(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023174001
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】レフィール容器付き二重容器
(51)【国際特許分類】
B65D 8/06 20060101AFI20231130BHJP
B65D 77/04 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
B65D8/06 Z
B65D77/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022086590
(22)【出願日】2022-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】藤江 隆
【テーマコード(参考)】
3E061
3E067
【Fターム(参考)】
3E061AA24
3E061AB09
3E061BB06
3E061BB16
3E061DA03
3E061DB11
3E067AB81
3E067AC01
3E067BA01B
3E067BA02B
3E067BB14B
3E067BB14C
3E067BC07B
3E067BC07C
3E067EA17
3E067EB27
3E067EE59
3E067FA04
3E067FC01
(57)【要約】
【課題】レフィール容器の離脱を抑える。
【解決手段】上下方向に延びる有底筒状の外容器11と、外容器内に挿入された内容器12と、内容物が収容されるとともに、上下方向に延びる有底筒状に形成され、内容器内に挿入されたレフィール容器13と、を備え、内容器は、上下方向の両端が開口した筒状に形成され、内容器の内周面は、上端縁から下方に向かうに従い径方向の内側に向けて延びる上傾斜面16と、下端縁から上方に向かうに従い径方向の内側に向けて延びる下傾斜面17と、上傾斜面および下傾斜面を互いに接続し、径方向の内側に向けて尖る係止頂部と、を備え、レフィール容器の外周面に、径方向の外側に向けて突出する係止突起21が形成され、係止突起は、下傾斜面に当接し、係止頂部に当接、若しくは近接している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に延びる有底筒状の外容器と、
前記外容器内に挿入された内容器と、
内容物が収容されるとともに、上下方向に延びる有底筒状に形成され、前記内容器内に挿入されたレフィール容器と、を備え、
前記内容器は、上下方向の両端が開口した筒状に形成され、
前記内容器の内周面は、
上端縁から下方に向かうに従い径方向の内側に向けて延びる上傾斜面と、
下端縁から上方に向かうに従い径方向の内側に向けて延びる下傾斜面と、
前記上傾斜面および前記下傾斜面を互いに接続し、径方向の内側に向けて尖る係止頂部と、を備え、
前記レフィール容器の外周面に、径方向の外側に向けて突出する係止突起が形成され、
前記係止突起は、前記下傾斜面に当接し、前記係止頂部に当接、若しくは近接している、レフィール容器付き二重容器。
【請求項2】
前記下傾斜面のうち、上端部の上下方向に対する傾斜角度は、上端部より下方に位置する部分の上下方向に対する傾斜角度より大きくなっている、請求項1に記載のレフィール容器付き二重容器。
【請求項3】
前記レフィール容器の上端部に、径方向の外側に向けて突出したフランジ部が形成され、
前記フランジ部は、前記内容器の上端開口縁に載置されている、請求項1または2に記載のレフィール容器付き二重容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レフィール容器付き二重容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば下記特許文献1に示されるような、外容器と、内容物が収容され、外容器内に挿入されたレフィール容器と、を備えた容器が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の容器では、レフィール容器が外容器から上方に離脱するのを抑えることが困難であった。
【0005】
本発明は、レフィール容器の離脱を抑えることができるレフィール容器付き二重容器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るレフィール容器付き二重容器は、上下方向に延びる有底筒状の外容器と、前記外容器内に挿入された内容器と、内容物が収容されるとともに、上下方向に延びる有底筒状に形成され、前記内容器内に挿入されたレフィール容器と、を備え、前記内容器は、上下方向の両端が開口した筒状に形成され、前記内容器の内周面は、上端縁から下方に向かうに従い径方向の内側に向けて延びる上傾斜面と、下端縁から上方に向かうに従い径方向の内側に向けて延びる下傾斜面と、前記上傾斜面および前記下傾斜面を互いに接続し、径方向の内側に向けて尖る係止頂部と、を備え、前記レフィール容器の外周面に、径方向の外側に向けて突出する係止突起が形成され、前記係止突起は、前記下傾斜面に当接し、前記係止頂部に当接、若しくは近接している。
【0007】
レフィール容器の外周面に形成された係止突起が、内容器の内周面における下傾斜面に当接し、係止頂部に当接、若しくは近接しているので、レフィール容器が内容器に対して上方に移動しにくくなり、キャップが外された状態で、例えば振動や衝撃等によりレフィール容器が内容器から上方に離脱するのを抑えることができる。
内容器が、上下方向の両端が開口した筒状に形成され、内容器の内周面が、上傾斜面および下傾斜面を備え、係止頂部が、上傾斜面および下傾斜面を互いに接続しているので、内周面に係止頂部が形成された内容器を、上下方向に接近、および離間可能に設けられた一対の成形金型を用い、係止頂部にパーティングラインが位置するように成形することができる。
これにより、内容器が、例えば下端開口が閉塞された有底筒状に形成された構成のように、成形金型(中子)を、内容器内から内容器の上端開口のみから上方に抜く必要が無く、脱型時に、係止頂部が、成形金型に上方に擦られるのを防ぐことが可能になり、内容器を容易かつ精度よく形成することができる。
【0008】
前記下傾斜面のうち、上端部の上下方向に対する傾斜角度は、上端部より下方に位置する部分の上下方向に対する傾斜角度より大きくなってもよい。
【0009】
下傾斜面のうち、上端部の上下方向に対する傾斜角度が、上端部より下方に位置する部分の上下方向に対する傾斜角度より大きくなっているので、係止突起を、下傾斜面の上端部に上下方向に当接させやすくなり、レフィール容器が内容器から上方に離脱するのを確実に規制することができる。
【0010】
前記レフィール容器の上端部に、径方向の外側に向けて突出したフランジ部が形成され、前記フランジ部は、前記内容器の上端開口縁に載置されてもよい。
【0011】
レフィール容器の上端部に形成されたフランジ部が、内容器の上端開口縁に載置されているので、レフィール容器が内容器に対して下方に移動することが防止され、レフィール容器が内容器から離脱するのを確実に抑えることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一態様によれば、レフィール容器の離脱を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】一実施形態として示したレフィール容器付き二重容器の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係るレフィール容器付き二重容器を説明する。
本実施形態に係る二重容器1は、
図1に示されるように、有底筒状の外容器11と、筒状の内容器12と、を備えている。レフィール容器13は有底筒状に形成されている。レフィール容器13付き二重容器1は、広口のジャー容器となっている。レフィール容器13内には、例えばクリーム等の化粧料等が収容される。なお、レフィール容器13付き二重容器1は、ジャー容器に限らず適宜変更してもよい。
【0015】
外容器11、内容器12、およびレフィール容器13は、共通軸Oと同軸に配設されいる。
以下、共通軸Oに沿って外容器11の底部14側を下側、これとは逆側を上側といい、共通軸Oに沿う方向を上下方向といい、また、上下方向から見て共通軸Oに交差する方向を径方向といい、共通軸O回りに周回する方向を周方向という。
【0016】
外容器11は、上下方向に延びる有底筒状に形成されている。外容器11の底部14に、上方に向けて延びる固定筒14aが形成されている。固定筒14aは、共通軸Oと同軸に配設されている。固定筒14aの上端部は、外容器11の上端開口より下方に位置している。
内容器12は、上下方向の両端が開口した筒状に形成されている。内容器12は、樹脂材料等で形成されている。内容器12の下端部は、外容器11の固定筒14a内に嵌合されて固定されている。内容器12の上部は、外容器11の上端部より上方に位置している。
【0017】
内容器12のうち、外容器11の上端部より上方に位置する上部に、径方向の外側に向けて突出し、かつ下方に向けて延び、内容器12の外周面を径方向の外側から囲う囲繞筒15が設けられている。囲繞筒15の上端部は、内容器12の上端部より下方に位置している。囲繞筒15の下部は、固定筒14aより径方向の外側に位置し、外容器11内に挿入されている。囲繞筒15のうち、外容器11の上端部より上方に位置する上部の外周面に雄ねじ部が形成されている。囲繞筒15のうち、下部は周方向の全長にわたって連続して延び、上部は周方向の全長にわたって間欠的に延びている。囲繞筒15の上部には、2つの間欠部15aが設けられており、2つの間欠部15aは、径方向で互いに対向する位置に設けられている。
【0018】
内容器12の内周面は、上端縁から下方に向かうに従い径方向の内側に向けて延びる上傾斜面16と、下端縁から上方に向かうに従い径方向の内側に向けて延びる下傾斜面17と、上傾斜面16および下傾斜面17を互いに接続し、径方向の内側に向けて尖る係止頂部18と、を備えている。
上傾斜面16の上下方向の長さは、下傾斜面17の上下方向の長さより短くなっている。上傾斜面16および係止頂部18は、外容器11の上端部より上方に位置している。
【0019】
図2に示されるように、下傾斜面17のうち、上端部17aの上下方向に対する傾斜角度は、上端部17aより下方に位置する部分の上下方向に対する傾斜角度より大きくなっている。なお、前者の傾斜角度および後者の傾斜角度を互いに同じにしてもよい。
上傾斜面16の上下方向に対する傾斜角度は、下傾斜面17のうち、上端部17aの上下方向に対する傾斜角度と同等で、かつ上端部17aより下方に位置する部分の上下方向に対する傾斜角度より大きくなっている。
なお例えば、上傾斜面16の上下方向に対する傾斜角度を、下傾斜面17のうち、上端部17aの上下方向に対する傾斜角度と異ならせ、かつ上端部17aより下方に位置する部分の上下方向に対する傾斜角度以下としてもよい。
【0020】
レフィール容器13に内容物が収容される。レフィール容器13は、例えば金属材料、樹脂材料、若しくは紙等で形成される。レフィール容器13は、上下方向に延びる有底筒状に形成され、内容器12内に挿入されている。
【0021】
レフィール容器13の外周面に、径方向の外側に向けて突出する係止突起21が形成されている。係止突起21は、下傾斜面17に当接し、係止頂部18に当接、若しくは近接している。係止突起21は、下傾斜面17のうち、上端部17aより下方に位置する部分に当接している。レフィール容器13の外周面のうち、係止突起21以外の部分は、内容器12の内周面から径方向の内側に離れている。
【0022】
係止突起21は、径方向の外側に向けて突の曲面状に形成されている。係止突起21は、径方向から見て円形状を呈する。レフィール容器13の内周面のうち、係止突起21と対応する位置に、径方向の外側に向けて窪む曲面状の窪み部が形成されており、係止突起21は、径方向の外側に向けて張り出した中空のドーム状に形成されている。係止突起21は、周方向に間隔をあけて複数形成されている。なお、係止突起21は、周方向の全長にわたって連続して延びてもよい。
【0023】
レフィール容器13の上端部に、径方向の外側に向けて突出したフランジ部22が形成されている。フランジ部22は、内容器12の上端開口縁に載置されている。フランジ部22の径方向の外端部に、下方に向けて延びる折り返し部が形成されている。なお、フランジ部22に折り返し部を形成しなくてもよい。
【0024】
レフィール容器13は、内容器12の上端開口から内容器12内に挿入される。この際、レフィール容器13の係止突起21における径方向の外端部が、内容器12の内周面において、係止頂部18を下方に乗り越えた後に、下傾斜面17の上端部17aを摺動しつつ下方に通過する。
【0025】
図示の例では、囲繞筒15の上端部に、レフィール容器13の上端開口を封止する有頂筒状のキャップ19が着脱可能に螺着されている。キャップ19の頂壁の下面にパッキン19aが取付けられている。パッキン19aの下面は、レフィール容器13のフランジ部22の上面に気密に当接している。
【0026】
以上説明したように、本実施形態によるレフィール容器13付き二重容器1によれば、レフィール容器13の外周面に形成された係止突起21が、内容器12の内周面における下傾斜面17に当接し、係止頂部18に当接、若しくは近接しているので、レフィール容器13が内容器12に対して上方に移動しにくくなり、キャップ19が外された状態で、例えば振動や衝撃等によりレフィール容器13が内容器12から上方に離脱するのを抑えることができる。
【0027】
内容器12が、上下方向の両端が開口した筒状に形成され、内容器12の内周面が、上傾斜面16および下傾斜面17を備え、係止頂部18が、上傾斜面16および下傾斜面17を互いに接続しているので、内周面に係止頂部18が形成された内容器12を、上下方向に接近、および離間可能に設けられた一対の成形金型を用い、係止頂部18にパーティングラインが位置するように成形することができる。
これにより、内容器12が、例えば下端開口が閉塞された有底筒状に形成された構成のように、成形金型(中子)を、内容器12内から内容器12の上端開口のみから上方に抜く必要が無く、脱型時に、係止頂部18が、成形金型に上方に擦られるのを防ぐことが可能になり、内容器12を容易かつ精度よく形成することができる。
【0028】
下傾斜面17のうち、上端部17aの上下方向に対する傾斜角度が、上端部17aより下方に位置する部分の上下方向に対する傾斜角度より大きくなっているので、係止突起21を、下傾斜面17の上端部17aに上下方向に当接させやすくなり、レフィール容器13が内容器12から上方に離脱するのを確実に規制することができる。
【0029】
レフィール容器13の上端部に形成されたフランジ部22が、内容器12の上端開口縁に載置されているので、レフィール容器13が内容器12に対して下方に移動することが防止され、レフィール容器13が内容器12から離脱するのを確実に抑えることができる。
【0030】
なお、本発明の技術範囲は、前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0031】
例えば、レフィール容器13の上端部にフランジ部22を形成しなくてもよい。
内容器12に囲繞筒15を設けず、内容器12の上端部の外周面に、キャップ19が着脱可能に係止される雄ねじ部等を形成してもよい。
キャップ19は、囲繞筒15に着脱可能に外嵌されてもよい。
【0032】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記実施形態および前記変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0033】
1 二重容器
11 外容器
12 内容器
13 レフィール容器
16 上傾斜面
17 下傾斜面
18 係止頂部
21 係止突起
22 フランジ部