(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023174031
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】検査装置
(51)【国際特許分類】
G01R 1/073 20060101AFI20231130BHJP
G01R 31/26 20200101ALI20231130BHJP
【FI】
G01R1/073 B
G01R31/26 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022086638
(22)【出願日】2022-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】000006758
【氏名又は名称】株式会社ヨコオ
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(74)【代理人】
【識別番号】100127236
【弁理士】
【氏名又は名称】天城 聡
(72)【発明者】
【氏名】武井 大悟
【テーマコード(参考)】
2G003
2G011
【Fターム(参考)】
2G003AA07
2G003AE03
2G003AG03
2G003AH09
2G011AA03
2G011AA16
2G011AB03
2G011AB06
2G011AB07
2G011AC32
2G011AC33
2G011AE22
2G011AF07
(57)【要約】
【課題】被検査対象の高周波特性を安定して検査する。
【解決手段】プローブと、前記プローブが挿通される第1孔と、前記第1孔と連通して前記プローブが挿通されて前記第1孔の径より径が小さい第2孔と、が設けられた絶縁性ブロックと、を備え、前記第1孔の深さに対する前記絶縁性ブロックの厚さの比が1.40以下である、検査装置。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プローブと、
前記プローブが挿通される第1孔と、前記第1孔と連通して前記プローブが挿通されて前記第1孔の径より径が小さい第2孔と、が設けられた絶縁性ブロックと、
を備え、
前記第1孔の深さに対する前記絶縁性ブロックの厚さの比が1.40以下である、検査装置。
【請求項2】
前記プローブが挿通され、前記絶縁性ブロックと重なる導電性ブロックをさらに備え、
前記導電性ブロックに前記プローブが挿通された後、前記プローブを前記第1孔及び前記第2孔に挿通させる、請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
プローブと、
前記プローブが挿通される導電性ブロックと、
を備え、
前記導電性ブロックが検査基板に接触する凸部を有する、検査装置。
【請求項4】
前記凸部が貫通する貫通孔が設けられた絶縁性ブロックをさらに備え、
前記絶縁性ブロックの前記検査基板が位置する側の面の少なくとも一部分が隙間を介して前記検査基板に対向している、請求項3に記載の検査装置。
【請求項5】
前記プローブが、前記導電性ブロックの前記凸部と重なる位置に配置されている、請求項3又は4に記載の検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、集積回路(IC)等の半導体装置を検査するための様々な検査装置が開発されている。例えば、特許文献1には、高周波用プローブソケットについて記載されている。このプローブソケットは、複数のプローブ及びノイズ遮蔽本体を備えている。複数のプローブは、ノイズ遮蔽本体に挿通されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、特許文献1に記載の高周波用プローブソケット等の検査装置を用いて、半導体装置等の被検査対象の高周波特性が検査されることがある。この検査においては、被検査対象の高周波特性を安定して検査することが要求されることがある。
【0005】
本発明の目的の一例は、被検査対象の高周波特性を安定して検査することにある。本発明の他の目的は、本明細書の記載から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、
プローブと、
前記プローブが挿通される第1孔と、前記第1孔と連通して前記プローブが挿通されて前記第1孔の径より径が小さい第2孔と、が設けられた絶縁性ブロックと、
を備え、
前記第1孔の深さに対する前記絶縁性ブロックの厚さの比が1.40以下である、検査装置である。
【0007】
本発明の一態様は、
プローブと、
前記プローブが挿通される導電性ブロックと、
を備え、
前記導電性ブロックが検査基板に接触する凸部を有する、検査装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の上記態様によれば、被検査対象の高周波特性を安定して検査することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態に係る検査装置を検査基板とともに示す上方斜視図である。
【
図2】実施形態に係る検査装置を示す下方斜視図である。
【
図3】
図1のA-A´断面を被検査対象及び検査基板とともに示す図である。
【
図5】比較例に係る検査装置を被検査対象及び検査基板とともに示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0011】
図1は、実施形態に係る検査装置10を検査基板30とともに示す上方斜視図である。
図2は、実施形態に係る検査装置10を示す下方斜視図である。
図3は、
図1のA-A´断面を被検査対象20及び検査基板30とともに示す図である。
図4は、
図3の一部分の拡大図である。
【0012】
方向を説明するために、X方向、Y方向及びZ方向を定義する。Z方向は、鉛直方向に平行な方向である。X方向は、Z方向に垂直な水平方向の一つである。Y方向は、Z方向及びX方向に垂直な水平方向の一つである。実施形態では、X方向が左右方向、Y方向が前後方向、Z方向が上下方向であるとして説明する。各図において、X軸、Y軸及びZ軸のそれぞれの矢印が指し示す方向をそれぞれ左方向、前方向及び上方向と定義する。
図3及び
図4において、Y方向を示す黒点付き白丸は、Y軸の矢印が指し示す方向が紙面の奥から手前に向かう方向であることを示している。
【0013】
図1に示すように、検査装置10は、2つのグランドプローブ110、6つの接続プローブ120、ピンプレート130、ピンブロック140及びリテーナ150を備えている。
図3に示すように、各グランドプローブ110は、グランドバレル112及びグランドプランジャ114を有している。各接続プローブ120は、接続バレル122、第1接続プランジャ124及び第2接続プランジャ126を有している。
【0014】
図3に示すように、検査装置10の上方には、被検査対象20が配置されている。被検査対象20は、例えば、集積回路(IC)等の半導体装置である。検査装置10の下方には、検査基板30が配置されている。検査基板30は、例えば、プリント回路板(PCB)等の配線基板である。被検査対象20及び検査基板30は、検査装置10を介して電気的に互いに接続されている。
【0015】
図1を参照して、2つのグランドプローブ110及び6つの接続プローブ120の配置について説明する。
【0016】
Z方向から見て、2つのグランドプローブ110は、X方向に略平行に並んでいる。
図1に示す例において、Z方向から見て、2つのグランドプローブ110は、リテーナ150の水平方向の中心に対してX方向の両側に配置されている。
【0017】
Z方向から見て、6つの接続プローブ120は、2つのグランドプローブ110の左側に位置する3つの接続プローブ120と、2つのグランドプローブ110の右側に位置する3つの接続プローブ120と、を含んでいる。Z方向から見て、左側の3つの接続プローブ120は、Y方向に略平行に略等間隔に並んでいる。Z方向から見て、右側の3つの接続プローブ120は、Y方向に略平行に略等間隔に並んでいる。Z方向から見て、左側の3つの接続プローブ120のうちの中央の接続プローブ120と、右側の3つの接続プローブ120のうちの中央の接続プローブ120と、は2つのグランドプローブ110とX方向に略平行に並んでいる。
【0018】
2つのグランドプローブ110及び6つの接続プローブ120の配置は、
図1を用いて説明した例に限定されない。グランドプローブ110及び接続プローブ120の配置は、被検査対象20の電極の配置や検査基板30の電極の配置等の条件に応じて、適宜変更される。
【0019】
次に、
図3を参照して、各グランドプローブ110及び各接続プローブ120の各々の構成について説明する。特に断りがない限り、グランドプローブ110について以下で説明する構成は、2つのグランドプローブ110に同様に適用される。特に断りがない限り、接続プローブ120について以下で説明する構成は、6つの接続プローブ120に同様に適用される。
【0020】
グランドバレル112は、Z方向に略平行に延在している。グランドバレル112は、ピンブロック140及びリテーナ150に設けられたグランド挿通孔160に挿通されている。これによって、ピンブロック140及びリテーナ150は、グランドプローブ110をZ方向に略平行に支持する支持体となっている。グランド挿通孔160の下端は、ピンブロック140をZ方向に貫通していない。
図3に示す例において、グランド挿通孔160の下端は、ピンブロック140の後述する凸部142の下端面よりZ方向の上方に位置している。具体的には、
図3に示す例において、グランド挿通孔160の下端は、ピンブロック140のZ方向の略中央部に位置している。ただし、グランド挿通孔160の下端は、ピンブロック140のZ方向の略中央部に対してZ方向の上方又は下方にずれていてもよい。
【0021】
グランドプランジャ114は、グランドバレル112の上端側に配置されている。グランド挿通孔160の上端は、リテーナ150の上面において上方に向けて開口されている。これによって、グランドプランジャ114の上端は、グランド挿通孔160の上端を通じて、リテーナ150の上面より上方に向けて突出可能になっている。グランドプランジャ114は、グランドバレル112の内部に配置された不図示のスプリングによって上方に向けて付勢されている。したがって、グランドプランジャ114の上端は、グランドプランジャ114が上方に向けて付勢された状態で、被検査対象20の下面に配置されたグランド電極22に接触可能になっている。
【0022】
接続バレル122は、Z方向に略平行に延在している。接続バレル122は、ピンプレート130、ピンブロック140及びリテーナ150に設けられた接続挿通孔170に挿通されている。これによって、ピンプレート130及びリテーナ150は、接続プローブ120を支持する支持体となっている。接続挿通孔170は、リテーナ150の上面とピンプレート130の下面との間で、リテーナ150、ピンブロック140及びピンプレート130をZ方向に貫通している。
【0023】
第1接続プランジャ124は、接続バレル122の上端側に配置されている。接続挿通孔170の上端は、リテーナ150の上面において上方に向けて開口されている。これによって、第1接続プランジャ124の上端は、接続挿通孔170の上端を通じて、リテーナ150の上面より上方に向けて突出可能になっている。第1接続プランジャ124は、接続バレル122の内部に配置された不図示のスプリングによって上方に向けて付勢されている。したがって、第1接続プランジャ124の上端は、第1接続プランジャ124が上方に向けて付勢された状態で、被検査対象20の下面に配置された接続電極24に接触可能になっている。
【0024】
第2接続プランジャ126は、接続バレル122の下端側に配置されている。接続挿通孔170の下端は、ピンプレート130の下面において下方に向けて開口されている。これによって、第2接続プランジャ126の下端は、接続挿通孔170の下端を通じて、ピンプレート130の下面より下方に向けて突出可能になっている。第2接続プランジャ126は、接続バレル122の内部に配置された不図示のスプリングによって下方に向けて付勢されている。したがって、第2接続プランジャ126の下端は、第2接続プランジャ126が下方に向けて付勢された状態で、検査基板30の上面に配置された接触部34に接触可能になっている。検査基板30の接触部34には、例えば、不図示の電極が配置されている。
【0025】
被検査対象20の接続電極24と、検査基板30の接触部34と、は接続プローブ120を介して互いに電気的に接続されている。6つの接続プローブ120は、互いに独立して電源用又は信号用のプローブとなっている。例えば、
図1に示した左側の3つの接続プローブ120のうちの中央の接続プローブ120は、電源用のプローブである。
図1に示した左側の3つの接続プローブ120のうちの両側の2つの接続プローブ120は、信号用のプローブである。
図1に示した右側の3つの接続プローブ120のうちの中央の接続プローブ120は、電源用のプローブである。
図1に示した右側の3つの接続プローブ120のうちの両側の2つの接続プローブ120は、信号用のプローブである。
【0026】
次に、
図1~
図3を参照して、ピンプレート130、ピンブロック140及びリテーナ150について説明する。
【0027】
ピンプレート130は、樹脂ブロック等の絶縁性ブロックである。ピンプレート130は、ピンブロック140の下方に配置されている。
図1及び
図2に示すように、Z方向から見て、ピンプレート130は、略四角形形状となっている。ただし、ピンプレート130の形状はこの例に限定されない。
【0028】
ピンブロック140は、金属ブロック等の導電性ブロックである。ピンブロック140は、Z方向においてピンプレート130及びリテーナ150の間に配置されている。
図1及び
図2に示すように、Z方向から見て、ピンブロック140は、略四角形形状となっている。ただし、ピンブロック140の形状はこの例に限定されない。
【0029】
リテーナ150は、樹脂ブロック等の絶縁性ブロックである。リテーナ150は、Z方向においてピンブロック140の上方に配置されている。
図1及び
図2に示すように、Z方向から見て、リテーナ150は、略四角形形状となっている。ただし、リテーナ150の形状はこの例に限定されない。
【0030】
図2及び
図3に示すように、ピンプレート130には、貫通孔132が設けられている。貫通孔132は、ピンプレート130をZ方向に貫通している。ピンブロック140の下面には、凸部142が設けられている。凸部142は、ピンプレート130の貫通孔132をZ方向に貫通している。
図3に示すように、凸部142の下端面は、検査基板30の上面に配置されたグランド接触部32に接触している。検査基板30のグランド接触部32には、例えば、不図示のグランド電極が配置されている。これによって、グランドプローブ110、ピンブロック140及び凸部142を介して、被検査対象20のグランド電極22と、検査基板30のグランド接触部32と、を電気的に互いに接続することができる。
【0031】
図3に示すように、ピンプレート130の下面の貫通孔132の水平方向の周辺部分は、隙間134を介して検査基板30の上面とZ方向に対向している。言い換えると、凸部142のZ方向の高さがピンプレート130のZ方向の厚さより大きくなっている。このため、凸部142の下端面をピンプレート130の下面よりも下方に向けて突出させることができる。したがって、ピンプレート130の下面が検査基板30の上面に接触する場合と比較して、凸部142の下端面を検査基板30のグランド接触部32に確実に接触させることができる。ただし、ピンプレート130の下面は、検査基板30の上面に接触していてもよい。
【0032】
2つのグランドプローブ110は、ピンブロック140の凸部142とZ方向に重なる位置に配置されている。したがって、2つのグランドプローブ110がピンブロック140の当該位置から水平方向にずれた位置に配置されている場合と比較して、2つのグランドプローブ110及び凸部142を電気的に互いに接続しやすくすることができる。ただし、2つのグランドプローブ110は、ピンブロック140の上記位置から水平方向にずれた位置に配置されていてもよい。
【0033】
次に、
図4を参照して、グランドプローブ110の上端部及びその周辺について説明する。
【0034】
グランド挿通孔160のリテーナ150をZ方向に貫通する部分は、大径孔162、小径孔164及びテーパ孔166を含んでいる。大径孔162は、テーパ孔166の下方に位置している。大径孔162の上端は、テーパ孔166の下端に連通している。小径孔164は、テーパ孔166の上方に位置している。小径孔164の下端は、テーパ孔166の上端に連通している。小径孔164の水平方向の直径は、大径孔162の水平方向の直径未満となっている。テーパ孔166の水平方向の直径は、下方から上方に向かうにつれて減少している。
【0035】
グランドバレル112には幅広部112aが設けられている。グランドバレル112の幅広部112aの水平方向の直径は、グランドバレル112の幅広部112aのZ方向の上方部分及び下方部分の水平方向の直径より大きくなっている。幅広部112aは、大径孔162に挿通されている。幅広部112aの水平方向の直径は、大径孔162の水平方向の直径未満となっている。幅広部112aの水平方向の直径は、グランド挿通孔160のピンブロック140をZ方向に貫通する部分の水平方向の直径以上となっている。したがって、幅広部112aの下面を、ピンブロック140の上面のグランド挿通孔160の水平方向の周辺部分に引っ掛けることができる。これによって、幅広部112aの下面を、ピンブロック140の上面の当該部分に接触させることができる。このため、幅広部112aと、ピンブロック140の上面と、を電気的に接続することができる。
【0036】
次に、
図3及び
図4を参照して、検査装置10の組立方法の一例について説明する。この例において、検査装置10は、以下のように組み立てられる。
【0037】
まず、ピンブロック140の上方から各グランドプローブ110をピンブロック140のグランド挿通孔160に挿通させる。これによって、グランドプローブ110の幅広部112aがピンブロック140の上面のグランド挿通孔160の水平方向の周辺部分に引っ掛かる。
【0038】
次いで、ピンブロック140及びリテーナ150をZ方向に重ねる。これによって、ピンブロック140の上方にリテーナ150が配置される。各グランドプローブ110の上部分がリテーナ150の大径孔162、小径孔164及びテーパ孔166に挿通される。
【0039】
次いで、ピンブロック140及びリテーナ150を上下反転させる。これによって、リテーナ150の上方にピンブロック140が配置される。次いで、リテーナ150の上方にピンブロック140が配置された状態で、ピンブロック140の上方から各接続プローブ120をピンブロック140及びリテーナ150の接続挿通孔170に挿通させる。次いで、ピンプレート130及びピンブロック140をZ方向に重ねる。これによって、各接続プローブ120のリテーナ150の反対側に位置する部分がピンプレート130の接続挿通孔170に挿通される。
【0040】
このようにして、検査装置10が組み立てられている。
【0041】
上述した例では、グランドプローブ110の上部分を大径孔162、小径孔164及びテーパ孔166に挿通する前に、グランドプローブ110の下部分をピンブロック140のグランド挿通孔160に挿通している。このため、グランドプローブ110の上部分を大径孔162、小径孔164及びテーパ孔166に挿通した後にグランドプローブ110の下部分をピンブロック140のグランド挿通孔160に挿通する場合と比較して、グランドプローブ110の幅広部112aをピンブロック140に確実に接触させることができる。
【0042】
図5は、比較例に係る検査装置10Kを被検査対象20及び検査基板30とともに示す断面図である。
図6は、
図5の一部分の拡大図である。比較例に係る検査装置10Kは、以下の点を除いて、実施形態に係る検査装置10と同様である。
【0043】
図5に示すように、比較例に係る検査装置10Kは、2つの上部グランドプローブ110K1、2つの下部グランドプローブ110K2、2つの接続プローブ120K、ピンプレート130K、ピンブロック140K及びリテーナ150Kを備えている。
【0044】
図5に示すように、各上部グランドプローブ110K1は、上部グランドバレル112K1及び上部グランドプランジャ114K1を有している。上部グランドバレル112K1は、グランド挿通孔160Kの上部分に挿通されている。グランド挿通孔160Kの上部分は、リテーナ150Kと、ピンブロック140Kの上部分と、をZ方向に貫通している。上部グランドプランジャ114K1は、上部グランドバレル112K1の上端側に配置されている。上部グランドプランジャ114K1は、上方に向けて付勢されている。上部グランドプランジャ114K1の上端は、被検査対象20のグランド電極22に接触可能になっている。
【0045】
図6に示すように、比較例に係るグランド挿通孔160Kのリテーナ150KをZ方向に貫通する部分は、大径孔162K、小径孔164K及びテーパ孔166Kを含んでいる。
【0046】
図5に示すように、各下部グランドプローブ110K2は、下部グランドバレル112K2及び下部グランドプランジャ114K2を有している。下部グランドバレル112K2は、グランド挿通孔160Kの下部分に挿通されている。グランド挿通孔160Kの下部分は、ピンプレート130Kと、ピンブロック140Kの下部分と、をZ方向に貫通している。下部グランドプランジャ114K2は、下部グランドバレル112K2の下端側に配置されている。下部グランドプランジャ114K2は、下方に向けて付勢されている。下部グランドプランジャ114K2の下端は、検査基板30のグランド接触部32に接触可能になっている。
【0047】
実施形態と、比較例と、を比較する。
【0048】
図4及び
図6に示すように、実施形態に係るリテーナ150のグランドプローブ110が挿通される部分のZ方向の厚さTは、比較例に係るリテーナ150Kの上部グランドプローブ110K1が挿通される部分のZ方向の厚さTKより薄くなっている。したがって、実施形態では、比較例と比較して、リテーナ150におけるインダクタンスを低減することができる。これによって、実施形態においては、比較例と比較して、被検査対象20の高周波特性を安定して検査することができる。実施形態に係るリテーナ150の上記部分のZ方向の厚さTは、以下に限定されないが、例えば、0.4mm以上0.6mm以下である。
【0049】
図4及び
図6に示すように、実施形態に係る大径孔162のZ方向の深さDは、比較例に係る大径孔162KのZ方向の深さDKより深くなっている。実施形態に係る大径孔162の深さDは、以下に限定されないが、例えば、0.2mm以上0.4mm以下である。
【0050】
図4及び
図6に示すように、実施形態に係る上記深さDに対する上記厚さTの比T/Dは、比較例に係る上記深さDKに対する上記厚さTKの比TK/DKより大きくなっている。実施形態において、上記比T/Dを1.30として、8GHzの帯域条件下において検査装置10の損失(単位:dB)を測定した。比較例において当該比TK/DKを1.50として、実施形態の条件と同様の条件下において検査装置10Kの損失(単位:dB)を測定した。実施形態における損失は、比較例における損失より、約10dB低かった。このため、実施形態に係る上記比T/Dが小さくなるほど、被検査対象20の高周波特性を安定して検査することができるといえる。したがって、実施形態に係る上記比T/Dは、1.40以下、好ましくは1.30以下にすることができる。
【0051】
実施形態に係る上記比T/Dの下限は、例えば、リテーナ150の強度の観点から決定することができる。例えば、実施形態に係る比T/Dが小さくなるほど、リテーナ150の強度が低下する傾向がある。このため、実施形態に係る上記比T/Dは、例えば、1.20以上にしてもよい。
【0052】
比較例では、
図5に示すように、下部グランドプローブ110K2を介してピンブロック140Kが検査基板30のグランド接触部32に電気的に接続されている。比較例では、実施形態のような、下端面がグランド接触部32に接触する凸部142がピンブロック140Kには無い。これに対して、実施形態では、
図3に示すように、凸部142を介してピンブロック140が検査基板30のグランド接触部32に電気的に接続されている。したがって、実施形態における凸部142の下端面と検査基板30のグランド接触部32との接触面積は、比較例における下部グランドプローブ110K2の下端と検査基板30のグランド接触部32との接触面積より大きくすることができる。このため、実施形態においては、比較例と比較して、ピンブロック140と検査基板30とのグランド接続を強化することができる。これによって、実施形態においては、比較例と比較して、被検査対象20の高周波特性を安定して検査することができる。
【0053】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0054】
本明細書によれば、以下の態様の検査装置が提供される。
(態様1)
態様1では、検査装置が、プローブと、前記プローブが挿通される第1孔と、前記第1孔と連通して前記プローブが挿通されて前記第1孔の径より径が小さい第2孔と、が設けられた絶縁性ブロックと、を備え、前記第1孔の深さに対する前記絶縁性ブロックの厚さの比が1.40以下である。
【0055】
「プローブ」は、上述の実施形態の「グランドプローブ」に相当する。「絶縁性ブロック」は、上述の実施形態の「リテーナ」に相当する。「第1孔」は、上述の実施形態の「大径孔」に相当する。「第2孔」は、上述の実施形態の「小径孔」に相当する。
【0056】
上述の態様によれば、当該比が小さくなるほど、被検査対象の高周波特性を安定して検査することができる。このため、上述の態様においては、当該比が上述の態様における数値より高い場合と比較して、被検査対象の高周波特性を安定して検査することができる。
【0057】
(態様2)
態様2では、検査装置が、前記プローブが挿通され、前記絶縁性ブロックと重なる導電性ブロックをさらに備え、前記導電性ブロックに前記プローブが挿通された後、前記プローブを前記第1孔及び前記第2孔に挿通させている。
【0058】
「導電性ブロック」は、上述の実施形態の「ピンブロック」に相当する。
【0059】
上述の態様によれば、プローブを第1孔及び第2孔に挿通した後にプローブを導電性ブロックに挿通する場合と比較して、プローブを導電性ブロックに確実に接触させることができる。
【0060】
(態様3)
態様3では、検査装置が、プローブと、前記プローブが挿通される導電性ブロックと、を備え、前記導電性ブロックが検査基板に接触する凸部を有している。
【0061】
「プローブ」は、上述の実施形態の「グランドプローブ」、「接続プローブ」に相当する。「導電性ブロック」は、上述の実施形態の「ピンブロック」に相当する。
【0062】
上述の態様によれば、凸部と検査基板との接触面積を、プローブを検査基板に接触させる場合におけるプローブと検査基板との接触面積より大きくすることができる。このため、上述の態様においては、プローブを検査基板に接触させる場合と比較して、導電性ブロックと検査基板とのグランド接続を強化することができる。これによって、上述の態様においては、プローブを検査基板に接触させる場合と比較して、被検査対象の高周波特性を安定して検査することができる。
【0063】
(態様4)
態様4では、検査装置が、前記凸部が貫通する貫通孔が設けられた絶縁性ブロックをさらに備え、前記絶縁性ブロックの前記検査基板が位置する側の面の少なくとも一部分が隙間を介して前記検査基板に対向している。
【0064】
「絶縁性ブロック」は、上述の実施形態の「ピンプレート」に相当する。
【0065】
上述の態様によれば、絶縁性ブロックが検査基板に接触する場合と比較して、凸部を検査基板に確実に接触させることができる。
【0066】
(態様5)
態様5では、前記プローブが、前記導電性ブロックの前記凸部と重なる位置に配置されている。
【0067】
上述の態様によれば、導電性ブロックの凸部と重なる位置からずれた位置にプローブが配置されている場合と比較して、プローブ及び凸部を電気的に互いに接続しやすくすることができる。
【符号の説明】
【0068】
10,10K 検査装置
20 被検査対象
22 グランド電極
24 接続電極
30 検査基板
32 グランド接触部
34 接触部
110 グランドプローブ
110K1 上部グランドプローブ
110K2 下部グランドプローブ
112 グランドバレル
112K1 上部グランドバレル
112K2 下部グランドバレル
112a 幅広部
114 グランドプランジャ
114K1 上部グランドプランジャ
114K2 下部グランドプランジャ
120,120K 接続プローブ
122 接続バレル
124 第1接続プランジャ
126 第2接続プランジャ
130,130K ピンプレート
132 貫通孔
134 隙間
140,140K ピンブロック
142 凸部
150,150K リテーナ
160,160K グランド挿通孔
162,162K 大径孔
164,164K 小径孔
166,166K テーパ孔
170 接続挿通孔