(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023017390
(43)【公開日】2023-02-07
(54)【発明の名称】機器の異常振動計測装置、異常振動計測方法及び異常振動計測プログラム
(51)【国際特許分類】
G01H 17/00 20060101AFI20230131BHJP
【FI】
G01H17/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021121637
(22)【出願日】2021-07-26
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 翔
(72)【発明者】
【氏名】上條 芳武
(72)【発明者】
【氏名】小山 泰平
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 圭史
【テーマコード(参考)】
2G064
【Fターム(参考)】
2G064AA12
2G064AB05
2G064AB22
2G064DD23
(57)【要約】
【課題】複雑な形状を有する機器であっても振動の到達時間を用いて異常振動を計測すること。
【解決手段】異常振動計測装置は、特性算出部と、振動源推定部とを備える。特性算出部は、振動伝達経路を加振器によって加振した際の、第1の振動センサから加振器までの第1の距離及び第1の振動センサに加振波が伝達するまでの第1の振動伝達時間に基づく第1の振動伝達速度と、第2の振動センサから加振器の位置までの第2の距離及び第2の振動センサに加振波が伝達するまでの第2の振動伝達時間に基づく第2の振動伝達速度と、を機器の振動伝達速度特性として計算する。振動源推定部は、機器に振動が発生したときに、第1の振動センサと第2の振動センサのそれぞれに振動が伝達するまでの振動伝達時間の時間差と、振動伝達速度特性とに基づき、振動が発生した位置を推定する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器に配置された第1の振動センサの位置を始点として前記機器に配置された第2の振動センサの位置を終点とする振動伝達経路の所定の位置を加振器によって加振した際の、前記第1の振動センサから前記加振器までの前記振動伝達経路に沿った第1の距離及び前記加振器から前記第1の振動センサに加振波が伝達するまでの第1の振動伝達時間に基づく第1の振動伝達速度と、前記第2の振動センサから前記加振器までの前記振動伝達経路に沿った第2の距離及び前記加振器から前記第2の振動センサに加振波が伝達するまでの第2の振動伝達時間に基づく第2の振動伝達速度と、を前記機器の振動伝達速度特性として計算する特性算出部と、
前記機器に振動が発生したときに、前記第1の振動センサと前記第2の振動センサのそれぞれに振動が伝達するまでの振動伝達時間の時間差と、前記振動伝達速度特性とに基づき、前記機器において振動が発生した位置を推定する振動源推定部と、
を具備する機器の異常振動計測装置。
【請求項2】
前記振動伝達経路には、少なくとも1つの第3の振動センサがさらに配置され、
前記特性算出部は、さらに、それぞれの前記第3の振動センサから前記加振器の位置までの前記振動伝達経路に沿った第3の距離及び前記加振器からそれぞれの前記第3の振動センサに加振波が伝達するまでの第3の振動伝達時間に基づく第3の振動伝達速度を前記振動伝達速度特性として計算する、
請求項1に記載の機器の異常振動計測装置。
【請求項3】
前記加振器は、前記振動伝達経路の2つ以上の位置を加振し、
前記特性算出部は、さらに、前記第1の振動センサからそれぞれの前記加振器の位置までの前記振動伝達経路に沿った第4の距離及びそれぞれの前記加振器から前記第1の振動センサに加振波が伝達するまでの第4の振動伝達時間に基づく第4の振動伝達速度と、前記第2の振動センサからそれぞれの前記加振器の位置までの前記振動伝達経路に沿った第5の距離及びそれぞれの前記加振器から前記第2の振動センサに加振波が伝達するまでの第5の振動伝達時間に基づく第5の振動伝達速度とを、前記振動伝達速度特性として計算する、
請求項1に記載の機器の異常振動計測装置。
【請求項4】
前記加振波は、衝撃波形、正弦波形、周波数掃引波形、ランダム波形の何れかである請求項1乃至3の何れか1項に記載の機器の異常振動計測装置。
【請求項5】
前記特性算出部は、前記加振波の波形と前記第1の振動センサで検出される第1の振動波形との立ち上がりの時間を比較することによって前記第1の振動伝達時間を計算するとともに、前記加振波の波形と前記第2の振動センサで検出される第2の振動波形との立ち上がりの時間を比較することに前記第2の振動伝達時間を計算する、
請求項1乃至4の何れか1項に記載の機器の異常振動計測装置。
【請求項6】
前記特性算出部は、前記加振波の波形と前記第1の振動センサで検出される第1の振動波形との相互相関関数を計算することによって前記第1の振動伝達時間を計算するとともに、前記加振波の波形と前記第2の振動センサで検出される第2の振動波形との相互相関関数を計算することに前記第2の振動伝達時間を計算する、
請求項1乃至4の何れか1項に記載の機器の異常振動計測装置。
【請求項7】
加振器が、機器に配置された第1の振動センサの位置を始点として前記機器に配置された第2の振動センサの位置を終点とする振動伝達経路の所定の位置を加振することと、
特性算出部が、前記第1の振動センサから前記加振器の位置までの前記振動伝達経路に沿った第1の距離及び前記加振器から前記第1の振動センサに加振波が伝達するまでの第1の振動伝達時間に基づく第1の振動伝達速度と、前記第2の振動センサから前記加振器の位置までの前記振動伝達経路に沿った第2の距離及び前記加振器から前記第2の振動センサに加振波が伝達するまでの第2の振動伝達時間に基づく第2の振動伝達速度と、を前記機器の振動伝達速度特性として計算することと、
振動源推定部が、前記機器に振動が発生したときに、前記第1の振動センサと前記第2の振動センサのそれぞれに振動が伝達するまでの振動伝達時間の時間差と、前記振動伝達速度特性とに基づき、前記機器において振動が発生した位置を推定することと、
を具備する機器の異常振動計測方法。
【請求項8】
機器に配置された第1の振動センサの位置を始点として前記機器に配置された第2の振動センサの位置を終点とする振動伝達経路の所定の位置を加振器によって加振することと、
前記第1の振動センサから前記加振器の位置までの前記振動伝達経路に沿った第1の距離及び前記加振器から前記第1の振動センサに加振波が伝達するまでの第1の振動伝達時間に基づく第1の振動伝達速度と、前記第2の振動センサから前記加振器の位置までの前記振動伝達経路に沿った第2の距離及び前記加振器から前記第2の振動センサに加振波が伝達するまでの第2の振動伝達時間に基づく第2の振動伝達速度と、を前記機器の振動伝達速度特性として計算することと、
前記機器に振動が発生したときに、前記第1の振動センサと前記第2の振動センサのそれぞれに振動が伝達するまでの振動伝達時間の時間差と、前記振動伝達速度特性とに基づき、前記機器において振動が発生した位置を推定することと、
をコンピュータに実行させるための機器の異常振動計測プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、機器の異常振動計測装置、異常振動計測方法及び異常振動計測プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
モータ等を備えた機器の故障計測手法として機器の異常振動を計測する手法が用いられることがある。異常振動等の振動を計測する手法の1つとして、振動源から振動センサまでの振動の伝達時間から振動の発生個所を特定する手法が知られている。複雑な形状を有する機器の場合、振動伝達経路の場所によって振動の伝達速度が異なる場合がある。振動の伝達速度が場所によって異なる場合、単純に振動の伝達時間だけで振動の発生個所を特定しようとすると誤差が生じることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実施形態は、複雑な形状を有する機器であっても振動の到達時間を用いて異常振動を計測することができる機器の異常振動計測装置、異常振動計測方法及び異常振動計測プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様の異常振動計測装置は、特性算出部と、振動源推定部とを備える。特性算出部は、機器に配置された第1の振動センサの位置を始点として機器に配置された第2の振動センサの位置を終点とする振動伝達経路の所定の位置を加振器によって加振した際の、第1の振動センサから加振器までの振動伝達経路に沿った第1の距離及び加振器から第1の振動センサに加振波が伝達するまでの第1の振動伝達時間に基づく第1の振動伝達速度と、第2の振動センサから加振器までの振動伝達経路に沿った第2の距離及び加振器から第2の振動センサに加振波が伝達するまでの第2の振動伝達時間に基づく第2の振動伝達速度と、を機器の振動伝達速度特性として計算する。振動源推定部は、機器に振動が発生したときに、第1の振動センサと第2の振動センサのそれぞれに振動が伝達するまでの振動伝達時間の時間差と、振動伝達速度特性とに基づき、機器において振動が発生した位置を推定する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、異常振動の計測対象の機器の構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、制御装置の一例の構成を示す図である。
【
図3】
図3は、振動伝達速度特性の計測処理の一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、振動伝達速度特性の計測処理の概要を示す図である。
【
図5】
図5は、加振器から出力される振動波形、振動センサ50aで検出される振動波形、振動センサ50bで検出される振動波形の例を示す図である。
【
図6】
図6は、
図4の振動伝達経路の設定に基づいて計算される振動伝達速度特性の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、振動源の推定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、振動源の推定処理を説明するための図である。
【
図9】
図9は、区間の数がnのときの振動伝達速度特性の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
図1は、異常振動の計測対象の機器の構成の一例を示す図である。機器1は、モータ10と、ギヤボックス20と、駆動対象物30とを有している。モータ10とギヤボックス20とは、カップリング40を介して接続されている。また、ギヤボックス20の筐体面には振動センサ50aが取り付けられており、モータ10の筐体面には振動センサ50bが取り付けられている。振動センサ50a及び50bは、制御装置60に電気的に接続されている。
【0008】
モータ10は、電気エネルギーを機械エネルギーに変換する機器である。モータ10は、例えば回転子11と、固定子12と、ベアリング13a、13bとを有している。回転子11は、回転軸を有し、回転軸を中心にして回転する要素である。回転子11の回転軸は、カップリング40に接続される。固定子12は、例えば回転子11の周囲に形成され、回転子11との相互作用によって回転子11の回転軸を回転させるための力を発生させる要素である。回転子11と固定子12との相互作用は、例えば磁気的相互作用である。ベアリング13a、13bは、回転子11の回転軸を低摩擦力で支持する。ここで、回転子11の回転軸の先端をカップリング40と接続される端部とし、回転子11の回転軸の基端を先端と反対側の端部としたとき、ベアリング13aは回転子11の回転軸の先端側を支持し、ベアリング13bは回転子11の回転軸の基端側を支持するように配置されている。
【0009】
ここで、実施形態においては、モータ10の構成は、特定の構成に限定されるものではない。例えば、磁気的相互作用をさせるための構成として、永久磁石が用いられてもよいし、電磁石が用いられてもよい。
【0010】
ギヤボックス20は、少なくとも1つのギヤを収容するボックスである。実施形態では、ギヤボックス20は、例えば2つのギヤ21a、21bと、ベアリング22a、22b、22c、22dとを有している。ギヤ21aは、回転軸を有するギヤである。ギヤ21aの回転軸は、カップリング40を介してモータ10の回転子11の回転軸に接続されている。つまり、ギヤ21aは、回転子11の回転軸の回転に従って回転するように構成されている。ギヤ21bは、ギヤ21aと同様に回転軸を有するギヤである。ギヤ21bの回転軸は駆動対象物30に接続されている。また、ギヤ21bは、ギヤ21aと噛み合うように配置されている。つまり、ギヤ21bは、ギヤ21aの回転に従って回転するように構成されている。ベアリング22a、22bは、ギヤ21aの回転軸を低摩擦力で支持する。また、ベアリング22c、22dは、ギヤ21bの回転軸を低摩擦力で支持する。ここで、ギヤ21aの回転軸の基端をカップリング40と接続される端部とし、ギヤ21aの回転軸の先端を基端と反対側の端部としたとき、ベアリング22aはギヤ21aの回転軸の先端側を支持し、ベアリング22bはギヤ21aの回転軸の基端側を支持するように配置されている。また、ギヤ21bの回転軸の先端を駆動対象物30と接続される端部とし、ギヤ21bの回転軸の基端を先端と反対側の端部としたとき、ベアリング22cはギヤ21bの回転軸の先端側を支持し、ベアリング22dはギヤ21bの回転軸の基端側を支持するように配置されている。
【0011】
ここで、実施形態においては、ギヤボックス20の構成は、特定の構成に限定されるものではない。例えば、ギヤボックス20の内部のギヤの数は、2つに限定されるものではない。また、
図1では、ギヤ21aとギヤ21bの大きさは、同一であるように示されている。しかしながら、ギヤ21aとギヤ21bの大きさは、異なっていてもよい。
【0012】
駆動対象物30は、モータ10の回転力を動力として駆動される対象物である。実施形態では、モータ10の回転力は、ギヤ21a及びギヤ21bを介して駆動対象物30に伝達される。駆動対象物30は、モータ10によって駆動される任意の対象物であってよい。
【0013】
カップリング40は、回転子11の回転軸とギヤボックス20のギヤ21aの回転軸とを接続する。カップリング40は、回転子11の回転軸とギヤボックス20のギヤ21aの回転軸とのそれぞれの芯ずれを吸収して両者を接続できるように構成されている。
【0014】
実施形態では、機器1における異常振動を特定するために、少なくとも2つの振動センサ50a、50bが機器1に取り付けられる。振動センサ50a、50bは、加速度センサ、角速度センサ等の振動を検出できる任意のセンサであってよい。振動センサ50a、50bの取り付け位置は、例えば
図1に示すように、ギヤボックス20の筐体面におけるギヤ21bの近傍位置及びモータ10の筐体面におけるベアリング13bの近傍位置である。振動センサ50a、50bの取り付け位置は、これらの位置に限定されるものではない。ただし、振動センサ50a、50bの取り付け位置は、機器1において発生することが想定される振動を検出できる位置である必要がある。また、振動センサ50a、50bと制御装置60との接続は、例えば有線接続である。しかしながら、振動センサ50a、50bが無線送信装置を備えていれば、振動センサ50a、50bと制御装置60との接続は無線接続であってもよい。
【0015】
制御装置60は、振動センサ50a、50bの出力信号を処理する。また、制御装置60は、後で説明する加振器の制御をする。
図2は、制御装置60の一例の構成を示す図である。制御装置60は、例えばプロセッサ61と、ROM62と、RAM63と、ストレージ64と、入力インターフェース65と、出力インターフェース66とを有するコンピュータである。
【0016】
プロセッサ61は、CPU等のハードウェアプロセッサであり、制御装置60の全体の動作を制御する。プロセッサ61は、ストレージ64に記録されているプログラム641に従って処理を実行することにより、ノイズ除去部611、特性算出部612、振動源推定部613、加振制御部614として動作し得る。
【0017】
ノイズ除去部611は、振動センサ50a、50bの出力信号におけるノイズをバンドパスフィルタ処理によって除去する。ノイズは、例えばモータ10を駆動するインバータより発生するノイズといった定常的に振動センサ50a、50bの出力信号に重畳されるノイズである。
【0018】
特性算出部612は、振動センサ50a、50bの出力信号に基づき、機器1において予め設定される振動伝達経路上で発生した振動の振動伝達速度特性を区間毎に算出する。振動伝達経路は、振動センサ50aの取り付け位置を始点とし、振動センサ50bの取り付け位置を終点とし、機器1において異常振動の発生が想定される振動源の位置を含む振動の伝達経路である。特性算出部612としての動作については後で詳しく説明する。
【0019】
振動源推定部613は、振動センサ50a及び50bの出力信号と、特性算出部612で算出された振動伝達速度特性とに基づき、振動伝達経路上での振動源の位置を推定する。振動源推定部613としての動作については後で詳しく説明する。
【0020】
加振制御部614は、後で説明する加振器の動作を制御する。加振制御部614は、例えば加振器による加振を開始及び終了させる。また、加振制御部614は、加振器による加振に用いられる加振波を選択する。
【0021】
ここで、ノイズ除去部611、特性算出部612、振動源推定部613、加振制御部614は、それぞれの動作をする専用のハードウェアによって構成されてもよい。例えば、ノイズ除去部611は、バンドパスフィルタ回路として構成されてもよい。
【0022】
ROM62は、不揮発性のメモリである。ROM62には、制御装置60の起動プログラム等の基本プログラム及び各種の処理に用いられるパラメータが格納されている。
【0023】
RAM63は、揮発性のメモリである。RAM63は、例えば制御装置60に入力されたデータ、制御装置60において発生したデータ等を一時的に記憶する作業メモリとして動作する。
【0024】
ストレージ64は、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)といったストレージである。ストレージ64には、プログラム641と、振動伝達速度特性データ642とが格納される。プログラム641は、プロセッサ61にノイズ除去部611、特性算出部612、振動源推定部613、加振制御部614としての処理を実行させるためのプログラムである。振動伝達速度特性データ642は、特性算出部612の動作によって算出された振動伝達速度特性を表すグラフ又はテーブルのデータである。振動伝達速度特性データ642については後で詳しく説明する。なお、振動伝達速度特性データ642は、必ずしも制御装置60のストレージ64に格納されている必要はない。振動伝達速度特性データ642は、制御装置60とは別に設けられたストレージに格納されていてもよい。この場合、制御装置60は、必要に応じてこの別のストレージから振動伝達速度特性データ642を取得する。
【0025】
入力インターフェース65は、機器1のオペレータが制御装置60に対して各種の入力をするためのインターフェースである。入力インターフェース65は、タッチパネル、キーボード、マウス等を含み得る。
【0026】
出力インターフェース66は、プロセッサ61による処理の結果を出力するためのインターフェースである。出力インターフェース66は、ディスプレイ、プリンタ等を含み得る。
【0027】
次に、機器1における振動検出の動作を説明する。まず、振動伝達速度特性の計測手法について説明する。
図3は、振動伝達速度特性の計測処理の一例を示すフローチャートである。
図4は、振動伝達速度特性の計測処理の概要を示す図である。振動伝達速度特性の計測処理は、例えば、機器1の製造時、1週間及び1年間といった所定の期間の経過後等の機器1を実際に稼働させる前のタイミングで実施される。
【0028】
ステップS1において、制御装置60のプロセッサ61は、機器1における振動伝達経路を設定する。振動伝達経路の設定の一例を説明する。前述したように、振動伝達経路は、振動センサ50aの取り付け位置を始点とし、振動センサ50bの取り付け位置を終点とし、機器1において異常振動の発生が想定される振動源の位置を含む振動の伝達経路である。例えば、産業機器で一般的に用いられることの多い、
図1で示したようなモータとギヤボックスとがカップリングを介して接続される構成を有する機器の場合、故障は、ベアリング及びギヤの噛み合い部といった構造的に接触部を持つ個所で発生することが多い。これらの接触部を持つ箇所で発生する故障では、経年により接触部が摩耗によって劣化し、この接触部の劣化によって異常振動が発生し得る。したがって、振動伝達経路は、
図4に示すように、例えばギヤ21aとギヤ21bの噛み合い部P1を基点として設定され得る。ギヤ21aとギヤ21bの噛み合い部P1で振動が発生した場合、この振動は、通常、ギヤ21bを伝達して振動センサ50aに到達するとともに、ギヤ21a及びモータ10の回転子11を伝達して振動センサ50bに到達する。このような振動の伝達経路が
図4に示した振動伝達経路Rである。振動伝達経路Rは、例えばオペレータによる制御装置60の入力インターフェース65の操作によって設定され得る。この場合には、例えば制御装置60はディスプレイ上に
図1で示したような機器1の模式図を表示し、オペレータはこの模式図上で振動伝達経路Rを設定してよい。オペレータによる設定を受けて、プロセッサ61は、振動伝達経路Rを設定する。また、プロセッサ61は、振動伝達経路Rの全体の距離Lを計算する。距離Lは、振動センサ50aの位置から振動センサ50bの位置までの振動伝達経路Rに沿った距離である。プロセッサ61は、振動伝達経路Rのデータと距離Lのデータとを例えばストレージ64に格納する。
【0029】
ここで、振動伝達経路Rは、例えば振動の伝達シミュレーションの結果等に従って設定されてもよい。振動の伝達シミュレーションは、機器1の内部構造が既知ものであるとして作成される機器1のFEM(Finite Element Method)モデルに基づいて行われてよい。また、
図4では、1つの振動伝達経路Rが設定されているが、機器1の構造等によっては複数の振動伝達経路が設定されてもよい。複数の振動伝達経路が設定される場合、それぞれの振動伝達経路の全体の距離は異なっていることが望ましい。
【0030】
ステップS2において、プロセッサ61は、振動伝達経路Rを複数の区間に分割する。区間は、例えば加振器の取り付け位置及び振動センサの取り付け位置に従って分割される。加振器70は、振動伝達経路R上の、加振器70が取り付けできる位置に取り付けられる。例えば、
図4では、加振器70は、ギヤ21aの回転軸付近のギヤボックス20の筐体面上に取り付けられる。この場合、振動伝達経路Rは、少なくとも振動センサ50aから加振器70の位置P2までの区間R1と、加振器70の位置P2から振動センサ50bまでの区間R2とに分割される。区間は、例えばオペレータによる制御装置60の入力インターフェース65の操作によって設定され得る。この場合には、例えば制御装置60はディスプレイ上に
図1で示したような機器1の模式図を表示し、オペレータはこの模式図上で加振器70の取り付け位置P2を指定してよい。これを受けて、プロセッサ61は、振動伝達経路Rを区間R1と区間R2とに分割する。また、プロセッサ61は、区間R1の距離L1及び区間R2の距離L2を計算する。距離L1は、振動センサ50aの位置から加振器70の位置P2までの振動伝達経路Rに沿った距離である。距離L2は、振動センサ50bの位置から加振器70の位置P2までの振動伝達経路Rに沿った距離である。プロセッサ61は、区間R1、R2のデータと距離L1、L2のデータとを例えばストレージ64に格納する。
【0031】
ここで、オペレータが加振器70の取り付け位置を指定する場合において、加振器70が取り付けできない位置が指定されたときには、プロセッサ61は、オペレータに対して警告を発してよい。
【0032】
また、オペレータが加振器70の位置を制御装置60に入力するのではなく、加振器70に位置センサ等が取り付けられていれば、加振器70が実際に機器1に取り付けられたときに、加振器70の取り付け位置の情報が例えば加振器70から制御装置60に入力されてもよい。
【0033】
ステップS3において、プロセッサ61は、加振器70に対して制御信号を出力することで加振器70による取り付け部の加振を実施する。加振器70から出力される振動の波形として、衝撃波形、正弦波形、周波数掃引波形、ランダム波形の何れかが用いられ得る。加振器70による加振の実施により、振動センサ50a及び50bのそれぞれから制御装置60へは振動の波形を表す信号が出力される。
図5は、加振器70から出力される振動波形W1、振動センサ50aで検出される振動波形W2、振動センサ50bで検出される振動波形W3の例を示す図である。振動波形W1は、制御装置60から加振器70に出力される制御信号の波形と対応している。プロセッサ61は、振動センサ50aの出力信号及び振動センサ50bの出力信号におけるノイズを除去することで振動波形W2及びW3を取得する。
【0034】
ステップS4において、プロセッサ61は、加振器70から出力される振動波形、すなわち制御信号の波形と、振動センサ50a及び50bのそれぞれの出力信号の波形とを比較することにより、それぞれの区間の振動伝達に要した時間である振動伝達時間を計算する。振動伝達時間を計算する手法として、例えば波形の立ち上がりを検出する手法が用いられ得る。具体的には、プロセッサ61は、
図5に示すように、加振器70から出力される振動波形W1の立ち上がりの時間点と振動センサ50aで検出される振動波形W2の立ち上がりの時間点との時間差を振動伝達時間T1として計算する。同様に、プロセッサ61は、
図5に示すように、加振器70から出力される振動波形W1の立ち上がりの時間点と振動センサ50bで検出される振動波形W3の立ち上がりの時間点との時間差を振動伝達時間T2として計算する。振動伝達時間T1は、区間R1の振動伝達に要した時間である。また、振動伝達時間T2は、区間R2の振動伝達に要した時間である。
【0035】
ここで、振動伝達時間を計算する手法は、波形の立ち上がりを検出する手法に限定されるものではない。例えば、振動伝達時間は、それぞれの波形のピーク時間点の時間差でも計算され得る。ピーク時間点は、例えばそれぞれの波形の間の相互相関関数を計算することによって抽出され得る。
【0036】
ステップS5において、プロセッサ61は、区間R1の距離L1、区間R2の距離L2、振動伝達時間T1及び振動伝達時間T2を用いて、振動伝達速度特性を計算する。区間R1における振動伝達速度v1はv1=L1/T1により計算され、区間R2における振動伝達速度v2はv2=L2/T2により計算される。これらの関係を例えばグラフとしてプロットしたものが振動伝達速度特性L(t)である。
図6は、
図4の振動伝達経路Rの設定に基づいて計算される振動伝達速度特性L(t)の一例を示す図である。
図6のグラフの横軸は振動伝達時間であり、縦軸は距離である。
図6のグラフの傾きが振動伝達速度である。
図6のグラフは、座標面上に点(0,0)、点(T1,L1)及び点(T1+T2,L1+L2)をプロットし、これらの点を折れ線で結ぶことで作成され得る。実際には、振動伝達速度は、振動の周波数によっても変化する。したがって、機器1の異常振動として想定される代表的な周波数について
図6のグラフが作成されることが望ましい。
【0037】
ここで、
図6からも分かるように、振動伝達速度は、分割された区間毎に異なり得る。このことは、振動伝達速度が、振動が伝わる部位により異なることを示している。なお、実施形態において計算される振動伝達速度は、区間内の振動伝達速度の平均値である。
【0038】
ステップS6において、プロセッサ61は、ステップS5において得られた振動伝達速度特性L(t)のデータを振動伝達速度特性データ642としてストレージ64に格納する。その後、プロセッサ61は、
図3の処理を終了する。
【0039】
ここで、前述したように、振動伝達経路Rを加振する際の加振器70の出力として用いられる加振波の波形には、衝撃波形、正弦波形、周波数掃引波形、ランダム波形がある。それぞれの波形を用いることには、メリットとデメリットとがある。以下、それぞれの波形を用いることのメリットとデメリットとを説明する。
1)衝撃波形
メリット:複数の周波数の振動に対する振動伝達速度を同時に計測できる。また、産業用の機器の故障の主因は機器の各要素の接触部の摩耗による傷によるため、衝撃波形の入力が故障機器の模擬として適切である。
デメリット:入力される振動の周波数が加振位置の剛性に左右されるため、ノイズの除去が難しい。
2)正弦波形
メリット:信号の生成が容易である。また、入力する信号が単一周波数のためバンドパスフィルタ処理によるノイズの除去が容易である。
デメリット:複数の周波数の振動に対する振動伝達速度の計測に時間を要する。
3)周波数掃引波形
メリット:一度に複数の周波数に対する振動伝達速度を計測できる。バンドパスフィルタ処理によるノイズの除去が容易である。
デメリット:加振波の周波数を連続的に変化させるため、高い精度を求めると周波数の変化速度を遅くする必要がある。この場合、計測に時間を要する。
4)ランダム波形
メリット:一度に複数の周波数に対する振動伝達速度を計測できる。
デメリット:複数の周波数の加振波が混ざった状態で計測が実施されるためノイズの除去が難しい。
【0040】
また、実施形態では、振動伝達時間の計算手法として、立ち上がりの時間を用いる手法と相互相関関数を用いる手法とが挙げられている。これらの手法には、それぞれメリットとデメリットがある。以下、それぞれの計算手法を用いることのメリットとデメリットとを説明する。
1)立ち上がりの時間を用いる手法
メリット:波形の処理が容易である。
デメリット:ノイズの除去に事前にバンドパスフィルタ処理の適用が必要である。
2)相互相関関数を用いる手法
メリット:ノイズの除去の精度が高い。バンドパスフィルタ処理の適用は不要である。
デメリット:立ち上がりの時間を用いる手法と比較し、波形の処理が複雑である。
【0041】
以上のように加振波の種類及び振動伝達時間の計算手法の種類毎にメリットとデメリットがあるので、実施の態様に応じて適切な加振波の種類及び振動伝達時間の計算手法の種類が選択されることが望ましい。この選択は、例えばオペレータによって行われ得る。
【0042】
次に、振動源の推定処理を説明する。
図7は、振動源の推定処理の一例を示すフローチャートである。
図7の処理に先立って、制御装置60の例えばストレージ64には、振動伝達速度特性データ642が格納されているものとする。
図7の処理は、機器1の実際の稼働中において振動が発生した際に実行される。例えば、
図8の点Pが振動源であるとする。この場合、振動源Pで発生した振動は、振動伝達経路R11を伝達するとともに、振動伝達経路R22を伝達する。プロセッサ61は、振動センサ50aの出力信号及び振動センサ50bの出力信号におけるノイズを除去することで振動波形を取得する。
【0043】
ステップS11において、プロセッサ61は、振動センサ50a及び50bのそれぞれの出力信号の波形を比較することにより、振動源から振動センサ50aまで伝達した振動の振動伝達時間と振動源から振動センサ50bまで伝達した振動の振動伝達時間との差Δtを計算する。振動伝達時間の差を計算する手法として、例えば波形の立ち上がりを検出する手法及び相互相関関数によってピーク時間差を検出する手法が用いられ得る。例えば、波形の立ち上がりによって振動伝達時間の差Δtを検出する手法は、比較の対象となる波形が異なるだけで、計算の手法そのものは、
図5を参照して説明した手法と同一でよい。
【0044】
ステップS12において、プロセッサ61は、例えばストレージ64に格納されている振動伝達速度特性データ642を読み込む。
【0045】
ステップS13において、プロセッサ61は、振動伝達速度特性データ642と振動伝達時間の差Δtとを用いて振動源Pの位置を推定する。実施形態では、機器1において振動が発生した場合には、振動伝達経路R上の何れかの位置が振動源であると仮定される。この場合、振動源から振動センサ50aまで伝達する振動と振動源から振動センサ50bまで伝達する振動との間には、振動の伝達距離の差及び振動伝達経路Rの区間毎の振動伝達速度の差に起因する時間差Δtが生じ得る。ここで、振動伝達経路Rの全体の距離L、区間R1の距離L1、区間R2の距離L2、区間R1における振動伝達速度v1、区間R2における振動伝達速度v2が既知である。このため、時間差Δtに基づいて、振動センサ50aから振動源Pまでの距離、すなわち振動伝達経路R11の距離Laを推定することができる。具体的には、プロセッサ61は、以下の(式1)の関係に従って、距離Laを推定する。
【数1】
(式1)は、振動伝達速度特性L(t)にt=τを代入することを意味している。したがって、0≦τ≦T1であれば、プロセッサ61は、La=v1・τよりLaを推定する。一方、T1<τ≦T1+T2であれば、プロセッサ61は、La=v2・τよりLaを推定する。なお、(式1)では、振動伝達経路R11の距離Laが推定される。同様の考え方により、振動伝達経路R22の距離Lbも推定され得る。距離Laと距離Lbの和は振動伝達経路Rの距離Lに等しい。したがって、異なる距離Lを有する複数の振動伝達経路Rが設定されている場合、距離Laと距離Lbの関係からどの振動伝達経路Rを振動が伝達したかが特定され得る。
【0046】
ステップS14において、プロセッサ61は、推定結果を出力する。その後、プロセッサ61は、
図7の処理を終了する。例えば、プロセッサ61は、ディスプレイ上に機器1の模式図を表示し、さらにこの模式図上で振動源Pの位置を表示する。振動源Pの位置は、振動センサ50aの位置から振動伝達経路Rに沿った距離Laの位置である。
【0047】
以上説明したように実施形態では、機器において想定される振動伝達経路の区間毎の振動伝達速度が予め計測され、この区間毎の振動伝達速度に基づいて振動源の位置が推定される。産業機器で一般的に用いられることの多い、モータとギヤボックスとがカップリングを介して接続される構成を有する機器の場合、ベヤリングとギヤの位置が予め分かっていることも多い。ベヤリングとギヤの位置が予め分かっていると振動伝達経路が予め特定され得る。一方で、振動伝達経路が複雑な形状をしている場合、場所によって振動伝達速度が変化し得る。実施形態では、振動伝達速度が区間毎に計測されていることにより、振動源のおよその位置が推定され得る。これにより、異常振動の原因の機械要素をある程度特定することができる。このように、実施形態では複雑な形状を有する機器における異常振動が計測され得る。
【0048】
[変形例]
以下、実施形態の変形例を説明する。前述した実施形態において、より振動源の位置の推定精度を向上させるための手法として、振動伝達速度特性の計測の際の加振器70と振動センサ50a及び50bとの距離を短くすることが挙げられる。例えば、機器1の製造の段階であれば、振動センサ50aをギヤボックス20のベアリング22cの支持部に組み込んでおくことができる。振動センサ50aをギヤボックス20のベアリング22cの支持部に組み込んでおくことで、加振器70と振動センサ50aとの距離を短くすることができる。同様に、振動センサ50bをモータ10のベアリング13bの支持部に組み込んでおくこともできる。振動センサ50bをモータ10のベアリング13bの支持部に組み込んでおくことで、加振器70と振動センサ50bとの距離を短くすることもできる。
【0049】
また、実施形態においては、振動伝達経路Rは、2つの区間に分割されている。区間の分割数を多くすることでもそれぞれの区間の距離が短くなるので、結果として振動源の位置の推定精度は向上し得る。区間の分割数は、例えば振動伝達経路R上に配置される振動センサの数を増やす又は加振器によって加振する位置を増やすことで多くすることができる。例えば
図4において、加振器70によってモータ10の回転子11の回転軸付近がさらに加振されることで、区間は3つに分割され得る。同様に、例えば
図4において、カップリング40に振動センサが取り付けられることでも、区間は3つに分割され得る。
【0050】
図9は、区間の数がn(nは2以上の整数)のときの振動伝達速度特性L(t)の一例を示す図である。
図9のグラフの横軸は振動伝達時間であり、縦軸は距離である。
図9のグラフの傾きが振動伝達速度である。
図9のグラフは、座標面上に点(0,0)、点(T1,L1)、点(T1+T2,L1+L2)、…、点(T1+T2+…+Tn-1+Tn,L1+L2+…Ln-1+Ln)をプロットし、これらの点を折れ線で結ぶことで作成され得る。実際には、振動伝達速度は、振動の周波数によっても変化する。したがって、機器1の異常振動として想定される代表的な周波数について
図9のグラフが作成されることが望ましい。また、実際には、機器1の構造等によって振動センサ及び加振器を取り付けることができる位置に制限がある。振動伝達速度特性の計測の際には、この制限に従って機器1における振動センサ及び加振器の取り付け位置が設定され、計測が実施される。
【0051】
図9の振動伝達速度特性L(t)から振動源の位置Laを求める手法は、基本的にはnが2のときと同じである。具体的には、プロセッサ61は、以下の(式2)の関係に従って、距離Laを推定する。
【数2】
つまり、0≦τ≦T1であれば、プロセッサ61は、La=v1・τよりLaを推定し、T1<τ≦T1+T2であれば、プロセッサ61は、La=v2・τよりLaを推定する。同様に、T1+T2+…+Tn-1≦τ≦T1+T2+…+Tnであれば、プロセッサ61は、La=vn・τよりLaを推定する。このような変形例により、振動源の推定精度が向上する。
【0052】
また、前述した実施形態では、産業機器で一般的に用いられることの多い、モータとギヤボックスとがカップリングを介して接続される構成を有する機器についての振動源の推定の例が説明されている。これに対し、実施形態は、振動源となり得る要素を備える種々の機器について適用され得る。ただし、実施形態の手法では振動伝達経路上の振動源の位置が推定されるため、実際に想定される振動源が予め設定される振動伝達経路上にあることが重要である。したがって、実施形態の手法は、想定される振動源の位置が大まかに特定できる機器において特に有効である。
【0053】
また、実施形態では、振動伝達速度特性がグラフである例が説明されている。これに対し、振動伝達速度特性は、必ずしもグラフである必要はない。例えば、振動伝達速度特性は、距離、振動伝達時間及び振動伝達速度が区間毎に対応付けて記憶されたテーブルであってもよい。
【0054】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0055】
1 機器、10 モータ、11 回転子、12 固定子、13a,13b ベアリング、20 ギヤボックス、21a,21b ギヤ、22a,22b,22c,22d ベアリング、30 駆動対象物、40 カップリング、50a,50b 振動センサ、60 制御装置、61 プロセッサ、62 ROM、63 RAM、64 ストレージ、65 入力インターフェース、66 出力インターフェース、70 加振器、611 ノイズ除去部、612 特性算出部、613 振動源推定部、614 加振制御部、641 プログラム、642 振動伝達速度特性データ。