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  • 特開-発泡樹脂製の天井点検口部材 図1
  • 特開-発泡樹脂製の天井点検口部材 図2
  • 特開-発泡樹脂製の天井点検口部材 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173938
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】発泡樹脂製の天井点検口部材
(51)【国際特許分類】
   E04F 19/08 20060101AFI20231130BHJP
【FI】
E04F19/08 101E
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022086507
(22)【出願日】2022-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】319011502
【氏名又は名称】YPC株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】592050607
【氏名又は名称】大竜化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141586
【弁理士】
【氏名又は名称】沖中 仁
(74)【代理人】
【識別番号】100102211
【弁理士】
【氏名又は名称】森 治
(72)【発明者】
【氏名】足立 清泰
(72)【発明者】
【氏名】島内 国信
(72)【発明者】
【氏名】金森 信幸
(72)【発明者】
【氏名】錦戸 潤
(57)【要約】
【課題】外枠部に対する隔壁部の着脱機構の構造が簡単で扱いやすく、外枠部に対する隔壁部の脱着作業を簡易に行うことができる発泡樹脂製の天井点検口部材を提供すること。
【解決手段】隔壁部3の下面側の両側面に凹形状の挟持部31を形成するとともに、挟持部31の内側に仕切壁32を隔てて溝33を形成し、外枠部2及び隔壁部3に挟持部31の操作によって係脱する嵌合部24、34を形成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡樹脂材料からなる外枠部の内側に、発泡樹脂材料からなる隔壁部を嵌め込むことによって、外枠部の開口で構成される点検口部の気密状態を維持するようにした発泡樹脂製の天井点検口部材において、前記隔壁部の下面側の両側面に凹形状の挟持部を形成するとともに、該挟持部の内側に仕切壁を隔てて溝を形成し、外枠部及び隔壁部に挟持部の操作によって係脱する嵌合部を形成するようにしてなることを特徴とする発泡樹脂製の天井点検口部材。
【請求項2】
前記外枠部の内周面及び隔壁部の外周面の四方の角部が上面から下面に亘るR面に形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の発泡樹脂製の天井点検口部材。
【請求項3】
前記外枠部の内周面と隔壁部の外周面との摺接面が蒸気孔跡を有しないことを特徴とする請求項1又は2に記載の発泡樹脂材料からなる点検口部材の隔壁部の取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井点検口部材に関し、特に、発泡樹脂製の天井点検口部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
寒冷地の住宅の天井点検口に関しては、従来から、保温性の向上のために発泡樹脂製の天井点検口部材が用いられている。
【0003】
この発泡樹脂製の天井点検口部材は、天井の点検作業を行うことができるように、発泡樹脂材料からなる外枠部の内側に、発泡樹脂材料からなる隔壁部を嵌め込む構造とし、外枠部の開口で構成される点検口部の気密状態を維持するようにしたものが提案され、実用化されている(例えば、特許文献1~2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001-123653号公報
【特許文献2】特開2005-90064号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、発泡樹脂製の天井点検口部材は、天井裏の点検作業を行う際に、外枠部から隔壁部を取り外し、点検作業の終了後、外枠部に隔壁部を取り付ける必要があるが、上記従来の発泡樹脂製の天井点検口部材は、外枠部に対する隔壁部の脱着作業に手数を要したり、外枠部に対する隔壁部の着脱機構の構造が複雑で扱いにくいという問題があった。
【0006】
本発明は、上記従来の発泡樹脂製の天井点検口部材の有する問題点に鑑み、外枠部に対する隔壁部の着脱機構の構造が簡単で扱いやすく、外枠部に対する隔壁部の脱着作業を簡易に行うことができる発泡樹脂製の天井点検口部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の発泡樹脂製の天井点検口部材は、発泡樹脂材料からなる外枠部の内側に、発泡樹脂材料からなる隔壁部を嵌め込むことによって、外枠部の開口で構成される点検口部の気密状態を維持するようにした発泡樹脂製の天井点検口部材において、前記隔壁部の下面側の両側面に凹形状の挟持部を形成するとともに、該挟持部の内側に仕切壁を隔てて溝を形成し、外枠部及び隔壁部に挟持部の操作によって係脱する嵌合部を形成するようにしてなることを特徴とする。
【0008】
この場合において、前記外枠部の内周面及び隔壁部の外周面の四方の角部が上面から下面に亘るR面に形成されてなるようにすることができる。
【0009】
また、前記外枠部の内周面と隔壁部の外周面との摺接面が蒸気孔跡を有しないようにすることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の発泡樹脂製の天井点検口部材は、隔壁部の下面側の両側面に形成した凹形状の挟持部を、挟持部の内側に仕切壁を隔てて溝を形成することで可動に構成し、挟持部の操作によって、外枠部及び隔壁部に形成した嵌合部を係脱するようにすることにより、外枠
部に対する隔壁部の着脱機構の構造が簡単で扱いやすく、外枠部に対する隔壁部の脱着作業を簡易に行うことができる。
【0011】
また、外枠部の内周面及び隔壁部の外周面の四方の角部が上面から下面に亘るR面に形成されてなるようにすることにより、外枠部に対する隔壁部の脱着作業を円滑に行うことができる。
【0012】
また、外枠部の内周面と隔壁部の外周面との摺接面が蒸気孔跡を有しないようにすることにより、外枠部に対する隔壁部の脱着作業を円滑に行うことができるようにするとともに、点検口部の気密状態を良好に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の発泡樹脂製の天井点検口部材の一実施例を示し、(a)は平面図、(b)は正面断面図、(c)は底面図、(d)は左側面断面図、(e)は斜視図である。
図2】同発泡樹脂製の天井点検口部材の外枠部を示し、(a)は平面図、(b)は正面断面図、(c)は底面図、(d)は左側面断面図、(e)は斜視図である。
図3】同発泡樹脂製の天井点検口部材の隔壁部を示し、(a)は平面図、(b)は正面断面図、(c)は底面図、(d)は左側面断面図、(e)は斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の発泡樹脂製の天井点検口部材の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【0015】
図1図3に、本発明の発泡樹脂製の天井点検口部材の一実施例を示す。
この発泡樹脂製の天井点検口部材1は、特許文献1~2に記載された従来の発泡樹脂製の天井点検口部材と同様、天井点検口に設けられるもので、発泡樹脂材料からなる外枠部2の内側に、発泡樹脂材料からなる隔壁部3を嵌め込むことによって、外枠部2の開口で構成される点検口部21の気密状態を維持するようにしている。
【0016】
この天井点検口部材1は、平面寸法が240~600mm×240~600mm程度(本実施例においては、455×455mm。)、高さ方向の寸法が150~350mm程度(本実施例においては、290mm。)、点検口部21の平面寸法が150~400mm×150~400mm程度(本実施例においては、369mm×379mm。)に形成するようにする。
【0017】
そして、隔壁部3の下面側の両側面に凹形状の挟持部31を形成するとともに、挟持部31の内側に仕切壁32を隔てて溝33を形成し、外枠部2及び隔壁部3に挟持部31の操作によって係脱する嵌合部24、34を形成するようにしている。
なお、本実施例においては、嵌合部24を凸形状に、嵌合部34を凹形状に形成するようにしているが、嵌合形状は、これに限定されない。
【0018】
挟持部31は、作業者の手を指を伸ばした状態で差し込むことができるように、平面寸法が50~150mm×20~30mm(本実施例においては、100×24mm。)程度、高さ方向の寸法が40~120mm程度(本実施例においては、80mm。)に形成するようにする。
また、隔壁部3の下面には、凹部36を形成し、作業者が、挟持部31に手を差し込んだ状態で、凹部36に親指を掛けて、隔壁部3を安定して挟持できるようにしている。
【0019】
そして、この挟持部31を、挟持部31の内側に仕切壁32を隔てて溝33を形成することで可動に構成し、両側の挟持部31を内向きに押圧し、変位させる操作によって、外
枠部2及び隔壁部3に形成した嵌合部24、34を係脱するようにしている。
これにより、外枠部2に対する隔壁部3の着脱機構の構造が簡単で扱いやすく、外枠部2に対する隔壁部3の脱着作業を簡易に行うことができる。
【0020】
ここで、挟持部31の内側に仕切壁32を隔てて形成した溝33は、鉤形に形成することでラビリンス状となり、断熱性を向上することができるようにしている。
【0021】
外枠部2の内周面及び隔壁部3の外周面の四方の角部25、35が上面から下面に亘るR面に形成されてなるようにしている。
これにより、挟持部31を作業者の手を指を伸ばした状態で差し込むことができる形状にしたことと相俟って、外枠部2の内周面に沿って隔壁部3の外周面を平行に摺動させるようにしながら隔壁部3の脱着作業を行うことで、外枠部2に対する隔壁部3の脱着作業を円滑に行うことができる。
【0022】
ところで、発泡樹脂材料からなる外枠部2及び隔壁部3は、蒸気孔を備えた発泡樹脂成形金型内に発泡性樹脂粒子を充填し、発泡性樹脂粒子に蒸気孔を介して蒸気を接触させることで発泡性樹脂粒子を発泡させ、所定の形状に成形するようにしている。
このため、成形された製品の蒸気孔に対応する表面に、小さな凸状の蒸気孔跡が残ることとなる。
【0023】
本実施例においては、発泡樹脂成形金型の外枠部2の内周面と隔壁部3の外周面に対応する箇所には蒸気孔を成形しないようにすることで、外枠部2の内周面と隔壁部3の外周面との摺接面が蒸気孔跡を有しないように成形するようにしている。
これにより、外枠部2に対する隔壁部3の脱着作業を円滑に行うことができるようにするとともに、点検口部21の気密状態を良好に維持することができるようにしている。
【0024】
以上、本発明の発泡樹脂製の天井点検口部材について、その実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明の発泡樹脂製の天井点検口部材は、外枠部に対する隔壁部の着脱機構の構造が簡単で扱いやすく、外枠部に対する隔壁部の脱着作業を簡易に行うことができることから、寒冷地の住宅の天井点検口の断熱の用途に好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0026】
1 天井点検口部材
2 外枠部
21 点検口部
24 嵌合部
25 角部
3 隔壁部
31 挟持部
32 仕切壁
33 溝
34 嵌合部
35 角部
図1
図2
図3