【0031】
また、本態様においては、口部20は、下口ばし21、上口ばし22が本体部10に対して着脱可能であることから、複数種類の口部20に変更して楽しむことができる。例えば、口部20の種類が変更可能であることから、形状や色彩だけの変更にとどまらず、例えば、口部20のサイズの変更、突出向きの変更、上下口ばし22、21間の開閉サイズの変更といった各種の変更が可能であるので、その用途に応じて簡易に変更することができ、使い勝手が向上する。
更に、本態様においては、口部20の突出向きが上方に向いた場合や、下側を向いた場合もあるので、使い勝手の良い物品保持用スタンドを提供できる。
【0032】
本態様においては、上下口ばし22,21において、その対面部22a,21aが適合する形状となっていることで、シート状の薄い第1物品P1でも厚みのある第2物品P2であっても確実に保持することができる。
【0033】
本態様においては、口部20の対面部21a,22aが下方に向って傾斜した形状に構成されていても、特に、対面部21a,22aが側面視で湾曲形状を有する構成となっている場合、例えば、湾曲面によって側面視或いは断面形状が円弧状などの湾曲した物品Pを、湾曲形状によって保持しやすくできる。
【0034】
また、本態様においては、対面部21a,22aに物品Pの外面に向って突出する尖突部(先端部21t、先端部22t)が設けられていることで、対面部21a,22aにて物品Pを保持する際に、尖突部が物品Pの表面に強く当接するようにできるので、物品Pの係止がより確実になる。
【0035】
本態様においては、上口ばし22は、下口ばし21に対して、対面部21a,22aが合わさるように向いているときは、シート状の第1物品P1を保持することができる。上口ばし22は、下口ばし21に対して開くようになった位置に取り得る構成であるので、厚みのある第2物品P2を保持することができる。
【0036】
本態様においては、上下口ばし22、21の対面部22a,21aが平坦面に構成されている場合には、第1物品P1の平坦な面に対して面接触するようにでき、第1物品P1は、その面がソフトに押さえられて保持される。
【0037】
本態様においては、物品Pを挟持する口部20の外観部分が曲面部21s,22sを備える構成であることで、物品Pの保持状態を可愛く演出することができる。また、口部20が本体部10から取り外された状態において、その外見の曲面部21s,22sを外側にして本体部10の底面部17bに配置するようにすることで、分解状態にある物品保持用スタンド1を略球形状に纏めることができる。
【0038】
本態様においては、上口ばし22が本体部10に対し揺動可能な揺動部25を介して本体部10に連結されていることで、揺動部を取付けることで下口ばし21に対して開閉する上口ばし22を設けることができる。また、この揺動部25の揺動半径によって上口ばし22の動きの大きさを設定することができる。また、上口ばし22が揺動する構成である場合において、上口ばし22が重く構成されていることで、上口ばし22の自重により物品Pを下口ばし21との間に挟持することができる。
【0039】
本態様においては、本体部10は、底面部17bが平坦面に形成されていることで、本体部10を載置面70に安定して置くことができる。また、底面部17b以外の外表面10sが丸みを帯びた形状を成していることで、可愛らしく演出された物品保持用スタンドを提供できる。また、外表面10sが丸みのある形状となっていることに加えて、口部20及び脚部40が着脱可能であるので、全体形状を転動し易い形状にでき、物品供給装置にて供給可能な構成とすることができる。
【0040】
本態様においては、口ばしのように突出した口部20のある頭部を有する動物で、特に、鳥を模した可愛らしい物品保持用スタンドを提供することができる。
【0041】
本態様の物品保持用スタンド1は、脚部40が着脱可能である場合、異なった脚部40を有するキャラクターに容易に変更することができる。また、口部20の着脱を合わせて変更することで、物品保持用スタンド1のキャラクター形状を大きく変えることができる。
【0042】
本態様においては、本体部10に脚部40が設けられることで、例えば、脚部40が2本の鳥の場合においては、載置面70に対して3点支持の構成とすることができるので、載置面70が平坦でない場合にも安定して載置することができる。
【0043】
本態様においては、本体部10の下部に比重の大きい重り30が設けられているので、本体部10が安定して、より大きく重い物品Pの保持が可能になる。
【0044】
また、本態様においては、脚部40が着脱可能であり且つ本体部10の他の部分よりも重く構成されている場合には、脚部40を重りとして利用でき、しかもその重りの大きさを変えることができる。
【0045】
以上、本発明の一態様について説明したが、本発明はその技術思想の範囲で適宜変更することができる。例えば、本態様においては、下口ばし21、上口ばし22の両部材が着脱可能に構成されたが、これに限るものではなく、いずれか一方が着脱可能な構成でもよい。
【0046】
また、上記の態様においては、上口ばし22が揺動する構成として、揺動部25のボール部25bが支持孔16bに回動可能に支持された構成としたが、このような回動構造に限るものではなく、例えば、胴体部12を貫通する軸部材により回動可能支持する構造であっても良い。また、この軸部材を利用した場合には、例えば、眼部19を軸部材にて構成する構造でも良い。
【0047】
以上説明してきたように、本明細書には以下の事項が開示されている。
【0048】
(1)
物品保持用スタンドであって、
第1の重さがある本体部と、
上記本体部に連結され、第1の重さよりも軽い第2の重さがある副体部と、を備え、
上記副体部は、第1方向に延びている第1部品と、上記第1部品との間隔を変更すべく動作可能な第2部品と、を含んでいる、
物品保持用スタンド。
【0049】
(2)
(1)に記載の物品保持用スタンドであって、
上記第1方向は、水平方向に対し上向き方向に90度未満の方向、又は水平方向に対し下向き方向に90度未満の方向である、
物品保持用スタンド。
【0050】
(3)
(1)又は(2)に記載の物品保持用スタンドであって、
上記副体部は、上記第1部品、上記第2部品の少なくとも一方が上記本体部に対して着脱可能である、
物品保持用スタンド。
【0051】
(4)
(1)~(3)の何れかに記載の物品保持用スタンドであって、
上記第1部品、及び上記第2部品は、各々が上記第1方向に延びている状態において、各々の対向する対面部が適合する形状である、
物品保持用スタンド。
【0052】
(5)
(4)に記載の物品保持用スタンドであって、
上記第1部品、上記第2部品の少なくとも一方の対面部は、上記第1方向に対して傾斜している、
物品保持用スタンド。
【0053】
(6)
(4)又は(5)に記載の物品保持用スタンドであって、
上記対面部は、側面視で湾曲形状である、
物品保持用スタンド。
【0054】
(7)
(4)~(6)の何れかに記載の物品保持用スタンドであって、
上記第1部品の上記対面部の一部、及び上記第2部品の上記対面部の一部には、それぞれ尖突部が設けられ、
上記両尖突部は、上記第1部品、及び上記第2部品が上記第1方向に延びている状態において、交差する位置に位置している、
物品保持用スタンド。
【0055】
(8)
(1)~(7)の何れかに記載の物品保持用スタンドであって、
少なくとも上記第2部品は、上記第1方向に延びている状態と、上記第1方向とは異なる第2方向に延びている状態との間で動作可能である、
物品保持用スタンド。
【0056】
(9)
(8)に記載の物品保持用スタンドであって、
上記副体部は、上記第2部品が上記第1方向に延びている状態において、第1物品を保持可能に構成されている、
物品保持用スタンド。
【0057】
(10)
(8)又は(9)に記載の物品保持用スタンドであって、
上記副体部は、上記第2部品が上記第2方向に延びている状態において、第2物品を保持可能に構成されている、
物品保持用スタンド。
【0058】
(11)
(10)に記載の物品保持用スタンドであって、
上記副体部は、上記第2部品が上記第1方向に延びている状態において、上記第2物品を保持不可能に構成されている、
物品保持用スタンド。
【0059】
(12)
(4)又は(5)に記載の物品保持用スタンドであって、
上記第1部品の上記対面部、及び上記第2部品の上記対面部は、各々平坦面に形成されている、
物品保持用スタンド。
【0060】
(13)
(12)に記載の物品保持用スタンドであって、
上記副体部において、上記両対面部以外の外面は、曲面部を備えている、
物品保持用スタンド。
【0061】
(14)
(1)~(13)の何れかに記載の物品保持用スタンドであって、
上記第2部品は、その重さが上記第1部品の重さよりも重い、
物品保持用スタンド。
【0062】
(15)
(1)~(14)の何れかに記載の物品保持用スタンドであって、
上記第2部品は、上記本体部に対し揺動可能な揺動部を介して上記本体部に連結されている、
物品保持用スタンド。
【0063】
(16)
(1)~(15)の何れかに記載の物品保持用スタンドであって、
上記本体部は、下面が平坦面に形成され、下面以外の外表面が丸みを帯びた形状を成している、
物品保持用スタンド。
【0064】
(17)
(1)~(16)の何れかに記載の物品保持用スタンドであって、
上記本体部は、その下部に比重の大きい重りを含んでいる、
物品保持用スタンド。
【0065】
(18)
(1)~(17)の何れかに記載の物品保持用スタンドであって、
上記本体部は、頭部及び胴体部を模した形状を成し、上記第1部品、及び上記第2部品は、口部を模した形状を成している、
物品保持用スタンド。
【0066】
(19)
(1)~(18)の何れかに記載の物品保持用スタンドであって、
上記本体部は、鳥を模した形状を成し、上記第1部品、及び上記第2部品は、口ばしを模した形状を成している、
物品保持用スタンド。
【0067】
(20)
(1)~(19)の何れかに記載の物品保持用スタンドであって、
上記本体部は、脚部をさらに備えている、
物品保持用スタンド。
【0068】
(21)
(20)に記載の物品保持用スタンドであって、
上記脚部は、着脱可能に構成されている、
物品保持用スタンド。
【符号の説明】
【0069】
1 物品保持用スタンド
10 本体部
11 頭部
12 胴体部
17b 底面部(下面)
20 口部(口ばし)
21 下口ばし
21a,22a 対面部
22 上口ばし
30 重り
40 脚部
P 物品
P1 第1物品(物品)
P2 第2物品(物品)