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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023174050
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】光モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/02255 20210101AFI20231130BHJP
【FI】
H01S5/02255
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022086668
(22)【出願日】2022-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】三枝 慈
(72)【発明者】
【氏名】冨田 功
【テーマコード(参考)】
5F173
【Fターム(参考)】
5F173MC01
5F173ME62
5F173ME85
5F173MF28
(57)【要約】
【課題】 より小型化が可能な光モジュールを提供すること。
【解決手段】
本発明の光モジュールは、筐体と、前記筐体の第1の面に取り付けられ、光を出力する光源と、前記光源と向かい合う位置に配置され、前記第1の面に対して垂直な方向にむけて、前記光源からの前記光を反射する第1の反射手段と、前記光源からの前記光の出力方向と平行な方向に向けて、前記第1の反射手段からの前記光を反射する第2の反射手段と、前記第2の反射手段からの前記光を透過する透過手段とを備える光モジュール。
【選択図】 図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体の第1の面に取り付けられ、光を出力する光源と、
前記光源と向かい合う位置に配置され、前記第1の面に対して垂直な方向にむけて、前記光源からの前記光を反射する第1の反射手段と、
前記光源からの前記光の出力方向と平行な方向に向けて、前記第1の反射手段からの前記光を反射する第2の反射手段と、
前記第2の反射手段からの前記光を透過する透過手段と
を備える光モジュール。
【請求項2】
前記透過手段は、磁性体であって、前記透過手段が有する磁力によって、前記筐体の面のうち、前記第1の面と向かい合う第2の面又は前記筐体の面のうち前記第2の面と交わる面に保持される、
請求項1に記載の光モジュール。
【請求項3】
前記透過手段は、磁性体であって、前記透過手段が有する磁力によって、前記第2の面又は前記筐体の面のうち前記第2の面と交わる面に保持された状態で、前記第2の面又は前記筐体の面のうち前記第2の面と交わる面に接着部材により固定される、請求項2に記載の光モジュール。
【請求項4】
前記透過手段により透過された前記光を反射し、前記筐体の外部に向けて出力する第3の反射手段を更に備える請求項1から3のうち何れか1項に記載の光モジュール。
【請求項5】
前記光源は、前記第1の面と平行な方向に前記光を出力する請求項1から3のうち何れか1項に記載の光モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光を出力する光モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
光通信においては、光信号を送信するための光モジュールが用いられる。上記のような光モジュールとしては、例えば、Nano ITLA(Integrable Tunable Laser Assembly)が用いられる。本光モジュールには、レーザやレンズなどの透過手段が搭載される。
【0003】
例えば、特許文献1には、光通信装置内のレーザ光源から出力された光を、光通信装置内で反射した後に光通信装置から出射する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000-101517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年では、光モジュールの更なる小型化が求められている。しかし、特許文献1に記載の光通信装置においては、光モジュール内の空間を効率的に利用して各透過手段を配置することができなかった。その結果、光モジュールを小型化することが困難であった。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、光を出力する光モジュールを小型化することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の光モジュールは、
筐体と、
前記筐体の第1の面に取り付けられ、光を出力する光源と、
前記光源と向かい合う位置に配置され、前記第1の面に対して垂直な方向にむけて、前記光源からの前記光を反射する第1の反射手段と、
前記光源からの前記光の出力方向と平行な方向に向けて、前記第1の反射手段からの前記光を反射する第2の反射手段と、
前記第2の反射手段からの前記光を透過する透過手段とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、光を出力する光モジュールを小型化することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1の実施形態における光モジュールの構成例を示すブロック図である。
図2】本発明の第1の実施形態における光モジュールの動作例を示すフローチャートである。
図3】本発明の第1の実施形態における変形例の構成例を示すブロック図である。
図4】本発明の第1の実施形態における変形例の動作例を示すフローチャートである。
図5】本発明の第2の実施形態における光モジュールの構成例を示すブロック図である。
図6】本発明の第2の実施形態における光モジュールの動作例を示すフローチャートである。
図7】本発明の第3の実施形態における光モジュールの構成例を示すブロック図である。
図8】本発明の第3の実施形態における光モジュールの動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1の実施形態>
第1の実施形態における光モジュール1について、図1に基づき説明する。図1は、光モジュール1の構成例を示すブロック図である。なお、図1における矢印Aは、鉛直方向を示すものである。また、図1における矢印Pは、光源20から出力された光の光路を示すものである。
【0011】
光モジュール1の構成について説明する。図1に示されるように、光モジュール1は、筐体10、光源20、第1の反射手段30、第2の反射手段40、透過手段50及び基板60を備える。基板60は、本発明の必須の構成要素ではない。
【0012】
筐体10は、図1に示されるように、第1の面11及び第2の面12を備える。第1の面11及び第2の面12は、第1の面11に対して垂直方向において互いに向かい合う面である。図1に示されるように、筐体10は、光源20、第1の反射手段30、第2の反射手段40、透過手段50及び基板60を格納する。
【0013】
光源20は、筐体10の第1の面11に取り付けられ、光を出力する。具体的には、図1に示されるように、光源20は、第1の面11に対して取り付けられた基板60上に固定されることにより、筐体10の第1の面11に取り付けられる。すなわち、光源20は、基板60を介して、筐体10の第1の面11取り付けられる。なお、光源20は、筐体10の第1の面11に直接、取り付けられてもよい。光源20は、第1の面11と平行な方向に光を出力する。光源20は、例えば、レーザダイオードである。
【0014】
第1の反射手段30は、光源20と向かい合う位置に配置され、第1の面11に対して垂直な方向にむけて、光源20からの光を反射する。例えば、第1の反射手段30は、基板60上に設けられたミラーである。第1の反射手段30で反射された光は、第2の反射手段40に入射する。
【0015】
第2の反射手段40は、光源20からの光の出力方向と平行な方向に向けて、第1の反射手段30からの光を反射する。例えば、第2の反射手段40は、第1の反射手段30から入射した光を、透過手段50に向けて反射する。例えば、第2の反射手段40は、基板60上に設けられたミラーである。なお、第1の反射手段30及び第2の反射手段40は、図1に示されるように一体に設けられていてもよいし、別体に設けられていてもよい。
【0016】
なお、第1の反射手段30及び第2の反射手段40の各々は、半透過ミラーであってもよい。例えば、第1の反射手段30は、入射した光を第2の反射手段40に反射するとともに光を透過する。また、第2の反射手段40は、入射した光を透過手段50に向けて反射するとともに光を透過する。これらの場合、透過された光は、不図示の受光手段に入射する。
【0017】
透過手段50は、第2の反射手段40からの光を透過する。透過手段50は、例えば、コリメータレンズやアイソレータである。透過手段50がアイソレータである場合、透過手段50は磁性体である。この場合、透過手段50は、透過手段50が有する磁力によって第1の面11と向かい合う第2の面12又は筐体10の面のうち第2の面12と交わる面に保持される。
【0018】
筐体10内で透過手段50を固定する場合、透過手段50は、透過手段50が有する磁力によって、第2の面12又は筐体10の面のうち第2の面12と交わる面に保持された状態で、第2の面12又は筐体10の面のうち第2の面12と交わる面に接着部材により固定される。接着部材とは、例えば、ネジ止めや接着剤などを指す。前述の筐体10の面のうち第2の面12と交わる面とは、例えば、筐体10を構成する面のうち、第1の面11及び第2の面12以外の面を指す。これにより、光モジュール1の製造者は、透過手段50を筐体10内で固定する際の位置決めを磁力によって行うことができる。この結果、光モジュール1の製造者は、光モジュール1を簡易に作成することができる。
【0019】
基板60上には光源20、第1の反射手段30及び第2の反射手段40が設けられる。基板60は、例えばペルチェ素子である。
【0020】
次に、図2に基づいて、光モジュール1の動作について説明する。図2は、光モジュール1の動作例を示すフローチャートである。光源20は、第1の面11と平行な方向に光を出力する(S101)。第1の反射手段30は、第1の面11に対して垂直な方向にむけて、光源20からの光を反射する(S102)。第2の反射手段40は、光源20からの光の出力方向と平行な方向に向けて、第1の反射手段30からの光を反射する(S103)。透過手段50は、第2の反射手段40からの光を透過する(S104)。
【0021】
以上、光モジュール1について説明した。光モジュール1は、前述のように、筐体10、光源20、第1の反射手段30、第2の反射手段40及び透過手段50を備える。光源20は、筐体の第1の面11に対して固定され、光を出力する。第1の反射手段30は、光源20と向かい合う位置に配置され、第1の面11に対して垂直な方向にむけて、光源20からの光を反射する。第2の反射手段40は、光源20からの光の出力方向と平行な方向に向けて、第1の反射手段30からの光を反射する。透過手段50は、第2の反射手段40からの光を透過する。
【0022】
このように、光モジュール1において、光源20から出力された光は、第1の反射手段30によって垂直方向に反射される。そのうえで、第2の反射手段40は、光源20からの光の出力方向と平行な方向に向けて、第1の反射手段30からの光を反射する。そのため、光源20から出力された光の光路は、筐体10内を立体的に通る。この結果、光路が平面上を通る場合に比べて、光モジュール1は、光モジュール1内の空間を効率的に利用して各透過手段を配置することができる。そのため、光モジュール1によれば、光を出力する光モジュールを小型化することができる。
【0023】
次に、図3を用いて第1の実施形態の変形例について説明する。図3は、光モジュール1Aの構成例を示すブロック図である。光モジュール1Aは、図3に示されるように、筐体10、光源20、第1の反射手段30、第2の反射手段40、透過手段50、基板60、第1のレンズ70及び第2のレンズ80を備える。光モジュール1Aは、第1のレンズ70及び第2のレンズ80を備える点で、光モジュール1と相違する。
【0024】
第1のレンズ70は、例えばコリメータレンズである。第1のレンズ70は、光源20からの光を第1の反射手段30に向けて透過する。また、第1のレンズ70は、基板60上に設けられる。
【0025】
第2のレンズ80は、例えば集光レンズである。第2のレンズ80は、透過手段50からの光を、筐体10の外に向けて透過する。また、第2のレンズ80は、例えば、筐体10の第2の面12に対して接着する。
【0026】
上記の第1のレンズ70及び第2のレンズ80は、その他の光部品であってもよい。その他の光部品とは、例えば光フィルタ等である。
【0027】
次に、図4に基づいて、光モジュール1Aの動作について説明する。図4は、光モジュール1Aの動作例を示すフローチャートである。光源20は、第1の面11と平行な方向に光を出力する(S101)。第1のレンズ70は、光源20からの光を第1の反射手段30に向けて透過する(S101A)。第1の反射手段30は、第1の面11に対して垂直な方向にむけて、光源20からの光を反射する(S102)。第2の反射手段40は、光源20からの光の出力方向と平行な方向に向けて、第1の反射手段30からの光を反射する(S103)。透過手段50は、第2の反射手段40からの光を透過する(S104)。第2のレンズ80は、透過手段50からの光を、筐体10の外に向けて透過する(S102A)。
【0028】
光モジュール1Aは、光モジュール1と同様の構成要素を備える。そのため、光モジュール1Aは、光モジュール1と同様に、光を出力する光モジュールを小型化することができる。
【0029】
<第2の実施形態>
次に図5を用いて第2の実施形態について説明する。図5は、光モジュール2の構成例を示すブロック図である。光モジュール2は、図5に示されるように、筐体10、光源20、第1の反射手段30、第2の反射手段40、透過手段50、基板60及び第3の反射手段90を備える。光モジュール2は、第3の反射手段90を備える点で光モジュール1と相違する。
【0030】
第3の反射手段90は、透過手段50からの光を反射し、筐体10の外部に向けて出力する。なお、図5では、第3の反射手段90は、奥向きに光を反射しているが、光を反射する方向はこれに限られない。例えば、第3の反射手段90は、第1の面11又は第2の面12に向けて光を反射してもよい。例えば、第3の反射手段90は、筐体10の第2の面12に取り付けられたミラーである。
【0031】
なお、第3の反射手段90は、半透過ミラーであってもよい。例えば、第3の反射手段90は、入射した光を筐体10の外部に向けて反射するとともに光を透過する。の場合、透過された光は、不図示の受光手段に入射する。
【0032】
次に、図6に基づいて、光モジュール2の動作について説明する。図6は、光モジュール2の動作例を示すフローチャートである。光源20は、第1の面11と平行な方向に光を出力する(S101)。第1の反射手段30は、第1の面11に対して垂直な方向にむけて、光源20からの光を反射する(S102)。第2の反射手段40は、光源20からの光の出力方向と平行な方向に向けて、第1の反射手段30からの光を反射する(S103)。透過手段50は、第2の反射手段40からの光を透過する(S104)。第3の反射手段90は、透過手段50からの光を反射し、筐体10の外部に向けて出力する(S201)。
【0033】
光モジュール2は、第3の反射手段90を備えることにより、光が出射される方向を変化させることができる。
【0034】
また、光モジュール2は、光モジュール1と同様の構成要素を備える。そのため、光モジュール2は、光モジュール1と同様に、光を出力する光モジュールを小型化することができる。
【0035】
なお、光モジュール2は、光モジュール1Aと同様に、第1のレンズ70及び第2のレンズ80を備えていてもよい。
【0036】
<第3の実施形態>
第3の実施形態における光モジュール3について、図7に基づき説明する。図7は、光モジュール3の構成例を示すブロック図である。なお、図7における矢印Aは、鉛直方向を示すものである。また、図7における矢印Pは、光源20から出力された光の光路を示すものである。
【0037】
光モジュール3の構成について説明する。図1に示されるように、光モジュール1は、筐体10、光源20、第1の反射手段30、第2の反射手段40及び透過手段50を備える。
【0038】
光源20は、筐体10の第1の面11に取り付けられ、光を出力する。第1の反射手段30は、光源20と向かい合う位置に配置され、第1の面11に対して垂直な方向にむけて、光源20からの光を反射する。第2の反射手段40は、光源20からの光の出力方向と平行な方向に向けて、第1の反射手段30からの光を反射する。透過手段50は、第2の反射手段からの光を透過する。
【0039】
次に、図8に基づいて、光モジュール3の動作について説明する。図8は、光モジュール3の動作例を示すフローチャートである。光源20は、光を出力する(S301)。第1の反射手段30は、第1の面11に対して垂直な方向にむけて、光源20からの光を反射する(S302)。第2の反射手段40は、光源20からの光の出力方向と平行な方向に向けて、光を反射する(S303)。透過手段50は、第2の反射手段40からの光を透過する(S304)。
【0040】
以上、光モジュール3について説明した。光モジュール3は、前述のように、筐体10、光源20、第1の反射手段30、第2の反射手段40及び透過手段50を備える。光源20は、筐体の第1の面11に対して固定され、光を出力する。第1の反射手段30は、光源20と向かい合う位置に配置され、第1の面11に対して垂直な方向にむけて、光源20からの光を反射する。第2の反射手段40は、光源20からの光の出力方向と平行な方向に向けて、第1の反射手段30からの光を反射する。透過手段50は、第2の反射手段40からの光を透過する。
【0041】
このように、光モジュール3において、光源20から出力された光は、第1の反射手段30によって鉛直方向に反射される。そのため、光源20から出力された光の光路は、筐体10内を立体的に通る。この結果、光路が平面上を通る場合に比べて、光モジュール3は、光モジュール3内の空間を効率的に利用して各透過手段を配置することができる。そのため、光モジュール3によれば、光を出力する光モジュールを小型化することができる。
【0042】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0043】
1、1A、2、3 光モジュール
10 筐体
20 光源
30 第1の反射手段
40 第2の反射手段
50 透過手段
60 基板
70 第1のレンズ
80 第2のレンズ
90 第3の反射手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8