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特開2023-173914表示装置、表示制御方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173914
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】表示装置、表示制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/431 20110101AFI20231130BHJP
   H04N 21/434 20110101ALI20231130BHJP
【FI】
H04N21/431
H04N21/434
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022086468
(22)【出願日】2022-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】吉田 悠一
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164FA04
5C164PA34
5C164UA03S
5C164UB11P
5C164UB41S
5C164UB82P
5C164YA21
(57)【要約】
【課題】ジャンル情報に基づき画像処理を行う際の画質の低下を抑制することができる表示装置等を提供する。
【解決手段】表示装置は、少なくとも映像データとジャンル情報とを受信する受信部と、前記ジャンル情報に対応する画質情報を取得する取得部と、前記ジャンル情報が変更されたことを検知するジャンル検知部と、前記映像データのシーンチェンジを検出するシーン検出部と、前記ジャンル情報の変更が検知された場合、前記変更が検知された後であって前記シーンチェンジが検出された後に、変更されたジャンル情報に対応する画質情報に基づき、前記映像データの画質を設定するように制御する制御部と、を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも映像データとジャンル情報とを受信する受信部と、
前記ジャンル情報に対応する画質情報を取得する取得部と、
前記ジャンル情報が変更されたことを検知するジャンル検知部と、
前記映像データのシーンチェンジを検出するシーン検出部と、
前記ジャンル情報の変更が検知された場合、前記変更が検知された後であって前記シーンチェンジが検出された後に、変更されたジャンル情報に対応する画質情報に基づき、前記映像データの画質を設定するように制御する制御部と、
を備える表示装置。
【請求項2】
前記シーン検出部は、前記映像データに含まれる各シーンの輝度のヒストグラムの変化に基づき、前記シーンチェンジを検出する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記シーン検出部は、前記映像データに対応する音声データの変化に基づき、前記シーンチェンジを検出する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記ジャンル情報が変更されたことが検知されてから一定時間の経過後に前記シーンチェンジが検出されない場合、前記映像データの画質を設定する制御を開始する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記シーンチェンジが検出された時点での前記映像データのシーンの映像特徴量に対応する画質情報を、前記変更されたジャンル情報に対応する画質情報に向けて、段階的に変更する処理を行う、請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記ジャンル情報が変更されたことが検知されてから一定時間の経過後に前記シーンチェンジが検出されない場合、前記段階的に変更する処理を開始する、請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記ジャンル情報が変更されたことが検知されてから前記一定時間の経過後に前記シーンチェンジが検出されない場合における前記段階的に変更する処理の処理速度を、前記ジャンル情報が変更されたことが検知された場合における前記段階的に変更する処理の処理速度よりも遅く設定する、請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記ジャンル情報が変更されたことが検知されてから前記一定時間の経過後に前記シーンチェンジが検出されない場合には前記段階的に変更する処理を行い、前記ジャンル情報が変更されたことが検知されてから前記一定時間が経過する前に前記シーンチェンジが検出された場合には前記段階的に変更する処理を行わないように制御する、請求項6に記載の表示装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記表示装置が取得した番組表データに基づき、前記映像データの画質を設定するかを制御する、請求項1乃至8のうち何れか1項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記ジャンル情報が変更された後に前記シーンチェンジが検出された時刻が番組の切り替わりの前であることを前記番組表データが示す場合、前記番組の切り替わりの時刻に、前記映像データの画質を設定するように制御する、請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
受信した前記映像データと前記ジャンル情報とを含む番組の録画データを記録する記録装置から前記録画データを読み出して再生する再生部と、をさらに備え、
前記制御部は、再生中の前記録画データのジャンル情報が変更されたことが検知された場合、前記変更が検知された後であって前記シーンチェンジが検出された後に、変更されたジャンル情報に対応する画質情報に基づき、前記映像データの画質を設定するように制御する、請求項1乃至8のうち何れか1項に記載の表示装置。
【請求項12】
前記映像データと前記ジャンル情報とを含む番組の録画データを記録する記録装置から、第1伝送路を介して前記録画データのうち前記映像データを読み出し、前記第1伝送路とは異なる第2伝送路を介して前記録画データのうち前記ジャンル情報を読み出して、前記録画データを再生する再生部、をさらに備え、
前記制御部は、再生中の前記録画データのジャンル情報が変更されたことが検知された場合、前記変更が検知された後であって前記シーンチェンジが検出された後に、変更されたジャンル情報に対応する画質情報に基づき、前記映像データの画質を設定するように制御する、請求項1乃至8のうち何れか1項に記載の表示装置。
【請求項13】
少なくとも映像データとジャンル情報とを受信し、
前記ジャンル情報に対応する画質情報を取得し、
前記ジャンル情報が変更されたことを検知し、
前記映像データのシーンチェンジを検出し、
前記ジャンル情報の変更が検知された場合、前記変更が検知された後であって前記シーンチェンジが検出された後に、変更されたジャンル情報に対応する画質情報に基づき、前記映像データの画質を設定するように制御する、
処理をコンピュータが実行する表示制御方法。
【請求項14】
少なくとも映像データとジャンル情報とを受信し、
前記ジャンル情報に対応する画質情報を取得し、
前記ジャンル情報が変更されたことを検知し、
前記映像データのシーンチェンジを検出し、
前記ジャンル情報の変更が検知された場合、前記変更が検知された後であって前記シーンチェンジが検出された後に、変更されたジャンル情報に対応する画質情報に基づき、前記映像データの画質を設定するように制御する、
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、表示制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
テレビ受像機で表示している番組のジャンルを検知して、検知したジャンルに対応付けて記憶された種類の輝度処理をテレビ受像機に実行させる技術が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-111916号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、多重化された放送波において、番組の映像データとジャンル情報とは同期していない。また、番組が切り替わる際、ジャンル情報は番組が切り替わる時点よりも先行して送信される。従って、番組の映像データが切り替わる前に、テレビは、ジャンル情報の切り替わりを検知する。
【0005】
テレビが、ジャンル情報の切り替わりを検知した時点で、切り替わり後の番組のジャンル情報に基づく画質設定(例えば、輝度設定)で画像処理を行うと、好適な画像処理が行われなくなる。つまり、テレビが表示している映像データは番組が切り替わる前の映像データであるにもかかわらず、次の番組の画質設定で映像データに画像処理が行われることになる。この場合、好適な画質設定で画像処理が行われないため、表示している画像の画質が低下する。特許文献1は、かかる問題を解決するものではない。
【0006】
1つの側面として、本開示の目的は、ジャンル情報に基づき画像処理を行う際の画質の低下を抑制することができる表示装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る表示装置は、少なくとも映像データとジャンル情報とを受信する受信部と、前記ジャンル情報に対応する画質情報を取得する取得部と、前記ジャンル情報が変更されたことを検知するジャンル検知部と、前記映像データのシーンチェンジを検出するシーン検出部と、前記ジャンル情報の変更が検知された場合、前記変更が検知された後であって前記シーンチェンジが検出された後に、変更されたジャンル情報に対応する画質情報に基づき、前記映像データの画質を設定するように制御する制御部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態のテレビの一例を示す図である。
図2】ジャンルと画質パラメータとの対応関係のテーブル例を示す図である。
図3A】従来の画質設定の変更の一例を示す図である。
図3B】第1実施形態を適用した画質設定の変更の一例を示す図である。
図4】シーンチェンジ検出の一例を示す図である。
図5】第1実施形態の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6A】第2実施形態を適用した画質設定の変更の一例を示す図である。
図6B】第2実施形態を適用した画質設定の変更の他の例を示す図である。
図7】第2実施形態の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図8】第3実施形態を適用した画質設定の変更の一例を示す図である。
図9】第3実施形態の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図10】第4実施形態を適用した画質設定の変更の一例を示す図である。
図11】第6実施形態のテレビの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1実施形態>
以下、第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態のテレビ100の一例を示す図である。テレビ100(表示装置)は、処理部101、受信部102、記憶部103、接続部104、スピーカ105、表示部106、ネットワークインタフェース107およびリモコン信号受信部108を含む。テレビ100は、他の構成を有していてもよいし、図1の構成のうち一部が省略されていてもよい。
【0010】
処理部101は、制御部111、ジャンル検知部112、画像処理部113、取得部114、再生部115およびシーン検出部116を含む。処理部101は、各実施形態の各種の処理を実行するコンピュータである。処理部301は、プロセッサおよびメモリを有する。当該メモリに記憶された複数の命令セット(プログラム)を処理部101のプロセッサが実行することにより、各実施形態の各種の制御が実現され得る。プロセッサには、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の任意のプロセッサが適用され得る。
【0011】
上述したプログラムは、例えば、半導体媒体や光記録媒体、光磁気記録媒体等の非一時的な記録媒体に格納される。そして、当該記録媒体に格納されたプログラムを処理部101のプログラムが実行されることにより、各実施形態の各種の制御が実現され得る。また、上述したプログラムは、テレビ100が、外部サーバからネットワークを介して取得してもよい。
【0012】
受信部102は、例えば、チューナを含む。受信部102は、1つ以上の放送事業者の放送機器が配信した放送波を受信して所定の信号処理を行う。当該放送波には、放送事業者が配信する複数の番組が含まれ得る。受信部102は、放送波を無線または有線で受信する。また、放送波は、地上波放送(地上デジタルテレビ放送)や衛星放送等の放送波である。衛星放送は、BS(Broadcasting Satellites)放送やCS(Communication Satellites)放送、新4K8K衛星放送等である。
【0013】
記憶部103は、各種の情報を記憶する。記憶部103は、例えば、表示部106が表示している映像に適した画質設定に関する画質情報として画質パラメータを記憶する。記憶部103は、他の情報を記憶してもよい。
【0014】
接続部104は外部記録装置121と接続される。外部記録装置121は、テレビ100が受信した番組のデータ(番組データ)を記録する記録装置である。外部記録装置121は、USB(Universal Serial Bus)ハードディスクやレコーダ等である。
【0015】
処理部101は、接続部104を介して、受信部102が受信した番組データを外部記録装置121に記録できる。また、処理部101は、接続部104を介して、外部記録装置121に記録されている番組データ(録画データ)を読み出して、読み出した番組データを再生する。外部記録装置121は、例えば、テレビ100に内蔵される記録装置であってもよい。
【0016】
スピーカ105は、音声を出力するデバイスである。表示部106は、映像を表示するデバイスである。受信部102が受信した番組の映像が表示部106に表示されるとともに、映像に対応する音声がスピーカ105から出力される。外部記録装置121に記録された番組データを再生する場合も同様である。
【0017】
ネットワークインタフェース107は、インターネットを介して、外部サーバと接続される。テレビ100は、外部サーバから、例えば、動画データ等を取得できる。詳細は、後述する。
【0018】
リモコン信号受信部108は、テレビ100の操作に用いられるリモートコントローラからの信号を受信する。リモコン信号受信部108は、受信した信号を処理部101に出力する。
【0019】
処理部101の制御部111は、各実施形態における各種の制御を行う。ジャンル検知部112は、ジャンル情報を検知するとともに、ジャンル情報が変更された場合には、ジャンル情報の変更を検知する。ジャンル情報の詳細は後述する。画像処理部113は、表示部106に表示されている映像に適した画質設定(画質パラメータ)で映像データの画像処理を行う。
【0020】
取得部114は、表示部106に表示されている映像に適した画質パラメータを記憶部103から取得する。再生部115は、外部記録装置121に記録されている番組データを読み出して、読み出した番組データを再生する処理を行う。
【0021】
シーン検出部116は、番組のシーンチェンジを検出する。番組は複数のシーンを含んで構成されており、シーン検出部116は、複数のシーンのうち前後のシーンの変化に基づき、番組のシーンチェンジを検出する。
【0022】
受信部102が受信する放送波の番組に関する情報には、映像データとジャンル情報とが多重化されている。ジャンル情報は、番組のジャンルを示す情報である。ジャンルには、例えば、スポーツやニュース、ドラマ等がある。
【0023】
画像処理部113は、番組の映像データに応じた画質設定の画質パラメータを用いて、映像データに画像処理を施す。番組のジャンルによって、好適な画像処理を行うための画質パラメータは異なる。例えば、ジャンルがスポーツの場合の最適な画質パラメータとジャンルがニュースの場合の最適な画質パラメータとは異なる。ただし、異なるジャンルであっても、同じ画質パラメータが用いられることもある。
【0024】
図2は、ジャンルと画質パラメータとの対応関係のテーブル例を示す図である。例えば、図2の例において、ジャンルがスポーツである場合、映像データに対する画像処理に用いられる画質パラメータは、輝度がA1、彩度がB1および色相がC1である。
【0025】
表示部106に表示している映像に対応するジャンルがスポーツである場合、取得部114は、記憶部103に記憶されている図2のテーブル例を読み出して、ジャンルがスポーツに対応する画質パラメータを取得する。そして、画像処理部113は、取得した画質パラメータを用いて映像データに画像処理を施す。
【0026】
ジャンルがニュースである場合、およびジャンルがドラマである場合も同様である。取得部114がジャンル情報に対応した画質パラメータを取得し、画像処理部113が取得した画質パラメータを用いて映像データに対して画像処理を施すことで、ジャンルに応じた好適な映像が表示部106に表示される。
【0027】
ジャンルの例および画質パラメータの例は、図2の例には限定されない。ジャンルとしては、例えば、映画等のジャンルが適用されてもよい。画質パラメータとしては、例えば、コントラストやシャープネス、ノイズリダクション等が適用されてもよい。
【0028】
放送波の番組が切り替わる場合について説明する。受信部102が受信する放送波に多重化されている番組の映像データとジャンル情報とは同期していない。また、放送波においては、映像データに先行してジャンル情報が送信される。
【0029】
ジャンル検知部112は、受信部102が受信した放送波に多重化されているジャンル情報に基づき、番組のジャンルを検知する。上述したように、映像データに先行してジャンル情報が送信される。従って、ジャンルが異なる番組の切り替わりの際、ジャンル検知部112は、映像データが切り替わるよりも前のタイミングで、番組のジャンルの変更を検知する。
【0030】
従来のテレビは、ジャンルの変更が検知されたタイミングで、映像データに施す画像処理の画質パラメータを変更していた。この場合、テレビに表示されている映像は、前の番組の映像であるにもかかわらず、当該映像の映像データには次の番組の画質パラメータを用いた画像処理が施される。この場合、映像データに適していない画質パラメータを用いた画像処理が施されることに起因して、画質が最適な品位とならないことがある。
【0031】
図3Aは、従来の画質設定の変更の一例を示す図である。時刻T1に至る前は、テレビは、番組Aの映像データおよびジャンル情報を受信している。番組Aのジャンルはスポーツであり、番組Bのジャンルはニュースであるものとする。
【0032】
番組Aの映像データから番組Bの映像データに切り替わる時刻T2よりも前の時刻T1に、テレビが受信するジャンル情報は番組Aのジャンル情報から番組Bのジャンル情報に切り替わる。これにより、テレビは、時刻T1において、ジャンル情報の変更を検知する。
【0033】
従来のテレビは、ジャンル情報の変更を検知した時刻T1において、映像データに対して施す画像処理の画質パラメータを、番組Aの画質パラメータから番組Bの画質パラメータに変更していた。
【0034】
この場合、時刻T1からT2の間、テレビに表示される映像は番組Aであるものの、当該映像の映像データには、番組Bの画質パラメータを用いた画像処理が施される。上記の例では、時刻T1からT2の間、表示される映像はスポーツの番組であるが、当該スポーツの番組の映像データにはニュースの画質パラメータを用いた画像処理が施される。
【0035】
従って、時刻T1からT2の間は、映像データに対して好適な画像処理が施されないため、テレビに表示される映像は最適な品位とはならない。このため、テレビを視聴しているユーザに、時刻T1からT2の間、画質の違和感を与えることになる。その結果、時刻T1からT2の間、画質が低下することになる。
【0036】
図3Bは、第1実施形態を適用した画質設定の変更の一例を示す図である。受信部102は、時刻T1に至る前は、番組Aの映像データおよびジャンル情報を受信しており、表示部106には番組Aの画質パラメータを用いて画像処理が施された映像データが表示されている。時刻T1において、受信部102が受信するジャンル情報は番組Aのジャンル情報から番組Bのジャンル情報に切り替わる。
【0037】
ジャンル検知部112は、時刻T1において、ジャンル情報が変更されたことを検知する。本実施形態では、制御部111は、ジャンル情報が変更されたことを検知した時点では、画像処理部113が適用する画質パラメータを変更せず、番組Aに適用している画質パラメータを維持するよう制御する。
【0038】
制御部111は、ジャンル検知部112がジャンル情報の変更を検知した後であって、シーン検出部116がシーンチェンジを検出した後に、画像処理部113が適用する画質パラメータを、番組Bの画質パラメータに変更する。
【0039】
これにより、テレビ100の受信部102が受信するジャンル情報が変更した場合に、映像データに施す画像処理の画質パラメータが変更されるタイミングを、番組の映像データが切り替わるタイミングと一致させることができる。
【0040】
図3Bの例の場合、時刻T1からT2の間、制御部111は、ジャンル検知部112がジャンルの変更を検知したとしても、画像処理部113が施す画像処理の画質パラメータを番組Aの画質パラメータに維持させる。なお、後述するように、同じ番組の中で、シーンに応じて、適用される画質パラメータが変化することがある。シーンに応じた詳細は、後述する。
【0041】
番組Aのジャンルがスポーツであり、番組Bのジャンルがニュースである場合、時刻T1からT2の間、制御部111の制御により、画像処理部113はスポーツの画質パラメータを用いてスポーツの番組の映像データに対して画像処理を施す。これにより、表示部106に表示される映像の画質が低下することが抑制される。
【0042】
シーン検出部116が検出するシーンチェンジについて説明する。図4は、シーンチェンジ検出の一例を示す図である。図4の例は、映像データのうち連続した2つのシーンを示している。「preHist」は、シーンチェンジ前の映像データの輝度に関するヒストグラムを表す。「Hist」は、シーンチェンジ後の映像データの輝度に関するヒストグラムを表す。各ヒストグラムの横軸は輝度を表し、縦軸は出現頻度を表す。
【0043】
シーン検出部116は、映像データの各シーンについて、前後のシーンの輝度ヒストグラムの変化量が所定量以上であるかに基づき、シーンチェンジがあったかを検出する。例えば、前後のシーンの輝度ヒストグラムについて、各ビンの絶対値または差分二乗値の差分の合計が所定の閾値値以上である場合に、制御部111は、シーンチェンジがあったことを検出する。
【0044】
図4の例では、「preHist」の映像データと「Hist」の映像データとでは、低輝度における複数のビンの差分値が大きい。例えば、「preHist」の映像データの各ビンと「Hist」の映像データの各ビンとの絶対値の差分の値が閾値以上であるとする。
【0045】
この場合、シーン検出部116は、「preHist」の映像データと「Hist」の映像データとの間にシーンチェンジがあったことを検出する。上記の閾値は、任意に設定され得る。
【0046】
シーン検出部116は、上記の輝度ヒストグラム以外の手法でシーンチェンジを検出してもよい。例えば、映像データには、各シーンのそれぞれについてビデオ信号の輝度を示すメタデータが付随していることがある。当該メタデータは、例えば、HDR(High Dynamic Range)で規定されるダイナミックメタデータである。ダイナミックメタデータには、例えば、各シーンのビデオ信号の最大輝度の情報が含まれる。
【0047】
シーン検出部116は、上記のようなメタデータに基づいて、シーンチェンジの検出を行ってもよい。例えば、シーン検出部116は、各シーンのうち前後のシーンのダイナミックメタデータが示すビデオ信号の輝度の変化量が上記の閾値以上である場合に、シーンチェンジを検出してもよい。
【0048】
また、シーン検出部116は、映像データに対応する音声データの変化に基づき、シーンチェンジを検出してもよい。例えば、番組Aと番組Bとの間にコマーシャル(CM)が挿入される場合、シーン検出部116は、CMを検出した際に、シーンチェンジを検出してもよい。
【0049】
例えばCMの音声はステレオであり、番組の音声がモノラルまたは2重音声のような場合を考える。シーン検出部116は、映像データに対応する音声データがモノラルまたは2重音声からステレオに切り替わったことを検出した場合に、シーンチェンジを検出してもよい。
【0050】
また、番組からCMに切り替わるつなぎ目においては、放送波の音声データは短時間ではあるが無音になることが多い。シーン検出部116は、音声データが無音になった場合に、シーンチェンジを検出してもよい。
【0051】
番組の音声データとCMの音声データとはベースとなる音量が異なる。シーン検出部116は、音量データの変化量が所定の変化量以上である場合に、シーンチェンジを検出してもよい。以上の音声データの変化に基づきシーンチェンジを検出する手法は、番組からCMへの切り替わりだけでなく、例えば、番組Aから番組Bへの切り替わりにも適用され得る。
【0052】
また、シーン検出部116は、放送事業者を表すロゴマークの有無に基づき、シーンチェンジを検出してもよい。放送波の番組の番組データには、放送事業者を表すロゴマークが含まれる。一方、CMには当該ロゴマークは含まれない。シーン検出部116は、上記のロゴマークを検出しなくなった時点で、シーンチェンジを検出してもよい。
【0053】
図5は、第1実施形態の処理の流れの一例を示すフローチャートである。図5のフローチャートは、受信部102が受信した放送波の番組の映像データが表示部106に表示されている間、継続して実行される。
【0054】
制御部111は、受信部102が受信したジャンル情報が変更されたことをジャンル検知部112が検知したかを判定する(ステップS101)。ジャンル情報が変更されたことをジャンル検知部112が検知していない場合、制御部111は、ステップS101でNoと判定し、処理をステップS103に進める。なお、ステップS101が実行される前においては、下記の画質変更フラグはFalseに設定されている。
【0055】
ジャンル情報が変更されたことをジャンル検知部112が検知した場合、制御部111は、ステップS101でYesと判定し、処理をステップS102に進める。制御部111は、画質変更フラグをTrueに設定する(ステップS102)。
【0056】
画質変更フラグは、画像処理部113に適用する画質パラメータを変更することを示すフラグである。制御部111は、シーン検出部116によりシーンチェンジが検出されたときに画質変更フラグをTrueに設定する。
【0057】
制御部111は、画質変更フラグがTrueであるかを判定する(ステップS103)。画質変更フラグがTrueでない場合(Falseである場合)、制御部111は、ステップS103でNoと判定し、画質パラメータを変更することなく、図4のフローチャートを終了させる。
【0058】
画質変更フラグがTrueである場合、制御部111は、ステップS103でYesと判定し、処理をステップS104に進める。シーン検出部116は、シーンチェンジを検出したかを判定する(ステップS104)。シーン検出部116がシーンチェンジを検出していない場合、制御部111は、ステップS104でNoと判定し、図4のフローチャートを終了させる。
【0059】
シーン検出部116がシーンチェンジを検出した場合、制御部111は、ステップS104でYesと判定し、処理をステップS105に進める。制御部111は、画像処理部113に適用されている画質パラメータを、取得部114が取得した次の番組(番組B)のジャンルの画質パラメータに変更する(ステップS105)。
【0060】
制御部111は、画質変更フラグをFalseに設定する(ステップS106)。これにより、画質変更フラグはFalseに戻される。制御部111は、ステップS106を実行した後、図5のフローチャートを終了させる。以上のステップS101~S106の各処理が、受信部102が受信した放送波の番組の映像データが表示部106に表示されている間、継続して行われる。
【0061】
以上のように、本実施形態では、制御部111は、ジャンルの変更が検知された時点ではなく、ジャンルの変更が検知された後であって、シーンチェンジが検出された後に、画質パラメータを変更する。これにより、表示中の番組の映像データに対して、次の番組のジャンル情報の画質パラメータを用いた画像処理が行われることが抑制される。
【0062】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、制御部111は、シーンチェンジが検出された後に、スムージング処理を行うように、画像処理部113を制御する。スムージング処理は、画質を段階的に変更する処理である。
【0063】
図6Aは、第2実施形態を適用した画質設定の変更の一例を示す図である。制御部111は、シーンチェンジが検出された時刻T2の時点の映像データの映像特徴量を取得し、当該映像特徴量に対応する画質パラメータを起点として、次の番組Bのジャンル情報の画質パラメータに向けて、画質パラメータを段階的に変更する。
【0064】
制御部111は、同じ番組に適用する画質パラメータを、シーンに応じて変化させることができる。例えば、図6Aの例では、制御部111は、時刻T2までは、番組Aの画質パラメータを用いた画像処理が行われるように制御する。
【0065】
一方、番組Aの映像データは、複数のシーン(フレーム)を含んで構成されており、各シーンはそれぞれ映像特徴量が異なる。制御部111は、映像データに含まれる各シーンの映像特徴量を解析して、番組Aのジャンル情報に対応した画質パラメータを各シーンの映像特徴量に応じて変化させる。シーンに応じて画質パラメータ(番組Aの映像データに適用する画像処理の画質パラメータ)が変化するため、映像データの画質を向上させることができる。この点は、第2実施形態以外の各実施形態でも同様である。
【0066】
制御部111は、画質パラメータを変更する際に、時刻T1の時点ではなく、シーンチェンジが検出された時刻T2の時点での映像データのシーンの映像特徴量に対応する画質パラメータを設定する。そして、制御部111は、時刻T2の時点で適用する画質パラメータから、番組Bの画質パラメータに向けて、画質パラメータを段階的に変更する処理(スムージング処理)を行う。
【0067】
時刻T2において、画像処理部113に適用する画質パラメータが、番組Aの画質パラメータから番組Bの画質パラメータに直接的に変更されると、画像処理部113が映像データに施す画像処理が即時的に変化する。このため、表示部106に表示される映像が急激に変化するため、ユーザの視認性が低下する可能性がある。
【0068】
時刻T2において、制御部111は、上記のスムージング処理を行うよう、画像処理部113を制御する。これにより、時刻T2の時点から、画質パラメータが段階的に変更されるため、画像処理部113が映像データに施す画像処理が緩やかに変化する。このため、表示部106に表示される映像も緩やかに変化させることができる。
【0069】
スムージング処理には、線形補間等の任意の手法が適用され得る。制御部111は、スムージング処理を適用する際における画質パラメータの段階的な変更の度合いを一定にしてもよいし、異ならせてもよい。例えば、制御部111は、スムージング処理を行う際に、画質パラメータの変更の度合いを徐々に大きくしてもよい。
【0070】
図6Bは、第2実施形態を適用した画質設定の変更の一例を示す図である。時刻T2において、放送波は、番組AからCMに切り替わる。このとき、シーン検出部116はシーンチェンジを検出する。制御部111は、シーン検出部116がシーンチェンジを検出した後に、スムージング処理を行う。
【0071】
制御部111は、時刻T2を起点として、画像処理部113に適用する画質パラメータを、番組Aの画質パラメータから番組Bの画質パラメータに段階的に変更するスムージング処理を行う。これにより、表示部106に表示される映像を緩やかに変化させることができる。
【0072】
1つのCMの時間は、一定の規定時間(例えば、15秒)が定められる。制御部111は、CMの規定時間の間に、番組Aの画質パラメータから番組Bの画質パラメータに段階的に変更するように、スムージング処理を行ってもよい。
【0073】
第1実施形態で説明したように、シーン検出部116は、例えば、音声データやロゴマーク等に基づき、放送波の番組がCMに切り替わったことを検出できる。制御部111は、シーン検出部116がCMへの切り替わりを検出した場合、CMの規定時間について、等間隔(例えば、1秒)ごとに段階的に画質パラメータを変更してもよい。
【0074】
図7は、第2実施形態の処理の流れの一例を示すフローチャートである。ステップS101からS106までの各処理は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。制御部111は、シーン検出部116によりシーンチェンジが検出された後、スムージング処理を行う(ステップS201)。これにより、シーンチェンジが検出された後、画像処理部113に適用される画質パラメータが段階的に変更される。
【0075】
以上のように、本実施形態では、制御部111は、シーンチェンジが検出された後に、時刻T2の時点で適用されていた画質パラメータを、次の番組の画質パラメータに向けて段階的に変更するスムージング処理を行う。
【0076】
これにより、画像処理部113が映像データを画像処理する際に適用する画質パラメータが段階的に変更されるため、映像データの画質の変更も段階的に変更される。画像処理部113に適用される画質パラメータが即時的に変更される場合と比較して、ユーザに与える違和感を軽減できる。
【0077】
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。上述したように、制御部111は、ジャンルの変更が検知された後であって、シーンチェンジが検出された後に、画像処理部113が映像データを画像処理する際に適用する画質パラメータを変更する。ここで、ジャンル検知部112がジャンル情報の変更を検知した後に、シーン検出部116がシーンチェンジを検出しない場合がある。
【0078】
例えば、番組Aの最後の映像データの輝度ヒストグラムの各ビンの絶対値と番組Bの最初の映像データの輝度ヒストグラムの各ビンの絶対値との差分の合計が上述した閾値未満である場合、シーン検出部116はシーンチェンジを検出しない。
【0079】
第3実施形態では、ジャンル検知部112がジャンル情報の変更を検知してから一定時間TWが経過してもシーン検出部116がシーンチェンジを検出しない場合、制御部111は、タイムアウトが発生したと判定して、第2実施形態で説明したスムージング処理を行う。一定時間TWは、例えば、1つのCMの規定時間(例えば、15秒)に設定されてもよい。一定時間TWは、1つのCMの規定時間以外の任意の時間に設定されてもよい。
【0080】
図8は、第3実施形態を適用した画質設定の変更の一例を示す図である。図8の例に示されるように、時刻T1でジャンル検知部112がジャンル情報の変更を検知する。一方、番組Aの映像データから番組Bの映像データに切り替わる時刻T2において、シーン検出部116はシーンチェンジを検出しない。この場合、制御部111は、時刻T1から一定時間TWが経過した後の時刻T3において、スムージング処理を開始する。
【0081】
これにより、映像データの輝度ヒストグラムの差分が小さいことに起因して、シーン検出部116がシーンチェンジを検出しない場合に、画質パラメータが変更されなくなることを抑制できる。
【0082】
図9は、第3実施形態の処理の流れの一例を示すフローチャートである。ステップS101からS106、およびS201の各処理は、第2実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0083】
制御部111は、シーン検出部116によりシーンチェンジが検出されていない場合、ステップS104でNoと判定し、ジャンル情報の変更が検知されてから、一定時間TWが経過したかを判定する(ステップS301)。
【0084】
ジャンル情報の変更が検知されてから、一定時間TWが経過していない場合、制御部111は、ステップS301でNoと判定し、図9のフローチャートを終了させる。この場合、受信部102が受信した放送波の番組の映像データが表示部106に表示されている間、図9のフローチャートの各処理が継続して行われる。
【0085】
ジャンル情報の変更が検知されてから、一定時間TWが経過した場合、制御部111は、ステップS301でYesと判定し、処理をステップS201に進める。つまり、制御部111は、タイムアウトが発生したと判定して、ステップS201のスムージング処理を行う。
【0086】
以上のように、本実施形態では、シーン検出部116がシーンチェンジを検出しなかった場合、ジャンル情報の変更が検知されてから一定時間TWが経過した後に、スムージング処理を行う。これにより、シーン検出部116がシーンチェンジを検出しなかった場合でも、画像処理部113に適用される画質パラメータを変更できる。
【0087】
本実施形態は、第1実施形態にも適用可能である。この場合、制御部111は、図9のフローチャートのステップS201に代えて、図5のフローチャートのステップS105を行う。この場合、制御部111は、ジャンル情報の変更が検知されてから一定時間TWが経過した後に、スムージング処理ではなく、画質パラメータを即時的に切り替える。この場合でも、本実施形態の効果が得られる。
【0088】
また、制御部111は、タイムアウトが発生したかに応じて、スムージング処理の速度を変化させてもよい。具体的には、制御部111は、タイムアウトが発生したことに起因して行うスムージング処理の処理速度を、シーン検出部116がシーンチェンジを検出したことに起因して行うスムージング処理の処理速度よりも遅く設定してもよい。
【0089】
図8の例に示されるように、時刻T1から一定時間TWが経過した後の時刻T3においては、番組Bの映像が表示部106に表示され始めてから時間が経過していることが想定される。表示部106に番組Bの映像が表示されている途中からの画質設定の変更は緩やかであることが好ましい。このため、制御部111は、タイムアウトが発生したことに起因して行うスムージング処理の処理速度を遅く設定する。
【0090】
また、制御部111は、タイムアウトが発生した場合には、スムージング処理を行い、シーン検出部116がシーンチェンジを検出した場合には、第1実施形態のステップS105を行ってもよい。これにより、タイムアウトが発生したかに応じて、スムージング処理を適用するかを制御できる。
【0091】
<第4実施形態>
次に、第4実施形態について説明する。受信部102が受信した放送波には、番組に関する番組情報が含まれる。制御部111は、受信部102が受信した番組情報に基づいて、電子番組表(EPG:Electronic Programming Guide)を生成する。電子番組表は、チャンネル(放送事業者)ごとに番組を時系列で並べることにより生成される。例えば、電子番組表は、1週間ごとの各放送事業者が配信する各番組の情報を含む。
【0092】
電子番組表には、開始する時刻および番組長の情報が含まれる。制御部111は、例えば、電子番組表を記憶部103に記憶する。電子番組表は、例えば、ネットワークインタフェース107から、インターネットを介して、外部サーバから取得されてもよい。
【0093】
ここで、制御部111は、画質パラメータを変更する時刻を、電子番組表に基づき設定してもよい。電子番組表は、上述したように、各番組が開始する時刻および番組長の情報を含む。制御部111は、電子番組表に含まれる各番組が開始する時刻に基づき、画質パラメータを変更する時刻を設定する。なお、電子番組表に番組の終了時刻の情報が含まれている場合、制御部111は、番組の切り替わりを、電子番組表に含まれる番組の終了時刻に基づき、認識してもよい。
【0094】
図10は、第4実施形態を適用した画質設定の変更の一例を示す図である。番組表データは、時刻T2において、番組Aから番組Bに切り替わることを示している。一方、シーン検出部116は、時刻T2よりも前の時刻T4にシーンチェンジを検出することがある。
【0095】
番組Aの映像データは複数のシーンにより構成される。番組Aの各シーンのうち前後のシーンの映像特徴量(例えば、輝度や色相ヒストグラム等)が大きく変化することがある。この場合、番組Aから番組Bに切り替わるよりも前に、シーン検出部116がシーンチェンジを検出する。
【0096】
本実施形態では、制御部111は、番組表データを利用できる場合、シーン検出部116がシーンチェンジを検出したとしても、画質パラメータを変更せず、番組Aの画質パラメータを維持するよう制御する。そして、制御部111は、番組表データに基づき、現在時刻が、番組Aから番組Bに切り替わる時刻T2になった後に、画質パラメータを変更するよう制御する。
【0097】
これにより、番組が切り替わる前に、シーン検出部116がシーンチェンジを検出したとしても、画像処理部113に適用する画質パラメータを変更する時刻を映像データが切り替わる時刻と一致させることができる。この場合、表示中の番組の映像データに対して、次の番組のジャンル情報の画質パラメータを用いた画像処理が行われることがなくなるため、画質の低下が生じなくなる。
【0098】
一方、番組表データは、放送波に多重化されているジャンル情報とは異なる情報である。番組表データを利用する場合、制御部111は、例えば、所定のアプリケーションを実行して、記憶部103に記憶されている番組表データを読み取り、デコードする処理等を行う。
【0099】
このため、制御部111は、受信部102が受信した放送波に基づき、リアルタイムで映像データの画像処理と番組表データに関する処理とを行う必要があり、処理の効率性が低下する。つまり、制御部111が、上述した各種の処理を行う際には、配信されている番組表データに含まれるジャンル情報に基づき、リアルタイムで処理を行う方が、番組表データを用いる処理よりも効率的である。
【0100】
そこで、例えば、番組表データを用いる処理と番組表データを用いない処理との何れを設定するかが選択可能であってもよい。例えば、ユーザが、リモートコントローラを用いて、テレビ100に上記の設定を選択可能であってもよい。また、テレビ100の出荷時に、番組表データを用いる処理と番組表データを用いない処理との何れかが設定されていてもよい。
【0101】
番組表データを利用しない場合には、制御部111は、ジャンル検知部112がジャンル情報の変更が検知した後であって、シーン検出部116がシーンチェンジを検出した後に、画質パラメータを変更する制御を行う。
【0102】
以上のように、第4実施形態では、制御部111は番組表データを利用して、画質パラメータを変更する制御を行うため、表示中の番組の映像データに対して、次の番組のジャンル情報の画質パラメータを用いた画像処理が行われることが抑制される。その結果、画質の低下を抑制できる。第4実施形態は、第1実施形態~第3実施形態にも適用可能である。
【0103】
<第5実施形態>
次に、第5実施形態について説明する。受信部102が受信した放送波の番組データは、外部記録装置121に記録することができる。例えば、ユーザがリモートコントローラを操作して録画指示を行った際、リモコン信号受信部108がリモートコントローラから録画指示を受信する。当該録画指示に基づき、制御部111は、番組データ(録画データ)を外部記録装置121に記録させる。また、予約録画等の機能が利用された際には、制御部111は、指定された時間に指定された番組データを外部記録装置121に記録する。
【0104】
外部記録装置121に記録される番組データは、例えば、パーシャルTS(Transport Stream)と称される形式で外部記録装置121に記録される。パーシャルTSは、通常の放送波のTSパケットの中から番組データの再生に必要なパケットにより構築されたパケット群である。
【0105】
パーシャルTSの形式で外部記録装置121に記録された番組データにも、受信部102が受信した放送波と同様にジャンル情報が含まれる。当該ジャンル情報は、番組データの映像データと同期していない。また、映像データが切り替わるタイミングよりもジャンル情報が変更するタイミングが先行する。このため、ジャンル情報の変更が検知されたタイミングで画質パラメータを次の番組の画質パラメータに変更すると、上記の問題が生じる。
【0106】
例えば、ユーザがリモートコントローラを用いて、外部記録装置121に記録されている番組データを再生する操作を行ったとする。リモートコントローラからは、指定された番組データの再生指示が送信される。リモコン信号受信部108は、再生指示を受信する。リモコン信号受信部108は、受信した再生指示を処理部101に出力する。
【0107】
再生部115は、再生指示に基づき、接続部104を介して、指定された番組データを外部記録装置121から読み出す。この場合、接続部104は受信部として機能する。そして、再生部115は、読み出した番組データを再生する制御を行う。再生部115は、番組データの映像を表示部106に表示させるとともに、番組データの音声をスピーカ105から出力させる。
【0108】
再生部115が番組データの再生の制御を行っているときに、制御部111は、上述した第1実施形態の制御を行う。具体的には、制御部111は、図5のフローチャートの各処理を行う。
【0109】
上述したように、外部記録装置121に記録されている番組データには映像データとジャンル情報とが含まれる。また、映像データとジャンル情報とは同期していない。そこで、制御部111は、再生部115が番組データを再生している際に、ジャンル検知部112がジャンル情報の変更を検知したかを判定する。
【0110】
制御部111は、ジャンル検知部112がジャンル情報の変更を検知した後であって、シーン検出部116がシーンチェンジを検出するまで画質パラメータを変更しない。制御部111は、ジャンル検知部112がジャンル情報の変更を検知した後であって、シーン検出部116がシーンチェンジを検出した後に、画像処理部113に適用する画質パラメータを次の番組の画質パラメータに変更する。
【0111】
以上により、外部記録装置121に記録されている番組データを再生するときにも、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。第5実施形態は、第1実施形態~第4実施形態にも適用可能である。
【0112】
<第6実施形態>
次に、第6実施形態について説明する。図11は、第6実施形態のテレビ100の一例を示す図である。図11の例において、テレビ100には外部記録装置131が接続されている。図11の例の外部記録装置131は、図1の例の外部記録装置121とは異なる。
【0113】
図11の例の外部記録装置131は、例えば、ブルーレイ(登録商標)レコーダ等のような光学ディスクの書き込みおよび読み取りが可能なレコーダである。外部記録装置131とテレビ100の接続部122との間は、例えば、HDMI(High-Definition Multimedia Interface,HDMIは登録商標)ケーブルで接続される。従って、テレビ100および外部記録装置131は両者ともHDMIに対応した機器である。
【0114】
HDMIケーブルは、AV信号伝送路123AおよびCEC(Consumer Electronics Control)信号伝送路123Bを含む。AV信号伝送路123Aは、映像データおよび音声データを伝送する第1伝送路である。CEC信号伝送路123Bは、HDMI―CEC規格で定められる単線シリアルの第2伝送路である。CEC信号伝送路123Bを介して、テレビ100と外部記録装置131との間ではEDID(Extended Display Identification Data)を認識した通信が可能である。
【0115】
テレビ100の制御部111は、受信部102が受信した放送波の番組データを、HDMIケーブルを介して、外部記録装置131に記録するよう制御する。これにより、外部記録装置131には、テレビ100が受信した放送波の番組データが録画データとして記録される。
【0116】
第6実施形態では、第5実施形態と同様、接続部122を介して、再生部115が外部記録装置131に記録されている番組データを読み出す。この場合、接続部122は受信部として機能する。再生部115は、番組データを再生する制御を行う。第6実施形態では、映像データはAV信号伝送路123Aを介して伝送され、ジャンル情報はCEC信号伝送路123B介して伝送される。映像データとジャンル情報とは同期していない。
【0117】
そこで、第6実施形態では、第1実施形態と同様の処理を行う。制御部111は、ジャンル検知部112がジャンル情報の変更を検知した後であって、シーン検出部116がシーンチェンジを検出した後に、画質パラメータを変更する。
【0118】
以上により、外部記録装置131に記録されている番組データを、HDMIケーブルを介して再生するときにも、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。第6実施形態は、第1実施形態~第4実施形態にも適用可能である。
【0119】
<変形例>
上述した第4実施形態では、テレビ100の受信部102が受信した放送波の番組データが外部記録装置131に記録される。そして、再生部115が、外部記録装置131に記録された番組データを再生する際に、制御部111は、第4実施形態で説明した各種の処理を行う。
【0120】
例えば、外部記録装置131に記録されている番組データが、放送波の番組データではなく、動画データ(コンテンツ)である場合にも、第4実施形態は適用可能である。コンテンツは、例えば、インターネットを介して接続される外部サーバにより提供される。例えば、テレビ100が、ネットワークインタフェース107からインターネットを介して取得し、取得したコンテンツが外部記録装置131に記録される。また、コンテンツは、テレビ100を介することなく、例えば、パーソナルコンピュータ等を介して、外部記録装置131に記録されてもよい。
【0121】
コンテンツには複数の動画データが含まれることがある。この場合、各動画データのそれぞれに対応してコンテンツの中にジャンル情報が含まれることが考えられる。また、各動画データのそれぞれの映像データとジャンル情報とは同期していないケースも考えられる。
【0122】
このような場合、再生部115がコンテンツに含まれる複数の動画データを再生する際、制御部111が第5実施形態の各種の処理を行うことで、第5実施形態と同様の効果が得られる。第6実施形態のように、HDMIを介してテレビ100と接続される外部記録装置131に上記のコンテンツが記録されている場合にも、制御部111が第6実施形態の各種の処理を行うことで、第6実施形態と同様の効果が得られる。
【0123】
また、上記のコンテンツは、例えば、外部サーバが配信するコンテンツであってもよい。例えば、テレビ100は、ネットワークインタフェース107から、インターネットを介して、外部サーバに接続される。テレビ100は、外部サーバが配信するコンテンツをストリーミング再生することができる。
【0124】
ストリーミング再生されるコンテンツが複数の動画データを含んでおり、各動画データのそれぞれにジャンル情報が対応付けられている場合、制御部111は、上述した第5実施形態または第6実施形態の各種の処理を行うことができる。コンテンツは、外部記録装置121または外部記録装置131ではなく、外部サーバから取得される。この場合、ネットワークインタフェース107が受信部として機能する。
【0125】
本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態に夫々開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。更に、各実施形態に夫々開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。また、上述した実施形態で説明するフローチャートの処理の順序は、可能な限り入れ替えることができる。
【0126】
各実施形態の機能を実現するプログラムは、半導体媒体や光記録媒体、光磁気記録媒体等の非一時的な記録媒体に格納される。半導体媒体としては、例えば、不揮発性のメモリカード等が適用され得る。光記録媒体、光磁気記録媒体としては、CD(Compact Dick)やDVD(Digital Versatile Disk)等が適用され得る。また、上記プログラムは、伝送可能な任意の伝送媒体を介してコンピュータに供給されてもよい。
【符号の説明】
【0127】
100 テレビ、101 処理部、102 受信部、103 記憶部、104 接続部、105 スピーカ、106 表示部、107 ネットワークインタフェース、108 リモコン信号受信部、111 制御部、112 ジャンル検知部 113 画像処理部、114 取得部、115 再生部、116 シーン検出部、121 外部記録装置、122 接続部、123A AV信号伝送路、123B CEC信号伝送路、131 外部記録装置
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11