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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173692
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】制御装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 1/07 20060101AFI20231130BHJP
   B60R 1/26 20220101ALI20231130BHJP
【FI】
B60R1/07
B60R1/26 200
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022086126
(22)【出願日】2022-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000005463
【氏名又は名称】日野自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100130052
【弁理士】
【氏名又は名称】大阪 弘一
(72)【発明者】
【氏名】石坂 俊
【テーマコード(参考)】
3D053
【Fターム(参考)】
3D053FF18
3D053GG01
3D053GG12
3D053HH03
3D053HH10
3D053HH18
3D053HH52
3D053MM01
3D053MM37
3D053MM45
(57)【要約】
【課題】他車両の進行の阻害を抑制することができる制御装置を提供する。
【解決手段】制御装置1は、自動運転が可能な車両100であって、車両100の側方に取り付けられたサイドミラー2、サイドミラー3、カメラ4、及びセンサ5のうちの少なくとも1つの対象物を有する車両100に搭載され、対象物の格納及び展開を制御し、車両100が停止しているか否かを判定する第1判定部11と、第1判定部11が、車両100が停止していると判定した場合に、車両100の後方から車両100の走行エリアに隣接する隣接走行エリアに進行しようとする他車両200を検出する第1検出部12と、第1検出部12が他車両200を検出した場合であって対象物が展開されている場合に、当該対象物を格納する制御部16と、を備える。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動運転が可能な車両であって、前記車両の側方に取り付けられたミラー、カメラ、及びセンサのうちの少なくとも1つの対象物を有する前記車両に搭載され、前記対象物の格納及び展開を制御する制御装置であって、
前記車両が停止しているか否かを判定する第1判定部と、
前記第1判定部が、前記車両が停止していると判定した場合に、前記車両の後方から前記車両の走行エリアに隣接する走行エリアに進行しようとする他車両を検出する第1検出部と、
前記第1検出部が前記他車両を検出した場合であって前記対象物が展開されている場合に、当該対象物を格納する制御部と、
を備える、制御装置。
【請求項2】
前記車両の発進準備動作を検出する第2検出部を更に備え、
前記制御部は、前記第2検出部が前記発進準備動作を検出した場合であって前記対象物が格納されている場合に、前記対象物を展開する、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記第1検出部が前記他車両を検出した場合、前記他車両の高さを検出する第3検出部と、
前記第3検出部が検出した前記他車両の前記高さに基づいて、前記対象物が前記他車両の進行を阻害するおそれがあるか否かを判定する第2判定部と、を更に備え、
前記制御部は、前記第2判定部が、前記対象物が前記他車両の進行を阻害するおそれがあると判定した場合であって前記対象物が展開されている場合、前記対象物を格納する、
請求項1又は2に記載の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、1又は複数の自動化レベルでの自動運転が可能な車両が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-64460号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような自動運転が可能な車両においては、以下の問題点がある。すなわち、例えば、自車両が右折のために停止しているときに、直進しようとする後続車両が自車両を追い抜く場合等、自動運転モード中である自車両の後方から、他車両が、自車両の走行エリアに隣接する走行エリアに進行しようとする場合がある。このとき、手動運転モードであれば、ドライバーの目視判断によってミラー等を格納することも可能であるが、自車両が自動運転モード中(特に無人自動運転モード中)である場合には、ミラー等がドライバーによって格納されずに、ミラー等によって他車両の走行が阻害されるおそれがある。
【0005】
本開示は、他車両の進行の阻害を抑制することができる制御装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の制御装置は、自動運転が可能な車両であって、車両の側方に取り付けられたミラー、カメラ、及びセンサのうちの少なくとも1つの対象物を有する車両に搭載され、対象物の格納及び展開を制御する制御装置であって、車両が停止しているか否かを判定する第1判定部と、第1判定部が、車両が停止していると判定した場合に、車両の後方から車両の走行エリアに隣接する走行エリアに進行しようとする他車両を検出する第1検出部と、第1検出部が他車両を検出した場合であって対象物が展開されている場合に、当該対象物を格納する制御部と、を備える。
【0007】
この制御装置では、自動運転が可能な自車両が停止していると判定された場合において、自車両の後方から自車両の走行エリアに隣接する走行エリアに進行しようとする他車両が検出され、ミラー等(例えばミラー、カメラ、及びセンサ)の制御の対象物が展開されている場合に当該対象物が格納される。これにより、自車両が自動運転中であっても、ミラー等を自動的に格納することができ、他車両の進行の阻害が抑制される。
【0008】
本開示の制御装置は、車両の発進準備動作を検出する第2検出部を更に備え、制御部は、第2検出部が発進準備動作を検出した場合であって対象物が格納されている場合に、対象物を展開してもよい。この場合、発進時にミラー等の利用が可能となる。
【0009】
本開示の制御装置は、第1検出部が他車両を検出した場合、他車両の高さを検出する第3検出部と、第3検出部が検出した他車両の高さに基づいて、対象物が他車両の進行を阻害するおそれがあるか否かを判定する第2判定部と、を更に備え、制御部は、第2判定部が、対象物が他車両の進行を阻害するおそれがあると判定した場合であって対象物が展開されている場合、対象物を格納してもよい。これにより、ミラー等の不要な格納・展開動作を低減させることができる。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、他車両の進行の阻害を抑制することができる制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本実施形態に係る制御装置を備える車両を示す模式的な図である。
図2図2は、図1の制御装置を備える車両の機能的な構成を示すブロック図である。
図3図3は、図1の制御装置が行う制御方法の一連の処理を示すフローチャートである。
図4図4は、制御装置が対象物を制御する流れの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する部分を省略する。
【0013】
図1は、本実施形態に係る制御装置1を備える車両100を示す模式的な図である。図1に示される車両100は、自動運転が可能な車両である。車両100には乗員が乗車していてもよいし、車両100内は無人であってもよい。車両100は、例えば、大型車両、中型車両、普通乗用車、小型車両、及び軽車両等のいずれであってもよく、一例としてトラック等の産業車両である。
【0014】
本実施形態では、車両100は、当該車両100の側方に取り付けられた複数(例えば2つ)のサイドミラー(ミラー)2、複数(例えば2つ)のサイドミラー(ミラー)3、カメラ4、センサ5を有している。サイドミラー2は、車両100フロント部の左上側方に取り付けられている。サイドミラー2は、車両100の左側後方を確認するためのミラーである。一例として、サイドミラー2はステー(図示せず)を介してフロント部に取り付けられ得る。
【0015】
サイドミラー3は、車両100フロント部の右上側方に取り付けられている。サイドミラー3は、車両100の右側後方を確認するためのミラーである。一例として、サイドミラー3は、ステー(図示せず)を介してフロント部に取り付けられ得る。
【0016】
カメラ4は、車両100のフロント部の左上側方に取り付けられている。カメラ4は、車両100の左側後方を確認するためのものであり、車両100の左側後方の領域を撮像して、当該領域の画像を取得する。一例として、カメラ4は、ステー(図示せず)を介してフロント部に取り付けられ得る。カメラ4は、例えば、CCDカメラ等の撮像装置である。
【0017】
センサ5は、車両100フロント部の左上側方に取り付けられている。センサ5は、車両100の左側後方の物体の有無等の情報を取得するためのセンサである。センサ5は、例えば、ミリ波レーダ、ライダー(RiDAR:Light Detection and Ranging)等である。
【0018】
制御装置1は、車両100に搭載されている。制御装置1は、サイドミラー2、サイドミラー3、カメラ4、及びセンサ5のうちの少なくとも1つを対象物として、当該対象物の格納及び展開を制御する。一例として、制御装置1は、サイドミラー2、サイドミラー3、カメラ4、及びセンサ5のそれぞれを対象物として、その格納及び展開を制御する。制御装置1は、対象物がステーを介してフロント部に取り付けられている場合には、少なくとも当該ステーの格納及び展開によって、対象物を格納及び展開することができる。或いは、制御装置1は、対象物が直接的に(ステーを介さずに)フロント部に取り付けられている場合には、対象物自体を格納及び展開することができる。換言すれば、車両100には、対象物及び/又はステーを格納及び展開するための機構を有しており、制御装置1(後述する制御部16)は当該機構の駆動を制御する。
【0019】
制御装置1は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等によって構成される電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)である。制御装置1では、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、CPUで実行することで、各種の制御が実行される。制御装置1は、複数の電子制御ユニットにより構成されていてもよく、単一の電子制御ユニットにより構成されていてもよい。
【0020】
図2は、図1の制御装置1を備える車両100の機能的な構成を示すブロック図である。図2に示されるように、制御装置1は、機能的な構成要素として、第1判定部11と、第1検出部12と、第3検出部13と、第2判定部14と、第2検出部15と、制御部16と、を有している。各構成要素の機能については、ここでは簡単に説明し、後述する各構成要素の処理で詳細に説明する。
【0021】
第1判定部11は、車両100が停止しているか否かを判定する機能部である。ここでの「車両100が停止している」とは、少なくとも、右折のための一時停止等、所定の理由により車両100が一時的に止まっている状態にあることを意味する。つまり、ここでの「車両100が停止している」とは、車両100が比較的長時間にわたって止まった状態が維持される「駐車」及び「停車」を含み得る(含まなくてもよい)。第1判定部11は、車両100が停止していると判定した場合、その旨を示す停止情報を、第1検出部12に送信する。
【0022】
第1検出部12は、第1判定部11が、車両100が停止していると判定した場合に、車両100の後方から車両100の走行エリアに隣接する走行エリア(以下、「隣接走行エリア」という場合がある)に進行しようとする他車両200(以下、単に「他車両200」という場合がある)を検出する機能部である。走行エリア、及び隣接走行エリアは、区画線によって区切られた互いに隣接する2車線であってもよいし、区画線のない道路における互いに幅方向に隣接する部分的な2つのエリアであってもよい。
【0023】
図1に示される例では、車両100は、走行エリアR1を走行している。走行エリアR1の両隣には、隣接走行エリアR2,R3が存在している。隣接走行エリアR2は、走行エリアR1の左隣の領域であって、隣接走行エリアR3は、走行エリアR1の右隣の領域である。つまり、第1検出部12は、車両100が停止している場合に、走行エリアR1を車両100の後方から車両100に近付くように進行し、例えば車両100を追い越すべく走行エリアR1の左右いずれかの隣接走行エリアR2,R3に進行する(進路変更する)と予測される他車両200を検出する。第1検出部12は、他車両200を検出した場合、その旨を示す検出情報を、第3検出部13に送信する。
【0024】
第3検出部13は、第1検出部12が他車両200を検出した場合、他車両200の高さを検出する機能部である。他車両200の高さは、他車両200のルーフの高さであってもよいし、他車両200のルーフ上に荷物が積載されている場合には、当該荷物の高さであってもよい。第3検出部13は、他車両200の高さを検出した場合、その旨を示す車高情報を、第2判定部14に出力する。
【0025】
第2判定部14は、第3検出部13が検出した他車両200の高さに基づいて、対象物が他車両200の進行を阻害するおそれがあるか否かを判定する機能部である。第2判定部14は、対象物が他車両200の進行を阻害するおそれがあるか否かの判定結果を示す判定結果情報を、制御部16に送信する。
【0026】
第2検出部15は、車両100の発進準備動作を検出する機能部である。「車両100の発進準備動作」とは、停止している車両100が、発進するために行う準備動作を意味し、一例としては、車両100の自動運転制御部が、車両100のブレーキを弱める(解除する)ための信号や、車両100のアクセル開度を上昇させるための信号、或いは、車両100の方向指示器を制御するための信号を発出する動作等の種々の動作が想定され得る。第2検出部15は、車両100の発進準備動作を検出した場合、その旨を示す発進準備動作情報を、制御部16に送信する。
【0027】
制御部16は、制御対象物を制御する機能部である。具体的には、制御部16は、対象物の格納動作及び展開動作を制御する。本実施形態では、制御部16は、第2判定部14、及び第2検出部15から受け取った情報に応じて、対象物を制御する。
【0028】
次に、図3及び図4を参照して、制御装置1が行う制御方法について説明する。図3は、図1の制御装置1が行う制御方法の一連の処理を示すフローチャートである。図4は、制御装置1が対象物を制御する流れの一例を示す図である。ここでは、車両100が、無人自動運転により運行されているものとする。
【0029】
この制御方法では、まず、第1判定部11が、車両100が停止しているか否かを判定する(ステップS01)。車両100が停止しているか否かの具体的な判定方法は任意であるが、第1判定部11は、例えば、車両100の速度がゼロであることを検出して車両100が停止中であると判定したり、車両100のサイドブレーキが使用されていることを検出して車両100が停止中であると判定したりすることができる。ただし、「車両100が停止している」ことが、上述したように「駐車」及び「停車」を含まない場合には、第1判定部11は、サイドブレーキが使用されていないことを判定要件の1つとしてもよい。第1判定部11が、車両100が停止していると判定した場合(ステップS01:YES)、停止情報を第1検出部12に送信する。一方、第1判定部11が、車両100が停止していないと判定した場合(ステップS01:NO)、処理がステップS01に戻る。
【0030】
続いて、車両100が停止していると第1判定部11が判定した場合に、第1検出部12が、車両100の後方から隣接走行エリアに進行しようとする他車両200を検出する(ステップS02)。第1検出部12は、第1判定部11から停止情報を受け取ると、例えば、カメラ4により車両100の後方を撮像して車両100の後方画像を取得すると共に、当該後方画像に、走行エリアR1を走行中であり、且つ、隣接走行エリアR2,R3に進路変更すべく方向指示器を点灯させている車両の像が含まれるか否かを判定する。第1検出部12は、後方画像にそのような条件に合致する車両の像が含まれる場合に、他車両200が検出されたものとする。第1検出部12は、カメラ4が撮像する後方画像に代えて、車車間通信によって取得した情報に基づいて他車両200を検出してもよい。第1検出部12は、他車両200を検出した場合、検出情報を第3検出部13に送信する。
【0031】
図4に示される例では、交差点Iにおいて、歩行者(図示せず)が横断歩道Pを横断しており、車両100が、右折するために、横断歩道Pの手前において停止している。また、車両100の後方から、車両100の走行エリアR1を車両100に向かって進行する車両が存在する。そして、当該車両は、車両100の走行エリアR1の左隣の隣接走行エリアR2に進行しようとする他車両200である。したがって、この状況では、第1判定部11が、車両100が停止していると判定し、第1検出部12は、他車両200を検出する。
【0032】
続いて、第3検出部13が、第1検出部12が他車両200を検出した場合、他車両200の高さを検出する(ステップS03)。第3検出部13は、第1検出部12から検出情報を受け取ると、例えば、車車間通信で得た他車両200に関する情報、カメラ4が撮像した後方画像等に基づいて、他車両200の高さを検出する。これらの検出手法については、公知の技術であるので、詳細な説明を省略する。第3検出部13は、車高情報を、第2判定部14に送信する。
【0033】
続いて、第2判定部14が、第3検出部13から受け取った他車両200の高さに基づいて、対象物が他車両200の進行を阻害するおそれがあるか否かを判定する(ステップS04)。第2判定部14は、例えば、他車両200の高さと、あらかじめ取得されている対象物のそれぞれの最低地上高とを比較して、いずれかの対象物の最低地上高が他車両200の高さ以下である場合に、当該対象物が他車両200の進行を阻害するおそれがあると判定する。
【0034】
第2判定部14は、対象物が他車両200の進行を阻害するおそれがあると判定した場合(ステップS04:YES)、対象物が他車両200の進行を阻害するおそれがある旨を示す判定結果情報を制御部16に送信する。
【0035】
続いて、制御部16は、第2判定部14から、対象物が他車両200の進行を阻害するおそれがある旨を示す判定結果情報を受け取ると、対象物が展開されているか否かを判定する(ステップS05)。対象物が展開されていると判定した場合(ステップS05:YES)、制御部16は、対象物を格納する(ステップS06)。つまり、制御部16は、対象物が他車両200の進行を阻害するおそれがあると判定した場合であって対象物が展開されている場合、対象物を格納する。
【0036】
一例として、制御部16は、複数の対象物のうちの他車両200の進行を阻害するおそれのある対象物のみを格納することができる。この場合の一例としては、制御部16は、複数の対象物のうちの最低地上高の最も低いサイドミラー2のみが他車両200の進行を阻害するおそれがあると判断されている場合、図4に示されるように、当該サイドミラー2をのみ格納することができる。ただし、制御部16は、複数の対象物のうちのいずれの対象物が他車両200の進行を阻害するおそれがあるかに依らずに、全ての対象物を格納してもよい。
【0037】
続いて、第2検出部15が、車両100の発進準備動作を検出する(ステップS07)。第2検出部15は、第1判定部11によって車両100が停止していると判定された後に、上述したように車両100の発進準備動作を検出する。第2検出部15は、車両100の発進準備動作を検出した場合、発進準備動作情報を、制御部16に送信する。
【0038】
続いて、制御部16が、対象物を展開する(ステップS08)。制御部16は、第2検出部15から発進準備動作情報を受け取ると、格納していた各対象物を展開する。つまり、制御部16は、第2検出部15が発進準備動作を検出した場合であって対象物が格納されている場合に、対象物を展開する。続いて、制御装置1による処理が終了する。
【0039】
一方、ステップS04において、対象物が他車両200の進行を阻害するおそれがないと判定した場合(ステップS04:NO)、第2判定部14は、対象物が他車両200の進行を阻害するおそれがない旨を示す判定結果情報を制御部16に送信する。続いて、制御部16は、対象物が他車両200の進行を阻害するおそれがない旨を示す判定結果情報を受け取ると、対象物が格納されているか否かを判定する(ステップS09)。対象物が格納されていると判定した場合(ステップS09:YES)、制御部16は、対象物を展開する(ステップS10)。続いて、制御装置1による処理が終了する。一方、対象物が格納されていないと制御部16が判定した場合(ステップS09:NO)、制御装置1による処理が終了する。
【0040】
以上説明したように、制御装置1では、自動運転が可能な車両100が停止していると判定された場合において、車両100の後方から車両100の走行エリアに隣接する走行エリアに進行しようとする他車両200が検出され、サイドミラー2等(例えばサイドミラー2、サイドミラー3、カメラ4、及びセンサ5)の制御の対象物が展開されている場合に当該対象物が格納される。これにより、車両100が自動運転中であっても、ミラー等を自動的に格納することができ、他車両200の進行の阻害が抑制される。
【0041】
一般に、無人自動運転が可能な車両においても、場合によってはドライバーの乗務が必要となることが想定されるので、無人自動運転が可能な車両にはサイドミラー及びサイドミラーが撤去せずに装備されることが考えられる。車両100によれば、他車両200の進行を阻害するおそれがあると判定されたサイドミラー2及びサイドミラー3を自動的に格納するので、サイドミラー2及びサイドミラー3を備える車両100が自動運転中であっても、他車両200の進行の阻害を防ぐことができる。
【0042】
本実施形態では、制御部16が、車両100の発進準備動作を検出する第2検出部15が発進準備動作を検出した場合であって対象物が格納されている場合に、対象物を展開する。この場合、発進時にサイドミラー2等の利用が可能となる。
【0043】
本実施形態では、第3検出部13が検出した他車両200の高さに基づいて、対象物が他車両200の進行を阻害するおそれがあるか否かを判定する第2判定部14が、対象物が他車両200の進行を阻害するおそれがあると判定した場合であって対象物が展開されている場合、制御部16が、対象物を格納する。これにより、サイドミラー2等の不要な格納・展開動作を低減させることができる。特に、車両100がトラック等の大型車両であって、他車両200が普通自動車等の中型・小型車両である場合には、他車両200が車両100のサイドミラー2等に干渉するリスクがなく、サイドミラー2等を格納・展開をする必要がないので、サイドミラー2等の不要な格納・展開動作を確実に低減させることができる。
【0044】
以上の実施形態は、本開示の一側面を説明したものである。したがって、本開示は、上述した例に限定されず、任意に変形され得る。
【0045】
例えば、制御装置1は、物理的又は論理的に結合した1つの装置によって構成されていてもよく、互いに物理的又は論理的に分離している複数の装置によって構成されてもよい。例えば、制御装置1は、クラウドコンピューティングのようにネットワーク上に分散された複数のコンピュータによって実現されてもよい。以上のように、制御装置1の構成は、制御装置1の機能を実現し得るいかなる構成をも含み得る。
【0046】
制御装置1が制御する対象物は、サイドミラー2、サイドミラー3、カメラ4、及びセンサ5のうちの少なくとも1つであればよく、例えば、サイドミラー2及びサイドミラー3のみであってもよい。また、カメラ4、及びセンサ5の取り付け位置は、車両100の側方であればよく、特に限定されない。
【0047】
制御装置1は、第3検出部13を有していなくてもよい。その場合、図3に示されるステップS03の処理は、省略されてもよく、第2判定部14は、センサ5が検出した他車両200に関する情報、後方画像等に基づいて、他車両200の走行を車両100が阻害するおそれがあるか否かを判定してもよい。
【0048】
また、制御装置1は、第2判定部14を有していなくてもよく、その場合、図3に示されるステップS04の処理は、省略されてもよい。また、制御装置1は、第2検出部15を有していなくてもよく、その場合、図3に示されるステップS07,S08の処理は、省略されてもよい。更に、図3に示されるS09,S10の処理は、省略されてもよい。つまり、制御装置1は、第1判定部11、第1検出部12、及び制御部16を備えていればよく、制御部16は、第1検出部12が他車両200を検出した場合であって対象物が展開されている場合に、対象物を格納すればよい。
【0049】
制御部16は、ステップS06の後に、例えば、カメラ4、センサ5等を用いて、他車両200が車両100を追い越したことを検出し、他車両200が車両100を追い越したと検出した場合に対象物を展開する処理を行ってもよい。
【符号の説明】
【0050】
1…制御装置、2…サイドミラー(ミラー)、3…サイドミラー(ミラー)、4…カメラ、5…センサ、11…第1判定部、12…第1検出部、13…第3検出部、14…第2判定部、15…第2検出部、16…制御部、100…車両、200…他車両、R1…走行エリア、R2,R3…隣接走行エリア。
図1
図2
図3
図4