IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニックIPマネジメント株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-通信制御システム及び通信制御方法 図1
  • 特開-通信制御システム及び通信制御方法 図2
  • 特開-通信制御システム及び通信制御方法 図3
  • 特開-通信制御システム及び通信制御方法 図4
  • 特開-通信制御システム及び通信制御方法 図5
  • 特開-通信制御システム及び通信制御方法 図6
  • 特開-通信制御システム及び通信制御方法 図7
  • 特開-通信制御システム及び通信制御方法 図8
  • 特開-通信制御システム及び通信制御方法 図9
  • 特開-通信制御システム及び通信制御方法 図10
  • 特開-通信制御システム及び通信制御方法 図11
  • 特開-通信制御システム及び通信制御方法 図12
  • 特開-通信制御システム及び通信制御方法 図13
  • 特開-通信制御システム及び通信制御方法 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173882
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】通信制御システム及び通信制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 88/08 20090101AFI20231130BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20231130BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20231130BHJP
【FI】
H04W88/08
G05B19/418 Z
H04W16/28 150
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022086409
(22)【出願日】2022-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】熊川 正啓
(72)【発明者】
【氏名】相田 和俊
【テーマコード(参考)】
3C100
5K067
【Fターム(参考)】
3C100AA22
3C100AA48
3C100BB13
3C100CC02
3C100EE07
5K067AA01
5K067CC24
5K067EE02
5K067EE10
5K067GG08
5K067KK01
(57)【要約】
【課題】他の装置と設備との間の無線通信が阻害されることを抑制することができる通信制御システム等を提供する。
【解決手段】通信制御システム1は、複数の通信部を備える設備10における複数の通信部の出力を制御する通信制御システムであって、設備10が配置される空間70には移動体が存在し、移動体の移動に関する移動情報を取得し、移動情報に基づいて、複数の通信部の出力の切り替えを制御するための切替計画作成部12とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の通信部を備える生産設備における前記複数の通信部の出力を制御する通信制御システムであって、
前記生産設備が配置される空間には移動体が存在し、
前記移動体の移動に関する移動情報を取得する取得部と、
前記移動情報に基づいて、前記複数の通信部の出力の切り替えを制御する制御部とを備える、
通信制御システム。
【請求項2】
前記複数の通信部は、前記生産設備の互いに異なる位置に配置される第1アンテナ及び第2アンテナを有し、
前記制御部は、前記移動体が前記第1アンテナに接近する場合、第1中継装置との無線通信に用いるアンテナを、前記第1アンテナから前記第2アンテナへ切り替えるように制御する、
請求項1に記載の通信制御システム。
【請求項3】
前記複数の通信部は、前記生産設備に配置される第1アンテナ及び第2アンテナを有し、
前記生産設備は、前記空間において第1中継装置と異なる位置に配置される第2中継装置とも通信可能であり、
前記制御部は、前記第1アンテナ及び前記第2アンテナを用いて前記第1中継装置と通信している場合に、前記第1アンテナ及び前記第2アンテナの少なくとも一方と前記第1中継装置との間に前記移動体が接近するとき、前記第1アンテナ及び前記第2アンテナを用いて前記第2中継装置と通信するように前記第1アンテナ及び前記第2アンテナの少なくとも一方が放射する電波の位相を切り替える、
請求項1に記載の通信制御システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記移動体が前記第1アンテナと前記第1中継装置との通信を遮る場合、前記切り替えを行うように制御する、
請求項2又は3に記載の通信制御システム。
【請求項5】
前記移動体は、自動移動ロボットであり、
前記移動情報は、前記自動移動ロボットの走行計画を含み、
前記制御部は、前記走行計画に基づいて前記切り替えを行うタイミングを決定する、
請求項2又は3に記載の通信制御システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記走行計画が更新された場合、更新された前記走行計画に基づいて、前記切り替えを制御する、
請求項5に記載の通信制御システム。
【請求項7】
前記移動体は、自動移動ロボット又は作業者であり、
前記制御部は、前記自動移動ロボット又は前記作業者をセンシングしたセンシング結果に基づいて、前記切り替えを行うタイミングを決定する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の通信制御システム。
【請求項8】
前記移動情報は、前記移動体をセンシングしたセンシング結果に基づく、前記移動体の移動に関する予測結果を含み、
前記制御部は、前記予測結果に基づいて、前記切り替えを行うタイミングを決定する、
請求項7に記載の通信制御システム。
【請求項9】
前記第1アンテナ及び前記第2アンテナは、前記生産設備の平面視において、前記生産設備の対向する2位置に設置される、
請求項2又は3に記載の通信制御システム。
【請求項10】
前記第1アンテナ及び前記第2アンテナは、前記生産設備の平面視において、前記第1アンテナ及び前記第2アンテナが並ぶ方向と前記移動体の移動方向とが交差するように配置される、
請求項2又は3に記載の通信制御システム。
【請求項11】
前記取得部及び前記制御部は、前記生産設備に内蔵される、
請求項1~3のいずれか1項に記載の通信制御システム。
【請求項12】
前記第1中継装置と接続され、前記第1中継装置を介して前記切り替えを制御するための情報を前記生産設備に送信する制御装置をさらに備え、
前記制御装置は、前記移動体と通信可能であり、
前記取得部及び前記制御部は、前記制御装置に内蔵される、
請求項5に記載の通信制御システム。
【請求項13】
複数の通信部を備える生産設備における前記複数の通信部の出力を制御する通信制御方法であって、
前記生産設備が配置される空間には移動体が存在し、
前記移動体の移動に関する移動情報を取得し、
前記移動情報に基づいて、前記複数の通信部の出力の切り替えを制御する、
通信制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信制御システム及び通信制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、自動搬送車(AGV:Automated guided vehicle)及び生産設備(設備)がナビゲーション装置を介して工場内で協調動作するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2020/217365号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、設備が配置される空間(例えば、工場内の空間)では、作業者、自動搬送車等の移動体が移動しており、当該移動体の位置によっては、無線基地局等の他の装置と設備との間の通信が阻害されることがある。しかしながら、特許文献1には、無線基地局等の他の装置と設備との間の通信阻害を抑制する技術については、開示されていない。
【0005】
そこで、本開示は、他の装置と設備との間の無線通信が阻害されることを抑制することができる通信制御システム及び通信制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る通信制御システムは、複数の通信部を備える生産設備における前記複数の通信部の出力を制御する通信制御システムであって、前記生産設備が配置される空間には移動体が存在し、前記移動体の移動に関する移動情報を取得する取得部と、前記移動情報に基づいて、前記複数の通信部の出力の切り替えを制御する制御部とを備える。
【0007】
本開示の一態様に係る通信制御方法は、複数の通信部を備える生産設備における前記複数の通信部の出力を制御する通信制御方法であって、前記生産設備が配置される空間には移動体が存在し、前記移動体の移動に関する移動情報を取得し、前記移動情報に基づいて、前記複数の通信部の出力の切り替えを制御する。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様に係る通信制御システム等によれば、他の装置と設備との間の無線通信が阻害されることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施の形態1に係る通信制御システムの構成を示す概略平面図である。
図2図2は、実施の形態1に係る統合システムの構成を示すブロック図である。
図3図3は、実施の形態1に係る設備の構成を示すブロック図である。
図4図4は、実施の形態1に係る通信制御システムの動作を示すシーケンス図である。
図5図5は、実施の形態1に係る設備の動作を示すフローチャートである。
図6図6は、実施の形態2に係る通信制御システムの構成を示す概略平面図である。
図7図7は、実施の形態2に係る設備の動作を示すフローチャートである。
図8図8は、実施の形態3に係る統合システムの構成を示すブロック図である。
図9図9は、実施の形態3に係る設備の構成を示すブロック図である。
図10図10は、実施の形態3に係る通信制御システムの動作を示すシーケンス図である。
図11図11は、実施の形態4に係る通信制御システムの構成を示す概略平面図である。
図12図12は、実施の形態4に係る設備の構成を示すブロック図である。
図13図13は、実施の形態4に係る設備の動作を示すフローチャートである。
図14図14は、その他の実施の形態に係る設備におけるアンテナの配置例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(本開示に至った経緯)
従来、工場内の空間(例えば、生産フロア)に配置される生産設備(以降において、単に設備とも記載する)は、当該工場内の空間に配置される無線基地局と無線通信を行うことがある。例えば、設備は、無線通信を介して動作が制御される。
【0011】
一方、工場内の空間には、人(例えば、作業者)、AGV等の移動体が存在し、無線基地局と設備との間の領域に当該移動体が位置すると、電波が遮断され、無線基地局と設備との通信が阻害される恐れがある。また、工場においては、今後さらに自動化が進むことが想定されており、その自動化を実現する通信として期待される高速低遅延の第5世代移動通信(通称5G)、あるいは2030年以降に出現すると予想されている第6世代移動通信では数十GHz以上の高周波帯域(5Gにおける28GHz帯等)が利用されるため、さらに通信が阻害されやすくなる。
【0012】
また、工場のCPS(Cyber-Physical System:サイバーフィジカルシステム)実現で重要な上り通信(設備から無線基地局20への通信)において、移動体が設備に接近するため遮蔽影響が顕著になり、通常のダイバーシティでは上記の課題を解決しにくい。
【0013】
そこで、本願発明者らは、無線基地局等の他の装置と設備との間の通信阻害を抑制することができる通信制御システム等について鋭意検討を行い、以下に示す通信制御システム等を創案した。
【0014】
以下、各実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下で説明する各実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の各実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の各実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0015】
また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0016】
また、本明細書において、「平面視」とは、設備が配置される空間を上方から見る(俯瞰する)ことを意味する。
【0017】
また、本明細書において、同じ等の要素間の関係性を示す用語、及び、矩形状等の要素の形状を示す用語、並びに、数値、及び、数値範囲は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度(例えば、10%程度)の差異をも含むことを意味する表現である。
【0018】
(実施の形態1)
以下、本実施の形態に係る通信制御システムについて、図1図5を参照しながら説明する。
【0019】
[1-1.通信制御システムの構成]
まず、本実施の形態に係る通信制御システムの構成について、図1図3を参照しながら説明する。図1は、本実施の形態に係る通信制御システム1の構成を示す概略平面図である。
【0020】
図1に示すように、通信制御システム1は、統合システム10と、無線基地局20と、複数の設備30と、複数の設備40と、第1移動体50と、第2移動体60とを備える。なお、通信制御システム1に含まれる移動体の数は、2つに限定されず、1つ以上であればよい。また、統合システム10、第1移動体50及び第2移動体60は、通信制御システム1に含まれなくてもよい。また、図1に示す矢印は、第1移動体50及び第2移動体60の移動方向の一例を示す。
【0021】
通信制御システム1は、例えば、工場内の空間70での無線通信を制御するための情報処理システムである。空間70には、複数の設備30により構成される第1生産ラインL1と、複数の設備40により構成される第2生産ラインL2とが配置される。また、通信制御システム1は、例えば、5G規格に準拠した無線通信(5G方式による無線通信)を行うシステムであるが、4G又はLTE(Long Term Evolution)に準拠した無線通信を行うシステムであってもよい。
【0022】
統合システム10は、無線基地局20を介して、複数の設備30、複数の設備40、第1移動体50及び第2移動体60と無線通信し、各装置の動作を統合して管理する。統合システム10は、例えば、工場内に配置されてもよいし、工場の外部に配置(遠隔に配置)されてもよいし、空間70内に配置されてもよい。また、統合システム10は、クラウドサーバにより実現されてもよい。統合システム10は、制御装置の一例である。
【0023】
図2は、本実施の形態に係る統合システム10の構成を示すブロック図である。
【0024】
図2に示すように、統合システム10は、通信部11と、切替計画作成部12と、記憶部13とを備える。統合システム10は、マイクロコントローラ(つまり、プロセッサ及びメモリを備えたIC)で構成されており、プロセッサがメモリに格納されたコンピュータプログラムを実行することにより統合システム10の各機能が実現される。
【0025】
通信部11は、無線基地局20を介して、空間70内の各装置と通信するための通信インターフェースである。
【0026】
切替計画作成部12は、複数の設備30及び複数の設備40(以降において、区別しない場合には設備30等とも記載する)それぞれが備える複数のアンテナの出力の切り替えを制御するための制御部である。本実施の形態において、切替計画作成部12が複数のアンテナの出力の切り替えを制御するとは、複数のアンテナの切り替えを行うための切替計画P2を作成し、設備30等に送信することである。本実施の形態では、切替計画作成部12は、自動移動ロボットである第1移動体50及び第2移動体60の走行計画P1に基づいて切替計画P2を作成する。切替計画作成部12は、例えば、設備30等のそれぞれに対して個別に切替計画P2を作成する。
【0027】
記憶部13は、統合システム10が動作するための各種情報を記憶する。また、記憶部13は、設備30等、第1移動体50及び第2移動体60を制御するための各種情報を記憶する。記憶部13は、半導体メモリにより実現されるが、これに限定されない。
【0028】
本実施の形態では、記憶部13は、第1移動体50及び第2移動体60の走行計画P1を記憶する。走行計画P1は、第1移動体50及び第2移動体60が走行する経路と時刻とを含む。走行計画P1は、例えば、第1移動体50及び第2移動体60が設備30等それぞれに接近する時間帯(例えば、設備30等それぞれを通過する時間帯)に関する情報を含んでもよい。また、走行計画P1は、第1移動体50及び第2移動体60が物品を搬送する搬送用のロボットである場合、設備30等への作業のために設備30等の前で停止する時間等を含んでもよい。走行計画P1は、例えば、予め作成され記憶部13に記憶されている。また、走行計画P1は、更新される場合もある。走行計画P1は、移動体の移動に関する移動情報の一例である。
【0029】
なお、走行計画P1は、統合システム10が備える処理部(図示しない)により作成されてもよい。処理部は、例えば、第1生産ラインL1及び第2生産ラインL2によって生産される生産物の生産計画に関する生産計画情報に基づいて、走行計画P1を生成してもよい。生産計画情報は、生産物の種別、生産物の生産数、生産物を構成する部品の情報、生産開始予定時刻、生産終了予定時刻等を示す情報を含む。
【0030】
処理部は、生産計画情報に基づいて、どの物品を、いつ、どの生産ラインのどの設備に、どれだけの数量を搬送すればよいかを算出し、これらの情報を含む作業情報を生成する。処理部は、第1移動体50及び第2移動体60を含む複数の移動体のうちいずれの移動体が作業可能であるかを確認するために、当該移動体の情報を含む回答を送信させるためのリクエストを、複数の移動体のうち少なくとも1つの移動体に送信する。当該情報は、複数の移動体のうち少なくとも1つの移動体の状況を示す情報であり、例えば、搬送作業の実行に関する実行情報である。例えば、実行情報は、搬送作業を実行中であるか待機中であるか等の実行状況を示す情報、予約状況を示す情報、搬送作業を実行可能な期間を示す情報及び搬送作業を開始可能な時刻を示す情報、作業を実施する位置情報等を含む。
【0031】
処理部は、リクエストに対する回答を取得し、取得した回答に基づいて、作業を実行させる移動体を決定し、決定された移動体での作業内容を含む走行計画P1(ここでは搬送計画)を作成する。
【0032】
また、走行計画P1は、例えば、搬送する物品の種別、搬送する物品の数量、搬送作業の開始予定時刻(搬送作業を開始する期限)、搬送作業の終了予定時刻(搬送作業を終了する期限)、及び、物品の搬送先等を示す情報等を含む。物品の搬送先は、設備30等のうちいずれの設備であるかを示す情報である。
【0033】
このように、走行計画P1は、統合システム10と複数の移動体とが相互に通信し合うことで生成される。
【0034】
図1を再び参照して、無線基地局20は、設備30等、第1移動体50及び第2移動体60と、統合システム10との間で無線通信を実行し得る無線基地局である。本実施の形態では、空間70内に1つの無線基地局20が配置される。無線基地局20は、例えば、5G方式の無線基地局であり、gNB(next generation NodeB)とも称される。なお、無線基地局20と統合システム10との接続は、無線接続であってもよいし、有線接続であってもよい。無線基地局20は、中継装置の一例である。
【0035】
設備30等は、工場等で用いられる生産装置であり、例えば、生産物に加工等を行う。第1生産ラインL1を構成する複数の設備30は、例えば、上流側(紙面の左側)から搬入された基板に対して部品を実装し実装基板(生産物の一例)を作製するための設備であってもよい。複数の設備30は、基板を供給する生産装置、はんだ印刷を行う生産装置、部品実装作業を行う生産装置、及び、リフロー作業を行う生産装置等であってもよい。設備30等は、実装機又は部品実装装置等とも称される。
【0036】
図3は、本実施の形態に係る設備30の構成を示すブロック図である。図3では、設備30のうち、アンテナの出力を切り替えるための構成要素のみを図示している。なお、設備40の構成は設備30と同様であってもよく、説明を省略する。
【0037】
図3に示すように、設備30は、第1アンテナ31a及び第2アンテナ31bと、切替制御部32と、記憶部33とを備える。切替制御部32及び記憶部33は、マイクロコントローラ(つまり、プロセッサ及びメモリを備えたIC)で構成されており、プロセッサがメモリに格納されたコンピュータプログラムを実行することにより切替制御部32及び記憶部33の各機能が実現される。
【0038】
第1アンテナ31a及び第2アンテナ31bは、無線基地局20を通して設備30と統合システム10との間でデータを送受信(電波を送受信)するためのアンテナである。本実施の形態では、第1アンテナ31a及び第2アンテナ31bの一方を用いてデータの送受信を行う。第1アンテナ31aは第1通信部(第1通信回路)を構成する構成要素であり、第2アンテナ31bは第2通信部(第2通信回路)を構成する構成要素である。言い換えると、第1通信部は、第1アンテナ31aを含み、第2通信部は、第2アンテナ31bを含む。
【0039】
なお、データには、設備30及び構成機器の状態、生産物の検査結果並びに生産物の画像の少なくとも1つが含まれる、これに限定されない。
【0040】
図1に示すように、第1アンテナ31a及び第2アンテナ31bは、平面視において、設備30の互いに異なる位置に配置される。第1アンテナ31a及び第2アンテナ31bは、平面視において、設備30の形状が矩形状である場合、設備30の対向する2位置に設置される。図1では、第1アンテナ31a及び第2アンテナ31bが、平面視において、設備30の斜め対向する2位置(対角の位置)に配置されている例を示している。
【0041】
なお、設備30に配置されるアンテナの数は2つに限定されず、3つ以上であってもよい。また、設備30は、第1アンテナ31a及び第2アンテナ31bに替えて、複数の受信機(例えば、第1受信機(第1通信部)及び第2受信機(第2通信部))を備えていてもよい。
【0042】
切替制御部32は、設備30が備える第1アンテナ31a及び第2アンテナ31bの出力の切り替えを制御する。本実施の形態において、切替制御部32がアンテナの出力の切り替えを制御するとは、記憶部33に記憶される切替計画P2に基づいて、電波を放射するアンテナを、第1アンテナ31a及び第2アンテナ31bの一方から他方に切り替えを実行することである。切替制御部32は、例えば、放射される電波に関する処理を行う処理部(図示しない)と、第1アンテナ31a及び第2アンテナ31bの一方との接続を排他的に切り替えるスイッチを含んでいてもよい。
【0043】
記憶部33は、設備30が動作するための各種情報を記憶する。本実施の形態では、記憶部33は、第1アンテナ31a及び第2アンテナ31bの一方から他方への切り替えの計画である切替計画P2を記憶する。切替計画P2には、例えば、アンテナの切替タイミング、切り替え先のアンテナを識別する情報等が含まれる。記憶部33は、半導体メモリにより実現されるが、これに限定されない。
【0044】
なお、切替計画P2は、統合システム10で作成され、第1アンテナ31a及び第2アンテナ31bの一方を介して受信された情報である。
【0045】
なお、設備40は、第1アンテナ41a及び第2アンテナ41bを備える。第1アンテナ41a及び第2アンテナ41bの配置は、第1アンテナ31a及び第2アンテナ31bと同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0046】
図1を再び参照して、第1移動体50及び第2移動体60は、空間70を移動する自立型の移動体である。第1移動体50及び第2移動体60は、例えば、搬送作業を実行するロボットであり、統合システム10からの指令に基づいて搬送作業を実行してもよい。また、第1移動体50及び第2移動体60は、例えば、設備30等で消費される物品(例えば、部品)を設備30等に補充する作業又は作業の支援を実行するロボットであり、統合システム10からの指令に基づいて作業又は支援を実行してもよい。
【0047】
本実施の形態では、第1移動体50及び第2移動体60は、自動移動ロボットである。自動移動ロボットは、例えば、車輪型、クローラ型又は脚型(歩行型を含む)のロボットであり、例えば、自動走行ロボット、自動搬送車(AGV:Automated Guided Vehicle)、自動飛行ドローン等であってもよい。なお、搬送作業は、設備30等で用いられる物品(例えば、部品、治工具等)を搬送すること等を含む。この場合、走行計画P1は、設備30等で消費される物品(部品)を供給する位置、治工具を用いた作業等を含む搬送計画となり得る。
【0048】
なお、物品は、例えば、電子部品を収容するものであり、部品が封入されたキャリアテープ、そのキャリアテープが巻回されたリール等であってもよい。
【0049】
第1移動体50及び第2移動体60は、無線基地局20を介して統合システム10と通信可能であり、統合システム10からの走行計画P1に基づいて移動が制御される。
【0050】
第1移動体50は、例えば、第1生産ラインL1に沿って移動する。第1移動体50が設備30で使用される部品等を搬送する場合、第1移動体50は、第1生産ラインL1の近傍(つまり、設備30の近傍)に沿って移動する。この場合、第1移動体50は、設備30と無線基地局20との通信を阻害することがある。設備30が第1アンテナ31aで通信している場合、例えば、第1アンテナ31aと無線基地局20との間の領域に第1移動体50が位置するときに、設備30と無線基地局20との通信が阻害されることがある。
【0051】
第2移動体60は、例えば、第2生産ラインL2に沿って移動する。第2移動体60が設備40で使用される部品等を搬送する場合、第2移動体60は、第2生産ラインL2の近傍(つまり、設備40の近傍)に沿って移動する。この場合、第2移動体60は、設備40と無線基地局20との通信を阻害することがある。設備40が第1アンテナ41aで通信している場合、例えば、第1アンテナ41aと無線基地局20との間の領域に第2移動体60が位置するときに、設備40と無線基地局20との通信が阻害されることがある。
【0052】
以下に示す「通信制御システムの動作」では、このような移動体による通信阻害を抑制することができる通信制御方法について説明する。
【0053】
[1-2.通信制御システムの動作]
続いて、上記のように構成される通信制御システム1における動作について、図4及び図5を参照しながら説明する。図4は、本実施の形態に係る通信制御システム1の動作(通信制御方法)を示すシーケンス図である。なお、図4では、設備30等のうち1つの設備30のみを図示しているが、統合システム10は設備30等のそれぞれに当該設備に応じた切替指示を送信する。
【0054】
図4に示すように、統合システム10の切替計画作成部12は、記憶部13から走行計画P1を読み出すことで走行計画P1取得する(S11)。切替計画作成部12は、走行計画P1取得する取得部として機能する。なお、切替計画作成部12は、キーボード、マウス等の入力部を介して作業者から走行計画P1の入力を受け付けてもよいし、通信部11を介して走行計画P1を受信してもよい。
【0055】
次に、切替計画作成部12は、走行計画P1に基づいて複数のアンテナの出力の切り替えを制御するための切替計画P2を生成する(S12)。切替計画作成部12は、複数のアンテナの出力の切り替えを制御するための制御部として機能する。また、切替計画作成部12は、設備30等のそれぞれにおいて、アンテナの座標、現時点でどのアンテナを用いて通信を行っているか等を示す情報を記憶している。座標は、グローバル座標であってもよいし、空間70内の基準点に対する相対座標であってもよい。
【0056】
切替計画作成部12は、無線基地局20との無線通信に用いるアンテナを、複数のアンテナのうち移動体に近い位置に配置されたアンテナから、当該移動体から遠い位置に配置されたアンテナへ切り替えるように切替計画P2を作成する。切替計画作成部12は、移動体が一方のアンテナと無線基地局20との通信を遮る場合、他方のアンテナへ切り替えるように切替計画P2を作成する。
【0057】
切替計画作成部12は、設備30が第1アンテナ31aで通信している場合、第1移動体50が設備30に近づくと、第1アンテナ31a及び第2アンテナ31bのうち第1移動体50に近い位置に配置された第1アンテナ31aから、当該第1移動体50から遠い位置に配置された第2アンテナ31bへ切り替えるように切替計画P2を作成する。切替計画作成部12は、第1移動体50が第1アンテナ31aと無線基地局20との通信を遮る位置に移動する場合、通信に用いるアンテナを、第1アンテナ31aから第2アンテナ31bへ切り替えりように切替計画P2を作成する。
【0058】
切替計画作成部12は、走行計画P1に基づいて、第1移動体50が第1アンテナ31aと無線基地局20との通信を遮る領域にいる時間帯を特定可能である。切替計画作成部12は、第1移動体50が当該領域に到達する前(当該時間帯になる前)に、第1アンテナ31aから第2アンテナ31bへ切り替えるように切替計画P2を作成する。
【0059】
切替計画作成部12は、複数の設備30のそれぞれ、及び、複数の設備40のそれぞれに対して切替計画P2を作成する。なお、切替計画P2は、所定期間内におけるアンテナの切替タイミングを示す情報を含んでいてもよいし、次回のアンテナの切替タイミングを示す情報を含んでいてもよい。
【0060】
次に、切替計画作成部12は、通信部11を介して、設備30に切替指示を送信し、設備30は、第1アンテナ31a及び第2アンテナ31bの一方を介して当該切替指示を受信する(S21)。切替計画作成部12は、例えば、作成した切替計画P2を設備30に送信する。設備30では、受信した切替計画P2を記憶部33に記憶する。
【0061】
次に、設備30は、切替指示(切替計画P2の一例)に基づいて、アンテナの出力を切り替える(S21)。本実施の形態では、設備30の切替制御部32は、切替指示に基づいて、無線基地局20との通信に用いるアンテナを、第1アンテナ31a及び第2アンテナ31bの一方から他方へ切り替える。
【0062】
次に、設備30は、切り替えられたアンテナを用いて、データを送受信する(S22)。これにより、移動体より遠い位置に配置されたアンテナを用いて無線基地局20との通信が行われるので、当該移動体が通信を阻害することを抑制することができる。
【0063】
なお、切替制御部32は、第1移動体50が当該設備30を通りすぎた後、切り替え後のアンテナでの通信を継続させてもよいし、切り替え前のアンテナでの通信に戻すようにアンテナを切り替えてもよい。
【0064】
また、走行計画P1が更新された場合、統合システム10は、更新された走行計画P1を取得する(S14)。
【0065】
次に、切替計画作成部12は、更新された走行計画P1に基づいて更新された切替計画P2を生成する(S15)。
【0066】
次に、切替計画作成部12は、通信部11を介して、更新された切替指示を設備30に送信し、設備30は、第1アンテナ31a及び第2アンテナ31bの一方を介して当該更新された切替指示を受信する(S16)。設備30は、記憶部33に記憶されている切替計画P2を更新された切替計画P2に置き換える。
【0067】
次に、設備30は、更新された切替指示(更新された切替計画P2)に基づいて、アンテナの出力を切り替える(S23)。
【0068】
次に、設備30は、更新された切替指示に基づいて切り替えられたアンテナを用いて、データを送受信する(S24)。これにより、設備30等での生産の状況等に応じて更新され得る走行計画P1が更新された場合であっても、移動体が通信を阻害することを抑制することができる。
【0069】
このように、切替計画作成部12は、走行計画P1が更新された場合に、当該更新された走行計画P1に基づいて、アンテナの出力の切り替えを制御してもよい。
【0070】
続いて、設備30の動作について、図5を参照しながら説明する。図5は、本実施の形態に係る設備30の動作(通信制御方法)を示すフローチャートである。
【0071】
図5に示すように、設備30は、第1アンテナ31a及び第2アンテナ31bの一方を介して統合システム10からの切替指示を受信する(S101)。ステップS101は、図4に示すステップS13及びS16に相当する。切替指示には、切り替え後に使用するアンテナ、アンテナを切り替えるタイミングを示す情報が含まれているとする。
【0072】
次に、切替制御部32は、タイマ機能を有しており、アンテナの切替タイミングとなったか否かを判定する(S102)。切替制御部32は、アンテナの切替タイミングとなったと判定した場合(S102でYes)、通信に用いるアンテナを切り替える(S103)。ステップS103は、図4に示すステップS21及びS23に相当する。
【0073】
次に、設備30は、切り替えられたアンテナを用いて、データを送受信する(S104)。ステップS104は、図4に示すステップS22及びS24に相当する。
【0074】
例えば、設備30において、第1アンテナ31aを用いて通信(データの送受信)を行っている状態で、第1移動体50が当該設備30に接近する場合、第1アンテナ31aを用いて通信を継続すると当該通信が阻害される恐れがある。本実施の形態では、そのような場合、通信に用いるアンテナが第1アンテナ31aから第1移動体50から遠い位置に配置された第2アンテナ31bに切り替えられるので、設備30と無線基地局20との通信が阻害されることが抑制される。
【0075】
[1-3.効果等]
以上のように、本実施の形態に係る通信制御システム1は、複数のアンテナ(複数の通信部の一例)を備える設備30における複数のアンテナの出力を制御する通信制御システムであって、設備30が配置される空間70には移動体(例えば、第1移動体50等)が存在し、移動体の移動に関する移動情報を取得する取得部と、移動情報に基づいて、複数のアンテナの出力の切り替えを制御するための制御部(例えば、切替計画作成部12が取得部及び制御部の双方を兼ねる)とを備える。
【0076】
これにより、移動情報に基づいて複数のアンテナの出力の切り替えが行われるので、通信制御システム1は、移動体が設備30と他の装置(例えば、中継装置)との通信を阻害することを抑制し得る。よって、通信制御システム1は、他の装置(例えば、中継装置)と設備30との間の通信阻害を抑制することができる。
【0077】
また、複数のアンテナは、設備30の互いに異なる位置に配置される第1アンテナ31a及び第2アンテナ31bを有し、切替計画作成部12は、移動体が第1アンテナ31aに接近する場合、無線基地局20(第1中継装置の一例)との無線通信に用いるアンテナを、第1アンテナ31aから第2アンテナ31bへ切り替えるように制御する。
【0078】
これにより、通信制御システム1は、通信に用いているアンテナに移動体が接近する場合、通信に用いるアンテナを他のアンテナに切り替えることができる。よって、通信制御システム1は、無線基地局20と設備30との間の通信阻害をより確実に抑制することができる。
【0079】
また、切替計画作成部12は、移動体が第1アンテナ31aと無線基地局20との通信を遮る場合、第1アンテナ31aから第2アンテナ31bへ切り替えるように制御する。
【0080】
これにより、通信制御システム1は、通信が遮られる場合に通信に用いるアンテナを他のアンテナに切り替えることができる。よって、通信制御システム1は、無線基地局20と設備30との間の通信阻害をより確実に抑制することができる。
【0081】
また、移動体は、自動移動ロボットであり、移動情報は、自動移動ロボットの走行計画P1を含み、切替計画作成部12は、走行計画P1に基づいて切り替えを行うタイミングを決定する。
【0082】
これにより、走行計画P1を用いるので、切替計画作成部12は、容易に切り替えを行うタイミングを決定することができる。
【0083】
また、切替計画作成部12は、走行計画P1が更新された場合に、当該更新された走行計画P1に基づいて、第1アンテナ31aから第2アンテナ31bへの切り替えを制御する。
【0084】
これにより、通信制御システム1は、走行計画P1が更新された場合であっても、他の装置と設備30との間の通信阻害を抑制することができる。
【0085】
また、第1アンテナ31a及び第2アンテナ31bは、設備30の平面視において、設備30の対向する2位置に設置されてもよい。
【0086】
これにより、第1アンテナ31a及び第2アンテナ31bの距離を遠ざけることができるので、他の装置と設備30との間の通信阻害を抑制しやすくなる。
【0087】
また、通信制御システム1は、無線基地局20と接続され、無線基地局20を介して第1アンテナ31a及び第2アンテナ31bを含む複数のアンテナの切り替えを制御するための情報(例えば、切替計画P2)を設備30に送信する統合システム10(制御装置の一例)をさらに備える。統合システム10は、移動体と通信可能であり、切替計画作成部12(取得部及び制御部)は、統合システム10に内蔵される。
【0088】
これにより、移動体と通信可能である(例えば、移動体を制御する)統合システム10によりアンテナの切り替えを管理することができる。
【0089】
また、以上のように、本実施の形態に係る通信制御方法は、複数のアンテナ(複数の通信部の一例)を備える設備30における複数のアンテナの出力を制御する通信制御方法であって、設備30が配置される空間70には移動体が存在し、移動体の移動に関する移動情報を取得し(S11)、移動情報に基づいて、複数のアンテナの出力の切り替えを制御する(S12、S13)。
【0090】
これにより、上記の通信制御システム1と同様の効果を奏する。
【0091】
(実施の形態2)
実施の形態1では、アンテナの出力の切り替えとして、通信に用いるアンテナを切り替える例について説明したが、アンテナの出力の切り替えは、通信に用いるアンテナを切り替えることに限定されず、アンテナから放射される電波の位相を切り替えることであってもよい。以下、本実施の形態に係る通信制御システムについて、図6及び図7を参照しながら説明する。
【0092】
[2-1.通信制御システムの構成]
まず、本実施の形態に係る通信制御システムの構成について、図6を参照しながら説明する。図6は、本実施の形態に係る通信制御システム1aの構成を示す概略平面図である。なお、本実施の形態において、実施の形態1で示した無線基地局20を、識別のため無線基地局20aと記載する。
【0093】
図6に示すように、本実施の形態に係る通信制御システム1aは、実施の形態1に係る通信制御システム1に加えて、無線基地局20bを備える。無線基地局20bは、統合システム10と接続されている。また、無線基地局20bは、平面視において、無線基地局20aと異なる位置に配置される。このように、通信制御システム1aは、2以上の無線基地局を備える。2以上の無線基地局の設置位置(例えば、座標)に関する情報、又は、2以上の無線基地局のそれぞれと通信するときの複数のアンテナの出力(電波の位相)に関する情報は、記憶部13に記憶されている。
【0094】
設備30は、第1アンテナ31a及び第2アンテナ31bの両方から電波を放射しており、当該電波の位相を制御することで、指向性を有する電波を放射可能である。設備30は、第1アンテナ31a及び第2アンテナ31bから放射される電波の位相を制御することで、無線基地局20a及び20bのいずれと通信するかを切り替えることが可能である。
【0095】
本実施の形態では、無線基地局20a及び20bのうち移動体による通信阻害が起こりにくい無線基地局と通信するように、第1アンテナ31a及び第2アンテナ31bから送信される電波の位相制御により電波の指向性が制御される。本実施の形態では、複数の無線基地局の中で、移動体の位置に応じて設備30と通信する無線基地局が切り替えられる。
【0096】
なお、図6では、第1アンテナ31a及び第2アンテナ31bが対角の位置に配置される例を示しているが、本実施の形態において、第1アンテナ31a及び第2アンテナ31bは、並んで配置されてもよい。また、第1アンテナ31a及び第2アンテナ31bは、近接して配置されてもよい。
【0097】
[2-2.通信制御システムの動作]
続いて、上記のように構成される通信制御システム1aにおける動作について、図7を参照しながら説明する。図7は、本実施の形態に係る設備30の動作(通信制御方法)を示すフローチャートである。
【0098】
図7に示すように、設備30は、第1アンテナ31a及び第2アンテナ31bの少なくとも一方を介して統合システム10からの切替指示を受信する(S101)。ステップS101は、図4に示すステップS13及びS16に対応する。切替指示には、切り替える位相、当該位相を切り替えるタイミング等の情報が含まれている。なお、切替指示は、統合システム10から取得される。
【0099】
次に、切替制御部32は、第1アンテナ31a及び第2アンテナ31bからの電波の位相の切り替える切替タイミングとなったか否かを判定する(S102a)。切替制御部32は、電波の位相の切替タイミングとなったと判定した場合(S102aでYes)、第1アンテナ31a及び第2アンテナ31bからの電波の位相を切り替える(S103a)。切替制御部32は、例えば、入力された信号の位相をずらして出力する機能を有する。ステップS103aは、図4に示すステップS21及びS23に対応する。
【0100】
次に、設備30は、切り替えられた電波の位相を用いて、データを送受信する(S104)。ステップS104は、図4に示すステップS22及びS24に対応する。
【0101】
例えば、切替制御部32は、第1アンテナ31a及び第2アンテナ31bを用いて無線基地局20aと通信している場合に、第1アンテナ31a及び第2アンテナ31bの少なくとも一方と無線基地局20aとの間の領域に第1移動体50が位置するとき、例えば第1アンテナ31a及び第2アンテナ31bと無線基地局20aとの通信を第1移動体50が阻害する恐れがあるとき、第1アンテナ31a及び第2アンテナ31bを用いて無線基地局20bと通信するように第1アンテナ31a及び第2アンテナ31bの少なくとも一方が放射する電波の位相を切り替える。
【0102】
[2-3.効果等]
以上のように、本実施の形態に係る通信制御システム1aにおいて、複数のアンテナは、設備30の互いに第1アンテナ31a及び第2アンテナ31bを有し、設備30は、空間70において無線基地局20a(第1中継装置の一例)と異なる位置に配置される無線基地局20b(第2中継装置の一例)とも通信可能である。そして、切替計画作成部12は、第1アンテナ31a及び第2アンテナ31bを用いて無線基地局20aと通信している場合に、第1アンテナ31a及び第2アンテナ31bの少なくとも一方と無線基地局20aとの間に移動体が接近するとき、第1アンテナ31a及び第2アンテナ31bを用いて無線基地局20bと通信するように第1アンテナ31a及び第2アンテナ31bの少なくとも一方が放射する電波の位相を切り替える。
【0103】
これにより、無線基地局20aと設備30との通信を阻害する領域に移動体が接近すると、無線基地局20aと異なる位置に配置された無線基地局20bに通信先を切り替えることができる。よって、通信制御システム1aは、無線基地局20a及び20bと設備30との間の通信阻害をより確実に抑制することができる。
【0104】
(実施の形態3)
実施の形態1では、統合システム10が切替計画P2を作成する例について説明したが、切替計画P2は、設備30等で作成されてもよい。以下、本実施の形態に係る通信制御システムについて、図8図10を参照しながら説明する。
【0105】
[3-1.通信制御システムの構成]
まず、本実施の形態に係る通信制御システムの構成について、図8を参照しながら説明する。図8は、本実施の形態に係る統合システム10bの構成を示すブロック図である。
【0106】
図8に示すように、本実施の形態に係る統合システム10bは、実施の形態1に係る通信制御システム1の切替計画作成部12に替えて、制御部14を備える。
【0107】
制御部14は、設備30b等のそれぞれに走行計画P1を送信する制御を行う。制御部14は、所定の時間間隔、又は、走行計画P1が更新されるごとに、走行計画P1を設備30b等に送信する。
【0108】
図9は、本実施の形態に係る設備30bの構成を示すブロック図である。
【0109】
図9に示すように、本実施の形態に係る設備30bは、実施の形態1の設備30に加えて、切替計画作成部34と、計時部35とを備える。
【0110】
切替計画作成部34は、走行計画P1に基づいて、自設備が備える第1アンテナ31a及び第2アンテナ31bの出力を切り替える切替計画P2を作成する。切替計画作成部34の機能は、実施の形態1に係る切替計画作成部12と同様であり、説明を省略する。
【0111】
計時部35は、現在の日時を計測するタイマ装置である。計時部35は、例えば、リアルタイムクロックによって実現される。
【0112】
また、本実施の形態では、記憶部33は、自設備の設置位置(例えば座標)、または大きさ(例えば、長さ/奥行/高さ)を記憶している。
【0113】
このように、本実施の形態では、設備30b等に切替計画P2を生成する処理部が設けられる。
【0114】
[3-2.通信制御システムの動作]
続いて、上記のように構成される通信制御システムにおける動作について、図10を参照しながら説明する。図10は、本実施の形態に係る通信制御システムの動作(通信制御方法)を示すシーケンス図である。
【0115】
図10に示すように、統合システム10bの制御部14は、通信部11を介して、設備30bに走行計画P1を送信し、設備30bは、第1アンテナ31a及び第2アンテナ31bの一方を介して当該走行計画P1を受信する(S31)。設備30bでは、受信した走行計画P1を記憶部33に記憶する。
【0116】
次に、切替計画作成部34は、走行計画P1に基づいて、第1アンテナ31a及び第2アンテナ31bの一方から他方へ切り替えるための切替計画P2を作成する(S41)。切替計画作成部34は、第1アンテナ31aを用いて通信している場合、第1移動体50が第1アンテナ31aと無線基地局20との通信を遮る領域にいる時間帯を特定可能であり、第1移動体50が当該位置に到達する前(当該時間帯になる前)に、第1アンテナ31aから第2アンテナ31bへ切り替えるように切替計画P2を作成する。切替計画作成部34は、例えば、切替タイミング(例えば、切り替える時刻)を含む切替計画P2を作成する。切替計画作成部34は、切替計画P2を計時部35に出力する。
【0117】
次に、計時部35は、時間をカウントし(S42)、切替タイミングとなったか否かを判定する(S43)。計時部35は、切替タイミングとなったと判定すると、切替タイミングとなったことを示す情報を切替制御部32に出力する。
【0118】
次に、切替制御部32は、計時部35により切替タイミングになったと判定される(S43でYes)と、アンテナの出力を切り替える(S44)。
【0119】
次に、設備30bは、切り替えられたアンテナを用いて、データを送受信する(S45)。
【0120】
また、計時部35は、切替タイミングとなっていない場合(S43でNo)、切替タイミングとなるまで時間をカウントする。
【0121】
[3-3.効果等]
以上のように、本実施の形態に係る通信制御システムにおいて、切替計画作成部34(取得部及び制御部の一例)は、設備30に内蔵される。なお、切替計画作成部34は、設備30等のそれぞれに内蔵されている。
【0122】
これにより、統合システム10bから設備30等へのアンテナの切り替えに関する通信が頻発することを抑制することができる。
【0123】
(実施の形態4)
実施の形態1では、走行計画P1に基づいて切替計画P2が作成される例について説明したが、走行計画P1を用いずに切替計画P2が作成されてもよい。本実施の形態では、移動体をセンシングしたセンシング結果に基づいて、切替計画P2が作成される例について説明する。以下、本実施の形態に係る通信制御システムについて、図11図13を参照しながら説明する。
【0124】
[4-1.通信制御システムの構成]
まず、本実施の形態に係る通信制御システムの構成について、図11及び12を参照しながら説明する。図11は、本実施の形態に係る通信制御システム100の構成を示す概略平面図である。
【0125】
図11に示すように、本実施の形態に係る通信制御システム100は、無線基地局20と、設備130等と、第1移動体50と、第2移動体60とを備える。通信制御システム100は、実施の形態1に示す統合システム10のように、複数の移動体を統括して制御する制御装置を備えていない。
【0126】
第1移動体50と、第2移動体60とは、互いに通信を行い協調制御する、いわゆるマルチエージェントシステムを構成する。つまり、第1移動体50と、第2移動体60とは、互いに通信を行いつつ、自装置の状況を認識し、それに基づいて走行(又は搬送)する。このようなマルチエージェントシステムでは、実施の形態1等で示したような走行計画P1が存在しないので、本実施の形態では、設備130等は、複数の移動体の移動に関する移動情報(例えば、走行情報)を予測する。
【0127】
なお、第1移動体50及び第2移動体60の少なくとも一方は、作業者等の人であってもよい。
【0128】
図12は、本実施の形態に係る設備130の構成を示すブロック図である。なお、設備140の構成は設備130と同様であってもよく、説明を省略する。
【0129】
図12に示すように、設備130は、実施の形態3に係る設備30bの記憶部33及び切替計画作成部34を備えておらず、かつ、センサ部136及び予測部137をさらに備える。
【0130】
センサ部136は、第1移動体50及び第2移動体60を含む複数の移動体のうち、センサ部136が搭載された設備130の近傍の移動体を検出する。センサ部136は、センシング結果として、近傍の移動体の位置の時系列データを取得する。センサ部136は、設備130の近傍の移動体の移動経路を検出するとも言える。
【0131】
センサ部136は、設備130の近傍の移動体の位置をセンシング可能な1以上のセンサを含んでおり、例えば、撮像装置(例えば、ステレオカメラ)、距離センサ又は他のセンサのいずれか、又は、それらのうち2以上の組み合わせで構成されてもよい。
【0132】
予測部137は、センサ部136の検出結果(センシング結果の一例)に基づいて、検出している移動体の動作予測を行う。予測部137は、例えば、センサ部136の検出結果に基づいて、検出している移動体が、予測部137が搭載された設備130に近づく時間(到来時間)を予測する。近づくとは、設備130又は第1アンテナ31aに対して移動体が所定距離以内に近づくことを意味する。所定距離は、第1アンテナ31aと無線基地局20との通信が阻害されない距離であり、例えば、第1アンテナ31aと無線基地局20との位置関係に応じて予め決定される。動作予測の結果(例えば、到来時間)は、移動体の移動に関する移動情報の一例である。到来時間は、例えば、移動体が所定距離の範囲に近づく時間である。
【0133】
予測部137は、例えば、機械学習モデルを用いて動作予測を行う。機械学習モデルは、センサ部136が検出した移動体の検出結果を入力とし、当該移動体の動作予測(例えば、到来時間)を出力するためのモデルである。例えば、予測部137は、移動体がいつ第1アンテナ31aに近づくかを出力する。
【0134】
機械学習モデルは、予め学習されたモデルである。機械学習モデルは、例えば、多層構造のニューラルネットワークモデルであるが、これに限定されない。複数の移動体が自動移動ロボットである場合、機械学習モデルは、自動移動ロボットの位置の時系列データを入力データとし、設備130への当該自動移動ロボットの到来時間を正解データとして機械学習により学習されたモデルである。また、複数の移動体が作業者等の人である場合、機械学習モデルは、人の位置の時系列データを入力データとし、設備130への当該人の到来時間を正解データとして機械学習により学習されたモデルである。なお、自動移動ロボット又は人の位置は、設備130に対する位置(相対位置)であってもよいし、グローバル座標が示す位置であってもよい。
【0135】
また、予測部137は、機械学習モデルが出力した動作予測(例えば、到来時間)に基づいて、アンテナの出力を切り替えるタイミング(切替計画P2の一例)を決定してもよい。予測部137は、例えば、到来時間を切り替えるタイミングであると決定する。このように、予測部137は、移動体(例えば、自動移動ロボット又は作業者)の移動に関するセンシングをしたセンシング結果に基づいて、アンテナの出力を切り替えるタイミングを決定する。例えば、予測部137は、移動体をセンシングしたセンシング結果に基づいて、移動体が第1アンテナ31aに近づく時間を予測し、予測した時間に基づいてアンテナの切替タイミングを決定する。このように、予測部137は、制御部としても機能する。
【0136】
計時部35は、予測部137が予測した動作予測の結果(例えば、到来時間)に基づいて、到来時間となったか否かの判定を行う。
【0137】
切替制御部32は、計時部35により到来時間がきたと判定されると、アンテナの出力を切り替える。
【0138】
なお、設備130は、センサ部136を備えていなくてもよい。センサ部136は、設備130の外部(例えば、天井等)に配置されており、予測部137は、外部に配置されたセンサ部136によりセンシングされたセンシング結果を取得してもよい。
【0139】
[4-2.通信制御システムの動作]
続いて、上記のように構成される通信制御システム100における動作について、図13を参照しながら説明する。図13は、本実施の形態に係る設備の動作(通信制御方法)を示すフローチャートである。なお、以下では、設備130が第1アンテナ31aを用いて通信しており、かつ、第1アンテナ31aに第1移動体50が近づく場合の例について説明する。
【0140】
図13に示すように、センサ部136は、第1移動体50の位置の時系列データを、当該第1移動体50をセンシングすることにより取得する(S201)。時系列データは、予め設定された期間のデータであってもよいし、第1移動体50が所定距離外の所定位置に到達するまでのデータであってもよい。センサ部136は、時系列データを予測部137に出力する。所定位置は、例えば、第1移動体50が通信を阻害する恐れがある領域の近傍の領域であってもよい。
【0141】
次に、予測部137は、時系列データに基づいて、第1移動体50が接近する時間帯を予測する(S202)。予測部137は、例えば、第1移動体50が設備130(例えば、第1アンテナ31a)にいつからいつまでの期間接近するかを予測する。言い換えると、予測部137は、無線基地局20と設備130(例えば、第1アンテナ31a)との通信を、いつからいつまでの期間阻害する恐れがあるかを予測する。なお、予測部137は、第1移動体50が設備130(例えば、第1アンテナ31a)にいつ近づくか(つまり、到来時間)を少なくとも予測すればよい。
【0142】
ステップS102以降は、図5に示すステップS102以降と同じであるので、説明を省略する。
【0143】
[4-3.効果等]
以上のように、本実施の形態に係る通信制御システム100において、移動体は、自動移動ロボット又は作業者であり、予測部137(制御部の一例)は、自動移動ロボット又は作業者をセンシングしたセンシング結果に基づいて、切り替えを行うタイミングを決定する。
【0144】
これにより、移動体の走行計画等がない場合であっても、センシング結果からアンテナの出力を切り替えることができる。
【0145】
また、移動情報は、移動体をセンシングしたセンシング結果に基づく、当該移動体の移動に関する予測結果を含み、予測部137は、予測結果に基づいて、切り替えを行うタイミングを決定する。
【0146】
これにより、例えば、移動体が任意に移動する場合であっても、センシング結果からアンテナの出力を切り替えることができる。
【0147】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本開示は、このような各実施の形態に限定されるものではない。
【0148】
例えば、上記各実施の形態では、第1アンテナ及び第2アンテナが、平面視において、設備の斜め対向する2位置に配置されている例を示しているが、これに限定されず、例えば、図14に示す配置であってもよい。図14は、その他の実施の形態に係る設備30におけるアンテナの配置例を示す図である。なお、図14では、設備30及び第1移動体50のみを図示している。
【0149】
図14に示すように、第1アンテナ31a及び第2アンテナ31bは、設備30の平面視において、第1アンテナ31a及び第2アンテナ31bが並ぶ方向(上下方向)と第1移動体50の移動方向(左右方向)とが交差する位置に配置されてもよい。例えば、並ぶ方向と移動方向とは、平面視において、直交していてもよい。また、第1アンテナ31a及び第2アンテナ31bが並ぶ方向は、平面視において、複数の設備30が並ぶ方向と直交していてもよい。
【0150】
以上のように、第1アンテナ31a及び第2アンテナ31bは、設備30の平面視において、第1アンテナ31a及び第2アンテナ31bが並ぶ方向と移動体の移動方向とが交差するように配置されてもよい。
【0151】
これにより、第1アンテナ31a及び第2アンテナ31bが移動体の移動方向に応じて配置されるので、他の装置と設備30との間の通信阻害を抑制しやすくなる。
【0152】
また、上記各実施の形態では、設備の平面視形状が矩形状である例について説明したが、設備の平面視形状は矩形状であることに限定されず、多角形状、円形状等であってもよい。
【0153】
また、上記各実施の形態で示した設備のレイアウトは一例であり、これに限定されない。例えば、複数の設備は、所定の間隔をあけて配置されていてもよい。
【0154】
また、上記各実施の形態では、中継装置の一例として無線基地局を例示したが、中継装置は、例えば、無線ルータ等であってもよい。
【0155】
また、上記実施の形態1~3では、設備の記憶部が切替計画を記憶しており、切替制御部は、記憶部から切替計画を読み出してアンテナの切り替えを実行する例について説明したが、これに限定されない。設備は切替計画を記憶するための記憶部を備えておらず、切替制御部は、統合システムから直接制御されてもよい。例えば、統合システムはアンテナを切り替えるタイミングのときに切替指示を送信し、切替制御部は、統合システムから切替指示を受信すると、アンテナの切り替えを即座に実行するように構成されていてもよい。
【0156】
また、上記実施の形態4では、移動体をセンシングしたセンシング結果に基づいて移動体が自設備に移動体が接近する時間等を予測する例について説明したが、設備は、外部の装置(例えば、外部のサーバ)から予測結果を取得してもよい。つまり、設備は、移動体が自設備に接近する時間等を予測する機能を有していなくてもよい。
【0157】
また、上記各実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0158】
また、フローチャートにおける各ステップが実行される順序は、本開示を具体的に説明するために例示するためのものであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記ステップの一部が他のステップと同時(並列)に実行されてもよいし、上記ステップの一部は実行されなくてもよい。
【0159】
また、本開示の全般的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0160】
また、ブロック図における機能ブロックの分割は一例であり、複数の機能ブロックを一つの機能ブロックとして実現したり、一つの機能ブロックを複数に分割したり、一部の機能を他の機能ブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数の機能ブロックの機能を単一のハードウェア又はソフトウェアが並列又は時分割に処理してもよい。
【0161】
また、上記各実施の形態に係る統合システム及び設備の少なくとも1つは、単一の装置として実現されてもよいし、複数の装置により実現されてもよい。統合システム及び設備の少なくとも1つが複数の装置によって実現される場合、当該少なくとも1つが有する各構成要素は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。少なくとも1つが複数の装置で実現される場合、当該複数の装置間の通信方法は、特に限定されず、無線通信であってもよいし、有線通信であってもよい。また、装置間では、無線通信および有線通信が組み合わされてもよい。
【0162】
また、上記各実施の形態において、統合システム及び設備の各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)又はプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。また、例えば、各構成要素は、回路(又は集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0163】
また、本開示の一態様は、図4図5図7図10及び図13のいずれかに示される通信制御方法に含まれる特徴的な各ステップをコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであってもよい。
【0164】
また、例えば、プログラムは、コンピュータに実行させるためのプログラムであってもよい。また、本開示の一態様は、そのようなプログラムが記録された、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体であってもよい。例えば、そのようなプログラムを記録媒体に記録して頒布又は流通させてもよい。例えば、頒布されたプログラムを、他のプロセッサを有する装置にインストールして、そのプログラムをそのプロセッサに実行させることで、その装置に、上記各処理を行わせることが可能となる。
【0165】
その他、上記各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、又は、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0166】
本開示は、特に、工場における設備と無線基地局との通信を制御するシステム等に利用可能である。
【符号の説明】
【0167】
1、1a、100 通信制御システム
10、10b 統合システム
11 通信部
12、34 切替計画作成部(制御部)
13、33 記憶部
14 制御部
20、20a 無線基地局(第1中継装置)
20b 無線基地局(第2中継装置)
30、30b、40、130、140 設備(生産設備)
31a、41a 第1アンテナ
31b、41b 第2アンテナ
32 切替制御部
35 計時部
50 第1移動体
60 第2移動体
70 空間
136 センサ部
137 予測部(制御部)
L1 第1生産ライン
L2 第2生産ライン
P1 走行計画
P2 切替計画
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14