(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173709
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】電力管理システム
(51)【国際特許分類】
H02J 13/00 20060101AFI20231130BHJP
H02J 3/38 20060101ALI20231130BHJP
H02J 3/32 20060101ALI20231130BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20231130BHJP
G01C 21/34 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
H02J13/00 301A
H02J3/38 130
H02J3/32
H02J7/00 P
G01C21/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022086150
(22)【出願日】2022-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】504093467
【氏名又は名称】トヨタホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村松 奈美
【テーマコード(参考)】
2F129
5G064
5G066
5G503
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB03
2F129CC15
2F129CC16
2F129CC28
2F129DD20
2F129DD24
2F129DD27
2F129DD62
2F129EE52
2F129FF02
2F129FF18
2F129FF20
2F129FF32
2F129GG17
2F129GG18
2F129HH20
2F129HH21
5G064AA01
5G064AC05
5G064AC09
5G064DA11
5G066HB09
5G066JB03
5G503AA01
5G503AA04
5G503BA04
5G503BB01
5G503FA06
5G503GD04
5G503GD06
(57)【要約】
【課題】余剰電力を有する一方の建物から電力が不足している他方の建物への電力の供給を可能とすると共に、一方の建物から他方の建物に電力が供給されるまでの時間の短縮を図ることができる電力管理システムを得る。
【解決手段】電力管理システム10は、データサーバ16を備えており、このデータサーバ16は、建物12間において走行時間が最も短くなると推定される走行経路を取得可能とされている。このため、データサーバ16によって、余剰電力を有する一方の建物12と電力が不足している他方の建物12との間において走行時間が最も短くなると推定される走行経路を取得することができる。そして、データサーバ16から一方の建物12の敷地内に駐車された電気自動車に対して、この走行経路を含む走行経路情報が送信される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の建物に設置されると共に太陽光で発電可能な太陽光発電装置と、
前記複数の建物に設置されると共に前記太陽光発電装置で発電された電力を蓄積可能な蓄電装置と、
通常時において前記複数の建物の敷地内にそれぞれ駐車された電気自動車に搭載された蓄電部と、
前記複数の建物に対して設置され、前記電気自動車と当該建物との間に介在し、当該建物側から前記蓄電部への電力の供給又は当該蓄電部から当該建物側への電力の供給が可能な充放電装置と、
前記複数の建物に対して設置され、前記蓄電部間において一方の前記蓄電部から他方の前記蓄電部への電力の供給を可能とされた充電装置と、
前記建物間において走行時間が最も短くなると推定される走行経路を取得可能とされると共に、当該走行経路を含む走行経路情報を前記電気自動車に対して送信可能とされたデータサーバと、
を有する電力管理システム。
【請求項2】
前記データサーバは、前記走行経路情報として、前記建物間の最短経路を取得可能とされている、
請求項1に記載の電力管理システム。
【請求項3】
前記データサーバは、前記走行経路情報として、前記建物間の複数の経路における渋滞情報を取得可能とされると共に、交通密度が最も小さい当該経路を取得可能とされている、
請求項1に記載の電力管理システム。
【請求項4】
前記電気自動車は、自動運転制御装置を備えると共に、当該自動運転制御装置は、前記データサーバから送信された前記走行経路情報を取得して、当該電気自動車が走行する走行経路を設定可能とされている、
請求項1~請求項3の何れか1項に記載の電力管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、ホームエネルギー管理システムに関する発明が開示されている。このホームエネルギー管理システムでは、太陽光発電装置によって得られた電力が余剰となった場合、この電力は、建物の分電盤と接続された蓄電池や電気自動車の車両用蓄電池に蓄えられるようになっている。そして、蓄電池や車両用蓄電池に蓄えられた電力は、太陽光発電装置が発電できない夜間等において、建物内の負荷に供給されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、太陽光発電装置が発電できない状態において、蓄電池及び車両用蓄電池の両方の電力を使用しても、建物内の負荷への電力供給を賄うことが困難となることがある。
【0005】
一方で、建物内の負荷による消費電力の状況如何によっては、蓄電池及び車両用蓄電池に蓄えられた電力の一部が余剰電力となることが考えられる。
【0006】
この点、電力の有効利用の観点では、余剰電力を有する一方の建物から、電力が不足している他方の建物に電力を供給できることが好ましい。また、一方の建物から他方の建物への電力の供給は、可能な限り迅速に行われることが好ましい。
【0007】
本発明は上記事実を考慮し、余剰電力を有する一方の建物から電力が不足している他方の建物への電力の供給を可能とすると共に、一方の建物から他方の建物に電力が供給されるまでの時間の短縮を図ることができる電力管理システムを得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様に係る電力管理システムは、複数の建物に設置されると共に太陽光で発電可能な太陽光発電装置と、前記複数の建物に設置されると共に前記太陽光発電装置で発電された電力を蓄積可能な蓄電装置と、通常時において前記複数の建物の敷地内にそれぞれ駐車された電気自動車に搭載された蓄電部と、前記複数の建物に対して設置され、前記電気自動車と当該建物との間に介在し、当該建物側から前記蓄電部への電力の供給又は当該蓄電部から当該建物側への電力の供給が可能な充放電装置と、前記複数の建物に対して設置され、前記蓄電部間において一方の前記蓄電部から他方の前記蓄電部への電力の供給を可能とされた充電装置と、前記建物間において走行時間が最も短くなると推定される走行経路を取得可能とされると共に、当該走行経路を含む走行経路情報を前記電気自動車に対して送信可能とされたデータサーバと、を有している。
【0009】
第1の態様に係る電力管理システムでは、複数の建物に対して太陽光で発電可能な太陽光発電装置が設置されている。このため、これらの建物では、昼間等の太陽光発電装置が発電可能な時間帯において、太陽光発電装置によって発電された電力を建物内の負荷に供給することができる。
【0010】
また、本態様では、これらの建物に対して蓄電装置が設置されており、太陽光発電装置が発電可能な時間帯において、太陽光発電装置で発電された電力が余った場合、すなわち当該電力が建物内の負荷の消費電力を上回った場合には、蓄電装置に当該電力の一部を蓄積させることができる。このため、夜間等の太陽光発電装置が発電不可能な時間帯において、蓄電装置に蓄積された電力を建物内の負荷に供給することができる。
【0011】
さらに、本態様では、通常時において複数の建物の敷地内にそれぞれ電気自動車が駐車されており、電気自動車と建物との間には、充放電装置が介在している。そして、充放電装置は、建物側から電気自動車に搭載された蓄電部への電力の供給又は蓄電部から建物側への電力の供給が可能とされている。このため、太陽光発電装置が発電可能な時間帯において、太陽光発電装置で発電された電力が余った場合には、蓄電部に当該電力の一部を蓄積させることができる。そして、太陽光発電装置が発電不可能な時間帯において、蓄電部に蓄積された電力を建物内の負荷に供給することができる。
【0012】
ところで、太陽光発電装置が発電できない状態において、蓄電装置及び蓄電部の両方の電力を使用しても、建物内の負荷への電力供給を賄うことが困難となることがある。
【0013】
一方で、建物内の負荷による消費電力の状況如何によっては、蓄電装置及び蓄電部に蓄えられた電力の一部が余剰電力となることが考えられる。
【0014】
この点、電力の有効利用の観点では、余剰電力を有する一方の建物から、電力が不足している他方の建物に電力を供給できることが好ましい。また、一方の建物から他方の建物への電力の供給は、可能な限り迅速に行われることが好ましい。
【0015】
ここで、本態様では、複数の建物に対して充電装置が設置されており、この充電装置は一方の電気自動車の蓄電部から他方の電気自動車の蓄電部へ電力を供給することができる。
【0016】
また、本態様では、データサーバを備えており、このデータサーバは、建物間において走行時間が最も短くなると推定される走行経路を取得可能とされている。このため、データサーバによって、余剰電力を有する一方の建物と電力が不足している他方の建物との間において走行時間が最も短くなると推定される走行経路を取得することができる。そして、データサーバから一方の建物の敷地内に駐車された電気自動車に対して、この走行経路を含む走行経路情報が送信される。
【0017】
その結果、本態様では、余剰電力を有する一方の建物から、この建物側の電気自動車を、上記走行経路を経由して、電力が不足している他方の建物に走行させることができる。そして、一方の建物側の電気自動車の蓄電部から充電装置を介して他方の建物側の電気自動車の蓄電部に供給して、この蓄電部から他方の建物に電力を供給するこができる。
【0018】
第2の態様に係る電力供給システムは、第1の態様に係る電力管理システムにおいて、前記データサーバは、前記走行経路情報として、前記建物間の最短経路を取得可能とされている。
【0019】
第2の態様に係る電力管理システムでは、データサーバによって余剰電力を有する一方の建物と電力が不足している他方の建物との間の最短経路を取得し、一方の建物から他方の建物に電力を輸送する電気自動車に、この最短経路を走行させることができる。
【0020】
第3の態様に係る電力管理システムは、第1の態様に係る電力管理システムにおいて、前記データサーバは、前記走行経路情報として、前記建物間の複数の経路における渋滞情報を取得可能とされると共に、交通密度が最も小さい当該経路を取得可能とされている。
【0021】
第3の態様に係る電力管理システムでは、データサーバによって余剰電力を有する一方の建物と電力が不足している他方の建物との間の複数の経路における渋滞情報を取得することができる。そして、データサーバは、これらの経路のうち交通密度が最も小さい経路を取得することができる。
【0022】
このため、本態様では、一方の建物から他方の建物に電力を輸送する電気自動車に、交通密度が比較的小さい経路を走行させることができる。
【0023】
第4の態様に係る電力供給システムは、第1の態様~第3の態様の何れか1態様に係る電力管理システムにおいて、前記電気自動車は、自動運転制御装置を備えると共に、当該自動運転制御装置は、前記データサーバから送信された前記走行経路情報を取得して、当該電気自動車が走行する走行経路を設定可能とされている。
【0024】
第4の態様に係る電力管理システムでは、通常時において複数の建物の敷地内にそれぞれ駐車された電気自動車が、自動運転制御装置を備えている。そして、この自動運転制御装置は、データサーバから走行経路情報を取得すると共に、電気自動車が走行する走行経路を設定することができる。このため、余剰電力を有する一方の建物から電力が不足している他方の建物へ電気自動車の自動運転によって電力を輸送することができる。
【発明の効果】
【0025】
以上説明したように、第1の態様に係る電力管理システムでは、余剰電力を有する一方の建物から電力が不足している他方の建物への電力の供給を可能とすると共に、一方の建物から他方の建物に電力が供給されるまでの時間の短縮を図ることができるという優れた効果を有する。
【0026】
第2の態様に係る電力管理システムでは、余剰電力を有する一方の建物から電力が不足している他方の建物へ電力を輸送する電気自動車の走行距離を短くすることができるという優れた効果を有する。
【0027】
第3の態様に係る電力管理システムでは、余剰電力を有する一方の建物から電力が不足している他方の建物へ電力を輸送する電気自動車が交通渋滞に巻き込まれることを抑制することができるという優れた効果を有する。
【0028】
第4の態様に係る電力管理システムでは、余剰電力を有する一方の建物から電力が不足している他方の建物へ、一方の建物側の居住者が電気自動車を運転することなく、電力を輸送することができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本実施形態に係る電力管理システムの構成を模式的に示す概略図である。
【
図2】本実施形態に係る電力管理システムにおいて電気自動車間で電力を供給している状態を模式的に示す概略図である。
【
図3】本実施形態に係る電力管理システムにおいて建物の制御装置のハードウェア構成並びにその周辺機器との関係を示すブロック図である。
【
図4】本実施形態に係る電力管理システムにおいて車両制御装置のハードウェア構成並びにその周辺機器との関係を示すブロック図である。
【
図5】本実施形態に係る電力管理システムにおいてデータサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図6】本実施形態に係る電力管理システムの機能構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、
図1~
図6を用いて、本発明に係る電力管理システムについて説明する。
図1及び
図2に示されるように、本実施形態に係る「電力管理システム10」は、複数の「建物12」にそれぞれに配置された各種機器と、建物12の敷地内に駐車された「電気自動車14」に搭載された各種機器と、「データサーバ16」とを含んで構成されている。
【0031】
具体的には、建物12側の電力管理システム10の一部を構成する機器としては、建物12に設置された「太陽光発電装置18」、分電装置20、「蓄電装置22」、建物12の近傍に配置された「充放電装置24」並びに電気自動車14に搭載された蓄電部としての「バッテリパック26」同士の電力の授受に使用される「充電装置28」が挙げられる。
【0032】
太陽光発電装置18は、建物12の屋根面に設置されると共に、太陽光が照射されることで発電可能とされている。そして、太陽光発電装置18で発電された電力は、分電装置20を介して、蓄電装置22、バッテリパック26及び建物12内の複数の負荷30に供給されるようになっている。なお、負荷30としては、種々の家電機器等が挙げられる。
【0033】
分電装置20は、制御装置32、計測部34、切替部36、電力変換部38及び分電盤40を備えている。
【0034】
制御装置32は、
図3に示されるように、CPU(Central Processing Unit)32A、ROM(Read Only Memory)32B、RAM(Random Access Memory)32C、ストレージ32D、通信I/F(Inter Face)32E及び入出力I/F32Fを含んで構成されている。そして、CPU32A、ROM32B、RAM32C、ストレージ32D、通信I/F32E及び入出力I/F32Fは、バス32Gを介して相互に通信可能に接続されている。
【0035】
CPU32Aは、中央演算処理ユニットとされており、各種プログラムの実行によって各種機器を制御し、太陽光発電装置18で発電された電力の分配を制御可能とされている。具体的には、CPU32Aは、ROM32Bからプログラムを読み出し、RAM32Cを作業領域としてプログラムを実行可能とされている。そして、ROM32Bに記憶された実行プログラムが、CPU32Aで読み出されて実行されることで、制御装置32は、後述するように、種々の機能を発揮することが可能となっている。
【0036】
ストレージ32Dは、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)を含んで構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム及び各種データが記憶されている。また、ストレージ32Dには、建物12の位置情報、計測部34による計測結果が記憶されるようになっている。
【0037】
通信I/F32Eは、制御装置32とネットワークNとの接続に用いられるインターフェースとされており、データサーバ16等と通信することが可能とされている。このインターフェースには、例えば、イーサネット(登録商標)、FDDI、Wi-Fi(登録商標)等の通信規格が用いられる。また、通信I/F32Eは、無線装置を備えていてもよい。
【0038】
入出力I/F32Fは、制御装置32が、計測部34、切替部36及び電力変換部38と通信するためのインターフェースとされている。
【0039】
計測部34は、太陽光発電装置18で発電された電力、分電盤40を介して複数の負荷30で消費される電力及び蓄電装置22に蓄積されている電力を計測し、これらの計測結果を計測信号として制御装置32に送信可能とされている。
【0040】
切替部36は、図示しない複数のリレーを含んで構成されており、制御装置32による制御に基づいて、太陽光発電装置18と分電盤40との接続状態、太陽光発電装置18と蓄電装置22との接続状態、太陽光発電装置18と充放電装置24との接続状態、蓄電装置22と分電盤40との接続状態並びに充放電装置24と分電盤40との接続状態を切り替え可能とされている。
【0041】
電力変換部38は、太陽光発電装置18から供給された直流電力を蓄電装置22に供給可能な直流電力に変換可能な図示しないDC/DCコンバータと、太陽光発電装置18から供給された直流電力を充放電装置24に供給可能な直流電力に変換可能な図示しないDC/DCコンバータと、太陽光発電装置18や蓄電装置22から供給された直流電力を負荷30に供給可能な交流電力に変換可能な図示しないインバータとを備えている。
【0042】
分電盤40は、複数の負荷30と電力変換部38との間に介在しており、太陽光発電装置18から供給された電力は、分電盤40を介して各負荷30に供給されるようになっている。
【0043】
蓄電装置22は、図示しない複数のバッテリモジュールを含んで構成されており、切替部36及び電力変換部38を介して太陽光発電装置18から供給された電力を蓄積可能とされている。また、蓄電装置22に蓄積された電力は、太陽光発電装置18が発電できない状態において、電力変換部38及び分電盤40を介して各負荷30に供給されるようになっている。
【0044】
充放電装置24は、制御装置42と、電力変換部44とを備えている。そして、制御装置42は、電気自動車14のバッテリパック26の充電時において、電力変換部44の図示しないDC/DCコンバータを制御して、分電装置20から供給された直流電力をバッテリパック26に供給可能な直流電力に変換可能とされている。
【0045】
また、制御装置42は、バッテリパック26から分電装置20への電力の供給時において、電力変換部44のDC/DCコンバータを制御して、バッテリパック26から供給された直流電力を分電装置20に供給可能な直流電力に変換可能とされている。
【0046】
さらに、制御装置42は、分電装置20の制御装置32及び後述する電気自動車14の「車両制御装置52」と通信可能とされており、車両制御装置52からバッテリパック26の電力残量情報を取得して、この電力残量情報に基づく電力残量信号を所定時間毎に制御装置32に送信可能とされている。
【0047】
充電装置28は、その使用者によって持ち運び可能とされており、ケーブル28Aを介して2台の電気自動車14と電気的に接続可能とされている。また、充電装置28は、一方の電気自動車14のバッテリパック26から供給された直流電力を他方の電気自動車14のバッテリパック26に供給可能な直流電力に変換可能な図示しないDC/DCコンバータを備えている。そして、充電装置28を、一方の電気自動車14及び他方の電気自動車14に電気的に接続した状態で作動させることで、一方のバッテリパック26から他方のバッテリパック26に電力を供給することが可能となっている。
【0048】
次に、
図6を用いて、制御装置32の機能構成について説明する。制御装置32は、CPU32AがROM32Bに記憶された実行プログラムを読み出し、これを実行することによって、通信部46、電力状況情報生成部48及び充放電切替部50の集合体として機能する。
【0049】
通信部46は、ネットワークNを介して各種機器と通信可能とされており、
図1にも示されるように、データサーバ16及び電気自動車14の車両制御装置52と種々の情報を送受信可能とされている。
【0050】
電力状況情報生成部48は、計測部34から送信される計測信号に基づいて蓄電装置22に蓄積されている電力残量情報を取得可能とされると共に、後述するように、車両制御装置52側からバッテリパック26の電力残量情報及び電気自動車14における1日当たりの平均電力使用量を取得可能とされている。
【0051】
また、電力状況情報生成部48は、計測部34による計測結果に基づき、建物12の1日当たりの平均電力使用量を算出可能とされている。そして、電力状況情報生成部48は、建物12の位置、蓄電装置22の電力残量、バッテリパック26の電力残量、電気自動車14における1日当たりの平均電力使用量及び建物12の1日当たりの平均電力使用量が関連付けられた電力状況情報の生成が可能とされている。また、電力状況情報生成部48は、所定時間毎に、この電力状況情報をデータサーバ16に送信するようになっている。
【0052】
充放電切替部50は、計測信号に基づいて、太陽光発電装置18で発電された電力量と複数の負荷30で消費される電力量とを比較するようになっている。そして、充放電切替部50が、太陽光発電装置18で発電された電力が、複数の負荷30で消費される電力よりも大きいと判定した場合、充放電切替部50は、切替部36を制御することで、余剰電力を蓄電装置22又は充放電装置24に供給するようになっている。
【0053】
詳しくは、充放電切替部50は、太陽光発電装置18と蓄電装置22とが接続されている第1状態と、太陽光発電装置18と充放電装置24とが接続されている第2接続状態とを切り替えることが可能とされている。
【0054】
そして、充放電切替部50は、計測部34から送信された計測信号に基づいて蓄電装置22が満充電ではないと判定した場合に、切替部36を制御することで上記第1状態に切り替えるようになっている。
【0055】
また、充放電切替部50が、計測信号に基づいて蓄電装置22が満充電であると判定した場合には、充放電切替部50は、切替部36を制御することで上記第2状態に切り替えるようになっている。すなわち、本実施形態では、バッテリパック26の充電よりも蓄電装置22の充電が優先されるようになっている。
【0056】
一方、充放電切替部50が、計測信号に基づいて、太陽光発電装置18で発電された電力が、複数の負荷30で消費される電力よりも小さいと判定した場合、充放電切替部50は、切替部36を制御することで、蓄電装置22に蓄えられた電力又はバッテリパック26に蓄えられた電力を負荷30に対して供給させるようになっている。なお、本実施形態において、充放電切替部50は、蓄電装置22から負荷30への電力の供給よりも、バッテリパック26から負荷30への電力の供給を優先するようになっている。
【0057】
図1に戻り、電気自動車14は、モータ等を含んで構成された図示しないパワーユニットを備えており、このパワーユニットは、バッテリパック26から供給された電力で駆動するようになっている。また、電気自動車14には、車両制御装置52が搭載されている。
【0058】
バッテリパック26は、図示しない複数のバッテリモジュールを含んで構成されており、その容量は蓄電装置22の容量よりも大きい。そして、このバッテリパック26は、電気自動車14に設けられた接続部及びこの接続部にケーブル24A(
図2参照)を介して充放電装置24と電気的に接続されることで、建物12側との電力の受け渡しが可能とされている。
【0059】
一方、車両制御装置52は、
図4に示されるように、CPU52A、ROM52B、RAM52C、ストレージ52D、通信I/F52E及び入出力I/F52Fを含んで構成されている。また、CPU52A、ROM52B、RAM52C、ストレージ52D、通信I/F52E及び入出力I/F52Fは、バス52Gを介して相互に通信可能に接続されている。なお、CPU52A、ROM52B、RAM52C、ストレージ52D、通信I/F52E及び入出力I/F52Fは、上述した制御装置32を構成しているものと基本的に同様の機能を備えている。そして、ROM52Bに記憶された実行プログラムが、CPU52Aで読み出されて実行されることで、車両制御装置52は、種々の機能を発揮することが可能となっている。
【0060】
詳しくは、CPU52Aは、ROM52Bから電気自動車14の自動運転及びバッテリパック26の充電及び放電に係る各種プログラムを読み出し、RAM52Cを作業領域として当該プログラムを実行可能とされている。
【0061】
また、通信I/F52Eは、車両制御装置52とネットワークNとの接続に用いられるインターフェースとされており、データサーバ16及び制御装置32等と通信することが可能とされている。そして、通信I/F52Eが受信した各種情報は、ストレージ52Dに記憶されるようになっている。
【0062】
入出力I/F54Fは、車両制御装置52が電気自動車14に搭載された各装置と通信するためのインターフェースとされている。そして、車両制御装置52は、入出力I/F54Fを介して後述する各装置に相互に通信可能に接続されている。
【0063】
車両制御装置52に接続される装置には、上述したバッテリパック26の図示しない制御装置、GPS(Global Positioning System)装置54、外部センサ56、内部センサ58及びアクチュエータ60が挙げられる。
【0064】
GPS装置54は、図示しないGPS衛星からの信号を受信する図示しないアンテナを備えており、電気自動車14の現在位置を測定可能とされている。そして、GPS装置54で測定された電気自動車14の位置情報は、ストレージ52Dで一時的に記憶されるようになっている。
【0065】
外部センサ56は電気自動車14の周辺環境の検出に用いられるセンサ群とされている。この外部センサ56には、例えば、所定範囲を撮像するカメラ、所定範囲に探査波を送信するミリ波レーダ及び所定範囲をスキャンするLIDAR(Laser Imaging Detection and Ranging)等が含まれる。また、外部センサ56で取得されたデータは、ストレージ52Dに一時的に記憶されるようになっている。
【0066】
内部センサ58は、電気自動車14の走行状態の検出に用いられるセンサ群とされており、例えば、車速センサ、加速度センサ及びヨーレートセンサが含まれる。そして、内部センサ58で取得されたデータは、ストレージ52Dに一時的に記憶されるようになっている。
【0067】
アクチュエータ60は、図示しないスロットルアクチュエータ、ブレーキアクチュエータ及び操舵アクチュエータを含んで構成されており、アクチュエータ60によって、アクセル装置、ブレーキ装置及び操舵装置を含む図示しない駆動装置を制御可能とされている。
【0068】
次に、
図6を用いて車両制御装置52の機能構成について説明する。車両制御装置52は、CPU52AがROM52Bに記憶された実行プログラムを読み出し、これを実行することによって、通信部62、自動運転情報取得部64、自動運転制御部66及び給電情報制御部68の集合体として機能する。
【0069】
通信部62は、データサーバ16及び制御装置32と種々の信号を送受信可能とされており、後述するように、これらと電力の輸送に関する情報等の伝達が可能とされている。
【0070】
自動運転情報取得部64は、電気自動車14の自動運転に必要なデータを取得可能とされている。この自動運転情報取得部64で取得される情報には、GPS装置54で測定された電気自動車14の位置情報、外部センサ56で得られた電気自動車14の周辺環境に関するデータ、内部センサ58で得られた電気自動車14の走行状態に関するデータ及びデータサーバ16から得られた電気自動車14の走行経路情報等が含まれる。そして、自動運転情報取得部64で取得された上記データは、自動運転制御部66に送信されるようになっている。
【0071】
自動運転制御部66は、自動運転情報取得部84で取得された情報に基づき、アクチュエータ60を制御して、電気自動車14を、余剰電力を有する一方の建物12から電力が不足している他方の建物12まで走行させるようになっている。つまり、車両制御装置52は、自動運転制御装置としても機能している。
【0072】
給電情報制御部68は、バッテリパック26の制御装置を制御可能とされると共に、充放電装置24を介して建物12の制御装置32と相互に通信可能とされている。また、給電情報制御部68は、バッテリパック26に蓄積されている電力残量に基づいてバッテリパック26側から送信される電力残量信号を受信することで、バッテリパック26の電力残量情報を取得可能とされている。
【0073】
また、給電情報制御部68は、内部センサ58等から取得した電気自動車14の走行データ及びバッテリパック26の電力残量情報に基づき、電気自動車14における1日当たりの平均電力使用量を算出可能とされている。そして、給電情報制御部68は、バッテリパック26の電力残量情報及び電気自動車14における1日当たりの平均電力使用量を含むデータを充放電装置24の制御装置42に送信可能とされている。
【0074】
次に、
図5及び
図6を主に用いて、データサーバ16の構成について説明する。データサーバ16は、CPU16A、ROM16B、RAM16C、ストレージ16D及び通信I/F16Eを含んで構成されている。そして、CPU16A、ROM16B、RAM16C、ストレージ16D及び通信I/F16Eは、バス16Fを介して相互に通信可能に接続されている。なお、CPU16A、ROM16B、RAM16C、ストレージ16D及び通信I/F16Eは、上述した制御装置32を構成しているものと基本的に同様の機能を備えている。そして、ROM16Bに記憶された実行プログラムが、CPU16Aで読み出されて実行されることで、データサーバ16は、種々の機能を発揮することが可能となっている。
【0075】
なお、ストレージ16Dには、建物12の制御装置32等から取得した種々の情報が記憶されるようになっている。また、ストレージ16Dには、地図情報、具体的には道路の位置情報、道路形状の情報(例えば車線数、車線の種類等)、信号の位置情報及び道路の近傍に配置されている電柱の位置情報等が記憶されている。なお、ここでいう位置情報には、2次元的な(平面的な)位置情報のみでなく、3次元的な(立体的な)位置情報も含まれる。また、上記地図情報は、所定の期間毎に更新されるようになっている。
【0076】
詳しくは、データサーバ16は、CPU16AがROM16Bに記憶された実行プログラムを読み出し、これを実行することによって、通信部70、振分部72、被供給側情報取得部74、供給側情報取得部76、交通経路取得部78、交通情報取得部80及び選定部82の集合体として機能する。
【0077】
通信部70は、ネットワークNを介して各種機器と通信可能とされており、制御装置32、車両制御装置52及びVICS(Vehicle Information and Communication System)(登録商標)センター等と種々の情報を送受信可能とされている。
【0078】
振分部72は、電力状況情報生成部48から取得した電力状況情報に基づき、複数の建物12を被供給側建物と供給側建物とに振り分けている。
【0079】
詳しくは、振分部72は、蓄電装置22の電力残量及びバッテリパック26の電力残量との和である利用可能電力残量と、電気自動車14における1日当たりの平均電力使用量及び建物12の1日当たりの平均電力使用量との和である利用見込み電力量とを比較している。そして、利用見込み電力量が利用可能電力残量よりも大きい建物12の電力状況情報を被供給側建物の情報として被供給側情報取得部74に送信し、利用見込み電力量が利用可能電力残量よりも小さい建物12の電力状況情報を供給側建物の情報として供給側情報取得部76に送信するようになっている。
【0080】
被供給側情報取得部74は、振分部72から取得した被供給側建物の電力状況情報を記憶すると共に、この電力状況情報を被供給側情報として、交通経路取得部78、交通情報取得部80及び選定部82に送信するようになっている。
【0081】
供給側情報取得部76は、振分部72から取得した供給側建物の電力状況情報を記憶すると共に、この電力状況情報を供給側情報として交通経路取得部78及び交通情報取得部80及び選定部82に送信するようになっている。
【0082】
交通経路取得部78は、上記地図情報、被供給側情報取得部74から取得した被供給側情報及び供給側情報に基づき、所定の地域内における複数の被供給側建物と複数の供給側建物とのすべての組み合わせにおいて、被供給側建物と供給側建物との間の経路を取得して、この経路が最短となる組み合わせとなる建物12間の経路を取得するようになっている。そして、このように取得された建物12間の最短経路情報は、選定部82及び交通情報取得部80に送信されるようになっている。
【0083】
交通情報取得部80は、VICSセンターから取得した渋滞情報を含む各種交通情報と、交通経路取得部78から取得した最短経路情報とに基づき、建物12間の各経路の交通密度を取得して、交通密度情報を選定部82に送信するようになっている。
【0084】
選定部82は、被供給側情報取得部74から取得した被供給側情報、供給側情報取得部76から取得した供給側情報、交通経路取得部78から取得した最短経路情報及び交通情報取得部80から取得した交通密度情報に基づき、電力が供給される建物12と、この建物12に電力を供給する建物12との組み合わせを選定するようになっている。
【0085】
具体的には、選定部82は、被供給側建物の利用可能電力残量と利用見込み電力量との差(不足電力量)、供給側建物の利用可能電力残量と利用見込み電力量との差(余剰電力量)、被供給側建物と供給側建物との間の最短経路の長さ並びにこの最短経路の交通密度を所定の評価関数に入力することで、電力が不足している建物12に安定して電力が供給可能でかつ電気自動車14の走行時間が最も短くなると推定される被供給側建物と供給側建物との最適な組み合わせを選出するようになっている。
【0086】
本実施形態では、一例として、選定部82は、所定の地域内における余剰電力量を不足電力量で除した値が0.8以上1.2以下となる建物12の組み合わせにおいて、建物12間の最短経路の長さと、この最短経路の交通密度の2乗との積が最も小さくなる建物12の組み合わせを選定するようになっている。そして、上記のように選定された建物12の組み合わせにおける建物12間の走行経路を含む走行経路情報が、選定部82から通信部70を介して車両制御装置52に送信されるようになっている。
【0087】
<本実施形態の作用及び効果>
次に、本実施形態の作用並びに効果を説明する。
【0088】
本実施形態では、
図1に示されるように、複数の建物12に対して太陽光で発電可能な太陽光発電装置18が設置されている。このため、これらの建物12では、昼間等の太陽光発電装置18が発電可能な時間帯において、太陽光発電装置18によって発電された電力を建物12内の負荷30に供給することができる。
【0089】
また、本実施形態では、これらの建物12に対して蓄電装置22が設置されており、太陽光発電装置18が発電可能な時間帯において、太陽光発電装置18で発電された電力が余った場合、すなわち当該電力が建物12内の負荷30の消費電力を上回った場合には、蓄電装置22に当該電力の一部を蓄積させることができる。このため、夜間等の太陽光発電装置18が発電不可能な時間帯において、蓄電装置22に蓄積された電力を建物12内の負荷に供給することができる。
【0090】
さらに、本実施形態では、通常時において複数の建物12の敷地内にそれぞれ電気自動車14が駐車されており、電気自動車14と建物12との間には、充放電装置24が介在している。そして、充放電装置24は、建物12側から電気自動車14に搭載されたバッテリパック26への電力の供給又はバッテリパック26から建物12側への電力の供給が可能とされている。このため、太陽光発電装置18が発電可能な時間帯において、太陽光発電装置18で発電された電力が余った場合には、バッテリパック26に当該電力の一部を蓄積させることができる。そして、太陽光発電装置18が発電不可能な時間帯において、バッテリパック26に蓄積された電力を建物12内の負荷30に供給することができる。
【0091】
ところで、太陽光発電装置18が発電できない状態において、蓄電装置22及びバッテリパック26の両方の電力を使用しても、建物12内の負荷30への電力供給を賄うことが困難となることがある。
【0092】
一方で、建物12内の負荷30による消費電力の状況如何によっては、蓄電装置22及びバッテリパック26に蓄えられた電力の一部が余剰電力となることが考えられる。
【0093】
この点、電力の有効利用の観点では、余剰電力を有する一方の建物12から、電力が不足している他方の建物12に電力を供給できることが好ましい。また、一方の建物12から他方の建物12への電力の供給は、可能な限り迅速に行われることが好ましい。
【0094】
ここで、本実施形態では、
図2に示されるように、複数の建物12に対して充電装置28が設置されており、この充電装置28一方の電気自動車14のバッテリパック26から他方の電気自動車14のバッテリパック26へ電力を供給することができる。
【0095】
また、本実施形態では、データサーバ16を備えており、このデータサーバ16は、建物12間において走行時間が最も短くなると推定される走行経路を取得可能とされている。このため、データサーバ16によって、余剰電力を有する一方の建物12と電力が不足している他方の建物12との間において走行時間が最も短くなると推定される走行経路を取得することができる。そして、データサーバ16から一方の建物12の敷地内に駐車された電気自動車に対して、この走行経路を含む走行経路情報が送信される。
【0096】
その結果、本実施形態では、余剰電力を有する一方の建物12から、この建物12側の電気自動車14を、上記走行経路を経由して、電力が不足している他方の建物12に走行させることができる。そして、一方の建物12側の電気自動車14のバッテリパック26から充電装置28を介して他方の建物12側の電気自動車14のバッテリパック26に供給して、このバッテリパック26から他方の建物12に電力を供給するこができる。
【0097】
したがって、本実施形態では、余剰電力を有する一方の建物12から電力が不足している他方の建物12への電力の供給を可能とすると共に、一方の建物12から他方の建物12に電力が供給されるまでの時間の短縮を図ることができる。
【0098】
また、本実施形態では、データサーバ16によって余剰電力を有する一方の建物12と電力が不足している他方の建物12との間の最短経路を取得し、一方の建物12から他方の建物12に電力を輸送する電気自動車14に、この最短経路を走行させることができる。
【0099】
したがって、余剰電力を有する一方の建物12から電力が不足している他方の建物12へ電力を輸送する電気自動車14の走行距離を短くすることができる。
【0100】
また、本実施形態では、データサーバ16によって余剰電力を有する一方の建物12と電力が不足している他方の建物12との間の複数の経路における渋滞情報を取得することができる。そして、データサーバ16は、これらの経路のうち交通密度が最も小さい経路を取得することができる。
【0101】
このため、本実施形態では、一方の建物12から他方の建物12に電力を輸送する電気自動車14に、交通密度が比較的小さい経路を走行させることができる。したがって、本実施形態では、余剰電力を有する一方の建物12から電力が不足している他方の建物12へ電力を輸送する電気自動車14が交通渋滞に巻き込まれることを抑制することができる。
【0102】
加えて、本実施形態では、通常時において複数の建物12の敷地内にそれぞれ駐車された電気自動車14が、車両制御装置52を備えている。そして、この車両制御装置52は、データサーバ16から走行経路情報を取得すると共に、電気自動車14が走行する走行経路を設定することができる。このため、余剰電力を有する一方の建物12から電力が不足している他方の建物12へ電気自動車14の自動運転によって電力を輸送することができる。したがって、本実施形態では、余剰電力を有する一方の建物12から電力が不足している他方の建物12へ、一方の建物12側の居住者が電気自動車14を運転することなく、電力を輸送することができる。
【0103】
<上記実施形態の補足説明>
(1) 上述した実施形態では、電気自動車14が自動運転によって走行していたが、これに限らない。例えば、電気自動車14のカーナビゲーションシステムにデータサーバ16から走行経路情報を送信し、余剰電力を有する建物12の居住者が、カーナビゲーションシステムに表示される走行経路に基づいて電気自動車14を運転するようにしてもよい。また、建物12の周辺環境に応じて、走行経路の設定には、被供給側建物と供給側建物との間の経路の長さ及びこの経路の交通密度の何れか一方を用いてもよい。
【0104】
(2) また、上述した実施形態では、建物12の利用見込み電力量及び利用可能電力残量等から供給側建物を設定していたが、これに限らない。例えば、データサーバ16が、計測部34で取得されたデータに基づいて建物12の居住者が不在か否かを判定し、居住者が不在である建物12を供給側建物に設定するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0105】
10 電力管理システム
12 建物
14 電気自動車
16 データサーバ
18 太陽光発電装置
22 蓄電装置
24 充放電装置
26 バッテリパック(蓄電部)
28 充電装置
52 車両制御装置(自動運転制御装置)