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特開2023-173971各種電圧に対応可能な電気加熱システムおよび加熱方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173971
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】各種電圧に対応可能な電気加熱システムおよび加熱方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 3/00 20060101AFI20231130BHJP
【FI】
H05B3/00 310A
H05B3/00 370
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022086548
(22)【出願日】2022-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】521237697
【氏名又は名称】スウジョウ ジェイナノ カーボン コーポレーション リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Suzhou Jernano Carbon Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.398 Ruoshui Road, Suzhou Industrial Park, China
(74)【代理人】
【識別番号】100127328
【弁理士】
【氏名又は名称】八木澤 史彦
(72)【発明者】
【氏名】ヨウグンシン
(72)【発明者】
【氏名】ソレイ
(72)【発明者】
【氏名】リョウェイ
【テーマコード(参考)】
3K058
【Fターム(参考)】
3K058AA52
3K058CB15
3K058CB19
3K058CE22
(57)【要約】
【課題】本発明は、各種電圧に対応可能な電気加熱システムおよび加熱方法を開示する。
【解決手段】前記電気加熱システムは、複数の発熱体、コントローラー、可変周波数充電素子、および少なくとも1つの電気接続コネクタで構成されており、前記コントローラーは、並列に配置されている前記複数の発熱体に電気的に接続されるとともに、前記可変周波数充電素子を介して少なくとも1つの前記電気接続コネクタにも電気的に接続されることにより、前記電気接続コネクタが異なる定格電力の電源に接続され、予め設定された通電ロジックに従って複数の発熱体に電力を供給することができるようになっている。本発明の実施例における各種電圧に対応可能な電気加熱システムおよび加熱方法は、独自の加熱ロジックを採用したことによって、各種の電圧入力に対応し、発熱体ごとに独立した温度制御を実現し、また、すべての外部電源に対応し、10W、18W、40Wの外部電源を定格電力で動作させることを確保することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発熱体と、コントローラー、可変周波数充電素子、および少なくとも1つの電気接続コネクタとで構成されていることを特徴とする各種電圧に対応可能な電気加熱システムであって、
前記コントローラーは、並列に配置されている前記複数の発熱体に電気的に接続されるとともに、少なくとも1つの前記電気接続コネクタにも電気的に接続され、
前記電気接続コネクタが外部電源に接続された際には、前記コントローラーは、外部電源の出力電力が外部電源の定格電力を超えないように、予め設定された通電ロジックに従って、前記外部電源から前記複数の発熱体に電力を分配させることができるように構成されている、各種電圧に対応可能な電気加熱システム。
【請求項2】
前記複数の発熱体は、それぞれ独立して前記コントローラーに電気的に接続され、前記コントローラーの制御により独立して発熱できることを特徴とする、請求項1に記載の各種電圧に対応可能な電気加熱システム。
【請求項3】
前記複数の発熱体の発熱温度及び/又は発熱時間が同一又は異なることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の各種電圧に対応可能な電気加熱システム。
【請求項4】
前記コントローラーは、急速充電プロトコルをサポートするチップと、前記複数の発熱体にそれぞれ接続された複数の制御回路モジュールと、それぞれ前記急速充電プロトコルチップや制御回路モジュールに接続されたシングルチップマイクロコンピュータとで構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の各種電圧に対応可能な電気加熱システム。
【請求項5】
複数の発熱ユニットが含まれ、前記コントローラーが前記複数の発熱ユニットにそれぞれ接続され、また各前記発熱ユニットには1つ又は複数の前記発熱体が含まれることを特徴とする請求項4に記載の各種電圧に対応可能な電気加熱システム。
【請求項6】
前記発熱体には、電気加熱フィルムが含まれることを特徴とする、請求項1に記載の各種電圧に対応可能な電気加熱システム。
【請求項7】
USBコネクタを含む電気接続コネクタが複数あることを特徴とする請求項1に記載の各種電圧に対応可能な、電気加熱システム。
【請求項8】
それぞれ前記複数の発熱体やコントローラーに接続される温度センサが複数配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の各種電圧に対応可能な電気加熱システム。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載の前記各種電圧に対応可能な電気加熱システムを用意し、電気接続コネクタを外部電源に電気的に接続した後、少なくとも外部電源の定格電力及び/又は各発熱体の面積に応じて、予め設定された通電ロジックに従って複数の発熱体に電力を供給し、複数の発熱体が独立して発熱でき、かつ、外部電源の出力電力が外部電源の定格電力を超えないように、電力配分を行うことを特徴とする、各種電圧に対応可能な電気加熱方法。
【請求項10】
同一または異なる電力供給時間で、複数の発熱体に周期的かつ順次に電力を供給して前記複数の発熱体を周期的に発熱させるか、または複数の発熱体に同時に電力を供給して前記複数の発熱体を同時に発熱させることを特徴とする請求項9に記載の各種電圧に対応可能な電気加熱方法であって、
好ましくは、複数の発熱体の総電流は、外部電源の定格電流を超えず、
好ましくは、前記外部電源の定格電流は2Aであり、定格電圧は5乃至20Vであり、
好ましくは、外部電源の電圧が20Vの場合、1電力供給サイクルにおける各発熱体の加熱時間の割合がtn=Sn/(S1+S2+…+Sn)であり、各発熱体の加熱電力がWn=Pn×tn=V×tn/Rnである。ここでは、nは発熱体の数、nは2以上、Snは発熱体の面積、Wnは発熱体の加熱電力、Pnは発熱体の定格電力、Rnは発熱体の電気抵抗であり、
好ましくは、外部電源の電圧が9Vの場合、1電力供給サイクルにおける各発熱体の加熱時間の割合がtn=(2×Sn)/(S1+S2+…+Sn)であり、各発熱体の加熱電力がWn=Pn×tn=V×tn/Rnである。ここでは、nは発熱体の数、nは2以上、Snは発熱体の面積、Wnは発熱体の加熱電力、Pnは発熱体の定格電力、Rnは発熱体の電気抵抗であり、
好ましくは、外部電源の電圧が5Vの場合、1電力供給サイクルにおける各発熱体の加熱時間の割合が(3×Sn)/(S1+S2+…+Sn)であり、各発熱体の加熱電力がWn=Pn×tn=V×tn/Rnであり、nは発熱体の数、nは2以上、Snは発熱体の面積、Wnは発熱体の加熱電力、Pnは発熱体の定格電力、Rnは発熱体の電気抵抗である、各種電圧に対応可能な電気加熱方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気加熱の技術分野に属し、電気加熱システムに関し、特に、各種電圧に対応可能な電気加熱システム及び加熱方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スマート電熱ウェア製品の市場での広範な応用に伴い、ユーザーは昇温速度と加熱面積に対する要求もますます高まっている。しかし、現在市販されている通常のモバイルバッテリーは、定格出力がほとんど5V/2Aであり、加熱システムの電源として出力能力が制限されているので、加熱面積と加熱システムの昇温速度は人々の加熱フィーリングに対する要求を満足することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、従来技術の欠点を克服するために、各種電圧に対応可能な電気加熱システム及び加熱方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前述の発明の目的を達成するために、本発明は以下の技術的解決手段を採用した。
【0005】
本発明は、複数の発熱体と、コントローラー、可変周波数充電素子、および少なくとも1つの電気接続コネクタとで構成されていることを特徴とする各種電圧に対応可能な電気加熱システムを提供する。前記コントローラーは、並列に配置されている前記複数の発熱体に電気的に接続されるとともに、少なくとも1つの前記電気接続コネクタにも電気的に接続される。前記電気接続コネクタが外部電源に接続された際には、前記コントローラーは、外部電源の出力電力が外部電源の定格電力を超えないように、予め設定された通電ロジックに従って、前記外部電源から前記複数の発熱体に電力を分配させることができる。
【0006】
本発明は、次に示す各種電圧に対応可能な電気加熱方法も提供した。
【0007】
前記各種電圧に対応可能な電気加熱システムを用意し、前記電気接続コネクタを外部電源に電気的に接続する。
【0008】
少なくとも外部電源の定格電力及び/又は各発熱体の面積に応じて、予め設定された通電ロジックに従って複数の発熱体に電力を供給し、複数の発熱体が独立して発熱でき、かつ、外部電源の出力電力が外部電源の定格電力を超えないように、電力配分を行う。
【0009】
本発明は、従来技術と比較して、以下の利点を有する:
【0010】
1)本発明の実施例における各種電圧に対応可能な電気加熱システムおよび加熱方法は、独自の加熱ロジックを採用したことによって、各種の電圧入力に対応し、発熱体ごとに独立した温度制御を実現することができる。
【0011】
2)本発明は、独自の加熱ロジックを採用したことによって、すべての外部電源に対応し、10W、18W、40Wの外部電源を定格電力で動作させることを確保することができる。
【0012】
3)本発明は、独自の加熱ロジックを採用したことによって、入力電圧の変動による外部電源の過電力出力を引き起こすことがない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施例1における各種電圧に対応可能な電気加熱システムの構成を示す概略図である。
図2】本発明の実施例1における各種電圧に対応可能な電気加熱システムの構成を示す概略図である。
図3】本発明の実施例1における各種電圧に対応可能な電気加熱システムの通電ロジックを示す概略図である。
図4】本発明の実施例2における各種電圧に対応可能な電気加熱システムの通電ロジックを示す概略図である。
図5】本発明の実施例3における各種電圧に対応可能な電気加熱システムの通電ロジックを示す概略図である。
図6】複数の発熱体の総電力を示す数式の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
従来技術における不足を考慮して、本件発明者は長期的な研究と多くの実践を経て、本発明の技術ソリューションを提示することができた。以下に、当該技術ソリューション、その実施過程及び原理等について更に説明する。
【0015】
本発明の実施例における各種電圧に対応可能な電気加熱システム及び加熱方法は、急速充電呼出し技術により、外部電源の20V/2Aまたは9V/2Aの高電圧定格出力を呼び出して加熱を行うことで、急速発熱と大面積加熱の効果が得られるとともに、独自の加熱ロジックにより市販の5V/2Aの電源システムにも対応できる。
【0016】
本発明の実施例における各種電圧に対応可能な電気加熱システム及び加熱方法は、複数の発熱体と、コントローラー、可変周波数充電素子、および少なくとも1つの電気接続コネクタとで構成されている。前記コントローラーは、並列に配置されている前記複数の発熱体に電気的に接続されるとともに、少なくとも1つの前記電気接続コネクタにも電気的に接続される。前記電気接続コネクタが外部電源に接続された際には、前記コントローラーは、外部電源の出力電力が外部電源の定格電力を超えないように、予め設定された通電ロジックに従って、前記外部電源から前記複数の発熱体に電力を分配させることができる。
【0017】
さらに、前記複数の発熱体は、それぞれ独立して前記コントローラーに電気的に接続され、前記コントローラーの制御により独立して発熱できる。
【0018】
さらに、前記複数の発熱体の発熱温度及び/又は発熱時間が同一又は異なる。
【0019】
さらに、前記コントローラーは、急速充電プロトコルをサポートするチップと、前記複数の発熱体にそれぞれ接続された複数の制御回路モジュールと、それぞれ前記急速充電プロトコルチップや制御回路モジュールに接続されたシングルチップマイクロコンピュータとで構成されている。
【0020】
さらに、前記各種電圧に対応可能な電気加熱システムには、前記複数の発熱ユニットが含まれ、前記コントローラーが前記複数の発熱ユニットにそれぞれ接続され、また各発熱ユニットには1つ又は複数の発熱体が含まれる。
【0021】
さらに、前記発熱体には、電気加熱フィルムが含まれる。
【0022】
さらに、前記各種電圧に対応可能な電気加熱システムには、複数の電気接続コネクタが含まれ、前記電気接続コネクタにはUSBコネクタが含まれる。
【0023】
さらに、前記各種電圧に対応可能な電気加熱システムには、それぞれ前記複数の発熱体やコントローラーに接続される温度センサが複数配置されている。
【0024】
本発明の実施例では、次に示す各種電圧に対応可能な電気加熱方法も提供した。
【0025】
前記各種電圧に対応可能な電気加熱システムを用意し、前記電気接続コネクタを外部電源に電気的に接続する。
【0026】
少なくとも外部電源の定格電力及び/又は各発熱体の面積に応じて、予め設定された通電ロジックに従って複数の発熱体に電力を供給し、複数の発熱体が独立して発熱でき、かつ、外部電源の出力電力が外部電源の定格電力を超えないように、電力配分を行う。
【0027】
さらに、前記各種電圧に対応可能な電気加熱方法は、具体的には以下を含む。複数の発熱体に周期的かつ順次に電力を供給して前記複数の発熱体を周期的に発熱させるか、または複数の発熱体に同時に電力を供給して前記複数の発熱体を同時に発熱させる。また、前記複数の発熱体に電力を供給する時間は同一または異なる。
【0028】
さらに、前記複数の発熱体の総電流は、外部電源の定格電流を超えない。
【0029】
さらに、前記外部電源の定格電流は2Aであり、定格電圧は5乃至20Vである。
【0030】
より具体的な実施形態では、外部電源の電圧が20Vの場合、1電力供給サイクルにおける各発熱体の加熱時間の割合がtn=Sn/(S1+S2+…+Sn)であり、各発熱体の加熱電力がWn=Pn×tn=V×tn/Rnである。ここでは、nは発熱体の数、nは2以上、Snは発熱体の面積、Wnは発熱体の加熱電力、Pnは発熱体の定格電力、Rnは発熱体の電気抵抗である。
【0031】
より具体的な実施形態では、外部電源の電圧が9Vの場合、1電力供給サイクルにおける各発熱体の加熱時間の割合がtn=(2×Sn)/(S1+S2+…+Sn)であり、各発熱体の加熱電力がWn=Pn×tn=V×tn/Rnである。ここでは、nは発熱体の数、nは2以上、Snは発熱体の面積、Wnは発熱体の加熱電力、Pnは発熱体の定格電力、Rnは発熱体の電気抵抗である。
【0032】
より具体的な実施形態では、外部電源の電圧が5Vの場合、1電力供給サイクルにおける各発熱体の加熱時間の割合がtn=(3×Sn)/(S1+S2 +…+Sn)であり、各発熱体の加熱電力がWn=Pn×tn=V×tn/Rnである。ここでは、nは発熱体の数、nは2以上、Snは発熱体の面積、Wnは発熱体の加熱電力、Pnは発熱体の定格電力、Rnは発熱体の電気抵抗である。
【0033】
以下、添付図面及び具体的な実施例を参照して、当該技術ソリューション、その実施過程及び原理等について更に説明する。
【0034】
図1図2に示すように、各種電圧に対応可能な電気加熱システムは、三つの発熱体20、30、40と、コントローラー10、電気接続コネクタ50とで構成されている。前記コントローラー10は、それぞれ前記三つの発熱体20、30、40に電気的に接続され、前記三つの発熱体20、30、40が並列に配置されている。
【0035】
また、前記コントローラー10も、前記電気接続コネクタ50に電気的に接続されている。前記電気接続コネクタ50が外部電源に接続された際には、前記コントローラー10は、外部電源の出力電力が外部電源の定格電力を超えないように、予め設定された通電ロジックに従って、前記外部電源から前記三つの発熱体20、30、40に電力を分配させることができる。前記三つの発熱体20、30、40は、それぞれ独立して前記コントローラー10に電気的に接続され、前記コントローラー10の制御により独立して発熱できる。
【0036】
具体的には、前記発熱体20,30,40は、電熱フィルムを含み、前記電気接続コネクタ50は、USBインターフェース51およびType-cインターフェース52を含む。
【0037】
具体的には、前記コントローラー10は、急速充電プロトコルチップ11と、シングルチップマイクロコンピュータ12と、三つの制御回路モジュール13を含む。前記シングルチップマイクロコンピュータ12は、それぞれ前記急速充電プロトコルチップ11、三つの制御回路モジュール13に接続され、前記三つの制御回路モジュール13はそれぞれ前記複数の発熱体20、30、40に接続される。
【0038】
具体的には、前記コントローラー10内のシングルチップマイクロコンピュータ12は、USBインターフェース51のD+、D-フット/Type-cインターフェース52のCCを介して、クイック充電プロトコルチップ11によって外部電源と通信接続されている、急速充電業界の標準的な通信プロトコルPD2.0をサポートするUSBインターフェース51は、通信プロトコルによってモバイルバッテリーから発熱体加熱用の9V/5V電圧を出力させることができ、Type-cインターフェース52は、ccインターフェースの通信プロトコルによって、モバイルバッテリーから発熱体加熱用の20V/9V/5V電圧を出力させることができる。また、コントローラー10は内蔵された複数組の加熱制御回路モジュール13により、発熱体への電流または電圧出力を個別に制御すると同時に、各発熱体の温度をシングルチップマイクロコンピュータにフィードバックし、各発熱体ごとに独立した温度制御を実現することができる。また、独自の加熱ロジックに基づいて発熱体を加熱し、20Vでは極優れた加熱体験、9Vでは優れた加熱体験、5Vでは良好な加熱体験を得られる。
【0039】
具体的には、前記各種電圧に対応可能な電気加熱システムには、それぞれ前記複数の発熱体やコントローラーに接続される複数の温度センサが含まれる。
【0040】
本発明の実施例における各種電圧に対応可能な電気加熱システムは、PD3.0急速充電機能をサポートする、市販されているモバイルバッテリーは通常type-A出力type-cインターフェース出力に対応しているので、急速充電機能対応の場合は、図1のような各種電圧に対応可能な電気加熱システムを使用すると、type-c電気接続コネクタから20V&9V&5V電圧を、type-A電気接続コネクタ(前述のUSBインターフェース)から9V/5V電圧を出力して加熱システムに電力を供給することができる。
【0041】
従来のモバイルバッテリーの出力電圧が20V/9V/5Vの場合、定格電流は2Aであるため、モバイルバッテリーの電力を十分に利用しながら、モバイルバッテリーの出力電流が2Aを超えないように、設計時に発熱体20、30、40の抵抗値を制御する必要がある。そうしないと、モバイルバッテリーの損傷やその他の不良現象を引き起こす可能性がある。
【0042】
より具体的な実施形態では、外部電源の電圧が20Vの場合、1電力供給サイクルにおける各発熱体の加熱時間の割合がtn=Sn/(S1+S2+…+Sn)であり、各発熱体の加熱電力がWn=Pn×tn=V×tn/Rn=20×tn/10=40tnである。同様に、複数の発熱体の総電力は、図6(a)に示す式により、40Wとなる。ここでは、nは発熱体の数、nは2以上、Snは発熱体の面積、Wnは発熱体の加熱電力、Pnは発熱体の定格電力、Rnは発熱体の電気抵抗である。通常のモバイルバッテリーから20Vの電圧を出力した場合、電流は最大2A、つまり40Wであるため、以上の加熱ロジックによって20Vの電源を使用する場合にモバイルバッテリーの出力を十分に利用できると同時に、電流が2Aを超える現象も発生しないことを確保することができる。
【0043】
より具体的な実施形態では、外部電源の電圧が9Vの場合、1電力供給サイクルにおける各発熱体の加熱時間の割合がtn=(2×Sn)/(S1+S2+…+Sn)であり、各発熱体の加熱電力がWn=Pn×tn=V×tn/Rn=9×tn/10=8.1tnである。同様に、複数の発熱体の総電力は、図6(b)に示す式により、16.2Wとなる。ここでは、nは発熱体の数、nは2以上、Snは発熱体の面積、Wnは発熱体の加熱電力、Pnは発熱体の定格電力、Rnは発熱体の電気抵抗である。通常のモバイルバッテリーから9Vの電圧を出力した場合、電流は最大2A、つまり18Wであるため、以上の加熱ロジックによって9Vの電源を使用する場合にモバイルバッテリーの出力を十分に利用できると同時に、電流が2Aを超える現象も発生しないことを確保することができる。
【0044】
より具体的な実施形態では、外部電源の電圧が5Vの場合、1電力供給サイクルにおける各発熱体の加熱時間の割合がtn=(3×Sn)/(S1+S2+…+Sn)であり、各発熱体の加熱電力がWn=Pn×tn=V×tn/Rn=5×tn/10=2.5tnである。同様に、複数の発熱体の総電力は、図6(c)に示す式により、7.5Wとなる。ここでは、nは発熱体の数、nは2以上、Snは発熱体の面積、Wnは発熱体の加熱電力、Pnは発熱体の定格電力、Rnは発熱体の電気抵抗である。
【0045】
具体的には、モバイルバッテリーの大電力加熱を十分に利用すると同時に、総電流をモバイルバッテリー定格電流2Aよりも小さく確保し、モバイルバッテリーの超電力使用によるモバイルバッテリーの破損やその他の悪い結果の発生を回避するため、発熱体20、発熱体30、発熱体40の総抵抗値を10R以上確保する必要がある。
【0046】
具体的には、発熱体30(加熱シート2と定義してもよい。以下同じ)の面積は、発熱体20(加熱シート1と定義してもよい。以下同じ)および発熱体40(加熱シート3と定義してもよい。以下同じ)の面積の2倍であるものとすると、同等の発熱効果を得るために、モバイルバッテリー(即ち外部電源、以下同じ)から出力されるエネルギーの1/2が発熱体2に、1/4が発熱体1に、1/4が発熱体2にそれぞれ作用する必要がある。
【0047】
<実施例1>
図3に示すように、定格電圧20V、定格電流2Aのモバイルバッテリーを外部電源として使用する場合、当該各種電圧に対応可能な電気加熱システムの通電ロジックは、0乃至0.25sに加熱シート1の加熱、0.25乃至0.75sに加熱シート2の加熱、0.75乃至1sに加熱シート3の加熱を開始することである。このようなサイクルにより、40Wのモバイルバッテリーを定格電力でも使用することができ、過電流現象の発生を避けることもできる。
【0048】
<実施例2>
図4に示すように、定格電圧9V、定格電流2Aのモバイルバッテリーを外部電源として使用する場合、当該各種電圧に対応可能な電気加熱システムの通電ロジックは、0乃至0.5sに加熱シート1の加熱、0乃至1sに加熱シート2の加熱、0.5乃至1sに加熱シート3の加熱を開始することである。このようなサイクルにより、18Wのモバイルバッテリーを定格電力でも使用することができ、過電流現象の発生を避けることもできる。
【0049】
<実施例3>
図5に示すように、定格電圧5V、定格電流2Aのモバイルバッテリーを外部電源として使用する場合、5V給電では発熱体の電力密度が低いため、加熱シート1、2、3はフルパワーで加熱され、このときの総電力は約7.5Wとなり、モバイルバッテリーの電力を十分に利用することができる。
【0050】
本発明の実施例における各種電圧に対応可能な電気加熱システムおよび加熱方法は、独自の加熱ロジックを採用したことによって、各種の電圧入力に対応し、発熱体ごとに独立した温度制御を実現することができる。
【0051】
また、本発明は、独自の加熱ロジックを採用したことによって、すべての外部電源に対応し、10W、18W、40Wの外部電源を定格電力で動作させることを確保することができる。
【0052】
本発明は、独自の加熱ロジックを採用したことによって、入力電圧の変動による外部電源の過電力出力を引き起こすことがない。
【0053】
上記の実施例は、本発明の技術的概念および特徴を説明することのみを意図しており、その技術に精通している者が本発明の内容を理解し、実施することを可能にすることを目的としており、それによって本発明の保護範囲を限定するものではないことを考えるべきである。本発明の趣旨に基づいて行われた同等の変更または修正は、すべて本発明の保護範囲内に含まれるものとする。

図1
図2
図3
図4
図5
図6