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特開2023-17393情報処理方法、プログラム及び情報処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023017393
(43)【公開日】2023-02-07
(54)【発明の名称】情報処理方法、プログラム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20230131BHJP
【FI】
B65G1/137 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021121643
(22)【出願日】2021-07-26
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】横寺 裕
(72)【発明者】
【氏名】浅利 幸生
【テーマコード(参考)】
3F522
【Fターム(参考)】
3F522AA02
3F522BB01
3F522BB22
3F522BB28
3F522BB35
3F522CC01
3F522CC06
3F522DD04
3F522DD05
3F522DD22
3F522DD33
3F522FF03
3F522GG05
3F522GG26
3F522LL57
(57)【要約】
【課題】ピッキング手段にピッキング処理を効果的に割り当てることができる情報処理方法、プログラム及び情報処理装置を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、プロセッサによって実行される情報処理方法は、外部装置から取得するオーダーリストに基づいて、自動搬送車が搬送する棚から物品をピッキングするピッキング作業のピッキング作業リストを生成し、過去のピッキング作業に関連する作業ログに基づいて、ピッキング手段毎に前記ピッキング作業リストに含まれる前記ピッキング作業を処理する処理能力を算出し、前記処理能力に基づいて、生成された前記ピッキング作業リストに含まれる前記ピッキング作業を前記ピッキング手段毎に割り付ける。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサによって実行される情報処理方法であって、
外部装置から取得するオーダーリストに基づいて、自動搬送車が搬送する棚から物品をピッキングするピッキング作業のピッキング作業リストを生成し、
過去のピッキング作業に関連する作業ログに基づいて、ピッキング手段毎に前記ピッキング作業リストに含まれる前記ピッキング作業を処理する処理能力を算出し、
前記処理能力に基づいて、生成された前記ピッキング作業リストに含まれる前記ピッキング作業を前記ピッキング手段毎に割り付ける、
情報処理方法。
【請求項2】
前記作業ログは、過去の前記ピッキング作業が完了した作業時間を含み、
前記処理能力は、前記ピッキング手段が割り付けられた前記ピッキング作業を完了するまでに要する作業時間である、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記作業ログは、過去のピッキング作業においてピッキングされる物品の属性と前記ピッキング手段の属性とを含み、
前記処理能力を算出することは、生成された前記ピッキング作業においてピッキングされる物品の属性と前記ピッキング手段の属性とに基づいて前記処理能力を算出する、
請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記処理能力を予測することは、前記作業ログに基づいて、前記物品の属性と前記ピッキング手段の属性とを入力すると前記処理能力を出力する予測モデルを生成する、
請求項3に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記物品の属性は、物品のID、個数、形状、材質、又は、保管位置の何れか1つを含む、
請求項3又は4に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記ピッキング手段は、作業者であり、
前記ピッキング手段の属性は、前記作業者のID、勤務継続時間、勤務年数、年齢、性別及び身長の何れか1つを含む、
請求項3乃至5の何れか1項に記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記処理能力は、スカラー値である、
請求項1乃至6の何れか1項に記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記ピッキング作業を割り付けることは、最後に処理が完了するピッキング手段の処理時間が最小になるように、前記ピッキング手段に生成された前記ピッキング作業を割り付ける、
請求項7に記載の情報処理方法。
【請求項9】
前記処理能力は、確率分布である、
請求項1乃至6の何れか1項に記載の情報処理方法。
【請求項10】
前記ピッキング作業を割り付けることは、所定の信頼係数の確率で所定の区間にスループットが収まるように、前記ピッキング手段に生成された前記ピッキング作業を割り付ける、
請求項9に記載の情報処理方法。
【請求項11】
プロセッサによって実行されるプログラムであって、
前記プログラムに
外部装置から取得するオーダーリストに基づいて、自動搬送車が搬送する棚から物品をピッキングするピッキング作業のピッキング作業リストを生成する機能と、
過去のピッキング作業に関連する作業ログに基づいて、ピッキング手段毎に前記ピッキング作業リストに含まれる前記ピッキング作業を処理する処理能力を算出する機能と、
前記処理能力に基づいて、生成された前記ピッキング作業リストに含まれる前記ピッキング作業を前記ピッキング手段毎に割り付ける機能と、
を実現させるプログラム。
【請求項12】
過去のピッキング作業に関連する作業ログを格納する記憶部と、
外部装置とデータを送受信するインタフェースと、
前記外部装置から取得するオーダーリストに基づいて、自動搬送車が搬送する棚から物品をピッキングするピッキング作業のピッキング作業リストを生成し、
前記作業ログに基づいて、ピッキング手段毎に前記ピッキング作業リストに含まれる前記ピッキング作業を処理する処理能力を算出し、
前記処理能力に基づいて、生成された前記ピッキング作業リストに含まれる前記ピッキング作業を前記ピッキング手段毎に割り付ける、
プロセッサと、
を備える情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理方法、プログラム及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動搬送車を用いて物品を格納する棚を複数のピッキングステーションに搬送するシステムが提供されている。各ピッキングステーションでは、係員又はロボットなどのピッキング手段が自動搬送車によって搬送された棚から物品をピッキングする。
【0003】
そのようなシステムでは、ピッキング手段がピッキングに要する時間(処理能力)を予測して、作業計画を立てるものがある。
【0004】
しかしながら、従来、システムは、個々のピッキング手段の処理能力に応じてピッキング手段にピッキング処理を割り当てることができないという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-33154号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の課題を解決するため、ピッキング手段にピッキング処理を効果的に割り当てることができる情報処理方法、プログラム及び情報処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、プロセッサによって実行される情報処理方法は、外部装置から取得するオーダーリストに基づいて、自動搬送車が搬送する棚から物品をピッキングするピッキング作業のピッキング作業リストを生成し、過去のピッキング作業に関連する作業ログに基づいて、ピッキング手段毎に前記ピッキング作業リストに含まれる前記ピッキング作業を処理する処理能力を算出し、前記処理能力に基づいて、生成された前記ピッキング作業リストに含まれる前記ピッキング作業を前記ピッキング手段毎に割り付ける。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係るピッキングシステムの構成例を概念的に示す図である。
図2図2は、実施形態に係るピッキングシステムの構成例を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態に係る上位管理装置の構成例を示すブロック図である。
図4図4は、実施形態に係るAGVの構成例を示すブロック図である。
図5図5は、実施形態に係る上位管理装置の動作例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る上位管理装置の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。
実施形態に係るピッキングシステムは、物流システムなどにおいて棚から物品をピッキングする。ピッキングシステムは、自動搬送車(Automated Guided Vehicle(AGV))を用いて棚をピッキングステーションに搬送する。ピッキングシステムは、ピッキングステーションにおいて棚から物品をピッキングする。ピッキングシステムは、係員又はロボットなどのピッキング手段に棚から物品をピッキングさせる。たとえば、ピッキングシステムは、物流センタ又は倉庫などで用いられる。
【0010】
図1は、実施形態に係るピッキングシステム100の構成例を概念的に示す図である。また、図2は、ピッキングシステム100の構成例を示すブロック図である。
図1及び図2が示すように、ピッキングシステム100は、複数(ここでは、3個)のピッキングステーションP、上位管理装置1、ネットワーク2、外部装置3、AGV7及びAGV棚8などを備える。ピッキングステーションPは、トレイ10、作業管理部112及びピッキング手段113などを備える。ネットワーク2は、上位管理装置1、AGV7及び作業管理部112に接続する。上位管理装置1は、外部装置3に接続する。
【0011】
外部装置3は、倉庫管理システム(Warehouse Management System(WMS))と呼ばれ、1又は複数のコンピュータで実現可能である。外部装置3は、ピッキングする物品を示すオーダーリストを上位管理装置1に送信する。
【0012】
上位管理装置1(情報処理装置)は、倉庫内に保管される物品に関する物品管理情報などを記憶する。物品管理情報は、各AGV棚8が格納する物品を示す。
上位管理装置1は、外部装置からピッキングする物品を示すオーダーリストを取得する。上位管理装置1は、オーダーリストに基づいて、AGV棚8を各ピッキングステーションPに搬送する。上位管理装置1については、後に詳述する。
【0013】
ネットワーク2は、上位管理装置1、AGV7及び作業管理部112の間の通信を中継する。たとえば、ネットワーク2は、LAN(local area network)である。AGV7は、ネットワーク2に無線で接続するものであってもよい。
【0014】
AGV7は、AGV棚8をピッキングステーションPに搬送する。AGV7は、上位管理装置1又は作業管理部112からの制御信号などに基づき動作する。例えば、AGV7は、指定された積み込み位置へ向かって走行し、指定された積み込み位置のAGV棚8を持ち上げる。AGV7は、指定された積み降ろし位置へ向かって走行し、指定された積み降ろし位置でAGV棚8を降ろす。
【0015】
AGV棚8は、物品保管エリアに配置されている。AGV棚8は、物品を格納する棚である。例えば、AGV棚8は、四本の支柱で直立する。AGV棚8の棚下の高さは(床面から棚底までの高さ)、AGV7の高さよりも高い。これにより、AGV7は、AGV棚8の棚下に潜り込むことができる。棚下に潜り込んだAGV7は、プッシャーにより床面から支柱の先端が数センチ離れる程度にAGV棚8を持ち上げて、AGV棚8を持ち上げた状態で走行する。このようにしてAGV7は、AGV棚8を搬送する。
【0016】
また、AGV棚8には、固定式カメラ又は移動式カメラ等で読み取り可能な棚識別情報が貼り付けられてもよい。物品にも、固定式カメラ又は移動式カメラ等で読み取り可能な物品識別情報が貼り付けられてもよい。例えば、棚識別情報及び物品識別情報は、バーコードや二次元コードである。なお、ピッキングシステム100は、固定式カメラ又は移動式カメラとは別に、これら棚識別情報及び物品識別情報を読み取る複数のリーダを備えてもよい。
【0017】
ピッキングステーションPは、出庫作業エリアに配置されている。ピッキングステーションPは、AGV7により搬送されたAGV棚8を受け入れる。ピッキングステーションPは、受け入れたAGV棚8から物品をピッキングする。ピッキングステーションPは、ピッキングされた物品をトレイ10に投入する。
【0018】
作業管理部112は、ピッキングステーションPでのピッキング作業を管理する。たとえば、作業管理部112は、表示部及び操作部などを備える。作業管理部112は、上位管理装置1からの制御に従って、ピッキングする物品を示す情報を表示部に表示する。また、作業管理部112は、ピッキング手段113としての係員から、ピッキングが完了した物品を示す操作の入力を受け付ける。作業管理部112は、入力された操作を示す情報を上位管理装置1に送信する。
【0019】
たとえば、作業管理部112は、デスクトップPC、ノートPC又はタブレットPCなどである。
【0020】
ピッキング手段113は、上位管理装置1からの指示に従ってAGV棚8から物品を把持する。ピッキング手段113は、作業者又はピッキングロボットである。作業者としてのピッキング手段113は、作業管理部112に表示される物品を目視で確認して物品をピッキングする。ピッキング手段113は、ピッキングされた物品をトレイ10に投入する。ピッキング手段113は、物品をトレイ10に投入すると、ピッキングが完了した物品を示す操作を作業管理部112に入力する。
【0021】
また、ピッキング手段113がピッキングロボットである場合、ピッキングステーションPは、作業管理部112を備えなくともよい。
また、ピッキングステーションPは、ピッキング手段113として、係員及びピッキングロボットの両者を有するものであってもよい。
ここでは、ピッキング手段113は、作業者であるものとする。
【0022】
次に、上位管理装置1について説明する。
図3は、実施形態に係る上位管理装置1の構成例を示すブロック図である。
上位管理装置1は、1又は複数のコンピュータにより構成される。例えば、上位管理装置1は、プロセッサ11、ROM12、RAM13、補助記憶デバイス14、及び通信インタフェース15などを備える。
【0023】
プロセッサ11と、ROM12、RAM13、補助記憶デバイス14、及び通信インタフェース15とは、データバス又はインタフェースなどを介して互いに接続する。
【0024】
プロセッサ11は、上位管理装置1全体の動作を制御する機能を有する。プロセッサ11は、内部キャッシュ及び各種のインタフェースなどを備えてもよい。プロセッサ11は、内部メモリ、ROM12又は補助記憶デバイス14が予め記憶するプログラムを実行することにより種々の処理を実現する。
【0025】
たとえば、プロセッサ11は、CPU(Central Processing Unit)である。なお、プロセッサ11は、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、又はFPGA(Field-Programmable Gate Array)等のハードウェアにより実現されてもよい。
【0026】
ROM12は、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であり、上記のプログラムを記憶する。また、ROM12は、プロセッサ11が各種の処理を行う上で使用するデータ又は各種の設定値などを記憶する。RAM13は、データの読み書きに用いられるメモリである。RAM13は、プロセッサ11が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアなどとして利用される。
【0027】
補助記憶デバイス14は、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であり、上記のプログラムを記憶する場合もある。また、補助記憶デバイス14は、プロセッサ11が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサ11での処理によって生成されたデータ又は各種の設定値などを保存する。
【0028】
補助記憶デバイス14(記憶部)は、各AGV棚8が格納する物品を示す物品管理情報を予め格納する。たとえば、物品管理情報は、AGV棚8を示す棚コードとAGV棚8が格納する物品を示す物品コードとを対応付けて格納する。
【0029】
なお、ROM12又は補助記憶デバイス14に上記のプログラムが記憶された状態で、上位管理装置1が譲渡されてもよいし、上記のプログラムを記憶しない状態で、上位管理装置1が譲渡されてもよい。後者の場合、上位管理装置1は、光ディスク又は半導体メモリのようなリムーバブルな記憶媒体に記憶された上記のプログラムを読み取り、読み取ったプログラムを補助記憶デバイス14へ書き込む。又は、上位管理装置1は、ネットワークなどを介して上記のプログラムをダウンロードし、ダウンロードしたプログラムを補助記憶デバイス14へ書き込む。
【0030】
通信インタフェース15は、種々の装置とデータを送受信するためのインタフェースである。通信インタフェース15は、AGV7及び作業管理部112などに接続する。また、通信インタフェース15は、外部装置3などからオーダーリストなどを取得する。たとえば、通信インタフェース15は、LAN(local area network)接続などをサポートする。また、通信インタフェース15は、外部装置3とテータを送受信するためのインタフェースと、AGV7とデータを送受信するためのインタフェースと、作業管理部112とデータを送受信するためのインタフェースと、から構成されてもよい。
【0031】
次に、AGV7について説明する。
図4は、実施形態に係るAGV7の構成例を示すブロック図である。
AGV7は、プロセッサ71、ROM72、RAM73、補助記憶デバイス74、通信インタフェース75、駆動部76、センサ77、バッテリー78、充電機構79、及びタイヤ70などを備える。
【0032】
プロセッサ71は、AGV7全体の動作を制御する機能を有する。プロセッサ71は、内部キャッシュ及び各種のインタフェースなどを備えてもよい。プロセッサ71は、内部メモリ、ROM72又は補助記憶デバイス74が予め記憶するプログラムを実行することにより種々の処理を実現する。
【0033】
たとえば、プロセッサ71は、CPUである。なお、プロセッサ71は、LSI、ASIC、又はFPGA等のハードウェアにより実現されてもよい。
【0034】
プロセッサ71は、加速、減速、停止、方向転換、及びAGV棚8の積み降ろし等の動作に必要な演算及び制御などの処理を行う。プロセッサ71は、上位管理装置1又は作業管理部112などからの制御信号に基づき、ROM72等に記憶されたプログラムを実行することにより、駆動信号を生成し各部に出力する。
【0035】
例えば、上位管理装置1又は作業管理部112は、AGV7を現在位置から第1の位置(目的のAGV棚8の位置)へ移動させて第1の位置から第2の位置(目的のピッキングステーションPの位置)へ移動させる制御信号を送信する。また、上位管理装置1又は作業管理部112は、AGV7を第2の位置から第1の位置へ移動させる制御信号を送信する。AGV7のプロセッサ71は、上位管理装置1又は作業管理部112から送信される制御信号に応じた駆動信号を出力する。これにより、AGV7は、現在位置から第1の位置へ移動し、第1の位置から第2の位置へ移動し、第2の位置から第1の位置へ移動する。また、プロセッサ71は、上位管理装置1又は作業管理部112から送信される制御信号に含まれるAGV棚8の積み降ろし指示に応じた駆動信号を出力する。これにより、AGV7は、プッシャーによりAGV棚8を持ち上げたり、持ち上げたAGV棚8を降ろしたりする。
【0036】
ROM72は、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であり、上記のプログラムを記憶する。また、ROM72は、プロセッサ71が各種の処理を行う上で使用するデータ又は各種の設定値などを記憶する。RAM73は、データの読み書きに用いられるメモリである。RAM73は、プロセッサ71が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアなどとして利用される。
【0037】
補助記憶デバイス74は、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であり、上記のプログラムを記憶する場合もある。また、補助記憶デバイス74は、プロセッサ71が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサ71での処理によって生成されたデータ又は各種の設定値などを保存する。
【0038】
通信インタフェース75は、無線LANアクセスポイントなどを通じて上位管理装置1又は作業管理部112などとデータを送受信するインタフェースである。たとえば、通信インタフェース75は、無線LAN接続をサポートする。
【0039】
駆動部76は、モータ等であり、プロセッサ71から出力される駆動信号に基づきモータを回転又は停止する。モータの動力は、タイヤ70に伝達され、操舵機構に伝達される。このようなモータからの動力により、AGV7は、目的位置へ移動する。
【0040】
また、AGV7がAGV棚8下に潜り込んだ状態で、駆動部76は、プロセッサ71から出力される駆動信号に基づきモータを回転(順回転)する。このモータからの動力によりプッシャーが上昇しAGV棚8が持ち上げられる。また、AGV7が目的位置に到達した後、駆動部76は、プロセッサ71から出力される駆動信号に基づきモータを回転(逆回転)する。このモータからの動力によりプッシャーが下降しAGV棚8が床面に降ろされる。
【0041】
センサ77は、複数の反射センサである。各反射センサは、AGV7の周囲に取り付けられる。各反射センサは、レーザ光を照射し、レーザ光を照射してからレーザ光が物体で反射して戻るまでの時間を検出し、検出された時間に基づき物体までの距離を検知し、検知信号をプロセッサ71へ通知する。プロセッサ71は、センサ77からの検知信号に基づき、AGV7の走行を制御する制御信号を出力する。例えば、プロセッサ71は、センサ77からの検知信号に基づき、物体への衝突を回避する減速又は停止等の制御信号を出力する。なお、センサ77以外に、カメラを備え、カメラが、周辺を撮影し撮影画像をプロセッサ71へ出力してもよい。この場合、プロセッサ71は、撮影画像を解析し、物体への衝突を回避する減速又は停止等の制御信号を出力する。
【0042】
バッテリー78は、駆動部76等に必要な電力を供給する。充電機構79は、充電ステーションとバッテリー78とを接続する機構であり、バッテリー78は、充電機構79を介して充電ステーションなどから供給される電力により充電される。
【0043】
次に、上位管理装置1が実現する機能について説明する。プロセッサ11が実現する機能は、プロセッサ11が内部メモリ、ROM12又は補助記憶デバイス14などに格納されるプログラムを実行することで実現される。
【0044】
まず、プロセッサ11は、ピッキングする物品を示すオーダーリストを取得する機能を有する。
プロセッサ11は、通信インタフェース15を通じて外部装置3からオーダーリストを取得する。また、プロセッサ11は、操作部などを通じてオーダーの入力を受け付けるものであってもよい。
【0045】
たとえば、オーダーリストは、ピッキングする物品と当該物品の配送先などとを対応付けるオーダーから構成される。ここでは、オーダーリストは、複数のオーダーから構成される。たとえば、オーダーは、注文伝票などである。
また、プロセッサ11は、オーダーに基づいてピッキング作業のピッキング作業リストを生成する機能を有する。
ピッキング作業は、一度のAGV棚8の呼び出しで同時にピッキング可能な作業のまとまりである。
【0046】
たとえば、プロセッサ11は、あるオーダーと他のオーダーとが同一のAGV棚8に格納される物品を示す場合、2つのオーダーを1つのピッキング作業にまとめる。また、プロセッサ11は、1つのオーダーを1つのピッキング作業としてもよい。また、オーダーが複数の物品を示す場合、プロセッサ11は、当該オーダーの物品ごとに、ピッキング作業を生成してもよい。
【0047】
ここでは、プロセッサ11は、ピッキング作業リストとして、作業a乃至fを示すピッキング作業リストを生成したものとする。
【0048】
ピッキング作業リストを生成すると、プロセッサ11は、物品管理情報などに基づいて、ピッキング作業と、当該ピッキング作業の物品を格納するAGV棚8と、を紐付ける。
【0049】
また、プロセッサ11は、各ピッキング手段113が各ピッキング作業を処理する処理能力を予測する機能を有する。
【0050】
ここでは、処理能力は、ピッキング手段113がピッキング作業を完了するまでに要する作業時間である。また、処理能力は、スカラー値である。
【0051】
プロセッサ11は、作業ログに基づいて、処理能力を予測する。
【0052】
ここでは、補助記憶デバイス14は、作業ログを予め格納する。作業ログは、ピッキング作業に関するログである。たとえば、作業ログは、過去のピッキング作業ごとに、ピッキング手段113の属性(項目)、ピッキングされる物品の属性(項目)、及び、作業時間を対応付けたデータセットを格納する。
【0053】
ピッキング手段113の属性は、ピッキング手段113のID(作業者のID(作業者ID))、勤務継続時間(勤務開始時間からの経過時間)、勤務年数、年齢、性別及び身長などから構成される。
【0054】
ピッキングされる物品の属性は、ピッキングされる物品のID(物品ID)、個数、形状、材質、及び、AGV棚8における保管位置などから構成される。
【0055】
作業時間は、ピッキング手段113がピッキング作業を完了するまでに要した作業時間である。
【0056】
プロセッサ11は、作業ログに基づいて、処理能力を予測する予測モデルを生成する。
たとえば、プロセッサ11は、予測モデルとして、以下の関数を生成する。
【0057】
【数1】
【0058】
ここで、yは、予測される処理能力である。また、x1,x2,…は、ピッキング手段113の属性(又は、属性の一部)及びピッキングされる物品の属性(又は、属性の一部)に関する項目の値である。
【0059】
プロセッサ11は、上記の式において、作業ログの作業時間(現実の作業時間)とyとの誤差が小さくなるように、fのパラメータを決定する。たとえば、プロセッサ11は、作業ログの作業時間とyとの二乗平均平方根誤差
【0060】
【数2】
【0061】
が小さくなるように、関数fのパラメータを決定する。ここで、nは、サンプル数(ピッキング作業の個数)である。
【0062】
予測モデルを生成すると、プロセッサ11は、生成されたピッキング作業リストに含まれるピッキング作業においてピッキングされる物品の属性と各ピッキング手段113の属性とを関数fに入力して、処理能力を予測する。
【0063】
なお、プロセッサ11は、過去の作業実績がないピッキング手段113に対しては、当該ピッキング手段113の属性に近いピッキング手段113の予測モデルを初期値として学習を進めてもよい。
【0064】
また、プロセッサ11は、予測モデルに因らずに処理能力を予測してもよい。たとえば、プロセッサ11は、生成されたピッキング作業リストに含まれるピッキング作業においてピッキングされる物品とピッキング手段113の属性とを備えるデータセットを作業ログから取得する。データセットを取得すると、プロセッサ11は、取得されたデータセットの作業時間を処理能力として取得する。また、複数のデータセットを取得した場合、プロセッサ11は、データセットの作業時間の平均値を処理能力として取得してもよい。
【0065】
また、プロセッサ11は、生成されたピッキング作業リストに含まれるピッキング作業においてピッキングされる物品とピッキング手段113の属性とに類似するデータを備えるデータセットを作業ログから取得してもよい。データセットを取得すると、プロセッサ11は、取得されたデータセットの作業時間を処理能力として取得する。また、複数のデータセットを取得した場合、プロセッサ11は、データセットの作業時間の平均値を処理能力として取得してもよい。
プロセッサ11が処理能力を予測する方法は、特定の方法に限定されるものではない。
【0066】
プロセッサ11は、上記の通り、各ピッキング手段113が各ピッキング作業を処理する処理能力を予測する。
【0067】
ここでは、プロセッサ11は、ピッキング手段113として、作業者A乃至Cの処理能力を予測する。即ち、プロセッサ11は、各作業者A乃至Cが各作業a乃至fを処理する処理能力を予測する。
【0068】
また、プロセッサ11は、予測された処理能力に基づいて、ピッキングステーションPにピッキング作業を割り付ける機能を有する。
【0069】
即ち、プロセッサ11は、処理能力に基づいて、ピッキングステーションPのピッキング手段113にピッキング作業を割り付ける。
【0070】
たとえば、プロセッサ11は、全体の処理時間が最小になるように、ピッキング手段113にピッキング作業を割り付ける。即ち、プロセッサ11は、最後のピッキングが完了するピッキングステーションPの処理時間の合計が最小になるようにピッキング手段113にピッキング作業を割り付ける。
【0071】
プロセッサ11は、以下の目的関数に従って、ピッキング手段113に対するピッキング作業の割り付けを最適化する。
【0072】
【数3】
【0073】
ここで、T1,T2…Tmは、各ピッキングステーションPにおいて、割り付けられたピッキング作業の処理能力の合計である。また、mは、ピッキングステーションPの個数である。
【0074】
図5は、プロセッサ11は、ピッキング手段113としての作業者A乃至Cにピッキング作業としての作業a乃至fを割り付ける動作例を示す。
【0075】
図5は、作業者A乃至Cが作業a乃至fを処理する処理能力を示す。たとえば、図5では、作業者Aが作業aを処理する処理能力は、「2」である。
【0076】
また、図5は、作業a乃至fの割り付けを示す。図5では、処理能力の右横に、割り付けを示すフラグが表示されている。フラグは、作業が割り付けられていないことを示す「0」、又は、作業が割り付けられていることを示す「1」の何れかである。
【0077】
まず、割り付けが最適化されていない割付例(例(a))について説明する。
【0078】
例(a)は、作業者A乃至Cに作業a乃至fを2つずつ順に割り付けた例である。即ち、作業者Aには、作業a及びbが割り付けられている。また、作業者Bには、作業c及びdが割り付けられている。作業者Cには、作業e及びfが割り付けられている。
【0079】
例(a)では、作業者Aは、5(処理能力の合計)でピッキングを完了する。また、作業者Bは、9(処理能力の合計)でピッキングを完了する。作業者Cは、16(処理能力の合計)でピッキングを完了する。
従って、例(a)では、スループットは、16(5、9及び16で最も遅い値)である。
【0080】
次に、割り付けが最適化された割付例(例(b))について説明する。
【0081】
例(b)では、スループットが最小になるように作業者A乃至Cに作業a乃至fが割り付けられている。作業者Aには、作業b及びeが割り付けられている。また、作業者Bには、作業a及びfが割り付けられている。作業者Cには、作業c及びdが割り付けられている。
【0082】
例(b)では、作業者Aは、8(処理能力の合計)でピッキングを完了する。また、作業者Bは、8(処理能力の合計)でピッキングを完了する。作業者Cは、7(処理能力の合計)でピッキングを完了する。
従って、例(b)では、スループットは、8(8、8及び7で最も遅い値)である。
【0083】
プロセッサ11は、ピッキング作業の割り付けに従って各ピッキングステーションPにおいてピッキング作業を処理する機能を有する。
【0084】
ここでは、所定のピッキングステーションPについて説明する。
プロセッサ11は、当該ピッキングステーションPに割り付けられたピッキング作業を取得する。ピッキング作業を取得すると、プロセッサ11は、ピッキング作業に紐付いたAGV棚8を選択する。AGV棚8を選択すると、プロセッサ11は、選択されたAGV棚8をピッキングステーションPに搬送する。
【0085】
たとえば、プロセッサ11は、通信インタフェース15を通じて、AGV7の1つに、選択されたAGV棚8に移動するように制御信号を送信する。
【0086】
AGV7が制御信号に従って当該AGV棚8の下に移動すると、プロセッサ11は、通信インタフェース15を通じて、当該AGV7に当該AGV棚8を持ち上げるように制御信号を送信する。
【0087】
AGV7が制御信号に従って当該AGV棚8を持ち上げると、プロセッサ11は、通信インタフェース15を通じて、当該AGV7にピッキングステーションPに移動するように制御信号を送信する。
【0088】
AGV7が制御信号に従ってピッキングステーションPに移動すると、プロセッサ11は、ピッキング手段113にピッキング作業を実行させる。即ち、プロセッサ11は、ピッキング作業が示す物品を作業管理部112に表示する。
【0089】
ここで、ピッキング手段113は、作業管理部112に表示される物品を当該AGV棚8からピッキングする。ピッキング手段113は、ピッキングされた物品をピッキング作業に対応するトレイ10に投入する。
【0090】
物品のピッキングが完了すると、プロセッサ11は、ピッキング作業に関するログとしてのデータセットを生成する。データセットを生成すると、プロセッサ11は、作業ログにデータセットを追加する。
【0091】
作業ログにデータセットを追加すると、プロセッサ11は、次のピッキング作業について同様にピッキングステーションPに物品をピッキングさせる。プロセッサ11は、各ピッキング作業について同様に動作する。
【0092】
また、プロセッサ11は、各ピッキングステーションに同様に同時並行で物品をピッキングさせる。
【0093】
また、プロセッサ11は、ピッキング作業を処理している間において、所定の条件が満たされると、予測モデルを更新する。たとえば、プロセッサ11は、ピッキング作業において予測された処理能力と実際の作業時間との差が所定の閾値を超えた場合、予測モデルを更新する。また、プロセッサ11は、所定の時間が経過するごとに予測モデルを更新するものであってもよい。また、プロセッサ11は、オペレータの操作に従って予測モデルを更新するものであってもよい。また、プロセッサ11は、過去にピッキングされていない物品をピッキングした場合、予測モデルを更新してもよい。
【0094】
予測モデルを更新すると、プロセッサ11は、再度、処理能力を予測する。処理能力を予測すると、プロセッサ11は、ピッキング手段113に未処理のピッキング作業を割り付け直す。
【0095】
次に、上位管理装置1の動作例について説明する。
図6は、上位管理装置1の動作例について説明するためのフローチャートである。
【0096】
まず、上位管理装置1のプロセッサ11は、通信インタフェース15を通じて、オーダーリストを外部装置3から取得する(S11)。オーダーリストを取得すると、プロセッサ11は、オーダーリストに基づいて、ピッキング作業のピッキング作業リストを生成する(S12)。
【0097】
ピッキング作業リストを生成すると、プロセッサ11は、生成されたピッキング作業リストに含まれるピッキング作業とAGV棚8とを紐付ける(S13)。生成されたピッキング作業リストに含まれるピッキング作業とAGV棚8とを紐付けると、プロセッサ11は、作業ログに基づいて、予測モデルを生成する(S14)。
【0098】
予測モデルを生成すると、プロセッサ11は、生成された予測モデルに基づいて、各ピッキング手段113が各ピッキング作業を処理する処理能力を予測する(S15)。処理能力を予測すると、プロセッサ11は、予測された処理能力に基づいて、ピッキングステーションPにピッキング作業を割り付ける(S16)。
【0099】
ピッキングステーションPにピッキング作業を割り付けると、プロセッサ11は、割り付けに従って、各ピッキングステーションPにAGV棚8を呼び出す(S17)。各ピッキングステーションPにAGV棚8を呼び出すと、プロセッサ11は、ピッキング手段113にピッキング作業を実行させる(S18)。
【0100】
ピッキング手段113にピッキング作業を実行させると、プロセッサ11は、作業ログにデータセットを追記する(S19)。作業ログにデータセットを追記すると、プロセッサ11は、予測モデルを更新するかを判定する(S20)。
【0101】
予測モデルを更新すると判定すると(S20、YES)、プロセッサ11は、S14に戻る。
【0102】
予測モデルを更新しないと判定すると(S20、NO)、プロセッサ11は、未処理のピッキング作業があるかを判定する(S21)。未処理のピッキング作業があると判定すると(S21、YES)、プロセッサ11は、S17に戻る。
【0103】
未処理のピッキング作業がないと判定すると(S21、NO)、プロセッサ11は、動作を終了する。
【0104】
なお、プロセッサ11は、S17乃至S21をピッキングステーションPごとに平行して実行してもよい。
【0105】
また、予測モデルは、深層学習で得られたニューラルネットワークであってもよい。
また、プロセッサ11は、ピッキング手段113ごとに予測モデルを生成するものであってもよい。
【0106】
また、プロセッサ11は、AGV棚8の呼び出しの衝突又は待ち待ち時間の発生を防ぐために、ピッキングステーションPの作業進捗に応じてピッキング作業の順序を変更してもよい。
【0107】
また、プロセッサは、AGV棚8の呼び出しの衝突又は待ち待ち時間の発生を回避するため、又は、作業平準化のためなどから大きな計画変更が必要な場合には、ピッキングステーションP間でピッキング作業の割付を変更してもよい。
【0108】
ピッキングステーションP間での作業計画変更が可能な作業範囲(計画反映のタイミング)は、物流倉庫におけるトレイの運用方法によっても異なる。オーダーIDとトレイIDが予め紐づけされた状態でトレイが各ピッキングステーションに配分される場合、既に配分済みのトレイに対応した作業については変更ができない(作業順序の入れ替えは可能)。各ピッキングステーションPでオーダーIDとトレイIDの紐づけが可能な場合は、より自由度の高い計画変更が可能となる。
【0109】
また、ピッキングステーションPでのピッキング作業については、一回のAGV棚8の呼び出しにおいて、呼び出したAGV棚の中に保管されている物品が複数のオーダーに記載されている場合、ピッキング手段113は、AGV棚8から同一物品を複数個ピッキングし、複数のトレイに格納してもよい。
【0110】
また、あるオーダーに記載された異なる物品が呼び出したAGV7棚の中にまとめて保管されている場合、ピッキング手段113は、異なる商品を同じAGV棚8からまとめてピッキングしてもよい。また、上記作業の組み合わせて行ってもよい。プロセッサ11は、取得したオーダーリストに対して並び替えを行う際、上記のピッキング作業効率化を前提としてよい。
【0111】
また、作業ログは、AGV7の動作に関連する項目を備えるものであってもよい。たとえば、作業ログは、AGV7の動作に関連する項目として、AGV7のID、作業開始位置、状態(待機、使用中又は帰還途中)、搬送先(ピッキングステーションPのID)、搬送されるAGV棚8の位置、衝突回避行動の回数、移動距離、消費電力、又は、搬送時間などを備えるものであってもよい。
【0112】
また、プロセッサ11は、AGV7の動作に関連する項目にさらに基づいて、処理能力を予測するものであってもよい。また、プロセッサ11は、AGV7の動作に関連する項目に基づいて、AGV7を選択するものであってもよい。また、プロセッサ11は、AGV7の動作に関連する項目に基づいて、ピッキングステーションPにピッキング作業を割り付けてもよい。
【0113】
また、ピッキング手段113は、ピッキングロボットであってもよい。この場合、作業ログは、ピッキングに成功したか否かを示すフラグを備えるものであってもよい。プロセッサ11は、予測モデルを用いて、処理能力とピッキングの成功確率とを予測するものであってもよい。プロセッサ11は、成功確率が所定の閾値以上であるピッキング手段113にピッキング処理を割り付けてもよい。
【0114】
また、上位管理装置1とピッキングステーションPとの間にロボットなどを制御するロボット制御装置を備えるものであってもよい。外部装置3、AGV制御装置又はロボット制御装置は、上位管理装置1の機能又は一部の機能を実現するものであってもよい。
【0115】
次に、予測される処理能力の他の例について説明する。
ここでは、プロセッサ11は、処理能力として、確率変数の確率分布を生成する。処理能力としても確率分布は、ピッキング手段113がピッキング作業を完了するまでに要する作業時間の確率分布である。
【0116】
たとえば、プロセッサ11は、作業ログに基づいて、確率分布を出力する予測モデルを生成する。予測モデルは、ピッキング手段113の属性(又は、属性の一部)及びピッキングされる物品の属性(又は、属性の一部)を入力すると、処理能力としてピッキング手段113がピッキング処理を実行する作業時間の確率分布を出力する。
【0117】
たとえば、予測モデルは、関数であってもよい。また、予測モデルは、深層学習で得られたニューラルネットワークであってもよい。
【0118】
また、プロセッサ11は、確率的システムを模擬するシミュレーションを行い、シミュレーションの結果から確率分布を推定するものであってもよい。この場合、プロセッサ11は、作業ログから確率分布の形状及びパラメータを任意に選び、これらを初期条件としてシミュレーションを行ってもよい。
【0119】
また、プロセッサ11は、処理能力として生成された確率分布に基づいて、各ピッキングステーションPにピッキング作業を割り付ける。
【0120】
たとえば、プロセッサ11は、スループットが収まる区間及び信頼係数(たとえば、95%の確率で1から2時間など)の入力をオペレータから受け付ける。
【0121】
区間及び信頼係数の入力を受け付けると、プロセッサ11は、信頼係数の確率で当該区間にスループットが収まるように、生成された確率分布に基づいて、各ピッキングステーションPにピッキング作業を割り付ける。
【0122】
なお、プロセッサ11は、AGV7の移動時間など、AGV7に関する項目にさらに基づいて、各ピッキングステーションPにピッキング作業を割り付けてもよい。
【0123】
以上のように構成された上位管理装置は、ピッキング手段ごとにピッキング作業に要する処理能力を推測する。上位管理装置は、推測された処理能力に基づいて、各ピッキングステーションにピッキング作業を割り付ける。その結果、上位管理装置は、個々のピッキング手段の処理能力に応じてピッキングステーションにピッキング作業を効果的に割り付けることができる。
【0124】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0125】
1…上位管理装置、2…ネットワーク、3…外部装置、7…AGV、8…AGV棚、10…トレイ、11…プロセッサ、12…ROM、13…RAM、14…補助記憶デバイス、15…通信インタフェース、70…タイヤ、71…プロセッサ、72…ROM、73…RAM、74…補助記憶デバイス、75…通信インタフェース、76…駆動部、77…センサ、78…バッテリー、79…充電機構、100…ピッキングシステム、112…作業管理部、113…ピッキング手段。
図1
図2
図3
図4
図5
図6