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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173915
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】空気調和機
(51)【国際特許分類】
   F24F 1/0007 20190101AFI20231130BHJP
   F24F 13/20 20060101ALI20231130BHJP
   F24F 11/74 20180101ALI20231130BHJP
【FI】
F24F1/0007 321
F24F1/0007 401C
F24F11/74
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022086469
(22)【出願日】2022-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】川村 政貴
【テーマコード(参考)】
3L050
3L051
3L260
【Fターム(参考)】
3L050BA01
3L051BC10
3L051BD10
3L260AB02
3L260BA61
3L260FA08
3L260FB12
(57)【要約】
【課題】ファンを容易に清掃することができる空気調和機を提供する。
【解決手段】本発明の空気調和機は、筐体と、前記筐体の内部に収容されたファンと、前記筐体に形成された吹出口と、前記筐体の内部に形成され、前記ファンから前記吹出口に向けて形成された前記吹出口側の送風路と、前記吹出口側の送風路に着脱可能に設けられ、前記ファンが回転することにより、前記ファンに付着した塵埃を取り除く清掃ユニットと、を備える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体の内部に収容されたファンと、
前記筐体に形成された吹出口と、
前記筐体の内部に形成され、前記ファンから前記吹出口に向けて形成された吹出口側の送風路と、
前記吹出口側の送風路に着脱可能に設けられ、前記ファンが回転することにより、前記ファンに付着した塵埃を取り除く清掃ユニットと、を備える空気調和機。
【請求項2】
前記吹出口側の送風路内に設けられ、通過する空気の向きを変化させる風向板ユニットを着脱可能な装着部をさらに備え、
前記清掃ユニットは、前記装着部の少なくとも一部に着脱可能である、請求項1に記載の空気調和機。
【請求項3】
前記ファンを正逆回転可能に制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記清掃ユニットが前記吹出口側の送風路に取り付けられた状態において、前記ファンを逆回転させる、請求項1または請求項2に記載の空気調和機。
【請求項4】
前記清掃ユニットは、
前記ファンの外周面に当接するブラシと、
前記ファンの下方に設けられ、塵埃を受ける受け部と、を含む、請求項1または請求項2に記載の空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、吸込口と、吸込口から空気を吸い込むファンと、ファンを駆動させるモータと、吸込口から吸い込まれた空気と熱交換する熱交換部と、熱交換部に熱交換された空気が吹き出される吹出口と、を備える空気調和機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-143907号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような空気調和機において、例えば、ファンを清掃するときに、吹出口を通じて、ユーザが手動でファンを回転させながら、ブラシ等の清掃具を用いて清掃する必要があり、煩雑であった。また、例えば、雑巾やモップ等の清掃具をファンの清掃に用いる場合、ファンを構成する複数のブレード間への清掃具の挿入が難しいため、複数のブレード間に付着した塵埃を取り除くことは困難であった。
【0005】
そこで、本発明は、一例として、ファンを容易に清掃することができる空気調和機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る空気調和機は、筐体と、前記筐体の内部に収容されたファンと、前記筐体に形成された吹出口と、前記筐体の内部に形成され、前記ファンから前記吹出口に向けて形成された吹出口側の送風路と、前記吹出口側の送風路に着脱可能に設けられ、前記ファンが回転することにより、前記ファンに付着した塵埃を取り除く清掃ユニットと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】空気調和機の室内機を示す斜視図である。
図2】空気調和機の室内機を示す側面断面図である。
図3】筐体から風向板ユニットを取り外した状態を示す斜視図である。
図4A】風向板ユニットの上面図である。
図4B図4Aに示すB-B線断面図である。
図5A図4Aに示すA-A線断面図である。
図5B】爪部が係止位置にある状態を示す断面図である。
図5C】爪部が非係止位置にある状態を示す断面図である。
図6】清掃ユニットの上面図である。
図7】清掃ユニットが装着部に装着された状態を示す概略側面断面図である。
図8】空気調和機のハードウェア構成を示すブロック図である。
図9】清掃ユニットによるファンの清掃制御に関する処理フローの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、本明細書及び図面において、同一又は同等の要素には同一の符号を付することにより重複する説明は省略し、また、本発明に直接関係のない要素は図示を省略する場合がある。さらに、かかる実施の形態に示す構成要素の形態はあくまでも例示であって、これらの形態に限定されるものではない。
【0009】
本発明の実施形態に係る空気調和機は、セパレート型であり、室内機100と室外機とから構成される。室内機100には、室内側の熱交換器160およびファン170が内装され、室外機には、圧縮機、四方弁、室外側の熱交換器、ファン等が内装される。室内機100と室外機とが冷媒配管によって接続されて冷凍サイクル(図示せず)が形成され、冷房、暖房、除湿などの各種の運転モードが実行されている。
【0010】
図1及び図2を参照して、本発明の実施形態に係る空気調和機の室内機100の概要について説明する。図1は、空気調和機の室内機100を示す斜視図である。図2は、空気調和機の室内機100を示す側面断面図である。以下では、室内機100が取り付けられる室内の壁面側を後側とし、その反対側を前側とし、室内機100が取り付けられる室内の天井側を上側とし、その反対側を下側と規定して室内機100について説明する。
【0011】
室内機100は、室内の壁面に取り付けられる筐体110を備える。筐体110は、例えば、左右方向を長手方向とする略箱型に形成される。筐体110の上面には、吸込口120が形成される。筐体110の下部には、吹出口130が形成される。吹出口130は、筐体110の左右方向に延びる略矩形状に形成され、下方に臨んで設けられる。筐体110の内部には、吸込口120及び吹出口130を連通する送風路140が形成される。
【0012】
送風路140は、例えば、後述のファン170を駆動させることによって、吸込口120から吸い込まれた空気を下方に導いた後、吹出口130に向けて略前下方に導くように形成される。送風路140には、空気の流れる方向における上流側から順に、フィルタ150、熱交換器160、ファン170が配置されている。送風路140のうち、ファン170と吹出口130との間に形成される送風路を、吹出口側の送風路141と称する。
【0013】
吹出口側の送風路141は、ファン170から吹出口130に向けて前下方に傾斜するダクト状の送風路である。吹出口側の送風路141は、前壁142と、一対の側壁143と、後壁144と、を有する。前壁142は、下方に向けて前方に傾斜するように形成される。一対の側壁143は、ファン170を軸支する左右方向に間隔をあけて対向する側壁である。後壁144は、下方に向けて前方に湾曲するように形成される。
【0014】
フィルタ150は、通過する空気中の塵埃(粗塵)を捕捉する。フィルタ150は、例えば、プレフィルタである。フィルタ150は、例えば、筐体110の吸込口120に沿って設けられている。
【0015】
熱交換器160は、ファン170の上部を取り囲むように配置されている。熱交換器160は、ファン170によって室内機100内に吸引される空気と冷媒との熱交換を行っている。熱交換器160は、冷房運転時には、蒸発器として機能し、暖房運転時には、凝縮器として機能する。
【0016】
ファン170は、例えば、クロスフローファンである。ファン170は、その軸方向が左右方向となるように、筐体110の内部に配置されている。具体的には、ファン170は、軸方向に沿って並んだ複数の羽根車が連結されてなる。各羽根車の外周部には、多数のブレード171が周方向に並べて配置されている。ファン170は、駆動モータ170a(図8参照)によって回転されることで、室内の空気を吸込口120から吸い込んで吹出口130から送り出すように気流を生成している。
【0017】
筐体110には、吹出口130を開閉する導風パネル180が設けられる。導風パネル180は、アーム部材(図示せず)を介して上下方向に回動可能に支持されている。導風パネル180は、駆動モータ180a(図8参照)によって回動されることで、吹出口130から吹き出される空気の向きを変更している。例えば、空気調和機の運転停止時には、吹出口130を閉塞するように導風パネル180の回動角度を調節する。また、空気調和機の冷房運転時には、吹出口130から送り出される空気を水平方向または上方に導くように導風パネル180の回動角度を調節する。一方、空気調和機の暖房運転時に、吹出口130から送り出される空気を下方に導くように導風パネル180の回動角度を調節する。
【0018】
筐体110の吹出口130には、導風パネル180よりも内側に、風向板ユニット190が設けられる。風向板ユニット190は、吹出口130から吹き出される空気の向きを左右に調整する。
【0019】
以上の構成において、空気調和機は、ファン170が駆動モータ170a(図8参照)によって回転されることで、吸込口120を介して取り込まれた空気は、フィルタ150を通過するときに塵埃が捕集されたのち、熱交換器160で熱交換器されて、暖めたり、冷やされたりして、吹出口130から吹き出される。
【0020】
図3から図5までを用いて、風向板ユニット190について具体的に説明する。図3は、筐体110から風向板ユニット190を取り外した状態を示す斜視図である。図3では、筐体110の一部、導風パネル180等の図示を省略している。図4Aは、風向板ユニット190の上面図である。図4Bは、図4Aに示すB-B線断面図である。図5Aは、図4Aに示すA-A線断面図である。図5Bは、図4Bの一部拡大図である。図5Bは、後述の爪部197が係止位置にある状態を示す断面図である。図5Cは、後述の爪部197が非係止位置にある状態を示す断面図である。
【0021】
図3に示すように、風向板ユニット190は、筐体110における吹出口側の送風路141内の吹出口130近傍に着脱可能に設けられる。吹出口側の送風路141の後壁144には、風向板ユニット190を装着するための装着部が設けられる。装着部として、風向板ユニット190を装着可能な凹部144aが形成される。凹部144aは、後壁144の前部に設けられる。凹部144aには、後述のベース部材191を位置決めするための切欠部144bが設けられる。切欠部144bは、後述のベース部材191の外形に応じて形成される。切欠部144bは、凹部144aの左右にそれぞれ設けられる。凹部144aの切欠部144bには、後述のベース部材191に設けられた爪部197を係止する孔144cが設けられる。
【0022】
図4A及び図4Bに示すように、風向板ユニット190は、ベース部材191と、ベース部材191上に並べて配置される複数の風向板192と、複数の風向板192を連結する一対の連結部材193と、を備える。
【0023】
ベース部材191は、吹出口130に沿って左右方向に延びる部材である。ベース部材191は、吹出口側の送風路141に沿って延びる第1壁部191aと、第1壁部191aに対して所定の角度に傾斜する第2壁部191bと、を含む。風向板ユニット190が後壁144の凹部144aに装着された状態において、第1壁部191aの上面は、吹出口側の送風路141の一部をなし、後壁144と面一となる。風向板ユニット190が後壁144に装着された状態において、第2壁部191bは、筐体110の底面の一部をなす。
【0024】
ベース部材191の第1壁部191a上には、複数の風向板192が長手方向(左右方向)に並べて配置される。各風向板192は、薄い板状の部材である。各風向板192は、ベース部材191の第1壁部191aに対して略垂直に起立し、互いに略平行となるように配置されている。各風向板192は、ベース部材191の第1壁部191aの後方側に設けられた支持部192aによってベース部材191に支持されている。
【0025】
連結部材193は、ベース部材191の長手方向に沿って延びる棒状の部材である。連結部材193は、ベース部材191の左右にそれぞれ配置される。一方の連結部材193は、ベース部材191の長手方向における一方の側に位置する複数の風向板192を連結している。他方の連結部材193は、ベース部材191の長手方向における他方の側に位置する複数の風向板192を連結している。各連結部材193は、複数の風向板192の左右の向きが同じ向きとなるように、対応する複数の風向板192の前部を連結している。各連結部材193の端部には、ベース部材に設けられる回動軸194に取り付けられる。回動軸194は、駆動モータ190a(図8参照)と連結され、ベース部材191に垂直な軸周りに一定の角度の範囲内で回動可能である。
【0026】
以上の構成において、駆動モータ190a(図8参照)によって、回動軸194が回動されることで、連結部材193とともに対応する複数の風向板192の前部が左方または右方に移動することで、吹出口130から吹き出される空気の向きを左右に調整することができる。
【0027】
図5に示すように、ベース部材191の第2壁部191bには、凹部144aに嵌め合わせた状態で係止する係止機構195が設けられる。係止機構195は、ユーザによる押圧操作を受け付ける押圧部196と、押圧部196の押圧操作に連動して移動する爪部197と、爪部197を所定の方向に付勢する付勢部材198と、を有する。
【0028】
押圧部196は、例えば、押しボタンである。押圧部196は、第2壁部191bの左右にそれぞれ設けられる。各押圧部196は、第2壁部191bを貫通して設けられる。各押圧部196は、筐体110の底面に露出している。各押圧部196は、付勢部材198によって、下側に付勢されている。各押圧部196は、ユーザが指をあてて押し込むことで、付勢部材198の付勢力に抗して、初期位置から上方に移動する。一方、押圧部196のユーザによる押し込みが解除されると、付勢部材198の付勢力によって、初期位置に戻る。
【0029】
爪部197は、押圧部196の押圧操作に連動して移動する。爪部197は、押圧部196に対応するように第2壁部191bの左右にそれぞれ設けられる。各爪部197は、付勢部材198によってベース部材191の左右方向における一方(本実施形態では、左方)に向けて付勢されている。
【0030】
以上の構成において、各押圧部196がユーザによって押し込まれた場合、爪部197は、付勢部材198の付勢力に抗して、ベース部材191の左右方向における他方(本実施形態では、右方)に向けて移動する。この状態において、風向板ユニット190を装着部(凹部144a)に嵌め合わせたり、装着部(凹部144a)から引き出したりすることが可能となる。
【0031】
風向板ユニット190を装着部(凹部144a)に嵌め合わせた状態で、各押圧部196のユーザによる押し込みを解除すると、各爪部197は、付勢部材198によってベース部材191の左右方向における一方に向けて付勢され、各爪部197と孔144cとが係止される。これにより、風向板ユニット190を装着部(凹部144a)に装着することができる。一方、風向板ユニット190を装着部(凹部144a)から取り外す場合は、各押圧部196がユーザによって押し込むことで、各爪部197は、付勢部材198の付勢力に抗してベース部材191の左右方向における他方に移動し、各爪部197と孔144cとの係止状態が解除される。この状態で、風向板ユニット190を装着部(凹部144a)から前下方に引き出すことによって、風向板ユニット190を取り外すことができる。
【0032】
図6及び図7を用いて、ファン170に付着した塵埃を取り除く清掃ユニット200について説明する。図6は、清掃ユニット200の上面図である。図7は、清掃ユニット200が装着部(凹部144a)に装着された状態を示す概略側面断面図である。
【0033】
清掃ユニット200は、筐体110に対して着脱可能に設けられる。本実施形態では、清掃ユニット200は、風向板ユニット190を着脱可能な装着部(凹部144a)に着脱可能である。
【0034】
清掃ユニット200は、ベース部材210と、ベース部材210上に設けられた受け部220と、受け部220の上部に設けられた清掃部230と、を有する。
【0035】
ベース部材210は、ベース部材191と同様に、装着部(凹部144a)に装着するための構成を備える。すなわち、ベース部材210は、装着部(凹部144a)に嵌め合わせた状態で係止する係止機構195を少なくとも備える。なお、清掃ユニット200の装着部(凹部144a)への着脱方法は、風向板ユニット190の装着部(凹部144a)への着脱方法と同一であるため、説明は省略する。
【0036】
受け部220は、ファン170に付着した塵埃を収容する。受け部220は、吹出口130に沿って左右方向に延び、かつ上面に開口部220aを有する箱状の容器である。受け部220の上面は、側面視において、ファン170の外周部と所定の間隔をあけて対向するように配置される。筐体110に取り付けられた状態において、受け部220の上面は、前端よりも後端の方が高くなる。また、筐体110に取り付けられた状態において、受け部220の後壁のベース部材210(第1壁部210aの上面)からの高さH1は、受け部220の前壁のベース部材210(第1壁部210aの上面)からの高さH2以下である。なお、受け部220の上面は、ファン170の外形に応じて略弧状に形成されてもよい。受け部220の左端部には、ギアボックス221が設けられる。
【0037】
清掃部230は、例えば、軸部231と、軸部231の周面に設けられたブラシ232と、軸部231を回転可能に支持する軸受233と、駆動モータ234と、駆動モータ234に固定された第1プーリ235と、軸部231の一端に固定された第2プーリ236と、第1プーリ235から第2プーリ236に動力を伝達するベルト237と、を含む。
【0038】
軸部231は、長手方向を左右方向として配置される。軸部231の左右方向の長さは、ファン170の左右方向の長さと略同一である。軸部231は、受け部220の上部において、受け部220の左右の側面をそれぞれ貫通して設けられる。軸部231の左右方向における各端部には、軸受233がそれぞれ設けられる。
【0039】
ブラシ232は、軸部231の周面から径方向の外側に向けて延びるように設けられる。ブラシ232は、軸部231の全周にわたって設けられる。ブラシ232は、例えば、ナイロンなどの合成繊維や、動物毛などの天然繊維を束ねて形成したものであってもよし、ナイロンなどの合成繊維や、動物毛などの天然繊維をパイル状に起毛させたものであってもよい。
【0040】
ギアボックス221には、駆動モータ234と、第1プーリ235と、第2プーリ236と、ベルト237とが収容されている。以上の構成において、駆動モータ234からの駆動力が、第1プーリ235からベルト237を介して第2プーリ236に伝わり、第2プーリ236が回転されることで、第2プーリ236と同軸上に配置された軸部231を回転させることができる。なお、駆動モータ234の回転速度に比べて、軸部231の回転速度が遅くなるように、第1プーリ235及び第2プーリ236の大きさや歯数等が設定されている。
【0041】
図7に示すように、ブラシ232は、少なくともその先端がファン170の外周部と接触するように配置される。これにより、ブラシ232は、ファン170を構成するブレード171間に挿入可能である。ゆえに、ブラシ232によって、ファン170の外周部もしくはブレード171に付着した塵埃を掻き取ることができる。ブラシ232によって掻き取られた塵埃は、受け部220の内部に収容される。なお、図7では、ブラシ232の先端は、ファン170を構成するブレード171の内端部と外端部との間に位置しているが、これに限らない。例えば、ブラシ232の先端がブレード171の内端部に達するようにブラシ232の長さを変更してもよい。
【0042】
清掃ユニット200を用いた清掃運転を行う際、少なくともファン170を回転させる。具体的には、清掃運転を行う際、ファン170は、冷房運転や暖房運転等の通常の運転時における回転方向と逆方向に回転させる。ファン170を逆回転させることにより、吹出口130から空気が積極的に外部に向けて吹き出されることを抑制することができる。ゆえに、ファン170から掻き取られた塵埃が室内に散らばることを抑制できる。
【0043】
清掃ユニット200を用いた清掃運転を行う際、ブラシ232を回転させてもよい。ブラシ232は、ファン170の回転方向と逆方向に回転させることが好ましい。なお、清掃部230は、軸部231を回転可能に構成しているが、これに限らず、例えば、軸部231を回転しない構成としてもよい。この場合、ファン170の外周部と接触できるように、軸部231の周面の一部にブラシ232を設ければよい。
【0044】
なお、清掃ユニット200は、装着部(凹部144a)に着脱可能な構成を有しているが、これに限らず、例えば、装着部(凹部144a)の少なくとも一部に着脱可能であればよい。清掃ユニット200は、装着部(凹部144a)に嵌合する形状を有している必要はなく、例えば、凹部144aに形成された孔144cに係止する爪部197を少なくとも有していればよい。また、清掃ユニット200は、装着部(凹部144a)に着脱可能な構成を有しているが、これに限らず、吹出口側の送風路141に着脱可能な構成を有していればよい。
【0045】
図8を用いて、空気調和機のハードウェア構成について説明する。空気調和機(室内機100)は、制御部300、記憶部310、通信部320、リモコン330、着脱センサ340、駆動モータ170a、駆動モータ180a、駆動モータ190a、駆動モータ234、冷凍サイクル(図示せず)等を含む。
【0046】
制御部300は、例えば、CPU(Central Processing Unit)からなる。制御部300は、記憶部310に記録されるプログラム及びデータを読みだして実行することにより、空気調和機の制御を司る。
【0047】
記憶部310は、例えば、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等であって、制御部300によって実行されるプログラムや、制御部300にて使用される各種パラメータ等を記録する。
【0048】
通信部320は、外部機器と通信するためのインタフェースである。通信部320は、例えば、リモコン330と赤外線による無線通信を行うことができる。
【0049】
リモコン330は、各種運転モードでの運転の開始及び停止、運転モードの切換等を行うための操作装置である。また、リモコン330は、室内の温度の設定温度、風量、及び風向を設定することができる。リモコン330に入力された指示は、制御部300に送られることで、各種運転モード等が実行される。
【0050】
着脱センサ340は、清掃ユニット200の着脱を検出する。着脱センサ340は、例えば、リミットスイッチである。着脱センサ340は、装着部(凹部144a)に清掃ユニット200が装着された場合にのみ検出できるように、装着部(凹部144a)近傍の適宜の位置に配置される。
【0051】
図9を用いて、清掃ユニット200によるファン170の清掃制御に関する処理フローの一例について説明する。図9は、清掃ユニット200によるファン170の清掃制御に関する処理フローの一例である。図9に示す処理では、制御部300は、ユーザがリモコン330を操作して、清掃運転モードを選択することで、清掃ユニット200による清掃制御を開始しているものとする。
【0052】
S101において、制御部300は、着脱センサ340の検出結果に基づいて、清掃ユニット200が装着部(凹部144a)に装着されているか否かを判定している。清掃ユニット200が装着部(凹部144a)に装着されていると判定された場合、すなわち、S101においてYesの場合、S102に進む。清掃ユニット200が装着部(凹部144a)に装着されていないと判定された場合、すなわち、S101においてNoの場合、S101を繰り返す。
【0053】
S102において、制御部300は、通常の運転時と逆方向にファン170が回転するように駆動モータ170aを制御し、S103に進む。S102において、制御部300は、ファン170の回転方向と逆方向に軸部231が回転するように駆動モータ234を制御してもよい。
【0054】
S103において、制御部300は、清掃運転を開始してから所定時間経過したか否かを判定する。ここでの清掃運転の開始のタイミングとは、ファン170を回転させたタイミングを指す。S103において、制御部300は、所定時間経過したと判定した場合、すなわち、S103においてYesの場合、S104に進む。S103において、制御部300は、所定時間経過していないと判定した場合、すなわち、S103においてNoの場合、S103を繰り返す。
【0055】
S104において、制御部300は、ファン170が停止するように駆動モータ170aを制御し、清掃運転モードを終了する。
【0056】
なお、S103において、清掃運転を開始してから所定時間経過した場合に、清掃運転モードを終了しているが、これに限らず、例えば、リモコン330を介して清掃運転モードの停止に関する指令を受けつけた場合に、清掃運転モードを終了させてもよい。
【0057】
また、上述のフローでは、リモコン330を用いて、清掃運転モードが選択されることで、清掃制御を開始しているが、これに限らず、例えば、清掃ユニット200が装着部(凹部144a)に装着されたことを検出した場合に、清掃制御を開始させてもよい。
【0058】
以上の構成において、空気調和機は、筐体110と、筐体110の内部に収容されたファン170と、筐体110に形成された吹出口130と、筐体110の内部に形成され、ファン170から吹出口130に向けて形成された吹出口側の送風路141と、吹出口側の送風路141に着脱可能に設けられ、ファン170が回転することにより、ファン170に付着した塵埃を取り除く清掃ユニット200と、を備える。これにより、清掃ユニット200を装着することで、ファン170の塵埃を容易に取り除くことができる。
【0059】
空気調和機は、吹出口側の送風路141内に設けられ、通過する空気の向きを変化させる風向板ユニット190を着脱可能な装着部(凹部144a)をさらに備え、清掃ユニット200は、装着部(凹部144a)の少なくとも一部に着脱可能である。これにより、筐体110側において、清掃ユニット200を装着するためのスペースや構造を新たに必要としないため、既存の構成に対して清掃ユニット200を容易に装着することができる。
【0060】
ファン170を正逆回転可能に制御する制御部300を備える。制御部300は、清掃ユニット200が吹出口側の送風路141に取り付けられた状態において、ファン170を逆回転させる。これにより、吹出口130から空気が積極的に吹き出されることを抑制することができる。ゆえに、ファン170から取り除かれた塵埃が室内に散らばることを抑制できる。
【0061】
清掃ユニット200は、ファン170の外周部に当接するブラシ232と、ファン170の下方に設けられ、塵埃を受ける受け部220と、を含む。
【0062】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態で示した構成と実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えることができる。
【符号の説明】
【0063】
100 室内機、110 筐体、130 吹出口、141 吹出口側の送風路、144a 凹部(装着部)、170 ファン、190 風向板ユニット、200 清掃ユニット、220 受け部、232 ブラシ、300 制御部
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
図9