(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173863
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】柵
(51)【国際特許分類】
E04H 17/14 20060101AFI20231130BHJP
E04F 11/18 20060101ALI20231130BHJP
E04B 1/00 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
E04H17/14 103Z
E04F11/18
E04B1/00 501L
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022086381
(22)【出願日】2022-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100184066
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 恭
(72)【発明者】
【氏名】赤井 忠剛
(72)【発明者】
【氏名】中村 誠也
(72)【発明者】
【氏名】笹島 淳志
(72)【発明者】
【氏名】谷藤 貴生
【テーマコード(参考)】
2E142
2E301
【Fターム(参考)】
2E142AA01
2E142DD02
2E142DD13
2E142DD23
2E142DD32
2E142HH01
2E142HH13
2E142HH22
2E142JJ03
2E142MM12
2E301GG01
2E301JJ05
2E301JJ08
2E301MM03
(57)【要約】
【課題】照明機能を有するフェンス等の柵について、施工性・コンパクト性を向上させる。
【解決手段】 支柱と、横桟を備えて構成し、横桟は、横桟部材と、横桟部材の上面を覆う横桟カバーと、照明機器を有しており、横桟部材は、幅方向中央に下方に開口する照明機器取付溝を有するとともに、照明機器取付溝の幅方向両側に上方に開口する溝状部を有しており、横桟部材の溝状部は、横桟カバーに覆われて配線又は補強材を配置する空間を形成している。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支柱と、横桟を備え、
横桟は、横桟部材と、横桟部材の上面を覆う横桟カバーと、照明機器を有し、
横桟部材は、幅方向中央に下方に開口する照明機器取付溝を有するとともに、照明機器取付溝の幅方向両側に上方に開口する溝状部を有し、
横桟部材の溝状部は、横桟カバーに覆われて配線又は補強部材を配置する空間を形成している柵。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デッキ等に設けられるフェンスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、照明機能を有するフェンスが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
照明機能を有するフェンスにおいて、施工性・コンパクト性を向上させることが求められている。
【0005】
本発明は、照明機能を有するフェンスにおいて、施工性・コンパクト性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの実施形態は、支柱と、横桟を備え、横桟は、横桟部材と、横桟部材の上面を覆う横桟カバーと、照明機器を有し、横桟部材は、幅方向中央に下方に開口する照明機器取付溝を有するとともに、照明機器取付溝の幅方向両側に上方に開口する溝状部を有し、横桟部材の溝状部は、横桟カバーに覆われて配線又は補強材を配置する空間を形成している柵である。
【発明の効果】
【0007】
実施形態によれば、照明機能を有するフェンスにおいて、施工性・コンパクト性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態の柵を内側から見た全体正面図である。
【
図3】実施形態の柵の一部拡大図であり、(a)は支柱と横桟との接続部分の拡大正面図であり、(b)は支柱と横桟との接続部分を下から見た横断面図である。
【
図4】実施形態の柵の横桟の図であり、(a)は分解図であり、(b)は
図2におけるA-A横断面図である。
【
図5】実施形態の柵の横桟の取付金具の図であり、(a)ないし(f)は分解図であり、(g)(h)は横桟を取り付ける時の図である。
【
図6】実施形態の柵の横桟の図であり、(a)は一部省略した
図2におけるB-B横断面図であり、(b)は
図2におけるB-B横断面図である。
【
図7】実施形態の柵の照明機器を説明するための一部拡大図であり、(a)は支柱と横桟との接続部分の拡大正面図であり、(b)は支柱と横桟との接続部分を下から見た横断面図である。
図7において、照明機器以外の部材は、適宜省略している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施形態の柵として、建物の外側に配置されたデッキに設置される柵の例を用いて、図面を参考にして説明する。
なお、以下の説明では、柵の内側から見て左右方向を見付方向といい、柵の内外方向を見込方向もしくは幅方向という。
【0010】
(柵の全体構成)
本実施形態の柵は、
図1に示すように、複数本(3本)の支柱1,1と、支柱1,1の上端に亘って支持される笠木2と、支柱1,1の高さ方向で中間位置において支柱1間に水平に支持される横桟3,3を有している。なお、支柱もしくは横桟の本数は、限定されない。
【0011】
支柱1は、アルミ合金等の金属材料からなり、断面が矩形中空形状の長尺部材であり、デッキ材Aの上面にベースプレートBを介して立設されている。
笠木2は、アルミ合金等の金属材料からなり、断面が矩形中空形状の長尺部材であり、各支柱1の上面に載置され、支柱1に対して支柱ジョイント22によって固定されている。笠木2の両端面には、樹脂製の端部キャップ2aが装着されている。
【0012】
横桟3は、長尺部材であり、支柱1の側面間に取り付けられている。
横桟3は、長手方向(見付方向)に沿って横桟3の下方を照らす照明機器5のLED照明51が配置されており、支柱1の内部に配置された配線52を介して電源(図示はない)に接続されている。
以下、照明機器5が配置された横桟3について、さらに詳細に説明する。
【0013】
(横桟の構成)
横桟3は、
図2ないし
図4に示すように、それぞれアルミ合金等の金属材料からなる長尺状の部材である、横桟部材31と、横桟部材31の上面を覆う横桟カバー32と、照明カバー33を有しており、横桟取付金具41によって支柱1の側面間に取り付けられている。
【0014】
横桟部材31は、
図4に示すように、幅方向中央に位置して下方に開口する照明機器取付溝31aと、照明機器取付溝31aの幅方向(見込方向)両側の下端より外方に延びる底壁部31b,31bと、底壁部31b,31bの外側端に連続し上方に延びる外側壁31c,31cを有しており、照明機器取付溝31aの幅方向両側に上方に開口する溝状部31d,31dが形成されている。
【0015】
横桟部材31は、照明機器取付溝31aに照明機器5を構成する長尺のLED照明51が下方に向けて発光するように配置されている。なお、照明機器取付溝31aに取付けられる照明は、長尺のLED照明に限定されるものではなく、複数の照明を間隔をあけて並べて配置してもよい。
【0016】
照明カバー33は、平板状の部材であり、長手方向の適宜位置に幅方向に長い長孔のビス孔33bが設けられており、上面には長手方向に伸びる溝が幅方向に複数並んで配置された位置決め部33aが形成されている。
【0017】
横桟部材31は、幅方向両側下面に、具体的には底壁部31b,31bにビス孔31g,31gが形成されており、照明カバー33,33が照明機器取付溝31aを挟むように幅方向に並べて配置され、横桟部材31のビス孔31g,31gおよび照明カバー33のビス孔33bを介してビス等の固定手段b1,b1によって幅方向に位置調節自在に取り付けられている。
【0018】
横桟部材31の底壁部31b,31bの下面には、長手方向に伸びる溝が幅方向に複数並んで配置された位置決め部31eが形成されており、照明カバー33は、位置決め部33aと横桟部材31の位置決め部31eとの噛合いによって、底壁部31b,31bの下面に対して幅方向に位置決めされ、横桟部材31に対して平行に固定されている。
【0019】
横桟部材31は、外側壁31c,31cの外面下方位置に横桟カバー32を取り付けるための係止爪31f,31fが形成されている。
【0020】
横桟カバー32は、上壁部32aと、上壁部32aの幅方向両側から下方に延びる側壁部32b,32bを有しており、側壁部32b,32bの内面下方位置に横桟部材31の係止爪31f,31fに係止する係止リブ32c,32cが形成されている。
【0021】
横桟3は、横桟部材31に対して上方から横桟カバー32が装着されることで、横桟部材31の係止爪31f,31fに横桟カバー32の係止リブ32c,32cが係止されて組み立てられ、溝状部31d,31dが横桟カバー32に覆われて照明機器取付溝31aの幅方向両側に空間s1,s1が形成されている。
【0022】
(横桟の支柱への取付)
横桟3の横桟部材31を支柱1に取り付けるための横桟取付金具41は、スチール等の金属材料からなる第1取付金具411と第2取付金具412を有している。
横桟取付金具41は、第2取付金具412が支柱1の側面に固定され、第2取付金具412と第1取付金具411とによって横桟3の横桟部材31の底壁部31b,31bを挟持することで、支柱1に対して横桟3を取り付ける。
【0023】
第1取付金具411は、
図5(a)(b)に示すように、横桟3の断面よりも一回り大きい外周寸法の垂直壁411aと、垂直壁411aの幅方向両側で所定高さ位置から水平に伸びる水平壁411b,411bを有しており、垂直壁411aの内側はくりぬかれてくりぬき部411cが形成されている。
第1取付金具411は、水平壁411b,411bにビス孔411d,411dが形成されている。
【0024】
第2取付金具412は、
図5(c)(d)に示すように、第1取付金具411のくりぬき部411cの内側に収まる外周寸法の垂直壁412aと、垂直壁412aよりも幅広で垂直壁412aの下辺より水平に伸びる水平壁412bを有している。
第2取付金具412は、垂直壁412aに支柱1に取り付けるためのビス等の固定手段b2を通すビス孔412cが形成されており、水平壁412bに横桟3の長手方向に長い長孔のビス孔412dが形成されている。
なお、第2取付金具412は、
図3(b),
図5(c)に示すように、水平壁412bの先端位置中央にLED照明51の端部をのぞかせる切欠き部412eを形成して、LED照明51からの光を無駄なく照射できるようにすることが好ましい。
【0025】
支柱1に横桟3を取り付けるに際しては、
図5(e)ないし(h)に示すように、第2取付金具412が垂直壁412aのビス孔412cを介してビス等の固定手段b2によって支柱1に取付けられる。
第1取付金具411は、支柱1に固定された第2取付金具412の垂直壁412aがくりぬき部411c内に配置されるように第2取付金具412の垂直壁412aと垂直壁411aを重複させて配置されている。
【0026】
垂直壁411aおよび垂直壁412aを重複して配置された第2取付金具412の水平壁412bと第1取付金具411の水平壁411bの間に横桟部材31の底壁部31bを配置して、第1取付金具411のビス孔411dと第2取付金具412のビス孔412dと横桟部材31に設けられたビス孔にビス等の固定手段b3をねじ込んで挟持することで支柱1に対して横桟部材31が取り付けられている。
【0027】
支柱1に取り付けられた横桟取付金具41は、支柱1に形成された開口部(図示はない)と横桟3の空間s1,s1とを連通する連通孔41a,41aが形成されており、支柱1から横桟3内への照明機器5の配線を可能にしている。
【0028】
(横桟の補強)
本実施形態の柵の横桟3は、
図2,
図3,
図6(a)に示すように、長手方向で中央領域において、空間s1,s1内に補強部材6が配置されている。
補強部材6は、アルミ合金等の金属材料からなり、断面が矩形中空形状の長尺部材であり、横桟3の空間s1,s1内に配置され、ビス等の固定手段b4によって、横桟部材31の底壁部31b,31bに固定されている。
【0029】
なお、補強部材6の断面は矩形中空形状に限定されるものではなく、断面略L字形やU字型でもよく、横桟3に対する補強部材6の固定手段も限定されるものではない。また、横桟3における補強部材6が配置される領域についても何ら限定されるものではない。
【0030】
(照明機器の配線)
本実施形態の柵の支柱1は、横桟3の取付部位に照明機器5の配線52を通す開口部(図示はない)を有しており、支柱1に通された配線52は、
図7に示すように、支柱1の開口部から第1取付金具411の連通孔41a(くりぬき部411c)を介して横桟3の一方の空間s1に進入し、LED照明51に接続されている。
照明機器5は、適宜位置にドライコーン53が設けられており、雨水に対する対策が取られている。
【0031】
(本実施形態の柵の効果)
本実施形態の柵は、横桟3の幅方向中央に照明機器5のLED照明51を配置する照明機器取付溝を有し、該照明機器取付溝の幅方向両側に空間が形成されて照明機器の配線を配置することができるので、断面を大きくすることなく、コンパクトな照明付き横桟を提供することができる。
【0032】
本実施形態の柵は、照明機器取付溝の幅方向両側に補強部材を配置することができるので、横桟をバランスよく補強することができ、照明装置を備えながら長尺の横桟を採用して柵を形成することができる。
【0033】
本実施形態の柵は、横桟部材の下面で幅方向両側に照明機器取付溝を挟むように照明カバーが配置されており、照明カバー33は、幅方向に位置調節自在であるので、
図6(b)に示すように、照明カバー33の位置を調節(矢印X)することで光を照らす範囲を変更することができ、柵を設置する場所や目的に応じて光の加減を調整することができる。
また、照明カバー33は、照明機器5のLED照明51に対して幅方向両側に個別に配置されているので、光を照らす範囲を柵の内外で変更することができる。
【0034】
以上の実施形態は,請求項に記載された発明を限定するものではなく,例示として取り扱われることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0035】
1 :支柱
3 :横桟
31 :横桟部材
31a :照明機器取付溝
31b :底壁部
31c :外側壁
31d :溝状部
32 :横桟カバー
33 :照明カバー
5 :照明機器
51 :LED照明
52 :配線
6 :補強部材
33a :位置決め部