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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173954
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】風向調整装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/15 20060101AFI20231130BHJP
   B60H 1/34 20060101ALI20231130BHJP
   F24F 13/06 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
F24F13/15 C
B60H1/34 611A
F24F13/06 A
F24F13/15 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022086526
(22)【出願日】2022-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】000229955
【氏名又は名称】日本プラスト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100187193
【弁理士】
【氏名又は名称】林 司
(74)【代理人】
【識別番号】100181766
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 均
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 佳範
【テーマコード(参考)】
3L080
3L081
3L211
【Fターム(参考)】
3L080BA07
3L080BA09
3L080BA10
3L081AA01
3L081AA02
3L081AA05
3L081AA06
3L081FA04
3L081FC02
3L211BA05
3L211BA52
3L211DA14
(57)【要約】
【課題】空気の漏れを防止又は抑制可能で、且つ、製造コストの増大を抑制することが可能な風向調整装置を提供する。
【解決手段】本発明の風向調整装置(1)は、ケース体(10,10a)と、ケース体(10,10a)の流路(11)を開閉する複数のガイドフィン(20)とを有し、複数のガイドフィン(20)は、流路(11)の閉鎖時にシャット位置に保持され、ケース壁部(15,17)の内面に、ガイドフィン(20)がシャット位置に回転するときに乗り越える形状を有するとともに、シャット位置に移動したガイドフィン(20)を保持する保持凸部(15a,17a)が設けられ、ガイドフィン(20)が保持凸部(15a,17a)を乗り越えるときの当該ガイドフィン(20)の動作を弾性変形により可能にする弾性部材が設けられている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を流通させる流路を内部に備えるケース体と、前記ケース体内に回転可能に支持される複数のガイドフィンとを有し、複数の前記ガイドフィンは前記流路を開閉する風向調整装置であって、
複数の前記ガイドフィンは、前記ガイドフィンの回転軸方向に直交する断面を見たときに、前記流路の閉鎖時に、隣接する前記ガイドフィンの少なくとも一部が互いに重なり合い、且つ、前記ケース体の一対のケース壁部に近接して配されるガイドフィンのうちの少なくとも一方が前記ケース壁部の内面に接触するシャット位置に保持され、
前記ケース壁部の前記内面に、前記ガイドフィンが前記シャット位置に回転するときに乗り越える形状を有するとともに、前記シャット位置に移動した前記ガイドフィンを保持する保持凸部が設けられ、
前記ガイドフィンが前記保持凸部を乗り越えるときの当該ガイドフィンの動作を弾性変形により可能にする弾性部材が設けられている
ことを特徴とする風向調整装置。
【請求項2】
前記弾性部材は、前記ガイドフィンの回転軸部を挿入する挿入孔を備えたスペーサー部材により形成され、
前記ケース体は、前記スペーサー部材を収容して保持するスペーサー収容部を有する
請求項1記載の風向調整装置。
【請求項3】
前記ケース壁部の前記内面に、前記シャット位置に移動した前記ガイドフィンの一部を収容する収容溝部が設けられ、
前記収容溝部は、前記保持凸部に隣接して配されている
請求項1又は2記載の風向調整装置。
【請求項4】
前記保持凸部は、前記シャット位置に移動した前記ガイドフィンの下流側端縁部又は上流側端縁部を保持する
請求項1又は2記載の風向調整装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケース体内にガイドフィンが回転可能に支持される風向調整装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のインストルメントパネル等には、風向調整装置が設置されている。風向調整装置は、例えば自動車に設けられた空調装置等から温度調節された空気が供給されて、その空気を車室内に吹き出すことができる。更に、風向調整装置に回転可能に設けられたガイドフィン(ガイドルーバーと呼ばれることもある)の向きを変えることによって、風向調整装置から吹き出す空気の向きを調整することが可能である。
【0003】
また、風向調整装置として、ケース体の流路を閉鎖して空気の流通を遮断することにより、車室内への空気の吹き出しを停止させることが可能なシャット機能を備えるものも知られている。例えば特開2007-55427号公報(特許文献1)には、ケース体内に流路を閉鎖する専用のバルブ部材等を設けることなく、風向を調整する複数のガイドフィン同士を部分的に重ね合わせることによって、空気の流通をシャットする機構を備えた風向調整装置が記載されている。以下の説明において、複数のガイドフィンをシャットする機構をフィンシャット機構と略称する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-55427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1のようなフィンシャット機構を備えた従来の風向調整装置では、ガイドフィン同士が重ね合わされている部分や、ガイドフィンがケース体の内面に接触している部分等から空気が漏れないようにするため、複数のガイドフィンによる閉鎖時の気密性を高める必要がある。
【0006】
しかし、フィンシャット機構の気密性を高めるためには、風向調整装置を形成するケース体、各ガイドフィン、及び複数のガイドフィンの回転を連動させるリンク部材等の各部品を高い寸法精度で成形することが求められ、また、各部品を成形する金型を細かく調整する必要がある。このため、風向調整装置の製造コストを高騰させる一因となっている。
【0007】
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、ケース体の流路を複数のガイドフィンで閉鎖したときの気密性を比較的簡単な構造で向上させることによって空気の漏れを防止又は抑制可能で、且つ、製造コストの増大を抑制することが可能な風向調整装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明により提供される風向調整装置は、空気を流通させる流路を内部に備えるケース体と、前記ケース体内に回転可能に支持される複数のガイドフィンとを有し、複数の前記ガイドフィンは前記流路を開閉する風向調整装置であって、複数の前記ガイドフィンは、前記ガイドフィンの回転軸方向に直交する断面を見たときに、前記流路の閉鎖時に、隣接する前記ガイドフィンの少なくとも一部が互いに重なり合い、且つ、前記ケース体の一対のケース壁部に近接して配されるガイドフィンのうちの少なくとも一方が前記ケース壁部の内面に接触するシャット位置に保持され、前記ケース壁部の前記内面に、前記ガイドフィンが前記シャット位置に回転するときに乗り越える形状を有するとともに、前記シャット位置に移動した前記ガイドフィンを保持する保持凸部が設けられ、前記ガイドフィンが前記保持凸部を乗り越えるときの当該ガイドフィンの動作を弾性変形により可能にする弾性部材が設けられていることを特徴とする風向調整装置である。
【0009】
本発明の風向調整装置において、前記弾性部材は、前記ガイドフィンの回転軸部を挿入する挿入孔を備えたスペーサー部材により形成され、前記ケース体は、前記スペーサー部材を収容して保持するスペーサー収容部を有することが好ましい。
【0010】
また、前記ケース壁部の前記内面に、前記シャット位置に移動した前記ガイドフィンの一部を収容する収容溝部が設けられ、前記収容溝部は、前記保持凸部に隣接して配されていることが好ましい。
更に、前記保持凸部は、前記シャット位置に移動した前記ガイドフィンの下流側端縁部又は上流側端縁部を保持することが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の風向調整装置によれば、比較的簡単な構造でケース体の流路を複数のガイドフィンで閉鎖したときの気密性を向上させて、空気の漏れを防止又は抑制でき、それによって、フィンシャット機構を備える風向調整装置の製造コストの増大を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施例に係る風向調整装置の要部を模式的に示す模式図である。
図2図1に示したII-II線の位置における風向調整装置の断面を模式的に示す断面図である。
図3】ガイドフィンがケース体に回転可能に支持されている状態を模式的に示す断面図である。
図4】風向調整装置のスペーサー部材を模式的に示す斜視図である。
図5】風向調整装置のガイドフィンがケース体の保持凸部を乗り越える前のガイドフィン及び保持凸部の状態を模式的に示す断面図である。
図6】風向調整装置のガイドフィンがケース体の保持凸部を乗り越える前のガイドフィンの回転軸部及びスペーサー部材の状態を模式的に示す断面図である。
図7】風向調整装置のガイドフィンがケース体の保持凸部を乗り越えるときのガイドフィン及び保持凸部の状態を模式的に示す断面図である。
図8】風向調整装置のガイドフィンがケース体の保持凸部を乗り越えるときのガイドフィンの回転軸部及びスペーサー部材の状態を模式的に示す断面図である。
図9】風向調整装置のガイドフィンがケース体の保持凸部を乗り越えた後のガイドフィン及び保持凸部の状態を模式的に示す断面図である。
図10】風向調整装置のガイドフィンがケース体の保持凸部を乗り越えた後のガイドフィンの回転軸部及びスペーサー部材の状態を模式的に示す断面図である。
図11】変形例に係る風向調整装置の要部を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の好適な実施の形態について、実施例を挙げて図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施例に係る風向調整装置の要部を模式的に示す模式図である。図2は、図1に示したII-II線の位置における風向調整装置の断面を模式的に示す断面図である。図3は、最も右側のガイドフィン(第5ガイドフィン)がケース体に回転可能に支持されている状態を模式的に示す断面図である。
【0014】
本実施例の風向調整装置1は、自動車の車室内に配されるインストルメントパネルやセンターコンソール等の内装部材に設置される。また、風向調整装置1は、自動車に備えられた図示しない空調装置に接続されることによって、その空調装置から供給される空気を、風向調整装置1の吹出口を介して車室内に吹き出すことが可能である。
【0015】
ここで、風向調整装置1に関して、前後方向とは、風向調整装置1のガイドフィン20がニュートラルの中央位置に保持されているときに風向調整装置1から吹き出される空気の吹き出し方向に沿った方向を言う。この場合、空気が流れる下流側の方向を前方とし、上流側の方向を後方とする(図3を参照)。また、ガイドフィン20におけるニュートラルの中央位置とは、ガイドフィン20の第1主面及び第2主面(左右の側面)が、風向調整装置1に供給された空気の流れ(前後方向)に沿うようにガイドフィン20を保持する位置を言う。
【0016】
上下方向及び左右方向は、風向調整装置1を吹出口側から見たときにおける垂直方向(高さ方向)及び水平方向(幅方向)である(図1を参照)。この場合、垂直方向及び水平方向は、前後方向に対してそれぞれ直交している。また、垂直方向と水平方向とは、互いに直交している。
【0017】
本実施例の風向調整装置1は、空気を流通させる流路11を内部に備えるケース体10と、ケース体10の内部に左右に回転可能に支持される複数のガイドフィン(縦フィン)20とを有する。本実施例では、5つのガイドフィン20がケース体10内に設置されている。この場合、5つのガイドフィン20のうち、風向調整装置1を吹出口側から見たときに、最も左側に配されているガイドフィン20を、第1ガイドフィン20aと規定し、その第1ガイドフィン20aの右側に隣接するガイドフィン20から最も右側に配されているガイドフィン20までを、順番に、第2ガイドフィン20b~第5ガイドフィン20eと規定する。
【0018】
また、風向調整装置1は、最も右側に配される第5ガイドフィン20eの回転軸部24に取り付けられるスペーサー部材30と、5つのガイドフィン20を相互に連結するリンク部材40と、ガイドフィン20を操作する操作ノブ50と、操作ノブ50を摺動可能に支持する図示しない支持バーとを有する。
【0019】
ケース体10は、インストルメントパネルの裏面側に設置されるとともに、空調装置で温度調節された空気を供給する図示しないダクトに接続されている。ケース体10は、硬質の合成樹脂により形成されるとともに、略角筒状の形状を有する。ケース体10の内部には、空気を流通させる流路11が前後方向に沿って形成されている。ケース体10の前端部(下流側端部22)には、空気を車室内に吹き出す吹出口が設けられている。
【0020】
略角筒状のケース体10は、ケース体10の流路11を囲むように、上壁部12、下壁部13、左側壁部14、右側壁部15の4つのケース壁部を有する(図2及び図3を参照)。この場合、上壁部12と下壁部13とが互いに対向して配される一対のケース壁部として設けられ、左側壁部14と右側壁部15とが互いに対向して配される一対のケース壁部として設けられる。
【0021】
ケース体10の左側壁部14には、ガイドフィン20がケース体10の流路11を閉鎖するシャット位置に保持されたとき、最も左側の第1ガイドフィン20aの上流側端部21を当接させる左側フィン当接部14aが設けられている(図2を参照)。この場合、左側フィン当接部14aは、ケース体10の上下方向に直交する断面視において、後方側(上流側)に向いて配されているとともに、シャット位置に保持される第1ガイドフィン20aの向きに対応して、左右方向に対し、右側の端部が前方側(下流側)に下がるように傾斜している。
【0022】
ケース体10の右側壁部15には、ガイドフィン20がシャット位置に移動するときに、最も右側の第5ガイドフィン20eの下流側端部22が接触するとともに乗り越える保持凸部15aと、シャット位置に移動した第5ガイドフィン20eの下流側端部22を当接させる右側フィン当接部15bと、保持凸部15a及び右側フィン当接部15b間に設けられるとともに第5ガイドフィン20eの一部(下流側端部22)を収容する収容溝部15cとが設けられている。
【0023】
なお本発明において、ガイドフィン20の上流側端部21及び下流側端部22は、図3に示すように、ガイドフィン20をニュートラルの中央位置に保持したときに、そのガイドフィン20の後端部及び前端部となる部分を言う。なお、図3には、最も右側に配される第5ガイドフィン20eがニュートラルの中央位置に保持されているときの左右方向に直交する断面が示されている。
【0024】
ケース体10の保持凸部15aは、シャット位置に移動した第5ガイドフィン20eに対し、下流側から接触する位置に、上下方向に沿って設けられている。また、保持凸部15aは、ガイドフィン20がシャット位置に移動するときに乗り越えることが可能で、且つ、シャット位置に移動したガイドフィン20を接触させて保持可能な形状及び大きさで、ケース体10の右側壁部15から突出している。
【0025】
ケース体10の右側フィン当接部15bは、ケース体10の上下方向に直交する断面視(図2)において、前方側(下流側)に向いて配されているとともに、シャット位置に保持される第5ガイドフィン20eの向きに対応して、左右方向に対し、左側の端部が後方側(上流側)に下がるように傾斜している(例えば図5及び図7等も参照)。収容溝部15cは、保持凸部15aに対し、後方側(上流側)に隣接して配されており、保持凸部15aを乗り越えて右側フィン当接部15bに接触した第5ガイドフィン20eの下流側端部22を収容可能な大きさで上下方向に沿って形成されている。
【0026】
ケース体10の上壁部12及び下壁部13には、第1ガイドフィン20a~第4ガイドフィン20dの後述する回転軸部24を回転可能に保持する図示しない軸受孔部と、第5ガイドフィン20eに取着されたスペーサー部材30を収容するスペーサー収容部16とが設けられている。軸受孔部とスペーサー収容部16とは、ケース体10に支持される各ガイドフィン20の回転軸の位置に対応して、ケース体10の上壁部12及び下壁部13に設けられている。
【0027】
スペーサー収容部16は、スペーサー部材30を収容して保持できるように、スペーサー部材30に対応する形状及び大きさで設けられている。具体的に説明すると、本実施例の場合、上下の各スペーサー収容部16は、ケース体10の上壁部12又は下壁部13を上下方向に貫通している。また、スペーサー収容部16は、ケース体10の内面側に設けられた第1収容部と、ケース体10の外面側に設けられた第2収容部とを有しており、第1収容部と第2収容部との間には、段差部が設けられている。スペーサー収容部16の第1収容部は、スペーサー保持部を上下方向から見たときに円形状を呈する。第2収容部は、スペーサー収容部16を上下方向から見たときに、第1収容部と同心に設けられるとともに第1収容部よりも直径を小さくした円形状を呈する。
【0028】
本実施例における5つのガイドフィン20(第1ガイドフィン20a~第5ガイドフィン20e)は、ケース体10内を流れる空気を案内するように、それぞれ、上下方向に沿う回転軸を中心にして左右方向に回転可能にケース体10に支持されている。5つのガイドフィン20がシャット位置以外の向きに保持されているときは、空気を流通可能な間隙が、左右に隣接するガイドフィン20間に設けられる。このような5つのガイドフィン20の向きを左右方向に変えることによって、風向調整装置1から吹き出す空気の流れを左右に調整できる。
【0029】
本実施例の風向調整装置1を上下方向に直交する断面で見たときに、5つ全てのガイドフィン20を右側に回転させることによって、図2に示すように、左右方向に互いに隣接するガイドフィン20同士を一部分で重ね合わせることができる。更に、第1ガイドフィン20aをケース体10の左側フィン当接部14aに上流側から当接させることができ、また、第5ガイドフィン20eを右側フィン当接部15bに下流側から当接させ、且つ、保持凸部15aで保持できる。これによって、ガイドフィン20間の間隙とガイドフィン20及びケース体10間の間隙とが塞がれるため、ケース体10の空気の流路11を閉鎖できる。
【0030】
なお本実施例において、ガイドフィン20を右側(又は左側)に回転させるとは、風向調整装置1を吹出口側(前方側)から見たときに、ガイドフィン20の下流側端部22が回転して移動する方向を言う。また本発明では、ガイドフィン20を上述のように空気の流路11を閉鎖するように回転させたときにおけるガイドフィン20の位置(回転位置)を、シャット位置と規定する。更に本実施例において、ガイドフィン20をシャット位置に保持した場合、第2ガイドフィン20b~第5ガイドフィン20eが、それぞれ第1ガイドフィン20a~第4ガイドフィン20dの上流側に向く面の上に重ねられる。このため、5つのガイドフィン20は、第5ガイドフィン20eが最も上流側の位置となり、第1ガイドフィン20aが最も下流側の位置となる位置関係で順番に重ねられる。
【0031】
本実施例において、各ガイドフィン20は、薄板状のフィン本体部23と、フィン本体部23の上端部及び下端部から上下方向に沿って突出する上下一対の回転軸部24と、後述するリンク部材40に接続する接続部25とをそれぞれ有する。
【0032】
5つのガイドフィン20のうちの中央に配される第3ガイドフィン20cには、フィン本体部23の下流側端縁から上流側に向けて凹むように設けられたフィン開口部と、フィン開口部を横切るよう上下方向に沿って設けられる円柱状の係合軸部26と、係合軸部26の上端部及び下端部に接続して係合軸部26を支持する軸支持部27とを有する(図1及び図2を参照)。
【0033】
第3ガイドフィン20cの右側に隣接する第4ガイドフィン20dには、例えば図2に示すように、第4ガイドフィン20dがシャット位置に保持されたときに上流側に向けて窪むように形成されたフィン陥凹部28が設けられている。このフィン陥凹部28により、ガイドフィン20がシャット位置に移動するときや保持されるときに、第4ガイドフィン20dが、操作ノブ50の後述する左右の係合アーム部52と接触して干渉することを回避できる。
【0034】
最も右側の第5ガイドフィン20eに設けられる上下の回転軸部24には、スペーサー部材30がそれぞれ取り付けられている。本実施例のスペーサー部材30は、弾性変形可能なエラストマー等の材料からなる弾性部材として形成されている。スペーサー部材30は、例えば図4に示すように、第1円筒部31と、第1円筒部31に一体的に形成されるとともに外径を第1円筒部31よりも小さくした第2円筒部32と、第1円筒部31及び第2円筒部32をその中心軸方向に沿って貫通する挿入孔33とを有する。
【0035】
スペーサー部材30の第1円筒部31と第2円筒部32との間には、段差部34が設けられている。スペーサー部材30の挿入孔33は、第1円筒部31及び第2円筒部32の中心部分に設けられている。また、挿入孔33は、スペーサー部材30の第1円筒部31側の第1円形面(図4の上面)から第2円筒部32側の第2円形面(図4の下面)まで、中心軸に直交する断面が一定の円形を呈する形状に形成されている。この挿入孔33の内径は、ガイドフィン20の回転軸部24の直径と同じ大きさに、又は回転軸部24の直径よりも僅かに小さく設定されている。
【0036】
本実施例では、第5ガイドフィン20eの上下の回転軸部24をスペーサー部材30の挿入孔33に挿入することにより、スペーサー部材30が第5ガイドフィン20eに取り付けられる。このとき、スペーサー部材30は、第1円筒部31が第2円筒部32よりも内側(ガイドフィン20のフィン本体部23側)に配される向きで上下の回転軸部24にそれぞれ取り付けられる。また、スペーサー部材30は、ケース体10の上壁部12及び下壁部13に設けたスペーサー収容部16に収容されて保持されることにより、ケース体10の上壁部12及び下壁部13に取り付けられる。
【0037】
従って、上下のスペーサー部材30が、第5ガイドフィン20eの上下の回転軸部24に取り付けられた状態で、ケース体10の上下のスペーサー収容部16に保持されることによって、第5ガイドフィン20eが、ケース体10に、スペーサー部材30を介して回転可能に取り付けられる。このようにスペーサー部材30が第5ガイドフィン20eの回転軸部24に取り付けられることによりに、第5ガイドフィン20eを回転させるときの回転トルクを付与できる。更に、スペーサー部材30が弾性部材により形成されているため、第5ガイドフィン20eが後述するように保持凸部15aを乗り越える動作を可能にしている。なお、スペーサー部材30は、ガイドフィン20の回転軸部24をスペーサー部材30の挿入孔33に挿通させた後に、ケース体10のスペーサー収容部16に取り付けられてもよく、又は、ケース体10のスペーサー収容部16に取り付けられた後に、ガイドフィン20の回転軸部24をスペーサー部材30の挿入孔33に挿通させてもよい。
【0038】
本実施例において、5つのガイドフィン20は、リンク部材40によって互いに連結されている(図2を参照)。リンク部材40は、厚さの薄い板状に形成されるリンク本体部41と、リンク本体部41に設けられる5つのフィン保持部42とを有する。リンク部材40の各フィン保持部42は、第1ガイドフィン20a~第5ガイドフィン20eの対応する接続部25を回転可能に保持する。このリンク部材40によって、5つのガイドフィン20は、互いに平行な位置関係が保持され、また、それぞれの回転動作が互いに連動するように連結される。
【0039】
操作ノブ50は、ノブ本体部51と、ノブ本体部51に一体的に形成される左右の係合アーム部52とを有する。ノブ本体部51には、支持バー(不図示)を挿通させる挿通孔(不図示)が、ノブ本体部51の右側面部から左側面部まで、ノブ本体部51内を左右方向に貫通して設けられている。操作ノブ50は、ノブ本体部51の挿通孔に支持バーが挿通されることにより、支持バーに取り付けられて、支持バーの長さ方向(本実施例では、左右方向)に沿ってスライド可能に支持される。
【0040】
操作ノブ50における左右の係合アーム部52は、ノブ本体部51の後端部から後方に向けて延びるとともに、互いに離間して配されている。このため、左右の係合アーム部52間には、第3ガイドフィン20cに設けた係合軸部26が挿入される空間部が設けられている。この操作ノブ50の左右の係合アーム部52間に第3ガイドフィン20cの係合軸部26が挿入されることにより、操作ノブ50を第3ガイドフィン20cの係合軸部26に係合させることができる。また、係合軸部26に係合させた操作ノブ50を、支持バー(不図示)に沿って左右方向にスライドさせることによって、5つのガイドフィン20を左右方向に回転させて、ガイドフィン20の向きを変えることができ、また、ガイドフィン20をシャット位置に移動させることができる。
【0041】
なお本実施例において、操作ノブ50の形状及び構造等は特に限定されない。例えば操作ノブ50内には、摩擦部材が収容されて保持されていてもよい。この場合、摩擦部材は、エラストマー等の弾性を備える軟質の合成樹脂により形成されていることが好ましい。
この摩擦部材が、支持バーに接触して押し当てられる状態で操作ノブ50内に保持されることによって、摩擦部材と支持バーとの間に、操作ノブ50が停止しているときや操作されるときの摩擦力を発生させることが可能である。
【0042】
操作ノブ50を支持する図示しない支持バーは、左右方向に細長い棒状に形成されている。支持バーの左右方向に直交する断面(横断面)は、支持バーの長さ方向(左右方向)の全体に亘って一定の形状を有する。支持バーの左右両端部は、ケース体10の左側壁部14及び右側壁部15に固定されている。
【0043】
以上のような本実施例の風向調整装置1では、5つのガイドフィン20がケース体10内に回転可能に取り付けられているため、図示しない空調装置から空気がケース体10内に供給されることにより、空気を風向調整装置1の吹出口から車室内に吹き出すことができる。また、5つのガイドフィン20によってケース体10内で空気の流れが案内されるため、空気を吹出口からガイドフィン20に沿った方向に吹き出すことができる。また、使用者(例えば運転者等)が、風向調整装置1の操作ノブ50を指等で左右方向に移動させることによって、リンク部材40で連結されている5つのガイドフィン20の向きを左右に回転させることができ、それによって、吹出口から吹き出す空気の流れ(吹き出し方向)を左右に調整できる。
【0044】
風向調整装置1からの空気の吹き出しを停止させる場合、使用者が操作ノブ50を右方向に移動させて、ガイドフィン20をシャット位置まで回転させる操作が行われる。このとき、本実施例の風向調整装置1では、最も右側に配される第5ガイドフィン20eの下流側端部22が、ケース体10の右側壁部15に設けた保持凸部15aを乗り越えてシャット位置まで回転し、更に、右側フィン当接部15bに当接すると同時に収容溝部15cに収容される。
【0045】
ここで、第5ガイドフィン20eの下流側端部22がシャット位置に移動するまでの第5ガイドフィン20eの動きと、第5ガイドフィン20eに取り付けられたスペーサー部材(弾性部材)30の動きについて、図5図10を参照しながら具体的に説明する。
【0046】
操作ノブ50が操作されて第5ガイドフィン20eがシャット位置まで回転する場合、第5ガイドフィン20eがシャット位置に移動する直前に、図5に示すように、第5ガイドフィン20eの下流側端部22が、ケース体10の右側壁部15に設けた保持凸部15aに接触(当接)する。このとき、第5ガイドフィン20eの回転軸部24に取り付けた上下のスペーサー部材30は、図6に示すように、弾性変形していなく、図4に示した形状で保持されている。
【0047】
続いて、操作ノブ50が右方向に向けて更に操作されることにより、保持凸部15aに接触している第5ガイドフィン20eの下流側端部22が、ケース体10の右側フィン当接部15bに向けて押し込まれる。これによって、第5ガイドフィン20eは、図7に示すように、右側フィン当接部15bに近付くように(図7で半時計周り方向に)回転しながら、第5ガイドフィン20eの下流側端部22が保持凸部15aを乗り越えるように、第5ガイドフィン20eが、保持凸部15aの外面に沿って、図7の左側に向けてスライド移動する。このとき、第5ガイドフィン20eが左へスライド移動する距離61は、第5ガイドフィン20eと保持凸部15aとが干渉する部分の大きさに対応する。
【0048】
また本実施例の風向調整装置1では、第5ガイドフィン20eの上下の回転軸部24とケース体10との間に、弾性を備えた上述のスペーサー部材30が設置されている。このため、第5ガイドフィン20eが保持凸部15aを乗り越えるためにスライド移動するときに(図7を参照)、上下のスペーサー部材30が、図8に示すように弾性変形することにより、当該第5ガイドフィン20eが矢印62のように移動することを補助(又は許容)し、それによって、使用者が操作ノブ50に特段に強い力を加えなくても、第5ガイドフィン20eの下流側端部22が、保持凸部15aを円滑に乗り越えることができる。
【0049】
なお、上述するようにスペーサー部材30が弾性変形する場合、スペーサー部材30は、第5ガイドフィン20eが移動する方向に回転軸部24から力を受けて圧縮する。このとき、スペーサー部材30と回転軸部24との間に、回転軸部24が移動する距離61に対応する隙間63が形成される。このようにスペーサー部材30と回転軸部24との間に形成される隙間63は、極めて小さく、且つ、瞬間的に形成されて直ぐに閉じるため、風向調整装置1をフィンシャット機構で閉鎖したときの気密性に与える影響は極めて小さい(又は、殆どない)。
【0050】
そして、第5ガイドフィン20eの下流側端部22がケース体10の保持凸部15aを乗り超えて回転することにより、図9及び図10に示すように、第5ガイドフィン20eの下流側端部22を右側フィン当接部15bに当接させることができる。また、スペーサー部材30が弾性復帰するため、第5ガイドフィン20eが矢印64のように移動し、それによって、第5ガイドフィン20eの下流側端部22が、保持凸部15a及び右側フィン当接部15b間に設けた収容溝部15cに収容されて保持される。
【0051】
これにより、第5ガイドフィン20eの下流側端部22を右側フィン当接部15bに密接させることができる。それと同時に、左右方向に隣接するガイドフィン20同士を一部分で重ね合わせることができ、また、第1ガイドフィン20aの上流側端部21を左側フィン当接部14aに当接させることができる。その結果、空気を流通させるガイドフィン20間の間隙、及びガイドフィン20及びケース体10間の間隙が塞がれるため、ケース体10内の空気の流路11を閉鎖して、風向調整装置1からの空気の吹き出しを停止させることができる。
【0052】
更にこの場合、保持凸部15aを乗り越えた第5ガイドフィン20eの下流側端部22が、スペーサー部材30の弾性復帰によって収容溝部15cに挿入されることにより、操作ノブ50を操作する使用者にクリック感を生じさせることが可能となる。これにより、使用者に、ガイドフィン20がシャット位置に移動したことを感じさせることができるため、風向調整装置1の操作性を向上させることができる。
【0053】
また、本実施例の風向調整装置1では、第5ガイドフィン20eの下流側端部22が収容溝部15cに収容されて保持凸部15aによって保持されることにより、ガイドフィン20の移動が規制され、ガイドフィン20をシャット位置で保持できる。特に、第5ガイドフィン20eの下流側端部22を、右側フィン当接部15bに密着させた状態で保持できる。従って、ケース体10の閉鎖状態を安定して維持できる。また、第5ガイドフィン20eと右側フィン当接部15bの密着状態が保持されるため、閉鎖時におけるフィンシャット機構の気密性を向上させて、空気の漏れを効果的に防止(又は抑制)できる。
【0054】
一方、風向調整装置1から空気を再び吹き出すようにする場合、空気の吹き出しを停止させている図9及び図10の状態から、使用者が操作ノブ50を左方向に操作する。これにより、第5ガイドフィン20eがその下流側端部22を収容溝部15cから抜出させるように左側にスライド移動するとともに、右側フィン当接部15bから離れる方向に回転し始める。このとき、スペーサー部材30の弾性変形を伴いながら(図8を参照)、第5ガイドフィン20eが回転するため、第5ガイドフィン20eの下流側端部22が保持凸部15aを容易に乗り越えることができる。その結果、ケース体10の閉鎖状態が解除されて空気の流路11を開くことができるため、風向調整装置1から空気を安定して吹き出すことができる。更に、使用者が操作ノブ50を操作してガイドフィン20の向きを変えることによって、風向調整装置1から吹き出す空気の向きを調整できる。
【0055】
以上のように本実施例の風向調整装置1では、ケース体10の右側壁部15に保持凸部15a及び収容溝部15cを設けるとともに、第5ガイドフィン20eの回転軸部24とケース体10との間にスペーサー部材(弾性部材)30を設けるといった比較的簡単な構造が採用されている。このような構造の風向調整装置1によれば、フィンシャット機構で空気の流路11を閉鎖したときの気密性を容易に向上させることができ、また、例えばケース体10及びガイドフィン20を成形する金型を細かく調整するという負担を低減することが可能となる。従って、風向調整装置1の製造コストの増大を抑制できる。
【0056】
なお、本発明は、上述した実施例に何ら限定されるものではなく、本発明と実質的に同一な構成を有し、かつ、同様な作用効果を奏しさえすれば、多様な変更が可能である。例えば、風向調整装置の全体形状、デザイン、大きさ等は特に限定されず、装置の設置位置、設置される車の種類やデザイン等に応じて変更することが可能である。
【0057】
また上記実施例の風向調整装置1は、ケース体10の右側壁部15に、収容溝部15c及び右側フィン当接部15bを設けて形成されている。しかし本発明では、例えば図11に変形例に係る風向調整装置の要部の断面を示すように、ケース体10aの右側壁部17に、上記実施例と同様の保持凸部17aを設けるものの、実施例のような収容溝部15c及び右側フィン当接部15bを設けることなく風向調整装置が形成されていてもよい。このような変形例に係る風向調整装置であっても、第5ガイドフィン20eがシャット位置に移動したときに、ガイドフィン20の移動を規制してガイドフィン20をシャット位置で保持できるため、複数のガイドフィン20でケース体10aの空気の流路を閉鎖できる。また、閉鎖時に良好な気密性を得ることができる。
【0058】
更に上記実施例では、ケース体10の右側壁部15に保持凸部15aを設けて、シャット位置に移動した第5ガイドフィン20eの下流側端部22を保持している。しかし本発明では、ケース体の右側壁部に保持凸部を設ける代わりに、又はケース体の右側壁部に保持凸部を設けるとともに、ケース体の左側壁部に保持凸部を設けることによって、シャット位置に移動した第1ガイドフィンの上流側端部を保持してもよい。この場合、左側壁部の保持凸部は、左側フィン当接部との間に、第1ガイドフィンの上流側端部を収容する収容溝部を設けるように形成されることが好ましい。このような構造を有する風向調整装置であっても、上述した実施例の風向調整装置1と同様に、フィンシャット機構の気密性を向上させて、空気の漏れを防止又は抑制できる。
【0059】
更にまた、上記実施例では、第5ガイドフィン20eの回転軸部24に取り付けるスペーサー部材30が弾性部材により形成されており、それによって、第5ガイドフィン20eが保持凸部15aを乗り越える動きを可能にしている。しかし本発明では、このようなスペーサー部材を設ける代わりに、又はスペーサー部材を設けるとともに、第5ガイドフィンの少なくとも下流側端部を弾性部材により形成すること、又は、ケース体の右側壁部の保持凸部を弾性部材により形成することによって、第5ガイドフィンが保持凸部を乗り越える動きを可能にしてもよい。
【0060】
例えば、第5ガイドフィンに対してエラストマー等の弾性を備えた材料を二色成形することによって、第5ガイドフィンの下流側端部を弾性部材により形成するとともに、ケース体の保持凸部を硬質の合成樹脂により形成してもよい。また、例えばケース体にエラストマー等の弾性を備えた材料を二色成形することによって、保持凸部を弾性部材により形成するとともに、第5ガイドフィンを硬質の合成樹脂により形成してもよい。このように第5ガイドフィン及び保持凸部が形成される風向調整装置であっても、第5ガイドフィンがシャット位置に回転するときに、第5ガイドフィン又はケース体に一体的に設けた弾性部材によって、第5ガイドフィンが保持凸部を乗り越える動きを補助(又は許容)することが可能である。
【0061】
また本発明において、風向調整装置に設けるガイドフィンの設置位置及び設置数は特に限定されない。更に、上述した実施例の風向調整装置1では、ガイドフィン20が左右方向に回転可能に形成されているが、本発明において、ガイドフィンの回転方向は限定されず、例えばガイドフィンは、上下方向などの左右方向以外の方向に回転可能なように風向調整装置に設置されていてもよい。
【0062】
更にまた、上述した実施例の風向調整装置1では、操作ノブ50が支持バー(不図示)にスライド可能に取り付けられている。しかし本発明では、例えば実施例の上述したガイドフィン20を上流側ガイドフィンとして、実施例の支持バーの代わりに、上下方向に回転可能な複数の下流側ガイドフィン(横フィン)を、上流側ガイドフィンの下流側に設けるとともに、その下流側ガイドフィンの一つに操作ノブをスライド可能に取り付けることも可能である。このような風向調整装置であれば、空気の流れを左右方向と上下方向とにそれぞれ調整できるとともに、上述した実施例の場合と同様にフィンシャット機構の気密性を向上させて、空気の漏れを防止又は抑制できる。
【符号の説明】
【0063】
1 風向調整装置
10,10a ケース体
11 流路
12 上壁部
13 下壁部
14 左側壁部
14a 左側フィン当接部
15 右側壁部
15a 保持凸部
15b 右側フィン当接部
15c 収容溝部
16 スペーサー収容部
17 右側壁部
17a 保持凸部
20 ガイドフィン(縦フィン)
20a 第1ガイドフィン
20b 第2ガイドフィン
20c 第3ガイドフィン
20d 第4ガイドフィン
20e 第5ガイドフィン
21 上流側端部
22 下流側端部
23 フィン本体部
24 回転軸部
25 接続部
26 係合軸部
27 軸支持部
28 フィン陥凹部
30 スペーサー部材(弾性部材)
31 第1円筒部
32 第2円筒部
33 挿入孔
34 段差部
40 リンク部材
41 リンク本体部
42 フィン保持部
50 操作ノブ
51 ノブ本体部
52 係合アーム部
61 距離
62 矢印
63 隙間
64 矢印
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11