(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023174026
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/16 20120101AFI20231130BHJP
【FI】
G06Q50/16
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022086632
(22)【出願日】2022-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】518325105
【氏名又は名称】株式会社セレンディピティー
(74)【代理人】
【識別番号】100158850
【弁理士】
【氏名又は名称】明坂 正博
(72)【発明者】
【氏名】諏訪 悦子
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC27
(57)【要約】
【課題】ユーザの嗜好に応じて効果的に物件を探すことができる情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供すること。
【解決手段】本発明に係る情報処理装置は、ユーザの属性を取得する取得部と、複数のユーザについて、ユーザの属性と、前記ユーザが優先する物件の項目とが記憶された記憶部を参照し、取得部が取得したユーザと属性の類似する他のユーザが優先する物件の項目を抽出する抽出部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの属性を取得する取得部と、
複数のユーザについて、前記ユーザの属性と、前記ユーザが優先する物件の項目とが記憶された記憶部を参照し、前記取得部が取得したユーザと属性の類似する他のユーザが優先する物件の項目を抽出する抽出部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
複数の物件について、前記物件と、前記物件の物件情報とが記憶された記憶部を参照し、前記抽出部での抽出結果に基づいて、前記物件を検索する検索部を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記抽出部が抽出した項目を複数組み合わせた複数の選択肢を出力する出力部と、
前記複数の選択肢のユーザによる評価を受信する受信部と、
前記受信部が受信した評価に基づいて、前記項目の優先度を推定する推定部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
複数の物件について、前記物件と、前記物件の物件情報とが記憶された記憶部を参照し、前記推定部での推定結果に基づいて、前記物件を検索する検索部を備える、
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
ユーザの物件の物件情報を取得する取得部と、
基準となる基準物件の物件情報に基づいて、前記ユーザの物件を評価する評価部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
前記物件情報には、複数の項目が含まれ、
前記評価部は、
前記取得部が取得した物件情報を項目ごとに評価する、
ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
複数の物件について、前記物件と、前記物件の物件情報とが記憶された記憶部を参照し、前記評価部での評価結果に基づいて、前記物件を検索する検索部を備える、
ことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記評価部での評価結果に基づいて、前記項目を複数組み合わせた複数の選択肢を出力する出力部と、
前記複数の選択肢のユーザによる評価を受信する受信部と、
前記受信部が受信した評価に基づいて、前記項目の優先度を推定する推定部と、
ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項9】
複数の物件について、前記物件と、前記物件の物件情報とが記憶された記憶部を参照し、前記推定部での推定結果に基づいて、前記物件を検索する検索部を備える、
ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
物件の項目を複数組み合わせた複数の選択肢を出力する出力部と、
前記複数の選択肢のユーザによる評価を受信する受信部と、
前記受信部が受信した評価に基づいて、前記項目の優先度を推定する推定部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項11】
前記ユーザの物件の物件情報を取得する取得部と、
基準となる基準物件の物件情報に基づいて、前記ユーザの物件を評価する評価部と、を備え、
前記出力部は、
前記評価部での評価結果に基づいて、前記項目を複数組み合わせた複数の選択肢を出力する、
ことを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
ユーザの属性を取得する取得部と、
複数のユーザについて、前記ユーザの属性と、前記ユーザが優先する物件の項目とが記憶された記憶部を参照し、前記取得部が取得したユーザと属性の類似する他のユーザが優先する物件の項目を抽出する抽出部と、を備え、
前記出力部は、
前記抽出部が抽出した項目を複数組み合わせた複数の選択肢を出力する、
ことを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項13】
複数の物件について、前記物件と、前記物件の物件情報とが記憶された記憶部を参照し、前記推定部での推定結果に基づいて、前記物件を検索する検索部を備える、
ことを特徴とする請求項10乃至請求項12のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項14】
取得部が、ユーザの属性を取得する工程と、
抽出部が、複数のユーザについて、前記ユーザの属性と、前記ユーザが優先する物件の項目とが記憶された記憶部を参照し、前記取得部が取得したユーザと属性の類似する他のユーザが優先する物件の項目を抽出する工程と、
を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項15】
取得部が、ユーザの物件の物件情報を取得する工程と、
評価部が、基準となる基準物件の物件情報に基づいて、前記ユーザの物件を評価する工程と、
を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項16】
出力部が、物件の項目を複数組み合わせた複数の選択肢を出力する工程と、
受信部が、前記複数の選択肢のユーザによる評価を受信する工程と、
推定部が、前記受信部が受信した評価に基づいて、前記項目の優先度を推定する工程と、
を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項17】
コンピュータを、
ユーザの属性を取得する取得部、
複数のユーザについて、前記ユーザの属性と、前記ユーザが優先する項目とが記憶された記憶部を参照し、前記取得部が取得したユーザと属性の類似する他のユーザが優先する項目を抽出する抽出部、
として機能させることを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項18】
コンピュータを、
ユーザの物件の物件情報を取得する取得部、
基準となる基準物件の物件情報に基づいて、前記ユーザの物件を評価する評価部、
として機能させることを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項19】
コンピュータを、
物件の項目を複数組み合わせた複数の選択肢を出力する出力部、
前記複数の選択肢のユーザによる評価を受信する受信部、
前記受信部が受信した評価に基づいて、前記項目の優先度を推定する推定部、
として機能させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に戸建、マンションなどの物件を探す際には、広さ、間取り、駅からの距離などの条件をもとに物件を絞り込んだ後、希望する物件を内見して実際の物件の状態や周囲の環境などを確認して賃貸や売買などの契約を行うことが一般的である。
ここで、従来の物件の検索技術には、例えば、居住場所の環境についてのユーザの嗜好に合った環境情報を有する不動産物件の物件情報をユーザの手間をかけずに提示するものがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながらユーザが自身の嗜好に応じて効果的に物件を探すためには、未だ向上の余地がある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ユーザの嗜好に応じて効果的に物件を探すことができる情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の情報処理装置は、ユーザの属性を取得する取得部と、複数のユーザについて、ユーザの属性と、前記ユーザが優先する物件の項目とが記憶された記憶部を参照し、取得部が取得したユーザと属性の類似する他のユーザが優先する物件の項目を抽出する抽出部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザの嗜好に応じて効果的に物件を探すことができる情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係る情報処理システムの概略構成の一例を示す図である。
【
図2】第1実施形態に係るサーバのハード構成の一例を示す図である。
【
図3】第1実施形態に係るサーバの機能構成の一例を示す図である。
【
図4】第1実施形態に係るユーザ端末のハード構成の一例を示す図である。
【
図5】第1実施形態に係るユーザ端末の機能構成の一例を示す図である。
【
図6】第1実施形態に係るサーバによる情報処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】第1実施形態に係るサーバによる情報処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】第2実施形態に係るサーバの機能構成の一例を示す図である。
【
図9】第2実施形態に係るサーバによる情報処理の一例を示すフローチャートである。
【
図10】第2実施形態に係るサーバによる情報処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】第3実施形態に係るサーバの機能構成の一例を示す図である。
【
図12】第3実施形態に係るサーバによる情報処理の一例を示すフローチャートである。
【
図13】第3実施形態に係るサーバによる情報処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
通常、引っ越し等により住居を変える頻度はそれほど高くなく、自分が物件に何を求めているのか、もしくは、これまで当たり前に享受していたために、自分にとって何が重要であるのかを認識できていないことがある。また、それまで住んでいた場所では当たり前に享受できていた項目(例えば、採光、収納の量、浴室の大きさ、移動のしやすさ、など)がなくなることによって、引越し後に失った項目の重要性に気づくことも考えられる。
また、不動産会社側がユーザの求める項目を聞き漏らしたり、聞いても理解できないこともある。
このように、自身の優先する項目の選定ができない状態で、不動産会社に連絡をして物件を紹介してもらっても納得のいく物件に出会うまでに多大な手間と時間がかかることとなる。
また、不動産会社としても、ユーザが納得できる物件を早く紹介できないということは、成約のチャンスを逃したり、成約に至るまでに多大なコストをかけることになる。
また、物件の情報として、売主、大家、仲介業者からの主観的な情報では、物件を客観的に評価することができず、売主、大家、仲介業者と、買主又は借主との認識にずれが生じる恐れがあり、この場合にも、ユーザは、納得のいく物件に出会うまでに多大な手間と時間がかかることとなり、不動産会社としても、成約のチャンスを逃したり、成約に至るまでに多大なコストをかけることになる。
以下の実施形態では、ユーザの嗜好に応じて効果的に物件を探すことができる情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムについて説明する。
【0010】
[第1実施形態]
第1実施形態では、属性の類似する他のユーザが優先する項目を提示することで、ユーザの嗜好に応じて効果的に物件を探すことができる形態について説明する。
図1は、第1実施形態に係る情報処理システム1の概略構成の一例を示す図である。
図1に示すように情報処理システム1は、サーバ2(情報処理装置)と、このサーバ2とネットワーク4を介して接続されたユーザ端末3とを備える。また、ネットワーク4には、他のサーバ(不図示)が接続されており、サーバ2が物件に関する客観的情報(客観的情報については後述する)を取得可能に構成されている。情報処理システム1が備えるサーバ2及びユーザ端末3の数はそれぞれ任意である。サーバ2及びユーザ端末3間の通信は無線通信であるか有線通信であるか問わない。
【0011】
(サーバ2)
図2は、サーバ2(情報処理装置)のハード構成の一例を示す図である。
図2に示すように、サーバ2は、通信IF200A、記憶装置200B、CPU200Cなどを備える。なお、サーバ2に入力装置(例えば、キーボード、タッチパネルなど)及び表示装置(例えば、液晶モニタや有機ELモニタなど)を備えるようにしてもよい。
【0012】
通信IF200Aは、外部端末(第1実施形態では、ユーザ端末3や他のサーバ)と通信するためのインターフェースである。
【0013】
記憶装置200Bは、例えば、ハードディスクドライブや半導体記憶装置(例えば、SSDなど)である。記憶装置200Bには、サーバ2で利用する情報処理プログラム及び各種データなどが記憶されている。なお、第1実施形態では、情報処理プログラム及び各種データは、サーバ2の記憶装置200Bに記憶されているが、USBメモリなどの外部記憶装置やネットワークを介して接続された外部サーバに記憶し、必要に応じて参照やダウンロード可能に構成されていてもよい。
【0014】
記憶装置200Bには、ユーザの属性と、ユーザが物件を選ぶ際に優先する項目とが複数のユーザについて記憶されている。
ユーザの属性には、例えば、ユーザの性別、年齢、年収、家族構成(例えば、親との同居の有無、子供の人数及び年齢など)、通勤時間、勤務地、テレワークの頻度、場所(例えば、住所、最寄り駅、最寄り駅までの時間又は距離などの情報)、マンション名、物件の間取り(例えば、1DK、1LDK、2DK、2LDKなどのLDK表記)及び/又は広さ(0平米-30平米未満、30平米以上―50平米未満など平米数)などの少なくとも1以上の情報が含まれる。なお、「間取り及び/又は広さ」を以下「間取り・広さ」とも記載する。
優先する項目は、例えば、以下の項目から選択される。なお、以下に示す項目はあくまで一例であり、下記例に限られない。
(1)物件の動線の良さ
(2)物件の陽当たり
(3)物件の収納
(4)物件の設備
(5)物件の清潔さ
(6)物件の風通し
(7)物件の天井の高さ
(8)地域行事量
(9)最寄り駅の混雑率・遅延率
(10)物件周辺の移動のしやすさ
(11)物件周辺の施設の良さ
(12)物件周辺の環境リスク
(13)物件周辺の居住者年齢の多様性
(14)物件周辺の治安
(15)物件周辺の騒音・振動
(16)物件周辺の環境汚染レベル
【0015】
また、記憶装置200Bには、複数の物件について、物件(物件名)と、前記物件の物件情報とが記憶されている。この情報は、物件を検索する際に利用される。
物件情報には、例えば、物件の金額(賃料や価格)、物件の間取り・広さ、場所の他、上述した項目(1)から項目(16)の情報が含まれる。
なお、第1実施形態では、客観性を担保するために、ネットワーク4が接続された他のサーバ(不図示)から項目(1)から項目(16)に関する情報を取得する。なお、取得した項目(1)から項目(16)に関する情報は、後述する評価部208での比較のために所定のルールやアルゴリズム等により数値化されることが好ましい。
項目(1)物件の間取りの良さ
取得方法 物件の間取り図を認識して動線を計算した評価を取得
項目(2)物件の陽当たり
取得方法 物件の写真及びSNS等(例えば、物件の掲示板など)のユーザ評価から取得
項目(3)物件の収納
取得方法 物件の間取り図を認識して取得
項目(4)物件の設備
取得方法 物件の写真及びSNS等(例えば、物件の掲示板など)のユーザ評価から取得
項目(5)物件の清潔さ
取得方法 物件の写真及びSNS等(例えば、物件の掲示板など)のユーザ評価及び害虫(例えば、シロアリ、ゴキブリなど)情報から取得
項目(6)物件の風通し
取得方法 SNS等(例えば、物件の掲示板など)のユーザ評価及び物件周辺の強風率などの情報を取得
項目(7)物件の天井の高さ
取得方法 物件の写真を取得して算出
項目(8)地域行事量
取得方法 SNS等(例えば、物件の掲示板など)から物件周辺の行事を取得
項目(9)最寄り駅の混雑率・遅延率
取得方法 物件の最寄り駅と混雑・遅延ランキングを取得
項目(10)物件周辺の移動のしやすさ
取得方法 物件の住所と周辺の交通量を取得
項目(11)物件周辺の施設の良さ
取得方法 SNS等(例えば、物件の掲示板など)、地図、情報サイトなどから情報を取得
項目(12)物件周辺の環境リスク
取得方法 物件の住所から周辺のハザードマップの情報などを取得
項目(13)物件周辺の居住者年齢の多様性
取得方法 物件の住所から該当する地域の国勢調査結果などの情報を取得
項目(14)物件周辺の治安
取得方法 警視庁犯罪情報マップなどから物件の住所周辺の情報を取得
項目(15)物件周辺の騒音・振動
取得方法 物件の住所から周辺の幹線道路・線路・航空ルートからの距離と交通量から試算、又は環境騒音マップから物件周辺の情報を取得
項目(16)物件周辺の環境汚染レベル
取得方法 環境省大気汚染物質広域監視システム(そらまめくん)などから物件周辺の情報を取得
【0016】
CPU200Cは、サーバ2を制御し、図示しないROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を備えている。
【0017】
図3は、第1実施形態に係るサーバ2の機能構成の一例を示す図である。
図3に示すように、サーバ2は、受信部201、送信部202(出力部)、記憶装置制御部203、取得部204、抽出部205、検索部206、認証部207などの機能を有する。なお、
図3に示す機能は、サーバ2のROM(不図示)に記憶された情報処理プログラムをCPU200Cが実行することにより実現される。
【0018】
受信部201は、ネットワーク4を介してユーザ端末3や他のサーバから送信されるデータを受信する。受信部201は、例えば、ユーザ端末3から送信されるユーザの属性や検索条件を受信する。
【0019】
送信部202は、ネットワーク4を介してユーザ端末3へデータを送信(出力)する。
送信部202は、例えば、ネットワーク4を介してユーザ端末3へ抽出部205での抽出結果を送信(出力)する。
送信部202は、例えば、ネットワーク4を介してユーザ端末3へ検索部206での検索結果を送信(出力)する。
【0020】
記憶装置制御部203は、記憶装置200Bを制御する。記憶装置制御部203は、例えば、記憶装置200Bへのデータの書き込みや読み出しを行う。
【0021】
取得部204は、例えば、ユーザの属性を取得する。また、取得部204は、例えば、物件について項目(1)から(16)の情報を取得する。取得した項目(1)から(16)の情報は、物件(物件名)に対応付けて記憶装置200Bに記憶される。なお、取得部204は、項目(1)から(16)のうち取得できるものについては取得するが情報が無いなどの理由で取得できないものについては取得しない。
【0022】
抽出部205は、取得部204が取得したユーザの属性と、記憶装置200Bに記憶されている他のユーザの属性との類似性を算出し、類似性が閾値以上である他のユーザが優先する項目を抽出する。なお、抽出部205によるユーザ間の属性の類似性の算出には、例えば、協調フィルタリングなど既存の手法を用いることができる(ユーザ間の属性の類似性を算出できればどのような既存の手法を用いてもよい)。また、類似性の閾値は、任意に設定することができる。
【0023】
検索部206は、複数の物件について、物件と、物件の物件情報とが記憶された記憶装置200Bを参照し、検索条件に基づいて物件を検索する。
【0024】
サーバ2の認証部207は、ログインID及びログインパスワードを認証する。具体的には、認証部207は、ログインしたユーザのログインID及びログインパスワードの組み合わせが、記憶装置200Bに記憶されているログインID及びログインパスワードの組み合わせと一致するものが存在するか否かを判定する。一致する組み合わせが存在する場合、認証部207は、ユーザのログインを許可し、一致する組み合わせが存在しない場合、認証部207は、ユーザのログインを許可しない。
【0025】
(ユーザ端末3)
図4は、ユーザ端末3のハード構成の一例を示す図、
図5は、ユーザ端末3の機能構成の一例を示す図である。ユーザ端末3は、携帯端末(例えば、スマートフォンやタブレット端末)やPC(Personal Computer)などである。
図4に示すように、ユーザ端末3は、通信IF300A、記憶装置300B、入力装置300C、表示装置300D、CPU300Eなどを備える。
【0026】
通信IF300Aは、他の装置(第1実施形態では、サーバ2)と通信するためのインターフェースである。
【0027】
記憶装置300Bは、例えば、HDD(Hard Disk Drive)や半導体記憶装置(SSD(Solid State Drive))である。記憶装置300Bには、ユーザ端末3の識別子(ID)及び情報処理プログラムなどが記憶されている。なお、識別子は、サーバ2がユーザ端末3に対して新たに付与してもよいし、IP(Internet Protocol)アドレス、MAC(Media Access Control)アドレスなどを利用してもよい。
【0028】
入力装置300Cは、例えば、キーボード、タッチパネルなどであり、ユーザは、入力装置300Cを操作して、情報処理システム1の利用に必要なデータを入力することができる。
【0029】
表示装置300Dは、例えば、液晶モニタや有機ELモニタなどである。表示装置300Dは、情報処理システム1の利用に必要な画面を表示する。
【0030】
CPU300Eは、ユーザ端末3を制御し、図示しないROM及びRAMを備えている。
【0031】
図5に示すように、ユーザ端末3は、受信部301、送信部302、記憶装置制御部303、操作受付部304、表示装置制御部305などの機能を有する。なお、
図5に示す機能は、CPU300Eが、記憶装置300Bなどに記憶されている情報処理プログラムを実行することで実現される。
【0032】
受信部301は、サーバ2から送信されるデータを受信する。
【0033】
送信部302は、入力装置300Cを利用して入力されたデータに識別子を付与してサーバ2へ送信する。ユーザ端末3から送信されるデータに識別子を付与することでサーバ2は、受信したデータがどのユーザ端末3から送信されたものであるかを認識できる。
【0034】
記憶装置制御部303は、記憶装置300Bを制御する。具体的には、記憶装置制御部303は、記憶装置300Bを制御してデータの書き込みや読み出しを行う。
【0035】
操作受付部304は、入力装置300Cでの入力操作を受け付ける。
【0036】
表示装置制御部305は、表示装置300Dを制御する。具体的には、表示装置制御部305は、表示装置300Dを制御して第1実施形態に係る情報処理システム1の利用に必要な画面を表示させる。
【0037】
なお、ユーザ端末3は、例えば、WEBブラウザを用いて、サーバ2から送信されるデータを表示するようにしてもよいし、ユーザ端末3にアプリケーションソフトウェアがインストールされており、このアプリケーション上でサーバ2から送信されるデータを表示してもよい。
【0038】
(情報処理システム1で実行される処理)
図6及び
図7は、情報処理システム1で実行される処理の一例を示すフローチャートである。以下、
図6及び
図7を参照して、情報処理システム1で実行される処理について説明するが、
図1~
図5を参照して説明した構成と同一の構成には同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0039】
(優先項目抽出処理)
図6は、情報処理システム1で実行される優先項目抽出処理の一例を示すフローチャートである。以下、
図6を参照して、情報処理システム1で実行される優先項目抽出処理の一例を説明する。なお、以下では、既にサーバ2の認証部207がログインID及びログインパスワードを認証したものとして説明する。
【0040】
(ステップS101)
ユーザは、入力装置300Cを操作して、ユーザの属性、例えば、性別、年齢、年収、家族構成、通勤時間、勤務地、テレワークの頻度、場所、マンション名、物件の間取り・広さなどの少なくとも1以上の情報を入力する。ユーザ端末3の送信部202は、入力されたユーザの属性の情報をサーバ2へ送信する。ユーザ端末3から送信されたユーザの属性の情報は、サーバ2で受信され、サーバ2の取得部204により取得される。
【0041】
(ステップS102)
サーバ2の抽出部205は、取得部204が取得したユーザの属性と、記憶装置200Bに記憶されている他のユーザの属性との類似性を算出する。なお、上述したように、抽出部205による類似性の算出には、例えば、協調フィルタリングなど既存の手法を用いることができる。
【0042】
(ステップS103)
サーバ2の抽出部205は、記憶装置200Bに記憶された情報を参照し、ステップS102で算出した類似性が閾値以上である他のユーザが優先する項目を抽出する。
【0043】
(ステップS104)
サーバ2の送信部202は、ネットワーク4を介してユーザ端末3へ抽出部205での抽出結果を送信(出力)する。抽出結果は、ユーザ端末3の受信部301で受信され、表示装置制御部305により表示装置300Dに表示される。
【0044】
(物件検索処理)
図7は、情報処理システム1で実行される物件検索処理の一例を示すフローチャートである。以下、
図7を参照して、情報処理システム1で実行される物件検索処理の一例を説明する。なお、以下では、既にサーバ2の認証部207がログインID及びログインパスワードを認証したものとして説明する。
【0045】
(ステップS201)
初めに、物件の検索条件(検索項目)を設定する。例えば、ユーザは、
図6を参照して説明した優先項目抽出処理により抽出された項目を参考にして物件の検索条件を入力することで物件の検索条件を設定してもよいし、サーバ2の抽出部205により抽出された項目を物件の検索条件として自動で設定されるようにしてもよい。なお、入力装置300Cを操作して、ユーザが優先項目抽出処理により抽出された項目を参考にして物件の検索条件を入力した場合、ユーザ端末3の送信部202は、入力された検索条件の情報をサーバ2へ送信する。また、サーバ2の抽出部205により抽出された項目を物件の検索条件として自動で設定される場合、各項目の詳細(例えば、環境リスクが〇〇以下、環境汚染レベルが〇〇以下など)はユーザが設定することが好ましい。ユーザ端末3から送信された検索条件の情報は、サーバ2で受信され、サーバ2の受信部201で受信される。
【0046】
(ステップS202)
サーバ2の検索部206は、複数の物件について、物件と、物件の物件情報とが記憶された記憶装置200Bを参照し、検索条件を満たす物件を検索する。
【0047】
(ステップS203)
サーバ2の送信部202は、ネットワーク4を介してユーザ端末3へ検索部206での検索結果を送信(出力)する。検索結果は、ユーザ端末3の受信部301で受信され、表示装置制御部305により表示装置300Dに表示される。
【0048】
なお、
図6のステップ抽出結果を出力した後、ユーザが選んだ物件をもとに、該ユーザが優先する項目を分析し、記憶装置200Bに記憶するようにしてもよい。また、
図7のステップS201において、検索条件を設定する際に、ユーザ(と類似属性のユーザ)に対して「こういう項目が優先だと思いますがどうですか?」と確認するようにしてもよい。このように確認を行うことで、提示される優先項目に誤りがある場合に修正が可能となり、興味にない項目が優先項目として提示される恐れを低減することができる。
【0049】
このように、属性の類似する他のユーザが優先する項目を提示することができるので利便性が高い。特に、属性の類似する他のユーザが優先する項目を確認することで、自身がこれまで当たり前に享受していたために認識できていなかった項目に気づいたり、優先度が間違っていた、例えば、優先度を高く考えていたが実際にはそれほど重要な項目ではないこと又はその逆であることなどに気づくことができる。
このように自身が優先する項目を自身が気づいていなかった項目を含めて選定することができるため、引越し後に後悔することを抑制することができる。
また、不動産会社としても、ユーザの優先する項目がより明確となるのでユーザが納得できる物件をより早く紹介することが期待でき、成約のチャンスを逃したり、成約に至るまでに多大なコストをかけることを抑制することができる。
また、物件情報として、売主、大家、仲介業者などが入力した主観的な情報ではなく、SNSや公的なサイトから取得した客観的な情報を用いているので、情報の信頼性が高く、検索された物件がユーザの期待と異なる恐れを抑制できる。
【0050】
[第2実施形態]
第2実施形態では、ユーザが現在居住する物件の評価を提示することで、ユーザの嗜好に応じて効果的に物件を探すことができる形態について説明する。なお、以下の説明では第1実施形態に係る情報処理システム1と異なる構成について説明し、重複する説明は省略する。
【0051】
サーバ2の記憶装置200Bには、平均的な物件(以下、基準物件)の情報(以下、基準情報)が記憶されている。ここで、基準情報は、物件の間取り(例えば、1DK、1LDK、2DK、2LDKなどのLDK表記)・広さ(0平米-30平米未満、30平米以上―50平米未満など平米数)ごとに用意されている。なお、平均的な物件(基準物件)とは、例えば、サーバに登録されている間取り又は広さごとに分類された物件の、それぞれの項目における平均値をとった物件である。このため間取り又は広さごとに基準物件が存在する。基準情報は、第1実施形態で述べた項目(1)から(16)に対する基準物件の評価値である。
【0052】
また、間取り・広さごとに基準物件を用意する理由、換言すると、間取り・広さに応じて基準情報の値を用意する理由であるが、物件の間取りや広さによって平均的な値が異なってくるためである。例えば間取りが1Rの物件の場合、トイレ及び浴室は一体型(同一部屋(浴室)内にある)の小型でシンプルなのものが多いが、間取りが3LDKの物件はトイレと浴室とが別々の部屋にあり、また風呂は追い炊き機能がついており、トイレにも自動洗浄機がついていることが一般的である。その結果、物件の設備の良さでみると、多くの部屋がある大きい物件の方が、評価が高くなる傾向にあるが、間取りが1Rの物件を選びたい人にとっては、3LDKなど他の間取りの評価値はあまり参考にならないことが考えられるためである。同様に、間取りが1Rの物件の場合、駅周辺にあることが多いため物件周辺の施設の良さの評価は高くなる一方、騒音・振動の評価は低くなる傾向にあり、間取りが3LDKの物件は少し離れたところの方が多いため、騒音・振動の評価は高くなる傾向にある。そのため、間取りが3LDKの物件を選ぶ人にとって、間取りが1Rの物件と合わせた平均値で見てしまうと、騒音・振動の評価は過大に、物件主変の施設の良さについては過少評価することになってしまう。
【0053】
図8は、第2実施形態に係るサーバ2の機能構成の一例を示す図である。
図8に示すように、サーバ2は、受信部201、送信部202(出力部)、記憶装置制御部203、取得部204、検索部206、認証部207、評価部208などの機能を有する。なお、
図8に示す機能は、サーバ2のROM(不図示)に記憶された情報処理プログラムをCPU200Cが実行することにより実現される。
【0054】
取得部204は、例えば、ユーザが入力した物件(例えば、ユーザが現在居住する物件)について、第1実施形態で述べた項目(1)から(16)の情報を取得する。なお、取得部204は、項目(1)から(16)のうち取得できるものについては取得するが情報が無いなどの理由で取得できないものについては取得しない。
【0055】
評価部208は、例えば、基準となる基準物件の物件情報に基づいて、取得部204が取得したユーザの物件を評価する。
評価部208は、例えば、取得部204が取得した物件情報に含まれるユーザの物件の間取り・広さが含まれる基準物件を特定する。換言すると、評価部208は、取得部204が取得した物件情報に含まれるユーザの物件と間取り・広さが同じ又は略同じである基準物件を特定する。
次いで評価部208は、取得部204が取得したユーザが入力した物件の物件情報の各項目の値と、特定した基準物件の基準情報の各項目の値とを比較し、基準情報の値に対する物件情報の値の割合を項目ごとに算出する(物件情報の値を基準情報の値で除算する)。
上述したように、基準情報は、物件の間取り(例えば、1DK、1LDK、2DK、2LDKなどのLDK表記)・広さ(0平米-30平米未満、30平米以上―50平米未満など平米数)ごとに用意されている。
例えば、取得部204が取得した物件情報に含まれるユーザの物件の間取りが、1LDKであれば、評価部208は、物件の間取りが1LDKの基準物件の基準情報を、取得部204が取得した物件情報に含まれるユーザの物件の間取りが含まれる基準物件の基準情報として特定する。
また、例えば、取得部204が取得した物件情報に含まれるユーザの物件の広さが、40平米1LDKであれば、評価部208は、物件の広さが30平米以上―50平米未満の基準物件の基準情報を、取得部204が取得した物件情報に含まれるユーザの物件の広さが含まれる基準物件の基準情報として特定する。
【0056】
(物件評価処理)
図9は、情報処理システム1で実行される物件評価処理の一例を示すフローチャートである。以下、
図9を参照して、情報処理システム1で実行される物件評価処理の一例を説明する。なお、以下では、既にサーバ2の認証部207がログインID及びログインパスワードを認証したものとして説明する。
【0057】
(ステップS301)
ユーザは、入力装置300Cを操作して、例えば、現在居住している物件の住所、マンション名などの物件情報を入力する。ユーザ端末3の送信部202は、入力された物件情報をサーバ2へ送信する。サーバ2の受信部201は、ユーザ端末3から送信された物件情報を受信する。
【0058】
(ステップS302)
サーバ2の取得部204は、例えば、受信部201が受信したユーザの物件の住所や物件名(マンション名など)に基づいて他のサーバなどから物件情報を構成する項目(1)から(16)の情報を取得する。
【0059】
(ステップS303)
サーバ2の評価部208は、例えば、取得部204が取得した物件情報に含まれるユーザの物件の間取り・広さが含まれる基準物件を特定する。
【0060】
(ステップS304)
サーバ2の評価部208は、取得部204が取得した物件情報の各項目の値と、特定した基準物件の基準情報の各項目の値とを比較し、基準情報の値に対する物件情報の値の割合を項目ごとに算出する。
【0061】
(ステップS305)
サーバ2の送信部202は、ネットワーク4を介してユーザ端末3へ評価部208での評価結果を送信(出力)する。評価結果は、ユーザ端末3の受信部301で受信され、表示装置制御部305により表示装置300Dに表示される。
【0062】
(物件検索処理)
図10は、情報処理システム1で実行される物件検索処理の一例を示すフローチャートである。以下、
図10を参照して、情報処理システム1で実行される物件検索処理の一例を説明する。なお、以下では、既にサーバ2の認証部207がログインID及びログインパスワードを認証したものとして説明する。
【0063】
(ステップS401)
初めに、物件の検索条件(検索項目)を設定する。例えば、ユーザは、
図9を参照して説明した物件評価処理により評価された物件の評価結果を参考にして物件の検索条件を入力することで物件の検索条件を設定してもよいし、サーバ2の評価部208での評価結果に基づいて物件の検索条件が自動で設定されるようにしてもよい。なお、入力装置300Cを操作して、ユーザが物件の評価結果を参考にして物件の検索条件を入力した場合、ユーザ端末3の送信部202は、入力された検索条件の情報をサーバ2へ送信する。また、サーバ2の評価部208での評価結果に基づいて物件の検索条件が自動で設定される場合、各項目の詳細(例えば、環境リスクが〇〇以下、環境汚染レベルが〇〇以下など)はユーザが設定することが好ましい。ユーザ端末3から送信された検索条件の情報は、サーバ2で受信され、サーバ2の受信部201で受信される。
【0064】
(ステップS402)
サーバ2の検索部206は、複数の物件について、物件と、物件の物件情報とが記憶された記憶装置200Bを参照し、検索条件を満たす物件を検索する。
【0065】
(ステップS403)
サーバ2の送信部202は、ネットワーク4を介してユーザ端末3へ検索部206での検索結果を送信(出力)する。検索結果は、ユーザ端末3の受信部301で受信され、表示装置制御部305により表示装置300Dに表示される。
【0066】
このように、ユーザの物件の物件情報と、平均的な物件(基準物件)の基準情報とを項目ごとに比較し、ユーザの物件を評価するので、各項目がどの程度基準となる物件と乖離しているかを確認することができ利便性が高い。特に、基準物件との違いを項目ごとに比較しているので、自身がこれまで当たり前に享受していたために認識できていなかった項目に気づいたり、優先度が間違っていた、例えば、優先度を高く考えていたが実際にはそれほど重要な項目ではないこと又はその逆であることなどに気づくことができる。
このように自身が優先する項目を自身が気づいていなかった項目を含めて選定することができるため、引越し後に後悔することを抑制することができる。
また、不動産会社としても、ユーザの優先する項目がより明確となるのでユーザが納得できる物件をより早く紹介することが期待でき、成約のチャンスを逃したり、成約に至るまでに多大なコストをかけることを抑制することができる。
また、物件情報として、売主、大家、仲介業者などが入力した主観的な情報ではなく、SNSや公的なサイトから取得した客観的な情報を用いているので、情報の信頼性が高く、検索された物件がユーザの期待と異なる恐れを抑制できる。
【0067】
[第3実施形態]
第3実施形態では、物件を検索する際の項目を複数組み合わせた複数の選択肢をユーザに選択させることにより、(例えば、Con-joint分析などにより)自身が気づいていない優先項目を提示することで、ユーザの嗜好に応じて効果的に物件を探すことができる形態について説明する。なお、以下の説明では第1,第2実施形態に係る情報処理システム1と異なる構成について説明し、重複する説明は省略する。
【0068】
記憶装置200Bには、サーバ2の送信部202が送信する第1実施形態で説明した項目(1)から(16)を複数組み合わせた複数の選択肢が記憶されている。
【0069】
図11は、第2実施形態に係るサーバ2の機能構成の一例を示す図である。
図11に示すように、サーバ2は、受信部201、送信部202(出力部)、記憶装置制御部203、取得部204、検索部206、認証部207、推定部209などの機能を有する。なお、
図11に示す機能は、サーバ2のROM(不図示)に記憶された情報処理プログラムをCPU200Cが実行することにより実現される。
【0070】
サーバ2の送信部202は、記憶装置200Bに記憶されている項目(1)から(16)を複数組み合わせた複数の選択肢をユーザ端末3へ送信する。なお、予め項目(1)から(16)を複数組み合わせた複数の選択肢を記憶装置200Bに記憶させておく代わりに、所定のルールやアルゴリズム等に基づいて項目(1)から(16)を複数組み合わせた複数の選択肢を生成し、この生成された項目(1)から(16)を複数組み合わせた複数の選択肢を送信部202が送信するようにしてもよい。
推定部209は、受信部201が受信したユーザによる評価(選択肢の選択情報)に基づいて、物件情報を検索する際の項目の優先度(重要度)を推定する。
【0071】
(優先項目推定処理)
図12は、情報処理システム1で実行される優先項目推定処理の一例を示すフローチャートである。以下、
図12を参照して、情報処理システム1で実行される優先項目推定処理の一例を説明する。なお、以下では、既にサーバ2の認証部207がログインID及びログインパスワードを認証したものとして説明する。
【0072】
(ステップS501)
サーバ2の送信部202は、記憶装置200Bを参照し、項目(1)から(16)を複数組み合わせた複数の選択肢をユーザ端末3へ送信する。送信された選択肢の情報は、ユーザ端末3の受信部301で受信され、表示装置制御部305により表示装置300Dに表示される。
【0073】
(ステップS502)
ユーザは、入力装置300Cを操作して、提示された複数の選択肢から任意の選択肢を選択(評価)する。ユーザ端末3の送信部202は、選択された情報(選択情報)をサーバ2へ送信する。サーバ2の受信部201は、ユーザ端末3から送信された選択情報を受信する。
【0074】
(ステップS503)
サーバ2の推定部209は、受信部201が受信したユーザによる評価(選択情報)に基づいて、物件情報を検索する際の項目の優先度(重要度)を推定する。なお、推定には、例えば、例えば、Con-joint分析など既知の手法を用いることができる。
【0075】
(ステップS504)
サーバ2の送信部202は、ネットワーク4を介してユーザ端末3へ推定部209での推定結果を送信(出力)する。推定結果は、ユーザ端末3の受信部301で受信され、表示装置制御部305により表示装置300Dに表示される。
【0076】
(物件検索処理)
図13は、情報処理システム1で実行される物件検索処理の一例を示すフローチャートである。以下、
図13を参照して、情報処理システム1で実行される物件検索処理の一例を説明する。なお、以下では、既にサーバ2の認証部207がログインID及びログインパスワードを認証したものとして説明する。
【0077】
(ステップS601)
初めに、物件の検索条件(検索項目)を設定する。例えば、ユーザは、
図12を参照して説明した優先項目推定処理により推定された項目を参考にして物件の検索条件を入力することで物件の検索条件を設定してもよいし、サーバ2の推定部209により推定された優先項目を物件の検索条件として自動で設定されるようにしてもよい。なお、入力装置300Cを操作して、ユーザが優先項目推定処理により推定された項目を参考にして物件の検索条件を入力した場合、ユーザ端末3の送信部202は、入力された検索条件の情報をサーバ2へ送信する。また、サーバ2の推定部209での推定結果に基づいて物件の検索条件が自動で設定される場合、各項目の詳細(例えば、環境リスクが〇〇以下、環境汚染レベルが〇〇以下など)はユーザが設定することが好ましい。ユーザ端末3から送信された検索条件の情報は、サーバ2で受信され、サーバ2の受信部201で受信される。
【0078】
(ステップS602)
サーバ2の検索部206は、複数の物件について、物件と、物件の物件情報とが記憶された記憶装置200Bを参照し、検索条件を満たす物件を検索する。
【0079】
(ステップS603)
サーバ2の送信部202は、ネットワーク4を介してユーザ端末3へ検索部206での検索結果を送信(出力)する。検索結果は、ユーザ端末3の受信部301で受信され、表示装置制御部305により表示装置300Dに表示される。
【0080】
このように、自身が気づいていない優先項目を推定することができるので利便性が高い。特に、自身がこれまで当たり前に享受していたために認識できていなかった項目に気づいたり、優先度が間違っていた、例えば、優先度を高く考えていたが実際にはそれほど重要な項目ではないこと又はその逆であることなどに気づくことができる。
このように自身が優先する項目を自身が気づいていなかった項目を含めて選定することができるため、引越し後に後悔することを抑制することができる。
また、不動産会社としても、ユーザの優先する項目がより明確となるのでユーザが納得できる物件をより早く紹介することが期待でき、成約のチャンスを逃したり、成約に至るまでに多大なコストをかけることを抑制することができる。
また、物件情報として、売主、大家、仲介業者などが入力した主観的な情報ではなく、SNSや公的なサイトから取得した客観的な情報を用いているので、情報の信頼性が高く、検索された物件がユーザの期待と異なる恐れを抑制できる。
【0081】
なお、第1実施形態で説明した項目(1)から(16)を複数組み合わせた複数の選択肢をユーザの属性ごとに記憶装置200Bに記憶し、サーバ2の送信部202は、記憶装置200Bを参照し、ユーザ端末3から送信されたユーザの属性に一致又は類似する属性の選択肢をユーザ端末3へ送信するように構成してもよい。なお、ユーザ間の属性の類似性の算出には、例えば、協調フィルタリングなど既存の手法を用いることができる(ユーザ間の属性の類似性を算出できればどのような既存の手法を用いてもよい)。
このように、ユーザの属性に応じて送信する選択肢を用意することで、より精度の高い推定を行うことが期待できる。
【0082】
[その他の実施形態]
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0083】
例えば、第1実施形態と第3実施形態とを組み合わせてもよい。この場合、送信部202は、例えば、抽出部205が抽出した項目を複数組み合わせた複数の選択肢をユーザ端末3へ送信するようにしてもよい。
【0084】
また、例えば、第2実施形態と第3実施形態とを組み合わせてもよい。この場合、送信部202は、例えば、評価部208が評価したうち評価が閾値以下の項目を複数組み合わせた複数の選択肢をユーザ端末3へ送信する。なお組み合わせは、例えば、Con-joint分析により項目を複数組み合わせるようにしてもよい。
【0085】
また、例えば、サーバ2が有する機能の一部又は全部をユーザ端末3が有する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0086】
1 :情報処理システム
2 :サーバ
3 :ユーザ端末
4 :ネットワーク
200A :通信IF
200B :記憶装置
200C :CPU
201 :受信部
202 :送信部(出力部)
203 :記憶装置制御部
204 :取得部
205 :抽出部
206 :検索部
207 :認証部
208 :評価部
209 :推定部
300A :通信IF
300B :記憶装置
300C :入力装置
300D :表示装置
300E :CPU
301 :受信部
302 :送信部
303 :記憶装置制御部
304 :操作受付部
305 :表示装置制御部