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特開2023-173756弾性波共振器、フィルタ、およびマルチプレクサ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173756
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】弾性波共振器、フィルタ、およびマルチプレクサ
(51)【国際特許分類】
   H03H 9/145 20060101AFI20231130BHJP
【FI】
H03H9/145 C
H03H9/145 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022086225
(22)【出願日】2022-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000204284
【氏名又は名称】太陽誘電株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】塚田 真由
(72)【発明者】
【氏名】原井 奨大
【テーマコード(参考)】
5J097
【Fターム(参考)】
5J097AA14
5J097BB15
5J097CC05
5J097DD10
5J097DD29
5J097FF04
5J097FF05
5J097GG03
5J097GG04
5J097KK09
(57)【要約】
【課題】スプリアスを抑制することが可能な弾性波共振器を提供すること。
【解決手段】弾性波共振器100は、圧電基板10と、圧電基板10上に設けられ、複数の電極指23と複数のダミー電極指24と電極指23およびダミー電極指24が接続するバスバー25とを各々含み、互いの電極指23の第1先端とダミー電極指24の第2先端とが向かい合い、ダミー電極指24は第2先端側に位置する部分27aと部分27aより第2先端とは反対側に位置する部分27bとを有し、部分27aは部分27bより幅が細い一対の櫛型電極22と、交差領域30におけるエッジ領域32からダミー領域34のうちダミー電極指24の部分27aが位置する領域34aにかけて圧電基板10上に設けられ、交差領域30における中央領域31およびダミー領域34のうちダミー電極指24の部分27bが位置する領域34bには設けられていない絶縁膜40とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電基板と、
前記圧電基板上に設けられ、複数の電極指と複数のダミー電極指と前記複数の電極指および前記複数のダミー電極指が接続するバスバーとを各々含み、互いの前記複数の電極指の第1先端と前記複数のダミー電極指の第2先端とが向かい合い、前記複数のダミー電極指は前記第2先端側に位置する第1部分と前記第1部分より前記第2先端とは反対側に位置する第2部分とを有し、前記第1部分は前記第2部分より短手方向の幅が細い一対の櫛型電極と、
前記一対の櫛型電極の前記複数の電極指が交差する領域である交差領域のうち前記複数の電極指の長手方向におけるエッジに位置する領域であるエッジ領域から前記複数のダミー電極指が位置する領域であるダミー領域のうち前記複数のダミー電極指の前記第1部分が位置する領域である第1領域にかけて前記圧電基板上に設けられ、前記交差領域のうち前記エッジ領域より内側に位置する領域である中央領域および前記ダミー領域のうち前記複数のダミー電極指の前記第2部分が位置する領域である第2領域には設けられていない絶縁膜と、を備える弾性波共振器。
【請求項2】
圧電基板と、
前記圧電基板上に設けられ、複数の電極指と複数のダミー電極指と前記複数の電極指および前記複数のダミー電極指が接続するバスバーとを各々含み、互いの前記複数の電極指の第1先端と前記複数のダミー電極指の第2先端とが向かい合い、前記複数のダミー電極指は前記第2先端側に位置する第1部分と前記第1部分より前記第2先端とは反対側に位置する第2部分とを有し、前記第1部分は前記第2部分より厚さが薄い一対の櫛型電極と、
前記一対の櫛型電極の前記複数の電極指が交差する領域である交差領域のうち前記複数の電極指の長手方向におけるエッジに位置する領域であるエッジ領域から前記複数のダミー電極指が位置する領域であるダミー領域のうち前記複数のダミー電極指の前記第1部分が位置する領域である第1領域にかけて前記圧電基板上に設けられ、前記交差領域のうち前記エッジ領域より内側に位置する領域である中央領域および前記ダミー領域のうち前記複数のダミー電極指の前記第2部分が位置する領域である第2領域には設けられていない絶縁膜と、を備える弾性波共振器。
【請求項3】
圧電基板と、
前記圧電基板上に設けられ、複数の電極指と複数のダミー電極指と前記複数の電極指および前記複数のダミー電極指が接続するバスバーとを各々含み、互いの前記複数の電極指の第1先端と前記複数のダミー電極指の第2先端とが向かい合い、前記複数のダミー電極指が位置する領域であるダミー領域のうち互いの前記複数の電極指が交差する領域である交差領域側に位置する第1領域を伝搬する弾性波の音速と前記ダミー領域のうち前記第1領域より前記交差領域とは反対側に位置する第2領域を伝搬する弾性波の音速とが同じである一対の櫛型電極と、
前記交差領域のうち前記複数の電極指の長手方向におけるエッジに位置する領域であるエッジ領域から前記ダミー領域の前記第1領域にかけて前記圧電基板上に設けられ、前記交差領域のうち前記エッジ領域より内側に位置する領域である中央領域および前記ダミー領域の前記第2領域には設けられていない絶縁膜と、を備える弾性波共振器。
【請求項4】
圧電基板と、
前記圧電基板上に設けられ、複数の電極指と複数のダミー電極指と前記複数の電極指および前記複数のダミー電極指が接続するバスバーとを各々含み、互いの前記複数の電極指の第1先端と前記複数のダミー電極指の第2先端とが向かい合う一対の櫛型電極と、
前記一対の櫛型電極の前記複数の電極指が交差する領域である交差領域のうち前記複数の電極指の長手方向におけるエッジに位置する領域であるエッジ領域から前記複数のダミー電極指が位置する領域であるダミー領域のうち前記交差領域側に位置する第1領域にかけて前記圧電基板上に設けられ、前記第1領域での前記長手方向における長さが前記複数の電極指の配列方向で異なり、前記交差領域のうち前記エッジ領域より内側に位置する領域である中央領域および前記ダミー領域のうち前記第1領域より前記交差領域とは反対側に位置する第2領域には設けられていない絶縁膜と、を備える弾性波共振器。
【請求項5】
前記絶縁膜は、前記エッジ領域から前記ダミー領域の前記第1領域と前記第2領域の境界にかけて前記圧電基板上に設けられている、請求項1から4のいずれか一項に記載の弾性波共振器。
【請求項6】
前記ダミー領域の前記第1領域を伝搬する弾性波の音速と前記ダミー領域の前記第2領域を伝搬する弾性波の音速とは同じである、請求項1、2、または4に記載の弾性波共振器。
【請求項7】
前記ダミー領域の前記第1領域を伝搬する弾性波の音速と前記ダミー領域の前記第2領域を伝搬する弾性波の音速と前記交差領域の前記中央領域を伝搬する弾性波の音速とは同じである、請求項1から4のいずれか一項に記載の弾性波共振器。
【請求項8】
前記複数の電極指の先端と前記複数のダミー電極指の先端との間に位置する領域であるギャップ領域の前記複数の電極指の長手方向における長さは、前記一対の櫛型電極の前記複数の電極指の平均ピッチの2倍以下である、請求項1から4のいずれか一項に記載の弾性波共振器。
【請求項9】
請求項1から4のいずれか一項に記載の弾性波共振器を含むフィルタ。
【請求項10】
請求項9に記載のフィルタを含むマルチプレクサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性波共振器、フィルタ、およびマルチプレクサに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話を代表とする高周波通信用システムにおいて、通信に使用する周波数帯以外の不要な信号を除去するために高周波フィルタが用いられている。高周波フィルタには、弾性波共振器が用いられる。弾性波共振器として、複数の電極指と、複数のダミー電極指と、複数の電極指および複数のダミー電極指が接続するバスバーと、を含む一対の櫛型電極を備える弾性波共振器が知られている。また、Q値を損なうことなくスプリアスを減少させる方法として、ピストンモードを利用した弾性波共振器が知られている(例えば特許文献1-3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-89069号公報
【特許文献2】特開2016-178387号公報
【特許文献3】特表2013-518455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ピストンモードは、一対の櫛型電極の電極指が交差する交差領域のうち電極指の延伸方向におけるエッジに位置するエッジ領域に絶縁膜を設けることで実現することができる。しかしながら、近年の高周波化により、絶縁膜を設けるエッジ領域が短くなっている。このため、絶縁膜がエッジ領域からダミー電極指が位置するダミー領域にかけて形成されることがある。この場合、スプリアスの抑制効果が低下してしまうことがある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、スプリアスを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、圧電基板と、前記圧電基板上に設けられ、複数の電極指と複数のダミー電極指と前記複数の電極指および前記複数のダミー電極指が接続するバスバーとを各々含み、互いの前記複数の電極指の第1先端と前記複数のダミー電極指の第2先端とが向かい合い、前記複数のダミー電極指は前記第2先端側に位置する第1部分と前記第1部分より前記第2先端とは反対側に位置する第2部分とを有し、前記第1部分は前記第2部分より短手方向の幅が細い一対の櫛型電極と、前記一対の櫛型電極の前記複数の電極指が交差する領域である交差領域のうち前記複数の電極指の長手方向におけるエッジに位置する領域であるエッジ領域から前記複数のダミー電極指が位置する領域であるダミー領域のうち前記複数のダミー電極指の前記第1部分が位置する領域である第1領域にかけて前記圧電基板上に設けられ、前記交差領域のうち前記エッジ領域より内側に位置する領域である中央領域および前記ダミー領域のうち前記複数のダミー電極指の前記第2部分が位置する領域である第2領域には設けられていない絶縁膜と、を備える弾性波共振器である。
【0007】
本発明は、圧電基板と、前記圧電基板上に設けられ、複数の電極指と複数のダミー電極指と前記複数の電極指および前記複数のダミー電極指が接続するバスバーとを各々含み、互いの前記複数の電極指の第1先端と前記複数のダミー電極指の第2先端とが向かい合い、前記複数のダミー電極指は前記第2先端側に位置する第1部分と前記第1部分より前記第2先端とは反対側に位置する第2部分とを有し、前記第1部分は前記第2部分より厚さが薄い一対の櫛型電極と、前記一対の櫛型電極の前記複数の電極指が交差する領域である交差領域のうち前記複数の電極指の長手方向におけるエッジに位置する領域であるエッジ領域から前記複数のダミー電極指が位置する領域であるダミー領域のうち前記複数のダミー電極指の前記第1部分が位置する領域である第1領域にかけて前記圧電基板上に設けられ、前記交差領域のうち前記エッジ領域より内側に位置する領域である中央領域および前記ダミー領域のうち前記複数のダミー電極指の前記第2部分が位置する領域である第2領域には設けられていない絶縁膜と、を備える弾性波共振器である。
【0008】
本発明は、圧電基板と、前記圧電基板上に設けられ、複数の電極指と複数のダミー電極指と前記複数の電極指および前記複数のダミー電極指が接続するバスバーとを各々含み、互いの前記複数の電極指の第1先端と前記複数のダミー電極指の第2先端とが向かい合い、前記複数のダミー電極指が位置する領域であるダミー領域のうち互いの前記複数の電極指が交差する領域である交差領域側に位置する第1領域を伝搬する弾性波の音速と前記ダミー領域のうち前記第1領域より前記交差領域とは反対側に位置する第2領域を伝搬する弾性波の音速とが同じである一対の櫛型電極と、前記交差領域のうち前記複数の電極指の長手方向におけるエッジに位置する領域であるエッジ領域から前記ダミー領域の前記第1領域にかけて前記圧電基板上に設けられ、前記交差領域のうち前記エッジ領域より内側に位置する領域である中央領域および前記ダミー領域の前記第2領域には設けられていない絶縁膜と、を備える弾性波共振器である。
【0009】
本発明は、圧電基板と、前記圧電基板上に設けられ、複数の電極指と複数のダミー電極指と前記複数の電極指および前記複数のダミー電極指が接続するバスバーとを各々含み、互いの前記複数の電極指の第1先端と前記複数のダミー電極指の第2先端とが向かい合う一対の櫛型電極と、前記一対の櫛型電極の前記複数の電極指が交差する領域である交差領域のうち前記複数の電極指の長手方向におけるエッジに位置する領域であるエッジ領域から前記複数のダミー電極指が位置する領域であるダミー領域のうち前記交差領域側に位置する第1領域にかけて前記圧電基板上に設けられ、前記第1領域での前記長手方向における長さが前記複数の電極指の配列方向で異なり、前記交差領域のうち前記エッジ領域より内側に位置する領域である中央領域および前記ダミー領域のうち前記第1領域より前記交差領域とは反対側に位置する第2領域には設けられていない絶縁膜と、を備える弾性波共振器である。
【0010】
上記構成において、前記絶縁膜は、前記エッジ領域から前記ダミー領域の前記第1領域と前記第2領域の境界にかけて前記圧電基板上に設けられている構成とすることができる。
【0011】
上記構成において、前記ダミー領域の前記第1領域を伝搬する弾性波の音速と前記ダミー領域の前記第2領域を伝搬する弾性波の音速とは同じである構成とすることができる。
【0012】
上記構成において、前記ダミー領域の前記第1領域を伝搬する弾性波の音速と前記ダミー領域の前記第2領域を伝搬する弾性波の音速と前記交差領域の前記中央領域を伝搬する弾性波の音速とは同じである構成とすることができる。
【0013】
上記構成において、前記複数の電極指の先端と前記複数のダミー電極指の先端との間に位置する領域であるギャップ領域の前記複数の電極指の長手方向における長さは、前記一対の櫛型電極の前記複数の電極指の平均ピッチの2倍以下である構成とすることができる。
【0014】
本発明は、上記に記載の弾性波共振器を含むフィルタである。
【0015】
本発明は、上記に記載のフィルタを含むマルチプレクサである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、スプリアスを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1(a)は、実施例1に係る弾性波共振器の平面図、図1(b)は、図1(a)のA-A断面図である。
図2図2(a)および図2(b)は、実施例1における弾性波の音速を示す図である。
図3図3(a)は、比較例に係る弾性波共振器の平面図、図3(b)は、図3(a)のA-A断面図である。
図4図4(a)および図4(b)は、比較例における弾性波の音速を示す図である。
図5図5(a)は、実施例1および比較例に係る弾性波共振器の周波数に対するアドミッタンスの絶対値|Y|のシミュレーション結果、図5(b)は、周波数に対するアドミッタンスの実部Real(Y)のシミュレーション結果である。
図6図6(a)は、実施例1および比較例に係る弾性波共振器の周波数に対するアドミッタンスの絶対値|Y|の実験結果、図6(b)は、周波数に対するアドミッタンスの実部Real(Y)の実験結果である。
図7図7(a)は、実施例1の変形例1に係る弾性波共振器の平面図、図7(b)は、図7(a)のA-A断面図である。
図8図8(a)は、実施例1の変形例2に係る弾性波共振器の平面図、図8(b)は、図8(a)のA-A断面図である。
図9図9(a)は、実施例2に係る弾性波共振器の平面図、図9(b)は、図9(a)のA-A断面図である。
図10図10(a)および図10(b)は、実施例2における弾性波の音速を示す図である。
図11図11(a)は、実施例3に係る弾性波共振器の平面図、図11(b)は、図11(a)のA-A断面図である。
図12図12(a)および図12(b)は、実施例3における弾性波の音速を示す図である。
図13図13(a)から図13(d)は、シミュレーションに用いたサンプルの断面図である。
図14図14は、実施例4に係るフィルタの回路図である。
図15図15は、実施例5に係るデュプレクサの回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照し、本発明の実施例について説明する。
【実施例0019】
図1(a)は、実施例1に係る弾性波共振器100の平面図、図1(b)は、図1(a)のA-A断面図である。電極指23の配列方向をX方向、電極指23の長手方向をY方向、圧電基板10の厚さ方向をZ方向とする。X方向、Y方向、およびZ方向は、圧電基板10の結晶方位のX軸方向およびY軸方向とは必ずしも対応しない。圧電基板10が回転YカットX伝搬の圧電基板の場合、X方向は結晶方位のX軸方向となる。
【0020】
図1(a)および図1(b)に示すように、弾性波共振器100は、圧電基板10上にIDT(Interdigital Transducer)20および反射器21が設けられている。IDT20および反射器21は、圧電基板10上の金属膜26により形成される。
【0021】
IDT20は、一対の櫛型電極22を備える。櫛型電極22は、複数の電極指23と、複数のダミー電極指24と、複数の電極指23および複数のダミー電極指24が接続されたバスバー25と、を含む。電極指23の厚さとダミー電極指24の厚さは同じである。厚さが同じとは、製造誤差程度の差を許容するものであり、例えば0.95倍以上1.05倍以下である。一方の櫛型電極22の複数の電極指23の先端23aと他方の櫛型電極22の複数のダミー電極指24の先端24aとは対向している。一対の櫛型電極22の電極指23が交差する領域が交差領域30である。交差領域30のY方向の長さが開口長である。一対の櫛型電極22は、交差領域30の少なくとも一部において電極指23がほぼ互い違いとなるように対向している。交差領域30において電極指23が励振する主モードの弾性波(弾性表面波)は、主にX方向に伝搬する。一方の櫛型電極22の電極指23のピッチがほぼ弾性表面波の波長λとなる。複数の電極指23のピッチDは、一方の櫛型電極22の電極指23のピッチのほぼ倍となる。反射器21は、IDT20の電極指23が励振した弾性表面波を反射する。これにより、弾性表面波はIDT20の交差領域30内に閉じ込められる。
【0022】
交差領域30は、Y方向においてエッジに位置する領域であるエッジ領域32と、Y方向においてエッジ領域32より内側に位置する領域である中央領域31と、を有する。エッジ領域32は、交差領域30のうち電極指23の先端部が位置する領域とも言える。一方の櫛型電極22の電極指23の先端と他方の櫛型電極22のダミー電極指24の先端との間に位置する領域がギャップ領域33である。ダミー電極指24が位置する領域がダミー領域34である。バスバー25が位置する領域がバスバー領域35である。ダミー領域34のうちギャップ領域33側に位置する領域を領域34aとし、バスバー領域35側に位置する領域を領域34bとする。
【0023】
ダミー電極指24は、先端24a側に位置して領域34aに位置する部分27aと、部分27aより先端24aとは反対側に位置して領域34bに位置する部分27bと、を有する。ダミー電極指24は、部分27aのX方向の幅W1が部分27bのX方向の幅W2より細くなっている。部分27bの幅W2は、例えば電極指23のX方向の幅と同じである。幅が同じとは、製造誤差程度の差を許容するものであり、例えば0.95倍以上1.05倍以下である。部分27aの幅W1は、例えば部分27bの幅W2の0.8倍以下であり、0.7倍以下でもよいし、0.6倍以下でもよい。ダミー電極指24は、部分27aのY方向の長さL1が例えば部分27bのY方向の長さL2より長いが、同じ場合でもよいし、短い場合でもよい。
【0024】
エッジ領域32からギャップ領域33を介しダミー領域34の領域34aにかけて圧電基板10上に絶縁膜40が設けられている。絶縁膜40は、エッジ領域32およびギャップ領域33に位置する電極指23、並びに、ダミー領域34の領域34aに位置する電極指23およびダミー電極指24を覆っている。絶縁膜40は、エッジ領域32、ギャップ領域33、およびダミー領域34の領域34aにおいて、電極指23およびダミー電極指24が設けられていない部分にも設けられている。絶縁膜40は、中央領域31、ダミー領域34の領域34b、およびバスバー領域35には設けられていない。
【0025】
圧電基板10は、例えば単結晶タンタル酸リチウム(LiTaO)基板または単結晶ニオブ酸リチウム(LiNbO)基板であり、例えば回転YカットX伝搬タンタル酸リチウム基板または回転YカットX伝搬ニオブ酸リチウム基板である。一例として、圧電基板10は、36°~48°YカットX伝搬タンタル酸リチウム基板である。
【0026】
金属膜26は、例えばアルミニウム(Al)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、レニウム(Re)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、タンタル(Ta)、またはタングステン(W)を主成分とする膜である。電極指23、ダミー電極指24、およびバスバー25と、圧電基板10と、の間にチタン(Ti)膜またはクロム(Cr)膜等の密着膜が設けられていてもよい。密着膜は、電極指23、ダミー電極指24、およびバスバー25より薄い。電極指23およびダミー電極指24を覆うように絶縁膜が設けられていてもよい。この場合、絶縁膜40は絶縁膜上に設けられていてもよい。絶縁膜は保護膜として機能してもよい。
【0027】
絶縁膜40は、例えば酸化シリコン(SiO)、酸化タンタル(Ta)、または酸化ニオブ(Nb)を主成分とする膜であるが、エッジ領域32、ギャップ領域33、およびダミー領域34の領域34aを伝搬する弾性波の音速の調整が可能であれば、その他の材料を主成分とする膜でもよい。
【0028】
ここで、ある膜がある元素を主成分とするには、ある膜に主成分以外の意図的な、または、意図しない不純物が含まれることを許容する。ある膜においてある元素が主成分である場合、ある元素の濃度は例えば50原子%以上であり、例えば80原子%以上である。酸化シリコン等のように、2つの元素を主成分とする場合では、シリコンの濃度と酸素の濃度の合計が例えば50原子%以上であり、例えば80原子%以上であり、シリコンの濃度および酸素の濃度は各々例えば10原子%以上である。
【0029】
図2(a)および図2(b)は、実施例1における弾性波の音速を示す図である。図2(a)は、絶縁膜40が設けられる前を示し、図2(b)は、絶縁膜40が設けられた後を示している。図2(a)に示すように、ダミー電極指24は部分27aの幅W1が部分27bの幅W2より細いため、ダミー領域34の領域34aを伝搬する弾性表面波の音速は領域34bを伝搬する弾性表面波の音速より速い。
【0030】
図2(b)に示すように、エッジ領域32からギャップ領域33を介してダミー領域34の領域34aにかけて絶縁膜40が設けられることで、エッジ領域32、ギャップ領域33、およびダミー領域34の領域34aを伝搬する弾性表面波の音速は、絶縁膜40が設けられる前に比べて遅くなる。これにより、ダミー領域34の領域34aを伝搬する弾性表面波の音速が、領域34bを伝搬する弾性表面波の音速に近づき、好ましくは同じになる。このように、絶縁膜40が設けられた後において、ダミー領域34の領域34aを伝搬する弾性表面波の音速が領域34bを伝搬する弾性表面波の音速に近づいて、好ましくは同じになるように、ダミー電極指24は部分27aの幅W1が細くなっている。
【0031】
ダミー領域34の領域34aを伝搬する弾性表面波の音速が領域34bを伝搬する弾性表面波の音速に近づくことで、ダミー領域34の領域34aおよび領域34bを伝搬する弾性表面波の音速と中央領域31を伝搬する弾性表面波の音速との差を小さくでき、好ましくは同じにできる。また、絶縁膜40が設けられることで、エッジ領域32を伝搬する弾性表面波の音速は中央領域31を伝搬する弾性表面波の音速より遅くなる。例えば、中央領域31を伝搬する弾性表面波の音速は、エッジ領域32を伝搬する弾性表面波の音速の1.01倍より大きく1.035倍より小さい。ギャップ領域33を伝搬する弾性表面波の音速は、絶縁膜40が設けられた後においても、中央領域31を伝搬する弾性表面波の音速より速いままである。例えば、ギャップ領域33を伝搬する弾性表面波の音速は、中央領域31を伝搬する弾性表面波の音速の1.01倍より大きく1.035倍より小さい。
【0032】
[製造方法]
実施例1に係る弾性波共振器100の製造方法について説明する。まず、圧電基板10上に金属膜26を成膜した後、金属膜26を所望の形状にパターニングする。これにより、圧電基板10上に、複数の電極指23と複数のダミー電極指24とバスバー25とを各々含む一対の櫛型電極22を備えたIDT20、および、反射器21が形成される。ダミー電極指24は、細い幅の部分27aと、部分27aより幅が太く、電極指23と同じ幅の部分27bと、有する。電極指23の先端とダミー電極指24の先端との間には空隙が形成される。金属膜26の成膜は、例えばスパッタリング法、真空蒸着法、またはCVD(Chemical Vapor Deposition)法等を用いる。金属膜26のパターニングは、例えばフォトリソグラフィ法およびエッチング法を用いる。
【0033】
次いで、エッジ領域32からギャップ領域33を介してダミー領域34の領域34aにかけて電極指23およびダミー電極指24を覆うように絶縁膜40を形成する。絶縁膜40は、例えば圧電基板10上に、エッジ領域32からギャップ領域33を介してダミー領域34の領域34aにかけて開口を有するマスク層を形成した後、マスク層をマスクに絶縁膜40を成膜し、その後、マスク層を除去することにより形成される。マスク層は、例えばフォトレジストを用いる。絶縁膜40の成膜は、例えばスパッタリング法、真空蒸着法、またはCVD法を用いる。これにより、実施例1に係る弾性波共振器100が形成される。
【0034】
[比較例]
図3(a)は、比較例に係る弾性波共振器1000の平面図、図3(b)は、図3(a)のA-A断面図である。図3(a)および図3(b)に示すように、比較例の弾性波共振器1000では、ダミー電極指24のX方向における幅がY方向においてほぼ一定である。したがって、ダミー電極指24のX方向における幅は、絶縁膜40が設けられている箇所でも、設けられていない箇所でも、同じとなっている。その他の構成は実施例1と同じであるため説明を省略する。
【0035】
図4(a)および図4(b)は、比較例における弾性波の音速を示す図である。図4(a)は、絶縁膜40が設けられる前を示し、図4(b)は、絶縁膜40が設けられた後を示している。図4(a)に示すように、ダミー電極指24のX方向における幅がY方向においてほぼ一定であるため、ダミー領域34の領域34aを伝搬する弾性表面波の音速と領域34bを伝搬する弾性表面波の音速とは同じである。
【0036】
図4(b)に示すように、エッジ領域32からギャップ領域33を介してダミー領域34の領域34aにかけて絶縁膜40が設けられることで、ダミー領域34の領域34aを伝搬する弾性表面波の音速が領域34bを伝搬する弾性表面波の音速より遅くなる。エッジ領域32を伝搬する弾性表面波の音速は中央領域31を伝搬する弾性表面波の音速より遅くなる。ギャップ領域33を伝搬する弾性表面波の音速は、絶縁膜40が設けられた後においても、中央領域31を伝搬する弾性表面波の音速より速いままである。
【0037】
エッジ領域32に絶縁膜40を設けて、エッジ領域32を伝搬する弾性表面波の音速が中央領域31を伝搬する弾性表面波の音速より遅くなるようにすることでピストンモードを実現できる。しかしながら、エッジ領域32のY方向の長さは、高周波化に伴って短くなり、ギャップ領域33のY方向の長さは、良好な特性を得るために、波長λ以下となっている。このようなことから、絶縁膜40の製造可能な最小寸法の点から、エッジ領域32に絶縁膜40を設けようとした場合に、絶縁膜40がエッジ領域32からギャップ領域33を介してダミー領域34の領域34aにかけて形成されることがある。領域34aに絶縁膜40が形成されると、図4(b)のように、領域34aを伝搬する弾性表面波の音速が、領域34bおよび中央領域31を伝搬する弾性表面波の音速に比べて遅くなる。
【0038】
横モードスプリアスを抑制するため、ダミー領域34を伝搬する弾性表面波の音速は中央領域31を伝搬する弾性表面波の音速と同じになることが好ましい。しかしながら、ピストンモードを実現するための絶縁膜40がダミー領域34の領域34aに設けられてしまうと、領域34aを伝搬する弾性表面波の音速が領域34bおよび中央領域31を伝搬する弾性表面波の音速より遅くなり、横モードスプリアスの抑制効果が低下してしまう。
【0039】
[シミュレーション]
実施例1および比較例に係る弾性波共振器のスプリアスを評価するシミュレーションを行った。比較例に係る弾性波共振器に対するシミュレーションは、絶縁膜40がダミー領域34を覆う長さを変えたサンプル1、2に対して行った。シミュレーション条件は以下である。
共通条件
圧電基板10:42°YカットX伝搬タンタル酸リチウム基板
IDT20および反射器21:厚さが220nmのアルミニウム膜
絶縁膜40:厚さが16nmの酸化ニオブ膜
圧電基板10の異方性係数:0.3
弾性波の波長λ:2.2μm
電極指23のデュティ比:50%
エッジ領域32のY方向の長さ:0.3λ
ギャップ領域33のY方向の長さ:500nm
ダミー電極指24のY方向の長さ:1.5λ
実施例1の条件
ダミー電極指24の部分27aのY方向の長さ:1.3λ
ダミー電極指24の部分27aのデュティ比:35%
ダミー電極指24の部分27bのY方向の長さ:0.2λ
ダミー電極指24の部分27bのデュティ比:50%
ダミー領域34の領域34aと領域34bの音速差:0%
比較例のサンプル1の条件
ダミー電極指24のデュティ比:50%
絶縁膜40がダミー電極指24を覆うダミー領域34の領域34aのY方向の長さ:500nm
ダミー領域34の領域34aと領域34bの音速差:1.47%
比較例のサンプル2の条件
ダミー電極指24のデュティ比:50%
絶縁膜40がダミー電極指24を覆うダミー領域34の領域34aのY方向の長さ:700nm
ダミー領域34の領域34aと領域34bの音速差:1.47%
【0040】
図5(a)は、実施例1および比較例に係る弾性波共振器の周波数に対するアドミッタンスの絶対値|Y|のシミュレーション結果、図5(b)は、周波数に対するアドミッタンスの実部Real(Y)のシミュレーション結果である。アドミッタンスの絶対値|Y|では、共振周波数frおよび反共振周波数faのピークが観察される。アドミッタンスの実部Real(Y)では、絶対値|Y|に比べスプリアス応答が大きく観察される。
【0041】
図5(a)に示すように、共振周波数frおよび反共振周波数faに関しては、実施例1および比較例のサンプル1、2において違いはほとんどなかった。図5(b)に示すように、比較例のサンプル2は、比較例のサンプル1に比べてスプリアスが大きい結果であった。このことから、絶縁膜40がダミー領域34を覆う範囲が大きくなり、ダミー領域34において中央領域31を伝搬する弾性表面波の音速より遅い音速が伝搬する領域34aが大きくなるほど、スプリアスが大きくなることが分かる。これに対し、実施例1は、比較例のサンプル1、2に比べて、スプリアスが抑制された結果となった。これは、ダミー電極指24の部分27aの幅W1を細くすることで、絶縁膜40がダミー電極指24の部分27aを覆って形成された場合に、ダミー領域34の領域34aを伝搬する弾性波表面波の音速と領域34bおよび中央領域31を伝搬する弾性表面波の音速とが同じになるためと考えられる。
【0042】
[実験]
実施例1および比較例に係る弾性波共振器を作製してスプリアスを評価する実験を行った。実験の条件は以下である。
共通条件
圧電基板10:42°YカットX伝搬タンタル酸リチウム基板
IDT20および反射器21:厚さが10nmのチタン膜と厚さが135nmのアルミニウム膜の積層膜
絶縁膜40:厚さが22nmの酸化ニオブ膜
圧電基板10の異方性係数;0.1
弾性波の波長λ:2.2μm
電極指23のデュティ比:50%
エッジ領域32のY方向の長さ:0.3λ
ギャップ領域33のY方向の長さ:500nm
ダミー電極指24のY方向の長さ:1.5λ
実施例1の条件
ダミー電極指24の部分27aのY方向の長さ:1.3λ
ダミー電極指24の部分27aのデュティ比:35%
ダミー電極指24の部分27bのY方向の長さ:0.2λ
ダミー電極指24の部分27bのデュティ比:50%
ダミー領域34の領域34aと領域34bの音速差:0%
比較例の条件
ダミー電極指24のデュティ比:50%
絶縁膜40がダミー電極指24を覆うダミー領域34の領域34aのY方向の長さ:1.3λ
ダミー領域34の領域34aと領域34bの音速差:1.47%
【0043】
図6(a)は、実施例1および比較例に係る弾性波共振器の周波数に対するアドミッタンスの絶対値|Y|の実験結果、図5(b)は、周波数に対するアドミッタンスの実部Real(Y)の実験結果である。図6(a)に示すように、共振周波数frおよび反共振周波数faに関しては、実施例1および比較例において違いはほとんどなかった。図6(b)に示すように、実施例1は、比較例に比べて、スプリアスが抑制された結果となった。
【0044】
[実施例1の変形例]
図7(a)は、実施例1の変形例1に係る弾性波共振器110の平面図、図7(b)は、図7(a)のA-A断面図である。図7(a)および図7(b)に示すように、実施例1の変形例1の弾性波共振器110では、ダミー領域34の領域34aにおいて、ダミー電極指24の幅が細くなることに加え、電極指23の幅も細くなっている。その他の構成は実施例1と同じであるため説明を省略する。このように、ダミー電極指24に加えて電極指23の幅も細くなっていてもよい。
【0045】
図8(a)は、実施例1の変形例2に係る弾性波共振器120の平面図、図8(b)は、図8(a)のA-A断面図である。実施例1の弾性波共振器100では、図1(a)および図1(b)に示したように、絶縁膜40はダミー領域34の領域34a全体を覆って設けられている。これに対し、実施例1の変形例2の弾性波共振器120では、図8(a)および図8(b)のように、絶縁膜40はダミー領域34の領域34aの一部のみを覆って設けられている。
【0046】
以上のように、実施例1およびその変形例によれば、ダミー電極指24は、先端24a側に位置する部分27aと、部分27aより先端24aとは反対側に位置する部分27bと、を有し、部分27aは部分27bよりX方向(短手方向)の幅が細い。絶縁膜40は、エッジ領域32からダミー領域34のうちダミー電極指24の部分27aが位置する領域34aにかけて圧電基板10上に設けられ、中央領域31およびダミー領域34のうちダミー電極指24の部分27bが位置する領域34bには設けられていない。これにより、図2(b)のように、ダミー領域34の領域34aを伝搬する弾性表面波の音速と領域34bを伝搬する弾性表面波の音速との差を小さくでき、ダミー領域34の領域34a、34bを伝搬する弾性表面波の音速と中央領域31を伝搬する弾性表面波の音速との差を小さくできる。よって、横モードスプリアスを抑制することができる。
【0047】
ピストンモードを実現するために、中央領域31のY方向の長さとエッジ領域32のY方向の長さとは、ある一定の関係を満たすことが好ましい。例えば、中央領域31のY方向の長さは、エッジ領域32のY方向の合計の長さより長い場合が好ましい。エッジ領域32の各々のY方向の長さは、1λ以下(例えば開口長の1/20以下)が好ましく、0.5λ以下(例えば開口長の1/40以下)がより好ましい。エッジ領域32の各々のY方向の長さは、0.05λ以上(例えば開口長の1/400以上)が好ましく、0.1λ以上(例えば開口長の1/200以上)がより好ましい。エッジ領域32は中央領域31の片側にのみ設けられていてもよい。ギャップ領域33のY方向の長さは、2λ以下(例えば開口長の1/10以下)が好ましく、1λ以下(例えば開口長の1/20以下)が好ましい。ギャップ領域33の各々のY方向の長さは0.1λ以上(例えば開口長の1/200以上)が好ましく、0.2λ以上(例えば開口長の1/100以上)が好ましい。
【0048】
また、実施例1および変形例1では、図1(a)および図7(a)のように、絶縁膜40はエッジ領域32からダミー領域34の領域34aと領域34bの境界にかけて圧電基板10上に設けられている。言い換えると、絶縁膜40はY方向においてダミー領域34の領域34a全体を覆って設けられている。これにより、ダミー領域34の領域34aを伝搬する弾性表面波の音速と領域34bを伝搬する弾性表面波の音速とが同じになりやすく、その結果、ダミー領域34の領域34a、34bを伝搬する弾性表面波の音速と中央領域31を伝搬する弾性表面波の音速とが同じになりやすい。よって、横モードスプリアスを抑制することができる。
【0049】
なお、図8(a)に示した実施例1の変形例2のように、絶縁膜40はダミー領域34の領域34aの一部には設けられていない場合でもよい。この場合、ダミー領域34において中央領域31を伝搬する弾性表面波の音速と同じ音速の弾性表面波が伝搬する領域が大きくなるように、絶縁膜40はY方向において領域34aの70%以上を覆っている場合が好ましく、80%以上を覆っている場合がより好ましく、90%以上を覆っている場合が更に好ましい。
【0050】
また、実施例1およびその変形例では、ダミー電極指24の部分27bのX方向における幅W2は、電極指23のX方向における幅と同じ大きさである。これにより、ダミー領域34の領域34a、34bを伝搬する弾性表面波の音速と中央領域31を伝搬する弾性表面波の音速とを同じにできる。電極指の幅が同じとは、製造誤差程度を許容するものであり、例えば0.95倍以上1.05倍以下の場合であり、0.98倍以上1.02倍以下の場合でもよい。
【0051】
また、実施例1およびその変形例では、ダミー領域34の領域34aを伝搬する弾性表面波の音速と領域34bを伝搬する弾性表面波の音速とは同じである。これにより、ダミー領域34の領域34a、34bを伝搬する弾性表面波の音速と中央領域31を伝搬する弾性表面波の音速とが同じになりやすいため、横モードスプリアスを抑制することができる。音速が同じとは、製造誤差程度の差を許容するものであり、例えば弾性表面波の音速が0.98倍以上1.02倍以下の場合であり、0.985倍以上1.015倍以下の場合でもよいし、0.99倍以上1.01倍以下の場合でもよい。例えば、圧電基板10に42°回転YカットX伝搬のタンタル酸リチウム基板を用いる場合に、ダミー領域34と中央領域31の音速差が160(m/s)以内である場合では、ダミー領域34と中央領域31とは音速が同じであると言える。
【0052】
また、実施例1およびその変形例では、ダミー領域34の領域34aを伝搬する弾性表面波の音速と、領域34bを伝搬する弾性表面波の音速と、中央領域31を伝搬する弾性表面波の音速とは同じである。これにより、横モードスプリアスを抑制することができる。音速が同じとは、例えば弾性表面波の音速が0.98倍以上1.02倍以下の場合であり、0.985倍以上1.015倍以下の場合でもよいし、0.99倍以上1.01倍以下の場合でもよい。
【0053】
また、実施例1およびその変形例では、ギャップ領域33のY方向の長さは、一対の櫛型電極22の電極指23の平均ピッチDの2倍(1λ)以下である。この場合、製造上の理由から、絶縁膜40がエッジ領域32からダミー領域34にかけて形成されやすくなるため、ダミー電極指24の部分27aの幅W1を細くすることが好ましい。このようなことから、ギャップ領域33のY方向の長さが電極指23の平均ピッチDの1.5倍(0.75λ)以下の場合にダミー電極指24の部分27aの幅W1を細くすることが好ましく、1倍(0.5λ)以下の場合にダミー電極指24の部分27aの幅W1を細くすることがより好ましい。複数の電極指23の平均ピッチDは、IDT20のX方向の幅を電極指23の本数で除することで算出できる。
【実施例0054】
図9(a)は、実施例2に係る弾性波共振器200の平面図、図9(b)は、図9(a)のA-A断面図である。図9(a)および図9(b)に示すように、実施例2の弾性波共振器200では、ダミー電極指24は、X方向の幅WがY方向においてほぼ一定であって電極指23のX方向の幅と同じであるが、領域34aに位置する部分27aの厚さT1が領域34bに位置する部分27bの厚さT2より薄くなっている。ダミー電極指24の部分27aの厚さT1は、例えば部分27bの厚さT2の0.8倍以下であり、0.7倍以下でもよいし、0.6倍以下でもよい。ダミー電極指24の部分27bの厚さT2は、電極指23の厚さと同じである。その他の構成は、実施例1と同じであるため説明を省略する。
【0055】
図10(a)および図10(b)は、実施例2における弾性波の音速を示す図である。図10(a)は、絶縁膜40が設けられる前を示し、図10(b)は、絶縁膜40が設けられた後を示している。図10(a)に示すように、ダミー電極指24は部分27aの厚さT1が部分27bの厚さT2より薄いため、ダミー領域34の領域34aを伝搬する弾性表面波の音速が領域34bを伝搬する弾性表面波の音速より速い。
【0056】
図10(b)に示すように、エッジ領域32からギャップ領域33を介してダミー領域34の領域34aにかけて絶縁膜40が設けられることで、ダミー領域34の領域34aを伝搬する弾性表面波の音速が、領域34bを伝搬する弾性表面波の音速に近づき、好ましくは同じになる。このように、絶縁膜40が設けられた後においてダミー領域34の領域34aを伝搬する弾性表面波の音速が領域34bを伝搬する弾性表面波の音速に近づく(好ましくは同じになる)ように、ダミー電極指24は部分27aの厚さT1が薄くなっている。ダミー領域34の領域34aを伝搬する弾性表面波の音速が領域34bを伝搬する弾性表面波の音速に近づくことで、ダミー領域34の領域34aおよび34bを伝搬する弾性表面波の音速と中央領域31を伝搬する弾性表面波の音速との差を小さくでき、好ましくは同じにできる。また、絶縁膜40が設けられることで、エッジ領域32を伝搬する弾性表面波の音速は中央領域31を伝搬する弾性表面波の音速より遅くなる。ギャップ領域33を伝搬する弾性表面波の音速は、絶縁膜40が設けられた後においても、中央領域31を伝搬する弾性表面波の音速より速いままである。
【0057】
実施例2によれば、ダミー電極指24は、先端24a側に位置する部分27aと、部分27aより先端24aとは反対側に位置する部分27bと、を有し、部分27aは部分27bより厚さが薄い。絶縁膜40は、エッジ領域32からダミー領域34のうちダミー電極指24の部分27aが位置する領域34aにかけて圧電基板10上に設けられ、中央領域31およびダミー領域34のうちダミー電極指24の部分27bが位置する領域34bには設けられていない。これにより、図10(b)のように、ダミー領域34の領域34aを伝搬する弾性表面波の音速と領域34bを伝搬する弾性表面波の音速との差を小さくでき、ダミー領域34の領域34a、34bを伝搬する弾性表面波の音速と中央領域31を伝搬する弾性表面波の音速との差を小さくできる。よって、横モードスプリアスを抑制することができる。
【0058】
なお、実施例2においても、絶縁膜40はエッジ領域32からダミー領域34の領域34aと領域34bの境界にかけて設けられる場合が好ましいが、実施例1の変形例2と同様に、ダミー領域34の領域34aの一部には設けられていない場合でもよい。
【0059】
また、実施例2では、ダミー電極指24の部分27bの厚さT2は、電極指23の厚さと同じである。これにより、ダミー領域34の領域34a、34bを伝搬する弾性表面波の音速と中央領域31を伝搬する弾性表面波の音速とを同じにできる。電極指の厚さが同じとは、製造誤差程度を許容するものであり、例えば0.95倍以上1.05倍以下の場合であり、0.98倍以上1.02倍以下の場合でもよい。
【0060】
また、実施例2では、実施例1と同様に、ダミー領域34の領域34aを伝搬する弾性表面波の音速と領域34bを伝搬する弾性表面波の音速とは同じである。これにより、ダミー領域34の領域34a、34bを伝搬する弾性表面波の音速と中央領域31を伝搬する弾性表面波の音速とが同じになりやすいため、横モードスプリアスを抑制することができる。また、実施例1と同様に、ダミー領域34の領域34aを伝搬する弾性表面波の音速と、領域34bを伝搬する弾性表面波の音速と、中央領域31を伝搬する弾性表面波の音速とは同じである。これにより、横モードスプリアスを抑制することができる。また、実施例1と同様に、ギャップ領域33のY方向の長さは、一対の櫛型電極22の電極指23の平均ピッチDの2倍(1λ)以下である。この場合、製造上の理由から、絶縁膜40がエッジ領域32からダミー領域34にかけて形成されやすくなるため、ダミー電極指24の部分27aの厚さT1を薄くすることが好ましい。
【0061】
なお、実施例2において、ダミー領域34の領域34aにおけるダミー電極指24の厚さを薄くすることに加え、電極指23の厚さを薄くしてもよい。実施例1と実施例2を組み合わせて、ダミー領域34の領域34aにおけるダミー電極指24および/または電極指23の幅を細くしかつ厚さを薄くしてもよい。
【0062】
以上のように、実施例1および実施例2によれば、絶縁膜40はエッジ領域32からダミー領域34のうち交差領域30側に位置する領域34aにかけて設けられ、中央領域31およびダミー領域34のうちバスバー領域35側に位置する領域34bには設けられていない。そして、一対の櫛型電極22は、ダミー領域34の領域34aを伝搬する弾性表面波の音速と領域34bを伝搬する弾性表面波の音速とが同じになっている。これにより、ダミー領域34の領域34a、34bを伝搬する弾性表面波の音速と中央領域31を伝搬する弾性表面波の音速とが同じになりやすく、その結果、横モードスプリアスを抑制することができる。
【実施例0063】
図11(a)は、実施例3に係る弾性波共振器300の平面図、図11(b)は、図11(a)のA-A断面図である。図11(a)および図11(b)に示すように、実施例3の弾性波共振器300では、ダミー電極指24は、X方向の幅WがY方向においてほぼ一定であって電極指23のX方向の幅と同じである。また、ダミー電極指24は、厚さTがY方向においてほぼ一定であって電極指23の厚さと同じである。絶縁膜40は、エッジ領域32からギャップ領域33を介してダミー領域34の領域34aにかけて設けられている部分と、エッジ領域32からギャップ領域33にかけて設けられ、ダミー領域34には設けられていない部分と、を有している。すなわち、絶縁膜40のバスバー25側の側面は凸凹した形状となっている。その他の構成は、実施例1と同じであるため説明を省略する。
【0064】
図12(a)および図12(b)は、実施例3における弾性波の音速を示す図である。図12(a)は、絶縁膜40が設けられる前を示し、図12(b)は、絶縁膜40が設けられた後を示している。図12(a)に示すように、ダミー電極指24は、厚さがほぼ一定でかつX方向の幅がほぼ一定であるため、ダミー領域34の領域34a、34bを伝搬する弾性表面波の音速は同じであり、かつ、中央領域31を伝搬する弾性表面波の音速と同じである。
【0065】
図12(b)に示すように、エッジ領域32からギャップ領域33を介してダミー領域34の領域34aにかけて絶縁膜40が設けられることで、領域34aを伝搬する弾性表面波の音速は、領域34bおよび中央領域31を伝搬する弾性表面波の音速に比べて遅くなる。しかしながら、絶縁膜40がX方向において領域34a全体に設けられなく、領域34aにおいて絶縁膜40が設けられていない部分があるため、領域34aを伝搬する弾性表面波の音速の低下が小さく抑えられる。絶縁膜40が設けられることで、エッジ領域32を伝搬する弾性表面波の音速は中央領域31を伝搬する弾性表面波の音速より遅くなる。ギャップ領域33を伝搬する弾性表面波の音速は、絶縁膜40が設けられた後においても、中央領域31を伝搬する弾性表面波の音速より速いままである。
【0066】
[シミュレーション]
ダミー領域34の領域34aに設ける絶縁膜40の大きさを変えることで、中央領域31を伝搬する弾性表面波の音速と領域34aを伝搬する弾性表面波の音速との差がどのように変化するかをシミュレーションした。図13(a)から図13(d)は、シミュレーションに用いたサンプルA~Dの断面図である。図13(a)から図13(d)では、ダミー領域34の領域34aにおける断面を図示している。
【0067】
図13(a)に示すように、サンプルAは、支持基板60上に絶縁膜62を介して圧電基板10が設けられている。圧電基板10上にIDT20(電極指23およびダミー電極指24のみを図示)および反射器21(不図示)が設けられている。IDT20および反射器21を覆って保護膜64が設けられている。ダミー領域34の領域34aには絶縁膜40は設けられていない。図13(b)に示すように、サンプルBでは、絶縁膜40がダミー領域34の領域34a全体に設けられている。その他の構成はサンプルAと同じである。
【0068】
図13(c)に示すように、サンプルCでは、絶縁膜40は、ダミー領域34の領域34aにおいてダミー電極指24上にのみ設けられている。したがって、サンプルBでは絶縁膜40がダミー領域34の領域34aの100%の範囲に設けられているのに対し、サンプルCでは絶縁膜40は領域34aの25%の範囲に設けられている。その他の構成はサンプルAと同じである。図13(d)に示すように、サンプルDでは、絶縁膜40は、ダミー領域34の領域34aにおいて、ダミー電極指24とその両側で隣接する電極指23との間の中心間にダミー電極指24を覆って設けられている。したがって、サンプルDでは絶縁膜40は領域34aの50%の範囲に設けられている。その他の構成はサンプルAと同じである。
【0069】
サンプルA~Dに対して中央領域31を伝搬する弾性表面波の音速とダミー領域34の領域34aを伝搬する弾性表面波の音速との差を評価するシミュレーションを行った。シミュレーション条件は以下である。
支持基板60:サファイア基板
絶縁膜62:厚さが0.2λの酸化シリコン(SiO)層
圧電基板10:厚さが0.3λの42°YカットX伝搬タンタル酸リチウム基板
IDT20および反射器21:厚さが0.096λのアルミニウム膜
絶縁膜40:厚さが0.01λの酸化ニオブ膜
弾性波の波長λ:2.2μm
電極指23およびダミー電極指24のデュティ比:50%
【0070】
シミュレーション結果を表1に示す。表1に示すように、ダミー領域34の領域34aに絶縁膜40が設けられたサンプルB~Dは、絶縁膜40が設けられていないサンプルAに対して共振周波数が低下した。これは、絶縁膜40の質量負荷効果によるものと考えられる。絶縁膜40がダミー領域34の領域34aの100%の範囲にわたって設けられたサンプルBは、中央領域31を伝搬する弾性表面波の音速Vcに対する、ダミー領域34の領域34aを伝搬する弾性表面波の音速Vaと音速Vcとの音速差の割合(((Vc-Va)/Va)×100)は1.9%であった。一方、絶縁膜40がダミー領域34の領域34aにおいてダミー電極指24上にのみ設けられて領域34aの25%の範囲に設けられたサンプルCは、音速Vcに対する、音速Vaと音速Vcとの音速差の割合は1.4%であった。このように、ダミー領域34の領域34aにおいて絶縁膜40が設けられる範囲を小さくすることで、中央領域31を伝搬する弾性表面波の音速Vcとダミー領域34の領域34aを伝搬する弾性表面波の音速Vaとの差が小さくなることが分かった。また、絶縁膜40がダミー電極指24から両側の電極指がないスペース部分にかけて設けられてダミー領域34の領域34aの50%の範囲に設けられたサンプルDは、音速Vcに対する、音速Vaと音速Vcとの差の割合は1.1%であった。
【表1】
【0071】
実施例3によれば、絶縁膜40は、エッジ領域32からダミー領域34のうち交差領域30側に位置する領域34aにかけて圧電基板10上に設けられ、領域34aでのY方向における長さがX方向で異なっている。絶縁膜40は、中央領域31およびダミー領域34のうちバスバー領域35側に位置する領域34bには設けられていない。これにより、図12(b)のように、絶縁膜40が設けられた後においてダミー領域34の領域34aを伝搬する弾性表面波の音速の低下が小さく抑えられ、領域34aを伝搬する弾性表面波の音速と領域34bを伝搬する弾性表面波の音速との差を小さくできる。その結果、ダミー領域34の領域34a、34bを伝搬する弾性表面波の音速と中央領域31を伝搬する弾性表面波の音速との差を小さくでき、横モードスプリアスを抑制することができる。
【0072】
実施例3において、絶縁膜40のX方向およびY方向の製造可能な最小幅は同じである。IDT20で励振される弾性表面波の波長λが長くなると、電極指23およびダミー電極指24のX方向の幅が長くなる。この場合、絶縁膜40は、ダミー領域34の領域34aにおいてダミー電極指24上にのみ設けてもよい。このように、ダミー領域34の領域34aにおける絶縁膜40の位置および範囲は適宜設定することができる。
【実施例0073】
図14は、実施例4に係るフィルタ400の回路図である。図14に示すように、入力端子Tinと出力端子Toutとの間に、1または複数の直列共振器S1~S4が直列に接続されている。入力端子Tinと出力端子Toutとの間に、1または複数の並列共振器P1~P3が並列に接続されている。直列共振器S1~S4および並列共振器P1~P3の少なくとも1つに実施例1から実施例3の弾性波共振器を用いてもよい。直列共振器および並列共振器の個数等は適宜設定できる。フィルタとしてラダー型フィルタを例に示したが、フィルタは多重モード型フィルタでもよい。
【実施例0074】
図15は、実施例5に係るデュプレクサ500の回路図である。図15に示すように、共通端子Antと送信端子Txとの間に送信フィルタ50が接続されている。共通端子Antと受信端子Rxとの間に受信フィルタ52が接続されている。送信フィルタ50は、送信端子Txから入力された高周波信号のうち送信帯域の信号を送信信号として共通端子Antに通過させ、他の周波数の信号を抑圧する。受信フィルタ52は、共通端子Antから入力された高周波信号のうち受信帯域の信号を受信信号として受信端子Rxに通過させ、他の周波数の信号を抑圧する。送信フィルタ50および受信フィルタ52の少なくとも一方を実施例4のフィルタとすることができる。マルチプレクサとしてデュプレクサを例に示したが、トリプレクサまたはクワッドプレクサでもよい。
【0075】
以上、本願発明の実施形態について詳述したが、本願発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本願発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0076】
10 圧電基板
20 IDT
21 反射器
22 櫛型電極
23 電極指
23a 電極指の先端
24 ダミー電極指
24a ダミー電極指の先端
25 バスバー
26 金属膜
27a、27b 部分
30 交差領域
31 中央領域
32 エッジ領域
33 ギャップ領域
34 ダミー領域
34a、34b 領域
35 バスバー領域
40 絶縁膜
50 送信フィルタ
52 受信フィルタ
60 支持基板
62 絶縁膜
64 保護膜
100、110、120、200、300、1000 弾性波共振器
400 フィルタ
500 デュプレクサ
図1
図2
図3
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図15