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特開2023-173720製袋包装機及び製袋包装機の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173720
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】製袋包装機及び製袋包装機の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B65B 9/10 20060101AFI20231130BHJP
【FI】
B65B9/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022086167
(22)【出願日】2022-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】橋本 哲
(72)【発明者】
【氏名】市川 誠
(72)【発明者】
【氏名】森谷 倫太郎
【テーマコード(参考)】
3E050
【Fターム(参考)】
3E050BA11
3E050CA02
3E050DB01
3E050DC01
3E050FA01
3E050FB01
(57)【要約】
【課題】フォーマが簡単な組付け作業により高い精度で位置決めされる製袋包装機及びこの製袋包装機の製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】製袋包装機100は、包材Fを筒状に成形して被包装物Aを包装する。製袋包装機100は、フォーマ20と、巻き付け部30と、支持部40とを備える。フォーマ20は、包材Fを折り返し案内する。巻き付け部30は、フォーマ20で折り返された包材Fが巻き付けられる。支持部40は、フォーマ20と巻き付け部30とを支持する。
フォーマ20は、包材Fを案内する襟部21と、襟部21で案内された包材Fを筒状に成形するための第1筒部22とを有する。第1筒部22は、襟部21が一端に接続され、支持部40に嵌め合わせられる第1嵌合部22bを有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
包材(F)を筒状に成形して被包装物(A)を包装する製袋包装機(100)であって、
前記包材を折り返し案内するフォーマ(20)と、
前記フォーマで折り返された前記包材が巻き付けられる巻き付け部(30)と、
前記フォーマと前記巻き付け部とを支持する支持部(40)と
を備え、
前記フォーマは、
前記包材を案内する襟部(21)と、
前記襟部で案内された前記包材を筒状に成形するための第1筒部(22)と
を有し、
前記第1筒部は、
前記襟部が一端に接続され、
前記支持部に嵌め合わせられる第1嵌合部(22b)を有する、
製袋包装機。
【請求項2】
前記巻き付け部は、
前記包材が巻き付けられる筒状の第2筒部(31)と、
前記被包装物を前記第2筒部へ導くシュート(32)と
を有し、
前記シュートは、
前記第2筒部の一端に接続され、
前記支持部に嵌め合わせられる第2嵌合部(32b)を有する、
請求項1に記載の製袋包装機。
【請求項3】
前記支持部は、
前記フォーマを支持する第1支持部(41)と、
前記巻き付け部を支持する第2支持部(42)と
を有し
前記第1支持部は、
前記第1嵌合部が嵌め合わされた第1嵌合孔(41h)が形成され、
前記第2支持部は、
前記第2嵌合部が嵌め合わされた第2嵌合孔(42h)が形成され、
前記第1嵌合孔の中心軸(41hcl)は、
前記第2嵌合孔の中心軸(42hcl)と重なる、
請求項2に記載の製袋包装機。
【請求項4】
前記第1筒部は、
前記襟部の端縁が接続される切欠き部(22a)が前記第1筒部の前記一端側の面に周方向にわたって形成されている、
請求項1に記載の製袋包装機。
【請求項5】
前記切欠き部は、
深さ(D)が前記襟部の板厚(t)より大きい、
請求項4に記載の製袋包装機。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の製袋包装機の製造方法であって、
前記襟部と前記第1筒部とを接続した後、切削加工を用いて前記第1嵌合部を形成する工程を有する、
製袋包装機の製造方法。
【請求項7】
請求項2又は3に記載の製袋包装機の製造方法であって、
切削加工を用いて前記第2嵌合部を形成する工程を有する、
製袋包装機の製造方法。
【請求項8】
請求項2又は3に記載の製袋包装機の製造方法であって、
前記製袋包装機は、
前記包材を前記第2筒部の長さ方向に沿って搬送するプルダウンベルト(51)をさらに備え、
前記第2筒部と前記シュートとを接続した後、切削加工を用いて前記プルダウンベルトに対向する第1面を前記第2筒部の外周面に形成する工程を有する、
製袋包装機の製造方法。
【請求項9】
請求項2又は3に記載の製袋包装機の製造方法であって、
前記製袋包装機は、
前記包材の端縁を前記第2筒部の長さ方向に沿って接合するシール機構(60)をさらに備え、
前記第2筒部と前記シュートとを接続した後、切削加工を用いて前記シール機構に対向する第2面を前記第2筒部の外周面に形成する工程を有する、
製袋包装機の製造方法。
【請求項10】
請求項4又は5に記載の製袋包装機の製造方法であって、
切削加工を用いて前記切欠き部を形成する工程を有する、
製袋包装機の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製袋包装機及び製袋包装機の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開2012-86874号公報)は、筒部の一端に襟部(セーラー部)が接続されたフォーマを開示している。フォーマは、フォーマで折り返された包材を巻き付ける巻き付け部とともに製袋包装機に用いられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
製袋包装機では、フォーマで折り返された包材を、シワや蛇行を生じさせることなく巻き付け部で円筒状に形成する必要がある。このため、フォーマと巻き付け部との組付けには高い精度での位置決めが要求される。フォーマと巻き付け部との組付けに際しては、支持部材にフォーマと巻き付け部とをそれぞれ溶接やねじ止め等を用いて固定した後、さらにこれらの位置を調整する作業が行われている。このような、位置の調整を含む組付け作業は、煩雑である。
【0004】
本発明は、フォーマが簡単な組付け作業により高い精度で位置決めされる製袋包装機及びこの製袋包装機の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1観点の製袋包装機は、包材を筒状に成形して被包装物を包装する。本製袋包装機は、フォーマと、巻き付け部と、支持部とを備える。フォーマは、包材を折り返し案内する。巻き付け部は、フォーマで折り返された包材が巻き付けられる。支持部は、フォーマと巻き付け部とを支持する。
【0006】
フォーマは、包材を案内する襟部と、襟部で案内された包材を筒状に成形するための第1筒部とを有する。第1筒部は、襟部が一端に接続され、支持部に嵌め合わせられる第1嵌合部を有する。
【0007】
本製袋包装機では、フォーマは、嵌め合いにより支持部に位置決めされる。したがって、本製袋包装機によれば、フォーマ20は、簡単な組付け作業により高い精度で位置決めされる。
【0008】
第2観点の製袋包装機は、第1観点の製袋包装機であって、巻き付け部が、第2筒部とシュートとを有する。第2筒部は、包材が巻き付けられる筒状の部材である。シュートは、被包装物を第2筒部へ導く部材である。
【0009】
シュートは、第2筒部の一端に接続され、支持部に嵌め合わせられる第2嵌合部を有する。
【0010】
本製袋包装機では、巻き付け部は、嵌め合いにより支持部に位置決めされる。したがって、本製袋包装機によれば、フォーマ及び巻き付け部は、簡単な組付け作業により高い精度で位置決めされる。
【0011】
第3観点の製袋包装機は、第2観点の製袋包装機であって、支持部が、第1支持部と第2支持部とを有する。第1支持部は、フォーマを支持する。第2支持部は、巻き付け部を支持する。
【0012】
第1支持部は、第1嵌合部が嵌め合わされた第1嵌合孔が形成されている。第2支持部は、第2嵌合部が嵌め合わされた第2嵌合孔が形成されている。
【0013】
第1嵌合孔の中心軸は、第2嵌合孔の中心軸と重なる。
【0014】
本製袋包装機では、第1嵌合孔の中心軸は、第2嵌合孔の中心軸と重なる。このため、第1嵌合部が第1嵌合孔に嵌め合わされ、かつ、第2嵌合部が第2嵌合孔と嵌め合わされることで、フォーマと巻き付け部とが互いに位置決めされる。したがって、本製袋包装機によれば、フォーマ及び巻き付け部は、簡単な組付け作業により高い精度で位置決めされる。
【0015】
第4観点の製袋包装機は、第1観点から第3観点の製袋包装機のいずれかであって、第1筒部の襟部の端縁が接続される切欠き部が第1筒部の一端側の面に周方向にわたって形成されている。
【0016】
本製袋包装機では、襟部は、切込みを形成する端縁を切欠き部に当接させることで位置決めされる。したがって、本製袋包装機によれば、襟部は、高い精度で第1筒部に位置決めされる。
【0017】
第5観点の製袋包装機は、第4観点の製袋包装機であって、切欠き部の深さが襟部の板厚より大きい。
【0018】
本製袋包装機では、切欠き部の深さが襟部の板厚よりも大きく形成されるため、第1筒部の上端面は、襟部の表面と面一とならない。襟部の表面と面一とならない上端面は、襟部の表面からわずかに離間した包材に接触することができるため、第1筒部の上端で包材を正常に折り返すことができる。したがって、本製袋包装機によれば、第1筒部の上端での包材の折り返し不良の発生が抑制される。
【0019】
第6観点の製袋包装機の製造方法は、第1観点から第5観点の製袋包装機のいずれかの製造方法であって、襟部と第1筒部とを接続した後、切削加工を用いて第1嵌合部を形成する工程を有する。
【0020】
本製袋包装機の製造方法では、第1嵌合部が切削加工を用いて高い精度で形成されるため、フォーマは、高い精度で支持部に位置決めされる。
【0021】
第7観点の製袋包装機の製造方法は、第2観点又は第3観点の製袋包装機の製造方法であって、切削加工を用いて第2嵌合部を形成する工程を有する。
【0022】
本製袋包装機の製造方法では、第2嵌合部が切削加工を用いて高い精度で形成されるため、巻き付け部は、高い精度で支持部に位置決めされる。
【0023】
第8観点の製袋包装機の製造方法は、第2観点又は第3観点の製袋包装機の製造方法であって、製袋包装機は、包材を第2筒部の長さ方向に沿って搬送するプルダウンベルトをさらに備える。本製袋包装機の製造方法は、第2筒部とシュートとを接続した後、切削加工を用いてプルダウンベルトに対向する第1面を第2筒部の外周面に形成する工程を有する。
【0024】
本製袋包装機の製造方法では、第1面は、切削加工を用いて高い精度で形成される。
【0025】
第9観点の製袋包装機の製造方法は、第2観点又は第3観点の製袋包装機の製造方法であって、製袋包装機は、包材の端縁を第2筒部の長さ方向に沿って接合する縦シール機構をさらに備える。本製袋包装機の製造方法は、第2筒部とシュートとを接続した後、切削加工を用いて縦シール機構に対向する第2面を第2筒部の外周面に形成する工程を有する。
【0026】
本製袋包装機の製造方法では、第2面は、切削加工を用いて高い精度で形成される。
【0027】
第10観点の製袋包装機の製造方法は、第4観点又は第5観点の製袋包装機の製造方法であって、切削加工を用いて切欠き部を形成する工程を有する。
【0028】
本製袋包装機の製造方法では、切欠き部が切削加工を用いて高い精度で形成される。このため、切欠き部への接続に際して、襟部の端縁にひずみが発生することが抑制される。
【発明の効果】
【0029】
本製袋包装機によれば、フォーマは、簡単な組付け作業により高い精度で位置決めされる。また、本製袋包装機の製造方法によれば、フォーマは、高い精度で支持部に位置決めされる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本実施形態に係る製袋包装機を含む包装機の斜視図である。
図2】製袋包装機の概略構成を示す斜視図である。
図3】フォーマの斜視図である。
図4】フォーマの製造方法を示す斜視図である。
図5】フォーマを図3のA-A’で切断した断面図である。
図6】巻き付け部の斜視図である。
図7】第2フランジの平面図である。
図8】第2フランジを図7のB-B’で切断した断面図である。
図9】支持部の斜視図である。
図10】支持部へのフォーマ及び巻き付け部の組付け手順を説明するための斜視図である。
図11】支持部へのフォーマ及び巻き付け部の組付け手順を説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の一実施形態に係る製袋包装機100について、以下に説明する。以下の説明において、上下、左右、前後の方向は、各図に矢印で示されるように定義される。
【0032】
(1)全体概要
図1は、製袋包装機100を含む包装機1の斜視図である。図2は、製袋包装機100の概略構成を示す斜視図である。包装機1は、主に、計量機2及び製袋包装機100を備える。
【0033】
計量機2は、製袋包装機100が形成する袋Bに収容される被包装物Aを計量して、製袋包装機100に向かって落下させる。被包装物Aは特に限定されないが、ここでは、ポテトチップスなどの重量が軽くかつサイズが大きい物品である。製袋包装機100は、計量機2から落下する被包装物Aを受け取り、筒状に成形した包材F(以下、筒状包材Fmとも呼ぶ)で包装することによって、袋Bを製造する。製袋包装機100は、計量機2の下方に配置される。包材Fは、樹脂を原料としたフィルムである。
【0034】
製袋包装機100は、主に、包材供給ユニット10と、フォーマ20と、巻き付け部30と、支持部40と、2つのプルダウンベルト機構50と、縦シール機構60と、横シール機構70とを備える。
【0035】
(2)詳細構成
(2-1)包材供給ユニット
包材供給ユニット10は、フォーマ20に対してシート状の包材Fを供給するユニットである。包材供給ユニット10は、包材供給ユニット10にセットされたロールから包材Fを繰り出し、フォーマ20に対して供給する。包材Fは、樹脂製のフィルムである。
【0036】
(2-2)フォーマ
図3は、フォーマ20の斜視図である。図4は、フォーマ20の製造方法を示す斜視図である。フォーマ20は、包材供給ユニット10から供給されるシート状の包材Fを折り返し案内する成形機構である。フォーマ20は、主に、襟部21と、第1筒部22と、第1フランジ23とを有する。なお、図3では、便宜上、一部を透過させた第1フランジ23が示されている。
【0037】
(2-2-1)襟部
襟部21は、プルダウンベルト機構50が搬送する包材Fを表面に沿わせて第1筒部22の内周へ向かって案内する板状の部材である。襟部21は、第1筒部22の上端面22usに接続されるU字状の切込み21aが形成されている。襟部21は、シート状の包材Fを第1筒部22に向かって折り返すため、主に、切込み21aから外方に離れるにしたがって下方に向かう肩状に形成されている。
【0038】
(2-2-2)第1筒部
第1筒部22は、襟部21で案内された包材Fを筒状に形成して、巻き付け部30の外周に案内する略円筒状の部材である。第1筒部22は、主に、切欠き部22aと、第1嵌合部22bとが形成されている。
【0039】
切欠き部22aは、切込み21aを形成する襟部21の端縁21aeが接続される部分である。切欠き部22aは、第1筒部22の上端面22usに形成される。第1筒部22の上端22uは、上下方向に沿って見た場合に、水滴形状を描く曲線で形成されている。本実施形態では、上端面22usは、襟部21の端縁21aeの表面と平行に形成された平面である。言い換えると、上端面22usは、上端22uを起点として、第1筒部22の中心軸22clから径方向に沿って離れるにしたがって下方に向かうように形成された平面である。切欠き部22aは、上端面22usに周方向にわたって形成されている。図5は、切欠き部22aの形状を示す断面図である。図5は、フォーマ20を図3のA-A’で切断した断面図である。図5に示されるように、切欠き部22aは、第1筒部22の上端面22usからの深さD(図5参照)が襟部21の板厚tよりも大きく形成されている。上端面22usは、第1筒部22の一端側の面の一例である。
【0040】
切欠き部22aは、切削加工を用いて形成される。より詳細には、切欠き部22aは、フライス加工を用いて形成される。端縁21aeと切欠き部22aとは、溶接を用いて接続される。
【0041】
第1嵌合部22bは、支持部40に嵌め合わせられる部分である。第1嵌合部22bは、第1筒部22の下端22dから上方に向かって所定幅にわたって形成される円筒状の部分である。第1嵌合部22bは、外周径が支持部40に形成された第1嵌合孔41h(後述)の内周と嵌め合い関係(本実施形態では、すきま嵌め)となるように形成されている。第1嵌合部22bは、中心軸が第1筒部22の中心軸22clと重なるように形成されている。
【0042】
第1嵌合部22bは、襟部21と第1筒部22とを接続した後、切削加工を用いて形成される。より詳細には、第1嵌合部22bは、襟部21と第1筒部22とを接続した後、襟部21と第1筒部22とを中心軸22clを中心に回転させて旋盤を用いて形成される。
【0043】
(2-2-3)第1フランジ
第1フランジ23は、第1支持部41に対してフォーマ20を固定するフランジである。第1フランジ23は、上端22uも下方、かつ、第1嵌合部22bよりも上方において、第1筒部22の外周面に設けられる。
【0044】
第1フランジ23と第1筒部22とは、溶接を用いて固定される。第1フランジ23は、第1支持部41に対してボルトを用いて固定される。
【0045】
(2-3)巻き付け部
図6は、巻き付け部30の斜視図である。巻き付け部30は、フォーマ20で折り返された包材Fが外周に巻き付けられる。巻き付け部30に巻き付けられた包材Fは、縦シール(後述)が形成されることで筒状包材Fmとなる。巻き付け部30は、主に、第2筒部31と、シュート32とを有する。なお、図6では、便宜上、一部を透過させた第2フランジ32f(後述)が示されている。
【0046】
(2-3-1)第2筒部
第2筒部31は、包材Fが外周に巻き付けられる略円筒状の部材である。第2筒部31は、上端31uがシュート32の下端32d(後述)に接続される。第2筒部31は、外周径が第1筒部22の内周径より小さく形成される。
【0047】
第2筒部31は、2つの第1面31aと、第2面31bとが外周面に形成されている。第1面31a及び第2面31bは、どちらも平面状に形成された領域である。第1面31aは、包材Fを挟んでプルダウンベルト51に対向するように形成されている。第2面31bは、包材Fを挟んで縦シール機構60に対向するように形成されている。
【0048】
第1面31aは、第2筒部31とシュート32とを接続した後、切削加工を用いて形成される。同様に、第2面31bは、第2筒部31とシュート32とを接続した後、切削加工を用いて形成される。より詳細には、第1面31a及び第2筒部31は、フライス加工を用いて形成される。
【0049】
(2-3-2)シュート
シュート32は、計量機2から落下する被包装物Aを受け取り、第2筒部31へ導く部材である。シュート32は、主に、漏斗部32aと、第2嵌合部32bと、第2フランジ32fとを有する。
【0050】
漏斗部32aは、上方から下方に向かって内径が小さくなる漏斗状の部材である。漏斗部32aは、中心軸32clが第2筒部31の中心軸31clと重なるように配置される。漏斗部32aの上端32auは、被包装物Aを受け取る開口が形成されている。漏斗部32aの下端32adは、第2筒部31の上端に接続される開口が形成されている。以下では、中心軸32clと中心軸31clとをまとめて中心軸31cl、32clと呼ぶ。
【0051】
第2フランジ32fは、第2支持部72に対して巻き付け部30を固定するフランジである。図7は、第2フランジ32fの平面図である。図8は、第2フランジ32fを図7のB-B’で切断した断面図である。第2フランジ32fは、漏斗部32aの上端32auよりも下方、かつ、下端32adよりも上方において、漏斗部32aの外周面に設けられる。
【0052】
第2フランジ32fと漏斗部32aは、溶接を用いて固定される。第2フランジ32fは、第2支持部72に対してボルトを用いて固定される。
【0053】
第2嵌合部32bは、支持部40に嵌め合わせられる部分である。第2嵌合部32bは、第2フランジ32fの下面から下方に向かって突出する円筒状の部分である。第2嵌合部32bは、外周径が第2嵌合孔42h(後述)の内周と嵌め合い関係(本実施形態では、すきま嵌め)となるように形成されている。
【0054】
第2嵌合部32bは、第2筒部31と第2フランジ32fが固定された漏斗部32aとを接続した後、切削加工を用いて形成される。より詳細には、第2筒部31と第2フランジ32fが固定された漏斗部32aとを接続した後、第2筒部31と第2フランジ32fが固定された漏斗部32aとを中心軸31cl、32clを中心に回転させて旋盤を用いて形成される。
【0055】
(2-4)支持部
図9は、支持部40の斜視図である。支持部40は、フォーマ20と巻き付け部30とを支持する部材である。支持部40は、第1支持部41と、第2支持部42と、2つの柱状部材43とを有する。支持部40は、製袋包装機100を収容する筐体(図示省略)に固定される。
【0056】
(2-4-1)第1支持部
第1支持部41は、フォーマ20を支持する部材である。第1支持部41は、第1筒部22の中心軸22clが上下方向に沿うようにフォーマ20を支持する。本実施形態では、第1支持部41は、板状の部材である。第1支持部41は、第1筒部22の第1嵌合部22bが挿入される円形の第1嵌合孔41hが形成されている。第1嵌合孔41hは、第1嵌合部22bと嵌め合い関係となる内周径に形成されている。
【0057】
(2-4-2)第2支持部
第2支持部42は、巻き付け部30を支持する部材である。第2支持部42は、巻き付け部30の中心軸31cl、32clが上下方向に沿うように巻き付け部30を支持する。本実施形態では、第2支持部42は、板状の部材である。第2支持部42は、シュート32の第2嵌合部32bが挿入される円形の第2嵌合孔42hが形成されている。第2嵌合孔42hは、シュート32の第2嵌合部32bと嵌め合い関係となる内周径に形成されている。
【0058】
(2-4-3)柱状部材
柱状部材43は、第1支持部41の上方に第2支持部42を支持する部材である。柱状部材43は、第1嵌合孔41hの中心軸41hclと第2嵌合孔42hの中心軸42hclとが重なるように第1支持部41と第2支持部42とを支持する。これにより、支持部40は、中心軸22clと、中心軸31cl、32clとが重なるようにフォーマ20と巻き付け部30とを支持する。本実施形態では、柱状部材43と、第1支持部41及び第2支持部42とは、互いにボルトを用いて固定される。
【0059】
(2-5)プルダウンベルト機構
プルダウンベルト機構50は、第2筒部31の外周面に巻き付けられた包材Fを吸着して第2筒部31の長さ方向(上下方向)に沿って下方に搬送する。プルダウンベルト機構50は、フォーマ20の下方において、第2筒部31の左右両側に配置されている。プルダウンベルト機構50は、プルダウンベルト51と、駆動ローラ52と、従動ローラ53とを有する。
【0060】
プルダウンベルト51は、吸着機能を有するベルトである。プルダウンベルト51は、上下方向に所定幅を空けて配置された駆動ローラ52と従動ローラ53とに架けられている。駆動装置(図示省略)が駆動ローラ52及び従動ローラ53を駆動すると、プルダウンベルト51は、駆動ローラ52と従動ローラ53との間で回転をしながら包材Fを下方に搬送する。
【0061】
第2筒部31の外周面に平面状の第1面31aが形成されているため、プルダウンベルト51は、第1面31aが形成されていない場合と比較して、広い面積で包材Fと接することができ、効率的に包材Fを搬送できる。
【0062】
(2-6)縦シール機構
縦シール機構60は、第2筒部31の外周面に巻き付けられた包材Fの端縁を第2筒部31の長さ方向(上下方向)に沿って、一定の圧力で第2筒部31に押しつけながら加熱して接合(シール)し縦シール(図2に斜線のハッチングで示される部分)を形成する。縦シール機構60は、フォーマ20の下方において、第2筒部31の前側に配置されている。
【0063】
第2筒部31の外周面に平面状の第2面31bが形成されているため、縦シール機構60は、第2面31bが形成されていない場合と比較して、広い面積で包材Fと接することができ、効率的に筒状包材Fmを接合できる。
【0064】
(2-7)横シール機構
横シール機構70は、筒状包材Fmを横方向にシールすることで袋Bの上下端を封止する機構である。横シール機構70は、第2筒部31の下方に配置される。横シール機構70は、2つのシールジョー71と、駆動機構(図示省略)とを有する。シールジョー71は、内部にヒータ(図示省略)を有している。
【0065】
駆動機構は、所定のタイミングで前後方向から筒状包材Fmを挟み込むように2つのシールジョー71を駆動する。シールジョー71は、ヒータで挟み込んだ筒状包材Fmの一部をシールする。
【0066】
(3)製袋包装機の動作
包材供給ユニット10からフォーマ20へと供給されるシート状の包材Fは、襟部21の表面に沿って案内され、第1筒部22の上端22uで折り返された後、第1筒部22の内周面に沿って筒状に形成される。第1筒部22で筒状に形成された包材Fは、第1筒部22の内周面と第2筒部31の外周面との間の隙間Gを通過しながら第2筒部31の外周に巻き付けられる。第2筒部31の外周面に巻き付けられた包材Fは、プルダウンベルト機構50により第2筒部31の長さ方向に沿って下方に搬送された後、縦シール機構60により縦シールが形成される。
【0067】
一方、計量機2で計量された被包装物Aは、シュート32の上端32auに形成された開口に順次投下される。投下された被包装物Aは、シュート32及び第2筒部31を通過し、第2筒部31の下端31dに形成された開口から排出される。下端31dの下方では、先行して2つのシールジョー71が筒状包材Fmを挟んで横シールして袋Bの上部及び後続の袋Bの底部を形成している。第2筒部31の下端31dに形成された開口から排出された被包装物Aは、底部がシールされた筒状包材Fmに充填される。その後、2つシールジョー71が被包装物Aの充填された空間の上方を挟んで横シールすることで、袋Bの上部及び後続の袋Bの底部が形成される。
【0068】
(4)支持部へのフォーマ及び巻き付け部の組付け
図10及び図11は、支持部40へのフォーマ20及び巻き付け部30の組付け手順を説明するための斜視図である。支持部40へのフォーマ20及び巻き付け部30の組付けは、次の手順で行うことができる。なお、図10では、便宜上、一部を透過させた支持部40が示されている。また、図11では、便宜上、一部を透過させた第2フランジ32fが示されている。
【0069】
初めに、フォーマ20の第1筒部22を上方から第1支持部41の第1嵌合孔41hに挿入して、第1嵌合部22bを第1嵌合孔41hに嵌め合わせる(図10参照)。これにより、フォーマ20が支持部40に位置決めされる。この後、第1フランジ23は、ボルトを用いて第1支持部41に固定される。
【0070】
次に、巻き付け部30の第2筒部31を上方から第2支持部42の第2嵌合孔42h、第1筒部22の内周の順に挿入する(図11参照)。第2筒部31が下方に向かって所定の位置まで挿入されると、第2嵌合部32bが第2嵌合孔42hに嵌め合わされる。これにより、巻き付け部30が支持部40に位置決めされる。この後、第2フランジ32fは、ボルトを用いて第2支持部72に固定される。
【0071】
上述のように、支持部40は、中心軸22clと、中心軸31cl、32clとが重なるようにフォーマ20と巻き付け部30とを支持する。このため、第1嵌合部22bが第1嵌合孔41hに嵌め合わされ、かつ、第2嵌合部32bが第2嵌合孔42hと嵌め合わされることで、フォーマ20と巻き付け部30とが互いに位置決めされる。具体的には、第1嵌合部22bが第1嵌合孔41hに嵌め合わされ、かつ、第2嵌合部32bが第2嵌合孔42hと嵌め合わされることで、中心軸22clと中心軸31cl、32clとが重なり、第1筒部22の内周面と第2筒部31の外周面との間に包材Fが通過する隙間Gが形成される。
【0072】
(4)特徴
(4-1)
製袋包装機100は、包材Fを筒状に成形して被包装物Aを包装する。製袋包装機100は、フォーマ20と、巻き付け部30と、支持部40とを備える。フォーマ20は、包材Fを折り返し案内する。巻き付け部30は、フォーマ20で折り返された包材Fが巻き付けられる。支持部40は、フォーマ20と巻き付け部30とを支持する。
【0073】
フォーマ20は、包材Fを案内する襟部21と、襟部21で案内された包材Fを筒状に成形するための第1筒部22とを有する。第1筒部22は、襟部21が一端に接続され、支持部40に嵌め合わせられる第1嵌合部22bを有する。
【0074】
製袋包装機100では、フォーマ20は、嵌め合いにより支持部40に位置決めされる。したがって、製袋包装機100によれば、フォーマ20は、簡単な組付け作業により高い精度で位置決めされる。
【0075】
(4-2)
巻き付け部30は、第2筒部31とシュート32とを有する。第2筒部31は、包材Fが巻き付けられる筒状の部材である。シュート32は、被包装物Aを第2筒部へ導く部材である。
【0076】
シュート32は、第2筒部31の一端に接続され、支持部40に嵌め合わせられる第2嵌合部32bを有する。
【0077】
製袋包装機100では、巻き付け部30は、嵌め合いにより支持部40に位置決めされる。したがって、製袋包装機100によれば、フォーマ20及び巻き付け部30は、簡単な組付け作業により高い精度で位置決めされる。
【0078】
(4-3)
支持部40は、第1支持部41と第2支持部42とを有する。第1支持部41は、フォーマ20を支持する。第2支持部42は、巻き付け部30を支持する。
【0079】
第1支持部41は、第1嵌合部22bが嵌め合わされた第1嵌合孔41hが形成されている。第2支持部42は、第2嵌合部32bが嵌め合わされた第2嵌合孔42hが形成されている。
【0080】
第1嵌合孔41hの中心軸41hclは、第2嵌合孔42hの中心軸42hclと重なる。
【0081】
製袋包装機100では、第1嵌合孔41hの中心軸41hclは、第2嵌合孔42hの中心軸42hclと重なる。このため、第1嵌合部22bが第1嵌合孔41hに嵌め合わされ、かつ、第2嵌合部32bが第2嵌合孔42hと嵌め合わされることで、フォーマ20と巻き付け部30とが互いに位置決めされる。したがって、製袋包装機100によれば、フォーマ20及び巻き付け部30は、簡単な組付け作業により高い精度で位置決めされる。
【0082】
(4-4)
第1筒部22は、襟部21の端縁が接続される切欠き部22aが上端面22usに周方向にわたって形成されている。
【0083】
製袋包装機100では、襟部21は、切込み21aを形成する端縁21aeを切欠き部22aに当接させることで位置決めされる。したがって、製袋包装機100によれば、襟部21は、高い精度で第1筒部22に位置決めされる。
【0084】
(4-5)
切欠き部22aは、深さDが襟部21の板厚tより大きい。
【0085】
切込み21aを形成する襟部21の端縁21aeと切欠き部22aとが溶接を用いて接続される場合、板状の部材である襟部21は、溶接時の熱により溶接された箇所がひずんで外方(本実施形態では、上方)に向かってわずかに突出することがある。このようにして形成された突出部は、第1筒部22の上端22uの近傍において、襟部21に沿う包材Fを襟部21の表面からわずかに離間させて、第1筒部22の上端22uでの包材Fの正常な折り返しを阻害する。
【0086】
製袋包装機100では、切欠き部22aの深さDが襟部21の板厚tよりも大きく形成されるため、第1筒部22の上端面22usは、襟部21の表面と面一とならない。襟部21の表面と面一とならない上端面22usは、上述のように襟部21の表面からわずかに離間した包材Fに接触することができるため、第1筒部22の上端22uで包材Fを正常に折り返すことができる。したがって、製袋包装機100によれば、第1筒部22の上端22uでの包材Fの折り返し不良の発生が抑制される。
【0087】
(4-6)
製袋包装機100の製造方法は、襟部21と第1筒部22とを接続した後、切削加工を用いて第1嵌合部22bを形成する工程を有する。
【0088】
製袋包装機100の製造方法では、第1嵌合部22bが切削加工を用いて高い精度で形成されるため、フォーマ20は、高い精度で支持部40に位置決めされる。
【0089】
(4-7)
製袋包装機100の製造方法は、切削加工を用いて第2嵌合部32bを形成する工程を有する。
【0090】
製袋包装機100の製造方法では、第2嵌合部32bが切削加工を用いて高い精度で形成されるため、巻き付け部30は、高い精度で支持部40に位置決めされる。
【0091】
(4-8)
製袋包装機100は、包材Fを第2筒部31の長さ方向に沿って搬送するプルダウンベルト51をさらに備える。製袋包装機100の製造方法は、第2筒部31とシュート32とを接続した後、切削加工を用いてプルダウンベルト51に対向する第1面31aを第2筒部31の外周面に形成する工程を有する。
【0092】
製袋包装機100の製造方法では、第1面31aは、切削加工を用いて高い精度で形成される。
【0093】
(4-9)
製袋包装機100は、包材Fの端縁を第2筒部31の長さ方向に沿って接合する縦シール機構60をさらに備える。製袋包装機100の製造方法は、第2筒部31とシュート32とを接続した後、切削加工を用いて縦シール機構60に対向する第2面31bを第2筒部31の外周面に形成する工程を有する。
【0094】
製袋包装機100の製造方法では、第2面31bは、切削加工を用いて高い精度で形成される。
【0095】
(4-10)
製袋包装機100の製造方法は、切削加工を用いて切欠き部22aを形成する工程を有する。
【0096】
製袋包装機100の製造方法では、切欠き部22aが切削加工を用いて高い精度で形成される。このため、切欠き部22aへの接続に際して、襟部21の端縁21aeにひずみが発生することが抑制される。
【符号の説明】
【0097】
1 :包装機
2 :計量機
10 :包材供給ユニット
20 :フォーマ
21 :襟部
22 :第1筒部
22a :切欠き部
22b :第1嵌合部
22cl :中心軸(第1筒部)
22us :上端面
30 :巻き付け部
31 :第2筒部
31a :第1面
31b :第2面
31cl :中心軸(第2筒部)
32 :シュート
32b :第2嵌合部
40 :支持部
41 :第1支持部
41h :第1嵌合孔
41hcl:中心軸(第1嵌合孔)
42 :第2支持部
42h :第2嵌合孔
42hcl:中心軸(第2嵌合孔)
50 :プルダウンベルト機構
51 :プルダウンベルト
60 :縦シール機構
70 :横シール機構
100 :製袋包装機
A :被包装物
B :袋
D :切欠き部の深さ
F :包材
Fm :筒状包材
t :襟部の板厚
【先行技術文献】
【特許文献】
【0098】
【特許文献1】特開2012-86874号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11