(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173897
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】アダプター及び採血用キット
(51)【国際特許分類】
A61B 5/154 20060101AFI20231130BHJP
【FI】
A61B5/154
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022086437
(22)【出願日】2022-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】390029676
【氏名又は名称】株式会社トップ
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】間中 勇輝
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038TA01
4C038UA10
4C038UF03
4C038UF11
(57)【要約】
【課題】
採血用ホルダーに対するアダプターの回転を抑制することで、採血用ホルダーから脱落しにくいアダプターを提供すること。
【解決手段】
アダプター20は人体から採血する採血具に接続可能で採血した血液が流れる中空の本体部21と、該本体部21の基端側に設けられ装着部4の先端面8に当接するフランジ部22と、該フランジ部22から本体部21と反対方向に延設され装着部4の貫通孔9に挿入される円筒状の延在部23とを備える。該延在部23の外周には雄ねじ部26が形成され、該雄ねじ部26の一部または、雌ねじ部6の一部が局所的に突出する突出部27を有することにより、雄ねじ部26及び雌ねじ部6が突出部27において他の部分よりも強く圧接している。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有底筒状体の採血用ホルダーの底部に設けられ貫通孔を区画する貫通孔内周面に雌ねじ部を備える装着部に装着されるアダプターであって、
前記アダプターは人体から採血する採血具に接続可能で採血した血液が流れる中空の本体部と、
前記本体部の基端側に設けられ前記装着部の先端面に当接するフランジ部と、
前記フランジ部から前記本体部と反対方向に延設され前記装着部の前記貫通孔に挿入される円筒状の延在部とを備え、
前記延在部の外周には雄ねじ部が形成され、
前記雄ねじ部の一部または、前記雌ねじ部の一部が局所的に突出する突出部を有することにより、前記雄ねじ部及び前記雌ねじ部が前記突出部において他の部分よりも強く圧接していることを特徴とするアダプター。
【請求項2】
請求項1に記載のアダプターであって、
前記突出部が前記雄ねじ部のスパイラル状のストロークの中間部よりも先端側または前記雌ねじ部のスパイラル状のストロークの中間部よりも先端側に形成されたアダプター。
【請求項3】
請求項1に記載のアダプターであって、
前記アダプターは前記装着部よりも荷重たわみ温度が高い材質で形成されているアダプター。
【請求項4】
請求項1に記載のアダプターであって、
前記雌ねじ部は周方向に断続的に形成されており、
前記雄ねじ部の谷の一部には径方向外側に突出する突起部が形成され、
前記突起部の先端は前記雌ねじ部の山より径方向外側かつ前記雌ねじ部の谷より径方向内側に位置するアダプター。
【請求項5】
請求項4に記載のアダプターであって、
前記雄ねじ部及び前記雌ねじ部を螺着する際に前記雌ねじ部の断端箇所を案内する傾斜面と、前記雄ねじ部及び前記雌ねじ部を螺脱する際に前記雌ねじ部の断端箇所を係止させる係止面とが前記突出部に形成されているまたは、
前記雄ねじ部及び前記雌ねじ部を螺着する際に前記突起部を案内する傾斜面と、前記雄ねじ部及び前記雌ねじ部を螺脱する際に前記突起部を係止させる係止面とが前記雌ねじ部の断端箇所に形成されているアダプター。
【請求項6】
請求項1に記載のアダプターであって、
前記雄ねじ部は周方向に断続的に形成されており、
前記雌ねじ部の谷の一部には径方向内側に突出する突起部が形成され
前記突起部の先端は前記雄ねじ部の山より径方向内側かつ前記雄ねじ部の谷より径方向外側に位置するアダプター。
【請求項7】
請求項6に記載のアダプターであって、
前記雄ねじ部及び前記雌ねじ部を螺着する際に前記雄ねじ部の断端箇所を案内する傾斜面が前記突出部に形成され、前記雄ねじ部及び前記雌ねじ部を螺着する際に前記雄ねじ部の断端箇所を係止させる係止面が前記突起部に形成されているまたは、
前記雄ねじ部及び前記雌ねじ部を螺着する際に前記突起部を案内する傾斜面が前記雄ねじ部の断端箇所に形成され、前記雄ねじ部及び前記雌ねじ部を螺脱する際に前記突起部を係止させる係止面が前記雄ねじ部の断端箇所に形成されているアダプター。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7に記載のアダプターと、
前記採血具と、
前記採血用ホルダーと、
血液を貯留する採血管と、を備える採血用キット。
【請求項9】
アダプターであって、
前記アダプターは中空の本体部と、
前記本体部の基端側に設けられたフランジ部と、
前記フランジ部から前記本体部と反対方向に延設された円筒状の延在部とを備え、
前記延在部の外周には雄ねじ部が形成され、
前記雄ねじ部の一部が局所的に突出することを特徴とするアダプター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アダプター及び採血用キットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、血液検査などで血液試料を採取する際には、採血用キットが使用される。採血用キットは、採血具で人体から採血し、この採血した血液試料を採血用ホルダーに取り付けた真空採血管に貯留するものであり、採血具と、この採血具が接続されるアダプターと、該アダプターが装着される採血用ホルダーと、真空採血管とを備える。採血用ホルダーへのアダプターの装着は、アダプターに形成した雄ねじを採血用ホルダーに形成した雌ねじに螺合する方式が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この従来のアダプターは、採血具に接続可能な円筒状の本体部と、該本体部の基端部に設けられたフランジ部から基端方向に延設された円筒状の延在部とを備え、該延在部の外周には雄ねじが形成されている。これにより、採血用ホルダーの装着部に形成された雌ねじにアダプターの雄ねじが螺合されることで、アダプターが採血用ホルダーに装着される。
【0005】
また、該延在部の内部には針管を備え、採血した血液は、針管内部を通って採血管まで運ばれる。
【0006】
ところで、アダプターが採血用ホルダーから外れてしまった場合に、延在部の内部に備える針管が露出してしまうため、アダプターが採血用ホルダーから脱落することを防止することが好ましい。
【0007】
しかし、アダプターと採血用ホルダーとは螺合する方式により接続されているため、アダプターへの採血具の取り付け及び取り外しを繰り返すことで、アダプターが採血用ホルダーに対して回転し、アダプターが採血用ホルダーから脱落するおそれがある。
【0008】
本発明は、以上の点に鑑み、採血用ホルダーに対するアダプターの回転を抑制することで、採血用ホルダーから脱落しにくいアダプターを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のアダプターは、
有底筒状体の採血用ホルダーの底部に設けられ貫通孔を区画する貫通孔内周面に雌ねじを備える装着部に装着されるアダプターであって、
前記アダプターは人体から採血する採血具に接続可能で採血した血液が流れる中空の本体部と、
前記本体部の基端側に設けられ前記装着部の先端面に当接するフランジ部と、
前記フランジ部から前記本体部と反対方向に延設され前記装着部の前記貫通孔に挿入される円筒状の延在部とを備え、
前記延在部の外周には雄ねじ部が形成され、
前記雄ねじ部の一部または、前記雌ねじ部の一部が局所的に突出する突出部を有することにより、前記雄ねじ部及び前記雌ねじ部が前記突出部において他の部分よりも強く圧接していることを特徴とする。
【0010】
本発明のアダプターによれば、延在部を採血用ホルダーの装着部の貫通孔に挿入し、フランジ部を装着部の先端面に当接させる。延在部は雄ねじ部を有するので、装着部に形成された雌ねじ部に雄ねじ部を螺合させることができる。
【0011】
そして、雄ねじ部の一部が局所的に突出する突出部を有することにより、突出部は雌ねじ部の一部と当接し、雄ねじ部及び雌ねじ部が突出部において他の部分よりも相互に強く圧接する。
【0012】
つまり、雄ねじ部は雌ねじ部に局所的にきつく嵌め合わされる。
【0013】
そのため、雄ねじ部を雌ねじ部に対して螺脱方向に回転させる際の抵抗力を大きくすることができ、アダプターが採血用ホルダーから脱落することを抑制することができる。
【0014】
また、雌ねじ部の一部が局所的に突出する突出部を有する場合には、突起部は雄ねじ部の一部と当接し、雄ねじ部及び雌ねじ部が突出部において他の部分よりも相互に強く圧接する。
【0015】
つまり、雄ねじ部は雌ねじ部に局所的にきつく嵌め合わされる。
【0016】
そのため、雄ねじ部を雌ねじ部に対して螺脱方向に回転させる際の抵抗力を大きくすることができ、アダプターが採血用ホルダーから脱落することを抑制することができる。
【0017】
本発明のアダプターでは、突出部が雄ねじ部のスパイラル状のストロークの中間部よりも先端側または、雌ねじ部のスパイラル状のストロークの中間部よりも先端側に形成されることが好ましい。
【0018】
当該構成によれば、突出部が雄ねじ部のスパイラル状のストロークの中間部よりも先端側に形成されているため、雄ねじ部を雌ねじ部に対して螺脱方向に回転させた際に、突出部が中間部よりも基端側に形成されている場合と比較して、より長いストロークに渡って、突出部が雌ねじ部の一部に当接する。
【0019】
そのため、アダプターが採血用ホルダーから脱落することをさらに抑制することができる。
【0020】
また、雌ねじ部のスパイラル状のストロークの中間部よりも先端側に形成されている場合には、雄ねじ部を雌ねじ部に対して螺脱方向に回転させた際に、突出部が中間部よりも基端側に形成されている場合と比較して、より長いストローク距離に渡って、突出部が雄ねじ部の一部に当接する。
【0021】
そのため、アダプターが採血用ホルダーから脱落することをさらに抑制することができる。
【0022】
本発明のアダプターでは、アダプターが装着部よりも荷重たわみ温度が高い材質で形成されていることが好ましい。
【0023】
当該構成によれば、例えば、製造過程において加熱及び冷却の熱サイクルを経ることにより、アダプターは装着部よりも荷重たわみ温度が高い材質で形成されているため、装着部は、アダプターが備える延在部よりも熱収縮量が大きくなる。
【0024】
この分だけ、突出部における雌ねじ部と雄ねじ部との圧接をより堅固なものとすることができる。
【0025】
また、装着部のうち、突出部と当接する箇所は加熱処理を経て、押圧されている方向に変形する。
そして、突出部は変形箇所に引っ掛かる錨の役割を果たす。
【0026】
そのため、アダプターが採血用ホルダーから脱落することをさらに抑制することができる。
【0027】
本発明のアダプターでは、雌ねじ部は周方向に断続的に形成されており、雄ねじ部の谷の一部には、径方向外側に突出する突起部が形成され、突起部の先端は雌ねじ部の山より径方向外側、かつ、雌ねじ部の谷より径方向内側に位置することが好ましい。
【0028】
当該構成によれば、雄ねじ部を雌ねじ部から螺脱させる際に、雌ねじ部の断端箇所が突起部に当接し、雌ねじ部は突起部で係止させられる。
【0029】
そのため、螺脱方向の回転が抑制され、アダプターが採血用ホルダーから脱落することを抑制することができる。
【0030】
本件発明のアダプターでは、雄ねじ部及び雌ねじ部を螺着する際に雌ねじ部の断端箇所を案内する傾斜面と、雄ねじ部及び雌ねじ部を螺脱する際に雌ねじ部の断端箇所を係止させる係止面とが突起部に形成されていることが好ましい。
【0031】
当該構成によれば、雄ねじ部を雌ねじ部に螺着させる際に、雌ねじ部の断端箇所は突起部に形成された傾斜面に当接し、雌ねじ部は傾斜面を利用して突起部を容易に乗り越えることができる。
【0032】
一方、雄ねじ部を雌ねじ部から螺脱させる際に、雌ねじ部の断端箇所は突起部に形成された係止面に当接し、雌ねじ部は係止面で係止されることで、突起部を乗り越えることが困難となる。
【0033】
そのため、アダプターが採血用ホルダーから脱落することを抑制することができる。
【0034】
本件発明のアダプターでは、雄ねじ部及び雌ねじ部を螺着する際に突起部を案内する傾斜面と、雄ねじ部及び雌ねじ部を螺脱する際に突起部を係止させる係止面とが雌ねじ部の断端箇所に形成されてもよい。
【0035】
当該構成によれば、雄ねじ部を雌ねじ部に螺着させる際に、突起部は雌ねじ部の断端箇所に形成された傾斜面に当接し、突起部は傾斜面を利用して雌ねじ部を容易に乗り越えることができる。
【0036】
一方、雄ねじ部を雌ねじ部から螺脱させる際に、突起部は雌ねじ部の断端箇所に形成された係止面に当接し、突起部は係止面で係止されることで、雌ねじ部を乗り越えることが困難となる。
【0037】
そのため、アダプターが採血用ホルダーから脱落することを抑制することができる。
【0038】
本発明のアダプターでは、雄ねじ部は周方向に断続的に形成されており、雌ねじ部の谷の一部には径方向内側に突出する突起部が形成され、突起部の先端は雄ねじ部の山より径方向内側、かつ、雄ねじ部の谷より径方向外側に位置してもよい。
【0039】
当該構成によれば、雄ねじ部を雌ねじ部から螺脱させる際に、雄ねじ部の断端箇所が突起部に当接し、雄ねじ部は突起部で係止させられる。
【0040】
そのため、螺脱方向の回転が抑制され、アダプターが採血用ホルダーから脱落することを抑制することができる。
【0041】
本件発明のアダプターでは、雄ねじ部及び雌ねじ部を螺着する際に雄ねじ部の断端箇所を案内する傾斜面と、雄ねじ部及び雌ねじ部を螺脱する際に雄ねじ部の断端箇所を係止させる係止面とが突起部に形成されてもよい。
【0042】
当該構成によれば、雄ねじ部を雌ねじ部に螺着させる際に、雄ねじ部の断端箇所は突起部に形成された傾斜面に当接し、雄ねじ部は傾斜面を利用して突起部を容易に乗り越えることができる。
【0043】
一方、雄ねじ部を雌ねじ部から螺脱させる際に、雄ねじ部の断端箇所は突起部に形成された係止面に当接し、雄ねじ部は係止面で係止されることで、突起部を乗り越えることが困難となる。
【0044】
そのため、アダプターが採血用ホルダーから脱落することを抑制することができる。
【0045】
本件発明のアダプターでは、雄ねじ部及び雌ねじ部を螺着する際に突起部を案内する傾斜面と、雄ねじ部及び雌ねじ部を螺脱する際に突起部を係止させる係止面とが雄ねじ部の断端箇所に形成されてもよい。
【0046】
当該構成によれば、雄ねじ部を雌ねじ部に螺着させる際に、突起部は雄ねじ部の断端箇所に形成された傾斜面に当接し、突起部は傾斜面を利用して雄ねじ部を容易に乗り越えることができる。
【0047】
一方、雄ねじ部を雌ねじ部から螺脱させる際に、突起部は雄ねじ部の断端箇所に形成された係止面に当接し、突起部は係止面で係止されることで、雄ねじ部を乗り越えることが困難となる。
【0048】
そのため、アダプターが採血用ホルダーから脱落することを抑制することができる。
【0049】
採血用キットは、採血具で人体から採血し、この採血した血液試料を採血用ホルダーに取り付けた真空採血管に貯留するものであり、採血具と、この採血具が接続される本件発明のアダプターと、アダプターが装着される採血用ホルダーと、真空採血管とを備えることができる。
【0050】
当該構成の採血用キットによれば、アダプターが採血用ホルダーから脱落することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【
図3】
図2に示すアダプターを採血用ホルダーに装着した状態の断面図。
【
図4】雄ねじ部を雌ねじ部に螺合した状態のダイアグラム。
【
図7】
図3に示すアダプター及び採血用ホルダーのVII-VII線断面図。
【
図8】雄ねじ部を雌ねじ部に螺合させている状態のダイアグラム。
【
図9】雄ねじ部を雌ねじ部から螺脱させている状態のダイアグラム。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図を参照して、本発明の実施形態の採血用キット1を詳しく説明する。同一又は対応する構成については同一の符号を付して説明を適宜省略する場合がある。
【0053】
また、以下の説明において、雄ねじ部26を雌ねじ部6へ螺合させる際の回転方向を第一方向(
図8矢印A)、雄ねじ部26を雌ねじ部6から螺脱させる際の回転方向を第二方向(
図9矢印B)として説明する。
【0054】
図1に示すように、採血用キット1は、採血具(以下、翼状針という。)40で人体から採血し、この採血した血液を採血用ホルダー3に取付けた真空採血管2に貯留するものである。
【0055】
採血用キット1は、血液を貯留する真空採血管2が取付けられる有底筒状体の採血用ホルダー3と、採血用ホルダー3の底部7に設けられた装着部4に取付けられるアダプター20と、アダプターに接続されるコネクタ50と、コネクタ50から延びる可撓性チューブ51と、可撓性チューブ51に接続される翼状針40とを備えている。
【0056】
アダプター20には、針基25に形成された連通孔29(
図2参照)に挿入された針管52が設けられている。針管52は、アダプター20を採血用ホルダー3に装着するまで針管52を保護するためのゴムスリーブ(不図示)で覆われている。別体となっていたアダプター20を、採血用ホルダー3に取付ける際は、針管52がゴムスリーブで覆われた状態で取付けられる。アダプター20を採血用ホルダー3に取付けた後に、針管52に突き刺す状態で真空採血管2が採血用ホルダー3に取付けられる。
【0057】
翼状針40は、前端が鋭利な針管41を支持するハブ42と、ハブ42に外嵌された一対の翼状部材43とを備える。
【0058】
次にアダプター20について説明する。
【0059】
図2に示すように、アダプター20は、コネクタ50(
図1参照)を介して翼状針40(
図1参照)に接続可能で採血した血液が流れる中空の本体部21と、本体部21の基端側に設けられ装着部4の先端面8(
図3参照)に当接するフランジ部22と、フランジ部22から本体部21と反対方向に延設され装着部4の貫通孔9(
図3参照)に挿入される円筒状の延在部23とを備えている。
【0060】
本体部21は、接続口が、例えば直径4ミリの円形の断面形状で6/100のテーパとなるルアーテーパ形状である。本実施形態では、本体部21をルアーテーパ形状としたが、円筒状や任意のテーパ形状としてもよい。
【0061】
本体部21とフランジ部22との間には、2つのリブ28が形成されている。本実施形態では、リブ28を2つとしたが、これに限定されず、コネクタ50(
図1参照)をアダプター20に接続する際にコネクタ50をガイドできれば4つ等の異なる数でもよく、更には本体部21及びフランジ部22が適切な強度を有すればリブ28はなくても差し支えない。
【0062】
延在部23の先端側には、ゴムスリーブが嵌合されるゴムスリーブ嵌合部24が形成され、ゴムスリーブ嵌合部24の先端側には、装着部4に延在部23を挿入する際に延在部23をガイドするためにテーパ状を成す針基25が形成されている。
【0063】
延在部23の外周には雄ねじ部26が形成されており、装着部4の貫通孔9を区画する貫通孔内周面に形成された雌ねじ部6に螺合し、装着部4の先端面8にフランジ部22を当接することで、装着部4にアダプター20の延在部23が取付けられる(
図3参照)。
【0064】
図2に示したアダプター20の雄ねじ部26の長さは4mmで、ねじのピッチは2.6mmの二条ねじである。
【0065】
本実施形態では2条ねじとしたが、1条ねじでもよく、3条ねじ以上の多条ねじが形成されてもよい。
さらに、ねじの長さやピッチも限定されず、ねじとしての機能が発揮さえすればよい。
【0066】
図4は、2条ねじのうち一方の1条ねじについて、螺旋状に延在する雄ねじ部26の山261及び谷262、並びに、雌ねじ部6の山61及び谷62のそれぞれの当該螺旋に沿った形状プロファイル(スパイラル)を表したものである。また、
図4では説明の便宜上、ねじの総ストローク距離を3πとして表す。
図4は、雄ねじ部26と雌ねじ部6を完全に螺合させた状態の図である。
【0067】
以下では、2条ねじのうち一方の1条ねじの雄ねじ部26と雌ねじ部6との関係性についてのみ説明するが、他方の1条ねじの雄ねじ部26と雌ねじ部6との関係性も同様となる。
【0068】
図4上側のダイアグラムの横軸は、雌ねじ部6の谷62および雄ねじ部26の山261のそれぞれの周方向の位置を、雌ねじ部6の中心軸線まわりの方位角(rad)および雄ねじ部26の中心軸線まわりの方位角(rad)のそれぞれにより表わしている。雌ねじ部6の谷62の始点および/または雄ねじ部26の山261の始点は方位角0radに一致していなくてもよい。同様に、雌ねじ部6の谷62の終点および/または雄ねじ部26の山261の終点は方位角3πに一致していなくてもよい。
【0069】
図4上側のダイアグラムの縦軸は、雌ねじ部6の谷62および雄ねじ部26の山261のそれぞれの径方向の位置を表わしている。
【0070】
当該ダイアグラムにおいて破線で表されている雌ねじ部の谷62の径方向の位置は、方位角範囲Θ=0~Θ1(例えばΘ1=3π/4~πrad)では、一定である。雌ねじ部の谷62の径方向の位置は、Θ=Θ1から方位角Θが増加するにつれて径方向外側に連続的に変化した後、さらに方位角Θが増えるにつれて径方向内側に連続的に変化してΘ=Θ2(例えば3π/2~2πradの間)で元の位置(Θ=Θ1での位置)に戻る。雌ねじ部の谷62の径方向の位置は、Θ=Θ2以降の方位角範囲では一定である。
【0071】
当該ダイアグラムにおいて実線で表されている雄ねじ部の山261の径方向の位置は、方位角範囲Θ=0~Θ3(例えばΘ3=π/2~πrad)では、雌ねじ部の谷62の径方向の位置よりも径方向内側にあって一定である。雄ねじ部の山261の径方向の位置は、Θ=Θ3から方位角Θが増加するにつれて径方向外側に雌ねじ部6の谷62の径方向の位置に至るまで連続的に変化した後、さらに方位角Θが増えるにつれて雌ねじ部6の谷62の径方向の位置から径方向内側に連続的に変化してΘ=Θ4(例えば3/2π~2πradの間)で元の位置(Θ=Θ3での位置)に戻る。雄ねじ部の山261の径方向の位置は、Θ=Θ4以降の方位角範囲では一定である。
【0072】
図4下側のダイアグラムの横軸は、雌ねじ部6の山61および雄ねじ部26の谷262のそれぞれの周方向の位置を、雌ねじ部6の中心軸線まわりの方位角(rad)および雄ねじ部26の中心軸線まわりの方位角(rad)のそれぞれにより表わしている。雌ねじ部6の山61の始点および/または雄ねじ部26の谷262の始点は方位角0radに一致していなくてもよい。同様に、雌ねじ部6の山61の終点および/または雄ねじ部26の谷262の終点は方位角3πに一致していなくてもよい。
【0073】
図4下側のダイアグラムの縦軸は、雌ねじ部6の山61および雄ねじ部26の谷262のそれぞれの径方向の位置を表わしている。
【0074】
当該ダイアグラムにおいて雌ねじ部6の山61の径方向の位置は、Θ=Θ5(例えばΘ5=5π/4~3π/2rad)において径方向内側に階段的に変化する。雌ねじ部6の山61の径方向の位置は、Θ=Θ5から一定の方位角範囲にわたって一定に維持された後、方位角Θの増加に伴って緩やかに直線的(または曲線的に)径方向内側に変化し、Θ=Θ6(例えばΘ6=7π/4~2πrad)で元の位置に戻る。
【0075】
当該ダイアグラムにおいて実線で表わされている雄ねじ部26の谷262の径方向の位置は、方位角範囲Θ=0~Θ7(例えばΘ7=π~9π/8rad)では、雌ねじ部6の山61の径方向の位置よりも径方向内側において一定である。雄ねじ部26の谷262の径方向の位置は、Θ=Θ7から方位角Θの増加に伴い、径方向外側に比較的なだらかに直線的(または曲線的)に変化して、Θ=Θ8(例えばΘ8=19π/16~5π/4rad)で雌ねじ部6の山61の最も内側の径方向の位置よりも径方向外側にある位置に至る。雄ねじ部26の谷262の径方向の位置は、Θ=Θ8において径方向内側に階段的に変化して元の位置(Θ=Θ7での位置)に戻る。
雄ねじ部26の谷262の径方向の位置は、Θ=Θ8以降の方位角範囲では一定である。
【0076】
図4上側のダイアグラムにおいて、方位角範囲Θ=Θ3~Θ4における局所的に凸曲線状に盛り上がっている部分が突出部27に相当する。突出部27の一部が雌ねじ部6の谷62に当接することで、当該突出部27において雄ねじ部26及び雌ねじ部6が他の部分より相互に強く圧接される。このため、雄ねじ部26を雌ねじ部6に対して螺脱方向に回転させる際の抵抗力を大きくすることができ、アダプター20が採血用ホルダー3から脱落することを抑制することができる。
【0077】
本実施形態では、突出部27が方位角範囲Θ=Θ3~Θ4に形成されているが、これに限定されず、方位角範囲Θ=0~3πに形成されていても、雄ねじ部26及び雌ねじ部6が突出部27において、他の部分より強く圧接されていればよい。
【0078】
さらに、突出部27の突出方向は径方向外側に限定されず、
図5及び
図6に示す通り、雄ねじ部26の中心軸線まわりの所定の方位角位置において、中心軸線方向に平行な方向について局所的に幅広になるように形成されていてもよい。
【0079】
本実施形態では、突出部27は、中心軸線方向に平行な両方向に広がるように局所的に幅広に形成されているが、突出部27が、中心軸線方向に平行な一方向に広がるように局所的に幅広に形成されていてもよい。3つの突出部27が中心軸線方向に整列するように、方位角Θが2πだけずれた3つの周方向の位置のそれぞれに形成されているが、その数は1つでもよく、その周方向の位置が任意に変更されてもよい。
【0080】
また、突出部は、雌ねじ部6の山61の一部に形成されてもよい。この場合、例えば、当該突出部は径方向内側に向かって、突出部の一部が雄ねじ部26の一部に当接するように形成される。これにより、雄ねじ部26及び雌ねじ部6が当該突出部が設けられた方位角範囲において他の部分より相互に強く圧接される。そのため、雄ねじ部26を雌ねじ部6に対して螺脱方向に回転させる際の抵抗力を大きくすることができ、アダプター20が採血用ホルダー3から脱落することを抑制することができる。
【0081】
本件発明のアダプターでは、突出部27がΘ=0~1.5πradの間に形成されることが好ましい。
つまり、雄ねじ部26または雌ねじ部6のスパイラル状のストロークの中間部よりも先端側に形成されることが好ましい。
【0082】
そのことにより、雄ねじ部26を雌ねじ部6に対して螺脱方向に回転させた際に、突出部27がΘ=1.5πrad以上の位置に形成された場合と比較して、より長いストロークに渡って、突出部27において雄ねじ部26及び雌ねじ部6が他の部分より相互に強く圧接される。
【0083】
アダプター20は、装着部4よりも荷重たわみ温度(熱変形温度ともいう)が高い材質で形成されていることが好ましい。
【0084】
例えば、アダプター20が硬質ポリ塩化ビニルで形成され、装着部4がポリプロピレンで形成される。荷重たわみ温度は、JIS K7191に準拠した方法で測定することができる。
【0085】
アダプター20の材料としては、硬質ポリ塩化ビニルの他、ポリプロピレン、アクリル樹脂、アクリロニトリル、ブタジエン、スチレン樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネートなどを採用することができる。
【0086】
当該構成によれば、例えば、製造過程において加熱及び冷却の熱サイクルを経ることにより、アダプターは装着部よりも荷重たわみ温度が高い材質で形成されているため、装着部4は、アダプター20が備える延在部23よりも熱収縮量が大きくなる。
【0087】
この分だけ、突出部27における雌ねじ部6と雄ねじ部26との圧接をより堅固なものとすることができる。
【0088】
また、装着部4のうち、突出部27と当接する箇所は加熱処理を経て、押圧されている方向に変形する。
そして、突出部27は当該変形箇所に引っ掛かる錨の役割を果たす。
【0089】
そのため、アダプター20が採血用ホルダー3から脱落することをさらに抑制することができる。
【0090】
上記アダプター20では、
図2に示すように、雄ねじ部26の谷の一部には、径方向外側に突出する突起部30が形成され、突起部30の先端は、雄ねじ部26を装着部4に形成された雌ねじ部6に螺合させた際に、雌ねじ部6の山より径方向外側、かつ、雌ねじ部6の谷より径方向内側に位置し(
図4、
図7参照)、雌ねじ部6の山61は周方向に断続的に形成されていることが好ましい。
【0091】
また、雌ねじ部6の谷の一部に、径方向内側に突出する突起部30が形成され、突起部30の先端は、雄ねじ部26を装着部4に形成された雌ねじ部6に螺合させた際に、雄ねじ部26の山より径方向内側、かつ、雄ねじ部26の谷より径方向外側に位置し、雄ねじ部26の山261は周方向に断続的に形成されてもよい。
【0092】
図4下側のダイアグラムにおいて、方位角範囲Θ=Θ5~Θ6における局所的に盛り上がっている部分が雌ねじ部の山61に相当する。
【0093】
次に、
図4下側のダイアグラムにおいて、方位角範囲Θ=Θ7~Θ8における局所的に盛り上がっている部分が突起部30に相当する。
【0094】
このため、雄ねじ部26を雌ねじ部6に対して回転させた際に、突起部30は、雌ねじ部の山61に当接し、その回転を抑制させることができる。
【0095】
図4に示す通り、本実施形態では、突起部30の形状をくさび状とし、方位角範囲Θ=Θ7~Θ8に形成したが、突起部30が雌ねじ部の山61に当接すれば、方位角範囲Θ=0~3πに形成されてもよく、その形状や、大きさも限定されない。また、突起部30は形成されなくてもよい。
【0096】
次に、雌ねじ部6の山は、方位角範囲Θ=Θ5~Θ6に雌ねじ部の山61、が、断続的に形成されているが、雌ねじ部6の山61は、方位角範囲Θ=Θ5~Θ6の位置に限定されず、方位角範囲Θ=0~3πに形成されていても、雄ねじ部26と螺合可能であればよい。
【0097】
さらに、突起部30に雌ねじ部6の断端箇所612を案内する傾斜面と、雌ねじ部6の断端箇所611を係止させる係止面とが形成されていることが好ましい。
【0098】
雄ねじ部26と雌ねじ部6を螺着方向または螺脱方向に回転させた際の突起部30に形成された傾斜面301及び係止面302、と、雌ねじ部6の山61の断端箇所611、612との対応関係について、説明する。
【0099】
図8は、螺旋状に延在する雄ねじ部26の山261及び谷262、並びに、雌ねじ部6の山61及び谷62のそれぞれの当該螺旋に沿った形状プロファイルを表したものである。
図8は、雄ねじ部26を雌ねじ部6に対して螺合方向に回転させている状態の図である。
【0100】
雄ねじ部26と雌ねじ部6とが、螺合していない状態から螺合方向に、雄ねじ部26と雌ねじ部6とを相対的に回転させる過程で(
図8矢印A参照)、
図8に示されているように、雌ねじ部6の山61の断端箇所612が、雄ねじ部26の谷262の突起部30の傾斜面301に当接した状態になる。
【0101】
ここで、突起部30の傾斜面301と雌ねじ部6の山61の断端箇所612とは、雄ねじ部26と雌ねじ部6との螺合方向への相対的な回転力のベクトルに対して比較的大きく傾斜している。このため、
図8に示されている状態から更に雄ねじ部26と雌ねじ部6とを相対的に螺合方向に回転させると、当該回転力の一部が、突起部30の傾斜面301を、雌ねじ部6の山61の断端箇所612に沿って径方向内側に案内する力に変換される。その結果、突起部30の傾斜面301が雌ねじ部6の山61の断端箇所612を容易に乗り越えることができる。
【0102】
このように、雄ねじ部26と雌ねじ部6を螺合させる際は、雌ねじ部の山61は、突起部30を容易に乗り越えることができる。そして、最終的には、
図4に示されているように、雄ねじ部6と雌ねじ部26を完全に螺合させることができる。
【0103】
本実施形態では、2条ねじのうち一方の1条ねじと他方の1条ねじの方位角位置Θ=Θ1~7が一致するため、一方の1条ねじと他方の1条ねじの雌ねじ部の山61は同じタイミングで各々の突起部30を乗り越える。
【0104】
しかしながら、一方の1条ねじと他方の1条ねじの各々の方位角位置Θ=Θ5~8が一致せず、一方の1条ねじの雌ねじ部の山61が突起部30を乗り越えるタイミングが、他方の1条ねじの雌ねじ部の山61が突起部30を乗り越えるタイミングよりも早くても遅くてもよい。
【0105】
また、本実施形態では、突起部30の傾斜面301の傾斜角度を約40度としたが、これに限定されず、雌ねじ部6の山61が突起部30を乗り越え可能に傾斜していればよい。
【0106】
図9は、螺旋状に延在する雄ねじ部26の山261及び谷262、並びに、雌ねじ部6の山61及び谷62のそれぞれの当該螺旋に沿った形状プロファイルを表したものである。
図9は、雄ねじ部26を雌ねじ部6に対して螺脱方向に回転させている状態の図である。
【0107】
雄ねじ部26と雌ねじ部6とが、完全に螺合した状態(
図4参照)から螺脱方向に、雄ねじ部26と雌ねじ部6とを相対的に回転させる過程で(
図9矢印B参照)、
図9に示されているように、雌ねじ部6の山61の断端箇所611が、雄ねじ部26の谷262の突起部30の係止面302に当接した状態になる。
【0108】
このとき、雄ねじ部26の谷262の突起部30の係止面302が、Θ=Θ8において径方向内側に階段的に変化して元の位置(Θ=Θ7での位置)に戻っているとともに、雌ねじ部6の山61の断端箇所611がΘ5において径方向内側に階段的に変化しているため、突起部30と雌ねじ部6の山61は、雄ねじ部26と雌ねじ部6とを螺脱方向に相対的に回転させる力のベクトルに対して垂直またはほぼ垂直に延在する突起部30の係止面302と雌ねじ部6の山61の断端箇所611とを当接させることができるので、雌ねじ部6の山61は雄ねじ部26の谷262の突起部30を乗り越えにくい。
【0109】
そのため、雄ねじ部26が雌ねじ部6に対して、螺脱方向に回転することを抑制することができる。
【0110】
本実施形態では、2条ねじのうち一方の1条ねじと他方の1条ねじの方位角位置Θ=Θ1~7が一致するため、一方の1条ねじと他方の1条ねじの雌ねじ部の山61は同じタイミングで各々の突起部30に当接する。
【0111】
しかしながら、一方の1条ねじと他方の1条ねじの各々の方位角位置Θ=Θ5~8が一致せず、一方の1条ねじの雌ねじ部の山61が突起部30に当接するタイミングが、他方の1条ねじの雌ねじ部の山61が突起部30に当接するタイミングよりも早くても遅くてもよい。
【0112】
本実施形態では、突起部30係止面302は、Θ=Θ8において径方向内側に階段的に変化することにより形成されているが、これに限定されず、雌ねじ部6の山61の断端箇所611と当接することで、雄ねじ部26が雌ねじ部6に対して、螺脱方向に回転することが抑制されるものであればよい。
【0113】
また、雌ねじ部6の山61の断端箇所611、612に、突起部30を案内する傾斜面と、突起部30を係止させる係止面とが形成されてもよい。
【0114】
当該傾斜面は、雌ねじ部6の山61の方位角が大きい側の断端箇所612に形成され、当該係止面は、雌ねじ部の山61の方位角が小さい側の断端箇所611に形成される。
【0115】
突起部30が、雌ねじ部6の谷62の一部に径方向内側に突出するように、形成されている場合には、突起部30に雄ねじ部26の山261の断端箇所を案内する傾斜面と、雄ねじ部26の山261の断端箇所を係止させる係止面とが形成されていることが好ましい。
【0116】
当該傾斜面は、突起部の方位角が大きい側に形成され、当該係止面は、突起部の方位角が小さい側に形成される。
【0117】
また、雄ねじ部26の断端箇所に、突起部30を案内する傾斜面と、突起部を係止させる係止面とが形成されてもよい。
【0118】
当該傾斜面は、雄ねじ部26の方位角が小さい側の断端箇所に形成され、当該係止面は、雄ねじ部26の方位角が大きい側の断端箇所に形成される。
【0119】
以上に述べたように、本発明のアダプター20であれば、採血用ホルダー3に対するアダプター20の回転を抑制することで、採血用ホルダー3から脱落しにくいアダプター20を提供することができる。
【0120】
本実施形態では、採血具40を翼状針としたが、これに限定されず、採血できれば1本の針管であってもよい。
【符号の説明】
【0121】
3 採血用ホルダー
4 装着部
7 底部
8 先端面
9 貫通孔
20 アダプター
21 本体部
22 フランジ部
23 延在部