(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173999
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】測距装置、測距システム、および測距方法
(51)【国際特許分類】
G01S 7/481 20060101AFI20231130BHJP
G01S 7/484 20060101ALI20231130BHJP
G01C 3/06 20060101ALI20231130BHJP
G02B 26/12 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
G01S7/481 Z
G01S7/484
G01C3/06 120Q
G01C3/06 140
G02B26/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022086588
(22)【出願日】2022-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】000006220
【氏名又は名称】ミツミ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】木村 祐司
(72)【発明者】
【氏名】森田 浩光
(72)【発明者】
【氏名】黒川 隆之
(72)【発明者】
【氏名】塚本 孝子
【テーマコード(参考)】
2F112
2H045
5J084
【Fターム(参考)】
2F112AD01
2F112BA05
2F112CA04
2F112CA12
2F112DA02
2F112DA04
2F112DA09
2F112DA11
2F112DA15
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2F112EA03
2F112EA05
2F112FA43
2F112GA01
2H045AA01
2H045BA20
2H045BA26
2H045BA32
2H045DA04
5J084AA05
5J084AC02
5J084AC04
5J084AC07
5J084AD01
5J084AD02
5J084BA04
5J084BA36
5J084BA50
5J084BB02
5J084BB04
5J084BB25
5J084BB26
5J084BB28
5J084CA03
5J084CA07
5J084CA18
5J084CA65
(57)【要約】
【課題】外部装置に送信するデータ量を削減可能な測距装置を提供すること。
【解決手段】本測距装置(100)は、走査される光(L2)を所定の時間間隔で物体(200)に照射する照射部(120)と、照射部(120)による光(L2)の物体(200)からの戻り光(R)に基づいて、前記所定の時間間隔ごとに前記光が走査される角度である走査角度ごとでの光(L2)の受光情報(S)を出力する受光部(8)と、受光部(8)による受光情報(S)に基づいて取得される距離情報(Dt)を含むデータ構造(Dc)を外部装置(300)に送信する送信部(406)と、を有し、データ構造(Dc)は、ヘッダーフィールド(HF)とデータフィールド(DF)と、を有し、ヘッダーフィールド(HF)は、所定数の距離情報(Dt)のうちの先頭走査角度情報(a)と、走査角度間隔情報(Δ)と、を含み、データフィールド(DF)は、所定数の距離情報(Dt)を含む。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体との間の距離を測定する測距装置であって、
走査される光を所定の時間間隔で前記物体に照射する照射部と、
前記照射部から照射された前記光が前記物体により反射または散乱された戻り光に基づいて、前記所定の時間間隔ごとに前記光が走査される角度である走査角度ごとでの前記光の受光情報を出力する受光部と、
前記受光部による前記受光情報に基づいて取得される前記物体との間の距離情報を含むデータ構造を、外部装置に送信する送信部と、を有し、
前記データ構造は、ヘッダーフィールドとデータフィールドとを有し、
前記ヘッダーフィールドは、所定数の前記距離情報のうち先頭の前記距離情報に対応した前記走査角度に関連する先頭走査角度情報と、前記走査角度の間隔に関連する走査角度間隔情報と、を含み、
前記データフィールドは、所定数の前記距離情報を含む、測距装置。
【請求項2】
前記照射部は、第1方向および前記第1方向と交差する第2方向のそれぞれに走査される光を前記物体に照射し、
所定数の前記距離情報は、所定周期内に前記第1方向に走査される前記光の前記走査角度ごとでの前記距離情報である、請求項1に記載の測距装置。
【請求項3】
前記照射部は、光反射面を有する回転反射体を含み、
前記回転反射体は、回転により前記光反射面の角度を変化させることによって前記第1方向に走査される前記光を前記物体に照射する、請求項2に記載の測距装置。
【請求項4】
発光部からの光を複数に分割する光分割部材を有し、
前記照射部は、前記光分割部材により分割された複数の光それぞれが走査される光を前記物体に照射し、
前記受光部は、前記光分割部材により分割された複数の光それぞれと対をなす複数の受光部を含み、
前記複数の受光部それぞれは、前記複数の光のうち対をなす光が前記物体により反射または散乱された複数の戻り光に基づき、前記複数の光それぞれの前記走査角度ごとでの前記受光情報を出力し、
前記ヘッダーフィールドは、前記複数の光のうち主要光における前記先頭走査角度情報と、前記主要光における前記走査角度間隔情報と、前記複数の光のうち前記主要光以外の光の前記主要光に対する相対角度情報と、前記光分割部材による分割角度に関する情報と、を含む、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の測距装置。
【請求項5】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の測距装置と、
前記測距装置に通信可能に接続され、前記測距装置による測定結果に基づいて所定の処理を実行する情報処理装置と、を有し、
前記情報処理装置は、前記送信部から受信した前記データ構造に基づいて、所定数の前記距離情報ごとに、前記距離情報に対応した走査角度情報を生成する第1生成部を有する、測距システム。
【請求項6】
請求項4に記載の測距装置と、
前記測距装置に通信可能に接続され、前記測距装置による測定結果に基づいて所定の処理を実行する情報処理装置と、を有し、
前記情報処理装置は、
前記送信部から受信した前記データ構造に基づいて、所定数の前記距離情報ごとに、前記主要光における前記距離情報に対応した走査角度情報を生成する第1生成部と、
前記送信部から受信した前記データ構造に基づいて、所定数の前記距離情報ごとに、前記主要光以外の光それぞれにおける前記距離情報に対応した走査角度情報を生成する第2生成部と、を有する、測距システム。
【請求項7】
物体との間の距離を測定する測距装置による測距方法であって、前記測距装置が、
照射部により、走査される光を前記物体に照射し、
受光部により、前記照射部から照射された前記光が前記物体により反射または散乱された戻り光に基づき、前記光の走査角度ごとでの受光情報を出力し、
送信部により、前記受光部による前記受光情報に基づいて取得される前記物体との間の距離情報を含むデータ構造を、外部装置に送信し、
前記データ構造は、ヘッダーフィールドとデータフィールドとを有し、
前記ヘッダーフィールドは、所定数の前記距離情報のうち先頭の前記距離情報に対応した前記走査角度に関連する先頭走査角度情報と、前記走査角度の間隔に関連する走査角度間隔情報と、を含み、
前記データフィールドは、所定数の前記距離情報を含む、測距方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測距装置、測距システム、および測距方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物体との間の距離を測定する測距装置が知られている。このような測距装置は、ロボットや、自動車、飛行体等の移動体に搭載され、移動体の周囲に存在する物体を認識する用途等において使用される。
【0003】
上記測距装置には、投受光部と、投受光部から投光された光を走査させる第1偏向機構および第2偏向機構と、を備え、投光された光の投光時期と、該光の物体による反射光の受光時期との時間差から、物体との間の距離を測定するものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の測距装置では、複数の距離情報とともに複数の距離情報それぞれに対応した走査角度情報を外部装置に送信すると、外部装置に送信するデータ量が増大する場合がある。
【0006】
本発明は、外部装置に送信するデータ量を削減可能な測距装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本測距装置(100)は、物体(200)との間の距離を測定する測距装置であって、走査される光(L2)を所定の時間間隔で物体(200)に照射する照射部(120)と、照射部(120)から照射された光(L2)が物体(200)により反射または散乱された戻り光(R)に基づいて、前記所定の時間間隔ごとに光(L2)が走査される角度である走査角度ごとでの光(L2)受光情報(S)を出力する受光部(8)と、受光部(8)による受光情報(S)に基づいて取得される物体(200)との間の距離情報(Dt)を含むデータ構造(Dc)を、外部装置(300)に送信する送信部(406)と、を有し、データ構造(Dc)は、ヘッダーフィールド(HF)とデータフィールド(DF)とを有し、ヘッダーフィールド(HF)は、所定数の距離情報(Dt)のうち先頭の距離情報(Dt)に対応した走査角度に関連する先頭走査角度情報(a)と、走査角度の間隔に関連する走査角度間隔情報(Δ)と、を含み、データフィールド(DF)は、所定数の距離情報(Dt)を含む。
【0008】
なお、上記括弧内の参照符号は、理解を容易にするために付したものであり、一例にすぎず、図示の態様に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、外部装置に送信するデータ量を削減可能な測距装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1実施形態に係る測距装置の全体構成を例示する斜視図である。
【
図2】
図1の測距装置における発光部および受光部周辺を例示する斜視図である。
【
図3】
図1の測距装置における照射部を例示する斜視図である。
【
図4】第1実施形態に係る測距装置の構成例のブロック図である。
【
図5】光分割部材による光分割例を示す図であり、
図5(a)は光分割部材の側面図、
図5(b)は光分割部材の斜視図、
図5(c)は光分割部材の正面図である。
【
図6】第1実施形態に係る測距装置の同期検出部の構成例の図である。
【
図7】第1実施形態に係る測距装置の制御部のハードウェア構成例の図である。
【
図8】第1実施形態に係る測距装置の制御部の機能構成例のブロック図である。
【
図9】第1実施形態に係る測距装置の制御部による処理例のフロー図である。
【
図10】第1実施形態に係る測距装置の走査線を例示する図である。
【
図11】第1実施形態に係る測距装置から送信されるデータ構造例の図である。
【
図12】5つの分割光と走査角度との関係を説明する図である。
【
図13】第2実施形態に係る測距システムの構成例を示すブロック図である。
【
図14】第2実施形態に係る情報処理装置の機能構成例のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一の構成部分には同一符号を付し、重複した説明を適宜省略する。
【0012】
以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための測距装置、測距システムおよび測距方法を例示するものであって、本発明を以下に示す実施形態に限定するものではない。以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図したものである。また図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張している場合がある。
【0013】
以下に示す図でX軸、Y軸およびZ軸により方向を示す場合があるが、Z軸に沿うZ方向は、実施形態に係る測距装置が備える第2駆動体の回転軸である第2軸に沿う方向を示す。X軸に沿うX方向は、Z方向に交差する方向を示す。Y軸に沿うY方向は、X軸およびZ軸の両方に交差する方向を示す。
【0014】
また、X方向で矢印が向いている方向を+X方向、+X方向の反対方向を-X方向と表記し、Y方向で矢印が向いている方向を+Y方向、+Y方向の反対方向を-Y方向と表記し、Z方向で矢印が向いている方向を+Z方向、+Z方向の反対方向を-Z方向と表記する。但し、これらは測距装置の使用時における向きを制限するものではなく、測距装置は任意の向きに配置可能である。
【0015】
[第1実施形態]
以下、サービスロボットに搭載され、サービスロボットの進行方向または周囲に存在する物体との間の距離をTOF(Time of Flight)方式で測定する測距装置を一例として、実施形態を説明する。
【0016】
サービスロボットとは、工場内での資材運搬、接客施設での商品運搬および案内業務、施設内警備、或いは清掃等の主に役務の目的で使用される自律移動型の移動体をいう。移動体とは移動可能な物体をいう。サービスロボットに搭載される測距装置は、サービスロボットの進行方向または周囲に存在する物体を検出したり、サービスロボットが動作する施設の施設内地図等を作成したりするために使用される。
【0017】
<測距装置100の構成例>
(全体構成)
図1から
図3を参照して、実施形態に係る測距装置100の構成の一例を説明する。
図1は、測距装置100の全体構成を例示する斜視図である。
図2は、測距装置100における発光部および受光部の周辺を例示する斜視図である。
図3は測距装置100における照射部120を例示する斜視図である。
【0018】
測距装置100は、物体との間の距離を測定する。
図1から
図3に示すように、測距装置100は、照射部120と、台部1と、保持部2と、発光部3と、コリメートレンズ4と、穴あきミラー6と、受光レンズ7と、5つの受光部8と、イケール9と、を有する。
【0019】
照射部120は、走査される光を所定の時間間隔で物体に照射する。本実施形態では、照射部120は、回転反射体5と、回転ステージ10と、を含む。照射部120は、第1方向および第1方向と交差する第2方向に走査される光を物体に照射する。本実施形態では、第1方向は、Z方向に沿う方向またはX-Z平面内においてZ方向からわずかに傾いた方向に対応する。第1方向については、別途
図10を用いて説明においても述べる。第2方向は、X方向に沿う方向である。
【0020】
台部1は、保持部2と回転ステージ10が設けられた平板状の部材である。台部1は、-Z方向側の面上における相互に異なる領域に、保持部2と回転ステージ10とを固定している。回転ステージ10は、台部1の+Y方向側の領域にネジ部材等により固定されている。保持部2は、台部1における回転ステージ10の-Y方向側の領域に、結合部材11を介してネジ部材等により固定されている。
【0021】
台部1は、その材質に特段の制限はないが、回転ステージ10は重量が大きい場合があるため、金属材料等の剛性が高い材料を含んで構成されることが好ましい。台部1は、平板状の部材に限られず、回転ステージ10と保持部2を設置可能であれば如何なるものであってもよい。例えばサービスロボットの筐体に保持部2と回転ステージ10が設置される場合には、サービスロボットの筐体が台部に対応する。
【0022】
保持部2は、天井パネル21と背面パネル22とが結合して構成された部材である。天井パネル21および背面パネル22は、それぞれ平板状の部材である。天井パネル21および背面パネル22は、その材質に特段の制限はなく、例えば金属材料または樹脂材料等を適用可能である。
【0023】
天井パネル21の+Z方向側の面には、発光部3、コリメートレンズ4および穴あきミラー6が設けられている。背面パネル22の+Y方向側の面には、受光レンズ7および5つの受光部8が設けられている。
【0024】
発光部3は、光を発する。例えば、発光部3は、LD(Laser Diode:半導体レーザ)である。発光部3は、パルス光であるレーザ光L0を+Z方向側に発する。但し、発光部は、LED(light emitting diode:発光ダイオード)等であってもよい。レーザ光L0の波長は、近赤外波長領域等の非可視の波長領域のレーザ光であると、人間にレーザ光を視認させずに測距可能な点において好適である。
【0025】
コリメートレンズ4は、ガラス材料または樹脂材料を含んで構成される。コリメートレンズ4は、レーザ光L0を略コリメート(略平行化)する。コリメートレンズ4は必須の構成部ではない。但し、測距装置100は、コリメートレンズ4を有することにより、発光部3から発せられたレーザ光L0の広がりを抑制でき、光利用効率を向上させることができる。
【0026】
コリメートレンズ4によりコリメートされたレーザ光L0は、光分割部材41に入射する。光分割部材41は、発光部3からのレーザ光L0を複数に分割する。光分割部材41は、例えば回折格子である。光分割部材41は、レーザ光L0を5つの分割光L1に分割する。5つの分割光L1は、穴あきミラー6に設けられた貫通孔61を通過した後、回転反射体5に入射する。分割光L1の数は、複数であれば、要求される空間分解能等に応じて適宜選択可能である。なお、光分割部材41により得られる5つの分割光L1の詳細については、別途
図5を参照して述べる。
【0027】
回転反射体5は、6つの光反射面51を有する。回転反射体5は、回転により光反射面51の角度を変化させることによって走査される5つの分割光L1を物体に照射する。
図1における走査光L2は、光反射面51による分割光L1の反射光であり、走査される光に対応する。換言すると、照射部120は、光分割部材41により分割された5つの分割光L1それぞれが走査される光である5つの走査光L2を物体に照射できる。
【0028】
図1では、図を簡素化するため、5つの分割光L1のうちの1つのみと、5つの走査光L2のうちの1つのみと、を表示している。また
図1は、5つの走査光L2のうちの1つを、任意のタイミングに+Y方向側に照射される1つのレーザビームとして表示している。
【0029】
回転反射体5は、例えばポリゴンミラーである。ポリゴンミラーは回転多面鏡である。第1軸A1に沿う方向から視た回転反射体5の形状は略正六角形である。回転反射体5は、正六角形の各辺に対応する外周面に6つの光反射面51を有する。回転反射体5は、アルミニウム等の金属材料で形成した略正六角柱状の部材の外周面を、切削または鏡面研磨することにより製作できる。但し、回転反射体5は、金属材料または樹脂材料等で形成された回転体の外周面にアルミニウム等を鏡面蒸着することにより製作されてもよい。
【0030】
光反射面51の数は、6つに限定されず、1以上であればよい。光反射面51の数に応じて、回転反射体5による光の走査角度範囲が異なる。例えば、光反射面51の数が多いほど走査角度範囲は狭くなり、光反射面51の数が少ないほど走査角度範囲は広くなる。光反射面51の数は、要求される走査角度範囲に応じて適宜決定可能である。
【0031】
回転反射体5には、回転反射体5の中心軸と回転軸が略一致するように第1軸モータが取り付けられている。回転反射体5は、第1軸モータを駆動源にして第1軸A1周りに回転する。5つの分割光L1は、第1軸A1を中心にした円の円周方向に走査されるということもできる。回転反射体5の回転方向は一定である。例えば、回転反射体5は
図1における第1軸回転方向A11に沿って連続回転する。但し、回転反射体5は、第1軸回転方向A11とは反対方向に連続回転してもよい。
【0032】
測距装置100の+Y方向側に物体が存在すると、5つの走査光L2が物体で反射または散乱された戻り光が測距装置100に向けて-Y方向側に戻される。戻り光は、再び回転反射体5の光反射面51に入射し、光反射面51により-Z方向側に反射される。-Z方向側に反射された戻り光のうち、穴あきミラー6のミラー面に入射した戻り光は、このミラー面により-Y方向側に反射され、5つの受光部8に到達する。本実施形態では、5つの分割光L1が反射される光反射面51と戻り光が反射される光反射面51は同じ面である。
【0033】
穴あきミラー6は、走査光L2が物体で反射または散乱された戻り光を偏向させる光偏向部である。穴あきミラー6は貫通孔61を含む。貫通孔61は、発光部3が発する光を通過させる開口である。貫通孔61は、穴あきミラー6におけるミラー面が設けられた領域の一部に形成されている。穴あきミラー6に入射する光のうち、このミラー面に入射する光は反射され、貫通孔61に入射する光は貫通孔61を通過する。
【0034】
穴あきミラー6は、コリメートレンズ4によりコリメートされたレーザ光L0を、貫通孔61を通して通過させる。また穴あきミラー6は、走査光L2が物体で反射または散乱された戻り光を、ミラー面により5つの受光部8に向けて反射する。穴あきミラー6のミラー面により反射された戻り光は、受光レンズ7により集光され、5つの受光部8に入射する。
【0035】
光偏向部の開口は、貫通孔に限らず、光偏向部におけるミラー面の一部に設けられた透明な領域であってもよい。また、光偏向部としてビームスプリッターやハーフミラー等を用いることもできる。
【0036】
5つの受光部8は、照射部120から照射された5つの走査光L2が物体により反射または散乱された戻り光に基づいて、5つの走査光L2それぞれの走査角度ごとでの受光情報を出力する。「走査角度」とは、照射部120から走査光L2が照射される所定の時間間隔ごとにレーザ光が走査される角度を意味する。
【0037】
5つの受光部8は、光分割部材41により分割された5つの分割光L1それぞれと対をなす、受光部81から受光部85を含む。受光部81から受光部85のそれぞれは、5つの分割光L1のうち対をなす走査光L2が、物体により反射または散乱された戻り光に基づき、5つの走査光L2それぞれの走査角度ごとでの受光情報を出力する。
【0038】
受光部81から受光部85のそれぞれは、例えばAPD(Avalanche Photodiode:アバランシェフォトダイオード)である。APDは、アバランシェ増倍と呼ばれる現象を利用して受光感度を向上させたフォトダイオードの一種である。但し、受光部81から受光部85のそれぞれは、フォトダイオード(Photodiode)や光電子増倍管等であってもよい。
【0039】
イケール9は、屈曲部を含む部材である。イケール9は、回転反射体5を支持する。イケール9は、-Z方向側の面が回転ステージ10の載置面101に接触し、ネジ部材等により載置面101上に固定されている。イケール9は、基板91を介し、底面に交差する+X方向側の面に回転反射体5を支持する。イケール9の材質に特段の制限はないが、剛性を高く確保するために、金属等の高剛性の材料を含んで構成されることが好ましい。
【0040】
回転ステージ10は、回転反射体5を支持しつつ、自身が回転可能である。回転ステージ10は、イケール9を第2軸A2周りに回転させることにより、回転反射体5を第2軸A2周りに回転させる。回転反射体5による5つの走査光L2は、回転ステージ10の回転によって、第2方向に走査される。5つの走査光L2は、第2軸A2を中心にした円の円周方向に走査されるということもできる。
【0041】
回転ステージ10は、台部1上において、保持部2が設けられた領域とは異なる領域に設けられている。従って回転ステージ10が回転しても、保持部2、並びに保持部2が保持する発光部3および5つの受光部8はそれぞれ不動であり、台部1に固定された状態が維持される。
【0042】
図3に示すように、回転ステージ10は、載置面101と、ベアリング102と、マグネット103と、モータコア104と、を有する。
【0043】
載置面101は、第2軸A2に略直交し、第2軸A2周りに回転可能な面である。載置面101はイケール9を載置する。ベアリング102は、載置面101の回転を滑らかにする部材である。ベアリング102には、ボールベアリングまたはクロスローラベアリング等を適用してもよい。
【0044】
マグネット103は永久磁石からなる。モータコア104はモータを構成するステータの鉄心に該当する部材である。マグネット103とモータコア104とを含んでモータが構成されている。電流に応じてマグネット103が回転することにより、ベアリング102を介して載置面101が回転する。
【0045】
回転ステージ10の回転方向は、一定であり、例えば
図1における第2軸回転方向A21に対応する。但し、回転ステージ10は、第2軸回転方向A21とは反対方向に連続回転してもよい。
【0046】
測距装置100は、レーザ光L0の光軸と第2軸A2とが同軸になるように構成されている。レーザ光L0の光軸は、レーザ光L0の伝搬方向に沿うレーザ光L0の中心を通る軸を意味する。また同軸とは、複数の軸が略一致していることを意味する。
【0047】
走査光L2は、回転反射体5の回転により第1軸A1と交差する方向に走査されるとともに、回転ステージ10の回転により第2軸A2と交差する方向に走査される。第2軸A2と交差する方向は、例えば重力方向に略直交する水平方向である。第1軸A1は、第2軸A2に対して傾いて配置されればよい。
【0048】
測距装置100は、発光部3、回転反射体5、5つの受光部8または回転ステージ10等の構成部の一部または全部を覆うための外装カバーを備えてもよい。外装カバーを備えると、測距装置100の内部へのゴミや埃等の侵入を防ぎ、回転反射体5等にゴミや埃等が付着することを防止できる。また回転反射体5や回転ステージ10が高速回転すると、回転に伴う風切り音が大きくなる場合がある。外装カバーを設けることにより音が周囲に伝わることを抑制できる。外装カバーの材質には、金属または樹脂材料等を適用可能である。
【0049】
一方、外装カバーを設けると、外装カバーにおける走査光L2が出射する出射窓以外の部分が走査光L2を遮るため、走査角度範囲が制限され、測距装置100による物体200の検出範囲または測距範囲が制限される場合がある。走査光L2の波長に対して光透過性を有する透明な樹脂材料で外装カバーを構成すると、このような走査角度範囲の制限を緩和できる。
【0050】
図4は、測距装置100の構成を例示するブロック図である。なお、
図4における実線で示した矢印は光の流れを示し、破線で示した矢印は電気信号の流れを示している。
図4に示すように、測距装置100は、受発光部110と、照射部120と、出射窓130と、制御部140と、を有する。
【0051】
照射部120は、回転反射体5と、回転ステージ10と、駆動制御部150と、を有する。照射部120は、駆動制御部150により、回転反射体5および回転ステージ10それぞれの回転を制御することによって、5つの走査光L2を物体200に照射する。
【0052】
駆動制御部150は、第1軸モータ151と、第2軸モータ152と、同期検出部153と、回転制御部402と、給電部155と、を有する。駆動制御部150は、同期検出部153から出力される回転反射体5の回転周期に対応する同期信号Snに基づき、回転制御部402により、第2軸モータ152による回転を制御する。
【0053】
同期検出部153は、第1軸エンコーダ531と、周期光発光部532と、周期光受光部533と、を有する。同期検出部153は、第1軸エンコーダ531から出力される第1角度検出信号En1に基づいて周期光発光部532に発光させ、周期光発光部532からの光を受光した周期光受光部533により同期信号Snを出力させる。第1角度検出信号En1は、回転反射体5の回転角度の検出信号である。
【0054】
周期光発光部532は、例えばLED等を含んで構成され、第1角度検出信号En1に基づき、例えば第1軸エンコーダ531が回転反射体5の回転原点に対応する角度を検出したタイミングにパルス光Opを発する。
【0055】
周期光受光部533は、フォトダイオード(Photo Diode)等を含んで構成され、周期光発光部532により発生されたパルス光Opを受光したタイミングに、第2軸ドライバ基板173を介して同期信号Snを回転制御部402に出力する。
【0056】
給電部155は、発電コイル551と、給電コイル552と、を有する。給電部155は、電磁誘導により第1軸モータ151等に非接触で給電する。なお、給電とは電力を供給することをいう。
【0057】
発電コイル551は、電磁誘導により逆起電力を発生し、第1軸モータ151、第1軸エンコーダ531および第1軸ドライバ基板163のそれぞれに給電可能なコイルである。給電コイル552は、発電コイル551に対向配置され、第2軸ドライバ基板173から流れる電流に応じて、電磁誘導により発電コイル551に逆起電力を発生させるコイルである。給電コイル552に電流を流すと、電磁誘導により非接触で発電コイル551に逆起電力が発生する。
【0058】
本実施形態では、給電部155が電磁誘導により非接触給電する構成を例示するが、これに限定されるものではない。例えば給電部155は、回転接点により給電することもできる。回転接点とは、回転体に配置された金属製リングとブラシを介して、回転体に電気的に接続する構成をいう。このような回転接点を用いて、外部から第1軸モータ151等に給電することもできる。
【0059】
基板91には、回転反射体5、第1軸モータ151、第1軸エンコーダ531、第1軸ドライバ基板163、周期光発光部532および発電コイル551等が設けられている。回転ステージ10には、第2軸モータ152、第2軸エンコーダ172、第2軸ドライバ基板173、周期光受光部533、給電コイル552等が設けられている。
【0060】
第1軸モータ151は、回転反射体5を第1軸A1周りに回転させる。第1軸モータ151には、DC(Direct Current)モータまたはAC(Alternating Current)モータ等を適用できる。
【0061】
第1軸エンコーダ531は、第1角度検出信号En1を出力する。第1軸エンコーダ531は、例えばロータリエンコーダである。
【0062】
第1軸ドライバ基板163は、第1軸モータ151に駆動信号を供給する電気回路等を含む基板である。第1軸ドライバ基板163は、第1角度検出信号En1に基づき、回転反射体5が所定の第1周波数(回転数)により回転するように制御できる。なお、第1周波数は、第1軸ドライバ基板163により制御されるため、回転制御部402の制御対象ではない。
【0063】
第1軸ドライバ基板163は、給電部155による給電が開始された場合に、第1軸モータ151により回転反射体5の回転を開始させ、給電部155による給電が停止された場合に、第1軸モータ151により回転反射体5の回転を停止させる。
【0064】
第2軸モータ152は、DCモータ、ACモータまたはステッピングモータ等の各種モータにより構成できる。第2軸エンコーダ172は、ロータリエンコーダ等により構成され、回転ステージ10の回転角度を検出する。
【0065】
第2軸ドライバ基板173は、第2軸モータ152に駆動信号を供給する電気回路等を含む実装基板である。第2軸ドライバ基板173は、回転制御部402からの第2軸制御信号Dr2に基づき、回転ステージ10を回転させる。また、第2軸ドライバ基板173は、第2軸エンコーダ172により検出された回転ステージ10の第2角度検出信号En2を回転制御部402に出力する。
【0066】
回転制御部402は、第2角度検出信号En2に基づき、回転ステージ10の回転を制御する。ここで、回転ステージ10の回転数である第2周波数は、回転制御部402の制御対象である。
【0067】
受発光部110は、発光部基板111と、発光ブロック112と、穴あきミラー6と、穴あきミラーホルダ62と、受光ブロック113と、受光部基板114と、を含む。
【0068】
発光部基板111は、制御部140からの発光制御信号Dr1に応じて発光部3を発光させる電気回路を含む実装基板である。
【0069】
発光ブロック112は、発光部3と、発光部ホルダ31と、コリメートレンズ4と、コリメートレンズホルダ40と、を含む。発光部ホルダ31は発光部3を保持する部材である。コリメートレンズホルダ40はコリメートレンズ4を保持する部材である。穴あきミラーホルダ62は、穴あきミラー6を保持する部材である。
【0070】
受光ブロック113は、受光レンズ7と、受光レンズホルダ71と、5つの受光部8と、受光部ホルダ80と、を含む。受光レンズホルダ71は受光レンズ7を保持する部材である。受光部ホルダ80は5つの受光部8を保持する部材である。
【0071】
受光部基板114は、受光情報Sを、制御部140に出力する電気回路を含む実装基板である。受光情報Sは、例えば受光部8が受光した光強度に応じた電気信号である。受光部基板114は、トランスインピーダンスアンプおよびオペアンプ等を含む。受光部基板114は、トランスインピーダンスアンプおよびオペアンプ等により受光情報Sを増幅処理することにより、受光情報Sを、後段の制御部140によるデータ処理が可能な状態にすることができる。
【0072】
制御部140は、電気回路または電子回路等を有する制御回路基板を含む。制御部140は、例えば背面パネル22等に設置される。この制御回路基板は、回転反射体5および回転ステージ10が回転しても動かない。
【0073】
制御部140は、受発光部110および照射部120のそれぞれに電気的に接続しており、信号およびデータを相互に送受可能である。また制御部140は、サービスロボットを制御可能な外部装置300に通信可能に接続している。本実施形態では、回転制御部402は、制御部140内に設けられているが、制御部140の外部に設けられていてもよい。
【0074】
制御部140は、例えば外部装置300からの測距制御信号Ctに応じて発光制御信号Dr1を出力し、発光部基板111を介して発光部3を発光させる。5つの分割光L1それぞれが走査される5つの走査光L2は、出射窓130を透過して、測距装置100から外部に向けて照射される。
【0075】
出射窓130は、レーザ光L0の波長に対して光透過性を有するガラス材料または樹脂材料を含んで構成されている。出射窓130は、測距装置100が装置全体を覆う不透明な外装カバーを備える場合に、走査光L2を透過して出射させる窓として機能する。
【0076】
走査光L2が物体200により反射または散乱された5つの戻り光Rは、出射窓130を透過して回転反射体5の光反射面51に入射する。5つの戻り光Rは、光反射面51により反射され、穴あきミラー6のミラー面により5つの受光部8に向けて反射される。
【0077】
5つの戻り光Rは、受光レンズ7により集光されながら5つの受光部8にそれぞれ入射する。5つの受光部8は、5つの戻り光Rに基づいて、5つの走査光L2の走査角度ごとでの受光情報Sを出力する。5つの走査光L2に対応する5つの受光情報Sは、受光部基板114を介して制御部140に出力される。
【0078】
制御部140は、受光情報Sに基づき、物体200までの距離を示す距離情報Dtを演算により取得する。制御部140は、距離情報Dtを含むデータ構造Dcを生成し、該データ構造Dcを外部装置300に出力する。
【0079】
測距装置100は、例えば、サービスロボットが搭載するバッテリから供給される電力により駆動される。但し、測距装置100は、測距装置100自身が搭載するバッテリから電力供給されてもよい。またサービスロボットの動作範囲が広くない場合等には、商用電源からケーブルを用いて給電されるようにしてもよい。
【0080】
(光分割部材41による光分割例)
図5は、光分割部材41による光分割の一例を示す図である。
図5(a)は光分割部材41の側面図、
図5(b)は光分割部材41を-Z方向側から視た斜視図、
図5(c)は光分割部材41を+Z方向側から視た正面図である。
【0081】
光分割部材41は、平面視において略円形状を有し、レーザ光L0の波長に対して光透過性を有する平板状の部材である。光分割部材41の-Z方向側の面、+Z方向の面、またはその両方には、周期構造が形成されている。光分割部材41は、入射されるレーザ光L0を、周期構造を用いて回折させることによって、複数の光束に分割する。
【0082】
光分割部材41は、レーザ光L0を分割光L11から分割光L15を含む5つの分割光L1に分割する。分割光L11は、光分割部材41の0次光(透過光)である。分割光L12から分割光L15は1次回折光である。
【0083】
分割光L11から分割光L15は、伝搬方向が相互に異なる平行光束である。分割光L11から分割光L15は、照射部120により走査される。分割光L11から分割光L15のそれぞれと対をなす5つの走査光L2は、それぞれ照射領域における異なる位置に照射される。
【0084】
図5(a)に示す光分割部材41による分割角度θLは、2.1度以上であってもよい。分割角度θLとは、光分割部材41により分割された5つの分割光L1のうち、主要光の伝搬方向に対して、主要光以外の光の伝搬方向がなす角度をいう。光分割部材41として回折格子を用いた場合には、分割角度θLは、回折格子による回折光のうち、主要光の伝搬方向に対して、それ以外の光の伝搬方向がなす角度である回折角に対応する。本実施形態では、分割光L11は主要光に対応する。分割光L12から分割光L15はそれぞれ主要光以外の光に対応する。分割光L11に対して分割光L12から分割光L15のそれぞれがなす角度は、いずれも分割角度θLになる。但し、主要光以外の光の伝搬方向同士のなす角度は、必ずしも分割角度θLにはならない。
【0085】
ここで、規格であるIEC60825-1では、レーザ光出射する機器から100mm離れた位置において、直径7mmの受光面を有するセンサにより検出した場合の光強度によってレーザ光に対する安全性を規定している。分割角度θLを2.1度以上とすると、測距装置100から100mm離れた位置の直径7mmの受光面内に、光分割部材41により分割した5つの分割光L1のうち3つ以下が入射する状態になる。これにより、測距装置100は、IEC60825-1の規定に準拠しやすくなる。
【0086】
また、人の目の瞳径および焦点距離に基づくと、5つの分割光L1のうちの同一直線上に並ぶ3つが並行して人の目に入射し得る角度は、±2.0度よりも小さい角度である。本実施形態では、光分割部材41による分割角度θLを2.1度以上とすることにより、5つの分割光L1のうちの同一直線上の3つ以上が並行して人の目に入射することを防止し、人の目に対する安全性を意味するアイセーフを実現できる。また、本実施形態では、2.1度以上において分割角度θLをできるだけ小さくすることにより、アイセーフを実現しつつ、測距の空間分解能を向上させることができる。
【0087】
なお、本実施形態では、光分割部材41の平面視形状は、円形状に限らず、矩形状、楕円形状、多角形状等であってもよい。また、光分割部材41の中央を透過する分割光L11と、4つの対角方向に分割される分割光L12から分割光L15が得られる構成を例示したが、レーザ光L0が分割される方向は対角方向に限定されず、適宜選択可能である。
【0088】
(同期検出部153の構成例)
図6は、同期検出部153の構成を例示する図である。
図6は、回転ステージ10をYZ平面により切断した状態を模式的に示している。
【0089】
図6に示すように、回転ステージ10は、回転可能な回転部10aと、回転しない固定部10bと、を含んで構成される。周期光発光部532は、回転部10aにおける載置面101に設けられた発光基板532aに実装される。周期光受光部533は、固定部10bに設けられた受光基板533aに実装される。
【0090】
周期光発光部532は、発光基板532aに入力される第1角度検出信号En1に応じて、周期光発光部532に対向配置された周期光受光部533に向けてパルス光Opを発する。周期光受光部533によるパルス光Opの受光信号は、受光基板533aにより二値信号に変換され、同期信号Snとして回転制御部402に出力される。
【0091】
(制御部140のハードウェア構成例)
図7は、制御部140のハードウェア構成を例示するブロック図である。制御部140は、コンピュータによって構築されており、CPU(Central Processing Unit)141と、ROM(Read Only Memory)142と、RAM(Random Access Memory)143と、FPGA(Field Programmable Gate Array)144と、HDD/SSD(Hard Disk Drive/Solid State Drive)145と、機器接続I/F(Interface)146と、通信I/F147と、を有する。これらは、システムバスAを介して相互に通信可能に接続している。
【0092】
CPU141およびFPGA144は、演算処理を含む制御処理を実行する。ROM142は、IPL(Initial Program Loader)等のCPU141の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM143は、CPU141のワークエリアとして使用される。HDD/SSD145は、プログラムや測距装置100の設定情報等の各種情報を記憶する。
【0093】
機器接続I/F146は、制御部140を機器と接続するためのインターフェースである。ここでの機器は、発光部基板111、受光部基板114、同期検出部153、給電部155、第2軸エンコーダ172および第2軸ドライバ基板173等である。
【0094】
通信I/F147は、外部装置300や通信ネットワーク等とデータを通信するためのインターフェースである。通信I/F147として、イーサネットインターフェース等を適用できる。制御部140は、通信I/F147を介してインターネットに接続し、インターネットを介して外部装置300との間で通信することもできる。
【0095】
(制御部140の機能構成例)
図8は、制御部140の機能構成の一例を説明するブロック図である。制御部140は、可変部401と、回転制御部402と、発光制御部403と、距離情報取得部404と、データ構造生成部405と、送信部406と、を有する。回転制御部402は、第1軸回転制御部421と、第2軸回転制御部422と、停止制御部423と、を有する。
【0096】
制御部140は、可変部401、回転制御部402、発光制御部403、距離情報取得部404およびデータ構造生成部405の各機能をFPGA144等により実現できる他、上記各機能の少なくとも一部をCPU141によって実現することもできる。また制御部140は、送信部406の機能を通信I/F147等により実現できる。
【0097】
FPGA144等により実現される各機能は、複数の回路または複数のソフトウェアによって実現されてもよい。また、FPGA144等により実現される各機能の一部は、外部装置300等の制御部140以外の構成部により実現されてもよいし、制御部140と制御部140以外の構成部との分散処理により実現されてもよい。
【0098】
可変部401は、以下の式(1)および式(2)における定数αを変更することにより、回転ステージ10の第2周波数fhを変化させる。
fh=M×fv/(N+α) ・・・(1)
0<|α|<1 ・・・(2)
式(1)において、Nは、回転ステージ10の1回転中に第1軸A1と交差する方向に走査される5つの走査光L2によって形成される走査線の数を表す。fvは第1周波数を表す。Mは、回転反射体5の一回転周期中に、第1方向に走査される5つの走査光L2によって形成される走査線の数を表す。m面の回転反射体5であればM=mである。回転反射体5に代えて揺動ミラー(往復ミラー)を用いる場合にはM=2となる。
【0099】
可変部401は、測距装置100に設けられた操作部等の外部からの設定入力情報Seに応じて定数αを変更することができる。
【0100】
第1軸回転制御部421は、給電部155に給電制御信号Stを出力し、給電部155から第1軸モータ151への給電を開始させることにより、第1軸モータ151に回転を開始させる。また第1軸回転制御部421は、給電部155に給電制御信号Stを出力し、給電部155から第1軸モータ151への給電を停止させることにより、第1軸モータ151に回転を停止させる。第1軸回転制御部421は、第1軸モータ151の回転の開始および停止のみを制御し、第1軸モータ151の回転速度等の制御は行わない。
【0101】
第2軸回転制御部422は、同期検出部153からの同期信号Snと、第2軸エンコーダ172からの第2角度検出信号En2と、に基づき、第2軸ドライバ基板173を用いて回転ステージ10の回転を制御する。
【0102】
停止制御部423は、同期検出部153から所定期間、同期信号Snが出力されない場合に、第2軸モータ152による回転ステージ10の回転を停止させる。
【0103】
発光制御部403は、発光部基板111を用いて発光部3に発光制御信号Dr1を出力することにより、発光部3の発光を制御する。また発光制御部403は、発光部3が発光した時刻に対応する発光時刻情報t1を距離情報取得部404に出力する。
【0104】
距離情報取得部404は、走査光L2が物体200により反射または散乱された後、5つの受光部8により受光される5つの戻り光Rに基づいて、物体200との間の距離情報Dtを演算により取得する。距離情報取得部404は、発光部3によりレーザ光L0が発せられた発光時刻情報t1を発光制御部403から入力する。また距離情報取得部404は、受光部基板114を介して、5つの受光部8から、5つの受光部8に対応する5つの受光情報Sを入力し、5つの受光情報Sに基づき5つの受光時刻情報t2を取得する。距離情報取得部404は、TOFの原理に基づき、以下の式(3)を演算することによって距離情報Dtを取得できる。
Dtn=c×Δtn/2 ・・・(3)
【0105】
(3)式において、nは、分割光L11から分割光L15それぞれに対応する自然数である。例えば、Dt1は分割光L11に基づき得られる距離情報、Dt2は分割光L12に基づき得られる距離情報、Dt3は分割光L13に基づき得られる距離情報、Dt4は分割光L14に基づき得られる距離情報、Dt5は分割光L15に基づき得られる距離情報である。cは光速(約3×108m/s)を表す。距離情報Dtは、複数の距離情報Dtnの総称表記である。Δtは、分割光L11から分割光L15それぞれにおける発光時刻と受光時刻との間の時間差である。
【0106】
分割光L11から分割光L15は、発光部3から同時に発せられたレーザ光L0を分割したものであるため、発光時刻はいずれも等しい。一方、分割光L11から分割光L15に基づく5つの戻り光Rそれぞれの受光時刻は異なる。距離情報取得部404は、分割光L11から分割光L15それぞれに基づく距離情報Dtnを並行して演算により取得する。
【0107】
データ構造生成部405は、距離情報取得部404により得られた距離情報Dtを含むデータ構造Dcを生成する。このデータ構造Dcについては、別途
図11を参照して詳述する。
【0108】
送信部406は、5つの受光部8による5つの受光情報Sに基づいて取得される物体との間の5つの距離情報Dtそれぞれに基づき、データ構造生成部405により生成された5つのデータ構造Dcを外部装置300に送信する。
【0109】
測距装置100による距離測定方式は、TOF方式に限定されるものではない。例えば測距装置100は、振幅変調したレーザ光を物体に照射し、物体で反射または散乱された戻り光と照射したレーザ光との位相差に基づき、距離情報を取得する位相差検出方式等を用いてもよい。
【0110】
<制御部140による処理例>
図9は、制御部140による処理の一例を示すフローチャートである。制御部140は、測距装置100に電源が投入され、測距装置100が起動されたタイミングに
図9の処理を開始する。
【0111】
まず、ステップS91において、制御部140は、可変部401により走査線間隔またはリフレッシュレートを変更するか否かを判定する。例えば可変部401は、測距装置100の操作部を用いた、測距装置100の操作者による設定入力に基づき、走査線間隔またはリフレッシュレートを変更するか否かを判定できる。なお、走査線間隔およびリフレッシュレートについては、別途
図10を参照して詳述する。
【0112】
ステップS91において、変更しないと判定された場合には(ステップS91、NO)、制御部140は、ステップS94に処理を移行する。一方、変更すると判定された場合には(ステップS91、YES)、制御部140は、ステップS92において、可変部401により、設定入力情報Seを受け付ける。
【0113】
続いて、ステップS93において、制御部140は、可変部401により設定入力情報Seに応じて定数αを変更する。これにより、上記(1)式に応じて、第2周波数fhが変化し、走査線間隔およびリフレッシュレートが変更される。
【0114】
続いて、ステップS94において、制御部140は、第1軸回転制御部421により、給電部155から第1軸モータ151への給電を開始する。第1軸モータ151は、給電部155による給電開始に応じて回転を開始することにより、回転反射体5の回転を開始させる。
【0115】
続いて、ステップS95において、制御部140は、第2軸回転制御部422により、同期検出部153からの同期信号Snと、第2軸エンコーダ172からの第2角度検出信号En2と、に基づき、回転ステージ10の回転を開始させる。以降、回転ステージ10は、第2軸回転制御部422による制御下において回転を続ける。
【0116】
続いて、ステップS96において、制御部140は、発光制御部403により、発光部3に発光制御信号Dr1を出力することによって、発光部3にレーザ光L0を発光させる。また発光制御部403は、発光部3の発光時刻情報t1を距離情報取得部404に出力する。
【0117】
続いて、ステップS97において、制御部140は、5つの走査光L2に由来する戻り光Rに基づき5つの受光部8から出力される5つの受光情報Sを入力する。
【0118】
続いて、ステップS98において、制御部140は、距離情報取得部404により、受光情報Sに基づく戻り光Rの受光時刻情報t2と、発光部3の発光時刻情報t1と、に基づいて距離情報Dtを演算により取得する。
【0119】
続いて、ステップS99において、制御部140は、データ構造生成部405により、距離情報取得部404により得られた距離情報Dtを含むデータ構造Dcを生成する。
【0120】
続いて、ステップS100において、制御部140は、送信部406により、データ構造生成部405により生成されたデータ構造Dcを外部装置300に送信する。
【0121】
続いて、ステップS101において、制御部140は、停止制御部423により、同期検出部153からの同期信号Snが出力されない期間が所定の期間閾値以下であるか否かを判定する。
【0122】
ステップS101において、期間閾値以下ではないと判定された場合には(ステップS101、NO)、制御部140は、ステップS103に処理を移行する。一方、期間閾値以下であると判定された場合には(ステップS101、YES)、制御部140は、ステップS102において、測距装置100による測距を終了するか否かを判定する。例えば、制御部140は、測距装置100の操作部を用いた操作者の操作入力に基づき測距を終了するか否かを判定できる。
【0123】
ステップS102において、終了しないと判定した場合には(ステップS102、NO)、制御部140は、ステップS96以降の処理を再度行う。一方、終了すると判定した場合には(ステップS102、YES)、制御部140は、ステップS103において、第2軸回転制御部422により回転ステージ10の回転を停止させるとともに、発光制御部403により発光部3の発光を停止させる。
【0124】
続いて、ステップS104において、制御部140は、第1軸回転制御部421により、給電部155から第1軸モータ151への給電を停止させることにより、第1軸モータ151に回転を停止させる。第1軸モータ151は、給電部155による給電停止に応答して回転を停止し、回転反射体5の回転を停止させる。
【0125】
以上のようにして、制御部140は、測距装置100による測距動作を制御できる。
【0126】
<測距装置100による走査線例>
図10は、測距装置100による走査線を例示する図である。ここで、走査線とは、走査光の軌跡に対応する線をいう。例えば5つの走査光L2から5つの走査線が得られる。
【0127】
複数の走査線Liは、走査線Li1_1、走査線Li2_1、走査線Li1_2、走査線Li2_2、走査線Li1_3、・・・、走査線Li1_15および走査線Li1_16を含んでいる。フレーム画像Wは、複数の走査線Liにより形成される1フレームの画像を表している。複数の走査線Liのそれぞれは、Z方向に対して傾いた第1方向90に沿って延伸している。
【0128】
複数の黒丸が並んだ走査線Li1_1、Li1_2、Li1_3、Li1_15およびLi1_16は、回転ステージ10の1回転目における走査線を表している。より詳しくは、走査線Li1_1は、回転ステージ10の1回転目における1本目の走査線を表している。走査線Li1_2は、回転ステージ10の1回転目における2本目の走査線を表している。走査線Li1_3は、回転ステージ10の1回転目における3本目の走査線を表している。走査線Li1_15は、回転ステージ10の1回転目における15本目の走査線を表している。走査線Li1_16は、回転ステージ10の1回転目における16本目の走査線を表している。複数の黒丸のそれぞれは、5つの走査光L2のうち1つの走査光の走査角度ごとでの光スポット(ビームスポット)を表している。
【0129】
複数の白丸が並んだ走査線Li2_1およびLi2_2は、回転ステージ10の2回転目における走査線を示している。より詳しくは、走査線Li2_1は、回転ステージ10の2回転目における1本目の走査線を表している。走査線Li2_2は、回転ステージ10の2回転目における2本目の走査線を表している。複数の白丸のそれぞれは、走査される光の時刻ごとでの光スポットを表している。
【0130】
<走査線間隔d、リフレッシュレートRr>
走査線間隔d1は、第1周波数fvが第2周波数fhのN倍である場合の走査線間隔dである。この場合には、複数の走査線Liそれぞれの水平方向における位置は、回転ステージ10の回転回数によって変化せず、走査線間隔d1はDx/Nとなる。なお、DxはX方向における光の走査角度範囲である。
【0131】
走査線間隔d2は、第1周波数fvが第2周波数fhの(N+α)倍である場合の走査線間隔dである。この場合には、複数の走査線Liそれぞれの水平方向における位置は、回転ステージ10の回転回数によって変化し、走査線間隔d2はDx×α/Nとなる。定数αの値に応じて走査線間隔d2は可変となる。
【0132】
走査線間隔d2が密になるように定数αを設定することにより、第1周波数fvが高くなることを抑えつつ、走査線間隔dを密にすることができる。例えば、可変部401は、αを±0.5にすることにより、走査線間隔dを約1/2にでき、αを±0.25にすることにより、走査線間隔dを約1/4にすることができる。αが±0.5であるとは、αが+0.5または-0.5であると言い換えることもできる。
【0133】
一方、上記方法では、1フレームの画像形成のために、回転ステージ10を複数回回転させる必要があるため、リフレッシュレートRrが低下する。ここでリフレッシュレートRrとは、単位時間当たりに形成可能なフレーム画像Wの数をいい、ここでは、Rr=fv/(Q×N)により表される。Qは1フレームの画像形成のために回転ステージ10を回転させる回数を意味する。例えば、αが±0.5の場合には、照射部120は、1フレームの画像形成のために回転ステージ10を2回転させ、αが±0.25の場合には、1フレームの画像形成のために回転ステージ10を4回転させる必要がある。リフレッシュレートRrは、回転回数Qの増加に応じて低くなる。
【0134】
測距装置100では、その利用シーン等に応じて、要求される走査線間隔dやリフレッシュレートRrは異なる。本実施形態では、可変部401により、定数αを変更して走査線間隔dおよびリフレッシュレートRrを変化させることにより、要求に適合させることができる。また、第2周波数fhに対して高い第1周波数fvを変化させると、照射部120の制御が複雑になる場合がある。本実施形態では、定数αを変化させて第2周波数fhのみ変化させるため、照射部120の制御が簡素化される。
【0135】
<先頭走査角度情報a、走査角度間隔情報Δ>
先頭光Li2_1tは、走査線Li2_1に含まれる複数の光スポットのうち先頭のものを表している。
図10では、図を簡素化するために、先頭光Li2_1tにおける走査線Li2_1のみを示しているが、複数の走査線Liは、それぞれ先頭光を含んでいる。距離情報Dtは、走査角度ごと、換言すると複数の走査線Liそれぞれに含まれる所定数の光スポットごとに得られる。複数の走査線Liには、5つの走査光L2それぞれによる走査線が含まれる。
【0136】
先頭走査角度情報aは、所定数の距離情報Dtのうち、先頭の距離情報Dtに対応した走査角度に関連する情報である。換言すると、先頭走査角度情報aは、先頭光Li2_1tの走査角度に対応する情報である。先頭光の走査角度とは、先頭光の伝搬方向に沿う先頭光の中心軸と、所定の基準軸と、がなす角度をいう。
【0137】
先頭走査角度情報aは、先頭水平走査角度情報axと、先頭垂直走査角度情報azと、を含む。先頭水平走査角度情報axは、先頭走査角度情報aの水平方向成分、すなわちX方向成分である。先頭垂直走査角度情報azは、先頭走査角度情報aの垂直方向成分、すなわちZ方向成分である。
【0138】
本実施形態では、所定数の距離情報Dtにおける「所定数」は、複数の走査線Liのうち、第1周波数fvにより走査される光スポットの数に対応する数である。換言すると、所定数の距離情報Dtは、所定周期(1/fv)内に第1方向90に走査される5つの走査光L2の、走査角度ごとでの距離情報である。但し、所定数の距離情報Dtは、上記に限定されるものではなく、適宜変更可能である。例えば、所定数の距離情報Dtは、所定周期(1/fv)よりも長い周期内に第1方向90に走査される5つの走査光L2の、走査角度ごとでの距離情報であってもよいし、フレーム画像W全体に含まれる光スポットの数に対応する数の距離情報であってもよい。
【0139】
距離情報Dtの数が多くなると、バッファリングのためにSRAM(Static Random Access Memory)等のデータの一次保持部として大容量のものが必要になったり、データのリアルタイム性が損なわれたりする場合がある。所定数の距離情報Dtが所定周期(1/fv)内でのものであると、所定数の距離情報Dtが所定周期(1/fv)よりも長い周期内でのものである場合と比較して、短い周期で小さい容量のデータ構造Dcを外部装置300に送信できる。これにより、一時保持部の容量を小さくしつつ、データのリアルタイム性を高く確保することが可能になる。
【0140】
走査角度間隔情報Δは、走査角度の間隔に関連する情報である。換言すると、走査角度間隔情報Δは、走査されるパルス光の角度間隔に対応する情報である。走査されるパルス光の角度間隔とは、走査されるパルス光のうち、隣り合うパルス光の中心軸同士がなす角度をいう。
【0141】
走査角度間隔情報Δは、水平走査角度間隔情報Δxと、垂直走査角度間隔情報Δzと、を含む。水平走査角度間隔情報Δxは、走査角度間隔情報Δの水平方向成分、すなわちX方向成分である。垂直走査角度間隔情報Δzは、走査角度間隔情報Δの垂直方向成分、すなわちZ方向成分である。
【0142】
<データ構造Dcの一例>
図11は、測距装置100から送信されるデータ構造Dcを説明する図である。
図11に示すように、データ構造Dcは、ヘッダーフィールドHFと、データフィールドDFと、フッターフィールドFFと、を有する。データ構造Dcは、複数の走査線Liのうち、1つの走査線に含まれる光スポットの数に対応する数の距離情報Dtを含んでいる。
【0143】
ヘッダーフィールドHFは、フラグ情報fgと、パケット番号情報Pnと、先頭水平走査角度情報axと、先頭垂直走査角度情報azと、水平走査角度間隔情報Δxと、を含む。またヘッダーフィールドHFは、垂直走査角度間隔情報Δzと、水平駆動周波数情報fxと、垂直駆動周波数情報fzと、相対角度情報φと、分割角度θLに関する情報と、レーザディレイ情報dyと、を含む。但し、相対角度情報と分割角度θLに関する情報は、外部装置300との初期化シーケンスにて、これらの情報を送信してあらかじめ外部装置300に設定したり、また測距装置100の製造時において予め情報を外部装置300に設定しておいたりしてもよい。このようにすることで、ヘッダーフィールドHFに情報を追加し、データフレーム毎に外部装置300に送信する必要はなくなる。これによってデータ量をさらに減らすことができる。
【0144】
フラグ情報fgは、UDP(User Datagram Protocol)ペイロード開始フラグを示す情報である。パケット番号情報Pnは、パケットごとのインクリメントにおいて参照される情報である。先頭水平走査角度情報ax、先頭垂直走査角度情報az、水平走査角度間隔情報Δxおよび垂直走査角度間隔情報Δzは、
図10を用いて上述した通りである。水平駆動周波数情報fxは、回転ステージ10の回転周波数に対応する情報である。垂直駆動周波数情報fzは、回転反射体5の回転周波数に対応する情報である。
【0145】
相対角度情報φは、5つの分割光L1のうち、主要光に対する主要光以外の光の相対角度を表す情報である。この相対角度情報φについては、別途
図12を参照して詳述する。分割角度θLは、光分割部材41による分割角度である。レーザディレイ情報dyは、測定された距離情報Dtを補正するための回路遅延等を表す情報である。
【0146】
データフィールドDFは、走査角度ごとに得られる所定数の距離情報Dtを含む。所定数の距離情報Dtは、所定順序に並んでいる。この所定順序は、先頭水平走査角度情報ax、先頭垂直走査角度情報az、水平走査角度間隔情報Δxおよび垂直走査角度間隔情報Δzに対応付けられている。距離情報Dtは走査角度ごとに得られるが、本実施形態では、データフィールドDFは、所定数の距離情報Dtそれぞれに対応した走査角度の情報を含まず、距離情報Dtのみを含んでいる。
【0147】
フッターフィールドFFは、タイムスタンプ情報Tsと、ファクトリーコード情報Cdと、を含む。タイムスタンプ情報Tsは、先頭走査角度情報aに対応する距離情報Dtが取得された時刻に関する情報である。ファクトリーコード情報Cdは、測距装置100のロット番号等の測距装置100を分類するための情報である。
【0148】
例えば、ヘッダーフィールドHFにおける項目ごとのデータのビット数は16bitである。データフィールドDFでは、1つの距離情報Dtのビット数である24bitに、所定数を乗じた値のビット数となる。フッターフィールドFFでは、タイムスタンプ情報Tsは32bitであり、ファクトリーコード情報Cdは88bitである。
【0149】
データ構造Dcは、ヘッダーフィールドHFと、データフィールドDFと、を少なくとも有すればよい。ヘッダーフィールドHFは、先頭水平走査角度情報axと、先頭垂直走査角度情報azと、水平走査角度間隔情報Δxと、垂直走査角度間隔情報Δと、を少なくとも含めばよい。
【0150】
1つのフレーム画像Wにおける最初の走査線または最後の走査線において走査光L2が照射されないブランキング期間が生じる場合がある。処理の安定性を確保する観点では、このブランキング期間には、予め定められた距離情報Dtを割り当てることにより、データフィールドDFにブランク(空白)が生じないようにすることが好ましい。
【0151】
<5つの分割光L1の走査角度例>
図12は、5つの分割光L1と走査角度との関係を説明する図である。
図12示すように、5つの分割光L1は、中央に分割光L11が配置され、分割光L11の周りに分割光L12、分割光L13、分割光L14および分割光L15が配置されている。分割光L11は、5つの分割光L1のうちの主要光に対応する。分割光L12、分割光L13、分割光L14または分割光L15は、主要光以外の光に対応する。
【0152】
ここで、
図11の説明において述べた相対角度情報とは、主要光の伝搬方向に略直交する平面内において、基準軸と分割光軸とがなす角度をいう。基準軸とは、平面PL内において、主要光の中心軸を通る軸をいう。分割光軸とは、平面PL内において、主要光の中心軸と主要光以外の中心軸L12cとを通る軸をいう。
【0153】
具体的には、
図12に示すように、相対角度情報φは、主要光である分割光L11の伝搬方向に略直交する平面PL内において、基準軸Asと分割光軸A12とがなす角度を意味する。基準軸Asは、平面PL内において、分割光L11の中心軸L11cを通る軸である。分割光軸A12は、平面PL内において、分割光L11の中心軸L11cと分割光L12の中心軸L12cとを通る軸である。つまり、本実施形態では、相対角度情報φは、平面PL内における分割光L11に対する分割光L12の相対位置関係に関連する情報である。相対角度情報φは、例えば45度である。
【0154】
分割光L12から分割光L15が分割光L11に対して等方性をもって分割されれば、分割光L13の相対角度情報は、例えば相対角度情報φを用いて3×φとして特定される。同様に、分割光L15の相対角度情報は、例えば相対角度情報φを用いて5×φとして特定される。分割光L14の相対角度情報は、例えば相対角度情報φを用いて7×φとして特定される。
【0155】
本実施形態では、ヘッダーフィールドHFは、分割光L12の相対角度情報φのみを含む。分割光L13から分割光L15の各相対角度情報は、相対角度情報φを用いて算出される。このようにすることにより、測距装置100から外部装置に送信するデータ量を削減することができる。但し、ヘッダーフィールドHFは、分割光L12から分割光L15の相対角度情報のうち、少なくとも1つの相対角度情報を含んでもよい。
【0156】
分割光L11において、先頭水平走査角度情報をax、先頭垂直走査角度情報をaz、水平走査角度間隔情報をΔx、垂直走査角度間隔情報をΔzとする。走査角度ごとに走査光L2が照射された順番を示す照射番号をi(=0、1、2、・・・)とする。この場合、分割光L11の走査角度情報Uは以下の式(4)および式(5)により表すことができる。なお、走査角度Uxは、走査角度情報Uの水平方向成分である。走査角度情報Uzは、走査角度情報Uの垂直方向成分である。
Ux(1,i)=ax+i×Δx ・・・(4)
Uz(1,i)=az+i×Δz ・・・(5)
【0157】
分割光L12の走査角度情報U(2,n)、分割光L13の走査角度情報U(3,n)、分割光L14の走査角度情報U(4,n)および分割光L15の走査角度情報U(5,n)は、それぞれ以下の式(6)から式(13)により表すことができる。分割角度θLは、例えば2.1度である。
Ux(2,i)=Ux(1,i)+θL×sin(Uz(1,i)+φ) ・・・(6)
Uz(2,i)=Uz(1,i)-θL×cos(Uz(1,i)+φ) ・・・(7)
Ux(3,i)=Ux(1,i)+θL×sin(Uz(1,i)+3×φ)
・・・(8)
Uz(3,i)=Uz(1,i)-θL×cos(Uz(1,i)+3×φ)
・・・(9)
Ux(4,i)=Ux(1,i)+θL×sin(Uz(1,i)+7×φ)
・・・(10)
Uz(4,i)=Uz(1,i)-θL×cos(Uz(1,i)+7×φ)
・・・(11)
Ux(5,i)=Ux(1,i)+θL×sin(Uz(1,i)+5×φ)
・・・(12)
Uz(5,i)=Uz(1,i)-θL×cos(Uz(1,i)+5×φ)
・・・(13)
【0158】
以上のように、外部装置300は、ヘッダーフィールドHFに含まれる、主要光に対する主要光以外の光の相対角度情報φと、光分割部材41による分割角度θLに関する情報と、を用い、5つの分割光L1の走査角度情報Uそれぞれを演算により取得できる。
【0159】
<測距装置100の作用効果>
以上説明したように、測距装置100は、5つの走査光L2を物体200に照射する照射部120と、照射部120から照射された5つの走査光L2が物体200により反射または散乱された戻り光R基づいて、5つの走査光L2の走査角度ごとでの受光情報Sを出力する5つの受光部8と、を有する。また、測距装置100は、5つの受光部8による受光情報Sに基づいて取得される物体200との間の距離情報Dtを含むデータ構造Dcを外部装置300に送信する送信部406を有する。データ構造Dcは、ヘッダーフィールドHFとデータフィールドDFとを有する。ヘッダーフィールドHFは、所定数の距離情報Dtのうち先頭の距離情報Dtに対応した走査角度に関連する先頭走査角度情報aと、走査角度の間隔に関連する走査角度間隔情報Δと、を含む。データフィールドDFは、所定数の距離情報Dtを含む。
【0160】
例えば、所定数の距離情報それぞれに対応した走査角度情報を、所定数の距離情報とともに外部装置に送信すると、測距装置から外部装置に送信されるデータ量が増大する場合がある。データ量の増大により測距装置のスループットが低下する。
【0161】
本実施形態では、測距装置100は、データ構造Dcを用い、走査角度に関連する情報として、先頭走査角度情報aおよび走査角度間隔情報Δを外部装置300に送信する。外部装置300は、測距装置100から受信した先頭走査角度情報aおよび走査角度間隔情報Δに基づき、所定数の距離情報Dtそれぞれに対応した走査角度情報Uを演算により取得する。外部装置300は、これらの情報を用いて測距装置100周辺に存在する物体200の認識処理等を実行できる。このように本実施形態では、所定数の距離情報Dtそれぞれに対応した走査角度に関連する情報を外部装置300に送信しないため、送信するデータ量を削減可能な測距装置100を提供することができる。
【0162】
また、本実施形態では、照射部120は、第1方向90および第1方向90と交差するX方向(第2方向)のそれぞれに走査される5つの走査光L2を物体200に照射する。所定数の距離情報Dtは、所定周期(1/fv)内に第1方向90に走査される5つの走査光L2それぞれの、走査角度ごとでの距離情報である。これにより、本実施形態では、所定数の距離情報Dtが所定周期(1/fv)よりも長い周期でのものである場合と比較して、短い周期で小さい容量のデータ構造Dcを外部装置300に送信できるため、一時保持部の容量を削減しつつ、データのリアルタイム性を高く確保できる。
【0163】
また、本実施形態では、照射部120は、光反射面51を有する回転反射体5を含み、回転反射体5は、回転により光反射面51の角度を変化させることによって第1方向90に走査される5つの走査光L2を物体200に照射する。
【0164】
例えば、回転反射体5に代えて揺動ミラーを用い、揺動ミラーの往復運動により物体への照射光を走査すると、揺動ミラーが角度を変化させる方向が反転する際に角度の変化速度が非線形になるため、光の走査速度は非線形に変化する。これにより、測距装置から受信した先頭走査角度情報および走査角度間隔情報に基づいて所定数の距離情報それぞれに対応した走査角度情報を取得する演算のために非線形関数を用いる必要が生じ、外部装置における処理が複雑化する場合がある。
【0165】
本実施形態では、回転反射体5を一方向に回転させることにより5つの走査光L2を走査させるため、光の走査速度は線形に変化する。これにより、測距装置100から受信した先頭走査角度情報aおよび走査角度間隔情報Δに基づいて所定数の距離情報Dtそれぞれに対応した走査角度情報を取得する演算のために線形関数を用いることができ、外部装置300における処理を簡素化することができる。
【0166】
また、本実施形態では、測距装置100は、発光部3からのレーザ光L0を5つに分割する光分割部材41を有する。照射部120は、光分割部材41により分割された5つの分割光L1それぞれが走査される5つの走査光L2を物体200に照射する。5つの受光部8は、5つの分割光L1それぞれと対をなす5つの受光部8を含む。5つの受光部8それぞれは、5つの分割光L1のうち対をなす分割光が物体200により反射または散乱された5つの戻り光Rに基づき、5つの分割光L1の走査角度ごとでの受光情報Sを出力する。ヘッダーフィールドHFは、分割光L11(主要光)における先頭走査角度情報aと、分割光L11における走査角度間隔情報Δと、分割光L12(主要光以外の光)の分割光L11に対する相対角度情報φと、光分割部材41による分割角度θLに関する情報と、を含む。この構成により、本実施形態では、5つの分割光L1それぞれに対応した走査角度情報Uを外部装置300に送信しなくてもよいため、送信するデータ量を削減可能な測距装置100を提供することができる。
【0167】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る測距システムについて説明する。なお、第1実施形態と同じ構成部には、同じ符号を付し、重複する説明を適宜省略する。
【0168】
図13は、第2実施形態に係る測距システム400の構成の一例を示すブロック図である。測距システム400は、測距装置100と、情報処理装置300aと、を有する。
【0169】
情報処理装置300aは、測距装置100に通信可能に接続され、測距装置100による測定結果に基づいて所定の処理を実行する。情報処理装置300aは、第1実施形態における外部装置300の一例に対応する。情報処理装置300aは、例えばROS(Robot Operating System)を搭載するBoard PC(Personal Computer)等を含んで構築できる。但し、情報処理装置300aは、PCや電気回路により構築されてもよい。
【0170】
図14は、情報処理装置300aの機能構成例のブロック図である。情報処理装置300aは、受信部301と、第1生成部302と、第2生成部303と、認識部304と、出力部305と、を有する。情報処理装置300aは、これら各機能をCPUにより実現できる他、各機能の少なくとも一部を電気回路により実現することもできる。また上記各機能は、複数の回路または複数のソフトウェアによって実現されてもよい。さらに上記各機能の一部は、外部サーバ等の情報処理装置300a以外の構成部により実現されてもよいし、情報処理装置300aと情報処理装置300a以外の構成部との分散処理により実現されてもよい。
【0171】
受信部301は、測距装置100の送信部406から送信されたデータ構造Dcを受信し、第1生成部302および第2生成部303のそれぞれに出力する。
【0172】
第1生成部302は、受信部301を介して受信したデータ構造Dcに基づいて、所定数の距離情報Dtごとに、分割光L11における距離情報Dtに対応した走査角度情報Uを生成する。例えば、第1生成部302は、上述した式(4)および式(5)を用いて、分割光L11における距離情報Dtに対応した走査角度情報Uを生成できる。
【0173】
第2生成部303は、受信部301を介して受信したデータ構造Dcに基づいて、所定数の距離情報Dtごとに、分割光L12から分割光L15それぞれにおける距離情報Dtに対応した走査角度情報Uを生成する。例えば、第2生成部303は、上述した式(6)から式(13)を用いて、分割光L12から分割光L15における距離情報Dtに対応した走査角度情報Uを生成できる。
【0174】
認識部304は、測距装置100を搭載したサービスロボットの周辺に存在する物体200を認識する処理を実行する。
【0175】
出力部305は、認識部304による処理結果を外部装置に出力する。ここでの外部装置には、ディスプレイや外部PC、外部サーバ等が挙げられる。例えば、出力部305は、認識部304による処理結果や、それぞれが距離情報Dtを含む複数の画素が2次元方向に整列した距離画像等をディスプレイに表示させることができる。また出力部305は、認識部304による処理結果を外部PCや外部サーバに送信することができる。
【0176】
認識部304および出力部305による各処理は、所定の処理の一例に対応する。但し、所定の処理は、認識部304および出力部305による各処理以外の処理を含んでもよい。
【0177】
測距システム400は、測距装置100を有することにより、測距装置100から情報処理装置300aに送信されるデータ量を削減することができる。これにより、本実施形態では、測距装置100および情報処理装置300aそれぞれのスループットを向上させることができる。これ以外の効果は、第1実施形態において述べたものと同じである。
【0178】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形または変更が可能である。
【0179】
実施形態の説明で用いた序数、数量等の数字は、全て本発明の技術を具体的に説明するために例示するものであり、本発明は例示された数字に制限されない。また、構成要素間の接続関係は、本発明の技術を具体的に説明するために例示するものであり、本発明の機能を実現する接続関係をこれに限定するものではない。
【0180】
実施形態に係る測距装置および測距システムは、サービスロボットに限らず、自動車、飛行体等の移動体に搭載され、移動体の周囲に存在する物体を認識する用途等において使用可能である。
【0181】
また、実施形態は、測距方法を含む。例えば測距方法は、物体との間の距離を測定する測距装置による測距方法であって、前記測距装置が、照射部により、走査される光を前記物体に照射し、受光部により、前記照射部から照射された前記光が前記物体により反射または散乱された戻り光に基づき、前記光の走査角度ごとでの受光情報を出力し、制御部により、前記受光部による前記受光情報に基づいて取得される前記物体との間の距離情報を含むデータ構造を、外部装置に送信し、前記データ構造は、ヘッダーフィールドとデータフィールドとを有し、前記ヘッダーフィールドは、所定数の前記距離情報のうち先頭の前記距離情報に対応した前記走査角度に関連する先頭走査角度情報と、前記走査角度の間隔に関連する走査角度間隔情報と、を含み、前記データフィールドは、所定数の前記距離情報を含む。このような測距方法により、上述した測距装置と同様の作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0182】
1…台部、2…保持部、3…発光部、4…コリメートレンズ、5…回転反射体、6…穴あきミラー、7…受光レンズ、8…5つの受光部、81、82、83、84、85…受光部、9…イケール、10…回転ステージ、10a…回転部、10b…固定部、11…結合部材、21…天井パネル、22…背面パネル、31…発光部ホルダ、40…コリメートレンズホルダ、41…光分割部材、51…光反射面、61…貫通孔、62…穴あきミラーホルダ、71…受光レンズホルダ、90…第1方向、91…基板、100…測距装置、101…載置面、102…ベアリング、103…マグネット、104…モータコア、110…受発光部、112…発光ブロック、113…受光ブロック、114…受光部基板、120…照射部、130…出射窓、140…制御部、401…可変部、402…回転制御部、403…発光制御部、404…距離情報取得部、405…データ構造生成部、406…送信部、421…第1軸回転制御部、422…第2軸回転制御部、423…停止制御部、150…駆動制御部、151…第1軸モータ、152…第2軸モータ、153…同期検出部、155…給電部、163…第1軸ドライバ基板、172…第2軸エンコーダ、173…第2軸ドライバ基板、200…物体、300…外部装置、300a…情報処理装置、301…受信部、302…第1生成部、303…第2生成部、304…認識部、305…出力部、531…第1軸エンコーダ、532…周期光発光部、532a…発光基板、533…周期光受光部、533a…受光基板、551…発電コイル、552…給電コイル、a…先頭走査角度情報、Δ…走査角度間隔情報、A1…第1軸、A11…第1軸回転方向、A2…第2軸、A21…第2軸回転方向、HF…ヘッダーフィールド、DF…データフィールド、FF…フッターフィールド、L0…レーザ光、L1、L11、L12、L13、L14、L15…分割光、L2…走査光、R…戻り光、Dr1…発光制御信号、Dr2…第2軸制御信号、Ct…測距制御信号、Dt…距離情報、Dc…データ構造、S…受光情報、Sn…同期信号、St…給電制御信号、En1…第1角度検出信号、En2…第2角度検出信号、Op…パルス光、Li、Li1_1、Li1_2、Li1_3、Li1_15、Li1_16、Li2_1、Li2_2…走査線、d、d1、d2…走査線間隔、Dx…走査角度範囲、U…走査角度情報、W…フレーム画像、θL…分割角度、φ…相対角度情報、PL…平面、As…基準軸、A12…分割光軸、L11c…分割光L11の中心軸、L12c…分割光L12の中心軸