(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023174058
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/01 20060101AFI20231130BHJP
【FI】
B41J2/01 201
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022086697
(22)【出願日】2022-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】田中 智大
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA04
2C056EB20
2C056EB50
2C056EC12
2C056EC67
2C056EC77
2C056FA10
(57)【要約】
【課題】画像形成の動作の中断において画像形成の品質が一旦低下しても、画像形成を再開して残りの部分を形成することで全体として画像の品質を確保できる。
【解決手段】搬送機構2は、給送トレイ1からの用紙Pを所定の搬送方向に沿って搬送する。ヘッド5は、搬送機構2によって搬送される用紙Pに画像を形成する。制御部9は、外部から受け取った画像データが示す画像を用紙Pに形成する通常印刷動作を搬送機構2及びヘッド5に実行させる。通常印刷動作が中断した場合に、制御部9は、中断前の通常印刷動作において画像が形成された領域とは異なる用紙Pの領域に画像データが示す画像を通常印刷動作とは逆方向に形成する追加印刷動作を、タッチパネルディスプレイ95が受け付けたユーザ入力が示すタイミングに至るまで搬送機構2及びヘッド5に実行させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状媒体を収容する媒体収容部と、
前記媒体収容部からのシート状媒体を所定の搬送方向に沿って搬送する媒体搬送部と、
前記媒体搬送部によって搬送されるシート状媒体に画像を形成する画像形成部と、
ユーザ入力を受け付けるユーザ入力部と、
制御部とを備えており、
前記制御部が、
外部から受け取った画像データが示す画像を、前記所定の搬送方向と対応する画像の縦方向における一端から他端に向かってシート状媒体に形成する第1動作を前記画像形成部及び前記媒体搬送部に実行させる第1制御と、
前記第1動作が中断した場合に、中断前の前記第1動作において画像が形成された領域とは異なるシート状媒体の領域に前記画像データが示す画像を前記他端から前記一端に向かって形成する第2動作を、前記ユーザ入力部が受け付けたユーザ入力が示すタイミングに至るまで前記画像形成部及び前記媒体搬送部に実行させる第2制御とを実行することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
ディスプレイを備えており、
前記制御部が、前記第2制御において、前記第2動作によりシート状媒体に形成済みの画像の範囲を示す表示を前記ディスプレイに行わせると共に、前記表示の内容を前記第2動作による画像形成の進度に合わせて更新することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
シート状媒体を切断する切断部を備えており、
前記制御部が、前記第1動作が中断した後に前記第2動作が開始する前にシート状媒体を前記切断部に切断させることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
シート状媒体を切断する切断部を備えており、
前記制御部が、前記第2動作が完了した後にシート状媒体を前記切断部に切断させることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部が、
前記第1動作においてシート状媒体を搬送する速度より前記第2動作においてシート状媒体を搬送する速度が小さくなるように前記媒体搬送部を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部が、
前記第2動作においてシート状媒体への画像の形成とシート状媒体の搬送とを連続的に継続しながら前記ユーザ入力部がユーザ入力を受け付けたタイミングに応じて前記第2動作を完了させるように前記画像形成部及び前記媒体搬送部を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御部が、
前記第2動作においてシート状媒体への画像形成及びシート状媒体の搬送を間欠的に実行し、シート状媒体への画像形成及びシート状媒体の搬送を停止している期間に前記ユーザ入力部が受け付けたユーザ入力に応じて前記第2動作を完了させるように前記画像形成部及び前記媒体搬送部を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記画像形成部が、前記第1動作及び前記第2動作のそれぞれにおいて、前記所定の搬送方向と直交する方向についてシート状媒体に沿った往復移動を行いつつシート状媒体に画像を形成し、
前記制御部が、
前記第2動作において、前記画像形成部に1回又は複数回の前記往復移動を行わせつつシート状媒体への画像形成及びシート状媒体の搬送を実行した後にこれを停止することを繰り返すことで、シート状媒体への画像形成及びシート状媒体の搬送を間欠的に実行することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート状媒体に対して画像形成を行う画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シート状媒体に画像を形成する画像形成装置において、画像を形成する動作が様々な理由で中断することがある。特許文献1に記載のプリンタは、その一例として、画像を形成するために使用するインクの残量が低下した場合に画像形成の動作を一旦継続し、その後の画像形成の動作において区切りのよいタイミングに至ると画像形成を中断する。そして、インクの残量が低下したインク容器の交換が行われる。その後、画像形成を再開する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像の形成が中断した場合に、中断の状況によっては、中断直前の画像形成の品質が低下することがある。例えば、特許文献1のように画像形成にインクが使用される場合であって、そのインクの残量が低下したにも関わらず画像形成の動作が継続された場合には、画像の品質確保のために十分な量のインクが画像形成に用いられないおそれがある。この場合、インクタンクの交換により画像形成の品質が回復した後で画像の形成を再開し、残りの部分をシート状媒体に形成しても、部分的に画像形成の品質が低下したままとなる。
【0005】
本発明の目的は、画像形成の動作の中断において画像形成の品質が一旦低下しても、画像形成を再開して残りの部分を形成することで全体として画像の品質を確保できる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像形成装置は、シート状媒体を収容する媒体収容部と、前記媒体収容部からのシート状媒体を所定の搬送方向に沿って搬送する媒体搬送部と、前記媒体搬送部によって搬送されるシート状媒体に画像を形成する画像形成部と、ユーザ入力を受け付けるユーザ入力部と、制御部とを備えており、前記制御部が、外部から受け取った画像データが示す画像を、前記所定の搬送方向と対応する画像の縦方向における一端から他端に向かってシート状媒体に形成する第1動作を前記画像形成部及び前記媒体搬送部に実行させる第1制御と、前記第1動作が中断した場合に、中断前の前記第1動作において画像が形成された領域とは異なるシート状媒体の領域に前記画像データが示す画像を前記他端から前記一端に向かって形成する第2動作を、前記ユーザ入力部が受け付けたユーザ入力が示すタイミングに至るまで前記画像形成部及び前記媒体搬送部に実行させる第2制御とを実行する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の画像形成装置によると、画像をその一端から他端に向かってシート状媒体に形成する第1動作が中断した場合に、画像をその他端から一端に向かって第1動作と逆方向にシート状媒体に形成する第2動作が実行される。第1動作の中断直前に画像形成の品質が低下したおそれがある場合には、第1動作が中断してから第2動作の開始までの間に画像形成の品質を回復させる措置がなされる。例えば、第1動作の中断がインクの残量不足によるものである場合にはインク容器の交換がなされる。その後、第1動作で形成された画像と第2動作で形成された画像とをつなぎ合わせるようにシート状媒体を適宜切り貼りすることで画像全体が形成されたシート状媒体を得ることができる。第1動作の中断直前に形成された画像の品質が低下していたとしても、第1動作で形成された画像から品質が低下した部分を切り離し、第2動作で形成された画像とつなぎ合わせることで、全体として画像の品質が確保される。
【0008】
加えて、本発明の第2動作において、ユーザは、シート状媒体に逆方向に形成されていく画像を確認しながら、必要と思われるタイミングでユーザ入力により第2動作を終了させることができる。したがって、第2動作は、第1動作で形成された画像とちょうどつなぎ合わせることができるような適切な範囲でシート状媒体に画像を形成させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係るプリンタの内部構造を示す概略側面図である。
【
図2】
図1に示すプリンタの電気的構成を示すブロック図である。
【
図3】
図1に示すプリンタが実行する通常印刷動作によって用紙に形成される画像の一例である。
【
図4】
図3の画像に関する通常印刷動作が中断された場合の中断直前の画像の形成状況の一例を示す用紙の表面図である。
【
図5】
図4に示すように通常印刷動作が中断した後の追加印刷動作によって画像が形成されていく状況を示す用紙の表面図である。
【
図6】
図1のタッチパネルディスプレイに表示される画像の形成状況を示す画面である。
【
図7】
図1に示すプリンタによる画像形成処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1の実施形態]
本発明の好適な一実施形態である第1の実施形態に係るプリンタ100(本発明の「画像形成装置」に相当する)について、
図1~
図7を参照しつつ、以下に説明する。なお、
図1に示す上下方向、前後方向及び左右方向を、プリンタ100の上下方向、前後方向及び左右方向とする。
【0011】
プリンタ100は、
図1及び
図2に示すように、筐体100a、給送トレイ1、搬送機構2、カッター3、キャリッジ4、ヘッド5、移動機構6、排紙トレイ7及び制御部9を主に備えている。
【0012】
給送トレイ1(本発明の「媒体収容部」に相当する)は、筐体100a内においてヘッド5の下方に配置されている。給送トレイ1は、筐体100aの前壁に形成された開口10pを介して筐体100aに対して前後方向に沿って挿抜可能である。
【0013】
給送トレイ1は、ロール体R及びカット紙Kpを収容可能である。給送トレイ1は、ロール体R及びカット紙Kpを同時に収容可能であってもよいし、ロール体R及びカット紙Kpのいずれかを選択的に収容可能であってもよい。給送トレイ1は、ロール体Rを支持するロール体支持部11と、カット紙Kpが載置される載置面12と、を有している。
【0014】
ロール体Rは、円筒状の芯部材Rcの外周面に、長尺の用紙がロール状に巻回されたものである。カット紙Kpは、ロール体Rを構成する長尺の用紙よりも短尺の用紙であり、例えばA4サイズやB5サイズの定形サイズの用紙である。本実施形態のプリンタ100で使用可能なカット紙Kpのうち最大サイズのものは、A4サイズの用紙である。カット紙Kpは、複数積層された状態で載置面12上に載置される。
【0015】
搬送機構2は、給送トレイ1からヘッド5を経由して排紙トレイ7までの搬送経路(
図1において用紙Pを表す太い黒線に沿った経路)に沿って用紙Pを搬送する。以下、「上流」及び「下流」の用語は、搬送機構2による搬送経路に沿った用紙Pの搬送方向に関して上流及び下流をそれぞれ表すものとする。搬送機構2(本発明の「媒体搬送部」に相当する)は、給送ローラ21、中間ローラ対22、搬送ローラ対23、排紙ローラ対24及びガイド部材25を有している。これらのローラ及びローラ対は、搬送経路に沿って上流から下流に向かって、給送ローラ21、中間ローラ対22、搬送ローラ対23及び排紙ローラ対24の順に配置されている。
【0016】
給送ローラ21は、ロール体支持部11に支持されたロール体Rから巻き解かれたロール紙Rp又は載置面12に載置されたカット紙Kpを給送トレイ1から給送する。以降の説明において、ロール紙Rpとカット紙Kpとを区別しない場合には、「用紙P」と称する。
【0017】
給送ローラ21は、給送モータ21a(
図2参照)の駆動により回転する。制御部9の制御により給送モータ21aが駆動されると、給送ローラ21が回転して、給送ローラ21と接触する用紙Pに対して前方から後方に向かう方向の搬送力が付与される。これにより、用紙Pが給送トレイ1から送り出される。なお、給送トレイ1の後方側の端部に設けられた後壁15は、上端部が下端部よりも後方に位置するように傾斜している。したがって、給送トレイ1から送り出された用紙Pは、斜め上方に向かう。
【0018】
中間ローラ対22は、中間モータ22a(
図2参照)の駆動により回転する駆動ローラと駆動ローラに連れ回る従動ローラとで構成されている。制御部9の制御により中間モータ22aが駆動されると、中間ローラ対22が用紙Pを挟持しつつ回転して用紙Pを搬送する。中間ローラ対22は、給送トレイ1の後方側の端部の上方に位置している。中間ローラ対22は、給送ローラ21によって給送トレイ1から送り出されて斜め上方に向かう用紙Pを挟持しつつ上方に搬送する。ガイド部材25は、中間ローラ対22の上方に位置している。ガイド部材25は、中間ローラ対22によって上方に搬送される用紙Pを前方に案内する。
【0019】
搬送ローラ対23は、搬送モータ23a(
図2参照)の駆動により回転する駆動ローラと、駆動ローラに連れ回る従動ローラとで構成されている。排紙ローラ対24は、排紙モータ24a(
図2参照)の駆動により回転する駆動ローラと、駆動ローラに連れ回る従動ローラとで構成されている。
【0020】
制御部9の制御により搬送モータ23a及び排紙モータ24aが駆動されると、搬送ローラ対23及び排紙ローラ対24が用紙Pを挟持しつつ回転して、搬送方向である前方に向かって用紙Pを搬送する。搬送ローラ対23はヘッド5の後方に位置しており、排紙ローラ対24はヘッド5の前方に位置している。搬送ローラ対23は、ガイド部材25によって前方に案内された用紙Pを排紙ローラ対24に向かってさらに前方に搬送する。排紙ローラ対24は、搬送ローラ対23によって前方に搬送される用紙Pを挟持しつつさらに前方に搬送し、排紙トレイ7に排紙する。
【0021】
用紙Pの搬送経路の近傍には、搬送経路上の用紙Pの存在を検出する用紙センサ96及び97が設置されている。用紙センサ96は中間ローラ対22の若干下方に配置され、用紙センサ97は搬送ローラ対23の若干前方に配置されている。制御部9は、用紙センサ96及び97の検出結果に基づいて搬送経路上に用紙Pが残存するジャムや紙詰まりが生じているか否かを検出可能である。
【0022】
カッター3は、搬送経路において中間ローラ対22より上流側であって、給送トレイ1の後方側の端部と中間ローラ対22との間の位置に配置されている。カッター3は、例えば円板状の回転刃及び従動刃からなる。カッター3は、切断モータ3a(
図2参照)の駆動により回転刃が回転し、且つ、左右方向に沿って往復移動する。ロール体Rから巻き解かれて搬送されたロール紙Rpは、制御部9の制御により切断モータ3aが駆動されることで、カッター3によりロール紙Rpの幅方向に切断される。これにより、ロール紙Rpに後端が形成され、1枚ごとの用紙となって排紙トレイ7に排紙される。
【0023】
ヘッド5(本発明の「画像形成部」に相当する)は、下面に形成された複数のノズルと、ドライバIC52(
図2参照)とを含む。制御部9の制御によりドライバIC52が駆動されると、ノズルからインクが吐出され、そのインクが用紙Pに付着してドットを形成する。ヘッド5は、キャリッジ4に搭載されている。
【0024】
移動機構6は、2つのガイドレール61、62と、キャリッジモータ63(
図2参照)と、を有している。2つのガイドレール61、62は、前後方向に互いに離隔して配置され、各々が左右方向に延設されている。キャリッジ4は、2つのガイドレール61、62を跨ぐように配置されている。キャリッジ4は、ベルト(不図示)などを介してキャリッジモータ63に接続されている。制御部9の制御によりキャリッジモータ63が駆動されると、キャリッジ4がガイドレール61、62に沿って走査方向(左右方向)に移動する。
【0025】
ヘッド5がキャリッジ4の移動に伴って走査方向に往復移動しつつ吐出したインクによって、走査方向に沿ってドットが順に形成される。このような走査方向に沿ったドットの列が、搬送機構2によって用紙Pが搬送されつつ順に形成される。用紙P上の画像形成領域には、走査方向及び搬送方向の両方向にドットが並び、このようなドットの配列からなる画像が表れる。画像形成領域は、画像のサイズに応じた長方形の領域である。
【0026】
排紙トレイ7は、筐体100a内においてヘッド5の前方であって、給送トレイ1の上方に配置されている。排紙トレイ7は、筐体100aの前壁に形成された開口100qを介して筐体100aに対して前後方向に沿って挿抜可能である。ヘッド5により画像が記録された用紙Pは、排紙トレイ7に受容される。
【0027】
筐体100a内にはカートリッジ装着部8が設置されている。カートリッジ装着部8には、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタの各色のインクをそれぞれ貯留する4つのインクカートリッジが着脱自在に装着可能である。チューブなどを介して、カートリッジ装着部8に装着されたインクカートリッジからヘッド5にインクが供給される。カートリッジ装着部8には、4つのインクカートリッジのそれぞれにおけるインクの残量を検出する残量センサ98が設置されている。制御部9は、残量センサ98の検出結果に基づいて、4つのインクカートリッジのそれぞれについてインクの残量を取得可能である。
【0028】
筐体100aの外側の前面にはタッチパネルディスプレイ95(本発明の「ディスプレイ」及び「ユーザ入力部」に相当する)が設置されている。タッチパネルディスプレイ95は制御部9の制御により文字や画像等を画面に表示する。また、タッチパネルディスプレイ95は、画面に指等が接触するとその接触位置を検出し、検出結果を制御部9に送信する。
【0029】
制御部9は、プリンタ100全体の制御を行うものである。制御部9には、
図2に示すように、給送モータ21a、中間モータ22a、搬送モータ23a、排紙モータ24a、切断モータ3a、ドライバIC52、キャリッジモータ63、タッチパネルディスプレイ95、用紙センサ96及び97並びに残量センサ98が電気的に接続されている。
【0030】
制御部9は、
図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)91、ROM(Read Only Memory)92、RAM(Random Access Memory)93、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)94等を備えている。ROM92には、CPU91及びASIC94が実行するプログラム等が格納されている。RAM93は、プログラム実行時に必要なデータを一時的に記憶するものである。このデータには、PC等の外部装置から送信されたり記録媒体から読み出されたりした画像データが含まれる。
【0031】
なお、制御部9は、CPU91のみが各種処理を行うものであってもよいし、ASIC94のみが各種処理を行うものであってもよいし、CPU91とASIC94とが協働して各種処理を行うものであってもよい。また、制御部9は、1つのCPU91が単独で処理を行うものであってもよいし、複数のCPU91が処理を分担して行うものであってもよい。また、制御部9は、1つのASIC94が単独で処理を行うものであってもよいし、複数のASIC94が処理を分担して行うものであってもよい。
【0032】
制御部9は、搬送機構2、カッター3及びヘッド5に以下の通常印刷動作(本発明の「第1動作」に相当する)を行わせる通常印刷制御(本発明の「第1制御」に相当する)を実行する。通常印刷動作においては、制御部9は、RAM93に格納された画像データに基づき、搬送機構2により用紙Pを搬送経路に沿って所定距離ずつ搬送する処理と、移動機構6によりキャリッジ4を走査方向に往復移動させつつ、ヘッド5の複数のノズルから用紙Pに対してインクを吐出させる処理とを交互に繰り返し実行する。
【0033】
用紙Pがロール紙Rpである場合には、ロール紙Rpは、搬送機構2によって搬送されつつヘッド5から吐出されたインクを受ける。ロール紙Rpは、制御部9による制御に従ったカッター3の動作によって所望の長さに切断される。カッター3によって切断されたロール紙Rpは、所望の長さを有する1枚ごとの画像形成済みの用紙となって排紙トレイ7へと排出される。
図3は、通常印刷動作によってロール紙Rpに形成される画像Gの一例である。画像Gは、搬送機構2によるロール紙Rpの搬送方向に沿った縦方向に関して長尺である。画像Gは、縦方向における一端G1からロール紙Rpへの形成が開始され、搬送方向に平行な印刷方向A1に沿って、縦方向における他端G2に向かって形成されていく。
【0034】
用紙Pがカット紙Kpである場合には、カット紙Kpは、搬送機構2によって搬送されつつヘッド5から吐出されたインクを受ける。これにより、カット紙Kpは、画像記録済みの用紙となって排紙トレイ7へと排出される。
【0035】
制御部9は、用紙センサ96及び97並びに残量センサ98の検出結果に基づき、インクの残量不足やジャム、紙詰まりといった、通常印刷動作を継続できない何らかの原因が生じた場合には通常印刷動作を中断する。通常印刷動作を中断するその他の原因には、動作中に停電が生じたことや電源プラグをコンセントから抜いたこと等が含まれる。
【0036】
図4は、画像Gに関する通常印刷動作が中断された場合の中断直前のロール紙Rpにおける画像Gの形成状況の一例を示している。
図4に示すように、一端G1から他端G2に至る途中で画像Gが途切れている。通常印刷動作の中断の原因によっては、ロール紙Rp上の画像Gにおいて、中断直前に形成されていた部分(
図4の網掛け部分)の品質が低下しているおそれがある。例えば、中断の原因がインクの残量不足である場合、画像形成の品質を満たすほど十分なインクが中断直前の画像形成において使用されていなかった可能性がある。インクの残量不足により通常印刷動作が中断すると、ユーザはインクカートリッジを新しいものに交換する。これにより、画像形成の品質が低下する原因が取り除かれる。したがって、その後に通常印刷動作を再開することも考えられる。しかしながら、通常印刷動作の再開によりそのまま残りの部分を用紙Pに形成しても、中断直前の部分において画像形成の品質が低下したままとなる。
【0037】
そこで、制御部9は、通常印刷動作の中断が生じた場合に、搬送機構2、カッター3及びヘッド5に追加印刷動作(本発明の「第2動作」に相当する)を行わせる追加印刷制御(本発明の「第2制御」に相当する)を実行する。
【0038】
追加印刷制御は以下の通りである。用紙Pがロール紙Rpに相当する場合には、通常印刷動作が中断されたロール紙Rpが切断された後に、次に搬送されるロール紙Rpに対して追加印刷動作が開始される。用紙Pがカット紙Kpに相当する場合には、通常印刷動作が中断されたカット紙Kpが排出された後に、次に搬送されるカット紙Kpに対して追加印刷動作が開始される。追加印刷動作においては、制御部9は、RAM93に格納された画像データに基づき、搬送機構2により用紙Pを搬送経路に沿って所定距離ずつ搬送する処理と、移動機構6によりキャリッジ4を走査方向に往復移動させつつ、ヘッド5の複数のノズルから用紙Pに対してインクを吐出させる処理とを交互に繰り返し実行する。この動作において、制御部9は、用紙Pを搬送する速度が通常印刷動作の速度より小さくなるように搬送機構2を制御する。そして、制御部9は、通常印刷動作と反対側の画像の端部から、通常印刷動作と逆方向に用紙P上に画像を形成させていく。
図5は、
図4に示すように通常印刷動作が中断した後の追加印刷動作によって画像が形成されていく状況を示している。
図5に示すように、通常印刷動作の開始側である一端G1とは反対側の他端G2から画像の形成が開始すると共に、通常印刷動作の印刷方向A1とは反対の印刷方向A2に沿って画像Gが形成されていく。
【0039】
また、制御部9は、搬送機構2等に追加印刷動作を連続的に継続させながら、用紙Pに形成済みの画像Gの範囲を示す表示をタッチパネルディスプレイ95に行わせる。
図6(a)及び
図6(b)はこのような表示の一例である。
図6(a)及び
図6(b)の表示は、いずれも、画像Gの一部と「印刷完了」ボタン画像Bを含んでいる。タッチパネルディスプレイ95のボタン画像Bの表示範囲にユーザの指等が接触すると、制御部9によってボタン画像Bが操作されたものと判定される。画像Gには網掛けが施されており、これによって印刷済みの範囲と未印刷の範囲とが表現されている。この表示の内容は、追加印刷動作による画像形成の進度に応じて更新される。例えば、
図6(b)は、
図6(a)よりも画像形成が進んだ状況を示している。ユーザは、タッチパネルディスプレイ95の表示を確認しつつ追加印刷動作を完了させるタイミングを判断し、タッチパネルディスプレイ95のボタン画像Bの表示範囲に指等を接触させる。追加印刷動作を完了させるべきタイミングは、印刷済みの範囲が追加印刷動作後に用紙Pを連結させる後述の作業において連結させる位置(例えば、
図5の連結位置)を超えた後のいずれかのタイミングである。制御部9は、ボタン画像Bが操作されるまで搬送機構2等に追加印刷動作を継続させる。そして、制御部9は、ボタン画像Bが操作されたタイミングで搬送機構2等に追加印刷動作を完了させる。ボタン画像Bが操作されたタイミングと追加印刷動作が完了するタイミングとはできる限り一致することが好ましいが、処理上、若干のずれが生じ得る。
【0040】
以上の追加印刷制御により、通常印刷動作の中断で途切れた画像の残りの部分に対応する続きの画像が用紙Pに形成される。用紙Pがロール紙Rpに相当する場合、続きの画像が形成されたロール紙Rpがカッター3によって切断された後、排紙トレイ7へと排出される。用紙Pがカット紙Kpに相当する場合、続きの画像が形成されたカット紙Kpが排紙トレイ7へと排出される。
【0041】
そして、ユーザは、通常印刷動作により画像が形成された部分と追加印刷動作により画像が形成された部分とを適宜切り貼りして連結させた用紙Pを取得する。例えば、この連結作業の際に、通常印刷動作によって形成された画像から品質が低下した部分がちょうど切り離される位置(例えば、
図4の連結位置)で用紙Pが切断される。また、その切断位置に対応する位置(例えば、
図5の連結位置)において追加印刷動作によって形成された画像が切断されるように用紙Pが切断される。そして、切断された用紙P同士が、それぞれの切断位置においてセロハンテープ等で貼り合わされる。これにより、連結された用紙Pにおいて画像全体(
図3参照)が切れ目なく表れる。なお、用紙Pが、
図4及び
図5の連結位置の少なくともいずれかより外側の位置で切断されると共に、これによって形成された連結位置より外側の部分を糊代として糊付けにより互いに貼り合わされてもよい。
【0042】
以下、制御部9が実行する通常印刷制御及び追加印刷制御の一連の流れについて
図7のフローチャートを参照しつつ具体例を説明する。
図7のフローチャートは、一例として、ロール紙Rpが用いられる場合に適用される。まず、制御部9は、残量センサ98の検出結果及びRAM94に格納された画像データに基づいて、4つのインクカートリッジそれぞれのインクの残量が、カートリッジの交換なしに通常印刷動作を最後まで完了するのに十分な量か否かを確認する(S1)。カートリッジの交換なしで通常印刷動作を最後まで完了可能と判定した場合(S2、Yes)に、制御部9は、通常印刷動作を実行し(S16)、一連の制御を終了する。
【0043】
カートリッジの交換なしでは通常印刷動作を最後まで完了できないと判定した場合(S2、No)に、制御部9は、印刷を中止するか否をユーザに選択させるための画面をタッチパネルディスプレイ95に表示させ、ユーザ入力を待つ状態を取る(S3)。S3においてタッチパネルディスプレイ95の操作によりユーザが印刷中止を選択したと判定すると(S4、Yes)、制御部9は、印刷中止のための処理を行ったうえで(S17)、一連の制御を終了する。
【0044】
S3においてタッチパネルディスプレイ95の操作によりユーザが印刷継続を選択したと判定すると(S4、No)、制御部9は、インクカートリッジの交換かそのまま印刷かをユーザに選択させるための画面をタッチパネルディスプレイ95に表示させ、ユーザ入力を待つ状態を取る(S5)。S5においてタッチパネルディスプレイ95の操作によりユーザがインクカートリッジの交換を選択したと判定すると(S6、Yes)、制御部9は、ユーザによるインクカートリッジの交換作業の完了まで待機した上で(S18)、S1の処理に戻る。
【0045】
S5においてタッチパネルディスプレイ95の操作によりユーザがそのまま印刷を選択したと判定すると(S6、No)、制御部9は、インク切れが生じた場合に必要な処理について同意するか否かをユーザに選択させるための画面をタッチパネルディスプレイ95に表示させ、ユーザ入力を待つ状態を取る(S7)。この画面は、例えば、「印刷途中でインク切れとなった場合、インクカートリッジを交換した後で、印刷できなかった部分を印刷して紙を繋ぎ合わせる必要がありますが、よろしいでしょうか」といったメッセージと、同意の可否を選択するための「YES」及び「No」のボタン画像を含んでいる。
【0046】
S7においてタッチパネルディスプレイ95の操作によりユーザが同意しないことを選択したと判定すると(S8、No)、制御部9は、印刷中止のための処理を行ったうえで(S19)、一連の制御を終了する。S8においてタッチパネルディスプレイ95の操作によりユーザが同意することを選択したと判定すると(S8、Yes)、制御部9は、通常印刷制御を開始する(S9)。通常印刷動作が中断せず、最後まで(画像が形成されて切断されたロール紙Rpが排紙トレイ7に排出されるまで)完了すると(S10)、制御部9は、排出されたロール紙Rpに形成された画像の品質に問題ないか否かをユーザに選択させる画面をタッチパネルディスプレイ95に表示させ、ユーザ入力を待つ状態を取る(S11)。S11においてタッチパネルディスプレイ95の操作によりユーザが問題ないことを選択したと判定すると(S12、Yes)、制御部9は一連の処理を終了する。
【0047】
S11においてタッチパネルディスプレイ95の操作によりユーザが問題あることを選択したと判定すると(S12、No)、制御部9は追加印刷制御を実行する(S13)。次に、制御部は、追加印刷動作によって画像が形成されたロール紙Rpをカッター3に切断させると共に、搬送機構2に排紙トレイ7へと排出させる(S14)。そして、制御部9は一連の処理を終了する。
【0048】
S9からS10までの間に、残量センサ98の検出結果に基づいてインク切れが発生したと判定した場合、制御部9は、通常印刷処理を中断させる割り込み処理を発生させる(S20)。これにより、制御部9は、ロール紙Rpをカッター3に切断させると共に、搬送機構2に排紙トレイ7へと排出させる(S21)。そして、制御部9は、ユーザによるインクカートリッジの交換作業の完了まで待機した上で(S22)、S13の追加印刷制御及びその後の処理を実行する。
【0049】
以上説明した本実施形態によると、通常印刷動作が中断した場合に、通常印刷動作と逆方向に用紙Pに画像を形成する追加印刷動作が実行される。通常印刷動作の中断直前に画像形成の品質が低下したおそれがある場合には、通常印刷動作が中断してから追加印刷動作の開始までの間に画像形成の品質を回復させる措置(例えば、インクカートリッジの交換)がなされる。その後、通常印刷動作で形成された画像と追加印刷動作で形成された画像とをつなぎ合わせるように用紙Pを適宜切り貼りして連結することで画像全体が形成された用紙Pを得ることができる。通常印刷動作の中断直前に形成された画像の品質が低下していたとしても、通常印刷動作で形成された画像から品質が低下した部分を切り離し、追加印刷動作で形成された画像とつなぎ合わせることで、全体として画像の品質が確保される。
【0050】
加えて、本発明の追加印刷動作において、ユーザは、用紙Pに逆方向に形成されていく画像をタッチパネルディスプレイ95の表示で確認しながら、必要と思われるタイミングでユーザ入力により追加印刷動作を終了させることができる。したがって、追加印刷動作は、通常印刷動作で形成された画像とちょうどつなぎ合わせることができるような適切な範囲で用紙Pに画像を形成させることが可能である。
【0051】
また、追加印刷動作においては、用紙Pがゆっくり搬送されるため、ユーザが追加印刷動作を完了させるタイミングを判断しやすい。さらに、ユーザは、逐次更新されていくタッチパネルディスプレイ95の表示によって、連続的に形成されていく画像を見ながら追加印刷動作を完了させるタイミングを判断できる。
【0052】
[第2の実施形態]
以下、本発明の別の一実施形態に係る第2の実施形態について説明する。本実施形態における第1の実施形態との主な違いは追加印刷制御の内容にあり、その他の構成は第1の実施形態と第2の実施形態とで共通である。このため、以下では、第1の実施形態との上記違いについて主に説明すると共に、第1の実施形態と共通の構成には同一の符号を使用し、適宜その説明を省略する。
【0053】
第1の実施形態に係る追加印刷制御は、搬送機構2等に追加印刷動作を連続的に継続させながら、用紙Pに形成済みの画像Gの範囲を示す表示をタッチパネルディスプレイ95に行わせている。これに対し、第2の実施形態に係る追加印刷制御は、搬送機構2等に追加印刷動作を間欠的に実行させる。具体的には、搬送機構2により用紙Pを搬送経路に沿って所定距離ずつ搬送する処理と、移動機構6によりキャリッジ4を走査方向に移動させつつ、ヘッド5の複数のノズルから用紙Pに対してインクを吐出させる処理とを、1回又は複数回実行することと、これらの動作を一旦停止させることとを交互に繰り返し行う。タッチパネルディスプレイ95には、用紙Pに形成済みの画像Gの範囲を示す表示(
図6参照)を行わせる。動作を一旦停止した期間においては、追加印刷動作を完了するか否かをユーザに選択させる画面をタッチパネルディスプレイ95に表示させ、ユーザ入力を待つ状態を取る。タッチパネルディスプレイ95の操作によりユーザが追加印刷動作の完了を選択したと判定すると追加印刷制御を終了する。一方、タッチパネルディスプレイ95の操作によりユーザが印刷継続を選択したと判定すると、間欠的な追加印刷動作を継続する。この実施形態によると、ユーザは、画像形成が一旦停止している期間に追加印刷動作を完了させるタイミングを慎重に判断できる。
【0054】
[第3の実施形態]
以下、本発明のさらに別の一実施形態に係る第3の実施形態について説明する。本実施形態における第1及び第2の実施形態との主な違いは追加印刷制御の内容にあり、その他の構成は第1及び第2の実施形態と第3の実施形態とで共通である。このため、以下では、第1及び第2の実施形態との上記違いについて主に説明すると共に、第1及び第2の実施形態と共通の構成には同一の符号を使用し、適宜その説明を省略する。
【0055】
第3の実施形態に係る追加印刷制御においては、印刷完了を選択する画面をタッチパネルディスプレイ95に表示させるが、第1及び第2の実施形態と異なり、用紙Pに形成済みの画像Gの範囲を示す表示をタッチパネルディスプレイ95に行わせない。その代わりに、ユーザは、排出されていく用紙Pに形成された画像を確認することで追加印刷動作を完了するタイミングを判断する。そして、このようなタイミングに達したと判断すると、ユーザは、タッチパネルディスプレイ95を操作して追加印刷動作を完了させる。
【0056】
<変形例>
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0057】
例えば、上述の実施形態では、RAM94に格納された画像データに基づいて通常印刷動作及び追加印刷動作が実行されている。ここで、RAM94には、画像データ全体が一旦格納された後、各印刷動作が実行されてもよいし、外部のPC等から画像データが一部分ずつ送信され、全ての画像データを受け取るまでに画像データにおける受け取った部分から順次、印刷動作が実行されてもよい。後者の場合、追加印刷動作においては、通常印刷動作でPC等から送信されてくる順序とは逆の順序で画像データが送信されればよい。
【0058】
また、上述の実施形態における
図7のフローチャートでは、通常印刷動作が中断すると、ロール紙Rpが一旦切断されてから排紙された後、追加印刷動作が開始する。これに対し、通常印刷動作が中断した後、ロール紙Rpが切断されず、ロール紙Rpにおいて通常印刷動作により画像が形成された領域に連続する領域に対して追加印刷動作による画像形成が開始されてもよい。このように、通常印刷動作が中断した後、用紙Pが切断されるか否かに拠らず、通常印刷動作により画像が形成された領域とは別の領域に対して追加印刷動作による画像形成がなされればよい。
【0059】
また、上述の実施形態では、ユーザ入力が可能なデバイスとしてタッチパネルディスプレイ95が採用されている。しかし、その代わりに、又はこれに加えて、物理的なボタンやスイッチを有する入力部(本発明の「ユーザ入力部」に相当する)が採用されてもよい。
【0060】
また、上述の実施形態では、追加印刷動作において画像形成の状況を表示する画面の一例として
図6が採用されている。これに対し、
図6とは別の画面が採用されてもよい。例えば、画像形成済みの領域のみが表示され、画像が未形成の領域は全く表示されない態様で画像形成の状況を示す画面がタッチパネルディスプレイ95に表示されてもよい。
【0061】
加えて、上述の各実施形態においては、プリンタ100に対して本発明を適用する場合について説明したが、これには限定されない。本発明は、ヘッドからインクを吐出するインクジェット式のその他の画像形成装置、例えば、複合機やコピー機などに適用されてもよい。また、インクジェット方式でインクを用紙Pに付着させる代わりに、トナーを用紙Pに付着させることで画像記録処理を実行するレーザー式の画像形成装置に適用されてもよい。
【符号の説明】
【0062】
2 搬送機構
4 キャリッジ
5 ヘッド
6 移動機構
8 カートリッジ装着部
9 制御部
10 インクカートリッジ
95 タッチパネルディスプレイ
100 プリンタ
P 用紙
Rp ロール紙
Kp カット紙