(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023174000
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】通風パネル及びシャッター通風装置
(51)【国際特許分類】
E06B 9/17 20060101AFI20231130BHJP
E06B 7/09 20060101ALI20231130BHJP
F24F 7/00 20210101ALI20231130BHJP
E06B 9/58 20060101ALN20231130BHJP
【FI】
E06B9/17 V
E06B7/09
F24F7/00 Z
E06B9/58 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022086589
(22)【出願日】2022-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 貴弘
【テーマコード(参考)】
2E036
2E042
3L056
【Fターム(参考)】
2E036JA03
2E036JB03
2E036KA01
2E036KA03
2E036LA01
2E036LB01
2E036NA01
2E036NB01
2E042AA01
2E042BA04
3L056BA06
3L056BB01
(57)【要約】
【課題】開口において建具よりも屋外側の部分で通風を確保することができる通風パネル及びシャッター通風装置を提供する。
【解決手段】通風パネル4は、建具が設置される開口92における建具よりも屋外側に配置される閉鎖装置3に設置され、屋外側と屋内側とを連通する通風部46が設けられていて、通風パネル4は、四方枠状に形成された通風枠体40と、幅方向に長い形状をし、上下方向に間隔を有して配置された複数の通風スラット45を有し、通風部46は、上下の通風スラット45の間である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建具が設置される開口における前記建具よりも屋外側に配置される閉鎖装置に設置され、屋外側と屋内側とを連通する通風部が設けられている通風パネル。
【請求項2】
前記通風パネルは、上下方向に間隔を有して配置された複数の通風スラットを有し、
前記通風部は、上下の前記通風スラットの間である請求項1に記載の通風パネル。
【請求項3】
建物に固定された枠体と、
前記枠体に、幅方向の端部が支持された請求項1または2に記載の通風パネルと、
前記枠体に、幅方向の端部が支持されたシャッター本体と、を備え、
前記通風パネルは、前記シャッター本体の下側に配置されているシャッター通風装置。
【請求項4】
前記通風パネルの下部には、第1施錠装置が設けられ、
前記第1施錠装置は、前記枠体の下枠に施解錠可能である請求項3に記載のシャッター通風装置。
【請求項5】
前記シャッター本体の下部には、第2施錠装置が設けられ、
前記第2施錠装置は、前記通風パネルの上部に施解錠可能である請求項4に記載のシャッター通風装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通風パネル及びシャッター通風装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、建物の開口に建具が設置され、建具の屋外側にシャッターが設置される場合がある。防犯上等の理由から夜間等は、シャッターを閉鎖することが多い(例えば、下記の特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
シャッターを下ろして開口の屋外側を閉鎖すると、屋内外方向の通風が遮断されてしまうため、シャッターが取り付けられる場合であっても通風を確保することが望まれている。
【0005】
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、開口において建具よりも屋外側の部分で通風を確保することができる通風パネル及びシャッター通風装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る通風パネルは、建具が設置可能な開口の屋外側に配置される閉鎖装置に設置され、屋外側と屋内側とを連通する通風部が設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第一実施形態に係るシャッター通風装置を屋外側から見た正面図である。
【
図5】第二実施形態に係るシャッター通風装置の鉛直断面図である。
【
図6】第三実施形態に係るシャッター通風装置の鉛直断面図である。
【
図7】
図6に示すシャッター通風装置のシャッター本体部分の断面図である。
【
図8】
図6に示すシャッター通風装置の通風パネル部分の水平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第一実施形態)
以下、第一実施形態に係る通風パネルについて、図面に基づいて説明する。以下の実施形態は、本開示の一態様を示すものであり、本開示を限定するものではなく、本開示の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。以下の説明では、屋外側(
図2等に示す+Y側)と屋内側(
図2等に示す-Y側)とを結び水平方向に沿う方向を、屋内外方向(図の矢印Yの方向)と称する。屋内外方向と直交し水平方向に沿う方向を、幅方向(図の矢印Xの方向)と称する。屋内外方向及び幅方向と直交する方向を、上下方向(図の矢印Zの方向)と称する。各構成部材において、屋内外方向及び幅方向で中心から離れる側を外側と称し、中心に向かう側を内側という場合がある。
【0009】
図1に示すように、シャッター一体型サッシ装置100は、建物の開口92(
図2参照)に障子2等の建具が設置されるとともに、屋外側にシャッター本体31と通風パネル4とが上下に並んで設置されるものである。シャッター一体型サッシ装置100は、請求項のシャッター通風装置に対応する。
【0010】
図2に示すように、建物の躯体91には、屋内外方向に貫通する開口92が形成されている。開口92に、シャッター一体型サッシ装置100が設置されている。
【0011】
シャッター一体型サッシ装置100は、枠体1と、2枚の障子2と、シャッター部3と、通風パネル4と、を備えている。
【0012】
枠体1は、躯体91に固定されている。枠体1及び後述するシャッターボックス33は、固定具93によって躯体91に固定されている。固定具93は、外壁94よりも屋内側に設置されている。シャッター一体型サッシ装置100は、例えば建物の新築時に施工されるものである。
【0013】
枠体1は、四方枠状に形成されている。枠体1は、建物の開口92の周縁に沿って配置されている。枠体1は、上枠11と、下枠12と、一対の縦枠13,13(
図3参照)と、を有している。上枠11及び下枠12は、幅方向に延びている。縦枠13は、上下方向に延びている。上枠11は、一対の縦枠13,13の上下方向の中間を連結している。下枠12は、一対の縦枠13,13の下端部を連結している。
【0014】
図3に示すように、縦枠13の屋外側の端部には、ガイドレール14が止めネジ14aを用いて固定されている。ガイドレール14は、上下方向に延びている。ガイドレール14は、一対のガイド壁14b,14bを有する。ガイド壁14b,14bは、それぞれ上下方向に延びている。ガイド壁14b,14bは、保持空間14cを隔てて屋内外方向に対向して配置されている。保持空間14cは、幅方向の内側に開口して、上下方向に延びている。保持空間14cは、ガイドレール14を上下方向に貫く。保持空間14cには、後述するシャッター本体31の幅方向の外側の端部31a及び通風縦枠43の幅方向の外側の端部43a(
図4参照)が挿入されている。シャッター本体31の幅方向の外側の端部及び通風縦枠43の幅方向の外側の端部43aは、一対のガイド壁14b,14bに上下方向に移動可能に支持されている。
【0015】
障子2は、枠体1の内側を幅方向にスライド可能な引き違い戸である。シャッター一体型サッシ装置100に設置される建具の種類は、適宜設定可能である。
【0016】
図1に示すように、シャッター部3は、シャッター本体31と、シャッターボックス33と、を有している。シャッター部3は、建物の窓やドア等の開口92において、障子2の屋外側で開放及び閉鎖を行う。
図1には、シャッター部3が閉鎖した状態が示されている。シャッター部3は、請求項の閉鎖装置に対応する。
【0017】
シャッター本体31は、開口92(
図2参照)における障子2よりも屋外側の部分を閉鎖可能な面状に形成されている。シャッター本体31の下端部には、巾木部31bが設けられている。
【0018】
シャッターボックス33は、シャッター本体31を収納する。シャッター本体31は、不図示の巻き取りシャフトの周囲に巻き取られてシャッターボックス33の内部に収納可能とされている。
【0019】
通風パネル4は、シャッター本体31が閉鎖された状態では、シャッター本体31の下側に位置している。通風パネル4は、シャッター本体31の巾木部31bの下端部と下枠12との間に配置されている。通風パネル4は、通風枠体40と、複数の通風スラット45と、を有している。
【0020】
通風枠体40は、四方枠状に形成されている。通風枠体40は、通風上枠41と、通風下枠42と、一対の通風縦枠43,43とを有している。通風上枠41及び通風下枠42は、幅方向に延びている。通風縦枠43は、上下方向に延びている。通風上枠41は、一対の通風縦枠43,43の上端部を連結している。通風下枠42は、一対の通風縦枠43,43の下端部を連結している。通風下枠42の下部には、巾木部42bが設けられている。
【0021】
通風スラット45は、幅方向に長い形状をしている。通風スラット45の幅方向の端部は、通風縦枠43に支持されている。これによって、一対の通風縦枠43,43の間の開口部分を閉塞可能である。
図2に示すように、複数の通風スラット45、上下方向に間隔を空けて配置されている。通風スラット45は、板状に形成されている。通風スラット45の板面は、屋内側に向かうにしたがって次第に下方に向かう面に沿って配置されている。上下の通風スラット45の間は、屋外側と屋内側とを連通する通風部46である。
図4に示すように、縦枠13が建物の躯体91から屋外側に張り出して、縦枠13の屋外側の端部にガイドレール14が固定され、ガイドレール14が通風パネル4の通風縦枠43を支持する構成であるため、通風部46は建物の開口92において障子2よりも屋外側の部分に位置している。通風スラット45の形状は、通風部46が形成されていれば適宜設置可能である。
【0022】
図2に示すように、上側の通風スラット45の下端部は、すぐ下側の通風スラット45の上端部よりも低い位置にある。これによって、屋外側からシャッター本体31を正面から見て、屋内側が視認できないようになっている。
【0023】
シャッター本体31の巾木部31bの屋内側には、シャッター施錠装置34が設けられている。シャッター施錠装置34は、通風上枠41に施解錠可能である。シャッター施錠装置34は、請求項の第2施錠装置に対応する。通風パネル4を取り外すと、シャッター施錠装置34は、下枠12に施解錠可能である。
【0024】
通風パネル4の巾木部42bの屋内側には、パネル施錠装置44が設けられている。パネル施錠装置44は、下枠12に施解錠可能である。パネル施錠装置44は、請求項の第1施錠装置に対応する。
【0025】
通風パネル4を設置する際には、シャッター本体31を通風パネル4の高さよりも大きく開放しておく。通風パネル4の幅方向の一方側が低い位置にきて、幅方向の他方側が高い位置にくるように、通風パネル4を斜めにする。通風縦枠43の端部43aをガイドレール14に嵌め込む。通風パネル4が水平になるようにして、通風パネル4の通風下枠42を枠体1の下枠12の上側に設置する。通風下枠42の巾木部42bと下枠12とをパネル施錠装置44で施錠する。
【0026】
通風パネル4が設置された状態で、シャッター本体31は通風パネル4の上側の領域を開閉及び閉塞可能である。シャッター本体31が閉じた状態から、シャッター本体31の下部等を持ち上げてシャフトの周囲に巻き取ることがで、シャッター本体31が開く。シャッター本体31が開いた状態から、シャッター本体31の巾木部31bを引き下げてシャフトの周囲に巻き戻すことがで、シャッター本体31が閉じる。
【0027】
このように構成されたシャッター一体型サッシ装置100では、屋外側と屋内側とを連通する通風部46から外気を屋内側に導入することができるため、建物の開口92において障子2よりも屋外側の部分で通風を確保することができる。
【0028】
通風スラット45は板状に形成され、上下の通風スラット45の間が通風部46である。通風スラット45の形状や大きさ、上下の通風スラット45の間隔等を変更することによって、通風部46の開口面積が決定され、通風量を調整することができる。
【0029】
シャッター本体31の巾木部31bに設けられたシャッター施錠装置34を、通風上枠41に施錠する。通風下枠42の巾木部42bに設けられたパネル施錠装置44を、下枠12に施錠する。シャッター本体31及び通風パネル4が障子2の屋外側を閉塞した状態が維持され、防犯性を確保することができる。
【0030】
シャッター一体型サッシ装置100では、シャッター本体31を閉じた状態で、シャッター本体31の下側に取り付けた通風パネル4で通風性を確保することができる。シャッター本体31を閉じた状態であるため、障子2を開放していても防犯性も確保される。通風パネル4を設置していない場合にシャッター本体31を閉じた状態に期待できる防犯性と同等の防犯性を確保することができる。
【0031】
シャッター本体31の設置位置は、通風パネル4が取り付けていない場合と同じであるため、シャッター本体31の開閉は通風パネル4が取り付けていない場合と同じ方法で行うことができる。
【0032】
通風パネル4は容易に着脱可能であるため、例えば冬季は取り外すこともできる。
【0033】
通風パネル4は、シャッター本体31の巾木部31bの下端部と下枠12との間に配置されている。シャッター一体型サッシ装置100の下枠12を利用しつつ、シャッター本体31の下側に通風パネル4を設置することができる。
【0034】
(第二実施形態)
第二実施形態に係る通風パネルについて、主に
図5を用いて説明する。以下で説明する実施形態及び変形例において、上記に示した第一実施形態に対応する構成については同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
【0035】
図5に示すように、通風パネル4Aは、通風枠体40と、網部47を有している。網部47の四方の端部は、通風枠体40に固定されている。網部47は、例えばメッシュ状であり、屋内外方向に貫通する小さな孔47aが複数形成されている。小さな孔47aは、請求項の通風部に対応する。
【0036】
このように構成されたシャッター一体型サッシ装置100Aでは、屋外側と屋内側とを連通する複数の小さな孔47aから外気を屋内側に導入することができるため、建物の開口92において障子2よりも屋外側の部分で通風を確保することができる。
【0037】
(第三実施形態)
第三実施形態に係る通風パネルについて、主に
図6から
図8を用いて説明する。
【0038】
図6に示すように、建物の開口92には、サッシ装置101が設置されている。サッシ装置101は、サッシ枠体1Bと、2枚の障子2と、を備えている。サッシ枠体1Bは、固定具93Bによって躯体91に固定されている。サッシ枠体1Bは、四方枠状に形成されている。サッシ枠体1Bは、サッシ上枠11Bと、サッシ下枠12Bと、一対のサッシ縦枠13B,13B(
図7参照)とを有している。サッシ上枠11B及びサッシ下枠12Bは、幅方向に延びている。サッシ縦枠13Bは、上下方向に延びている。サッシ上枠11Bは、一対のサッシ縦枠13B,13Bの上端部を連結している。サッシ下枠12Bは、一対のサッシ縦枠13B,13Bの下端部を連結している。
【0039】
建物の開口92の屋外側には、シャッター装置102が設置されている。シャッター装置102は、シャッター枠体5と、シャッター部3と、通風パネル4と、を備えている。シャッター枠体5は、シャッター下枠52と、一対のシャッター縦枠53,53(
図7参照)と、を有している。シャッター下枠52は、幅方向に延びている。シャッター縦枠53は、上下方向に延びている。シャッター縦枠53の上端部は、シャッターボックス33の幅方向の外側の端部に連結されている。シャッター縦枠53の下端部は、シャッターボックス33の幅方向の外側の端部に連結されている。
【0040】
シャッター枠体5及びシャッターボックス33は、固定具94Bによって外壁94及び躯体91に固定されている。固定具94Bは、外壁94の屋外側から躯体91にねじ込まれている。シャッター装置102は、建物に外壁94が設置された後に、例えばリフォーム等で施工されるものである。
【0041】
このように構成されたシャッター装置102では、屋外側と屋内側とを連通する通風部46から外気を屋内側に導入することができるため、建物の開口92において障子2よりも屋外側の部分で通風を確保することができる。
【0042】
シャッター装置102を建物の外壁94に後付けする際に、シャッター本体31の下側に通風パネル4を設置して、通風性を確保することができる。
【0043】
以上、添付図面を参照しながら本開示に係る好適な実施形態について説明したが、本開示は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本開示の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0044】
上記に示す実施形態では、引き違い戸を例に挙げて説明したが、これに限られない。建具の種類は、適宜設定可能である。
【符号の説明】
【0045】
1 枠体、3 シャッター部(閉鎖装置)、4,4A 通風パネル、12 下枠、31 シャッター本体、45 通風スラット、46 通風部、47a 孔(通風部)、92 開口、100…シャッター一体型サッシ装置