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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173968
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】空気清浄機
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/20 20060101AFI20231130BHJP
   F24F 8/22 20210101ALI20231130BHJP
   F24F 8/80 20210101ALI20231130BHJP
【FI】
A61L9/20
F24F8/22
F24F8/80 200
F24F8/80 252
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022086545
(22)【出願日】2022-05-27
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年1月26日に販売 令和4年1月27日に販売 令和4年3月23日に販売 令和4年3月24日に販売 令和4年3月28日に販売 令和4年4月23日に販売 令和4年4月25日に販売 令和4年4月26日に販売 令和4年3月15日から令和4年3月16日に2022年空気とみらいEXPO展に出品
(71)【出願人】
【識別番号】000005119
【氏名又は名称】日立造船株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001298
【氏名又は名称】弁理士法人森本国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】生杉 浩一
(72)【発明者】
【氏名】堀本 佳成
【テーマコード(参考)】
4C180
【Fターム(参考)】
4C180AA07
4C180AA16
4C180DD03
4C180DD09
4C180HH11
4C180HH17
4C180HH19
(57)【要約】
【課題】病原体により人が病気に罹患するリスクが低い環境を短時間で形成するとともに、紫外線による送風装置の劣化を低減した空気清浄機を提供する。
【解決手段】空気清浄機100は、筐体3と、吸気口3Aと、排気口3Bと、送風装置4と、紫外線光源5と、ガイド7とを備える。吸気口3Aでは、空気を吸い込む。排気口3Bでは、空気を排出する。送風装置4は、吸気口3Aから筐体3内に向かうとともに、筐体3内から排気口3Bに向かう空気流を発生させる。紫外線光源5は、指向性を有する紫外線UVを空気流に向けて照射する。ガイド7は、空気流の一部であって、紫外線UVの照射領域以外の方向に流れる空気流を紫外線UVの照射領域の方向に案内するとともに、送風装置4に向かう紫外線UVを受けて吸収する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
空気を吸い込むための吸気口と、
前記空気を排出するための排気口と、
前記吸気口から前記筐体の内部に向かうとともに、前記筐体の内部から前記排気口に向かう空気流を発生させる送風装置と、
指向性を有する紫外線を前記空気流に向けて照射する紫外線光源と、
前記空気流の一部であって、前記紫外線の照射領域以外の方向に流れる空気流を前記紫外線の照射領域の方向に案内するとともに、前記送風装置に向かう前記紫外線を受けて吸収するガイドと
を備える空気清浄機。
【請求項2】
前記ガイドは、前記空気流を通過させない構造を有する板状構造体である、請求項1に記載の空気清浄機。
【請求項3】
前記ガイドは、前記空気流を通過させる構造を有し、前記通過させる空気流を前記排気口に向かって案内する、請求項1に記載の空気清浄機。
【請求項4】
前記ガイドは、前記空気流を通過させる構造を有する、多孔体、ハニカム構造体、またはルーバーである、請求項1に記載の空気清浄機。
【請求項5】
前記送風装置は、複数あり、
前記ガイドは、一の前記送風装置の発生させる空気流と、他の前記送風装置の発生させる空気流とが互いに混ざり合うことなく前記紫外線の照射領域の方向に流れるように配置される一以上の板状構造体である、請求項1に記載の空気清浄機。
【請求項6】
前記送風装置は、第1送風装置および第2送風装置を有し、
前記ガイドは、前記第1送風装置の発生させる空気流と、前記第2送風装置の空気流とが互いに混ざり合うことなく前記紫外線の照射領域の方向に流れるように前記第1送風装置および前記第2送風装置の間に配置される、請求項5に記載の空気清浄機。
【請求項7】
前記送風装置は、複数あり、
前記複数の送風装置は、前記筐体の内部に設けられ、
前記ガイドは、前記空気流を通過させない構造を有する板状構造体であって、
前記板状構造体の少なくとも一部は、前記複数の送風装置よりも下流の位置にある、請求項5に記載の空気清浄機。
【請求項8】
前記送風装置は、第1送風装置および第2送風装置を有し、
前記第1送風装置は、前記筐体の内部において、前記筐体の第1壁に設けられ、
前記第2送風装置は、前記筐体の内部において、前記第1壁と対向する第2壁に設けられ、
前記紫外線光源は、前記第1壁において、前記第1送風装置の下流側の位置に設けられ、
前記ガイドは、前記空気流を通過させない構造を有する板状構造体であり、
前記板状構造体は、
前記紫外線光源において前記第2送風装置と最も近い部分と、前記第2送風装置の最も下流側にある部分とを結ぶ仮想の直線上から上流側に少なくとも配置される、請求項5に記載の空気清浄機。
【請求項9】
前記ガイドは、前記紫外線を吸収する表面処理が施されている、請求項1から請求項8の何れか一項に記載の空気清浄機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気中に浮遊する病原体に紫外線を照射し、空気中の有害な病原体の毒性を弱めることによって、空気を浄化する空気清浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
毒性を有する病原体が、人々の呼吸する空気中に浮遊している。病原体の毒性には、人々に病気の諸症状を発症させて、人々の快適な生活を妨げる問題がある。このため、人々が病気を発症することなく快適な生活を送るために、空気中に浮遊する病原体の毒性を弱める必要がある。
【0003】
空気中を浮遊する病原体の毒性は、それらに紫外線を照射することで弱めることができる。したがって、空気中に浮遊する病原体に紫外線を照射して、それらを弱毒化する観点から空気を清浄にする空気清浄機が使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-180826号公報
【特許文献2】特開平3-037070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、紫外線には、病原体を弱毒化させる利点がある一方、ゴムまたはプラスチック製の部品を劣化させるという欠点がある。ゴムまたはプラスチック製の部品は、送風装置などに採用されており、それら部品が劣化すると、空気清浄機が正常に動作できなくなるため好ましくない。特許文献1および特許文献2に開示されている空気清浄機は、紫外線により劣化しやすい送風装置を紫外線が照射される領域(紫外線の照射領域)から隔離したことにより紫外線が送風装置を劣化させることを防止している。
【0006】
しかしながら、紫外線の照射領域と送風装置とを隔離した場合、紫外線の照射領域の方向に空気流を向ける部材を空気清浄機内の空気通路に設ける必要がある。そして、空気流が当該部材に沿って移動する際、当該部材において、空気流の方向を変える部分、または、空気流の出口部分付近で空気流の渦が発生する。渦によって生じる圧力損失の影響により、場の空気流が複雑になるため、空気流が停滞し、空気清浄機内の空気通路を通過する空気流の量が少なくなる。空気清浄機内の空気通路を通過する空気流が少なくなると、空気流とともに移動する病原体の量も減るため、空気清浄機を設置した部屋内の病原体を弱毒化させるために必要となる時間が増加する。
【0007】
そこで、本発明は、病原体を弱毒化させるために必要な時間を短縮するとともに、紫外線による送風装置の劣化を低減した空気清浄機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の空気清浄機は、筐体と、空気を吸い込むための吸気口と、空気を排出するための排気口と、前記吸気口から前記筐体の内部に向かうとともに、前記筐体の内部から前記排気口に向かう空気流を発生させる送風装置と、指向性を有する紫外線を空気流に向けて照射する紫外線光源と、前記空気流の一部であって、前記紫外線の照射領域以外の方向に流れる空気流を前記紫外線の照射領域の方向に案内するとともに、前記送風装置に向かう紫外線を受けて吸収するガイドとを備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明の空気清浄機によれば、周囲の病原体を弱毒化させるために必要な時間を短縮するとともに、紫外線による送風装置の劣化を低減する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態1に係る空気清浄機を示す立体図である。
図2】実施形態1に係る空気清浄機の縦断面図である。
図3】実施形態1に係る空気清浄機の送風装置がブロワである場合の縦断面図であって、前方向からの図である。
図4】実施形態1に係る空気清浄機の送風装置がブロワである場合の縦断面図であって、左方向からの図である。
図5】実施形態1に係る空気清浄機の送風装置が軸流ファンである場合の横断面図である。
図6】実施形態1に係る空気清浄機の送風装置が軸流ファンである場合の縦断面図である。
図7】実施形態1に係る空気清浄機の送風装置がクロスフローファンである場合の縦断面図であって、左方向からの図である。
図8】実施形態1に係る空気清浄機の送風装置がクロスフローファンである場合の縦断面図であって、前方向からの図である。
図9】実施形態2に係る空気清浄機の縦断面図である。
図10】実施形態2に係る空気清浄機の変形例1の横断面図である。
図11】実施形態2に係る空気清浄機の変形例2の横断面図である。
図12】実施形態2に係る空気清浄機の変形例2の縦断面図である。
図13】実施形態2に係る空気清浄機の変形例3の横断面図である。
図14】実施形態2に係る空気清浄機の変形例3の縦断面図である。
図15】実施形態2に係る空気清浄機の変形例4の横断面図である。
図16】実施形態2に係る空気清浄機の変形例5の横断面図である。
図17】実施形態2に係る空気清浄機の変形例6の横断面図である。
図18】実施形態2に係る空気清浄機の変形例6の縦断面図である。
図19】実施形態3に係る空気清浄機の縦断面図である。
図20】実施形態3に係る空気清浄機の横断面図である。
図21】実施形態3に係る空気清浄機の変形例1の横断面図である。
図22】実施形態4に係る空気清浄機の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[実施形態1]
以下、本発明の実施形態1に係る空気清浄機100について図面に基づき説明する。まず、空気清浄機100に係る技術的思想の概略について説明する。
【0012】
図1および図2に示すように、空気清浄機100は、ハウジング1を備え、ウイルス、または、細菌および真菌などのような微生物などの病原体を空気とともに取入れ口1Aからハウジング1の内部に吸い込む。ハウジング1の内部に吸い込まれた病原体は、紫外線光源5により紫外線UVを照射されて弱毒化した後に、吹き出し口1Bからハウジング1の外部に吹き出す。これにより、空気清浄機100の周囲の空気中には、弱毒化した病原体が増加し、人が病気に罹患しにくい環境となる。
【0013】
一方で、紫外線UVは、ゴムまたはプラスチック製の部品を劣化させるという特性がある。このため、図2に示すように、ハウジング1の内部に配置される機器または機械要素であって、ゴム若しくはプラスチック製の部品を使用した送風装置4、空気流に生じる圧力損失若しくは空気流の流量を測定するためのセンサー、または、空気の漏れを防止するためのパッキンを含むゴム製のシール部材などを劣化させる問題があった。従来、送風装置4などの機器または機械要素を紫外線UVの照射領域から隔離することで、劣化を防止していた。ところが、送風装置4などの機器または機械要素を紫外線UVの照射領域から隔離するためには、隔離を行うための仕切り板に加えて、送風装置4の発生させた空気流を紫外線UVの照射領域に仕切り板を迂回して向かわせるための湾曲部を有する部材(湾曲部材)が必要となり、空気清浄機100の内部の構造が複雑になる。そして、送風装置4の発生させた空気流は、湾曲部材の湾曲部に沿って紫外線UVの照射領域に向かうが、空気流が湾曲部材を通過する際、湾曲部材の湾曲部、および湾曲部材の出口付近などで圧力損失が生じる。結果、湾曲部を有する部材で生じた圧力損失により、湾曲部材を通過する際に空気流の停滞が生じるため、紫外線UVの照射領域に向かう空気流の量は、少なくなっていた。
【0014】
本発明の空気清浄機100は、送風装置4に向かう紫外線UVを吸収する機能と、送風装置4の発生させた空気流を紫外線UVの照射領域に案内する機能とを兼ねる構造を備える。したがって、紫外線UVから送風装置4が保護されるとともに、送風装置4から紫外線UVの照射領域に向かう空気流の停滞が低減されるため、より多くの量の空気を吸い込んで、紫外線UVを照射させて空気の中に含まれる病原体を弱毒化させることができる。結果、周囲に居る人々が病気に罹患しにくい環境を形成するまでの時間を短縮することができる。
【0015】
以下、実施形態1の空気清浄機100の構造について、図2から図8を参照して説明する。
【0016】
図2に示すように、ハウジング1の内部には、ハウジング1の内部に取り込んだ空気を病原体とともに吸い込んで、病原体に紫外線UVを照射するための筐体3が設けられている。
【0017】
筐体3は、箱状の部材である。ここで、箱状とは、内部に空間を有する立体であり、箱状には、円筒、曲面を有する壁によって内部の空間が囲まれた立体、および、多角形の面を有する壁によって内部の空間が囲まれた立体などを含む。筐体3には、ハウジング1の内部に取り込まれた空気を筐体3の内部に吸い込むための吸気口3Aと、筐体3の内部に吸い込んだ空気を筐体3の外部に排出するための排気口3Bとが設けられる。排気口3Bには、空気流を通すとともに、筐体3の外部に紫外線UVなどの光を漏らさないように、紫外線UVを吸収するような構造の部材が設けられる。このような構造の部材としては、例えば、紫外線UVを吸収するコーティングを施したルーバーなどがある。
【0018】
なお、以降の説明において、説明の便宜上、吸気口3Aの設けられている筐体3の壁を前壁31として、前壁31の反対側を後壁32と称する。後壁32から前壁31に向かう方向を前方向とし、前方向と反対の方向を後ろ方向とする。前壁31に交差する排気口3Bの設けられた壁を上壁35として、上壁35と反対側の壁を下壁36と称する。下壁36から上壁35に向かう方向を上方向とし、上方向と反対の方向を下方向とする。さらに、前後方向および上下方向と直交する方向を左右方向とする。
【0019】
筐体3の内部には、空気流を発生させる送風装置4と、筐体3の内部に紫外線UVを照射する紫外線光源5と、紫外線光源5の照射した紫外線UVを反射する反射体6と、紫外線光源5の照射した紫外線UVのうち送風装置4に向かう紫外線UVを吸収するとともに、送風装置4の発生させた空気流を受けるガイド7とが設けられている。
【0020】
送風装置4には、例えば、遠心ファン、もしくブロワなどの遠心式送風機、軸流ファンなどの軸流式送風機、またはクロスフローファンなどの横流送風機がある。図2は遠心ファン、図3および図4はブロワ、図5および図6は、軸流ファン、そして、図7および図8はクロスフローファンを送風装置4とした場合についてそれぞれ示している。送風装置4は、空気清浄機100の大きさ、要求される空気流の量、送風機のサイズ、または吸い込む空気および送風する空気の方向、または吸気口3A若しくは排気口3Bに設置するフィルタ若しくはルーバーによって空気流に生じる圧力損失などの要素を考慮して選択される。なお、以降の説明において、説明の便宜上、送風装置4に流入する空気流を送風装置4の上流側の空気流と称し、送風装置4から流出する空気流を送風装置4の下流側の空気流と称する。つまり、上流側、および、下流側は、送風装置4との空気流との相対的な位置関係によって規定されるため、前述の上下方向とは異なる方向にある空気流を指す場合がある。
【0021】
図2に示すように、紫外線光源5は、送風装置4よりも下流側、すなわち上方向の位置にあって、筐体3の内側に向かって、指向性を有する紫外線UVを照射するように、筐体3の前壁31に設けられる。紫外線光源5の照射する紫外線UVは、有害な病原体の遺伝子を損傷させることで、それらの機能を停止または阻害する。病原体の機能が停止または阻害されることで、病原体の人体に対する毒性が弱まる。紫外線光源5は、深紫外線などの様々な波長の紫外線を照射することができる。紫外線光源5の照射する紫外線UVの波長の選択には、空気清浄機100の設置環境などの条件が考慮される。また、紫外線光源5は、指向性を有する紫外線UVを照射するため、指向性なくあらゆる方向に紫外線を照射する光源、例えば、紫外線ランプとは異なり、空気流を阻害する位置に配置することなく、照射する紫外線UVのすべてを空気流に照射できる利点がある。紫外線光源5としては、例えば、発光ダイオード、または、紫外線UVを照射する方向が開口した部屋に収められる紫外線ランプであって、部屋の開口部を通ることによって、指向性を持たせた紫外線UVを部屋の外部に照射する物などを使用することができる。紫外線光源5として、紫外線ランプを部屋に収めた物を使用する場合、その部屋は、例えば、単一の部材で形成してもよいし、複数の部材を組み合わせて形成してもよい。
【0022】
反射体6は、筐体3の前後左右の壁の内側の表面であって、後述するガイド7よりも上方向の位置かつ排気口3Bの下方向の位置にある部分を覆うように設けられる。反射体6は、紫外線UVなどの光を反射させる特性を有する。例えば、アルミニウム製の板などが反射体6となる。また、筐体3の内側表面も反射体6とすることができ、例えば、筐体3の表面に紫外線UVなどの光を反射するような表面処理を施してもよい。なお、反射体6は、ガイド7よりも上方向の位置に設けられると説明したが、反射体6の一部が、後述するガイド7の上方向の位置にある端部71Aよりも下方向の位置に配置されてもよい。
【0023】
以下、本発明の要旨であるガイド7の構造について説明する。実施形態1のガイド7は、空気流を通さない構造であり、板状構造体である。ここで、板状構造体は、複数の板を重ねた構造体、および、隙間をあけて複数の板を並べた構造体などの複数の板から構成される構造体を含む。以降、板状構造体のガイド7を「ガイド板71」と称する。
【0024】
ガイド板71の表面には、紫外線UVを吸収するように、コーティング、または、表面処理が施される。ここで、コーティングは、例えば、フッ素、またはシリコンなどを含む。また、表面処理は、微小凹凸加工、黒色のアルマイト処理、または、黒色のメッキ処理などを含む。なお、ガイド板71の表面に行うコーティングまたは表面処理は、ガイド板71の表面全体に限らず、ガイド板71の表面において、紫外線UVを受ける範囲のみに行ってもよい。
【0025】
ガイド板71は、筐体3の内部において、その幅広の面が、送風装置4に対向するように配置される。すなわち、ガイド板71は、その幅広の面が前後方向を向くように筐体3の内部に設けられる。かつ、ガイド板71は、その上方向の位置にある端部71Aが、送風装置4よりも下流側、すなわち送風装置4よりも上方向の位置に配置される。なお、ガイド板71を筐体3の内部に配置するために、ガイド板71は、筐体3に直接固定されていなくてもよい。
【0026】
実施形態1の空気清浄機100の動作について、図1および図2を参照して説明する。
【0027】
まず、周囲の空気と、その空気中に浮遊する病原体とを筐体3の内部に吸い込むために、送風装置4が空気流を発生させる。ハウジング1の外部を浮遊する病原体は、ハウジング1の取入れ口1Aを通過する空気流とともに、筐体3の吸気口3Aから筐体3の内部に吸い込まれる。筐体3の内部に吸い込まれた空気流は、送風装置4に吸い込まれて、送風装置4の送風口4Bから筐体3の内部に送風される。送風口4Bから送風された空気流は、空気流F1のように上方向に流れる。
【0028】
また、送風装置4の送風口4Bから送風される空気流の一部は、上方向以外、例えば、空気流F2のように後ろ方向に向かう。上方向以外、例えば、後ろ方向に向かう空気流F2は、ガイド板71が受けて、空気流F3のように上方向に向かって案内される。つまり、空気流F1だけでなく、空気流F2をも上方向に向かわせることができる。なお、図2のような遠心ファンの送風装置4の場合、上方向以外に向かう空気流には、後ろ方向に向かう空気流F2以外に、例えば、送風装置4から下側後方向に向かう空気流F4がある。この空気流F4は、筐体3の下壁36に案内されてガイド板71に向かう。そして、ガイド板71に向かった空気流F4も、空気流F2と同様に、ガイド板71が受けて、空気流F3のように上方向に向かって案内される。
【0029】
空気流F1、および、空気流F3の上方向の位置、すなわち、送風装置4の下流側では、紫外線光源5が、筐体3の前壁31から後壁32に向かって、紫外線UVを照射している。紫外線光源5から照射された紫外線UVは、筐体3の前後左右の壁の内側表面に設けられた反射体6に反射される。紫外線光源5および反射体6により形成される紫外線UVの照射領域に、空気流F1、および、空気流F3とともに有害な病原体が侵入することで、その侵入した病原体が弱毒化する。弱毒化された病原体は、送風装置4の発生させた空気流とともに筐体3の排気口3Bを通過して、ハウジング1の吹き出し口1Bからハウジング1の外部に吹き出す。
【0030】
一方で、筐体3の内部の紫外線UVは、筐体3の外部、および、送風装置4に向かう。筐体3の外部に向かう紫外線UVは、排気口3Bに設けられた部材により吸収される。そして、送風装置4に向かう紫外線UVは、ガイド板71によって吸収される。
【0031】
このように、実施形態1に係る空気清浄機100によると、紫外線UVの照射領域を隔離する必要がないため、送風装置4の発生させた空気流の停滞が少ない。加えて、紫外線UVの照射領域の方向以外に向かう空気流もガイド板71により、紫外線UVの照射領域に向かって案内される。したがって、ガイド板71を設けない場合と比較して、筐体3の内部に多くの量の空気流を通過させることができる。これにより、ガイド板71を配置することで、より多くの病原体が筐体3の内部を通過するため、空気清浄機100の周囲の病原体を弱毒化させるために必要な時間を短縮することができる。
【0032】
また、ガイド板71は、送風装置4に向かう紫外線UVを受けて吸収することによって、送風装置4を紫外線UVから保護するとともに、送風装置4の上流側にある吸気口3Aに紫外線UVが向かうことを防止する。結果として、送風装置4の紫外線UVによる劣化が低減するだけでなく、紫外線UVが、吸気口3Aを通じて空気清浄機100の外部に漏洩し、空気清浄機100周囲の人々に悪影響を及ぼすことを防止する。
【0033】
好ましくは、筐体3の内部の壁は、送風装置4の送風口4B、または、ガイド板71の上方向の位置にある端部71Aから排気口3Bまで断面視で略直線上に延びる。このような筐体3の構造であると、送風装置4の送風口4B、または、ガイド板71の上方向の位置にある端部71Aから排気口3Bまでの間で、筐体3の内部の壁に沿って移動する空気流に圧力損失が生じにくく、空気流が停滞しにくいため、筐体3の内部を通過する空気流の量が多くなる。
【0034】
好ましくは、ガイド板71の幅広の面は、対向する筐体3の内部の壁と略平行である。具体的には、ガイド板71の幅広の面は、紫外線光源5の設けられる筐体3の壁(前壁31)と、紫外線光源5に対向する筐体3の壁(後壁32)との少なくとも一方と略平行である。このようにすると、ガイド板71は、送風装置4の発生させた空気流を妨げず、かつ、送風装置4に向かう紫外線UVを受ける姿勢となる。結果として、紫外線UVの照射領域に向かう空気流の量がより多くなるとともに、送風装置4が紫外線UVから保護される。
【0035】
好ましくは、紫外線光源5は、空気流の方向に対して略垂直の方向から、空気流に紫外線UVを照射する。このようにすると、空気流に対して斜め上方向、または、斜め下方向から紫外線UVを空気流に照射する場合と比較して、紫外線光源5から照射されて直ぐにガイド板71などにより吸収される紫外線UVの量が少なくなるため、より多くの紫外線UVを空気流に照射することができる。結果、より多くの病原体を弱毒化させることができる。
【0036】
[実施形態2]
実施形態2の空気清浄機100について、図9から図18を参照して説明する。図9から図18にて示すように、実施形態2は、複数の送風装置4と、少なくとも数が一以上のガイド板71を備える点で実施形態1と異なる。実施形態2の空気清浄機100は、複数の送風装置4を有するため、実施形態1よりも多くの量の空気流を発生させることができ、空気流の量に比例して多くの病原体を弱毒化させることができる利点がある。
【0037】
一方で、送風装置4が複数となる分、異なる送風装置4によって発生される空気流が交じり合うことによる空気流の停滞が生じやすい。例えば、異なる送風装置4によって発生される空気流が交じり合うことで空気の渦が生じ、その渦が空気流を阻害することで、空気流が停滞する。空気流の停滞による空気流の量の低下は、移動する病原体の量の低下につながるため、病原体の弱毒化に要する時間が増加する。さらに、送風装置4の数が実施形態1の場合よりも多くなるので、その分多くの送風装置4を紫外線UVから保護する必要がある。そこで、実施形態2の空気清浄機100においては、異なる送風装置4によって発生される空気流が交じり合うことなく紫外線UVの照射領域に向かわせるための空気流の案内機能と、各送風装置4に向かう紫外線UVを受けて吸収する機能とを兼ねる構造を備える。結果、異なる送風装置4によって発生される空気流の混じり合いによる空気流の停滞の発生が低減するため、その分の空気流の増加とともに多くの病原体を弱毒化させることができ、周囲にいる人々が病気に罹患しにくい環境を形成するまでの時間を短縮することができる。さらに、各送風装置4は、紫外線UVから保護されて、紫外線UVによるそれぞれの劣化が低減する。
【0038】
以下、実施形態2の空気清浄機100の構造について、図9から図18を参照して説明する。なお、実施形態2の空気清浄機100の構造の説明は、実施形態2が実施形態1とで主に異なる部分について行い、実施形態2および実施形態1の間で一致する部分については省略する。
【0039】
図9に示すように、実施形態2に係る空気清浄機100のハウジング1は、取入れ口1Aを2つ備える。
【0040】
筐体3は、前壁31および後壁32に、それぞれ吸気口3Aを有する。
【0041】
筐体3の内部には、第1送風装置41および第2送風装置42が設けられる。第1送風装置41は、筐体3の前壁31(第1壁)に設けられ、第2送風装置42は、筐体3の後壁32(第2壁)に設けられる。なお、図9に示す空気清浄機100では、前壁31に第1送風装置41が設けられると説明したが、第1送風装置41は前壁31に接触させる必要がなく、単に、前壁31に寄った位置に配置してもよい。同様に、第2送風装置42も後壁32に接触させる必要がなく、単に、後壁32に寄った位置に配置してもよい。
【0042】
以下、本発明の要旨であるガイド7の構造について説明する。実施形態2のガイド7も、実施形態1と同様に、板状構造体、すなわちガイド板71である。しかし、ガイド板71の数が少なくとも一以上という点が、実施形態1と異なる。
【0043】
実施形態2のガイド板71は、幅広の面が第1送風装置41および第2送風装置42と対向し、かつ、第1送風装置41および第2送風装置42に向かう紫外線UVを幅広の面で受けるように、第1送風装置41および第2送風装置42の間に配置される。
【0044】
実施形態2の空気清浄機100の動作について、図9を参照して説明する。なお、実施形態2の空気清浄機100の動作の説明も、実施形態2が実施形態1とで主に異なる部分について行い、実施形態2および実施形態1の間で一致する部分については省略する。
【0045】
まず、周囲の空気と、その空気中に浮遊する病原体とを筐体3の内部に吸い込むために、第1送風装置41および第2送風装置42が空気流を発生させる。第1送風装置41および第2送風装置42が空気流を発生させることで、実施形態1と同様に、各送風装置4の送風口4Bから筐体3の内部に空気流が送風される。送風口4Bから送風された空気流は、空気流F1のように上方向に流れる。
【0046】
また、各送風装置4の送風口4Bから送風される空気流の一部は、例えば、空気流F2のように上方向以外に向かう。上方向以外に向かう空気流F2は、ガイド板71が受けて、空気流F3のように上方向に向かって案内される。各送風装置4から生じた空気流F1および空気流F3は、紫外線UVの照射領域を通過して、筐体3の外部に吹き出す。
【0047】
一方で、筐体3の内部の紫外線UVは、第1送風装置41および第2送風装置42に向かう。各送風装置4に向かう紫外線UVは、ガイド板71によって吸収される。
【0048】
このように、実施形態2に係る空気清浄機100によると、各送風装置4の送風口4Bから送風された空気流F2を案内するため、各送風装置4から送風された空気流が交じり合うことによって生じる空気流の停滞を低減することができる。したがって、ガイド板71を設けない場合と比較して、筐体3の内部に多くの量の空気流を通過させることができる。結果として、ガイド板71を配置することで、より多くの病原体が筐体3の内部を通過するため、空気清浄機100の周囲の病原体を弱毒化させるために必要な時間を短縮することができる。
【0049】
また、ガイド板71は、送風装置4に向かう紫外線UVを受けて吸収することによって、各送風装置4を紫外線UVから保護する。結果として、各送風装置4の紫外線UVによる劣化が低減する。
【0050】
好ましくは、ガイド板71の少なくとも一部は、第1送風装置41および第2送風装置42よりも下流の位置に配置される。このようにガイド板71を配置すると、各送風装置4の発生させた空気流を、各送風装置の下流の位置まで案内することができる。したがって、各送風装置4の下流の位置で、各送風装置4の発生させた空気流が互いに交じり合うことを防止することができる。
【0051】
さらに、好ましくは、ガイド板71は、紫外線光源5において前記第2送風装置42と最も近い部分P1と、第2送風装置42の最も下流側にある部分P2とを結ぶ仮想の直線L1上から上流側に少なくとも配置される。紫外線UVの照射領域の大きさは、紫外線UVを照射するのに使用する光源によって異なるが、紫外線光源5から照射された紫外線UVが、反射体6による反射によらず、第2送風装置42に直接向かうには、仮想の直線L1から上流側の空間を通過する必要がある。この空間にガイド板71が配置されることで、ガイド板71は、第2送風装置42に向かう紫外線UVを受けることができ、第2送風装置42を紫外線UVから保護することができる。なお、紫外線光源5が複数設けられている場合は、何れの紫外線光源5を基準に仮想の直線L1を設定してもよいが、最も下流側に設けられた紫外線光源5を基準に仮想の直線L1を定めるのが好ましい。
【0052】
以下に、実施形態2に係る空気清浄機100の変形例1から変形例8の構造について図10から図18を参照して説明する。
【0053】
[変形例1]
図10に示すように、実施形態2に係る空気清浄機100の変形例1は、ガイド板71が、2セットの送風装置4の配置されている空間を筐体3の角から対向する角までにわたる斜め方向に仕切るように、左前から右後に向かう方向に沿って、筐体3の内側に設けられる点で図9の空気清浄機100とは異なる。このようなガイド板71は互いに反対の位置にある幅広の面のそれぞれで、各送風装置4から筐体3の内側に向かう空気流を受けて、紫外線UVの照射領域の方向に案内する。かつ、ガイド板71は、各送風装置4に向かう紫外線UVを幅広の面で受けて吸収する。なお、変形例1のガイド板71は、2セットの送風装置4の配置されている空間を前後左右方向に対して斜め方向に仕切ることができればよい。すなわち、ガイド板71の一部が筐体3の角の部分に配置されていなくともよい。
【0054】
[変形例2]
図11および図12に示すように、実施形態2に係る空気清浄機100の変形例2は、2セットの送風装置4が、筐体3の内部において、同一の壁の異なる位置に設けられる点と、紫外線光源5が送風装置4の設けられた壁と交差する壁に設けられている点とが、図9に示す空気清浄機100と異なる。具体的には、2セットの送風装置4が筐体3の前壁31に設けられ、紫外線光源5が、筐体3の左壁33における送風装置4の下流側の位置、すなわち上方向の位置に設けられる。ガイド板71は、幅広の面が、各送風装置4の方向に向くように、2セットの送風装置4の間に配置される。すなわち、ガイド板71は、前後方向に沿って筐体3の内側に設けられる。したがって、ガイド板71は、幅広の面で、各送風装置4から筐体3の内側に向かう空気流を受けて、紫外線UVの照射領域の方向に案内する。かつ、ガイド板71は、送風装置4に向かう紫外線UVを幅広の面で受けて吸収する。
【0055】
[変形例3]
図13および図14に示すように、実施形態2に係る空気清浄機100の変形例3は、ガイド板71の数が、二である点と、紫外線光源5が送風装置4の設けられた壁と交差する壁に設けられている点とが、図9に示す空気清浄機100と異なる。具体的には、二のガイド板71の内の一方である第1ガイド板711は、幅広の面が左右方向に沿うように、2セットの送風装置4の間に配置される。他方のガイド板71である第2ガイド板712は、第1ガイド板711の幅広の面と交差し、すなわち前後方向に沿い、かつ、2セットの送風装置4の両方の上方向の位置を通るように設けられる。紫外線光源5は、筐体3の右壁34における送風装置4の下流側の位置、すなわち上方向の位置に設けられる。変形例3の空気清浄機100では、第1ガイド板711が、前後方向において筐体3の内側に向かう空気流を紫外線UVの照射領域に向かって案内し、第2ガイド板712が、左右方向において筐体3の内側に向かう空気流を紫外線UVの照射領域に向かって案内する。また、送風装置4に向かう紫外線UVは、第1ガイド板711または第2ガイド板712が受けて吸収する。
【0056】
[変形例4]
図15に示すように、実施形態2に係る空気清浄機100の変形例4は、送風装置4が2セットではなく4セットである点と、ガイド板71の数が、二である点とが、図9に示す空気清浄機100と異なる。具体的には、各送風装置4は、筐体3の内部において、前後左右の壁のそれぞれに設けられる。二のガイド板71の内の一方である第1ガイド板711は、幅広の面が前後方向に沿い、かつ、前壁31および後壁32のそれぞれに設けられた送風装置4の両方の上方を通るように設けられる。他方のガイド板71である第2ガイド板712は、第1ガイド板711の幅広の面と交差し、すなわち、左右方向に沿い、かつ、左壁33および右壁34のそれぞれに設けられた送風装置4の両方の上方を通るように設けられる。したがって、第1ガイド板711が、左右方向において筐体3の内側に向かう空気流を紫外線UVの照射領域に向かって案内し、第2ガイド板712で、前後方向において筐体3の内側に向かう空気流を紫外線UVの照射領域に向かって案内する。また、送風装置4に向かう紫外線UVは、第1ガイド板711または第2ガイド板712が受けて吸収する。
【0057】
[変形例5]
図16に示すように、実施形態2に係る空気清浄機100の変形例5は、送風装置4が2セットではなく4セットである点と、ガイド板71の数が、二であり、ガイド板71を配置する姿勢が斜めである点とが、図9に示す空気清浄機100と異なる。具体的には、各送風装置4は、筐体3の内部において、前後左右の壁のそれぞれに設けられる。二のガイド板71の一方である第1ガイド板711は、幅広の面が、筐体3の角から対向する角までにわたる斜め方向、すなわち左前から右後に向かう方向に仕切るように筐体3の内側に設けられる。他方のガイド板71である第2ガイド板712は、第1ガイド板711と交差するように、筐体3の内部の右前の角から、筐体3の内部の左後の角までにわたって設けられる。したがって、第1ガイド板711および第2ガイド板712は、それらの何れかの幅広の面で、各送風装置4から筐体3の内側に向かう空気流を受けて、紫外線UVの照射領域に案内する。かつ、送風装置4に向かう紫外線UVは、第1ガイド板711または第2ガイド板712が受けて吸収する。なお、変形例5のガイド板71は、4セットの送風装置4の配置されている空間を前後左右方向に対して斜め方向に仕切ることができればよい。すなわち、ガイド板71の一部が筐体3の角の部分に配置されていなくともよい。
【0058】
[変形例6]
図17および図18に示すように、実施形態2に係る空気清浄機100の変形例6は、送風装置4が2セットではなく5セットである点と、ガイド板71の数が四である点とが、図9に示す空気清浄機100と異なる。具体的には、5セットの送風装置4は、筐体3の内部における前後左右および下の壁のそれぞれに配置される。四のガイド板71のうち、第1ガイド板711および第2ガイド板712は、筐体3の下壁36に設けた送風装置45を前後方向から挟み込むように設けられる。四のガイド板71のうち、第3ガイド板713および第4ガイド板714は、筐体3の前壁31に設けられた送風装置43、筐体3の後壁32に設けられた送風装置44、および、筐体3の下壁36に設けられた送風装置45を左右方向から挟み込むように設けられる。したがって、四のガイド板71は、それらの何れかの幅広の面で、下壁36に設けた送風装置45を除く4セットの送風装置4のそれぞれから筐体3の内側に向かう空気流を受けるとともに、下壁36に設けた送風装置45から筐体3の外側に向かう空気流を受けて、紫外線UVの照射領域に案内する。かつ、各送風装置4に向かう紫外線UVは、第1ガイド板711から第4ガイド板714までの何れかが受けて吸収する。
【0059】
[実施形態3]
実施形態3の空気清浄機100について、図19から図21を参照して説明する。図19から図21に示すように、実施形態3は、ガイド板71のような空気流を通過させないガイド7ではなく、空気流を通過させるガイド7を備える点で実施形態1および実施形態2と異なる。実施形態3の空気清浄機100の説明は、実施形態3が実施形態1および実施形態2と主に異なる部分について行い、実施形態3および実施形態1ならびに実施形態2の間で一致する部分については省略する。
【0060】
図19から図21に示すように、空気流を通過させるガイド7は、筐体3の内部において、送風装置4の配置されている空間と、紫外線光源5の配置されている空間とを分けるとともに、送風装置4から紫外線UVの照射領域に向かう空気流を通すように配置される。したがって、送風装置4から紫外線UVの照射領域の方向以外に向かう空気流は、送風装置4から紫外線UVの照射領域の方向に向かう空気流を通すガイド7により、紫外線UVの照射領域に向かって案内される。これにより、紫外線UVの照射領域の方向以外に流れて、筐体3の内部に滞留し、紫外線UVの照射領域の方向に向かう空気流を阻害する空気流の量が低減し、その分多くの空気流を紫外線UVの照射領域の方向に向かわせることができる。さらに、紫外線光源5から照射された紫外線UVは、空気流を通過させるガイド7に吸収されて、送風装置4の配置されている空間に到達することができない。結果、ガイド7を設けた方が、ガイド7を設けない場合よりも、空気流の量が多いため、弱毒化させることができる病原体の量が多く、周囲の環境を短時間で人に病気を罹患させにくい環境を形成するだけでなく、紫外線UVによる送風装置4の劣化が低減される利点がある。なお、送風装置4が2セットある場合、2セットの送風装置4の空気流が交じり合わないようにするための板状構造体を、2セットの送風装置4の間に配置されるように、空気流を通過させないガイド7の下部に設けてもよい。
【0061】
以降では、実施形態3およびその変形例について順に説明する。
【0062】
図19および図20に示すように、実施形態3に係る空気清浄機100では、ガイド7は、ハニカム構造等を有する多孔体である。多孔体は、複数の貫通孔が設けられた部材である。図19および図20に示す多孔体は、ハニカム構造体の一例であって、ハニカム構造を有する板状のハニカム構造板72である。ハニカム構造板72は、厚み方向に開口する複数のセルが、面方向に敷き詰められた構造となっている。また、実施形態1および実施形態2にて説明したガイド板71と同様に、ハニカム構造板72の表面にも、紫外線UVを吸収するように、コーティング、または、表面処理が施される。コーティング、および、表面処理の具体例は、実施形態1および実施形態2のガイド板71と同様である。
【0063】
ハニカム構造板72は、送風装置4を設けた空間と、紫外線光源5を設けた空間とを分けるとともに、それらの空間を各セルが連通するように、筐体3の内側に配置される。したがって、送風装置4が空気流を発生させると、送風装置4から紫外線UVの照射領域の方向に向かう空気流は、各セルを通過して、紫外線UVの照射領域に向かう。一方で、送風装置4から送風される空気流の一部であって、紫外線UVの照射領域とは異なる方向に向かう空気流は、各セルによって紫外線UVの照射領域の方向に向かって案内される。また、紫外線光源5から照射された紫外線UVは、ハニカム構造板72が受けて吸収するため、送風装置4の配置された空間に入ることができない。結果、送風装置4の発生させた空気流が、紫外線UVの照射領域に向かうだけでなく、送風装置4が紫外線UVから保護される。
【0064】
[変形例]
図21に示すように、実施形態3に係る空気清浄機100の変形例では、ガイド7は、ルーバー73である。ルーバー73は、ハニカム構造板72と同様に、筐体3の内部において、送風装置4を設けた空間と、紫外線光源5を設けた空間とを分けるとともに、送風装置4から紫外線UVの照射領域に向かう空気流を通すように配置される。また、ルーバー73の表面には、前述のハニカム構造板72と同様に、紫外線UVを吸収するためのコーティング、または、表面処理が施されている。送風装置4が空気流を発生させると、送風装置4から紫外線UVの照射領域に向かう空気流は、ルーバー73を通過して、紫外線UVの照射領域に向かう。一方で、送風装置4から送風される空気流の一部であって、紫外線UVの照射領域とは異なる方向に向かう空気流は、紫外線UVの照射領域の方向に向かうようにルーバー73に案内される。また、紫外線光源5から照射された紫外線UVは、ルーバー73が受けて吸収するため、送風装置4の配置された空間に入ることができない。結果、ハニカム構造板72と同様に、送風装置4の発生させた空気流が、紫外線UVの照射領域に向かうだけでなく、紫外線UVから送風装置4が保護される。
【0065】
[実施形態4]
図22を参照して、実施形態4に係る空気清浄機100について説明する。実施形態4の空気清浄機100は、実施形態1および実施形態2のガイド板71と、実施形態3のハニカム構造板72若しくはルーバー73の何れか一方、または、ハニカム構造板72およびルーバー73の両方とを組み合わせて備える。図22に示す空気清浄機100は、実施形態4の一例として、実施形態1ならびに実施形態2にて説明したガイド板71、および、実施形態3にて説明したハニカム構造板72を組み合わせて備える。したがって、ハニカム構造板72が、送風装置4に向かう紫外線UVの一部を吸収して、残りの紫外線UVをガイド板71で受けて吸収させることもできる。送風装置4の発生させる空気流の紫外線UVの照射領域への案内においても、例えば、ガイド板71で紫外線UVの照射領域以外の方向に向かう空気流を案内し、ガイド板71で案内できなかった空気流をハニカム構造板72が案内することもできる。このようにすることで、ハニカム構造板72のセルの形状などを送風装置4の送風する空気流の特性に合わせて設定することができる。すなわち、送風装置4の種類に合わせて、ガイド7の構造を設定することができる利点がある。
【0066】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限られるものではなく、ガイド7が、送風装置4の発生させる空気流の一部であって、紫外線UVの照射領域の方向以外に向かう空気流を紫外線UVの照射領域に案内するとともに、送風装置4に向かう紫外線UVを受けて吸収するという本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。例えば、紫外線光源5は、前後左右を含む何れの壁にも配置できる。さらに、紫外線光源5は、一の壁だけでなく、複数の壁に配置してもよい。また、例えば、紫外線光源5および反射体6は、送風装置4およびガイド7よりも上流側に設けてもよい。
【0067】
また、ガイド7は、送風装置4に向かう紫外線UVを受けて吸収するが、送風装置4だけでなく、空気流に生じる圧力損失若しくは空気流の流量を測定するためのセンサー、または、空気の漏れを防止するためのパッキンを含むゴム製のシール部材などの紫外線UVにより劣化するその他の機器または機械要素に向かう紫外線UVなどを受けて吸収してもよい。
【符号の説明】
【0068】
1 :ハウジング
3 :筐体
4 :送風装置
5 :紫外線光源
6 :反射体
7 :ガイド
71 :ガイド板
72 :ハニカム構造板
73 :ルーバー
100 :空気清浄機
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22