(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173903
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】中空円柱縦型風車
(51)【国際特許分類】
F03D 13/20 20160101AFI20231130BHJP
F03D 3/06 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
F03D13/20
F03D3/06 H
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022086452
(22)【出願日】2022-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】713001198
【氏名又は名称】嶋名 晋一
(72)【発明者】
【氏名】嶋名 晋一
【テーマコード(参考)】
3H178
【Fターム(参考)】
3H178AA12
3H178AA22
3H178AA43
3H178BB33
3H178CC02
3H178CC22
3H178DD03X
3H178DD12Z
(57)【要約】 (修正有)
【課題】旋回径の大きい中空円柱縦型風車を提供する。
【解決手段】ドーナツ状の中空円柱の回転台の底面に同心円に車輪を取り付け、台座の上に前記の車輪と同心円のレールを設置し、回転台はレール上で周回運動し、回転台の同心円周上に垂直に翼を設置する風車である。中空円柱を用いた風車であるので、垂直に設置した翼の周回径を大きくすることが可能である。大径の中空円柱には多くの翼を設置することができるので風を受ける有効な面積が大きくなる。重量のある発電装置が地面に置かれたことを特徴とする中空円柱縦型風車である。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空円柱の回転台の底面に同心円状に車輪を取り付け、回転台の下の台座の上に回転台の車輪と同心円のレールを設置し、回転台はレール上で回転運動でき、回転台の上面に回転方向に通過できる門柱を等間隔に設置し、門柱の回転方向と逆の方向にのみ開くフラップを複数枚すき間なく取り付け軸で懸垂状に取り付け、風上に向かうフラップは風圧に押されて風を通過させ、風下に向かうフラップは風力を受け止めて回転台を回転させ、回転台の壁面に歯車を切削し、発電機の歯車とかみ合わせて発電機を回して発電するフラップを用いた中空円柱縦型風車。
【請求項2】
中空円柱の回転台の底面に同心円状に車輪を取り付け、回転台の下の台座の上に回転台の車輪と同心円のレールを設置し、回転台はレール上で回転運動でき、回転台の幅の中央部を通る円周上に等間隔に複数の垂直な貫通穴をあけ、この貫通穴にマグナス翼を取り付ける為の軸受けを設置し、この軸受けにマグナス翼をマグナス翼の下部にある軸で回転自在に取り付け、各マグナス翼にはマグナス翼を回転させるモーターを取り付け、風向を検知する装置によって風上を検知して、上方向から見て、マグナス翼が風上側の半円部分を移動するときは、マグナス翼を回転させるモーターを、反時計回りに回転させ、マグナス翼が反時計回りに回転し、マグナス効果によって回転台を反時計回りに回転させ、上方向から見て、マグナス翼が風下側の半円部分を移動するときは、マグナス翼を回転させるモーターを、時計回りに回転させ、マグナス翼が時計回りに回転し、マグナス効果によって回転台を反時計回りに回転させ、回転台の壁面に歯車を切削し、発電機の歯車とかみ合わせて発電機を回して発電するマグナス翼を用いた中空円柱縦型風車。
【請求項3】
中空円柱の回転台の底面に同心円状に車輪を取り付け、回転台の下の台座の上に回転台の車輪と同心円のレールを設置して、回転台はレール上で回転運動でき、回転台の幅の中央部を通る円周上に等間隔に複数の垂直な貫通穴をあけ、この貫通穴に対称翼を取り付ける為の軸受けを設置し、この軸受けに対称翼を対称翼の下部にある軸で回転自在に取り付け、対称翼の軸の下端にはカムフォロア取り付け座を固着し、カムフォロア取り付け座にカムフォロアを固着し、カムフォロアの下部には回転台より幅が狭い中空円盤のカム盤を設置し、このカム盤は回転台と同心であり、底面に同心円状に車輪を取り付け、台座の上に車輪と同心円にレールを設置し、カム盤はレール上を回転運動でき、カム盤の周囲に歯車を切削し、カム盤駆動用モーターに取り付けた歯車とかみ合わせ、風向を検知する装置によって風上を検知してカム盤を回転でき、カム盤の上面には、風上側の対称翼と風下側の対象翼が共に風上に正対して迎え角を作るようにカム溝を刻み、カムフォロアはこのカム溝に嵌まって運動し、上方向から見て、対称翼が風上側の半円部分を移動するとき、風上に対して反時計方向に迎え角を作って対称翼が揚力を得て回転台を反時計回りに回転させ、上方向から見て、対称翼が風下側の半円部分を移動するとき、風上に対して時計方向に迎え角を作って対称翼が揚力を得て回転台を反時計回りに回転させ、回転台の壁面に歯車を切削し、発電機の歯車とかみ合わせて発電機を回して発電する対称翼を用いた中空円柱縦型風車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は中空円柱縦型風車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の縦型風車は中心軸を持っており大型化がむつかしい。本発明は中心軸を持っていないので大型化が可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-060032
【特許文献2】特開2019-035376
【特許文献3】特開2017-031920
【特許文献4】特開2014-118959
【特許文献5】特開2009-19622
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】クリモト技報No.69(2020年1月)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現在の大型の風力発電装置の主力はプロペラ型である。プロペラ型発電装置の特徴は高い塔の上に大質量の装置を設置することである。よって装置自体の建設費が高価である。また、装置の大きさに限界がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明が目指すところは大径の中空円柱を使った縦型風車である。地上では大きな直径の構造物の製作が可能なので、大径の回転台の上には多数の翼の搭載が可能となる。よってプロペラ型より翼面積が大きくなる。円は直径が大きくなるほど曲率が低くなるので、従来の小径で回転軸付きの縦型風車と比べると風力を有効に利用できる。本装置の風車は抗力型、マグナス型、揚力型等の搭載が可能である。本発明は装置全体を地上近くに設置することにより経済的に建設することができる。本装置は浮体構造にして海上に建設し、運用するのに最適な大型の発電設備が可能である。
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1は中空円柱の回転台の底面に同心円状に車輪を取り付け、回転台の下の台座の上に回転台の車輪と同心円のレールを設置し、回転台はレール上で回転運動でき、回転台の上面に回転方向に通過できる門柱を等間隔に設置し、門柱の回転方向と逆の方向にのみ開くフラップを複数枚すき間なく取り付け軸で懸垂状に取り付け、風上に向かうフラップは風圧に押されて風を通過させ、風下に向かうフラップは風力を受け止めて回転台を回転させ、回転台の壁面に歯車を切削し、発電機の歯車とかみ合わせて発電機を回して発電するフラップを用いた中空円柱縦型風車に関するものである。
【0008】
請求項2は中空円柱の回転台の底面に同心円状に車輪を取り付け、回転台の下の台座の上に回転台の車輪と同心円のレールを設置し、回転台はレール上で回転運動でき、回転台の幅の中央部を通る円周上に等間隔に複数の垂直な貫通穴をあけ、この貫通穴にマグナス翼を取り付ける為の軸受けを設置し、この軸受けにマグナス翼をマグナス翼の下部にある軸で回転自在に取り付け、各マグナス翼にはマグナス翼を回転させるモーターを取り付け、風向を検知する装置によって風上を検知して、上方向から見て、マグナス翼が風上側の半円部分を移動するときは、マグナス翼を回転させるモーターを、反時計回りに回転させ、マグナス翼が反時計回りに回転し、マグナス効果によって回転台を反時計回りに回転させ、上方向から見て、マグナス翼が風下側の半円部分を移動するときは、マグナス翼を回転させるモーターを、時計回りに回転させ、マグナス翼が時計回りに回転し、マグナス効果によって回転台を反時計回りに回転させ、回転台の壁面に歯車を切削し、発電機の歯車とかみ合わせて発電機を回して発電するマグナス翼を用いた中空円柱縦型風車に関するものである。
【0009】
請求項3は中空円柱の回転台の底面に同心円状に車輪を取り付け、回転台の下の台座の上に回転台の車輪と同心円のレールを設置して、回転台はレール上で回転運動でき、回転台の幅の中央部を通る円周上に等間隔に複数の垂直な貫通穴をあけ、この貫通穴に対称翼を取り付ける為の軸受けを設置し、この軸受けに対称翼を対称翼の下部にある軸で回転自在に取り付け、対称翼の軸の下端にはカムフォロア取り付け座を固着し、カムフォロア取り付け座にカムフォロアを固着し、カムフォロアの下部には回転台より幅が狭い中空円盤のカム盤を設置し、このカム盤は回転台と同心であり、底面に同心円状に車輪を取り付け、台座の上に車輪と同心円にレールを設置し、カム盤はレール上を回転運動でき、カム盤の周囲に歯車を切削し、カム盤駆動用モーターに取り付けた歯車とかみ合わせ、風向を検知する装置によって風上を検知してカム盤を回転でき、カム盤の上面には、風上側の対称翼と風下側の対象翼が共に風上に正対して迎え角を作るようにカム溝を刻み、カムフォロアはこのカム溝に嵌まって運動し、上方向から見て、対称翼が風上側の半円部分を移動するとき、風上に対して反時計方向に迎え角を作って対称翼が揚力を得て回転台を反時計回りに回転させ、上方向から見て、対称翼が風下側の半円部分を移動するとき、風上に対して時計方向に迎え角を作って対称翼が揚力を得て回転台を反時計回りに回転させ、回転台の壁面に歯車を切削し、発電機の歯車とかみ合わせて発電機を回して発電する対称翼を用いた中空円柱縦型風車に関するものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図10】対称翼型風車のカム溝とカムフォロアの運動の説明図
【
図14】対称翼型風車の翼の軸とカムフォロア取り付け座の平面説明図
【
図15】対称翼型風車の翼の軸とカムフォロア取り付け座の側面説明図
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下実施例を示す。
【実施例0012】
以下、本発明の請求項1を
図1乃至
図4によって実施の一例を示す。
【0013】
中空円柱の回転台101の底面に同心円状に車輪102を取り付け、回転台101の下の台座107の上に回転台の車輪102と同心円の回転台用レール103を設置し、回転台101は回転台用レール103上で回転運動する。
【0014】
回転台101の上面に回転方向に通過できる門柱202を等間隔に設置する。
【0015】
門柱202に回転方向と逆の方向にのみ開くフラップ201を複数枚すき間なく取り付け軸203で懸垂状に取り付ける。
【0016】
風上に向かうフラップ201は風に押されて風を通過させ、風下に向かうフラップ201は風力を受け止めて回転台101を反時計方向に回転させる。
【0017】
回転台101の壁面に回転台の歯車104を切削し、発電機105に取り付けた発電機駆動歯車106とかみ合わせて発電機105を回し発電する、フラップ201を用いた中空円柱縦型風車である。
【0018】
以下、本発明の請求項2を
図5乃至
図7によって実施の一例を示す。
【0019】
中空円柱の回転台101の底面に同心円状に車輪102を取り付け、回転台101の下の台座107の上に回転台の車輪102と同心円の回転台用レール103を設置し、回転台101は回転台用レール103上で回転運動する。
【0020】
回転台101の幅の中央部を通る円周上に等間隔に複数の垂直な貫通穴をあけ、この貫通穴にマグナス翼301を取り付ける為の軸受け304を設置し、この軸受け304にマグナス翼301をマグナス翼の軸302で回転自在に取り付ける。
【0021】
各マグナス翼301の軸302の下端にはマグナス翼回転モーター303を取り付ける。マグナス翼回転モーター303はマグナス翼301を回転させる。
【0022】
上方向から見て、マグナス翼301が回転台101の風上側の半円部分を移動するときは、風向を検知する装置によって風上を検知して、マグナス翼回転モーター303を反時計回りに回転させ、マグナス翼301が反時計回りに回転して、マグナス効果によって回転台101を反時計方向に回転させる。
【0023】
上方向から見て、マグナス翼301が回転台101の風下側の半円部分を移動するときは、風向を検知する装置によって風上を検知して、マグナス翼回転モーター303を時計回りに回転させ、マグナス翼301が時計回りに回転して、マグナス効果によって回転台101を反時計方向に回転させる。
【0024】
回転台101の壁面に回転台の歯車104を切削し、発電機105に取り付けた発電機駆動歯車106とかみ合わせて発電機105を回し発電する、マグナス翼301を用いた中空円柱縦型風車である。
【0025】
以下、本発明の請求項3を
図8乃至
図15によって実施の一例を示す。
【0026】
中空円柱の回転台101の底面に同心円状に車輪102を取り付け、回転台101の下の台座107の上に回転台の車輪102と同心
円の回転台用レール103を設置し、回転台101は回転台用レール103上で回転運動する。
【0027】
回転台101の幅の中央部を通る円周上に等間隔に複数の垂直な貫通穴をあけ、各貫通穴に対称翼401を取り付ける為の軸受け403を設置し、この軸受け403に対称翼401を対称翼の軸402で回転自在に取り付ける。
【0028】
対称翼の軸402の下端にはカムフォロア取り付け座411を固着し、カムフォロア取り付け座411にはカムフォロア412を固着する。
【0029】
カムフォロア412の下部には回転台101より幅が狭い中空円盤状のカム盤404を設置する。
【0030】
このカム盤404は回転台101と同心であり、底面に同心円状にカム盤の車輪408を取り付け、台座107の上にカム盤の車輪408と同心円にカム盤用レール409を設置し、カム盤404はカム盤用レール409の上で回転運動する。
【0031】
カム盤404の周囲にカム盤の歯車405を切削し、カム盤駆動モーター406に取り付けたカム盤駆動歯車407とかみ合あわせ、風向を検知する装置によって風上を検知して、カム盤404を回転させる。
【0032】
カム盤404の上面には、風上側の対称翼101と風下側の対象翼101が共に風上に正対して迎え角を作るようにカム溝410を刻み、カムフォロア412はこのカム溝410に嵌まって運動する、
【0033】
上方向から見て、対称翼401が風上側の半円部分を移動するとき、風上に対して反時計方向に迎え角を作って対称翼401が揚力を得て回転台101を反時計回りに回転させる。
【0034】
上方向から見て、対称翼401が風下側の半円部分を移動するとき、風上に対して時計方向に迎え角を作って対称翼401が揚力を得て回転台101を反時計回りに回転させる。
【0035】
回転台101の壁面に回転台の歯車104を切削し、発電機105に取り付けた発電機駆動歯車106とかみ合わせて発電機105を回し発電する、対称翼401を用いた中空円柱縦型風車である。
101 回転台102 回転台の車輪103 回転台用レール104 回転台の歯車105 発電機106 発電機駆動歯車107 台座201 フラップ202 門柱 203 取り付け軸 301 マグナス翼 302 マグナス翼の軸 303 マグナス翼回転モーター304 マグナス翼の軸受け305 マグナス翼の回転方向401 対称翼402 対称翼の軸403 対称翼の軸受け404 カム盤405 カム盤の歯車406 カム盤駆動モーター407 カム盤駆動歯車408 カム盤の車輪
409 カム盤用レール
410 カム溝
411 カムフォロア取り付け座
412 カムフォロア
413 カム盤の先頭部の表示
501 風向の表示
502 回転台の運動の方向