(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023174015
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】車両修理支援装置、車両、車両修理支援方法、及び、車両修理支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20231130BHJP
G06Q 10/02 20120101ALI20231130BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q10/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022086617
(22)【出願日】2022-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】吉田 泰介
(72)【発明者】
【氏名】友岡 靖夫
(72)【発明者】
【氏名】中村 絢子
(72)【発明者】
【氏名】安藤 泰輔
(72)【発明者】
【氏名】木村 仁
(72)【発明者】
【氏名】長濱 卓範
(72)【発明者】
【氏名】笹尾 幸平
(72)【発明者】
【氏名】花房 直人
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 亮彦
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA03
5L049CC15
(57)【要約】
【課題】車両において故障が発生した際に、修理拠点に故障部品の修理の予約を行う場合において、修理を依頼する修理拠点をより適切に選定する。
【解決手段】車両修理支援装置50は、車両60の故障部品61を表す故障部品情報511と、車両60の位置情報512とを取得する取得部51と、修理拠点70の位置を表す修理拠点管理情報521と位置情報512とに基づいて、車両60の修理拠点70への到着予定時刻522を算出する到着時刻算出部52と、修理拠点70に修理を予約した場合における故障部品61の修理時間531を、修理拠点70の作業計画700を用いて算出し、修理の終了予定時刻532を算出する終了時刻算出部53と、終了予定時刻532が基準を満たす修理拠点70を特定し、その位置を車両60に出力する出力部54と、特定した修理拠点70に、到着予定時刻522の後における修理を予約する予約部55と、を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両において検知された故障部品を識別可能な故障部品情報と、前記車両の位置情報とを、前記車両から取得する取得手段と、
前記故障部品情報が示す前記故障部品を修理可能な1以上の修理拠点の位置を表す修理拠点管理情報と、前記位置情報とに基づいて、前記車両の修理拠点への到着予定時刻を算出する到着時刻算出手段と、
修理拠点に前記故障部品の修理を予約した場合における、前記到着予定時刻における前記故障部品の修理時間を、修理拠点の作業計画を用いて算出し、前記到着予定時刻に前記修理時間を加えた修理の終了予定時刻を算出する終了時刻算出手段と、
前記1以上の修理拠点のうち、前記終了予定時刻が基準を満たす修理拠点を特定し、特定した修理拠点の位置を、前記修理拠点管理情報を用いて前記車両に出力する出力手段と、
前記特定した修理拠点に、前記到着予定時刻の後における前記故障部品の修理を予約する予約手段と、
を備える車両修理支援装置。
【請求項2】
前記出力手段は、前記1以上の修理拠点のうち、前記終了予定時刻が基準を満たす複数の修理拠点の位置を、前記修理拠点管理情報を用いて前記車両に出力し、
前記取得手段は、前記車両の運転者により選択された、前記終了予定時刻が基準を満たす複数の修理拠点のいずれかを表す情報を取得し、
前記予約手段は、前記車両の運転者により選択された修理拠点を前記特定した修理拠点として、前記故障部品の修理を予約する、
請求項1に記載の車両修理支援装置。
【請求項3】
前記到着時刻算出手段は、前記1以上の修理拠点から前記車両の目的地までの移動時間を算出し、
前記出力手段は、前記終了予定時刻に前記移動時間を加えた目的地到着予定時刻が最も早い修理拠点を、前記特定した修理拠点に設定する、
請求項1または請求項2に記載の車両修理支援装置。
【請求項4】
前記取得手段は、前記1以上の修理拠点への移動経路に関する渋滞情報を取得し、
前記到着時刻算出手段は、前記渋滞情報を用いて、前記到着予定時刻を算出する、
請求項1または請求項2に記載の車両修理支援装置。
【請求項5】
前記取得手段は、前記1以上の修理拠点から前記作業計画を随時取得する、
請求項1または請求項2に記載の車両修理支援装置。
【請求項6】
蓄積した前記故障部品情報及び前記位置情報を解析することによって、部品ごとの故障の発生頻度、及び、故障が発生した場所と前記故障部品との関係性を表す故障特性情報を生成する生成手段をさらに備える、
請求項1または請求項2に記載の車両修理支援装置。
【請求項7】
前記故障部品を検知する検知手段と、
検知された前記故障部品に関する前記故障部品情報と前記位置情報とを、請求項1または請求項2に記載の車両修理支援装置の前記取得手段に通知する通知手段と、
前記車両修理支援装置から出力された、前記終了予定時刻が基準を満たす修理拠点の位置及び当該修理拠点への移動経路を地図の上に表示する表示手段と、
を備える車両。
【請求項8】
請求項2に記載の車両修理支援装置の前記出力手段から出力された、前記終了予定時刻が基準を満たす複数の修理拠点の位置を地図の上に表示する表示手段と、
前記地図の上に表示された前記終了予定時刻が基準を満たす複数の修理拠点のいずれかを運転者が選択する入力操作を受け付ける入力受付手段と、
運転者により選択された修理拠点を表す情報を前記予約手段へ通知する通知手段と、
を備える車両。
【請求項9】
情報処理装置によって、
車両において検知された故障部品を識別可能な故障部品情報と、前記車両の位置情報とを、前記車両から取得し、
前記故障部品情報が示す前記故障部品を修理可能な1以上の修理拠点の位置を表す修理拠点管理情報と、前記位置情報とに基づいて、前記車両の修理拠点への到着予定時刻を算出し、
修理拠点に前記故障部品の修理を予約した場合における、前記到着予定時刻における前記故障部品の修理時間を、修理拠点の作業計画を用いて算出し、前記到着予定時刻に前記修理時間を加えた修理の終了予定時刻を算出し、
前記1以上の修理拠点のうち、前記終了予定時刻が基準を満たす修理拠点を特定し、特定した修理拠点の位置を、前記修理拠点管理情報を用いて前記車両に出力し、
前記特定した修理拠点に、前記到着予定時刻の後における前記故障部品の修理を予約する、
車両修理支援方法。
【請求項10】
車両において検知された故障部品を識別可能な故障部品情報と、前記車両の位置情報とを、前記車両から取得する取得処理と、
前記故障部品情報が示す前記故障部品を修理可能な1以上の修理拠点の位置を表す修理拠点管理情報と、前記位置情報とに基づいて、前記車両の修理拠点への到着予定時刻を算出する到着時刻算出処理と、
修理拠点に前記故障部品の修理を予約した場合における、前記到着予定時刻における前記故障部品の修理時間を、修理拠点の作業計画を用いて算出し、前記到着予定時刻に前記修理時間を加えた修理の終了予定時刻を算出する終了時刻算出処理と、
前記1以上の修理拠点のうち、前記終了予定時刻が基準を満たす修理拠点を特定し、特定した修理拠点の位置を、前記修理拠点管理情報を用いて前記車両に出力する出力処理と、
前記特定した修理拠点に、前記到着予定時刻の後における前記故障部品の修理を予約する予約処理と、
をコンピュータに実行させるための車両修理支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両修理支援装置、車両、車両修理支援方法、及び、車両修理支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両の運転中に故障が発生した場合、当該車両の運転者は、発生した故障の修理に対応可能な修理拠点(車両整備事業者等)の場所がわからないことから、故障の迅速な復旧が困難であることがある。そして故障した車両が走行を継続することは、事故が発生する要因となる。したがって、発生した故障の修理に対応可能な修理拠点の場所を、運転者が迅速に把握できるように支援する技術が期待されている。
【0003】
上述の技術に関連して、特許文献1には、車両の位置情報を取得する位置情報取得および車両に搭載されたセンサ装置が取得したセンサ信号を用いて修理拠点を選定する修理拠点選定システムが開示されている。このシステムは、センサ信号を使用して故障を診断する。このシステムは、修理拠点の位置情報を含む修理拠点データおよび修理拠点ごとの修理可能な故障内容を含む修理可能データを記憶する。そしてこのシステムは、位置情報、診断された故障内容、修理可能データに含まれる修理可能な故障内容および修理拠点データに含まれる修理拠点の位置情報を用いて、少なくとも1つの修理拠点を選定する。
【0004】
また、特許文献2には、異常が発生した車両の修理を支援する車両修理支援システムが開示されている。このシステムに含まれる車両は、搭載する部品の異常を検出すると、現在位置を示す車両位置情報を送信する。このシステムに含まれる管理装置は、複数の修理工場(修理拠点)の所在地を示す工場位置情報を有し、車両位置情報を受信し、受信した車両位置情報と、工場位置情報とに基づいて、修理工場を選択する。そして当該管理装置は、選択した修理工場が有する修理受付装置に、車両の修理の依頼を示す修理依頼情報を送信する。
【0005】
また、特許文献3には、車両と整備工場とに情報を送受信するリモートメンテナンス装置が開示されている。この装置は、故障時に車両から送られた当該車両を特定するデータと 車両の状態を表すデータと受信する。この装置は、受信したデータから故障内容の解析と応急処置の判断を行う。この装置は、整備工場を検索して、条件に適応した整備工場に入庫予約に関するデータと解析結果のデータとを送信する。そしてこの装置は、解析および判断結果のデータと整備工場の入庫予約に関するデータとを当該車両に送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2021-165883号公報
【特許文献2】特開2004-318536号公報
【特許文献3】特開2002-109690号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した特許文献1には、車両において発生した故障を最短で修理可能な修理拠点を選定する際に、修理拠点の稼働状況から求められる修理待ちの時間を考慮することが示されている。これにより、各修理拠点における修理完了までの時間をある程度高い精度で予測することが期待できる。
【0008】
一方、車両において故障が発生した際に、修理拠点に故障部品の修理の予約を行った場合、当該修理拠点では、通常、その修理に迅速に対応できるように、ある作業員に対してその修理作業が割り当てられるので、より迅速な故障の復旧が期待できる。そしてその場合、上述した修理の予約に伴う作業員の作業計画の変更を考慮して修理完了までの時間を予測しないと、修理を依頼する修理拠点の選定を適切に行うことが困難となる。即ち、車両において故障が発生した際に、修理拠点に故障部品の修理の予約を行う場合において、修理を依頼する修理拠点をより適切に選定することが課題である。特許文献1乃至3は、このような課題については特に言及していない。
【0009】
本発明の主たる目的は、車両において故障が発生した際に、修理拠点に故障部品の修理の予約を行う場合において、修理を依頼する修理拠点をより適切に選定することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様に係る車両修理支援装置は、車両において検知された故障部品を識別可能な故障部品情報と、前記車両の位置情報とを、前記車両から取得する取得手段と、前記故障部品情報が示す前記故障部品を修理可能な1以上の修理拠点の位置を表す修理拠点管理情報と、前記位置情報とに基づいて、前記車両の修理拠点への到着予定時刻を算出する到着時刻算出手段と、修理拠点に前記故障部品の修理を予約した場合における、前記到着予定時刻における前記故障部品の修理時間を、修理拠点の作業計画を用いて算出し、前記到着予定時刻に前記修理時間を加えた修理の終了予定時刻を算出する終了時刻算出手段と、前記1以上の修理拠点のうち、前記終了予定時刻が基準を満たす修理拠点を特定し、特定した修理拠点の位置を、前記修理拠点管理情報を用いて前記車両に出力する出力手段と、前記特定した修理拠点に、前記到着予定時刻の後における前記故障部品の修理を予約する予約手段と、を備える。
【0011】
上記目的を達成する他の見地において、本発明の一態様に係る車両修理支援方法は、情報処理装置によって、車両において検知された故障部品を識別可能な故障部品情報と、前記車両の位置情報とを、前記車両から取得し、前記故障部品情報が示す前記故障部品を修理可能な1以上の修理拠点の位置を表す修理拠点管理情報と、前記位置情報とに基づいて、前記車両の修理拠点への到着予定時刻を算出し、修理拠点に前記故障部品の修理を予約した場合における、前記到着予定時刻における前記故障部品の修理時間を、修理拠点の作業計画を用いて算出し、前記到着予定時刻に前記修理時間を加えた修理の終了予定時刻を算出し、前記1以上の修理拠点のうち、前記終了予定時刻が基準を満たす修理拠点を特定し、特定した修理拠点の位置を、前記修理拠点管理情報を用いて前記車両に出力し、前記特定した修理拠点に、前記到着予定時刻の後における前記故障部品の修理を予約する。
【0012】
また、上記目的を達成する更なる見地において、本発明の一態様に係る車両修理支援プログラムは、車両において検知された故障部品を識別可能な故障部品情報と、前記車両の位置情報とを、前記車両から取得する取得処理と、前記故障部品情報が示す前記故障部品を修理可能な1以上の修理拠点の位置を表す修理拠点管理情報と、前記位置情報とに基づいて、前記車両の修理拠点への到着予定時刻を算出する到着時刻算出処理と、修理拠点に前記故障部品の修理を予約した場合における、前記到着予定時刻における前記故障部品の修理時間を、修理拠点の作業計画を用いて算出し、前記到着予定時刻に前記修理時間を加えた修理の終了予定時刻を算出する終了時刻算出処理と、前記1以上の修理拠点のうち、前記終了予定時刻が基準を満たす修理拠点を特定し、特定した修理拠点の位置を、前記修理拠点管理情報を用いて前記車両に出力する出力処理と、前記特定した修理拠点に、前記到着予定時刻の後における前記故障部品の修理を予約する予約処理と、をコンピュータに実行させる。
【0013】
更に、本発明は、係る車両修理支援プログラム(コンピュータプログラム)が格納された、コンピュータ読み取り可能な、不揮発性の記録媒体によっても実現可能である。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、車両において故障が発生した際に、修理拠点に故障部品の修理の予約を行う場合において、修理を依頼する修理拠点をより適切に選定することを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る車両修理支援システム1の構成を示すブロック図である。
【
図2】修理拠点30に修理の予約を行うことを考慮せずに、作業計画175を用いて終了予定時刻176を算出することを例示する図である。
【
図3】修理拠点30に修理の予約を行うことを考慮して、作業計画175を用いて終了予定時刻176を算出することを例示する図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係る車両修理支援システム1の動作を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の第2の実施形態に係る車両修理支援装置50の構成を示すブロック図である。
【
図6】本発明の各実施形態に係る車両修理支援装置あるいは車両の情報処理機能を実現可能な情報処理装置900の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る車両修理支援システム1の構成を示すブロック図である。車両修理支援システム1は、大別して、車両修理支援装置10、車両20、及び、1以上の修理拠点30(修理事業者等)を有する。但し、本実施形態に係る修理拠点30は、車両20の修理を行う修理拠点30において使用される、修理拠点30の業務を管理する情報処理装置も含む。車両修理支援装置10と車両20と修理拠点30とは、通信ネットワーク40を介して通信可能に接続されている。通信ネットワーク40は、例えばインターネット等の通信ネットワークである。
【0018】
車両修理支援装置10は、車両20において故障が発生した場合に、当該故障の修理に適切に対応可能な修理拠点30の選定を支援する、例えば車両20の製造事業者等によって提供されるサーバ等の情報処理装置である。車両修理支援装置10は、複数の情報処理装置を含んでもよい。
【0019】
車両修理支援装置10は、取得部11、到着時刻算出部12、終了時刻算出部13、出力部14、予約部15、生成部16、記憶部17を備える。取得部11、到着時刻算出部12、終了時刻算出部13、出力部14、予約部15、生成部16は、順に、取得手段、到着時刻算出手段、終了時刻算出手段、出力手段、予約手段、生成手段の一例である。
【0020】
車両20は、車両修理支援装置10が、故障の修理に対応可能な修理拠点30の選定を支援する対象である車両である。車両20は、検知部21、通知部22、表示部23、入力受付部24を備える。検知部21、通知部22、表示部23、入力受付部24は、順に、検知手段、通知手段、表示手段、入力受付手段の一例である。
【0021】
車両修理支援装置10の記憶部17は、例えば、
図6を参照して後述するRAM(Random Access Memory)あるいはハードディスク904のような記憶デバイスである。記憶部17は、故障部品情報171、位置情報172、修理拠点管理情報173、到着予定時刻174、作業計画175、終了予定時刻176、目的地到着予定時刻177、故障特性情報178を記憶している。記憶部17に記憶されたこれらの情報の詳細については後述する。
【0022】
車両20の検知部21は、車両20を構成する部品のうち、故障が発生した故障部品210を検知する。検知部21は、その際、車両に対する既存の診断技術を用いることができる。
【0023】
通知部22は、検知部21によって検知された故障部品210を表す故障部品情報171と車両20の位置情報172とを、車両修理支援装置10の取得部11に通知する。位置情報172は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)を用いて取得可能な情報である。通知部22は、また、車両20を識別可能な識別情報もあわせて、車両修理支援装置10の取得部11に通知してもよい。
【0024】
車両修理支援装置10の取得部11は、車両20の通知部22から、故障部品210を表す故障部品情報171と車両20の位置情報172とを取得する。取得部11は、取得した故障部品情報171及び位置情報172を、車両20を識別可能な識別情報と関連付けて、記憶部17に格納する。
【0025】
到着時刻算出部12は、記憶部17に記憶されている、故障部品情報171と位置情報172と修理拠点管理情報173とに基づいて、車両20が故障部品210を修理可能な修理拠点30に到着する到着予定時刻174を、個々の修理拠点30に関して算出する。
【0026】
修理拠点管理情報173は、1以上の修理拠点30の個々に関して、その位置(例えば緯度及び経度等)と、修理拠点30において車両20に含まれる部品であって修理を行うことが可能な部品の識別情報とを表す情報である。修理拠点管理情報173は、例えば、修理の対象となる部品に関する修理拠点30における在庫の状況を含んでもよい。修理拠点管理情報173は、例えば、修理の対象となる部品に関する修理作業時間を含んでもよい。修理拠点管理情報173は、例えば、車両修理支援装置10の管理者によって与えられてもよいし、通信ネットワーク40に接続された装置(データベース等)から車両修理支援装置10が取得した情報であってもよい。
【0027】
到着時刻算出部12は、故障部品情報171を修理拠点管理情報173と照合することによって、故障部品210を修理することが可能な1以上の修理拠点30を特定する。そして到着時刻算出部12は、位置情報172が示す車両20の位置と、修理拠点管理情報173が示す修理拠点30の位置とに基づいて、故障部品210を修理することが可能な修理拠点として特定した修理拠点30に車両20が到着する到着予定時刻174を算出する。到着時刻算出部12は、例えば、車両20が修理拠点30へ移動する際に走行する移動経路の距離と、車両20の平均走行時速とから、到着予定時刻174を算出すればよい。
【0028】
到着時刻算出部12は、また、通信ネットワーク40に接続された装置から当該移動経路に関する渋滞情報を取得し、当該渋滞情報を用いて到着予定時刻174を算出してもよい。
【0029】
到着時刻算出部12は、個々の修理拠点30に関して算出した到着予定時刻174を、車両20を識別可能な識別情報と関連付けて、記憶部17に格納する。
【0030】
終了時刻算出部13は、修理拠点30に故障部品210の修理を予約した場合における、到着予定時刻174における故障部品210の修理時間を、個々の修理拠点30の作業計画175を用いて算出する。但し、当該修理時間は、到着予定時刻174から故障部品210に対する修理作業が開始されるまでの修理待ち時間と、例えば修理拠点管理情報173によって示される故障部品210の修理作業時間とを合計した時間である。また、作業計画175は、取得部11によって、個々の修理拠点30から随時取得され、記憶部17に格納される。
【0031】
終了時刻算出部13は、到着予定時刻174に上述の通りに算出した修理時間を加えた修理の終了予定時刻176を、個々の修理拠点30に関して算出し、算出した終了予定時刻176を、修理拠点30を識別可能な識別情報と関連付けて記憶部17に格納する。
【0032】
ここで、終了時刻算出部13が作業計画175を用いて終了予定時刻176を算出する動作について、
図2及び
図3を参照して詳細に説明する。
【0033】
図2は、修理拠点30に修理の予約を行うことを考慮せずに、作業計画175を用いて終了予定時刻176を算出することを例示する図である。尚、本実施形態に係る終了時刻算出部13は、後述する
図3に例示する通り、修理拠点30に修理の予約を行うことを考慮して、作業計画175を用いて終了予定時刻176を算出するので、
図2に例示するような終了予定時刻176の算出を行わない。
【0034】
図2に例示する作業計画175によれば、ある修理拠点30において、作業員Aは作業A01乃至A03を、作業員Bは作業B01乃至B03を、作業員Cは作業C01乃至C03を
図2に例示する通り順番に行う。
図2に示す例の場合、車両20が到着予定時刻174に修理拠点30に到着した後、最初に全ての作業が完了する作業員Aが最後の作業A03を完了した後、作業員Aが車両20の故障部品210に対する修理作業を開始することになるので、終了予定時刻176は、
図2に例示する通りに算出される。
【0035】
図3は、本実施形態に係る終了時刻算出部13が、修理拠点30に修理の予約を行うことを考慮して、作業計画175を用いて終了予定時刻176を算出することを例示する図である。但し、修理拠点30に修理の予約を行う前の作業計画175は、
図2と
図3とで同等であることとする。
【0036】
図3に例示する通りに、車両20の故障部品210に対する修理の予約が修理拠点30に対して行われた場合、修理拠点30では、予約された車両20の故障部品210に対する修理作業に可能な限り迅速に着手できるように、作業計画175が変更される。
図3に例示する作業計画175によれば、元々作業員Cに割り当てられていた作業C02を行う作業員が作業員Aに変更されている。この場合、車両20が到着予定時刻174に修理拠点30に到着した後、最初に全ての作業が完了するのは作業員Cとなり、作業員Cが最後の作業C03を完了した後、作業員Cが車両20の故障部品210に対する修理作業を開始することになる。したがって、終了時刻算出部13は、
図3に例示する通り、終了予定時刻176を算出する。
図2及び
図3に例示する通り、車両20の故障部品210に対する修理の予約が修理拠点30に対して行われることによって、修理待ち時間が短くなるので、終了予定時刻176は早くなる。
【0037】
終了時刻算出部13は、作業計画175に対して新たな作業が追加された場合、例えば作業計画175に含まれる作業の遂行に関する全体最適を行う既存のアルゴリズムを用いることによって、
図3に例示するような作業計画175の変更を予測することができる。そして、終了時刻算出部13は、作業計画175の変更の予測結果に基づいて、終了予定時刻176を算出すればよい。
【0038】
車両修理支援装置10の出力部14は、1以上の修理拠点30のうち、終了時刻算出部13によって上述の通りに算出された終了予定時刻176が基準を満たすような修理拠点30を特定する。出力部14は、例えば、終了予定時刻176が最も早い修理拠点30を特定してもよいし、終了予定時刻176の早さが所定の順位までの複数の修理拠点30を特定してもよいし、終了予定時刻176が所定の時刻よりも前になる1以上の修理拠点30を特定してもよい。
【0039】
出力部14は、上述の通りに特定した修理拠点30の位置を、個々の修理拠点30の位置を表す修理拠点管理情報173を用いて、車両20の表示部23に出力する。
【0040】
車両20の表示部23は、車両修理支援装置10の出力部14から出力された、終了予定時刻176が基準を満たす1以上の修理拠点30の位置を、例えば車両20が備えるナビゲーションシステムの表示画面(不図示)に表示した地図の上に表示する。表示部23は、また、終了予定時刻176が基準を満たす1以上の修理拠点30への移動経路も合わせて、当該地図の上に表示してもよい。
【0041】
車両20の入力受付部24は、車両修理支援装置10の出力部14から出力された、終了予定時刻176が基準を満たす修理拠点30が複数である場合、表示部23によって上述の通りに地図の上に表示された複数の修理拠点30のいずれかを車両20の運転者が選択する入力操作を受け付ける。入力受付部24は、例えば、タッチパネルとしての機能を備えるナビゲーションシステムの表示画面に対する当該入力操作を受け付ける。入力受付部24は、あるいは、表示部23によって番号が表示された修理拠点30の中から選択された修理拠点30の番号を表す運転者の音声を受け付け、当該音声を音声認識するようにしてもよい。
【0042】
尚、車両修理支援装置10の出力部14から出力された、終了予定時刻176が基準を満たす修理拠点30が1つである場合、入力受付部24は、上述した車両20の運転者による入力操作を受け付ける動作を行わなくてもよい。
【0043】
通知部22は、車両20の運転者により選択された修理拠点30を表す情報を、車両修理支援装置10の取得部11へ通知する。
【0044】
車両修理支援装置10の取得部11は、車両20の運転者により選択された修理拠点30を表す情報を、車両20の通知部22から取得する。そして出力部14は、取得部11が通知部22から取得した情報が表す車両20の運転者により選択された修理拠点30を、故障部品210の修理を依頼する修理拠点30として特定する。
【0045】
車両修理支援装置10の予約部15は、出力部14によって特定された修理拠点30に、到着予定時刻174及び故障部品210を表す情報を通知することによって、到着予定時刻174の後における故障部品210の修理を予約する。予約部15は、例えば、出力部14によって終了予定時刻176が最も早い修理拠点30が特定された場合、特定された修理拠点30に関する到着予定時刻174を、その特定された修理拠点30に通知する。予約部15は、例えば、出力部14によって終了予定時刻176が基準を満たす複数の修理拠点30が特定された場合、終了予定時刻176が基準を満たす複数の修理拠点30の中から車両20の運転者によって選択された修理拠点30に関する到着予定時刻174を、その選択された修理拠点30に通知する。
【0046】
車両修理支援装置10の生成部16は、これまでに記憶部17に蓄積した故障部品情報171及び位置情報172を解析することによって、部品ごとの故障の発生頻度、及び、故障が発生した場所と故障部品210との関係性を表す故障特性情報178を生成する。但し、故障部品情報171及び位置情報172は、取得部11によって故障部品情報171及び位置情報172が取得された時刻と関連付けられて、記憶部17に記憶されていることとする。
【0047】
故障特性情報178は、例えば、車両20に含まれる個々の部品に関する、所定の長さの時間において故障が発生した回数(即ち故障の発生頻度)を表す。故障特性情報178は、例えば、車両20に含まれる個々の部品に関する、故障の発生実績が多い場所の属性を表す。即ち、故障特性情報178は、例えば、海岸沿いの地域における塩分の多さ(腐食の発生のしやすさと関連)、あるいは、山間部における坂道の多さ(エンジンあるいはモーターに対する負荷の大きさと関連)等と、個々の部品の故障との関係性を表す。
【0048】
次に
図4のフローチャートを参照して、本実施形態に係る車両修理支援システム1の動作(処理)について詳細に説明する。
【0049】
車両20の検知部21は、車両20における故障部品210を検知し、通知部22は、検知部21によって検知された故障部品210を表す故障部品情報171と、車両20の位置情報172とを、車両修理支援装置10の取得部11に通知する(ステップS101)。車両修理支援装置10の取得部11は、車両20の通知部22から通知された故障部品情報171及び位置情報172を取得し、記憶部17に格納する(ステップS102)。
【0050】
車両修理支援装置10の到着時刻算出部12は、修理拠点管理情報173が示す個々の修理拠点30の位置と位置情報172が示す車両20の位置とに基づいて、車両20が個々の修理拠点に到着する到着予定時刻174を算出する(ステップS103)。車両修理支援装置10の終了時刻算出部13は、修理拠点30に修理を予約した場合における到着予定時刻174における故障部品210の修理時間を、取得部11によって個々の修理拠点30から随時取得された作業計画175を用いて算出する(ステップS104)。終了時刻算出部13は、算出した故障部品210の修理時間に到着予定時刻174を加えた終了予定時刻176を算出し、記憶部17に格納する(ステップS105)。
【0051】
車両修理支援装置10の出力部14は、終了時刻算出部13によって算出された終了予定時刻176が基準を満たす1以上の修理拠点30を特定し、特定した修理拠点30の位置を車両20の表示部23に出力する(ステップS106)。車両20の表示部23は、車両修理支援装置10の出力部14から出力された終了予定時刻176が基準を満たす修理拠点30の位置及び移動経路を、車両20が備える表示画面に表示した地図の上に表示する(ステップS107)。
【0052】
車両20の入力受付部24は、表示部23によって表示画面に表示された修理拠点30のいずれかを車両20の運転者が選択する入力操作を受け付ける(ステップS108)。車両20の通知部22は、入力受付部24にとって受け付けられた入力操作が示す車両20の運転者により選択された修理拠点30を表す情報を、車両修理支援装置10の取得部11へ通知する(ステップS109)。車両修理支援装置10の予約部15は、取得部11が通知部22から取得した情報が表す車両20の運転者により選択された修理拠点30に、故障部品210及び選択された修理拠点30に関する到着予定時刻174を表す情報を通知することによって故障部品210の修理を予約し(ステップS110)、全体の処理は終了する。
【0053】
本実施形態に係る車両修理支援装置10は、車両20において故障が発生した際に、修理拠点30に故障部品210の修理の予約を行う場合において、修理を依頼する修理拠点30をより適切に選定することを実現できる。その理由は、車両修理支援装置10は、修理拠点30に故障部品210の修理を予約した場合における、到着予定時刻174における故障部品210の修理時間を、修理拠点30から取得した作業計画175を用いて算出し、到着予定時刻174に当該修理時間を加えた修理の終了予定時刻176が基準を満たす修理拠点30を特定するからである。
【0054】
以下に、本実施形態に係る車両修理支援装置10によって実現される効果について、詳細に説明する。
【0055】
車両において故障が発生した際に、修理拠点に故障部品の修理の予約を行った場合、当該修理拠点では、通常、その修理に迅速に対応できるように、ある作業員に対してその修理作業が割り当てられるので、より迅速な故障の復旧が期待できる。そしてその場合、修理の予約に伴う作業員の作業計画の変更を考慮して修理完了までの時間を予測しないと、修理を依頼する修理拠点の選定を適切に行うことが困難となる。即ち、車両において故障が発生した際に、修理拠点に故障部品の修理の予約を行う場合において、修理を依頼する修理拠点をより適切に選定することが課題である。
【0056】
このような課題に対して、本実施形態に係る車両修理支援装置10は、車両20において検知された故障部品210を表す故障部品情報171と、車両20の位置情報とを、車両20から取得する。車両修理支援装置10は、故障部品210を修理可能な1以上の修理拠点30の位置を表す修理拠点管理情報173と、位置情報172とに基づいて、車両20の修理拠点30への到着予定時刻174を算出する。車両修理支援装置10は、修理拠点30に故障部品210の修理を予約した場合における、到着予定時刻174における故障部品210の修理時間を、修理拠点30の作業計画175を用いて算出し、到着予定時刻174に当該修理時間を加えた修理の終了予定時刻176を算出する。車両修理支援装置10は、1以上の修理拠点30のうち、終了予定時刻176が基準を満たす修理拠点30を特定し、特定した修理拠点30の位置を、修理拠点管理情報173を用いて車両に出力する。そして、車両修理支援装置10は、特定した修理拠点30に、到着予定時刻174の後における故障部品210の修理を予約する。
【0057】
即ち、車両修理支援装置10は、修理の予約に伴う作業員の作業計画175の変更を考慮して終了予定時刻176を予測し、その終了予定時刻176が基準を満たす修理拠点30を、修理を依頼する修理拠点30として特定する。これにより、車両修理支援装置10は、車両20において故障が発生した際に、修理拠点30に故障部品210の修理の予約を行う場合において、修理を依頼する修理拠点30をより適切に選定することを実現できる。
【0058】
また、本実施形態に係る車両修理支援装置10は、1以上の修理拠点30のうち、終了予定時刻176が基準を満たす複数の修理拠点30の位置を、修理拠点管理情報173を用いて車両20に出力する。車両修理支援装置10は、車両20の運転者により選択された、終了予定時刻176が基準を満たす複数の修理拠点30のいずれかを表す情報を取得する。そして、車両修理支援装置10は、車両20の運転者により選択された修理拠点30を修理の依頼先として特定し、その修理拠点30に故障部品210の修理を予約する。即ち、車両修理支援装置10は、故障部品210の修理を依頼する候補となる複数の修理拠点30を車両20の運転者に提示し、修理を依頼する修理拠点30の最終決定を運転者に委ねるようにする。これにより、車両修理支援装置10は、車両20の運転者の希望をふまえて、修理を依頼する修理拠点30を選定することができる。
【0059】
また、本実施形態に係る車両修理支援装置10の到着時刻算出部12は、1以上の修理拠点30から車両20の運転者によって設定された車両20の目的地までの移動時間を算出してもよい。車両20の運転者は、例えば、車両20が備えるナビゲーションシステムのメニュー画面において当該目的地を設定可能である。そして、この場合、車両修理支援装置10の出力部14は、終了予定時刻176に当該目的地までの移動時間を加えた目的地到着予定時刻177が基準を満たす(例えば最も早い)修理拠点を、修理を依頼する修理拠点30に設定してもよい。また、車両修理支援装置10は、この場合においても、上述の動作と同様に、故障部品210の修理を依頼する候補となる複数の修理拠点30を車両20の運転者に提示し、修理を依頼する修理拠点30の最終決定を運転者に委ねるようにしてもよい。これにより、車両修理支援装置10は、車両20の目的地への到着時刻をふまえて、修理を依頼する修理拠点30を選定することができる。
【0060】
また、本実施形態に係る車両修理支援装置10は、1以上の修理拠点30への移動経路に関する渋滞情報を取得し、取得した渋滞情報を用いて、到着予定時刻174を算出する。これにより、車両修理支援装置10は、到着予定時刻174の算出精度を高めることができる。
【0061】
また、本実施形態に係る車両修理支援装置10は、1以上の修理拠点30から作業計画175を随時取得する。これにより、車両修理支援装置10は、個々の修理拠点30の最新の作業計画175を用いて終了予定時刻176を算出するので、終了予定時刻176の算出精度を高めることができる。
【0062】
また、本実施形態に係る車両修理支援装置10は、蓄積した故障部品情報171及び位置情報172を解析することによって、部品ごとの故障の発生頻度、及び、故障が発生した場所と故障部品210との関係性を表す故障特性情報178を生成する。この場合、例えば、修理拠点30は、故障特性情報178により示される故障の発生確率をふまえて、交換部品を準備しておくことができる。あるいはこの場合、車両20を構成する部品を開発する事業者は、当該部品の品質向上において、故障特性情報178を活用することができる。
【0063】
<第2の実施形態>
図5は、本発明の第2の実施形態に係る車両修理支援装置50の構成を示すブロック図である。
【0064】
本実施形態に係る車両修理支援装置50は、取得部51、到着時刻算出部52、終了時刻算出部53、出力部54、予約部55を備えている。取得部51、到着時刻算出部52、終了時刻算出部53、出力部54、予約部55は、順に、取得手段、到着時刻算出手段、終了時刻算出手段、出力手段、予約手段の一例である。
【0065】
取得部51は、車両60において検知された故障部品61を識別可能な故障部品情報511と、車両60の位置情報512とを、車両60から取得する。車両60は、例えば、第1の実施形態に係る車両20と同様な車両である。故障部品61は、例えば、第1の実施形態に係る故障部品210と同様な部品である。故障部品情報511は、例えば、第1の実施形態に係る故障部品情報171と同様な情報である。位置情報512は、例えば、第1の実施形態に係る位置情報172と同様な情報である。取得部51は、例えば、第1の実施形態に係る取得部11と同様に動作する。
【0066】
到着時刻算出部52は、故障部品情報511が示す故障部品61を修理可能な1以上の修理拠点70の位置を表す修理拠点管理情報521と、位置情報512とに基づいて、車両60の修理拠点70への到着予定時刻522を算出する。修理拠点70は、例えば、第1の実施形態に係る修理拠点30と同様な修理拠点である。修理拠点管理情報521は、例えば、第1の実施形態に係る修理拠点管理情報173と同様な情報である。到着予定時刻522は、例えば、第1の実施形態に係る到着予定時刻174と同様な時刻である。到着時刻算出部52は、例えば、第1の実施形態に係る到着時刻算出部12と同様に動作する。
【0067】
終了時刻算出部53は、修理拠点70に故障部品61の修理を予約した場合における、到着予定時刻522における故障部品61の修理時間531を、修理拠点70の作業計画700を用いて算出し、到着予定時刻522に修理時間531を加えた修理の終了予定時刻532を算出する。修理時間531は、例えば、第1の実施形態に係る終了時刻算出部13によって算出される修理時間と同様な時間である。終了予定時刻532は、例えば、第1の実施形態に係る終了予定時刻176と同様な時刻である。作業計画700は、例えば、第1の実施形態に係る作業計画175と同様な情報である。終了時刻算出部53は、例えば、第1の実施形態に係る終了時刻算出部13と同様に動作する。
【0068】
出力部54は、1以上の修理拠点70のうち、終了予定時刻532が基準を満たす修理拠点70を特定し、特定した修理拠点70の位置を、修理拠点管理情報521を用いて車両60に出力する。出力部54は、例えば、第1の実施形態に係る出力部14と同様に動作する。
【0069】
予約部55は、特定した修理拠点70に、到着予定時刻522の後における故障部品61の修理を予約する。予約部55は、例えば、第1の実施形態に係る予約部15と同様に動作する。
【0070】
本実施形態に係る車両修理支援装置50は、車両60において故障が発生した際に、修理拠点70に故障部品61の修理の予約を行う場合において、修理を依頼する修理拠点70をより適切に選定することを実現できる。その理由は、車両修理支援装置50は、修理拠点70に故障部品61の修理を予約した場合における、到着予定時刻522における故障部品61の修理時間531を、修理拠点70から取得した作業計画700を用いて算出し、到着予定時刻522に修理時間531を加えた修理の終了予定時刻532が基準を満たす修理拠点70を特定するからである。
【0071】
<ハードウェア構成例>
上述した各実施形態において
図1、及び、
図5に示した車両修理支援装置及び車両における各部は、専用のHW(HardWare)(電子回路)によって実現することができる。また、
図1、及び、
図5において、少なくとも、下記構成は、プロセッサによって実行される命令を含むソフトウェアプログラムの機能(処理)単位(ソフトウェアモジュール)と捉えることができる。
・取得部11及び51、
・到着時刻算出部12及び52、
・終了時刻算出部13及び53、
・出力部14及び54、
・予約部15及び55、
・生成部16、
・記憶部17における記憶制御機能、
・検知部21、
・通知部22、
・表示部23、
・入力受付部24。
【0072】
但し、これらの図面に示した各部の区分けは、説明の便宜上の構成であり、実装に際しては、様々な構成が想定され得る。この場合のハードウェア環境の一例を、
図6を参照して説明する。
【0073】
図6は、本発明の各実施形態に係る車両修理支援装置あるいは車両の情報処理機能を実現可能な情報処理装置900(コンピュータ)の構成を例示的に説明する図である。即ち、
図6は、
図1、及び、
図5に示した車両修理支援装置あるいは車両の情報処理機能を実現可能なコンピュータ(情報処理装置)の構成であって、上述した実施形態における各機能を実現可能なハードウェア環境を表す。
【0074】
図6に示した情報処理装置900は、構成要素として下記を備えている。
・CPU(Central_Processing_Unit)901、
・ROM(Read_Only_Memory)902、
・RAM(Random_Access_Memory)903、
・ハードディスク(記憶装置)904、
・通信インタフェース905、
・バス906(通信線)、
・CD-ROM(Compact_Disc_Read_Only_Memory)等の記録媒体907に格納されたデータを読み書き可能なリーダライタ908、
・モニターやスピーカ、キーボード等の入出力インタフェース909。
【0075】
即ち、上記構成要素を備える情報処理装置900は、これらの構成がバス906を介して接続された一般的なコンピュータである。情報処理装置900は、CPU901を複数備える場合もあれば、マルチコアにより構成されたCPU901を備える場合もある。
【0076】
そして、上述した実施形態を例に説明した本発明は、
図5に示した情報処理装置900に対して、次の機能を実現可能なコンピュータプログラムを供給する。その機能とは、その実施形態の説明において参照したブロック構成図(
図1及び
図5)における上述した構成、或いはフローチャート(
図4)の機能である。本発明は、その後、そのコンピュータプログラムを、当該ハードウェアのCPU901に読み出して解釈し実行することによって達成される。また、当該装置内に供給されたコンピュータプログラムは、読み書き可能な揮発性のメモリ(RAM903)、または、ROM902やハードディスク904等の不揮発性の記憶デバイスに格納すれば良い。
【0077】
また、前記の場合において、当該ハードウェア内へのコンピュータプログラムの供給方法は、現在では一般的な手順を採用することができる。その手順としては、例えば、CD-ROM等の各種記録媒体907を介して当該装置内にインストールする方法や、インターネット等の通信回線を介して外部よりダウンロードする方法等がある。そして、このような場合において、本発明は、係るコンピュータプログラムを構成するコード或いは、そのコードが格納された記録媒体907によって構成されると捉えることができる。
【0078】
以上、上述した実施形態を模範的な例として本発明を説明した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態には限定されない。即ち、本発明は、本発明のスコープ内において、当業者が理解し得る様々な態様を適用することができる。
【符号の説明】
【0079】
1 車両修理支援システム
10 車両修理支援装置
11 取得部
12 到着時刻算出部
13 終了時刻算出部
14 出力部
15 予約部
16 生成部
17 記憶部
171 故障部品情報
172 位置情報
173 修理拠点管理情報
174 到着予定時刻
175 作業計画
176 終了予定時刻
177 目的地到着予定時刻
178 故障特性情報
20 車両
21 検知部
210 故障部品
22 通知部
23 表示部
24 入力受付部
30 修理拠点
40 通信ネットワーク
50 車両修理支援装置
51 取得部
511 故障部品情報
512 位置情報
52 到着時刻算出部
521 修理拠点管理情報
522 到着予定時刻
53 終了時刻算出部
531 修理時間
532 終了予定時刻
54 出力部
55 予約部
60 車両
61 故障部品
70 修理拠点
700 作業計画
900 情報処理装置
901 CPU
902 ROM
903 RAM
904 ハードディスク(記憶装置)
905 通信インタフェース
906 バス
907 記録媒体
908 リーダライタ
909 入出力インタフェース