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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023174132
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】筐体装置
(51)【国際特許分類】
   E05B 49/00 20060101AFI20231130BHJP
   E05B 19/00 20060101ALI20231130BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20231130BHJP
   B60R 25/24 20130101ALI20231130BHJP
【FI】
E05B49/00 J
E05B19/00 E
H02J50/10
B60R25/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022086812
(22)【出願日】2022-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】小杉 正則
【テーマコード(参考)】
2E250
【Fターム(参考)】
2E250AA21
2E250BB08
2E250BB33
2E250CC01
2E250FF23
2E250FF36
2E250HH01
2E250JJ03
2E250LL01
(57)【要約】
【課題】無線通信に基づいて被制御装置を遠隔制御する携帯通信装置が格納される筐体装置において消費される電力を抑制する。
【解決手段】無線通信に基づいて被制御装置を遠隔制御する電子キー12は、電池Bまたは第一コイルが収容される収容部120を有しており、筐体装置の格納部131aに格納される。第二コイルは、筐体装置内に配置されており、収容部120に収容された第一コイルに無線給電を行なう。磁石138は、収容部120に磁力を作用させる。圧力センサ139aは、収容部120に収容された電池Bに前記磁力が作用することにより変化する物理量に対応する検出信号DTを出力する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一コイルまたは電池が収容される収容部を有しており、かつ無線通信に基づいて被制御装置を遠隔制御する携帯通信装置が格納される筐体装置であって、
前記携帯通信装置が格納される空間を区画している筐体と、
前記筐体内に配置されており、前記収容部に収容された前記第一コイルに無線給電を行なうための第二コイルと、
前記収容部に磁力を作用させる磁石と、
前記収容部に収容された前記電池に前記磁力が作用することにより変化する物理量に対応する検出信号を出力するセンサと、
を備えている、
筐体装置。
【請求項2】
前記物理量は、前記携帯通信装置から加わる荷重である、
請求項1に記載の筐体装置。
【請求項3】
前記磁力により変位する可動体を備えており、
前記物理量は、前記可動体の変位に伴い変化する、
請求項1に記載の筐体装置。
【請求項4】
前記物理量は、磁力である、
請求項1に記載の筐体装置。
【請求項5】
磁石を備えた第一コイルまたは電池が収容される収容部を有しており、かつ無線通信に基づいて被制御装置を遠隔制御する携帯通信装置が格納される筐体装置であって、
前記携帯通信装置が格納される空間を区画している筐体と、
前記筐体内に配置されており、前記収容部に収容された前記第一コイルに無線給電を行なうための第二コイルと、
検出された磁力に対応する検出信号を出力するセンサと、
を備えている、
筐体装置。
【請求項6】
開閉体により開閉される空間に配置されるように構成されており、
前記被制御装置は、前記開閉体の施解錠を行なう施解錠装置を含んでいる、
請求項1から5のいずれか一項に記載の筐体装置。
【請求項7】
前記空間は、移動体の一部である、
請求項6に記載の筐体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線通信に基づいて被制御装置を遠隔制御する携帯通信装置を格納する筐体装置に関連する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、車両のドアにより開閉される車室内に配置される筐体装置を開示している。筐体装置は、格納部、通信部、およびアクチュエータを備えている。格納部は、無線携帯通信装置の一例としての電子キーを格納する。電子キーは、特定の操作がなされることにより、無線通信を通じて当該車両に搭載された制御装置に被制御装置の一例としての施解錠装置の制御を行なわせる装置である。ユーザによる携帯が可能であるモバイル装置から通信部が施解錠指示を受信すると、アクチュエータは、電子キーに対して上記特定の操作を行なう。これにより、車室内に電子キーを残した状態で、例えば車室外からモバイル装置を通じて施解錠装置の動作を遠隔制御できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】欧州特許出願公開第3418985号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような筐体装置において消費される電力を抑制することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示により提供される態様例の一つは、第一コイルまたは電池が収容される収容部を有しており、かつ無線通信に基づいて被制御装置を遠隔制御する携帯通信装置が格納される筐体装置であって、
前記携帯通信装置が格納される空間を区画している筐体と、
前記筐体内に配置されており、前記収容部に収容された前記第一コイルに無線給電を行なうための第二コイルと、
前記収容部に磁力を作用させる磁石と、
前記収容部に収容された前記電池に前記磁力が作用することにより変化する物理量に対応する検出信号を出力するセンサと、
を備えている。
【0006】
上記のような構成によれば、検出信号の状態が変化したという事実に基づいて、携帯通信装置の収容部に電池が収容されていると判断できる。これにより、携帯通信装置内に電池が残留している状態で無線給電が実行されることによる無用の電力消費の回避を促すことができる。したがって、無線通信に基づいて被制御装置の動作を遠隔操作する携帯通信装置を格納する筐体装置において消費される電力を抑制できる。
【0007】
本開示により提供される態様例の一つは、磁石を備えた第一コイルまたは電池が収容される収容部を有しており、かつ無線通信に基づいて被制御装置を遠隔制御する携帯通信装置が格納される筐体装置であって、
前記携帯通信装置が格納される空間を区画している筐体と、
前記筐体内に配置されており、前記収容部に収容された前記第一コイルに無線給電を行なうための第二コイルと、
検出された磁力に対応する検出信号を出力するセンサと、
を備えている。
【0008】
上記のような構成によれば、検出信号が示す磁力が閾値よりも小さいという事実に基づいて、携帯通信装置の収容部に電池が収容されていると判断できる。これにより、携帯通信装置内に電池が残留している状態で無線給電が実行されることによる無用の電力消費の回避を促すことができる。したがって、無線通信に基づいて被制御装置の動作を遠隔操作する携帯通信装置を格納する筐体装置において消費される電力を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態に係る遠隔制御システムの構成を例示している。
図2図1の筐体装置の構成の一例を示している。
図3】一実施形態に係る無線給電システムの回路構成を例示している。
図4図2の筐体装置の動作の一例を示している。
図5図2の筐体装置の動作の一例を示している。
図6図2の格納部の構成の一例を示している。
図7】電子キー内に電池が収容されている場合における図6の構成の動作を示している。
図8図2の格納部の構成の別例を示している。
図9】電子キー内に電池が収容されている場合における図8の構成の動作を示している。
図10図2の格納部の構成の別例を示している。
図11】電子キー内に電池が収容されている場合における図10の構成の動作を示している。
図12図2の格納部の構成の別例を示している。
図13】電子キー内に電池が収容されている場合における図12の構成の動作を示している。
図14図2の格納部の構成の別例を示している。
図15】電子キー内に電池が収容されている場合における図14の構成の動作を示している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付の図面を参照しつつ、実施形態の例について以下詳細に説明する。図1は、一実施形態に係る遠隔制御システム10の構成を例示している。各図においては、例示される各要素を認識可能な大きさとするために、縮尺を適宜に変更している。
【0011】
遠隔制御システム10は、モバイル装置11を含んでいる。モバイル装置11は、ユーザ20により携帯可能な装置である。モバイル装置11の例としては、スマートフォンなどの汎用携帯情報端末が挙げられる。
【0012】
遠隔制御システム10は、電子キー12を含んでいる。電子キー12もまた、ユーザ20による携帯が可能な装置である。電子キー12は、第一無線通信に基づいて車両30に搭載された制御装置31に施解錠装置32の動作制御を行なわせることが可能な無線通信装置である。施解錠装置32は、車両30の車室33を開閉するドア34を施解錠する装置である。
【0013】
車両30は、移動体の一例である。施解錠装置32は、被制御装置の一例である。ドア34は、開閉体の一例である。車室33は、開閉体により開閉される空間の一例である。
【0014】
第一無線通信は、第一周波数帯を用いる第一信号S1と第二周波数帯を用いる第二信号S2の送受信を含んでいる。第一周波数帯と第二周波数帯は相違している。第一周波数帯の例としては、長波(LF)帯が挙げられる。第二周波数帯の例としては、極超短波(UHF)帯が挙げられる。換言すると、電子キー12は、施解錠装置32の制御に必要な情報を出力する。
【0015】
具体的には、車両30における適宜の箇所に配置された通信装置を通じて第一信号S1が送信される。第一信号S1の送信は、連続的になされてもよいし、断続的になされてもよい。電子キー12は、第一信号S1の受信と第二信号S2の送信が可能なアンテナを含む通信装置を備えている。電子キー12は、第一信号S1を受信すると第二信号S2を送信するように構成されている。第二信号S2は、電子キー12の認証に必要な認証情報を含むように構成されている。認証情報は、電子キー12とユーザ20の少なくとも一方を特定可能な情報である。
【0016】
制御装置31は、車両30における適宜の箇所に配置された通信装置を通じて第二信号S2を受信すると、認証処理を実行するように構成されている。具体的には、制御装置31は、第二信号S2に含まれる認証情報を、不図示の記憶装置に予め格納されている電子キー12の認証情報と照合するように構成されている。両情報の一致度が閾値を上回る場合、制御装置31は、電子キー12の認証が成立したと判断する。
【0017】
制御装置31は、電子キー12の認証が成立したと判断されると、施解錠装置32にドア34の施解錠を許可する制御信号CSを出力するように構成されている。この状態でユーザ20が例えばドアハンドルに設けられたタッチセンサに触れると、施解錠装置32はドア34を施解錠する。
【0018】
すなわち、電子キー12を携帯したユーザ20が第一信号S1を受信可能な領域に進入すると、第一無線通信を通じて電子キー12の認証がなされる。認証が成立すると、ユーザ20は、キーをキーシリンダに挿入して回すといった動作を行なうことなく、ドア34を施解錠できる。
【0019】
遠隔制御システム10は、筐体装置13を含んでいる。筐体装置13は、車両30の車室33内における適宜の場所に設置されるように構成されている。当該場所には、車室33内に設置されたグローブボックスやアクセサリボックスなどの収容空間が含まれうる。筐体装置13は、電子キー12を格納できるように構成されている。すなわち、電子キー12は、車室33内に配置されうる。
【0020】
図2に例示されるように、筐体装置13は、筐体131を備えている。筐体131は、少なくとも第二信号S2が透過可能な材料により形成されている。筐体131は、電子キー12が格納される格納部131aを有している。
【0021】
筐体装置13は、アクチュエータ132を備えている。アクチュエータ132は、格納部131aに格納された電子キー12の可動部121を操作可能に構成されている。電子キー12は、可動部121に対して所定の操作がなされると、第一信号S1の受信状態に依らず第二信号S2を送信するように構成されている。可動部121は、ボタンやレバーなどにより実現されうる。アクチュエータ132は、ソレノイド、カム機構、ラックピニオン機構などにより実現されうる。電子キー12に第二信号S2を送信させるための可動部121の操作の例としては、少なくとも一回の押下操作などが挙げられる。
【0022】
筐体装置13は、通信部133を備えている。通信部133は、モバイル装置11と第二無線通信を行なうためのアンテナを備えている。本例においては、第二無線通信は、短距離無線通信である。
【0023】
本明細書において用いられる「短距離無線通信」という語は、標準規格であるIEEE802.15またはIEEE802.11に準拠して行なわれる無線通信を意味する。そのような無線通信を実行可能な技術としては、Bluetooth(登録商標)、Bluetooth Low Energy(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、UWB(Ultra Wide Band)などが挙げられる。本明細書における「短距離無線通信」は、読取装置から送信される電波から微小な電力を得てモバイル装置が情報の送信を行なう非接触通信技術を用いる「近接無線通信」とは区別される。近接無線通信を実行可能な技術としては、RF-IDやNFCなどが挙げられる。
【0024】
電子キー12は、第一信号S1に応答して第二信号S2を送信する通信装置に電力を供給するための電池を収容可能な収容部120を備えている。収容部120は、当該電池に代えて、第一コイル122も収容可能に構成されている。第一コイル122は、軸心122aを有する空芯コイルである。
【0025】
本例に係る筐体装置13は、第二コイル134を備えている。第二コイル134は、軸心134aを有する空芯コイルである。第二コイル134は、格納部131aに格納された電子キー12の第一コイル122を包囲するように配置されている。
【0026】
本明細書で用いられる「第二コイル134が第一コイル122を包囲する」という表現は、第二コイル134の軸心134aに直交する向きから見て第一コイル122と第二コイル134の少なくとも一部が重なっている状態を意味している。
【0027】
本例に係る筐体装置13は、電源135を備えている。電源135は、交流電源である。電源135の動作周波数は、上記の第一信号S1の周波数および第二信号S2の周波数と異なるように、かつ第一信号S1の周波数および第二信号S2の周波数の各々に影響を与えないように定められる。例えば、第一信号S1の周波数および第二信号S2の周波数の各々の逓倍である周波数は使用されない。
【0028】
具体的には、図3に例示されるように、電源135は、第二コイル134およびコンデンサ136とともに一次側の無線給電回路を形成している。第二コイル134とコンデンサ136は、LC直列共振回路を形成している。当該無線給電回路は、給電制御装置の一例である。
【0029】
他方、電子キー12においては、第一コイル122がコンデンサ123、ダイオード124、およびコンデンサ125とともに二次側の無線給電回路を形成している。第一コイル122とコンデンサ123は、共振ループ回路を形成している。ダイオード124は半端整流を行なうために設けられている。コンデンサ125は、平滑化を行なうために設けられている。
【0030】
筐体装置13に電子キー12が格納された状態で車両30のドア34の解錠を希望するユーザ20は、モバイル装置11に対して所定の操作を入力する。操作入力は、スイッチまたはスイッチ画像の操作、音声指示入力、ジェスチャ入力などによりなされうる。図1に例示されるように、モバイル装置11は、当該所定の操作に基づいて解錠信号ULを送信するように構成されている。
【0031】
図2に例示されるように、筐体装置13は、制御部137を備えている。制御部137は、アクチュエータ132と電源135の動作を制御可能に構成されている。
【0032】
具体的には、図4に例示されるように、制御部137は、通信部133により解錠信号ULが受信されると、電源135に第二コイル134への給電を行なわせるように構成されている。これにより、第二コイル134から第一コイル122への無線給電がなされ、第一コイル122に起電力が発生する。
【0033】
図3に例示されるように、電子キー12には電圧レギュレータ126が搭載されている。電圧レギュレータ126は、無線給電により第一コイル122に生じた電力を所定の値に制限して負荷127へ供給するように構成されている。負荷127は、第二信号S2の送信に必要な要素を含んでいる。
【0034】
加えて、制御部137は、通信部133により解錠信号ULが受信されると、電子キー12に第二信号S2を送信させるための可動部121の操作をアクチュエータ132に行なわせるように構成されている。
【0035】
したがって、通信部133により解錠信号ULが受信されると、無線給電を通じて電子キー12が起動され、アクチュエータ132による可動部121の操作を通じて、図5に例示されるように電子キー12から第二信号S2が送信される。
【0036】
電子キー12から送信された第二信号S2は、車両30に搭載された制御装置31により受信される。前述の通り、制御装置31は、第二信号S2を受信すると、電子キー12の認証処理を行なう。認証処理が成立すると、制御装置31は、施解錠装置32にドア34を解錠させる制御信号CSを出力する。第二信号S2は、遠隔制御信号の一例である。
【0037】
よって、車室33内に設置された筐体装置13に電子キー12が格納された状態でユーザ20がモバイル装置11から解錠信号ULを送信すると、ドア34を解錠できる。換言すると、ユーザ20は、電子キー12を携帯せずとも、車室33の外からモバイル装置11に対する所定の操作を通じてドア34を解錠できる。
【0038】
図6は、筐体装置13の筐体131における格納部131aの構成を拡大して例示している。同図においては、第二コイル134の図示は省略されている。
【0039】
筐体装置13は、磁石138を備えている。磁石138は、格納部131aに格納された電子キー12の収容部120に磁力を作用させることができるように配置されている。磁石138を形成する材料は、適宜に選択されうる。
【0040】
筐体装置13は、圧力センサ139aを備えている。圧力センサ139aは、印加された圧力に対応する検出信号DTを、制御部137へ出力するように構成されている。本例においては、圧力センサ139aは、格納部131aに格納された電子キー12の底面と対向するように配置されている。したがって、電子キー12から圧力センサ139aに加わる荷重に対応する検出信号DTが出力される。
【0041】
図7は、電子キー12の収容部120に電池Bが収容されている状況を例示している。磁石138から発生する磁力は、電池Bを磁石138に向かって引き付ける引力Fとして作用する。これにより、電子キー12が圧力センサ139aに押し付けられ、圧力センサ139aに加わる荷重が増加する。電子キー12から圧力センサ139aに加わる荷重は、電池に磁力が作用することにより変化する物理量の一例である。
【0042】
制御部137に入力される検出信号DTは、上記の荷重の増加に伴い変化する。制御部137は、当該変化に基づいて、圧力センサ139aに加わる荷重の変化を検出する。制御部137は、荷重の変化が検出された場合に、電子キー12内に電池Bが収容されていると判断するように構成されている。
【0043】
なお、圧力センサ139aは、初期状態から荷重変化が生じた場合に検出信号DTを出力するように構成されてもよい。あるいは、圧力センサ139aは、加えられた荷重が初期加重の値よりも大きな閾値を超えた場合に検出信号DTを出力するように構成されてもよい。いずれの場合においても、制御部137は、電池Bに作用する磁力による圧力センサ139aに加わる荷重の変化を検出できる。
【0044】
この場合、制御部137は、電池Bを第一コイル122で交換するように促す報知を行ないうる。報知は、視覚的報知、聴覚的報知、および触覚的報知の少なくとも一つを用いて行なわれうる。報知は、筐体装置13により行なわれてもよいし、第二無線通信を通じてモバイル装置11に行なわせてもよい。
【0045】
これに加えてあるいは代えて、制御部137は、第二コイル134による無線給電を中止または禁止するように構成されうる。
【0046】
上記のような構成によれば、検出信号DTの状態が変化したという事実に基づいて、電子キー12の収容部120に電池Bが収容されていると判断できる。これにより、電子キー12内に電池Bが残留している状態で無線給電が実行されることによる無用の電力消費の回避を促すことができる。したがって、無線通信に基づいて施解錠装置32の動作を遠隔操作する電子キー12を格納する筐体装置13において消費される電力を抑制できる。
【0047】
図8は、格納部131aの構成の別例を示している。図6を参照して説明した構成における要素と実質的に同じ要素については同一の参照符号を付与し、繰り返しとなる説明は省略する。
【0048】
本例においては、格納部131aは、可動体131bを備えている。可動体131bは、格納部131aに格納された電子キー12に対して相対位置が変化しうるように構成されている。可動体131bは、筐体131内の適宜の箇所に支持されうる。可動体131bは、磁石138を支持している。
【0049】
本例においては、圧力センサ139aは、格納部131aに格納された電子キー12の収容部120と対向するように格納部131aに固定されている。可動体131bは、圧力センサ139aと対向するように配置されている。
【0050】
図9は、電子キー12の収容部120に電池Bが収容されている状況を例示している。磁石138から発生する磁力は、可動体131bを電池Bに向かって引き付ける引力Fとして作用する。これにより、可動体131bが圧力センサ139aに押し付けられ、圧力センサ139aに加わる荷重が増加する。可動体131bから圧力センサ139aに加わる荷重は、電池に磁力が作用することにより変化する物理量の一例である。
【0051】
制御部137に入力される検出信号DTは、上記の荷重の増加に伴い変化する。制御部137は、当該変化に基づいて、圧力センサ139aに加わる荷重の変化を検出する。本例においても、制御部137は、荷重の変化が検出された場合に、電子キー12内に電池Bが収容されていると判断するように構成されている。
【0052】
本例の構成によっても、検出信号DTの状態が変化したという事実に基づいて、電子キー12の収容部120に電池Bが収容されていると判断できる。
【0053】
図10は、格納部131aの構成の別例を示している。図6を参照して説明した構成における要素と実質的に同じ要素については同一の参照符号を付与し、繰り返しとなる説明は省略する。
【0054】
本例においては、格納部131aは、可動体131cを備えている。可動体131cは、格納部131aに格納された電子キー12に対して相対位置が変化しうるように構成されている。可動体131cは、片持ち梁状に格納部131aに支持されている。可動体131cは、磁石138を支持している。
【0055】
本例においては、筐体装置13は、歪みセンサ139bを備えている。歪みセンサ139bは、可動体131cに固定されている。歪みセンサ139bは、可動体131cに生じた歪み量に対応する検出信号DTを、制御部137へ出力するように構成されている。
【0056】
図11は、電子キー12の収容部120に電池Bが収容されている状況を例示している。磁石138から発生する磁力は、可動体131cを電池Bに向かって引き付ける引力Fとして作用する。これにより、可動体131cに歪みが生じる。可動体131cの歪み量は、電池に磁力が作用することにより変化する物理量の一例である。
【0057】
制御部137は、歪みセンサ139bから入力される検出信号DTに基づいて、可動体131cの変位を検出する。制御部137は、可動体131cの変位が検出された場合に、電子キー12内に電池Bが収容されていると判断するように構成されている。
【0058】
本例の構成によっても、検出信号DTの状態が変化したという事実に基づいて、電子キー12の収容部120に電池Bが収容されていると判断できる。
【0059】
図12は、格納部131aの構成の別例を示している。図6を参照して説明した構成における要素と実質的に同じ要素については同一の参照符号を付与し、繰り返しとなる説明は省略する。
【0060】
本例においては、筐体装置13は、磁気センサ139cを備えている。磁気センサ139cは、検出された磁力に対応する検出信号DTを制御部137へ出力するように構成されている。磁気センサ139cは、その少なくとも一部が第一コイル122の軸心122aに沿う方向から見て第一コイル122と重ならないように配置される。
【0061】
図13は、電子キー12の収容部120に電池Bが収容されている状況を例示している。電池Bの筐体は磁性を有しているので、磁石138から発生する磁場Mの分布が変化し、収容部120に第一コイル122が収容されている場合よりも大きな磁力が磁気センサ139cにより検出される。磁気センサ139cにより検出される磁力は、電池に磁力が作用することにより変化する物理量の一例である。
【0062】
制御部137は、検出信号DTに基づいて、磁気センサ139cにより検出された磁力が所定の閾値を上回るかを判断するように構成される。制御部137は、磁気センサ139cにより検出された磁力が当該閾値を上回る場合に、電子キー12内に電池Bが収容されていると判断するように構成される。
【0063】
本例の構成によれば、検出信号DTが示す磁力が閾値よりも大きいという事実に基づいて、電子キー12の収容部120に電池Bが収容されていると判断できる。
【0064】
図14は、格納部131aの構成の別例を示している。図6を参照して説明した構成における要素と実質的に同じ要素については同一の参照符号を付与し、繰り返しとなる説明は省略する。
【0065】
本例においては、第一コイル122が磁石122cを備えている。磁石122cとしては、ネオジム磁石などの永久磁石が用いられる。他方、筐体装置13は、磁石138を備えておらず、磁気センサ139cを備えている。磁気センサ139cは、検出された磁力に対応する検出信号DTを制御部137へ出力するように構成されている。磁気センサ139cは、磁石122cから発する磁力を作用させることが可能な位置に配置される。
【0066】
図15は、電子キー12の収容部120に電池Bが収容されている状況を例示している。電池Bの筐体は自発的に磁場を発生しないので、収容部120に第一コイル122が収容されている場合よりも小さな磁力が磁気センサ139cにより検出される。
【0067】
制御部137は、検出信号DTに基づいて、磁気センサ139cにより検出された磁力が所定の閾値を下回るかを判断するように構成される。制御部137は、磁気センサ139cにより検出された磁力が当該閾値を下回る場合に、電子キー12内に電池Bが収容されていると判断するように構成される。
【0068】
本例の構成によれば、検出信号DTが示す磁力が閾値よりも小さいという事実に基づいて、電子キー12の収容部120に電池Bが収容されていると判断できる。
【0069】
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための例示にすぎない。上記の実施形態に係る構成は、本発明の趣旨を逸脱しなければ、適宜に変更・改良されうる。
【0070】
上記の実施形態においては、磁石138から発生する磁力により生じる引力Fを利用して電子キー12の収容部120に電池Bが収容されている事実を検出している。しかしながら、磁石138から発生する磁力により生じる斥力を利用して当該事実が検出されるように、各要素の配置が適宜に変更されうる。
【0071】
上記の実施形態においては、筐体装置13の第二コイル134が電子キー12の第一コイル122を包囲するように配置されている。しかしながら、第一コイル122への無線給電を遂行可能であれば、筐体131内における第二コイル134の配置は適宜に変更されうる。
【0072】
上記の実施形態においては、制御装置31と電子キー12との間で行なわれる第一無線通信は、異なる周波数帯を使用している。しかしながら、第一無線通信は、同一の周波数帯を用いる適宜の無線通信規格に基づいて行なわれうる。
【0073】
上記の実施形態においては、モバイル装置11と筐体装置13の通信部133との間で行なわれる第二無線通信は、短距離無線通信である。この場合、車室33内に設置される筐体装置13の配置自由度を高めることができる。しかしながら、第二無線通信は、近接無線通信であってもよい。
【0074】
本開示に係る遠隔制御システム10は、他の移動体にも適用されうる。その他の移動体の例としては、鉄道、航空機、船舶などが挙げられる。当該移動体は、運転者を必要としなくてもよい。電子キー12により遠隔制御される被制御装置の種別は、移動体の仕様に応じて適宜に定められる。
【0075】
上記の実施形態においては、施解錠装置32により施解錠される開閉体として車室33を開閉するドア34が例示されている。ドア34の形態は、ヒンジドアであってもよいし、スライドドアであってもよい。車室33を開閉する開閉体は、サンルーフを含みうる。車両30に搭載される開閉体は、トランクやボンネットを含みうる。この場合、トランクやボンネットにより開閉される空間に筐体装置13が配置されてもよい。
【0076】
施解錠装置により施解錠される開閉体は、必ずしも移動体に搭載されることを要しない。住宅や施設における扉や窓もまた開閉体の一例になりうる。電子キー12により遠隔制御される被制御装置の種別は、当該住宅や施設の仕様に応じて適宜に定められる。
【符号の説明】
【0077】
12:電子キー、120:収容部、122:第一コイル、122a:軸心、122b:磁石、13:筐体装置、131:筐体、131a:格納部、131b、131c:可動体、134:第二コイル、138:磁石、139a:圧力センサ、139b:歪みセンサ、139c:磁気センサ、30:車両、32:施解錠装置、33:車室、34:ドア、B:電池、DT:検出信号
図1
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