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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173700
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】浴室ユニット
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/20 20060101AFI20231130BHJP
   E03C 1/28 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
E03C1/20 B
E03C1/28 B
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022086138
(22)【出願日】2022-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【識別番号】100172188
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 敬人
(74)【代理人】
【識別番号】100197538
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 功
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】西坂 献太郎
(72)【発明者】
【氏名】森岡 祥子
【テーマコード(参考)】
2D061
【Fターム(参考)】
2D061CA02
2D061CB06
2D061CB10
2D061CC04
2D061CC07
2D061CC13
2D061DA01
(57)【要約】
【課題】排水トラップにおける漏水の発生を抑制するとともに、浴槽の下に架台を設けなくても床パンに対する浴槽の上下方向の位置を決定できる浴室ユニットを提供する。
【解決手段】洗い場床と、洗い場床に設けられた第1排水部と、を有する床パンと、浴槽本体と、浴槽本体に設けられた第2排水部と、を有する浴槽と、第1排水部と接続される第1導水部と、第2排水部と接続される第2導水部と、排水管と接続される第3導水部と、を有し、第1導水部及び第2導水部が第3導水部に対して一体的に設けられた排水トラップと、床パンと浴槽との間に設けられ、浴槽本体の側方の少なくとも一部を覆うバスエプロンと、床パンと浴槽との間に設けられ、床パンと浴槽とを連結する連結具と、を備え、連結具により床パンと浴槽とが連結されることにより、床パンに対する浴槽の上下方向の位置が決定される、浴室ユニット。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗い場床と、前記洗い場床に設けられた第1排水部と、を有する床パンと、
浴槽本体と、前記浴槽本体に設けられた第2排水部と、を有する浴槽と、
前記第1排水部と接続される第1導水部と、前記第2排水部と接続される第2導水部と、排水管と接続される第3導水部と、を有し、前記第1導水部及び前記第2導水部が前記第3導水部に対して一体的に設けられた排水トラップと、
前記床パンと前記浴槽との間に設けられ、前記浴槽本体の側方の少なくとも一部を覆うバスエプロンと、
前記床パンと前記浴槽との間に設けられ、前記床パンと前記浴槽とを連結する連結具と、
を備え、
前記連結具により前記床パンと前記浴槽とが連結されることにより、前記床パンに対する前記浴槽の上下方向の位置が決定される、浴室ユニット。
【請求項2】
前記浴槽は、前記浴槽本体の下に設けられた複数の支持脚をさらに有し、
前記複数の支持脚は、設置面に直接的に設置される、請求項1記載の浴室ユニット。
【請求項3】
前記連結具は、前記浴槽の長手方向の一端において前記床パンと前記浴槽との間に設けられる第1連結具と、前記浴槽の長手方向の他端において前記床パンと前記浴槽との間に設けられる第2連結具と、を有する、請求項1記載の浴室ユニット。
【請求項4】
前記連結具は、樹脂を含む、請求項1記載の浴室ユニット。
【請求項5】
前記第1排水部と前記第1導水部とは、回転不能に接続される、請求項1~4のいずれか1つに記載の浴室ユニット。
【請求項6】
前記第1排水部と前記第1導水部とは、前記第1排水部及び前記第1導水部に設けられた回転抑制部により、回転不能に接続される、請求項5記載の浴室ユニット。
【請求項7】
前記回転抑制部は、前記第1排水部に設けられた凹部と、前記第1導水部に設けられた凸部と、を有し、前記凹部と前記凸部とが係合することにより、前記第1排水部と前記第1導水部とを回転不能に接続する、請求項6記載の浴室ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に、浴室ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
床パンと、浴槽と、バスエプロンと、を施工現場で組み立てることで設置される浴室ユニットが知られている。このような浴室ユニットでは、床パンや浴槽からの水を排水管に流すために、床パンの排水部及び浴槽の排水部と排水管との間に、排水トラップを接続する。
【0003】
特許文献1では、床パンに対する浴槽の上下方向の位置が異なる場合でも、排水トラップを確実に接続するために、可撓性を有するフレキシブル管を含む排水トラップを使用することが提案されている。しかし、このような排水トラップでは、フレキシブル管を使用するために、接続不良による漏水が生じる場合があった。
【0004】
そこで、特許文献2では、床パン及び浴槽の下に架台を設け、フレキシブル管を含まない(すなわち、一体的に形成された)排水トラップを架台に固定することで、架台の上に設置される床パンの排水部及び浴槽の排水部に対して排水トラップを接続することが提案されている。また、特許文献2では、浴槽の下に設けた架台によって、床パンに対する浴槽の上下方向の位置を決定することが提案されている。
【0005】
しかし、このような架台は、通常、金属部材で構成されるため、浴槽の下に架台を設けると、浴室ユニットの製造コストが増大するという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第5327689号公報
【特許文献2】特許第5656023号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の態様は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、排水トラップにおける漏水の発生を抑制するとともに、浴槽の下に架台を設けなくても床パンに対する浴槽の上下方向の位置を決定できる浴室ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明は、洗い場床と、前記洗い場床に設けられた第1排水部と、を有する床パンと、浴槽本体と、前記浴槽本体に設けられた第2排水部と、を有する浴槽と、前記第1排水部と接続される第1導水部と、前記第2排水部と接続される第2導水部と、排水管と接続される第3導水部と、を有し、前記第1導水部及び前記第2導水部が前記第3導水部に対して一体的に設けられた排水トラップと、前記床パンと前記浴槽との間に設けられ、前記浴槽本体の側方の少なくとも一部を覆うバスエプロンと、前記床パンと前記浴槽との間に設けられ、前記床パンと前記浴槽とを連結する連結具と、を備え、前記連結具により前記床パンと前記浴槽とが連結されることにより、前記床パンに対する前記浴槽の上下方向の位置が決定される、浴室ユニットである。
【0009】
この浴室ユニットによれば、第1導水部及び第2導水部が第3導水部に対して一体的に設けられた排水トラップを用いることで、フレキシブル管を含む排水トラップを用いた場合と比べて、排水トラップにおける漏水の発生を抑制できる。また、連結具により床パンと浴槽とが連結されることにより、床パンに対する浴槽の上下方向の位置が決定されるため、浴槽の下に架台を設けなくても、床パンに対する浴槽の上下方向の位置を決定できる。浴槽の下に架台を設ける必要がないため、浴槽の下に架台を設ける場合と比べて、より低コストで排水トラップにおける漏水の抑制と、床パンに対する浴槽の上下方向の位置決定と、を両立できる。
【0010】
第2の発明は、第1の発明において、前記浴槽は、前記浴槽本体の下に設けられた複数の支持脚をさらに有し、前記複数の支持脚は、設置面に直接的に設置される、浴室ユニットである。
【0011】
この浴室ユニットによれば、複数の支持脚が設置面に直接的に設置されることで、複数の支持脚を介して、浴槽を設置面に直接的に設置することができる。また、複数の支持脚によって、浴槽本体の上下方向の位置を調整することができる。つまり、架台を設けなくても、浴槽本体を所望の上下方向の位置に配置することができる。
【0012】
第3の発明は、第1の発明において、前記連結具は、前記浴槽の長手方向の一端において前記床パンと前記浴槽との間に設けられる第1連結具と、前記浴槽の長手方向の他端において前記床パンと前記浴槽との間に設けられる第2連結具と、を有する、浴室ユニットである。
【0013】
この浴室ユニットによれば、2つの連結具(第1連結具及び第2連結具)を設けることで、床パンと浴槽とをより確実に連結することができる。また、第1連結具及び第2連結具をそれぞれ、浴槽の長手方向の両端に設けることで、第1連結具と第2連結具との間の幅を広くすることができる。これにより、施工やメンテナンスの作業者が手を入れるための空間を確保しやすい。したがって、浴室ユニットを設置する際の施工性や浴室ユニットを設置した後のメンテナンス性を向上させることができる。
【0014】
第4の発明は、第1の発明において、前記連結具は、樹脂を含む、浴室ユニットである。
【0015】
この浴室ユニットによれば、連結具が樹脂を含むことで、連結具が金属からなる場合と比べて、連結具の製造コストを低減できる。また、連結具が樹脂を含むことで、連結具が金属からなる場合と比べて、多湿の環境下においても錆などによる劣化が少なく、連結具の耐久性を向上できる。また、連結具が樹脂を含むことで、連結具が金属からなる場合と比べて、軽量であるため、連結具を設置する際の施工性を向上させることができる。
【0016】
第5の発明は、第1~第4のいずれか1つの発明において、前記第1排水部と前記第1導水部とは、回転不能に接続される、浴室ユニットである。
【0017】
この浴室ユニットによれば、床パンの第1排水部と排水トラップの第1導水部とが回転不能に接続されることで、床パンに排水トラップを接続したときに、床パンに対する排水トラップの第2導水部の水平方向の位置が自動的に決定される。そして、排水トラップの第2導水部に対して浴槽の第2排水部を接続することで、浴槽を床パンに対して所望の位置に配置することができる。つまり、床パンに排水トラップを接続するだけで、床パンに対する浴槽の水平方向の位置を決定できるため、施工者による床パンに対する浴槽の水平方向の位置合わせの作業を省略することができる。したがって、浴室ユニットを設置する際の施工性を向上させることができる。
【0018】
第6の発明は、第5の発明において、前記第1排水部と前記第1導水部とは、前記第1排水部及び前記第1導水部に設けられた回転抑制部により、回転不能に接続される、浴室ユニットである。
【0019】
この浴室ユニットによれば、床パンの第1排水部と排水トラップの第1導水部とが、第1排水部及び第1導水部に設けられた回転抑制部により、回転不能に接続されることで、床パンに排水トラップが接続され、排水トラップを床パンに固定する際に、固定作業時に排水トラップに掛かる応力による供回り等により、ズレが生じることを抑制できる。そのため、施工者による排水トラップの回転方向の位置出し作業を省略することができ、床パンに対する浴槽の水平方向の位置合わせの作業を簡単に行うことができる。より具体的には、排水トラップが床パンを挟むように床パンの表面側から固定具等でネジ止めされる場合に、ネジ止めの際に排水トラップに掛かる応力により、排水トラップが供回りすることを抑制することができる。したがって、浴室ユニットを設置する際の施工性を向上させることができる。
【0020】
第7の発明は、第6の発明において、前記回転抑制部は、前記第1排水部に設けられた凹部と、前記第1導水部に設けられた凸部と、を有し、前記凹部と前記凸部とが係合することにより、前記第1排水部と前記第1導水部とを回転不能に接続する、浴室ユニットである。
【0021】
この浴室ユニットによれば、床パンの第1排水部に設けられた凹部と排水トラップの第1導水部に設けられた凸部とが係合することにより、第1排水部と第1導水部とが回転不能に接続されることで、より確実に第1排水部と第1導水部とを回転不能に接続することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の態様によれば、排水トラップにおける漏水の発生を抑制するとともに、浴槽の下に架台を設けなくても床パンに対する浴槽の上下方向の位置を決定できる浴室ユニットが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】実施形態に係る浴室ユニットの一部を斜め上方から見た状態を示す斜視図である。
図2】実施形態に係る浴室ユニットの一部を斜め上方から見た状態を示す斜視図である。
図3】実施形態に係る浴室ユニットの一部を斜め下方から見た状態を示す斜視図である。
図4】実施形態に係る浴室ユニットの一部の分解斜視図である。
図5】実施形態に係る排水トラップを示す斜視図である。
図6】実施形態に係る連結具の周辺を示す斜視図である。
図7】実施形態に係る連結具の周辺を示す斜視図である。
図8】実施形態の変形例に係る連結具の周辺を示す斜視図である。
図9】実施形態の変形例に係る連結具の周辺を示す斜視図である。
図10】実施形態に係る浴室ユニットの床パンと排水トラップとの接続部分の周辺を示す斜視図である。
図11】実施形態に係る浴室ユニットの床パンと排水トラップとの接続部分の周辺を示す斜視図である。
図12】実施形態に係る浴室ユニットの設置方法を説明するための斜視図である。
図13】実施形態に係る浴室ユニットの設置方法を説明するための斜視図である。
図14】実施形態に係る浴室ユニットの設置方法を説明するための斜視図である。
図15】実施形態に係る浴室ユニットの設置方法を説明するための斜視図である。
図16】実施形態に係る浴室ユニットの設置方法を説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、実施形態に係る浴室ユニットの一部を斜め上方から見た状態を示す斜視図である。
図2は、実施形態に係る浴室ユニットの一部を斜め上方から見た状態を示す斜視図である。
図3は、実施形態に係る浴室ユニットの一部を斜め下方から見た状態を示す斜視図である。
図4は、実施形態に係る浴室ユニットの一部の分解斜視図である。
図5は、実施形態に係る排水トラップを示す斜視図である。
図1図5に表したように、実施形態に係る浴室ユニット100は、床パン10と、浴槽20と、排水トラップ30と、バスエプロン40と、連結具50と、を備えている。浴室ユニット100は、例えば、建築躯体の設置面Sに設置される。
【0025】
床パン10は、設置面Sの一部である第1設置面S1に設置される。床パン10は、洗い場床11と、第1排水部12と、複数の支持脚13と、を有する。
【0026】
洗い場床11は、床部11aと、縁部11bと、を有する。床部11aは、水平方向に拡がる平板状である。床部11aは、洗い場として使用される。縁部11bは、床部11aの浴槽20側の端部に設けられ、上方に延びる部分を含む。
【0027】
第1排水部12は、洗い場床11の床部11aに設けられている。第1排水部12は、洗い場床11(床部11a)上の水を排出するために設けられる。洗い場床11(床部11a)上の水は、第1排水部12を介して、排水トラップ30に排出される。この例では、第1排水部12を上方から覆う排水カバー14が設けられている。
【0028】
複数の支持脚13は、洗い場床11の下に設けられ、洗い場床11を支持している。複数の支持脚13の少なくとも一部は、床部11aの下に設けられる。複数の支持脚13の一部は、縁部11bの下に設けられてもよい。複数の支持脚13は、例えば、第1設置面S1に直接的に設置される。つまり、洗い場床11は、例えば、複数の支持脚13を介して、第1設置面S1に直接的に設置される。洗い場床11は、例えば、架台を介さずに、第1設置面S1に設置される。
【0029】
この例では、6つの支持脚13が設けられている。複数の支持脚13の数は、6に限定されず、4以上であればいくつであってもよい。複数の支持脚13は、上下方向の長さを変更可能であることが好ましい。
【0030】
浴槽20は、設置面Sの他の一部である第2設置面S2に設置される。第2設置面S2は、水平方向において、第1設置面S1と隣接する。つまり、浴槽20は、水平方向において、床パン10と隣接する位置に設けられる。浴槽20は、浴槽本体21と、第2排水部22と、複数の支持脚23と、を有する。
【0031】
浴槽本体21は、上方が開放された箱状である。浴槽本体21の平面視における形状は、略長方形である。浴槽本体21は、底面部21aと、側面部21bと、リム部21cと、を有する。底面部21aは、浴槽本体21の下部に位置し、浴槽本体21の底を構成する。側面部21bは、底面部21aの外周から上方に向かって延び、浴槽本体21の側壁を構成する。側面部21bは、浴槽本体21の長手方向に沿って延びる一対の長手側面部21b1と、浴槽本体21の短手方向に沿って延びる一対の短手側面部21b2と、を有する。リム部21cは、側面部21bの上端から浴槽本体21の外側(底面部21aとは反対側)に向かって水平方向に延び、浴槽本体21の上端部を構成する。リム部21cの床パン10側の一部は、上下方向において、洗い場床11の縁部11bと重なる。この例では、リム部21cの床パン10側の一部は、上下方向において、洗い場床11の縁部11bと重なっているが、必ずしも重ならなくてもよい。
【0032】
第2排水部22は、浴槽本体21の底面部21aに設けられている。第2排水部22は、浴槽本体21の内部(底面部21a及び側面部21bにより囲まれた領域の内部)の水を排出するために設けられる。浴槽本体21の内部の水は、第2排水部22を介して、排水トラップ30に排出される。第2排水部22には、第2排水部22からの排水を開始させたり停止させたりするための図示しない排水栓が設けられる。
【0033】
複数の支持脚23は、浴槽本体21の下に設けられ、浴槽本体21を支持している。複数の支持脚23は、底面部21aの下に設けられる。複数の支持脚23は、例えば、第2設置面S2に直接的に設置される。つまり、浴槽本体21は、例えば、複数の支持脚23を介して、第2設置面S2に直接的に設置される。浴槽本体21は、例えば、架台を介さずに、第2設置面S2に設置される。
【0034】
この例では、4つの支持脚23が設けられている。複数の支持脚23の数は、4に限定されず、4以上であればいくつであってもよい。複数の支持脚23は、上下方向の長さを変更可能であることが好ましい。
【0035】
複数の支持脚23が設置面S(第2設置面S2)に直接的に設置されることで、複数の支持脚23を介して、浴槽本体21を設置面Sに直接的に設置することができる。また、複数の支持脚23によって、浴槽本体21の上下方向の位置を調整することができる。つまり、架台を設けなくても、浴槽本体21を所望の上下方向の位置に配置することができる。
【0036】
排水トラップ30は、床パン10及び浴槽20の下に設けられる。より具体的には、排水トラップ30は、設置面S(第1設置面S1)と床パン10との間、及び、設置面S(第2設置面S2)と浴槽20との間に設けられる。
【0037】
図3図5に表したように、排水トラップ30は、第1導水部31と、第2導水部32と、第3導水部33と、を有する。第1導水部31の下端部(下流側の端部)及び第2導水部32の下端部(下流側の端部)は、第3導水部33に接続されている。この例では、第3導水部33において、第1導水部31が接続される位置は、第2導水部32が接続される位置よりも下流側に位置している。第1導水部31の上端部(上流側の端部)は、床パン10の第1排水部12と接続される。第2導水部32の上端部(上流側の端部)は、浴槽20の第2排水部22と接続される。第3導水部33の第2導水部32とは反対側の端部(下流側の端部)は、図示しない排水管と接続される。
【0038】
洗い場床11上の水は、床パン10の第1排水部12から、排水トラップ30の第1導水部31を介して第3導水部33に流れ、第3導水部33に接続された排水管から浴室ユニット100の外部に排出される。浴槽本体21の内部の水は、浴槽20の第2排水部22から、排水トラップ30の第2導水部32を介して第3導水部33に流れ、第3導水部33に接続された排水管から浴室ユニット100の外部に排出される。
【0039】
第1導水部31及び第2導水部32は、第3導水部33に対して一体的に設けられている。この例では、上下方向に沿って延びる第1導水部31及び第2導水部32の下端部が、水平方向に沿って延びる第3導水部33に接続されている。これにより、第1導水部31と第2導水部32との間の相対位置は、固定されている。排水トラップ30は、例えば、全体が硬質なプラスチックで一体的に形成されている。排水トラップ30は、例えば、フレキシブル管を含まない。排水トラップ30は、一体成形されたものであってもよいし、複数の部材が固定されることにより一体的に形成されたものであってもよい。
【0040】
第1導水部31及び第2導水部32が第3導水部33に対して一体的に設けられた排水トラップ30を用いることで、フレキシブル管を含む排水トラップを用いた場合と比べて、排水トラップ30における漏水の発生を抑制できる。
【0041】
バスエプロン40は、上下方向において、床パン10と浴槽20との間に設けられている。より具体的には、バスエプロン40は、上下方向において、洗い場床11の縁部11bと浴槽本体21のリム部21cとの間に設けられている。バスエプロン40は、浴槽本体21の側方の少なくとも一部を覆っている。より具体的には、バスエプロン40は、浴槽本体21の側面部21bの少なくとも一部を覆っている。この例では、バスエプロン40は、浴槽本体21の長手側面部21b1の少なくとも一部を覆っている。なお、図2及び図3では、バスエプロン40を取り外した状態を示している。バスエプロン40は、例えば、浴槽本体21と連結具50に対して固定される。
【0042】
連結具50は、上下方向において、床パン10と浴槽20との間に設けられている。より具体的には、連結具50は、上下方向において、洗い場床11の縁部11bと浴槽本体21のリム部21cとの間に設けられている。連結具50は、床パン10と浴槽20とを連結している。連結具50は、浴槽20が床パン10側に向かって倒れることを抑制している。連結具50は、床パン10及び浴槽20に対して、ねじ止めなどにより固定される。
【0043】
浴室ユニット100では、連結具50により床パン10と浴槽20とが連結されることにより、床パン10に対する浴槽20の上下方向の位置が決定される。これにより、浴槽20の下に架台を設けなくても、床パン10に対する浴槽20の上下方向の位置を決定できる。浴槽20の下に架台を設ける必要がないため、浴槽20の下に架台を設ける場合と比べて、より低コストで排水トラップ30における漏水の抑制と、床パン10に対する浴槽20の上下方向の位置決定と、を両立できる。
【0044】
この例では、2つの連結具50が設けられており、第1連結具51と、第2連結具52と、を有する。第1連結具51は、浴槽20の長手方向の一端に設けられている。第2連結具52は、浴槽20の長手方向の他端に設けられている。なお、連結具50の数は、2つに限定されず、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。例えば1つの場合は、浴槽20の長手方向に延びる板状に設けてもよい。
【0045】
第1連結具51は、浴槽20の長手方向の一端において、床パン10と浴槽20との間に設けられている。より具体的には、第1連結具51は、浴槽20の長手方向の一端において、洗い場床11の縁部11bと浴槽本体21のリム部21cとの間に設けられている。第1連結具51は、洗い場床11の縁部11bの一側の端部と、浴槽本体21のリム部21cの一側の端部との間に設けられている。
【0046】
第2連結具52は、浴槽20の長手方向の他端において、床パン10と浴槽20との間に設けられている。より具体的には、第2連結具52は、浴槽20の長手方向の他端において、洗い場床11の縁部11bと浴槽本体21のリム部21cとの間に設けられている。第2連結具52は、洗い場床11の縁部11bの他側の端部と、浴槽本体21のリム部21cの他側の端部との間に設けられている。
【0047】
2つの連結具50(第1連結具51及び第2連結具52)を設けることで、床パン10と浴槽20とをより確実に連結することができる。また、第1連結具51及び第2連結具52をそれぞれ、浴槽20の長手方向の両端に設けることで、第1連結具51と第2連結具52との間の幅を広くすることができる。これにより、施工やメンテナンスの作業者が手を入れるための空間を確保しやすい。したがって、浴室ユニット100を設置する際の施工性や浴室ユニット100を設置した後のメンテナンス性を向上させることができる。
【0048】
連結具50は、例えば、樹脂を含む。連結具50は、例えば、樹脂からなることが好ましい。連結具50は、例えば、金属を含まないことが好ましい。
【0049】
連結具50が樹脂を含むことで、連結具50が金属からなる場合と比べて、連結具50の製造コストを低減できる。また、連結具50が樹脂を含むことで、連結具50が金属からなる場合と比べて、多湿の環境下においても錆などによる劣化が少なく、連結具50の耐久性を向上できる。また、連結具50が樹脂を含むことで、連結具50が金属からなる場合と比べて、軽量であるため、連結具50を設置する際の施工性を向上させることができる。
【0050】
以下、連結具50について、さらに詳しく説明する。
図6及び図7は、実施形態に係る連結具の周辺を示す斜視図である。
図7は、図6に示したA1-A2線における断面の斜視図である。
図6に表したように、連結具50は、第1延在部56と、第2延在部57と、接続部58と、バスエプロン固定部59と、を有する。
【0051】
第1延在部56は、上下方向に沿って延びる板状の部材であり、浴槽20の長手方向に沿って拡がっている。第1延在部56は、第1部分56aと、第2部分56bと、第3部分56cと、を有する。第1部分56aは、第1延在部56の最上部に位置し、接続部58と接続されている。第2部分56bは、第1部分56aの下に位置している。第3部分56cは、第2部分56bの下に位置している。第3部分56cは、床パン10の洗い場床11の縁部11bに対して、ねじ止めなどにより固定される。
【0052】
第1部分56a、第2部分56b、及び第3部分56cの浴槽20の長手方向に沿う幅を、それぞれ、幅W1、幅W2、幅W3とする。この例では、幅W2は、幅W1よりも小さい。つまり、この例では、第1延在部56は、第2部分56bにおいて、切り欠かれている。幅W2を幅W1よりも小さくすることで、施工やメンテナンスの作業者が手を入れるための空間を確保しやすい。これにより、浴室ユニット100を設置する際の施工性や浴室ユニット100を設置した後のメンテナンス性を向上させることができる。幅W2は、例えば、幅W1と同じでもよい。また、この例では、幅W3は、幅W1よりも大きい。幅W3を幅W1よりも大きくすることで、連結具50においてバスエプロン固定部59が設けられる部分(第3部分56c)を大きくとることが可能となり、浴室ユニット100を設置する際の施工性や浴室ユニット100を設置した後のメンテナンス性を損なわず、バスエプロン固定部59等を設けることができる。幅W3は、例えば、幅W1と同じでもよいし、小さくてもよい。幅W3を幅W1より小さくする場合は、例えばバスエプロン固定部59を連結具50の上部に設けてもよい。
【0053】
第2延在部57は、上下方向に沿って延びる板状の部材であり、浴槽20の短手方向に沿って拡がっている。第2延在部57は、第1延在部56に対して垂直に接続されている。
【0054】
接続部58は、水平方向に沿って延びる板状の部材であり、第1延在部56の上端から浴槽20の短手方向に沿って延びている。接続部58は、第1延在部56に対して垂直に接続されている。接続部58は、浴槽本体21のリム部21cの下端に対して、ねじ止めなどにより固定される。床パン10に対する接続部58の上下方向の位置によって、床パン10に対する浴槽本体21の上下方向の位置が決定される。
【0055】
バスエプロン固定部59は、第1延在部56の下部に設けられている。バスエプロン固定部59は、第3部分56cに設けられている。バスエプロン固定部59は、バスエプロン40と係合することで、バスエプロン40を連結具50に対して固定する。
【0056】
図7に表したように、連結具50は、ジョイナー65により、浴室ユニット100の壁を構成する壁パネル60と接続される。ジョイナー65は、連結具50の第2延在部57と壁パネル60とが浴室ユニット100の内部において同一平面を形成するように、連結具50及び壁パネル60を保持する。なお、図6では、壁パネル60を省略している。
【0057】
図8は、実施形態の変形例に係る連結具の周辺を示す斜視図である。
図8に表したように、連結具50は、床パン10と浴槽20との間(洗い場床11の縁部11bと浴槽本体21のリム部21cとの間)に設置された状態で、浴槽20の長手方向に沿ってスライド移動可能に設けられていてもよい。
【0058】
連結具50をスライド移動可能とすることで、施工やメンテナンスの作業者が手を入れるための空間を確保しやすい。これにより、浴室ユニット100を設置する際の施工性や浴室ユニット100を設置した後のメンテナンス性を向上させることができる。なお、この場合には、第2部分56bにおいて、第1延在部56を切り欠かなくてもよい。
【0059】
図9は、実施形態の変形例に係る連結具の周辺を示す斜視図である。
図9に表したように、連結具50の第3部分56cは、浴槽20の長手方向に沿って延びていてもよい。また、第3部分56cの一部は、下方に切り欠かれていてもよい。
【0060】
第3部分56cの一部を切り欠くことで、施工やメンテナンスの作業者が手を入れるための空間を確保しやすく、浴槽下の空間を目視しやすい。これにより、浴室ユニット100を設置する際の施工性や浴室ユニット100を設置した後のメンテナンス性を向上させることができる。
【0061】
以下、床パン10と排水トラップ30との接続について、さらに詳しく説明する。
図10及び図11は、実施形態に係る浴室ユニットの床パンと排水トラップとの接続部分の周辺を示す斜視図である。
図10は、床パン10と排水トラップ30とを接続する前の状態を示している。図11は、床パン10と排水トラップ30とを接続した後の状態を示している。
図10及び図11に表したように、床パン10の第1排水部12と排水トラップ30の第1導水部31とは、例えば、第1排水部12及び第1導水部31に設けられた回転抑制部80により、回転不能に接続される。
【0062】
回転抑制部80は、凹部81と、凸部82と、を有する。凹部81は、第1排水部12に設けられている。凸部82は、第1導水部31に設けられている。回転抑制部80は、凹部81と凸部82とが係合することにより、第1排水部12と第1導水部31とを回転不能に接続する。
【0063】
床パン10の第1排水部12と排水トラップ30の第1導水部31とが回転不能に接続されることで、床パン10に排水トラップ30を接続したときに、床パン10に対する排水トラップ30の第2導水部32の水平方向の位置が自動的に決定される。そして、排水トラップ30の第2導水部32に対して浴槽20の第2排水部22を合わせて接続することで、浴槽20を床パン10に対して所望の位置に配置することができる。つまり、床パン10に排水トラップ30を接続するだけで、床パン10に対する浴槽20の水平方向の位置を決定できるため、施工者による床パン10に対する浴槽20の水平方向の位置合わせの作業を省略することができる。したがって、浴室ユニット100を設置する際の施工性を向上させることができる。
【0064】
また、第1排水部12と第1導水部31とが、第1排水部12及び第1導水部31に設けられた回転抑制部80により、回転不能に接続されることで、床パン10に排水トラップ30が接続され、排水トラップ30を床パン10に固定する際に、固定作業時に排水トラップ30に掛かる応力による供回り等によりズレが生じることを抑制できる。そのため、施工者による排水トラップの回転方向の位置出し作業を省略することができ、施工者による床パン10に対する浴槽20の水平方向の位置合わせの作業を簡単に行うことができる。したがって、浴室ユニットを設置する際の施工性を向上させることができる。より具体的には、排水トラップ30が床パン10を挟むように床パン10の表面側から固定具等でネジ止めされる場合に、ネジ止めの際に排水トラップ30に掛かる応力により、排水トラップ30が供回りすることを抑制することができる。したがって、浴室ユニット100を設置する際の施工性を向上させることができる。
【0065】
また、第1排水部12に設けられた凹部81と第1導水部31に設けられた凸部82とが係合することにより、第1排水部12と第1導水部31とが回転不能に接続されることで、より確実に第1排水部12と第1導水部31とを回転不能に接続することができる。
【0066】
この例では、凹部81が第1排水部12に設けられ、凸部82が第1導水部31に設けられる場合について説明したが、凹部81が第1導水部31に設けられ、凸部82が第1排水部12に設けられていてもよい。また、回転抑制部80は、回転を抑制できるものであればよく、凹部81及び凸部82以外の機構であってもよい。具体的には、凹部81及び凸部82の代わりに、第1排水部12及び第1導水部31に波形状の構造または櫛歯状の構造を形成し、これらの構造が互いに係合することで、第1排水部12と第1導水部31とを回転不能に接続してもよい。また、凹部81及び凸部82の代わりに、第1排水部12及び第1導水部31に上面視で楕円形状または矩形形状の接続部を形成し、これらの接続部が互いに係合することで、第1排水部12と第1導水部31とを回転不能に接続してもよい。また、回転抑制部80は、第1排水部12のみに設けられる機構であってもよいし、第1導水部31のみに設けられる機構であってもよい。
【0067】
以下、実施形態に係る浴室ユニット100の設置方法について、説明する。
図12図16は、実施形態に係る浴室ユニットの設置方法を説明するための斜視図である。
浴室ユニット100を設置する際には、まず、図12に表したように、設置面S(第1設置面S1)に床パン10を設置するとともに、床パン10に排水トラップ30を取り付ける。このとき、排水トラップ30を床パン10に取り付けてから床パン10を設置してもよいし、床パン10を設置した後で排水トラップ30を床パン10に取り付けてもよい。排水トラップ30は、床パン10に対して、ねじ止めなどにより固定される。
【0068】
次に、図13に表したように、設置面S(第2設置面S2)に浴槽20を設置する。このとき、浴槽20の支持脚23のうち、床パン10側の支持脚23を床パン10とは反対側の支持脚23よりも短くすることで、浴槽20を床パン10側にわずかに傾かせる。
【0069】
次に、図14に表したように、床パン10と浴槽20との間に、連結具50を取り付ける。連結具50は、床パン10及び浴槽20に対して、ねじ止めなどにより固定される。これにより、連結具50により床パン10と浴槽20とが連結され、床パン10に対する浴槽20の上下方向の位置が決定される。
【0070】
より具体的には、長手方向の一端側において、第1連結具51により床パン10と浴槽20とが連結されることにより、床パン10と浴槽20との間の上下方向の長さL1が決定される。また、長手方向の他端側において、第2連結具52により床パン10と浴槽20とが連結されることにより、床パン10と浴槽20との間の上下方向の長さL2が決定される。この状態で、浴槽20の支持脚23の長さを調整することで、浴槽本体21と設置面S(第2設置面S2)との間の上下方向の長さL3が決定され、浴槽20の水平レベルが確定する。
【0071】
次に、図15に表したように、連結具50にジョイナー65を取り付けることで、ジョイナー65を連結具50に固定する。
【0072】
次に、図16に表したように、連結具50にバスエプロン40を取り付けることで、連結具50にバスエプロン40を固定する。壁パネル60は、バスエプロン40を取り付ける前に取り付けてもよいし、バスエプロン40を取り付けた後に取り付けてもよい。
【0073】
このように、実施形態に係る浴室ユニット100では、浴槽20の下に架台を設けなくても、連結具50により、床パン10に対する浴槽20の上下方向の位置を決定できる。
【0074】
実施形態は、以下の構成を含んでもよい。
【0075】
(構成1)
洗い場床と、前記洗い場床に設けられた第1排水部と、を有する床パンと、
浴槽本体と、前記浴槽本体に設けられた第2排水部と、を有する浴槽と、
前記第1排水部と接続される第1導水部と、前記第2排水部と接続される第2導水部と、排水管と接続される第3導水部と、を有し、前記第1導水部及び前記第2導水部が前記第3導水部に対して一体的に設けられた排水トラップと、
前記床パンと前記浴槽との間に設けられ、前記浴槽本体の側方の少なくとも一部を覆うバスエプロンと、
前記床パンと前記浴槽との間に設けられ、前記床パンと前記浴槽とを連結する連結具と、
を備え、
前記連結具により前記床パンと前記浴槽とが連結されることにより、前記床パンに対する前記浴槽の上下方向の位置が決定される、浴室ユニット。
【0076】
(構成2)
前記浴槽は、前記浴槽本体の下に設けられた複数の支持脚をさらに有し、
前記複数の支持脚は、設置面に直接的に設置される、構成1記載の浴室ユニット。
【0077】
(構成3)
前記連結具は、前記浴槽の長手方向の一端において前記床パンと前記浴槽との間に設けられる第1連結具と、前記浴槽の長手方向の他端において前記床パンと前記浴槽との間に設けられる第2連結具と、を有する、構成1または2に記載の浴室ユニット。
【0078】
(構成4)
前記連結具は、樹脂を含む、構成1~3のいずれか1つに記載の浴室ユニット。
【0079】
(構成5)
前記第1排水部と前記第1導水部とは、回転不能に接続される、構成1~4のいずれか1つに記載の浴室ユニット。
【0080】
(構成6)
前記第1排水部と前記第1導水部とは、前記第1排水部及び前記第1導水部に設けられた回転抑制部により、回転不能に接続される、構成5記載の浴室ユニット。
【0081】
(構成7)
前記回転抑制部は、前記第1排水部に設けられた凹部と、前記第1導水部に設けられた凸部と、を有し、前記凹部と前記凸部とが係合することにより、前記第1排水部と前記第1導水部とを回転不能に接続する、構成6記載の浴室ユニット。
【0082】
以上のように、実施形態によれば、排水トラップにおける漏水の発生を抑制するとともに、浴槽の下に架台を設けなくても床パンに対する浴槽の上下方向の位置を決定できる浴室ユニットが提供される。
【0083】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、浴室ユニットが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0084】
10:床パン
11:洗い場床
11a:床部
11b:縁部
12:第1排水部
13:支持脚
14:排水カバー
20:浴槽
21:浴槽本体
21a:底面部
21b:側面部
21b1:長手側面部
21b2:短手側面部
21c:リム部
22:第2排水部
23:支持脚
30:排水トラップ
31:第1導水部
32:第2導水部
33:第3導水部
40:バスエプロン
50:連結具
51:第1連結具
52:第2連結具
56:第1延在部
56a:第1部分
56b:第2部分
56c:第3部分
57:第2延在部
58:接続部
59:バスエプロン固定部
60:壁パネル
65:ジョイナー
80:回転抑制部
81:凹部
82:凸部
100:浴室ユニット
S:設置面
S1:第1設置面
S2:第2設置面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【手続補正書】
【提出日】2023-10-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗い場床と、前記洗い場床に設けられた第1排水部と、を有する床パンと、
浴槽本体と、前記浴槽本体に設けられた第2排水部と、を有する浴槽と、
前記第1排水部と接続される第1導水部と、前記第2排水部と接続される第2導水部と、排水管と接続される第3導水部と、を有し、前記第1導水部及び前記第2導水部が前記第3導水部に対して一体的に設けられた排水トラップと、
前記床パンと前記浴槽との間に設けられ、前記浴槽本体の側方の少なくとも一部を覆うバスエプロンと、
前記洗い場床の縁部と前記浴槽本体のリム部との間に設けられ、前記縁部と前記リム部とを連結する連結具と、
を備え、
前記連結具により前記床パンと前記浴槽とが連結されることにより、前記床パンに対する前記浴槽の上下方向の位置が決定される、浴室ユニット。
【請求項2】
前記バスエプロンは、前記浴槽本体と前記連結具に対して固定される、請求項1記載の浴室ユニット。
【請求項3】
壁を構成する壁パネルと、
固定部材と、
をさらに備え、
前記連結具は、前記固定部材により前記壁パネルと接続される、請求項1記載の浴室ユニット。
【請求項4】
前記浴槽は、前記浴槽本体の下に設けられた複数の支持脚をさらに有し、
前記複数の支持脚は、設置面に直接的に設置される、請求項1記載の浴室ユニット。
【請求項5】
前記連結具は、前記浴槽の長手方向の一端において前記床パンと前記浴槽との間に設けられる第1連結具と、前記浴槽の長手方向の他端において前記床パンと前記浴槽との間に設けられる第2連結具と、を有する、請求項1記載の浴室ユニット。
【請求項6】
前記連結具は、樹脂を含む、請求項1記載の浴室ユニット。
【請求項7】
前記第1排水部と前記第1導水部とは、回転不能に接続される、請求項1~のいずれか1つに記載の浴室ユニット。
【請求項8】
前記第1排水部と前記第1導水部とは、前記第1排水部及び前記第1導水部に設けられた回転抑制部により、回転不能に接続される、請求項記載の浴室ユニット。
【請求項9】
前記回転抑制部は、前記第1排水部に設けられた凹部と、前記第1導水部に設けられた凸部と、を有し、前記凹部と前記凸部とが係合することにより、前記第1排水部と前記第1導水部とを回転不能に接続する、請求項記載の浴室ユニット。