(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023174062
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】管理装置、管理方法および管理プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 21/24 20110101AFI20231130BHJP
H04N 21/23 20110101ALI20231130BHJP
【FI】
H04N21/24
H04N21/23
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022086703
(22)【出願日】2022-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000682
【氏名又は名称】弁理士法人ワンディ-IPパ-トナ-ズ
(72)【発明者】
【氏名】本家 裕介
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 類
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164FA03
5C164SA11S
5C164SB41P
5C164SB46P
5C164SB61S
5C164SC11S
5C164YA21
5C164YA22
(57)【要約】
【課題】コンテンツ配信における監視機能を向上する。
【解決手段】管理装置は、コンテンツ配信装置からコンテンツを受信するコンテンツ視聴装置と通信可能な管理装置であって、複数の前記コンテンツ視聴装置の各々における前記コンテンツの受信エラーに関するエラー情報、および複数の前記コンテンツ視聴装置の各々の動作状態を示す動作情報を取得する取得部と、前記取得部により取得された前記エラー情報および前記動作情報に基づいて、前記コンテンツ配信装置と前記コンテンツ視聴装置との間における、前記受信エラーの要因箇所を判定する判定部とを備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツ配信装置からコンテンツを受信するコンテンツ視聴装置と通信可能な管理装置であって、
複数の前記コンテンツ視聴装置の各々における前記コンテンツの受信エラーに関するエラー情報、および複数の前記コンテンツ視聴装置の各々の動作状態を示す動作情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記エラー情報および前記動作情報に基づいて、前記コンテンツ配信装置と前記コンテンツ視聴装置との間における、前記受信エラーの要因箇所を判定する判定部とを備える、管理装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記受信エラーの要因箇所が、前記コンテンツ視聴装置の内部であるか、または前記コンテンツ視聴装置の外部であるかを判定する、請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記取得部は、前記動作情報として、前記コンテンツ視聴装置におけるソフトウェアの更新履歴を示す情報、および前記コンテンツ視聴装置が前記コンテンツの受信に無線通信を利用しているか否かを示す情報の少なくともいずれか一方を取得する、請求項1または請求項2に記載の管理装置。
【請求項4】
前記取得部は、前記コンテンツ配信装置の保守作業に関する保守情報をさらに取得し、
前記判定部は、前記保守情報にさらに基づいて、前記受信エラーの要因箇所を判定する、請求項1または請求項2に記載の管理装置。
【請求項5】
前記取得部は、前記複数のコンテンツ視聴装置の各々の設置地域を示す地域情報をさらに取得し、
前記判定部は、前記地域情報にさらに基づいて、前記受信エラーの要因箇所を判定する、請求項1または請求項2に記載の管理装置。
【請求項6】
コンテンツ配信装置からコンテンツを受信するコンテンツ視聴装置と通信可能な管理装置における管理方法であって、
複数の前記コンテンツ視聴装置の各々における前記コンテンツの受信エラーに関するエラー情報、および複数の前記コンテンツ視聴装置の各々の動作状態を示す動作情報を取得するステップと、
取得した前記エラー情報および前記動作情報に基づいて、前記コンテンツ配信装置と前記コンテンツ視聴装置との間における、前記受信エラーの要因箇所を判定するステップとを含む、管理方法。
【請求項7】
コンテンツ配信装置からコンテンツを受信するコンテンツ視聴装置と通信可能な管理装置において用いられる管理プログラムであって、
コンピュータを、
複数の前記コンテンツ視聴装置の各々における前記コンテンツの受信エラーに関するエラー情報、および複数の前記コンテンツ視聴装置の各々の動作状態を示す動作情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記エラー情報および前記動作情報に基づいて、前記コンテンツ配信装置と前記コンテンツ視聴装置との間における、前記受信エラーの要因箇所を判定する判定部、
として機能させるための、管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、管理装置、管理方法および管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンテンツをテレビジョン装置で視聴するために用いられる装置として、STB(Set Top Box)等のコンテンツ視聴装置が知られている。コンテンツ視聴装置は、ケーブルテレビ局に設置されるヘッドエンド装置等により配信されるコンテンツを受信し、受信したコンテンツをテレビジョン装置において再生する。
【0003】
たとえば、非特許文献1(”STBモニタリングシステム”、[online]、[令和3年8月26日検索]、インターネット〈URL:https://www.trafficsim.co.jp/products/p248/〉)には、コンテンツ視聴装置におけるコンテンツの受信状態を監視することにより、受信障害を検知する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】”STBモニタリングシステム”、[online]、[令和3年8月26日検索]、インターネット〈URL:https://www.trafficsim.co.jp/products/p248/〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、非特許文献1に記載の技術では、ヘッドエンド装置側の異常に起因する受信障害を検知することにとどまっている。
【0006】
本開示は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、コンテンツ配信における監視機能を向上することが可能な管理装置、管理方法および管理プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の管理装置は、コンテンツ配信装置からコンテンツを受信するコンテンツ視聴装置と通信可能な管理装置であって、複数の前記コンテンツ視聴装置の各々における前記コンテンツの受信エラーに関するエラー情報、および複数の前記コンテンツ視聴装置の各々の動作状態を示す動作情報を取得する取得部と、前記取得部により取得された前記エラー情報および前記動作情報に基づいて、前記コンテンツ配信装置と前記コンテンツ視聴装置との間における、前記受信エラーの要因箇所を判定する判定部とを備える。
【0008】
本開示の一態様は、このような特徴的な処理部を備える管理装置として実現され得るだけでなく、管理装置の一部または全部を実現する半導体集積回路として実現され得たり、管理装置を含むコンテンツ配信システムとして実現され得る。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、コンテンツ配信における監視機能を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本開示の実施の形態に係るコンテンツ配信システムの構成を示す図である。
【
図2】
図2は、本開示の実施の形態に係るコンテンツ視聴装置の構成の概要を示す図である。
【
図3】
図3は、本開示の実施の形態に係るコンテンツ視聴装置の詳細な構成を示す図である。
【
図4】
図4は、本開示の実施の形態に係るコンテンツ視聴装置における処理部の詳細な構成を示す図である。
【
図5】
図5は、本開示の実施の形態に係る管理装置の構成の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、本開示の実施の形態に係る管理装置における記憶部が記憶している対応テーブルの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、本開示の実施の形態に係る管理装置における処理部により算出されるエラー発生割合の時系列データを示す図である。
【
図8】
図8は、本開示の実施の形態に係る管理装置における処理部により算出されるエラー発生割合の時系列データを示す図である。
【
図9】
図9は、本開示の実施の形態に係る管理装置の管理対象の対象地域を示す図である。
【
図10】
図10は、本開示の実施の形態に係る管理装置が異常判定処理を行う際の動作手順の一例を定めたフローチャートである。
【
図11】
図11は、本開示の実施の形態に係る管理装置が異常判定処理を行う際の動作手順の一例を定めたフローチャートである。
【
図12】
図12は、本開示の実施の形態に係る管理装置が異常判定処理を行う際の動作手順の一例を定めたフローチャートである。
【
図13】
図13は、本開示の実施の形態に係る管理装置が異常判定処理を行う際の動作手順の一例を定めたフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
最初に、本開示の実施形態の内容を列記して説明する。
【0012】
(1)本開示の実施の形態に係る管理装置は、コンテンツ配信装置からコンテンツを受信するコンテンツ視聴装置と通信可能な管理装置であって、複数の前記コンテンツ視聴装置の各々における前記コンテンツの受信エラーに関するエラー情報、および複数の前記コンテンツ視聴装置の各々の動作状態を示す動作情報を取得する取得部と、前記取得部により取得された前記エラー情報および前記動作情報に基づいて、前記コンテンツ配信装置と前記コンテンツ視聴装置との間における、前記受信エラーの要因箇所を判定する判定部とを備える。
【0013】
このように、コンテンツ視聴装置におけるコンテンツの受信エラーに関するエラー情報、およびコンテンツ視聴装置の動作状態を示す動作情報を取得し、エラー情報および動作情報に基づいて受信エラーの要因箇所を判定する構成により、コンテンツ視聴装置における受信エラーの傾向を分析し、たとえば一定数以上のコンテンツ視聴装置において発生した受信エラーに共通する要因箇所を判定することができるので、受信エラーを解消するための適切な対処を施すことができる。したがって、コンテンツ配信における監視機能を向上することができる。
【0014】
(2)上記(1)において、前記判定部は、前記受信エラーの要因箇所が、前記コンテンツ視聴装置の内部であるか、または前記コンテンツ視聴装置の外部であるかを判定してもよい。
【0015】
このような構成により、たとえば、受信エラーの要因箇所を、ユーザ宅に設置されたコンテンツ視聴装置、およびコンテンツ配信装置のいずれか一方に切り分けることができる。
【0016】
(3)上記(1)または(2)において、前記取得部は、前記動作情報として、前記コンテンツ視聴装置におけるソフトウェアの更新履歴を示す情報、および前記コンテンツ視聴装置が前記コンテンツの受信に無線通信を利用しているか否かを示す情報の少なくともいずれか一方を取得してもよい。
【0017】
このような構成により、たとえば、エラー情報および動作情報に基づいて、受信エラーが、ソフトウェアの更新により発生したものであるか否か、およびユーザ宅内における通信環境に起因して発生したものであるか否かを判定することができる。
【0018】
(4)上記(1)から(3)のいずれかにおいて、前記取得部は、前記コンテンツ配信装置の保守作業に関する保守情報をさらに取得してもよく、前記判定部は、前記保守情報にさらに基づいて、前記受信エラーの要因箇所を判定してもよい。
【0019】
このような構成により、たとえば、エラー情報および保守情報に基づいて、受信エラーがコンテンツ配信装置における保守作業の影響により発生したものであるか否かを判定することができる。
【0020】
(5)上記(1)から(4)のいずれかにおいて、前記取得部は、前記複数のコンテンツ視聴装置の各々の設置地域を示す地域情報をさらに取得してもよく、前記判定部は、前記地域情報にさらに基づいて、前記受信エラーの要因箇所を判定してもよい。
【0021】
このような構成により、たとえば、エラー情報および地域情報が示す、地域ごとの受信エラーの発生状況に基づいて、受信エラーの要因箇所がコンテンツ配信装置とコンテンツ視聴装置との間における中継機器であるか否かを判定することができる。
【0022】
(6)本開示の実施の形態に係る管理方法は、コンテンツ配信装置からコンテンツを受信するコンテンツ視聴装置と通信可能な管理装置における管理方法であって、複数の前記コンテンツ視聴装置の各々における前記コンテンツの受信エラーに関するエラー情報、および複数の前記コンテンツ視聴装置の各々の動作状態を示す動作情報を取得するステップと、取得した前記エラー情報および前記動作情報に基づいて、前記コンテンツ配信装置と前記コンテンツ視聴装置との間における、前記受信エラーの要因箇所を判定するステップとを含む。
【0023】
このように、コンテンツ視聴装置におけるコンテンツの受信エラーに関するエラー情報、およびコンテンツ視聴装置の動作状態を示す動作情報を取得し、エラー情報および動作情報に基づいて受信エラーの要因箇所を判定する方法により、コンテンツ視聴装置における受信エラーの傾向を分析し、たとえば一定数以上のコンテンツ視聴装置において発生した受信エラーに共通する要因箇所を判定することができるので、受信エラーを解消するための適切な対処を施すことができる。したがって、コンテンツ配信における監視機能を向上することができる。
【0024】
(7)本開示の実施の形態に係る管理プログラムは、コンテンツ配信装置からコンテンツを受信するコンテンツ視聴装置と通信可能な管理装置において用いられる管理プログラムであって、コンピュータを、複数の前記コンテンツ視聴装置の各々における前記コンテンツの受信エラーに関するエラー情報、および複数の前記コンテンツ視聴装置の各々の動作状態を示す動作情報を取得する取得部と、前記取得部により取得された前記エラー情報および前記動作情報に基づいて、前記コンテンツ配信装置と前記コンテンツ視聴装置との間における、前記受信エラーの要因箇所を判定する判定部、として機能させるためのプログラムである。
【0025】
このように、コンテンツ視聴装置におけるコンテンツの受信エラーに関するエラー情報、およびコンテンツ視聴装置の動作状態を示す動作情報を取得し、エラー情報および動作情報に基づいて受信エラーの要因箇所を判定する構成により、コンテンツ視聴装置における受信エラーの傾向を分析し、たとえば一定数以上のコンテンツ視聴装置において発生した受信エラーに共通する要因箇所を判定することができるので、受信エラーを解消するための適切な対処を施すことができる。したがって、コンテンツ配信における監視機能を向上することができる。
【0026】
以下、本開示の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0027】
[構成および基本動作]
図1は、本開示の実施の形態に係るコンテンツ配信システムの構成を示す図である。
図1を参照して、コンテンツ配信システム1は、ヘッドエンド10と、複数のコンテンツ視聴装置11と、複数の表示装置12と、複数のONU(Optical Network Unit)と、管理装置101とを備える。ヘッドエンド10は、コンテンツ配信装置の一例である。表示装置12およびONU13は、コンテンツ視聴装置11に接続される。
【0028】
コンテンツ視聴装置11、表示装置12およびONU13は、管理装置101の管理対象の地域である対象地域A1におけるユーザ宅に設けられる。コンテンツ視聴装置11は、ユーザ宅において、無線LAN(Local Area Network)または有線LANを介してONU13に接続される。表示装置12は、ユーザ宅において、たとえばHDMI(登録商標)ケーブルを介してコンテンツ視聴装置11に接続される。
【0029】
ヘッドエンド10は、たとえばケーブルテレビ局に配置され、ケーブルテレビ局が受信した番組等のコンテンツをコンテンツ視聴装置11へ配信する装置である。ヘッドエンド10は、複数のチャンネルにそれぞれ属する複数のコンテンツのうちの、ユーザに選択されたコンテンツをコンテンツ視聴装置11へ配信する。なお、ヘッドエンド10は一例であり、ヘッドエンド10に代えて他の機器を採用してもよい。要するに、コンテンツ配信システム1は、コンテンツをコンテンツ視聴装置11へ配信する装置を備えていればよい。
【0030】
コンテンツ視聴装置11は、たとえばSTBである。コンテンツ視聴装置11は、ヘッドエンド10から配信されるコンテンツを受信する。コンテンツ視聴装置11は、デジタル放送によるコンテンツ、およびVOD(Video On Demand)等のIP放送によるコンテンツを受信し、受信したコンテンツの録画および再生を行うことが可能である。コンテンツ視聴装置11は、たとえば、コンテンツが複数のTS(Transport Stream)パケットに分割されたストリームをネットワーク201およびONU13経由で受信し、コンテンツ視聴装置11に接続される表示装置12においてコンテンツを再生する。
【0031】
ストリームは、たとえば音声情報、映像情報、EPG(Electronic Program Guide)情報、字幕情報およびSI(Service Information)等を含む。
【0032】
表示装置12は、たとえばテレビジョン装置である。表示装置12は、コンテンツ視聴装置11により再生されたコンテンツを画面に表示する。
【0033】
管理装置101は、たとえばクラウドサーバである。ただし、管理装置101は、単体のサーバであってもよい。管理装置101は、複数のコンテンツ視聴装置11と対応のONU13およびネットワーク201を介して通信可能であり、たとえば各コンテンツ視聴装置11から各種情報を受信する。
【0034】
<コンテンツ視聴装置>
図2は、本開示の実施の形態に係るコンテンツ視聴装置の構成の概要を示す図である。コンテンツ配信システム1における複数のコンテンツ視聴装置11は、同じ構成であるため、以下では1つのコンテンツ視聴装置11の構成について説明する。
図2を参照して、コンテンツ視聴装置11は、受信部111と、処理部112と、記憶部113とを備える。記憶部113は、たとえば不揮発性メモリである。
【0035】
記憶部113は、コンテンツ視聴装置11の設置地域を示す地域情報を記憶している。たとえば、コンテンツ視聴装置11のユーザは、ユーザ宅にコンテンツ視聴装置11を設置する際に、ユーザ宅の属する地域の郵便番号を示す地域情報を記憶部113に保存する。
【0036】
受信部111は、インターネット等のネットワーク201およびONU13経由でコンテンツを受信する。より詳細には、受信部111は、ストリームを構成する放送パケットをネットワーク201およびONU13経由でヘッドエンド10から受信し、受信した放送パケットを処理部112へ出力する。
【0037】
処理部112は、受信部111から受けた放送パケットを記憶部113に保存する。また、処理部112は、コンテンツを出力する処理を行う。より詳細には、処理部112は、たとえば、記憶部113に保存した情報等を用いてコンテンツを再生する処理を行い、得られた映像情報および音声情報等を表示装置12へ送信する。また、処理部112は、管理装置101とネットワーク201およびONU13を介して情報のやり取りを行う。
【0038】
図3は、本開示の実施の形態に係るコンテンツ視聴装置の詳細な構成を示す図である。
図3を参照して、コンテンツ視聴装置11は、リモコン信号受信部1111と、放送受信部1112と、消去部1121と、録画部1122と、録画予約部1123と、放送視聴部1124と、録画再生部1125と、録画DB1131と、番組情報DB1132と、予約管理DB1133とを備える。また、コンテンツ視聴装置11は、記憶媒体の一例であるHDD(Hard Disk Drive)14と接続される。
【0039】
リモコン信号受信部1111および放送受信部1112は、
図2に示す受信部111に含まれる。消去部1121、録画部1122、録画予約部1123、放送視聴部1124および録画再生部1125は、
図2に示す処理部112に含まれる。録画DB1131、番組情報DB1132および予約管理DB1133は、
図2に示す記憶部113に保存されている。
【0040】
録画DB1131は、録画番組のデータベースである。録画DB1131には、各番組の、コンテンツファイル名、番組タイトル、ジャンル、開始時間、終了時間、およびコンテンツ長等が登録される。
【0041】
番組情報DB1132は、放送番組のデータベースである。番組情報DB1132には、番組情報として、放送受信部1112によってストリームから取得されたイベント情報テーブル(EIT)、およびEITなどを用いて作成されるEPGに基づく番組表が登録される。放送受信部1112によってEITが定期的に取得されることにより、番組情報DB1132は定期的に更新される。
【0042】
予約管理DB1133は、予約番組のデータベースである。予約管理DB1133には、各番組の、番組タイトル、番組開始時間および番組終了時間等が登録される。
【0043】
リモコン信号受信部1111は、リモコン15におけるリモコン操作部151からリモコン信号を受信し、受信したリモコン信号に含まれる、ユーザの操作を示す操作情報を消去部1121、録画部1122、録画予約部1123、放送視聴部1124および録画再生部1125へ出力する。
【0044】
放送受信部1112は、ネットワーク201およびONU13経由でストリームを構成する放送パケットを受信する。放送受信部1112は、受信した放送パケットを記憶部113に保存する。放送パケットは、たとえばTCP(Transmission Control Protocol)パケットを含むIPパケットである。
【0045】
録画予約部1123は、リモコン信号受信部1111から受けた操作情報に従い、番組情報DB1132に登録されている番組表を参照し、操作情報の示す番組に関する情報を予約管理DB1133に登録する。
【0046】
録画予約部1123は、予約管理DB1133を参照し、当該番組の開始時間に従って録画部1122へ録画指示を出力する。
【0047】
録画部1122は、リモコン信号受信部1111から受けた操作情報に従い、操作情報の示す番組を録画する。また、録画部1122は、録画予約部1123から受けた録画指示に従い、録画指示の示す番組を録画する。より詳細には、録画部1122は、操作情報または録画指示に従って放送受信部1112を制御することにより、操作情報または録画指示の示す番組に対応する放送パケットを取得し、コンテンツファイルとしてHDD14に保存するとともに、当該番組に関する録画情報を録画DB1131に登録する。
【0048】
放送視聴部1124は、放送番組を再生する。より詳細には、放送視聴部1124は、リモコン信号受信部1111から受けた操作情報に従って放送受信部1112を制御することにより、操作情報の示す番組に対応する放送パケットを取得し、取得した放送パケットに含まれる情報等を用いてコンテンツを再生する処理を行い、得られた映像情報および音声情報等を表示装置12へ送信する。
【0049】
録画再生部1125は、録画番組を再生する。より詳細には、録画再生部1125は、リモコン信号受信部1111から受けた操作情報に従い、HDD14から操作情報の示す番組に対応する放送パケットを取得する。そして、録画再生部1125は、取得した放送パケットに含まれる情報等を用いてコンテンツを再生する処理を行い、得られた映像情報および音声情報等を表示装置12へ送信する。
【0050】
消去部1121は、リモコン信号受信部1111から受けた操作情報に従い、操作情報の示す番組に対応する放送パケットをHDD14から消去するとともに、当該番組に関する録画情報を録画DB1131から消去する。
【0051】
図4は、本開示の実施の形態に係るコンテンツ視聴装置における処理部の詳細な構成を示す図である。
図4を参照して、コンテンツ視聴装置11における処理部112は、受信情報生成部1126と、動作情報生成部1127と、送信処理部1128とを含む。
【0052】
受信情報生成部1126は、受信部111を監視し、所定の周期Ctに従う生成タイミングにおいて、直前の生成タイミングから現在の生成タイミングまでの期間における、受信部111によるコンテンツの受信結果を示す受信結果情報を生成する。より詳細には、受信情報生成部1126は、受信部111によるコンテンツの受信期間および当該コンテンツの属するチャンネルを示す受信結果情報を生成する。
【0053】
たとえば、受信情報生成部1126は、受信部111におけるコンテンツの受信エラーが発生した場合、コンテンツの受信エラーに関するエラー情報を含む受信結果情報を生成する。より詳細には、受信情報生成部1126は、受信部111において放送パケットを受信できない状態が一定時間継続した場合、受信部111におけるコンテンツの受信エラーが発生したと判断し、受信部111において放送パケットを受信できなかった期間であるエラー期間、および当該コンテンツの属するチャンネルであるエラーチャンネルCeを示すエラー情報を含む受信結果情報を生成する。
【0054】
受信情報生成部1126は、周期Ctに従うタイミングにおいて受信結果情報を生成し、生成した受信結果情報を送信処理部1128へ出力する。周期Ctは、たとえば12時間である。
【0055】
動作情報生成部1127は、コンテンツ視聴装置11の動作状態を示す動作情報を生成する。
【0056】
たとえば、動作情報生成部1127は、コンテンツ視聴装置11におけるファームウェアの更新履歴を示す情報、およびコンテンツ視聴装置11におけるアプリケーションの更新履歴を示す情報を含むソフトウェア情報を取得する。
【0057】
また、たとえば、動作情報生成部1127は、受信部111によるONU13からのコンテンツの受信に無線通信が利用されているか否かを示すネットワーク情報を取得する。より詳細には、動作情報生成部1127は、受信部111とONU13とが無線LANを介して接続されているか、または受信部111とONU13とが有線LANを介して接続されているかを示すネットワーク情報を受信部111から受信する。
【0058】
動作情報生成部1127は、周期Ctに従う生成タイミングにおいて、ソフトウェア情報およびネットワーク情報を取得し、取得したソフトウェア情報およびネットワーク情報を含む動作情報を生成する。動作情報生成部1127は、生成した動作情報を送信処理部1128へ出力する。
【0059】
送信処理部1128は、ユーザの操作により地域情報が記憶部113に保存されると、記憶部113から地域情報を取得し、取得した地域情報にコンテンツ視聴装置11のIDを含めてONU13およびネットワーク201経由で管理装置101へ送信する。
【0060】
また、送信処理部1128は、受信情報生成部1126から受信結果情報を受けて、受けた受信結果情報にコンテンツ視聴装置11のIDを含めてONU13およびネットワーク201経由で管理装置101へ送信する。また、送信処理部1128は、動作情報生成部1127から動作情報を受けて、受けた動作情報にコンテンツ視聴装置11のIDを含めてONU13およびネットワーク201経由で管理装置101へ送信する。たとえば、各コンテンツ視聴装置11における送信処理部1128は、周期Ctに従う同じタイミングにおいて、受信結果情報および動作情報をONU13およびネットワーク201経由で管理装置101へ送信する。
【0061】
<管理装置>
図5は、本開示の実施の形態に係る管理装置の構成の一例を示す図である。
図5を参照して、管理装置101は、取得部21と、処理部22と、記憶部23とを備える。記憶部23は、たとえば不揮発性メモリである。
【0062】
取得部21は、複数のコンテンツ視聴装置11の各々におけるコンテンツの受信エラーに関するエラー情報を取得する。より詳細には、取得部21は、コンテンツ配信システム1における各コンテンツ視聴装置11からONU13およびネットワーク201経由で受信結果情報を受信する。取得部21は、受信した受信結果情報を記憶部23に保存する。
【0063】
また、取得部21は、複数のコンテンツ視聴装置11の各々の動作状態を示す動作情報を取得する。たとえば、取得部21は、動作情報として、コンテンツ視聴装置11におけるソフトウェアの更新履歴を示す情報、およびコンテンツ視聴装置11がコンテンツの受信に無線通信を利用しているか否かを示す情報を取得する。より詳細には、取得部21は、コンテンツ配信システム1における各コンテンツ視聴装置11からONU13およびネットワーク201経由で動作情報を受信する。取得部21は、受信した動作情報を記憶部23に保存する。
【0064】
たとえば、取得部21は、複数のコンテンツ視聴装置11の各々の設置地域を示す地域情報をさらに取得する。より詳細には、取得部21は、コンテンツ配信システム1における各コンテンツ視聴装置11からONU13およびネットワーク201経由で地域情報を受信する。取得部21は、受信した地域情報を記憶部23に保存する。
【0065】
また、たとえば、取得部21は、ヘッドエンド10の保守作業に関する保守情報をさらに取得する。より詳細には、ヘッドエンド10では、チャンネルごとに、コンテンツを配信するための装置の交換および修理等のメンテナンス作業が行われる。
【0066】
取得部21は、周期Ctに従うタイミングにおいて、コンテンツ配信システム1における各コンテンツ視聴装置11からONU13およびネットワーク201経由で受信結果情報および動作情報を受信すると、保守情報要求をネットワーク201経由でヘッドエンド10へ送信する。
【0067】
ヘッドエンド10は、管理装置101から保守情報要求を受信すると、ヘッドエンド10においてメンテナンス作業が行われる期間であるメンテナンス期間Pm、およびメンテナンス作業の対象のチャンネルであるメンテナンスチャンネルCmを示す保守情報をネットワーク201経由で管理装置101へ送信する。
【0068】
取得部21は、ネットワーク201経由でヘッドエンド10から保守情報を受信し、受信した保守情報を記憶部23に保存する。なお、取得部21は、ヘッドエンド10から保守情報を受信する代わりに、管理装置101のユーザから保守情報の登録を受け付ける構成であってもよい。
【0069】
図6は、本開示の実施の形態に係る管理装置における記憶部が記憶している対応テーブルの一例を示す図である。
【0070】
図6を参照して、処理部22は、取得部21により記憶部23に保存された動作情報および地域情報に基づいて、コンテンツ視聴装置11のIDと、コンテンツ視聴装置11におけるコンテンツ受信時の無線通信の利用の有無と、コンテンツ視聴装置11におけるファームウェアの最終更新日UD1と、コンテンツ視聴装置11におけるアプリケーションの最終更新日UD2と、コンテンツ視聴装置11の設置地域の郵便番号との対応関係を示す対応テーブルTbを作成する。処理部22は、作成した対応テーブルTbを記憶部23に保存する。
【0071】
処理部22は、取得部21により取得された受信結果情報および動作情報に基づいて、ヘッドエンド10とコンテンツ視聴装置11との間における、コンテンツの受信エラーの要因箇所を判定する。たとえば、処理部22は、コンテンツの受信エラーの要因箇所が、コンテンツ視聴装置11の内部であるか、またはコンテンツ視聴装置11の外部であるかを判定する。
【0072】
より詳細には、処理部22は、コンテンツ配信システム1においてコンテンツの受信に関する異常が発生したか否かを判定する異常判定処理を行う。処理部22は、異常判定処理において、コンテンツ配信システム1における異常が発生したと判定した場合、コンテンツの受信エラーの要因箇所を判定する要因判定処理を行う。たとえば、処理部22は、要因判定処理において、ヘッドエンド10とコンテンツ視聴装置11との間における放送パケットの伝送経路上の複数の機器のうちの、受信エラーの要因箇所となる機器を絞り込む。
【0073】
処理部22は、要因判定処理を行うと、要因判定処理における判定結果を音声または画像により管理装置101のユーザに通知する。
【0074】
(異常判定処理)
処理部22は、周期Ctに従うタイミングにおいて、取得部21によりコンテンツ配信システム1における各コンテンツ視聴装置11からの受信結果情報が記憶部23に保存されると、記憶部23における各受信結果情報に基づいて、コンテンツ配信システム1におけるすべてのコンテンツ視聴装置11のうちの、コンテンツの受信エラーが発生したコンテンツ視聴装置11の割合を示すエラー発生割合R1を算出する。
【0075】
より詳細には、処理部22は、記憶部23から取得した複数の受信結果情報に対する、エラー情報を含む受信結果情報の割合をエラー発生割合R1として算出する。
【0076】
図7は、本開示の実施の形態に係る管理装置における処理部により算出されるエラー発生割合の時系列データを示す図である。
図7において、横軸は時間を示し、縦軸はエラー発生割合[%]を示す。
【0077】
図7を参照して、処理部22は、算出したエラー発生割合R1と所定のしきい値Th1とを比較し、エラー発生割合R1がしきい値Th1を超えた場合、コンテンツ配信システム1においてコンテンツの受信に関する異常が発生したと判定する。そして、処理部22は、エラー発生割合がしきい値Th1を超えた日時である変化点Vp1を特定する。処理部22は、特定した変化点Vp1および動作情報に基づいて、要因判定処理を行う。
【0078】
たとえば、処理部22は、変化点Vp1を含む所定長の対象期間における、コンテンツ視聴装置11の動作状態の変化に基づいて、要因判定処理を行う。対象期間の長さは、たとえば24時間以上である。
【0079】
(要因判定処理の具体例1)
処理部22は、記憶部23における対応テーブルTbおよび受信結果情報を参照し、コンテンツの受信に無線通信を利用しているコンテンツ視聴装置11を抽出する。処理部22は、抽出したコンテンツ視聴装置11のうちの、コンテンツの受信エラーが発生したコンテンツ視聴装置11の割合を示すエラー発生割合Raを算出する。
【0080】
また、処理部22は、記憶部23における対応テーブルTbおよび受信結果情報を参照し、コンテンツの受信に無線通信を利用していないコンテンツ視聴装置11を抽出する。処理部22は、抽出したコンテンツ視聴装置11のうちの、コンテンツの受信エラーが発生したコンテンツ視聴装置11の割合を示すエラー発生割合Rbを算出する。
【0081】
図8は、本開示の実施の形態に係る管理装置における処理部により算出されるエラー発生割合の時系列データを示す図である。
図8における実線は、エラー発生割合Raを示し、
図8における破線は、エラー発生割合Rbを示す。
図8において、横軸は時間を示し、縦軸はエラー発生割合[%]を示す。
【0082】
図8を参照して、処理部22は、変化点Vp1を含む所定長の対象期間P1におけるエラー発生割合Raの変化量Vaと、対象期間P1におけるエラー発生割合Rbの変化量Vbとを算出する。
【0083】
処理部22は、変化量Vaと変化量Vbとの差分D1が所定値以上である場合、受信エラーの要因箇所は、ONU13とコンテンツ視聴装置11との間に含まれると判定する。
【0084】
一方、処理部22は、変化量Vaと変化量Vbとの差分D1が所定値未満である場合、受信エラーの要因箇所は、ヘッドエンド10とONU13との間に含まれると判定する。
【0085】
(要因判定処理の具体例2)
処理部22は、変化点Vp1を含む所定長の対象期間P2と、コンテンツ視聴装置11におけるファームウェアの最終更新日UD1とに基づいて、受信エラーの要因箇所がコンテンツ視聴装置11におけるファームウェアであるか否かを判定する。
【0086】
たとえば、処理部22は、要因判定処理の具体例1において要因箇所がONU13とコンテンツ視聴装置11との間に含まれると判定した場合、記憶部23における対応テーブルTbを参照し、コンテンツの受信エラーが発生した複数のコンテンツ視聴装置11のうちの、変化量Vaおよび変化量Vbのうちの大きい方に対応するコンテンツ視聴装置11を抽出する。
【0087】
より詳細には、処理部22は、変化量Vaと変化量Vbとの差分D1が所定値以上であり、かつ変化量Vbが変化量Vaよりも大きい場合、コンテンツの受信エラーが発生した複数のコンテンツ視聴装置11のうちの、コンテンツの受信に無線通信を利用していないコンテンツ視聴装置11を抽出する。
【0088】
一方、処理部22は、変化量Vaと変化量Vbとの差分D1が所定値以上であり、かつ変化量Vaが変化量Vbよりも大きい場合、コンテンツの受信エラーが発生した複数のコンテンツ視聴装置11のうちの、コンテンツの受信に無線通信を利用しているコンテンツ視聴装置11を抽出する。
【0089】
処理部22は、抽出したコンテンツ視聴装置11におけるファームウェアの最終更新日UD1を確認する。
【0090】
処理部22は、抽出したコンテンツ視聴装置11のうちの、対象期間P2に最終更新日UD1が含まれるコンテンツ視聴装置11の割合Rxが所定値以上である場合、受信エラーの要因箇所はコンテンツ視聴装置11におけるファームウェアであると判定する。すなわち、処理部22は、受信エラーが発生したコンテンツ視聴装置11のうちの割合Rx以上のコンテンツ視聴装置11において、変化点Vp1を含む対象期間P2内にファームウェアの更新が行われていた場合、受信エラーはファームウェアの更新により発生したものであると判定する。
【0091】
一方、処理部22は、抽出したコンテンツ視聴装置11のうちの、対象期間P2に最終更新日UD1が含まれるコンテンツ視聴装置11の割合Rxが所定値未満である場合、受信エラーの要因箇所はコンテンツ視聴装置11におけるファームウェアではないと判定する。
【0092】
(要因判定処理の具体例3)
処理部22は、変化点Vp1を含む所定長の対象期間P3と、コンテンツ視聴装置11におけるアプリケーションの最終更新日UD2とに基づいて、受信エラーの要因箇所がコンテンツ視聴装置11におけるアプリケーションであるか否かを判定する。
【0093】
たとえば、処理部22は、要因判定処理の具体例1において要因箇所がONU13とコンテンツ視聴装置11との間に含まれると判定した場合、記憶部23における対応テーブルTbを参照し、コンテンツの受信エラーが発生した複数のコンテンツ視聴装置11のうちの、変化量Vaおよび変化量Vbのうちの大きい方に対応するコンテンツ視聴装置11を抽出する。
【0094】
より詳細には、処理部22は、変化量Vaと変化量Vbとの差分D1が所定値以上であり、かつ変化量Vbが変化量Vaよりも大きい場合、コンテンツの受信エラーが発生した複数のコンテンツ視聴装置11のうちの、コンテンツの受信に無線通信を利用していないコンテンツ視聴装置11を抽出する。
【0095】
一方、処理部22は、変化量Vaと変化量Vbとの差分D1が所定値以上であり、かつ変化量Vaが変化量Vbよりも大きい場合、コンテンツの受信エラーが発生した複数のコンテンツ視聴装置11のうちの、コンテンツの受信に無線通信を利用しているコンテンツ視聴装置11を抽出する。
【0096】
処理部22は、抽出したコンテンツ視聴装置11におけるアプリケーションの最終更新日UD2を確認する。
【0097】
処理部22は、抽出したコンテンツ視聴装置11のうちの、対象期間P3に最終更新日UD2が含まれるコンテンツ視聴装置11の割合Ryが所定値以上である場合、受信エラーの要因箇所はコンテンツ視聴装置11におけるアプリケーションであると判定する。すなわち、処理部22は、受信エラーが発生したコンテンツ視聴装置11のうちの割合Ry以上のコンテンツ視聴装置11において、変化点Vp1を含む対象期間P3内にアプリケーションの更新が行われていた場合、受信エラーはアプリケーションの更新により発生したものであると判定する。
【0098】
一方、処理部22は、抽出したコンテンツ視聴装置11のうちの、対象期間P3に最終更新日UD2が含まれるコンテンツ視聴装置11の割合Ryが所定値未満である場合、受信エラーの要因箇所はコンテンツ視聴装置11におけるアプリケーションではないと判定する。
【0099】
たとえば、処理部22は、要因判定処理の具体例1において要因箇所がONU13とコンテンツ視聴装置11との間に含まれると判定した場合において、要因判定処理の具体例2,3において受信エラーの要因箇所はコンテンツ視聴装置11におけるファームウェアおよびアプリケーションのいずれでもないと判定した場合、要因箇所は、ユーザ宅内における無線通信機器等のコンテンツ視聴装置11以外の他の機器であると判定する。
【0100】
(要因判定処理の具体例4)
処理部22は、保守情報にさらに基づいて、コンテンツの受信エラーの要因箇所を判定する。たとえば、処理部22は、変化点Vp1を含む所定長の対象期間P4と、保守情報が示すメンテナンス期間Pmとに基づいて、受信エラーの要因箇所がヘッドエンド10であるか否かを判定する。
【0101】
より詳細には、処理部22は、要因判定処理の具体例1において要因箇所がヘッドエンド10とONU13との間に含まれると判定した場合、記憶部23における保守情報が示すメンテナンス期間PmおよびメンテナンスチャンネルCmを確認する。
【0102】
処理部22は、対象期間P4にメンテナンス期間Pmが含まれ、かつすべてのエラー情報のうちの、メンテナンスチャンネルCmと一致するエラーチャンネルCeを含むエラー情報の割合Rzが所定値以上である場合、受信エラーの要因箇所はヘッドエンド10であると判定する。すなわち、処理部22は、対象期間P4にメンテナンス期間Pmが含まれ、かつエラーチャンネルCeのうちの割合Rz以上がメンテナンスチャンネルCmと一致する場合、受信エラーはヘッドエンド10におけるメンテナンス作業の影響により発生したものであると判定する。
【0103】
一方、処理部22は、対象期間P4にメンテナンス期間Pmが含まれないか、またはすべてのエラー情報のうちのメンテナンスチャンネルCmと一致するエラーチャンネルCeを含むエラー情報の割合Rzが所定値未満である場合、受信エラーの要因箇所はヘッドエンド10ではないと判定する。
【0104】
(要因判定処理の具体例5)
処理部22は、地域情報にさらに基づいて、コンテンツの受信エラーの要因箇所を判定する。
【0105】
図9は、本開示の実施の形態に係る管理装置の管理対象の対象地域を示す図である。
図9において、太線で囲まれた領域は、対象領域A1を示している。
図9を参照して、たとえば、処理部22は、変化点Vp1を含む所定長の対象期間P5と、対象地域A1が分割された所定の分割領域Adに設置されたコンテンツ視聴装置11におけるエラー発生割合Rcとに基づいて、受信エラーの要因箇所がネットワーク201における中継機器であるか否を判定する。
【0106】
より詳細には、処理部22は、要因判定処理の具体例1において要因箇所がヘッドエンド10とONU13との間に含まれると判定した場合、記憶部23における対応テーブルTbを参照し、所定の分割領域Adごとに、当該分割領域Adに設置される複数のコンテンツ視聴装置11を抽出する。そして、処理部22は、分割領域Adごとに、抽出したコンテンツ視聴装置11のうちの、コンテンツの受信エラーが発生したコンテンツ視聴装置11の割合を示すエラー発生割合Rcを算出する。
【0107】
処理部22は、分割領域Adに対応するエラー発生割合Rcの、対象期間P5における変化量Vcが所定値以上である場合、受信エラーの要因箇所は、当該分割領域Adに設置されたコンテンツ視聴装置11へ放送パケットを中継するための中継装置であると判定する。
【0108】
たとえば、処理部22は、要因判定処理の具体例1において要因箇所がヘッドエンド10とONU13との間に含まれると判定した場合において、要因判定処理の具体例4,5において受信エラーの要因箇所はヘッドエンド10および中継機器のいずれでもないと判定した場合、要因箇所は、ユーザ宅外におけるヘッドエンド10および中継機器以外の他の機器であると判定する。
【0109】
[動作の流れ]
図10は、本開示の実施の形態に係る管理装置が異常判定処理を行う際の動作手順の一例を定めたフローチャートである。
【0110】
図10を参照して、まず、管理装置101は、コンテンツ配信システム1における各コンテンツ視聴装置11からONU13およびネットワーク201経由で地域情報を受信する(ステップS11)。
【0111】
次に、管理装置101は、コンテンツ配信システム1における各コンテンツ視聴装置11からの受信結果情報および動作情報の到来を待ち受け(ステップS12でNO)、各コンテンツ視聴装置11からONU13およびネットワーク201経由で受信結果情報および動作情報を受信すると(ステップS12でYES)、ヘッドエンド10から保守情報要求を取得する(ステップS13)。
【0112】
次に、管理装置101は、各コンテンツ視聴装置11から受信した受信結果情報に基づいて、コンテンツ配信システム1におけるすべてのコンテンツ視聴装置11のうちの、コンテンツの受信エラーが発生したコンテンツ視聴装置11の割合を示すエラー発生割合R1を算出する(ステップS14)。
【0113】
次に、管理装置101は、エラー発生割合R1としきい値Th1とを比較する(ステップS15)。
【0114】
次に、管理装置101は、エラー発生割合R1がしきい値Th1以下である場合(ステップS16でNO)、コンテンツ配信システム1における各コンテンツ視聴装置11からの新たな受信結果情報および新たな動作情報の到来を待ち受ける(ステップS12でNO)。
【0115】
一方、管理装置101は、エラー発生割合R1がしきい値Th1を超えた場合(ステップS16でYES)、エラー発生割合がしきい値Th1を超えた日時である変化点Vp1を特定する(ステップS17)。
【0116】
次に、管理装置101は、要因判定処理を行う(ステップS18)。
【0117】
次に、管理装置101は、要因判定処理における判定結果を音声または画像により管理装置101のユーザに通知する(ステップS19)。次に、管理装置101は、コンテンツ配信システム1における各コンテンツ視聴装置11からの新たな受信結果情報および新たな動作情報の到来を待ち受ける(ステップS12でNO)。
【0118】
図11は、本開示の実施の形態に係る管理装置が異常判定処理を行う際の動作手順の一例を定めたフローチャートである。
図11は、
図10におけるステップS18の詳細を示している。
【0119】
図11を参照して、まず、管理装置101は、コンテンツの受信に無線通信を利用しているコンテンツ視聴装置11を抽出し、抽出したコンテンツ視聴装置11のうちの、コンテンツの受信エラーが発生したコンテンツ視聴装置11の割合を示すエラー発生割合Raを算出する。また、管理装置101は、コンテンツの受信に無線通信を利用していないコンテンツ視聴装置11を抽出し、抽出したコンテンツ視聴装置11のうちの、コンテンツの受信エラーが発生したコンテンツ視聴装置11の割合を示すエラー発生割合Rbを算出する(ステップS21)
【0120】
次に、管理装置101は、変化点Vp1を含む所定長の対象期間P1におけるエラー発生割合Raの変化量Vaと、対象期間P1におけるエラー発生割合Rbの変化量Vbとを算出する(ステップS22)。
【0121】
次に、管理装置101は、変化量Vaと変化量Vbとの差分D1が所定値以上である場合(ステップS23でYES)、受信エラーの要因箇所は、ONU13とコンテンツ視聴装置11との間に含まれると判定する(ステップS24)。
【0122】
次に、管理装置101は、ONU13とコンテンツ視聴装置11との間における要因箇所を絞り込む(ステップS25)。
【0123】
一方、管理装置101は、変化量Vaと変化量Vbとの差分D1が所定値未満である場合(ステップS23でNO)、受信エラーの要因箇所は、ヘッドエンド10とONU13との間に含まれると判定する(ステップS26)。
【0124】
次に、管理装置101は、ヘッドエンド10とONU13との間における要因箇所を絞り込む(ステップS27)。
【0125】
図12は、本開示の実施の形態に係る管理装置が異常判定処理を行う際の動作手順の一例を定めたフローチャートである。
図12は、
図11におけるステップS25の詳細を示している。
【0126】
図12を参照して、まず、管理装置101は、対応テーブルTbを参照し、コンテンツの受信エラーが発生した複数のコンテンツ視聴装置11のうちの、変化量Vaおよび変化量Vbのうちの大きい方に対応するコンテンツ視聴装置11を抽出する。たとえば、管理装置101は、変化量Vbが変化量Vaよりも大きい場合、コンテンツの受信エラーが発生した複数のコンテンツ視聴装置11のうちの、コンテンツの受信に無線通信を利用していないコンテンツ視聴装置11を抽出する(ステップS31)。
【0127】
次に、管理装置101は、抽出したコンテンツ視聴装置11におけるファームウェアの最終更新日UD1を確認する(ステップS32)。
【0128】
次に、管理装置101は、抽出したコンテンツ視聴装置11のうちの、対象期間P2に最終更新日UD1が含まれるコンテンツ視聴装置11の割合Rxが所定値以上である場合(ステップS33でYES)、受信エラーの要因箇所はコンテンツ視聴装置11におけるファームウェアであると判定する(ステップS34)。
【0129】
一方、管理装置101は、割合Rxが所定値未満である場合(ステップS33でNO)、抽出したコンテンツ視聴装置11におけるアプリケーションの最終更新日UD2を確認する(ステップS35)。
【0130】
次に、管理装置101は、抽出したコンテンツ視聴装置11のうちの、対象期間P2に最終更新日UD2が含まれるコンテンツ視聴装置11の割合Ryが所定値以上である場合(ステップS36でYES)、受信エラーの要因箇所はコンテンツ視聴装置11におけるアプリケーションであると判定する(ステップS37)。
【0131】
一方、管理装置101は、割合Ryが所定値未満である場合(ステップS36でNO)、要因箇所は、ユーザ宅内における無線通信機器等のコンテンツ視聴装置11以外の他の機器であると判定する(ステップS38)。
【0132】
なお、上記ステップS32,S33,S34とS35,S36,S37との順番は、上記に限らず、順番を入れ替えてもよい。
【0133】
図13は、本開示の実施の形態に係る管理装置が異常判定処理を行う際の動作手順の一例を定めたフローチャートである。
図13は、
図11におけるステップS27の詳細を示している。
【0134】
図13を参照して、まず、管理装置101は、記憶部23における保守情報が示すメンテナンス期間PmおよびメンテナンスチャンネルCmを確認する(ステップS41)。
【0135】
次に、管理装置101は、対象期間P4にメンテナンス期間Pmが含まれ、かつすべてのエラー情報のうちの、メンテナンスチャンネルCmと一致するエラーチャンネルCeを含むエラー情報の割合Rzが所定値以上である場合(ステップS42でYES)、受信エラーの要因箇所はヘッドエンド10であると判定する(ステップS43)。
【0136】
一方、管理装置101は、対象期間P4にメンテナンス期間Pmが含まれないか、または割合Rzが所定値未満である場合(ステップS42でNO)、分割領域Adごとに、当該分割領域Adに設置される複数のコンテンツ視聴装置11を抽出し、抽出したコンテンツ視聴装置11のうちの、コンテンツの受信エラーが発生したコンテンツ視聴装置11の割合を示すエラー発生割合Rcを算出する(ステップS44)。
【0137】
次に、管理装置101は、分割領域Adに対応するエラー発生割合Rcの、対象期間P5における変化量Vcが所定値以上である場合(ステップS45でYES)、受信エラーの要因箇所は、当該分割領域Adに設置されたコンテンツ視聴装置11へ放送パケットを中継するための中継装置であると判定する(ステップS46)。
【0138】
次に、管理装置101は、変化量Vcが所定値未満である場合(ステップS45でNO)、要因箇所は、ユーザ宅外における無線通信機器等のコンテンツ視聴装置11以外の他の機器であると判定する(ステップS47)。
【0139】
なお、上記ステップS41,S42,S43,S44とS45,S46,S47との順番は、上記に限らず、順番を入れ替えてもよい。
【0140】
また、本開示の実施の形態に係る管理装置101では、処理部22は、コンテンツの受信エラーの要因箇所が、コンテンツ視聴装置11の内部であるか、またはコンテンツ視聴装置11の外部であるかを判定する構成であるとしたが、これに限定するものではない。たとえば、処理部22は、受信エラーの要因箇所が、ヘッドエンド10であるか、またはネットワーク201における中継機器であるかを判定する一方で、受信エラーの要因箇所が、コンテンツ視聴装置11の内部であるか、またはコンテンツ視聴装置11の外部であるかの判定を行わない構成であってもよい。
【0141】
また、本開示の実施の形態に係る管理装置101では、取得部21は、ソフトウェア情報およびネットワーク情報を含む動作情報を取得する構成であるとしたが、これに限定するものではない。取得部21は、ソフトウェア情報およびネットワーク情報を含まない代わりに、コンテンツ視聴装置11の動作状態を示す他の情報を含む動作情報を取得する構成であってもよい。
【0142】
また、本開示の実施の形態に係る管理装置101では、処理部22は、保守情報に基づいて、上述した要因判定処理の具体例4を行う構成であるとしたが、これに限定するものではない。処理部22は、要因判定処理の具体例4を行わない構成であってもよい。
【0143】
また、本開示の実施の形態に係る管理装置101では、処理部22は、地域情報に基づいて、上述した要因判定処理の具体例5を行う構成であるとしたが、これに限定するものではない。処理部22は、要因判定処理の具体例5を行わない構成であってもよい。
【0144】
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0145】
上述の実施形態の各処理(各機能)は、1または複数のプロセッサを含む処理回路(Circuitry)により実現される。上記処理回路は、上記1または複数のプロセッサに加え、1または複数のメモリ、各種アナログ回路、各種デジタル回路が組み合わされた集積回路等で構成されてもよい。上記1または複数のメモリは、上記各処理を上記1または複数のプロセッサに実行させるプログラム(命令)を格納する。上記1または複数のプロセッサは、上記1または複数のメモリから読み出した上記プログラムに従い上記各処理を実行してもよいし、予め上記各処理を実行するように設計された論理回路に従って上記各処理を実行してもよい。上記プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、およびASIC(Application Specific Integrated Circuit)等、コンピュータの制御に適合する種々のプロセッサであってよい。なお、物理的に分離した上記複数のプロセッサが互いに協働して上記各処理を実行してもよい。たとえば、物理的に分離した複数のコンピュータのそれぞれに搭載された上記プロセッサがLAN(Local Area Network)、WAN (Wide Area Network)、およびインターネット等のネットワークを介して互いに協働して上記各処理を実行してもよい。上記プログラムは、外部のサーバ装置等から上記ネットワークを介して上記メモリにインストールされても構わないし、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、および半導体必須メモリ等の記録媒体に格納された状態で流通し、上記記録媒体から上記メモリにインストールされても構わない。
【0146】
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
[付記1]
コンテンツ配信装置からコンテンツを受信するコンテンツ視聴装置と通信可能な管理装置であって、
複数の前記コンテンツ視聴装置の各々における前記コンテンツの受信エラーに関するエラー情報、および複数の前記コンテンツ視聴装置の各々の動作状態を示す動作情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記エラー情報および前記動作情報に基づいて、前記コンテンツ配信装置と前記コンテンツ視聴装置との間における、前記受信エラーの要因箇所を判定する判定部とを備え、
前記判定部は、前記複数のコンテンツ視聴装置のうちの、コンテンツの受信エラーが発生した前記コンテンツ視聴装置の割合が所定のしきい値を超えた場合、前記割合が前記しきい値を超えた日時である変化点を特定し、特定した前記変化点および前記動作情報に基づいて、前記要因箇所を判定する、管理装置。
【0147】
[付記2]
コンテンツ配信装置からコンテンツを受信するコンテンツ視聴装置と通信可能な管理装置であって、
処理回路を備え、
前記処理回路は、
複数の前記コンテンツ視聴装置の各々における前記コンテンツの受信エラーに関するエラー情報、および複数の前記コンテンツ視聴装置の各々の動作状態を示す動作情報を取得し、
取得した前記エラー情報および前記動作情報に基づいて、前記コンテンツ配信装置と前記コンテンツ視聴装置との間における、前記受信エラーの要因箇所を判定する、管理装置。
【符号の説明】
【0148】
1 コンテンツ配信システム
10 ヘッドエンド
11 コンテンツ視聴装置
12 表示装置
13 ONU
14 HDD
15 リモコン
21 取得部
22 処理部
23 記憶部
101 管理装置
111 受信部
112 処理部
113 記憶部
151 リモコン操作部
1111 リモコン信号受信部
1112 放送受信部
1121 消去部
1122 録画部
1123 録画予約部
1124 放送視聴部
1125 録画再生部
1126 受信情報生成部
1127 動作状態生成部
1128 送信処理部
1131 録画DB
1132 番組情報DB
1133 予約管理DB
201 ネットワーク
Tb 対応テーブル
Vp1 変化点
P1 対象期間
Th1 しきい値
R1,Ra,Rb エラー発生割合
A1 対象地域
Ad 分割領域