(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023174135
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】折り畳みデスク
(51)【国際特許分類】
A47B 5/04 20060101AFI20231130BHJP
【FI】
A47B5/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022086815
(22)【出願日】2022-05-27
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和3年6月1日、電子メールの添付資料にて「折り畳みデスク」のチラシの発表
(71)【出願人】
【識別番号】000187231
【氏名又は名称】昭和有機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100177264
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 嘉秀
(74)【代理人】
【識別番号】100074561
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 隆生
(74)【代理人】
【識別番号】100124925
【弁理士】
【氏名又は名称】森岡 則夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141874
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 久由
(74)【代理人】
【識別番号】100166958
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 喜代造
(72)【発明者】
【氏名】松本 邦昭
【テーマコード(参考)】
3B053
【Fターム(参考)】
3B053NA05
(57)【要約】
【課題】天板を使用状態から下方に回動変位させて収納状態とする構成において、下方への回動変位の終盤において天板を減速して、衝撃及び衝突音を緩和することを可能とする、折り畳みデスクを提供する。
【解決手段】折り畳みデスク1は、建物の壁面Wに取付けられる取付プレート2と、略水平かつ取付プレート2に対して略垂直となる使用状態と、使用状態よりも下方の位置で取付プレート2に対して略平行となる収納状態と、の間で回動可能とされる天板3と、天板3の回動時に天板3を減速させる、第一ダンパ4及び第二ダンパ5と、を備え、天板3は、使用状態から回動途中である中途状態までの第1の回動領域R1と、中途状態から収納状態までの第2の回動領域R2と、を経由して収納状態へと回動し、第一ダンパ4は、少なくとも第1の回動領域R1において天板3を減速させ、第二ダンパ5は、第2の回動領域R2において天板3を減速させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の壁面に取付けられる取付プレートと、
前記取付プレートに取付けられ、略水平かつ前記取付プレートに対して略垂直となる使用状態と、前記使用状態よりも下方の位置で前記取付プレートに対して略平行となる収納状態と、の間で回動可能とされる天板と、
前記天板の回動時に前記天板を減速させる、第1の減速部材及び第2の減速部材と、を備え、
前記使用状態にある前記天板は、前記使用状態から回動途中である中途状態までの第1の回動領域と、前記中途状態から前記収納状態までの第2の回動領域と、を経由して前記収納状態へと回動し、
前記第1の減速部材は、少なくとも前記第1の回動領域において前記天板を減速させ、
前記第2の減速部材は、前記第2の回動領域において前記天板を減速させる、折り畳みデスク。
【請求項2】
前記第1の減速部材は、前記取付プレートと前記天板との間に介挿される、請求項1に記載の折り畳みデスク。
【請求項3】
前記取付プレートに取付けられるプレート側支持部材と、前記天板に取付けられる天板側支持部材と、前記プレート側支持部材及び前記天板側支持部材を連結する連結部材と、が含まれる支持具をさらに備え、
前記プレート側支持部材及び前記天板側支持部材の何れか一方は、前記連結部材の一端部が回動自在に固定される固定部材として構成され、
前記プレート側支持部材及び前記天板側支持部材の何れか他方は、前記連結部材の他端部が摺動自在に設けられる摺動部材として構成され、
前記摺動部材には、前記天板が収納状態の際に前記他端部と対向する先端部が形成され、
前記第2の減速部材は、前記他端部と前記先端部との間に介挿される、請求項2に記載の折り畳みデスク。
【請求項4】
前記プレート側支持部材が前記固定部材として構成され、
前記天板側支持部材が前記摺動部材として構成され、
前記摺動部材には、前記他端部の摺動を規制するロック機構が設けられる、請求項3に記載の折り畳みデスク。
【請求項5】
前記プレート側支持部材と前記天板側支持部材とが回動自在に連結される、請求項4に記載の折り畳みデスク。
【請求項6】
前記支持具は、前記取付プレートと前記天板との間に二個取付けられる、請求項4に記載の折り畳みデスク。
【請求項7】
前記壁面に接する前記取付プレートの一面の反面の少なくとも一部を被覆するとともに前記天板より上側に設けられる化粧板をさらに備える、請求項1から請求項6の何れか1項に記載の折り畳みデスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天板を使用状態と収納状態とに変位可能な折り畳みデスクに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、天板を水平に保持する使用状態と、天板を立てた状態で保持する収納状態と、を変更可能とする折り畳みデスクが用いられている。このような折り畳みデスクにおいて、天板を収納する際に天板を減速させるための減速部材(ダンパ)が設けられる場合がある(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術に係る構成は、天板を一旦上方に回動変位させた状態から下降する際に天板を減速させるものである。このような構成は、天板を使用状態から下方に回動変位させて収納状態とする構成の折り畳みデスクには適用することが困難であった。
【0005】
一方、天板を使用状態から下方に回動変位させて収納状態とする構成の折り畳みデスクにおいて、天板と壁面との間にダンパを介挿することも可能である。しかし、天板が壁面に近接するに従ってダンパの効力が弱くなり、下方への回動変位の終盤において天板を減速できない場合がある。この場合、天板と壁面とが衝突することにより衝撃及び衝突音が発生する原因となっていた。
【0006】
本発明は、天板を使用状態から下方に回動変位させて収納状態とする構成において、下方への回動変位の終盤において天板を減速して衝撃及び衝突音を緩和することを可能とする折り畳みデスクを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る折り畳みデスクは、建物の壁面に取付けられる取付プレートと、前記取付プレートに取付けられ、略水平かつ前記取付プレートに対して略垂直となる使用状態と、前記使用状態よりも下方の位置で前記取付プレートに対して略平行となる収納状態と、の間で回動可能とされる天板と、前記天板の回動時に前記天板を減速させる、第1の減速部材及び第2の減速部材と、を備え、前記使用状態にある前記天板は、前記使用状態から回動途中である中途状態までの第1の回動領域と、前記中途状態から前記収納状態までの第2の回動領域と、を経由して前記収納状態へと回動し、前記第1の減速部材は、少なくとも前記第1の回動領域において前記天板を減速させ、前記第2の減速部材は、前記第2の回動領域において前記天板を減速させる。
【0008】
この構成によれば、第2の回動領域における天板を第2の減速部材によって減速できるため、天板が下方に回動変位する際の終盤において天板を減速して衝撃及び衝突音を緩和することが可能となる。
【0009】
また、前記第1の減速部材は、前記取付プレートと前記天板との間に介挿されることが好ましい。
【0010】
この構成によれば、折り畳みデスクを簡易に構成することが可能となる。
【0011】
また、前記取付プレートに取付けられるプレート側支持部材と、前記天板に取付けられる天板側支持部材と、前記プレート側支持部材及び前記天板側支持部材を連結する連結部材と、が含まれる支持具をさらに備え、前記プレート側支持部材及び前記天板側支持部材の何れか一方は、前記連結部材の一端部が回動自在に固定される固定部材として構成され、前記プレート側支持部材及び前記天板側支持部材の何れか他方は、前記連結部材の他端部が摺動自在に設けられる摺動部材として構成され、前記摺動部材には、前記天板が収納状態の際に前記他端部と対向する先端部が形成され、前記第2の減速部材は、前記他端部と前記先端部との間に介挿されることが好ましい。
【0012】
この構成によれば、天板が下方に回動変位する際の終盤である第2の回動領域において、天板を第2の減速部材によって減速させることが可能となる。
【0013】
また、前記プレート側支持部材が前記固定部材として構成され、前記天板側支持部材が前記摺動部材として構成され、前記摺動部材には、前記他端部の摺動を規制するロック機構が設けられることが好ましい。
【0014】
この構成によれば、ロック機構により他端部の摺動を規制できるため、天板を使用状態で維持することが可能となる。また、ロック機構が天板側に設けられるため、天板を使用状態から収納状態に容易に変位させることができる。
【0015】
また、前記プレート側支持部材と前記天板側支持部材とが回動自在に連結されることが好ましい。
【0016】
この構成によれば、天板の回動変位の挙動を安定させることができる。
【0017】
また、前記支持具は、前記取付プレートと前記天板との間に二個取付けられることが好ましい。
【0018】
この構成によれば、支持具にそれぞれ設けられたロック機構を片手では解除することができないため、天板が不意に使用状態から収納状態に変位することを防止できる。
【0019】
また、前記壁面に接する前記取付プレートの一面の反面の少なくとも一部を被覆するとともに前記天板より上側に設けられる化粧板をさらに備えることが好ましい。
【0020】
この構成によれば、天板が使用状態の際に露出する取付プレートを化粧板により被覆することができるため、折り畳みデスクの意匠性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0021】
以上のことから、本発明に係る折り畳みデスクは、天板が下方に回動変位する際の終盤において天板を減速させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】天板が使用状態にある折り畳みデスクを示した斜視図である。
【
図2】天板が使用状態にある折り畳みデスクを示した下側斜視図である。
【
図3】天板が収納状態にある折り畳みデスクを示した斜視図である。
【
図4】(a)及び(b)はそれぞれ、天板が使用状態にある折り畳みデスクの第一ダンパ及び支持具を示した側断面図である。
【
図5】(a)及び(b)はそれぞれ、ロック解除状態にある折り畳みデスクの第一ダンパ及び支持具を示した側断面図である。
【
図6】(a)及び(b)はそれぞれ、天板が回動途中にある折り畳みデスクの第一ダンパ及び支持具を示した側断面図である。
【
図7】(a)及び(b)はそれぞれ、天板が中途状態にある折り畳みデスクの第一ダンパ及び支持具を示した側断面図である。
【
図8】(a)及び(b)はそれぞれ、天板が収納状態にある折り畳みデスクの第一ダンパ及び支持具を示した側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態に係る折り畳みデスク(以下、単に「デスク」と記載する)1について、図面に基づいて説明する。本実施形態に係るデスク1は、取付プレート2と、天板3と、第1の減速部材である第一ダンパ4と、第2の減速部材である第二ダンパ5と、二個の支持具6・6と、化粧板7と、を備えている。本実施形態において、デスク1はスチール合金又はアルミ合金等の金属製部材、樹脂製部材、木材等を適宜組み合わせて構成される。
【0024】
図1及び
図2はそれぞれ、天板3が使用状態にあるデスク1を示した斜視図である。
図3は、天板3が収納状態にあるデスク1を示した斜視図である。デスク1は、
図4から
図8に示す如く建物の壁面Wに固定される。上記の如く、デスク1は天板3を下方に垂下させた収納状態とすることができるため、ワンルームマンションの居室等、室内空間が比較的小さな部屋に設置することで室内空間を有効活用できる。
【0025】
取付プレート2は、壁面Wに取付けられる。具体的には、取付プレート2に開口された複数の取付孔を介して、ビス等の固定具が壁面Wに挿入されることにより、取付プレート2が壁面Wに取付けられる。なお、壁面Wに取付プレート2を固定することができれば、取付プレート2を壁面Wに取付ける方法は上記に限定されない。壁面Wの背後に鉄骨等により下地が設けられている場合は、デスク1を安定的に保持するために取付プレート2を下地に固定することが好ましい。
【0026】
天板3は、取付プレート2の外面(壁面Wに対向しない面)に取付けられている。天板3は、略水平かつ取付プレート2に対して略垂直となる使用状態(
図1及び
図2を参照)と、取付プレート2に対して略平行で使用状態より下方に位置する収納状態(
図3を参照)と、の間で回動可能に構成される。
【0027】
第一ダンパ4は、使用状態から収納状態への天板3の回動時に天板3を減速させる減速部材であり、ガススプリングで構成される。
図1及び
図2に示す如く、第一ダンパ4は、プレート側固定部41、天板側固定部42、第一シリンダ43、及び、第一ロッド44で構成される。
【0028】
第一ダンパ4において、プレート側固定部41は取付プレート2の中央部に固定される。一方、天板側固定部42は天板3の下面に固定される。第一シリンダ43と第一ロッド44とは互いに摺動抵抗を受けながら伸縮可能に組付けられる。第一シリンダ43の基端部はプレート側固定部41に回動可能に連結される。第一ロッド44の先端部は天板側固定部42に回動可能に連結される。
【0029】
このように、第一ダンパ4は取付プレート2と天板3との間において回動可能に設けられる。そして、天板3が取付プレート2と相対回転する際に、第一ロッド44が第一シリンダ43に押し込まれることにより天板3を減速させる。このように、デスク1においては第一ダンパ4を取付プレート2と天板3との間に介挿することにより、デスク1を簡易に構成することを可能としている。
【0030】
第二ダンパ5は、使用状態から収納状態への天板3の回動終盤において天板3を減速させる減速部材であり、樹脂ダンパで構成される。
図1及び
図2に示す如く、第二ダンパ5は使用者から見て右側の支持具6に、図示しない固定部材を介して組付けられる。なお、支持具6に対する第二ダンパ5の組付方法は限定されるものではない。例えば、支持具6に第二ダンパ5を固定する固定部を形成し、第二ダンパ5を支持具6の固定部に直接的に組付ける方法等を採用することも可能である。また、両方の支持具6・6のそれぞれに第二ダンパ5を設ける構成とすることも可能である。
【0031】
図4から
図8に示す如く、第二ダンパ5は、当接部51、第二シリンダ52、及び、第二ロッド53で構成される。第二シリンダ52と第二ロッド53とは互いに摺動抵抗を受けながら伸縮可能に組付けられる。
【0032】
支持具6・6は、取付プレート2と天板3との間に二個設けられる。それぞれの支持具6は、プレート側支持部材61、天板側支持部材62、連結部材63、ロック機構であるロック部材64及びばね66を備えて構成される。
【0033】
プレート側支持部材61は、ビス等の取付具により取付プレート2に固定される。プレート側支持部材61は、連結部材63の基端部が回動自在に固定される固定部材として構成される。天板側支持部材62は、ビス等の取付具により天板3に固定される。天板側支持部材62は、連結部材63の先端部が摺動自在に設けられる摺動部材として構成される。なお、天板側支持部材62を、連結部材63の基端部が回動自在に固定される固定部材とし、プレート側支持部材61を、連結部材63の先端部が摺動自在に設けられる摺動部材として構成することも可能である。
【0034】
天板側支持部材62には、長手方向に沿って挿通長孔62aが開口される。また、天板側支持部材62には、下方に向けて開口する切り欠き部62bが形成される。切り欠き部62bには、天板3が収納状態の際に固定軸6bが挿入される(
図8(b)を参照)。
【0035】
天板側支持部材62の基端部(取付プレート2側の端部)と、プレート側支持部材61の上端部とは、回動軸6aにより回動自在に連結される。これにより、天板3が取付プレート2に対して回動可能に組付けられるとともに、取付プレート2に対する天板3の回動変位の挙動を安定させることができる。なお、取付プレート2と天板3とを、支持具6を介さずに直接ヒンジ等で連結することも可能である。
【0036】
連結部材63の基端部は、プレート側支持部材61の中途部において、固定軸6bにより回動可能に支持される。また、連結部材63の先端部は摺動側端部65として形成される。摺動側端部65は天板側支持部材62の挿通長孔62aに挿通されることにより、天板側支持部材62の長手方向に沿って摺動可能とされる。
図8に示す如く、天板3が収納状態の際には、連結部材63の摺動側端部65は、天板側支持部材62の先端部と対向する。
【0037】
図4から
図8に示す如く、第二ダンパ5は、図示しない固定具で天板側支持部材62の先端部に固定されることにより、摺動側端部65と天板側支持部材62の先端部との間に介挿される。そして、摺動側端部65が所定位置(
図7に示す如く天板が中途状態となった際の位置)に到達した際に、摺動側端部65が第二ダンパ5の当接部51に当接するように第二ダンパ5が設けられる。
【0038】
ロック機構であるロック部材64及びばね66は、天板側支持部材62に設けられる。
図4に示す如く、ロック部材64はばね66に付勢された状態で、軸部64aにより天板側支持部材62に対して回動可能に組付けられる。ロック部材64がばね66に付勢されることにより、ロック部材64の操作端部64bが下方に、保持端部64cが上方に位置する。
【0039】
上方に位置する保持端部64cが摺動側端部65に当接することにより、摺動側端部65の天板側支持部材62の先端側への摺動がロック部材64により規制される。即ち、保持端部64cよりも天板側支持部材62の先端側への摺動側端部65の変位が規制されるため、天板3の使用状態が維持される。
【0040】
図5に示す如く、使用者がばね66の付勢力に抗して操作端部64bを上方に押し上げてロック部材64を回動すると、保持端部64cが下方に変位し、摺動側端部65の天板側支持部材62の先端側への摺動規制が解除される。これにより、摺動側端部65がロック部材64よりも天板側支持部材62の先端側に変位可能となるため、天板3が使用状態から収納状態へと回動可能となる。なお、ロック機構は、摺動側端部65の摺動規制及びその解除の切換が簡便であれば、その構成が限定されるものではない。
【0041】
なお、使用者が収納状態の天板3を持ち上げて使用状態に回動変位させた場合、摺動側端部65はばね66の付勢力に抗してロック部材64を回動させ、保持端部64cよりも先端側に変位する。これにより、保持端部64cが摺動側端部65に当接する状態となり、摺動側端部65の変位が規制されるため、天板3の使用状態が再び維持される。
【0042】
上記の如く、本実施形態に係るデスク1においては、連結部材63における摺動側端部65の摺動を規制するロック機構が設けられる。この構成によれば、ロック機構により摺動側端部65の摺動を規制できるため、天板3を使用状態で維持することが可能となる。また、ロック機構が天板3の側に設けられるため、使用者がロック機構を操作し易くすることができ、天板3を使用状態から収納状態に容易に変位させることができる。
【0043】
本実施形態に係るデスク1は、取付プレート2と天板3との間に、互いに離間した二個の支持具6・6が設けられる。これにより、デスク1は、天板3を使用状態から収納状態に回動させる際、二つの支持具6・6にそれぞれ設けられたロック機構の双方を解除しなければ、天板3が回動できない。即ち、支持具6にそれぞれ設けられたロック機構を片手で同時に解除することができないため、天板3が不意に使用状態から収納状態に変位することを防止できる。
【0044】
化粧板7は、使用状態にある天板3の上面より露出する取付プレート2を被覆するとともに天板3より上側に設けられる。これにより、デスク1の意匠性を向上させることができる。なお、化粧板7は、使用状態、収納状態を問わずに、掲示板として利用することができる。また、化粧板7は、磁石等が使用できる掲示板として利用することが可能なスチールプレートを採用しているが、壁面収納に利用可能なハンガーボード等であっても良い。即ち、使用状態の天板3上面より露出する取付プレート2を被覆することが可能であれば、化粧板7の構成は限定されるものではない。
【0045】
次に、天板3が使用状態から収納状態へと回動する際の動作について、
図4から
図8を用いて説明する。
図4(b)に示す如く、天板3が使用状態にある場合、摺動側端部65の天板側支持部材62の先端側への摺動はロック部材64の保持端部64cにより規制されている。
【0046】
摺動側端部65の摺動規制を解除する場合、デスク1の使用者は
図5(b)に示す如くばね66の付勢力に抗して操作端部64bを押し上げてロック部材64を回動させる。これにより、保持端部64cが変位して摺動側端部65は天板側支持部材62の先端側に変位可能となり、
図6(a)及び(b)に示す如く天板3が自重により取付プレート2の側に向けて下方に回動変位する。天板3が回動変位する際には、第一ダンパ4は天板3を減速させる。
【0047】
天板3が使用状態からの回動途中にある中途状態になると、
図7(b)に示す如く、連結部材63の摺動側端部65が第二ダンパ5の当接部51に当接する。この際、第二ロッド53が第二シリンダ52に押し込まれることにより、摺動側端部65は第二ダンパ5によって減速される。即ち、第二ダンパ5は、中途状態以降の回動変位において天板3を減速させる。その後、天板3は自重によりさらに回動し、
図8(a)及び(b)に示す如く取付プレート2に対して略平行となる収納状態に変位する。
【0048】
本実施形態においては
図7(b)に示す如く、使用状態にある天板3が使用状態から回動途中である中途状態に至るまでの領域を、第1の回動領域R1とする。また、天板3が中途状態から収納状態に至るまでの領域を、第2の回動領域R2とする。上記の如く、第一ダンパ4は、少なくとも第1の回動領域R1において天板3を減速させる。また、第二ダンパ5は、第2の回動領域R2において天板3を減速させる。
【0049】
本実施形態に係るデスク1においては、天板3を使用状態から下方に回動変位させて収納状態とする際に、天板3が取付プレート2に近接するに従って、第一ダンパ4における第一シリンダ43と第一ロッド44との摺動ストロークが小さくなる(
図6(a)から
図8(a)を参照)。このため、天板3の回動終盤においては第一ダンパ4の効力(天板3を減速させる力)が弱くなる。
【0050】
一方、第二ダンパ5は、上記の如く天板3の中途状態以降で摺動側端部65の変位を減速させることができる。このため、天板3の中途状態から収納状態までの回動終盤(第2の回動領域R2)において天板3を減速させることができる。即ち、天板3が収納状態に変位した際に天板3と取付プレート2とが近接する際の衝撃及び衝突音を緩和することが可能となる。
【0051】
上記の如く、本実施形態に係るデスク1は、天板3が使用状態から収納状態へと回動する過程において、第一ダンパ4と第二ダンパ5とにより天板3を段階的に減速させている。即ち、天板3が下方に回動変位する際の終盤である第2の回動領域R2における天板3を、第二ダンパ5によって減速できるため、天板3の回動変位の終盤において天板3を減速して衝撃及び衝突音を緩和することが可能となる。
【符号の説明】
【0052】
1 デスク(折り畳みデスク)
2 取付プレート 3 天板
4 第一ダンパ(第1の減速部材)
5 第二ダンパ(第2の減速部材)
6 支持具 6a 回動軸
6b 固定軸 7 化粧板
41 プレート側固定部 42 天板側固定部
43 第一シリンダ 44 第一ロッド
51 当接部 52 第二シリンダ
53 第二ロッド 61 プレート側支持部材(固定部材)
62 天板側支持部材(摺動部材)
62a 挿通長孔 62b 切り欠き部
63 連結部材 64 ロック部材(ロック機構)
64a 軸部 64b 操作端部
64c 保持端部 65 摺動側端部(他端部)
66 ばね(ロック機構) W 壁面
R1 第1の回動領域 R2 第2の回動領域