(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023174159
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】遊技場用システム
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20231130BHJP
【FI】
A63F7/02 328
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022086857
(22)【出願日】2022-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】福田 大祐
(72)【発明者】
【氏名】加藤 雄一郎
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088CA02
2C088DA21
2C088EA46
(57)【要約】
【課題】確変や時短の状態を区別可能な遊技信号を含む複数種類の遊技信号の誤配線を効果的に特定可能とする。
【解決手段】管理装置は、第2大当りが基準値分連続して発生したことが特定された場合に誤配線があるものとして検知する一方、第1大当りが基準値分連続して発生したことが特定された場合には誤配線があるものとして検知しないことから、当該検知方法により区別信号に係る誤配線を効果的に特定可能となる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通常状態、及び当該通常状態よりも遊技者が有利となる特別状態において大当りを発生させるための単位遊技を行い、その結果に応じて大当りを発生可能であり、大当り状態に対応する大当り信号、及び前記特別状態としての第1特別状態と第2特別状態との少なくとも一方に対応して当該第1特別状態と当該第2特別状態とを区別可能な区別信号を出力する遊技機を管理対象とした遊技場システムにおいて、
前記大当り信号、及び前記区別信号を少なくとも含む複数種類の遊技信号を入力可能な入力手段と、
前記入力手段より入力される遊技信号に基づいて、対応する遊技機の遊技情報を特定する特定手段と、
前記特定手段による遊技情報の特定状況に基づいて、前記遊技機と前記入力手段との間における前記複数種類の遊技信号の誤配線を検知する検知手段と、を備え、
前記特定手段の特定対象となる遊技情報は、前記大当りとして前記第1特別状態に対応する第1大当りと、前記第2特別状態に対応する第2大当りと、の夫々の発生回数が含まれる一方、前記第2大当りの発生回数については基準情報を設定可能であり、
前記検知手段は、前記第2大当りが前記基準情報により示される回数分連続して発生したことが特定された場合に前記誤配線があるものとして検知する一方、前記第1大当りが前記基準情報により示される回数分連続して発生したことが特定された場合には前記誤配線があるものとして検知しない遊技場用システム。
【請求項2】
通常状態、及び当該通常状態よりも遊技者が有利となる特別状態において大当りを発生させるための単位遊技を行い、その結果に応じて大当りを発生可能であり、大当り状態に対応する大当り信号、及び前記特別状態としての第1特別状態と第2特別状態との少なくとも一方に対応して当該第1特別状態と当該第2特別状態とを区別可能な区別信号を出力する遊技機を管理対象とした遊技場システムにおいて、
前記大当り信号、及び前記区別信号を少なくとも含む複数種類の遊技信号を入力可能な入力手段と、
前記入力手段より入力される遊技信号に基づいて、対応する遊技機の遊技情報を特定する特定手段と、
前記特定手段による遊技情報の特定状況に基づいて、前記遊技機と前記入力手段との間における前記複数種類の遊技信号の誤配線を検知する検知手段と、を備え、
前記特定手段の特定対象となる遊技情報は、前記大当りとして前記第1特別状態に対応する第1大当りが発生したこと、及び前記第2特別状態に対応する第2大当りの発生回数とが含まれる一方、前記第2大当りの発生回数については基準情報を設定可能であり、
前記検知手段は、前記第1大当りが発生していない状態で、前記第2大当りが前記基準情報により示される回数分発生したことが特定された場合に前記誤配線があるものとして検知する遊技場用システム。
【請求項3】
通常状態、及び当該通常状態よりも遊技者が有利となる特別状態において大当りを発生させるための単位遊技を行い、その結果に応じて大当りを発生可能であり、大当り状態に対応する大当り信号、及び前記特別状態としての第1特別状態と第2特別状態との少なくとも一方に対応して当該第1特別状態と当該第2特別状態とを区別可能な区別信号を出力する遊技機を管理対象とした遊技場システムにおいて、
前記大当り信号、及び前記区別信号を少なくとも含む複数種類の遊技信号を入力可能な入力手段と、
前記入力手段より入力される遊技信号に基づいて、対応する遊技機の遊技情報を特定する特定手段と、
前記特定手段による遊技情報の特定状況に基づいて、前記遊技機と前記入力手段との間における前記複数種類の遊技信号の誤配線を検知する検知手段と、を備え、
前記特定手段の特定対象となる遊技情報は、前記大当りとして前記第1特別状態に対応する第1大当りと、前記第2特別状態に対応する第2大当りと、の夫々の発生回数が含まれる一方、その発生回数については基準情報を設定可能であり、
前記検知手段は、前記第2大当りの発生回数が前記第1大当りの発生回数を前記基準情報により示される回数分上回ったことが特定された場合に前記誤配線があるものとして検知する遊技場用システム。
【請求項4】
遊技機において、前記第2特別状態は通常状態中でも発生可能に構成されており、
前記検知手段は、前記誤配線の検知条件として、前記第2大当りが基準情報分連続する期間内に前記第1特別状態の発生が特定されていないことを含み、前記基準情報分連続して第2大当りが発生したことが特定されたとしても、当該期間内に前記第1特別状態の発生が特定されていれば前記誤配線を検知しない請求項1に記載の遊技場用システム。
【請求項5】
前記検知手段は、前記大当り状態、第1特別状態及び第2特別状態を含む、前記通常状態以外の遊技状態である特賞状態中に、前記通常状態へ移行することなく前記基準情報により示される回数分第2大当りが発生したことが特定された場合に前記誤配線があるものとして検知する請求項1に記載の遊技場用システム。
【請求項6】
前記遊技場用システムにおいて、前記区別信号として前記第1特別状態と前記第2特別状態とに共通して対応する特別状態信号、及び前記第1特別状態と前記第2特別状態とで区別可能な区別状態信号を出力する遊技機であって、前記特別状態信号に合わせて前記区別状態信号を出力可能であり、前記区別状態信号は出力される一方、前記特別状態信号は出力されない第3特別状態へ移行可能な第1遊技機と、当該第3特別状態へ移行不能な第2遊技機とを管理対象として含むとともに、前記第1遊技機、及び前記第2遊技機向けの検知内容を遊技機単位又は機種単位で設定するための設定手段を備え、
前記検知手段は、前記第2遊技機向けの設定がなされた遊技機又は機種については、前記特別状態信号が出力されず前記区別状態信号のみが出力されることにより前記第3特別状態を特定可能な場合に前記誤配線があるものとして検知する請求項1から3の何れか一項に記載の遊技場用システム。
【請求項7】
前記遊技場用システムにおいて、前記区別信号として前記第1特別状態と前記第2特別状態とに共通して対応する特別状態信号、及び前記第1特別状態と前記第2特別状態とで区別可能な区別状態信号を出力する第1遊技機を管理対象として含み、
前記検知手段は、前記第1遊技機での前記第1大当り或いは前記第2大当り後に、全ての前記特別状態を対象とした何れかの特別状態、或いは予め設定される発生すべき前記特別状態が特定されることなく前記通常状態へ移行したことが特定された場合、その移行回数が所定回数に達したことを条件に前記誤配線を検知する請求項1から5の何れか一項に記載の遊技場用システム。
【請求項8】
遊技機での遊技結果を示す遊技情報について少なくとも前記第1特別状態と前記第2特別状態との別を含む特別状態の種類別に区分して管理する遊技情報管理手段と、
前記遊技情報管理手段により管理される前記種類別の遊技情報と、当該種類別の遊技情報に関する許容情報とを比較する比較手段と、を備え、
前記検知手段は、前記種類別の遊技情報と当該種類別の遊技情報の許容情報との比較結果に基づいて前記誤配線を検知する請求項1から5の何れか一項に記載の遊技場用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技場では遊技情報を管理するために遊技機から出力される遊技信号の配線をしているが、この遊技信号の中には遊技機入替の度に配線が必要なものもあり、誤配線することも珍しくない。そこで、例えば特許文献1では、判定開始情報の出力に応じて各配線接続端子から所定の順序で信号出力し、当該順序通りに信号受信したかにより誤配線を確認する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の構成は遊技機にて所定の順序で信号出力する必要があり、当該構成が採用される遊技機ばかりではないので、遊技場用システム側の構成にて誤配線を検知して欲しいとのニーズが絶えない。
一方で、近年、特別状態信号として、例えば確変と時短とを区別するために複数種類の特別状態信号を出力対象とする遊技機も見受けられるが、このような特別状態信号の一部、或いは全部を誤配線するケースも少なくない。この場合、上記のような構成が搭載されていない遊技機については、配線後に特別状態に移行させないと誤配線を確認し難いこともあり、特別状態信号の誤配線を検知して欲しいといったニーズが更に高まりつつある。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、遊技状態を区別可能な複数種類の遊技信号の誤配線を効果的に特定可能な遊技場用システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、通常状態、及び当該通常状態よりも遊技者が有利となる特別状態において大当りを発生させるための単位遊技を行い、その結果に応じて大当りを発生可能であり、大当り状態に対応する大当り信号、及び前記特別状態としての第1特別状態(例えば確変)と第2特別状態(例えば時短)との少なくとも一方に対応して当該第1特別状態と当該第2特別状態とを区別可能な区別信号(例えば特別状態信号及び確変信号)を出力する遊技機を管理対象とした遊技場システムにおいて、
前記大当り信号、及び前記区別信号を少なくとも含む複数種類の遊技信号を入力可能な入力手段(例えば管理装置6の送受信部32)と、
前記入力手段より入力される遊技信号に基づいて、対応する遊技機の遊技情報を特定する特定手段(例えば管理装置6の特定部30a)と、
前記特定手段による遊技情報の特定状況に基づいて、前記遊技機と前記入力手段との間における前記複数種類の遊技信号の誤配線を検知する検知手段(例えば管理装置6の検知部30b)と、を備え、
前記特定手段の特定対象となる遊技情報は、前記大当りとして前記第1特別状態に対応する第1大当り(例えば確変後、これに対応して発生する確変当り)と、前記第2特別状態に対応する第2大当り(例えば時短後、これに対応して発生する時短当り)と、の夫々の発生回数が含まれる一方、前記第2大当りの発生回数については基準情報(基準値として例えば3回)を設定可能であり、
前記検知手段は、前記第2大当りが前記基準情報により示される回数分連続して発生したことが特定された場合に前記誤配線(例えば
図4に示す確変信号の配線がないケースβの誤配線)があるものとして検知する一方、前記第1大当りが前記基準情報により示される回数分連続して発生したことが特定された場合には前記誤配線があるものとして検知しない。
【0007】
上記構成によれば、第2大当りが基準情報により示される回数分連続して発生したことが特定された場合に誤配線があるものとして検知する一方、第1大当りが基準情報により示される回数分連続して発生したことが特定された場合には誤配線があるものとして検知しないことから、例えば区別信号に関して誤配線があっても、これを効果的に特定可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態における遊技場用システムの概略図
【
図2】遊技機側及び管理装置の概略的な機能ブロック図
【
図3】本来の状態推移を示す(正常な配線のケースα)
【
図4】確変信号の誤配線時の状態推移を示す図(誤配線のケースβ)
【
図5】特別状態信号の誤配線時の状態推移を示す図(誤配線のケースγ)
【
図6】特別状態信号と確変信号の誤配線時の状態推移を示す図(誤配線のケースδ)
【
図7】第2実施形態における、遊技機単位で集計した平均Sの一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、遊技場用システムの全体構成を示す概略図である。遊技場内には複数の遊技機1が設置されており、それら遊技機1各々と1対1で対応して、遊技装置2及び情報表示装置3が付設されている。遊技機1、遊技装置2及び情報表示装置3は、2台ずつ中継装置4に接続され、中継装置4は、LAN5を介して管理装置6と接続されている。また、遊技場にはPOSや残高精算機(何れも図示略)も設置されており、これらPOSや残高精算機も、LAN5を介して管理装置6と接続されている。なお、
図1では図示を省略したが、実際には例えば数百台の遊技機1が管理装置6の管理対象となっている。
【0010】
管理装置6は、遊技場内の例えば事務室などに設置されており、遊技場の管理者が操作するキーボード7、モニタ8が接続されると共に、図示しないマウスやプリンタ等が接続されている。管理装置6は、遊技機側(遊技機1、遊技装置2など)から出力される遊技信号を入力することで、遊技機1毎の遊技データを遊技情報として管理する。
【0011】
遊技機1は、遊技媒体(遊技価値)を玉とするCR(カードリーダ)パチンコ機であり、盤面1aに玉を発射する発射装置を構成する操作ハンドル10、上受皿11、下受皿12を有し、盤面1aに、液晶表示部13、普図入賞口14、第1始動口15、第2始動口16、大入賞口17を有する。また、遊技機1における上受皿11上面には残高表示部11a、貸出釦11b、返却釦11cを有する。
【0012】
遊技機1は以下に示すように動作する。
(a)第1始動口15は入賞率が変動しない入賞口(所謂ヘソ入賞口)であり、第2始動口16は入賞率が変動する入賞口(所謂電チュー)である。各始動口15,16への入賞(始動入賞)に応じて大当り抽選を行い、その抽選結果を液晶表示部13にて行う図柄変動(単位遊技)にて報知し、その変動結果に応じて大当りとなる。換言すれば、始動入賞に応じて大当りを発生させるための単位遊技を行い、その結果に応じて大当りを発生可能である。
【0013】
(b)図柄変動中に始動入賞した場合には所定の保留上限値(例えば各4つ)まで図柄変動を累積的に保留し、図柄変動終了後に保留している図柄変動を開始する。なお、保留している図柄変動数(保留数)が上限値である状態で始動入賞した場合、図柄変動は保留されず、第2始動口16に保留がある場合は第1始動口15の保留に優先して保留している図柄変動を実行する。
【0014】
(c)大当り抽選の当選確率(大当り確率)は1/200で、大当りがその後確変状態(確変)となる大当り(確変大当り)となる割合である確変率は、ヘソ入賞では50%であるのに対して電チュー入賞では70%である。大当りが発生すると振分けられたラウンド(R)分だけ大入賞口17を開放する。
ここでラウンドは、ヘソ入賞では全てが4Rに振分けられる一方、電チュー入賞では10Rに50%、4Rに50%で振分けられる。なお、1Rの上限入賞数は10個、上限開放時間は30秒であり、上限入賞数または上限開放時間の何れかが満たされた場合に1Rを終了する。
【0015】
(d)確変中は大当り確率が1/50に向上すると共に始動口16の入賞率が高くなる時短状態(時短)になる複合時短となり、大当り発生、或いは50回の図柄変動が行われるまで継続する。一方で、確変とならない通常大当りも含めて大当りが発生した場合、100回の図柄変動が行われるまで時短となる。つまり、確変大当り後は50回の確変後、50回の確変ではない時短(単独時短)となり都合100回の時短となる一方、通常大当りの場合は100回の単独時短となり、その間に大当りが発生しなければ通常状態に戻る。
【0016】
(e)第2始動口16は普図入賞口14への入賞に応じて変動する普通図柄(普図)が当りとなった場合に入賞率の高い開放状態となる。この場合、普
図1回の変動時間は通常状態では30秒であり時短状態では3秒となる。また、開放時間は通常状態では0.3秒であり時短状態では5秒となる。即ち、時短状態では通常状態と比較して普図変動時間が短くなる一方、開放時間は長くなることで第2始動口16の入賞率が高くなる。
【0017】
(f)初期化条件成立(例えば大当り発生やラムクリア)後に所定数(500回)の図柄変動を行う迄大当りとならなかった場合は所定数(700回)の図柄変動を行う迄時短(天井時短、天時)となるが、確変にはならないので単独時短となる。ここで、天時を発生させるための図柄変動(天井S)は複合時短も含め確変中は加算対象にならないが、単独時短は確変ではないので加算対象となる。
【0018】
また、大当りが発生しないまま天時が終了した場合、それ以降に再度所定数(500回)の図柄変動を行っても天時は発生しない。
このように、本実施形態の遊技機1において、時短は通常状態中でも発生可能に構成されているが、上記のような遊技機1以外に、確変中も加算対象となるような遊技機や、所謂ST機のような構成の単独時短が発生しない遊技機、或いは大当り確率が複数設けられ、設定により変更可能な遊技機といった例示した遊技機1以外の遊技機を管理対象としてもよい。
【0019】
遊技機側からは、遊技者による玉の打込みや各始動口15,16への始動入賞等の遊技の進行に伴って、以下の遊技信号を出力する。
・アウト信号=消費玉を回収するアウトBOXから出力される消費価値(アウト)を特定可能な信号(稼動信号)。消費(使用、打込、回収)玉10玉に対して1パルスが出力されるので、「アウト信号数×10」をアウトとして特定する。なお、遊技機1から出力される信号でもよい。
【0020】
・セーフ信号=遊技機1から出力される入賞付与価値(セーフ)を特定可能な信号。入賞に応じた払出10玉に対して1パルスが出力されるので、「セーフ信号数×10」をセーフとして特定する。なお、補給装置から出力される補給信号をセーフ信号としてもよい。また、玉を実際に払い出した際に出力される実セーフ信号と、入賞に応じて払い出しが予約された場合に出力される入賞セーフ信号とがあるが、入賞から出力までのタイムラグを極力省くため後者を採用することが望ましい。
【0021】
・スタート信号=遊技機1から出力される始動入賞(S入賞)により変動(作動)する液晶表示部13(役物)におけるスタート処理(図柄変動、役物作動、単位遊技)及びスタート(スタート処理数)を特定可能な信号。図柄変動確定時に出力されるので、信号入力に応じてスタート処理を特定する。なお、始動口15,16へ入賞したことを示すS入賞信号により代用してもよい。
・大当り信号=遊技機1から出力される大当り期間を特定可能な信号。大当り中にレベル出力される状態信号なので大当り信号入力中を大当り中として特定する。
【0022】
・特別状態信号=遊技機1から出力される特別状態(時短)を特定可能な信号。第2始動口16の入賞率が向上する特別状態中(時短中(複合時短を含む))にレベル出力される状態信号なので、特別状態信号入力中を特別状態中として特定するが、確変であるかは特定不能。
・確変信号=遊技機1から出力される確変を特定可能な信号。大当り確率が向上する確変中にレベル出力される状態信号なので確変信号入力中を確変中として特定する。
よって、特別状態信号と確変信号とを重複して入力した期間は複合時短、確変信号を入力しないが特別状態信号を入力した期間は単独時短、大当り信号、特別状態信号、及び確変信号の何れも入力していない期間は通常状態として特定する。
【0023】
大当り以外の状態信号としては、確変(複合時短)と時短(単独時短)とを区別可能な区別信号を出力する構成であればよく、例えば特別状態信号や確変信号の代わりに時短(単独時短)中だけ出力される時短信号を出力するような他の構成も想定できる。また、特別状態信号は大当り中に出力されてもよく、この場合は、大当り、確変、時短の順で優先して特定すればよい。
ここで、区別信号とは、確変(第1特別状態)と時短(第2特別状態)との少なくとも一方に対応して当該確変と当該時短とを区別可能な信号であり、例えば特別状態信号及びこれに合わせて出力される区別状態信号(例えば確変信号)を含む。特別状態信号及び確変信号は、上記のように重複して出力されることにより、確変と時短とを区別して特定できるからである。
【0024】
図1に示す遊技装置2は、所謂各台計数機能付の貸出機であり、遊技機1の遊技状態や遊技装置2の状態を示す状態表示灯2a、貨幣が投入される貨幣投入口21、タッチパネル式の表示部22、持玉を払出すための払出釦23、払出された玉が通過する払出ノズル24、一般カード(持玉券)や会員カードといったICカード(図示しない記録媒体)が挿入されるカード挿入口25、遊技機1の下受皿12の下方に位置する計数受皿26等を有する。
【0025】
遊技装置2は、以下に示すように動作する。
(a)貨幣を受付けすると(貨幣受付処理)と、遊技機1と遊技装置2の双方に入金額を残高に加算して表示させる。残高がある状態で遊技機1の貸出釦11bが押下(貸出操作、付与操作)されると、貸出1単位分(例えば500円)の貸出玉(対価付与価値)を遊技機1から払い出させ(対価付与処理)、レートに応じた対価分を残高から引き落とす。貨幣は複数回分の対価付与処理の対応分を受付可能である(例えば1万円まで)。
【0026】
(b)計数玉を受付けした場合は計数玉を持玉として特定し、その持玉を払出釦23の押下に応じて払戻す払戻処理を可能とし、払戻した場合にはその対価分(例えば払戻した玉数と同数)の持玉を減算する。残高や持玉が残存する状態で遊技機1の返却釦11cが押下される(発行操作を受付ける)と、遊技装置2にストックされていた残高や持玉を特定可能な一般カードを発行する。なお、持玉の一部や残高のみを発行対象とする分割発行は説明の簡略化のため不可とするが、可能としてもよい。
【0027】
(c)中継装置4とのシリアル通信(売上信号の受信)により管理装置6にて貨幣受付処理や対価付与処理、残高や持玉、貸出玉数、払戻玉数、入金額、計数玉数や貸出玉数や貸出玉の対価となる売上額、及び一般カードの受付や発行処理等の各種情報を特定可能とするが、これらをパルス信号(例えば入金1000円毎に1パルス、売上100円毎に1パルス等)にて特定可能としてもよい。
【0028】
図2に示すように、管理装置6は、CPU、ROM、RAM、I/Oを有するマイクロコンピュータを主体に構成された制御部30、遊技機側と中継装置4を介して各種信号や各種情報を送受信する送受信部32、係る各種情報等を記憶し蓄積する記憶部31を有する。送受信部32は、大当り信号、特別状態信号、確変信号等を含む複数種類の遊技信号を入力可能な入力手段である。
そして、制御部30は特定手段として、送受信部32より入力される遊技信号に基づいて、対応する遊技機1での大当りやその回数等の遊技情報を特定する特定部30aを有する。また、制御部30は遊技情報管理手段として、遊技機1での遊技結果を示す遊技情報について少なくとも確変と時短との別を含む特別状態の種類別に区分して記憶・管理する記憶部31と遊技情報管理部30dを有する(
図2や後述の
図7等参照)。
【0029】
更に、制御部30は、後述する検知手段、設定手段、比較手段として機能する検知部30b、設定部30c、比較部30eを有し、記憶部31の記憶しているコンピュータプログラムにしたがって動作する。以下では、制御主体となる制御部30を単に「管理装置6」と称して説明を簡単化する。
【0030】
さて、本実施形態の遊技機1においては、例えば上記した時短が第2特別状態、当該時短よりも有利な確変が第1特別状態に相当するが、何れも通常状態よりも遊技者が有利な特別状態として発生可能であり、又、上記の如く大当り状態に対応する大当り信号、時短と確変とに共通して対応する特別状態信号、確変信号等の複数種類の遊技信号を出力する。
【0031】
ところで、「背景技術」で述べたように、遊技場では管理装置6等により遊技情報を管理するために遊技機1から出力される遊技信号の配線をしているが、この遊技信号の中には遊技機入替の度に配線が必要なものもあり、誤配線することも珍しくない。例えば
図1、
図2に符号Lで示すように、配線Lは遊技機1と管理装置6との間におけるLAN5の他、各遊技機1側の配線L1,L2,L3,…を含み、それら配線L1~の端子の着脱等に際し、誤った端子に接続される配線ミスや不完全な接続、或いは接続忘れといった誤配線が生じうる。
殊に近年、複数種類の遊技信号として、上記のように確変や時短を含む各種の特別状態或いは各種の遊技情報を特定するための信号を出力対象とする遊技機も見受けられ、このような遊技信号に対応した複数の配線の一部、或いは全部を誤配線するケースも少なくなく、係る誤配線により確変や時短等の遊技状態を正常に特定できない事態が生じうる。
【0032】
そこで、本実施形態の管理装置6は、特定手段として特定した遊技情報の特定状況に基づいて、複数種類の遊技信号に対応した複数の配線における誤配線を検知する構成にあって、例えば時短当り(第2大当り)が基準情報により示される回数分連続して発生したことが特定された場合に誤配線があるものとして検知する一方、確変当り(第1大当り)が基準情報により示される回数分連続して発生したことが特定された場合には誤配線があるものとして検知しないことにより、誤配線を効果的に特定するようになっている。
以下では、先ず「1.正常な配線のケースα」について説明した後、「2.誤配線のケースβ~δ」~「3.誤配線を検知する構成」について順に説明する。
【0033】
・ 正常な配線のケースα]
図3は、本実施形態の遊技場用システムで管理装置6により特定される状態推移を遊技機単位で示すタイムチャートである。同図は、誤配線のないケースαにおける状態推移、つまり該当する遊技機1の実際の遊技状態に対応した状態推移の一例を示すものとする。
【0034】
なお、同図において「大当り中」は大当り状態、「確変状態」は時短を伴う確変(前記複合時短)、「時短状態」は確変を伴わない時短(単独時短)を示す。また、これら大当り状態、確変、時短は何れも特賞状態(「通常状態」以外の遊技状態)として特定され、大当りは、これに移行する前の確変或いは時短に対応する確変当り或いは時短当りとして発生する。また、同図における丸で囲った数字「1」、「2」、…は、本明細書における括弧で括った数字(1)、(2)、…に対応するものとし、(1)(12)の時点にて初当り(通常状態となってから初めての大当り)が発生した場合を想定している。
【0035】
即ち、(1)の時点で通常状態から初当りが発生し、(3)(5)(7)の時点にて所謂連荘となる大当りが発生し、その間の(2)(4)(6)にて確変となっていることから、(3)(5)(7)の大当りが確変にて発生した大当りである確変当りを示している。この場合、(8)の時点でも確変となっているものの、その確変状態から大当りが発生していないことから(9)の時短を介して(10)の時点で通常状態に戻る。
この後、(11)の時点で天時が発生してから(19)の時点で通常状態に戻るまでの間に、(13)(15)の確変を介して(14)(16)の時点にて確変当りが発生している。また、(17)の時点でも確変となっているものの、前記(9)と同様、(18)に時点にて時短となって(19)の時点で通常状態に戻る。
【0036】
このように、誤配線のないケースαでは、管理装置6における遊技情報の正常な特定状況の下、大当りとして(3)(5)(7)(14)(16)の確変当り(第1特別状態に対応する第1大当り)及びその発生回数を的確に特定することができ、又、大当りとして(1)(12)の初当り及びその発生回数をも的確に特定することができる。なお、(12)の大当りは天時中であるものの通常状態となってから初めての大当りであることから初当りとなり、天時中に発生したことから、第2特別状態に対応する第2大当りでもあり、「天井当り」とも称する。
【0037】
[2.誤配線のケースβ~δ]
図4~
図6は、遊技機1にて
図3同様の状態推移を伴う遊技が行われるものの、誤配線のケースβ~δにより、何れも本来の状態推移とは異なる状態推移を示すものとする。
このうち
図4は、確変信号の配線がないケースβにおいて、その誤配線によりシステム上で確変を特定できない場合の状態推移を示している。なお、以下では
図3との相違箇所、つまり確変信号に係る誤配線βにより管理装置6において遊技状態を正常に特定できない箇所を中心に説明する。
【0038】
図4における(2)(4)(6)(13)(15)の時点は、実際の遊技機1では確変であるものの(
図3参照)、誤配線により確変を特定できず、特別状態信号により時短と特定してしまう。このため、本来であれば(3)(5)(7)(14)(16)の時点で特定されるべき確変当りを、同
図4の如く「時短当り」と特定するだけでなく、(8)(17)の確変も時短と特定している。この場合、特に、天時を発生させるためのスタート(天井S)を遊技者に提示する場合、天井Sは確変中の分が除かれるため(9)~(11)の期間が本来の対象となるが(
図3参照)、
図4の(8)~(9)の期間が時短と判定されるため天井Sの対象に含まれてしまい、当該天井Sによれば天時が発生する状態であるにも関わらず天時が発生しない状況となり、遊技者とのトラブルに発展する虞があるだけでなく、大当り確率のような他の遊技情報にも影響を及ぼす虞がある。
【0039】
図5は、特別状態信号の配線がないケースγにおいて、その誤配線によりシステム上で時短を特定できない場合の状態特定推移を示している。
図5における(2)(4)(6)(8)(13)(15)(17)の時点は、実際の遊技機1では時短を伴う確変であるものの(
図3参照)、特別状態信号に係る誤配線γにより時短分を特定できない。このため、確変信号だけにより時短を伴わない同
図5の「単独確変」と特定する一方で、特定すべき(9)(18)の時短だけでなく(11)の天時までも特定できていない。
【0040】
なお、システム的に単独確変を特定せず、特別状態信号と確変信号とが何れもONとなった場合に確変と判定し、それ以外の特別状態信号がONにならずに確変信号がONとなっても単独確変を含めて特別状態と特定せず通常状態と判定するような場合は、(2)(4)(6)(8)(13)(15)(17)の何れも通常状態として特定され、通常状態以外には大当り(この場合、何れも初当り)しか特定できない状況となる。
【0041】
図6は、特別状態信号の配線と確変信号の配線とを入違えたケースδにおいて、その誤配線によりシステム上で時短を「単独確変」として特定してしまう場合の状態推移を示している。
図6における(2)(4)(6)(8)(13)(15)(17)の時点は、
図3と同様に確変と特定されるため、(3)(5)(7)(14)(16)の確変当りも正常に特定される。一方、(9)(18)の時短だけでなく(11)の天時までも時短とは判定されず、「単独確変」として特定される。この場合、上記した
図5のケースγと同様に、システム的に単独確変を特定しない場合、(9)(11)(18)の何れも通常状態として特定されてしまう。
【0042】
[3.誤配線を検知する構成]
管理装置6では、上記した各ケースβ~δの誤配線を検知するための大当りの発生回数に関する基準情報(基準値)を設定可能である。例えば、管理装置6の設定部30c或いはキーボード7等の操作入力部により、時短当りの発生回数に関する基準値、或いは確変当りと時短当りとの夫々の発生回数に関する基準値が予め設定されるものとする。
【0043】
具体的には、
図4のような確変信号に係る誤配線のケースβに対応するため、その検知方法β1として、時短当りを対象とする基準値(例えば3回)を設け、時短当りが基準値分連続して発生したことが特定された場合に誤配線があるものとして検知する。
即ち、
図4のケースβにおいて、(1)の大当りは時短当りではなく、(3)(5)(7)の時短当りは、他の確変当りのような大当りを介さずに、基準値の3回分連続して発生したことが特定され、確変信号の誤配線の蓋然性が高いことを示すことから、これを誤配線と見做して検知するのである。
【0044】
他方、図示は省略するが、例えば(4)が確変で(5)が確変当りであれば、(3)の時短当りと当該(5)の確変当りと(7)の時短当りとが連続することとなり、時短当りが連続しないので誤配線を検知しない。つまり、実際の初当りが通常大当りで、その後、時短となり、所謂引戻しで確変大当りとなったと想定できることから、検知方法β1による誤配線の検知条件を満たさない。なお、「確変当り」は確変中に発生する大当りであり、発生後に確変となる「確変大当り」と区別しているが、重複する場合は説明の都合上、適宜一方を示す。
【0045】
また、誤配線の検知方法β1において、前記特賞状態中であることを検知条件β1aとして加えることにより、特賞状態中に通常状態へ移行することなく基準値分(例えば3回)連続して時短当りが発生したことを条件β1aとしてもよい。ここでの特賞状態は、
図4中(1)~(10)、或いは(11)~(19)のように通常状態で発生した大当りや特別状態が再び通常状態に戻るまでの期間に該当する。なお、他の構成も含めて簡易的に連続でなく時短当りが基準値分(基準情報により示される回数分)発生したことを条件β1aとしてもよい。
【0046】
従って、仮に、
図4において(7)の時短当りの発生がなく、先の特賞状態中((1)~(10)までの期間内)に、2回連続して時短当りの発生があったとしても、又、その後の(12)における天井当りが時短当りで、当該天井当りを含む3回連続した時短当りが基準値に達するものとしても、これら一連の時短当りは(11)までの通常状態への移行を挟んでおり、特賞状態が継続していないため検知条件β1aを満たさず、誤配線と検知しない。なお、特賞状態に係る検知条件β1aを除外した場合、(12)の天井当りは必ず時短であり誤判定の対象にならないことから除外し、(14)の時短当りを含めて時短当りが3回連続したときに誤配線を検知すればよい。
【0047】
上記の如く、初当り後に時短に振分けられる確率の高い機種は特賞状態に係る検知条件1を含め、確率の低い機種は検知条件β1aを外し特賞状態中に限定しないといった運用に対応できるように、管理装置6において機種単位又は遊技機単位で設定可能とする構成が望ましい。
なお、天時は大当りを介さずに時短と特定した場合に特定すればよく、更に、大当りを介さずに発生する所謂突然時短(突時)と区別するために、大当り後からの図柄変動数(天井S)が天井基準値(前記500回)に達するかにより天時を特定してもよい。
【0048】
誤配線の検知条件β1bとして、確変が特定されないことを含めてもよい。例えば、時短当りが基準値分連続する
図4の(3)~(7)の期間内に確変の発生が特定されていないことを検知条件β1bとして含み、例えば3回連続して時短当りが発生したことが特定されたとしても、当該期間内に確変の発生が特定されていれば管理装置6において誤配線を検知しない。
また、例えば、
図4の(2)にて確変を特定した場合、仮に(5)(7)の時短当りに続いて(8)の時短にて大当りが発生し、これにより連続した時短当りが基準値の3回に達した場合であっても誤配線を検知しない。この場合、確変に代えて又は加えて確変当りが特定されていないこと検知条件β1bとしてもよい。同様に、上記の時短当りに代えて又は加えて時短の特定を検知対象としてもよい。確変に対応する確変当りと、時短に対応する時短当りとの関係性から、当該特別状態と当該大当りとを検知条件乃至検知対象として実質的に同視し或いは代替しうるものであり、以下の確変と時短との検知条件乃至検知対象についても同様とする。
【0049】
続いて、ケースβの誤配線の検知方法β1とは別の検知方法β2,β3について説明する。
誤配線の検知方法β2は、確変当りが発生していない状態で、時短当りが基準値分(例えば3回)発生したことが特定された場合に、管理装置6により誤配線があるものとして検知する方法である。
【0050】
この検知方法β2は、時短当りが連続して発生してなくとも誤配線として検知できる点で、上記の確変が特定されないことの検知条件β1bを含む検知方法β1と相違する。
例えば、
図4において(3)(5)(7)の時点で夫々時短当りが発生し、基準値の3回に達しているので、誤配線を検知する。仮に、(7)の時短当りが発生していなくとも、(12)の天井当りを時短当りとして特定すれば(12)の時点にて基準値に達することとなり、又、上記同様に天井当りを除外して(14)の時短当りでもって基準値分の時短当りを特定してもよく、何れの場合も誤配線の検知が可能となる。
【0051】
また、
図4における(4)が確変で(5)が確変当りと仮定した場合、(3)(7)(14)にて夫々時短当りが発生して基準値の3回に達することになるが、(4)で確変が発生しているので誤配線として検知しない。
これは、確変信号の配線がなされていないケースβに共通するが、係るケースβを考慮すれば、確変や確変当りが特定された時点で、確変信号の配線がなされていることを推知できることから、誤配線ではなく、遊技上、そのような特定状況になったと判定すべきであるためである。従ってまた、既述の検知方法β1において、確変当りが基準値分連続して発生したことが特定された場合でも誤配線があるものとして検知しない。
【0052】
他の誤配線の検知方法β3は、時短当りの発生回数が確変大当りの発生回数を基準値分上回ったことが特定された場合に、管理装置6により誤配線があるものとして検知する方法である。
即ち、管理装置6は、時短当りと確変当りとを各々計数するとともに、その差分である「時短当り-確変当り」と基準値(例えば3回)とを比較した結果に基づいて、誤配線を検知するように構成されている。
【0053】
具体的には例えば、
図3のように誤配線のないケースαでは、確変当りは5回、時短当りは(12)の天井当りの1回だけなので、その差分は「1-5」で-4となり、時短当りから(12)の天井当りを除外しても差分は「0-5」で5となるので、何れも基準値の3回に達せず、誤配線として検知されることはない。
これに対し、
図4のように誤配線のあるケースβでは、確変当りは0回、時短当りは(12)も含めて6回なので、その差分は「6-0」で6となり、時短当りから(12)の天井当りを除外しても差分は「5-0」で5となって何れも基準値の3回に達するので、誤配線が検知される。この場合、管理装置6において、リアルタイムに前記差分を求めて基準値と比較することにより、
図4の例では(7)の時短当りを特定した時点で、誤配線を検知するように構成してもよい。
【0054】
そして、管理装置6は、自身の検知部30bにおいて何れの検知方法β1,β2,β3を採る構成でも、誤配線を検知した場合には、例えばモニタ8での表示出力や前記プリンタでの印字出力により当該誤配線を報知し、或いは店内放送や従業員のインカムに対する音声といった出力により当該誤配線を報知することができる。また、管理装置6は、遊技機1毎に誤配線の検知が可能であることから、該当する台番(後述する
図7の「台番」参照)と併せて誤配線を報知し、或いは遊技機1に対応して設けられる情報表示装置3等の表示手段にて表示出力や音声出力を行うように構成してもよい。
【0055】
次に、
図5のような特別状態信号に係る誤配線の検知方法γ1,γ2について説明する。この検知方法γ1,γ2は、上記した検知方法β1~β3と組み合わせて実施することで各ケースβ,γの誤配線をも検知可能とするものであり、又、各検出方法γ1,γ2単独でも実施しうるものである。
【0056】
先ず、特別状態信号に係る誤配線の検知方法γ1は、管理装置6において
図5のようなケースγの特定状況に対応するため、時短を伴う確変ではなく、時短を伴わない「単独確変」(同
図5参照)を検知した場合に誤配線を検知するというものである。また、この検知方法γ1において、更に時短を特定せずに通常状態に戻ったことを検知条件γ1aとして含むようにしてもよい。
【0057】
ここで、遊技機1の仕様として単独確変となる遊技性を備えた遊技機(以下、第1遊技機と称す)も存在するため、単独確変となる機種であるか、或いは単独確変を特定可能な状態信号(区別状態信号)を出力する機種かを考慮するために、単独確変により誤配線を検知するかを予め設定することが望ましい。
即ち、本遊技場用システムにおいて、区別状態信号は出力される一方、特別状態信号は出力されない単独確変(第3特別状態)へ移行可能な第1遊技機と、当該単独確変へ移行不能な第2遊技機とを管理対象として含む。そして、管理装置6において、設定手段たる設定部30c或いはキーボード7等の操作入力部により、第1遊技機、及び第2遊技機向けの検知内容を、単独確変の有無に対応するものとして遊技機単位又は機種単位で予め入力し、設定することができる。
【0058】
これにより、管理装置6は、第2遊技機向けの設定がなされた遊技機又は機種については、特別状態信号が出力されず区別状態信号のみが出力されることにより単独確変を特定可能な場合に誤配線があるものとして検知することができる。また、この検知方法γ1において、更に基準値分(例えば3回)の単独確変を検知したことを検知条件γ1bとして含むようにしてもよい。
【0059】
上記のようにシステム的に単独確変を特定する場合と異なり、特別状態信号の配線のない
図5のケースγで、システム的に「単独確変」を特定しない場合には、確変や時短を1回も特定できないこととなる。そこで、検知方法γ2は、大当り後に特別状態に移行することなく通常状態に戻った回数が、所定回数(例えば3回)に達した場合に誤配線を検知する。
【0060】
即ち例えば、第1遊技機が特別状態信号及び区別状態信号を出力可能でも、システム的に
図5中(2)(4)(6)のような単独確変を特定しない場合、管理装置6においては(1)(3)(5)の大当りが全て初当りとして特定され、夫々の初当り後に確変や時短等の特別状態に移行することなく通常状態に戻る。
それ故、管理装置6は、第1遊技機での確変当り或いは時短大当りといった大当り後に、全ての特別状態を対象とした何れかの特別状態(当該大当り後の遊技状態)が特定されることなく通常状態へ移行したことが特定された場合、その移行回数が所定回数(例えば3回)に達したことを条件とする検知方法γ2により誤配線を検知することができる。なお、他の場合も含め、システム的に特定しないとは構成により、或いは設定により特定しないことを例示できる。
【0061】
続いて、
図6のような特別状態信号と確変信号との入違い(互い違い)に係る誤配線の検知方法δ1,δ2について、上記した検知方法γ1,γ2と異なるところを説明する。
特別状態信号と確変信号との入違いに係る誤配線の検知方法δ1は、
図6のようなケースδの特定状況に対応するため、特別状態信号の誤配線の検知方法γ1と同様、「単独確変」(
図6参照)を検知した場合に誤配線を検知する。この検知方法δ1では、入違いに係る誤配線により「単独確変」と特定する対象となるのは本来の確変ではなく時短となるが(同
図6参照)、それ以外は検知方法γ1と略同じである。
【0062】
また、上記のようにシステム的に単独確変を特定しない場合、つまり
図6のケースδで「単独確変」を特定しないものとすれば(特別状態信号が出力されないことから単独確変は特定されないので)、時短や単独確変を1回も特定できないこととなる。そこで、検知方法δ2は、大当り後に確変には移行するが、時短のような特別状態に移行することなく通常状態に戻った回数が所定回数(例えば2回)に達した場合に誤配線を検知する。
【0063】
即ち例えば、システム的に
図6中(9)(18)のような単独確変を特定しない場合、管理装置6においては(1)や(12)の初当り後、時短や単独確変が特定されることなく通常状態に戻る。
それ故、管理装置6は、第1遊技機での確変当り或いは時短当りといった大当り後に、予め設定される発生すべき特別状態(当該大当り後の遊技状態)が特定されることなく通常状態へ移行したことが特定された場合、その移行回数が所定回数(例えば2回)に達したことを条件とする検知方法δ2により誤配線を検知することができる。
【0064】
上記した検知方法β1~β3,γ1,γ2,δ1,δ2は、管理装置6において各ケースβ,γ,δの誤配線を検知可能となるように相互に組合せたり、システム的な単独確変の特定の有無等に応じて設定することができる。また、検知方法β1~β3,γ1,γ2,δ1,δ2の少なくとも一つの方法で対応するケースの誤配線と、該当する遊技機1を特定し、報知しうることは勿論である。
さらに、実施形態全体を通じて、基準情報たる基準値に達したか或いは所定回数に達したかにより誤配線を検知することを例示したが、対象となる事象の発生有無により誤配線を検知することで、間接的に基準値或いは所定回数(例えば1回)に達したことを特定することによる検知を行ってもよい。
【0065】
以上に説明した本実施形態によれば、次の効果を得ることができる。
管理装置6において、特定部30aの特定対象となる遊技情報は、大当りとして第1特別状態(例えば確変)に対応する第1大当り(例えば当該確変後の確変当り)と、第2特別状態(例えば時短)に対応する第2大当り(例えば当該時短後の時短当り)と、の夫々の発生回数が含まれる一方、第2大当りの発生回数については基準値を設定可能であり、検知部30bは、第2大当りが基準値分連続して発生したことが特定された場合に誤配線があるものとして検知する一方、第1大当りが基準値分連続して発生したことが特定された場合には誤配線があるものとして検知しないことから、当該検知方法β1により区別信号に係る誤配線(例えば
図4のケースβのような確変信号に係る誤配線)を効果的に特定可能となる。
【0066】
管理装置6において、特定部30aの特定対象となる遊技情報は、大当りとして第1特別状(例えば確変)態に対応する第1大当り(例えば当該確変後の確変当り)が発生したこと、及び第2特別状態(例えば時短)に対応する第2大当り(例えば当該時短後の時短当り)の発生回数とが含まれる一方、第2大当りの発生回数については基準値を設定可能であり、検知部30bは、第1大当りが発生していない状態で、第2大当りが基準値分発生したことが特定された場合に誤配線があるものとして検知することから、当該検知方法β2により区別信号に係る誤配線(例えば
図4のケースβのような確変信号に係る誤配線)を効果的に特定可能となる。なお、当該検知方法β2は、「連続して発生した」ことを条件とする検知方法β1と比較して、その連続性を判定する必要がなく、システムの構成を簡易化することや負荷の軽減が可能となる。
【0067】
管理装置6において、特定部30aの特定対象となる遊技情報は、大当りとして第1特別状態(例えば確変)に対応する第1大当り(例えば当該確変後の確変当り)と、第2特別状態(例えば時短)に対応する第2大当り(例えば当該時短後の時短当り)と、の夫々の発生回数が含まれる一方、その発生回数については基準値を設定可能であり、検知部30bは、第2大当りの発生回数が第1大当りの発生回数を基準値分上回ったことが特定された場合に誤配線があるものとして検知することから、当該検知方法β3により区別信号に係る誤配線(例えば
図4のケースβのような確変信号に係る誤配線)を効果的に特定可能となる。また、当該検知方法β3では、上記と同様に「連続して発生した」ことを判定する必要がなく、システムの構成の簡易化が可能となる等の効果を奏する。
【0068】
遊技機1において、第2特別状態(例えば時短)は通常状態中でも発生可能に構成されており、検知部30bは、誤配線の検知条件β1bとして、第2大当り(例えば時短当り)が基準値分連続する期間内に第1特別状態(例えば確変)の発生が特定されていないことを含み、基準値分連続して第2大当りが発生したことが特定されたとしても、当該期間内に第1特別状態の発生が特定されていれば誤配線を検知しない。これによれば、例えば特別状態信号の配線は接続されるが、確変信号の配線は接続されないようなケースβでも状態を効果的に検知可能となる。
【0069】
管理装置6の検知部30bは、大当り状態、第1特別状態(例えば確変)及び第2特別状態(例えば時短)を含む、通常状態以外の遊技状態である特賞状態中に、通常状態へ移行することなく基準値分連続して第2大当り(例えば時短当り)が発生したことが特定された場合に誤配線があるものとして検知する。この検知条件β1aによれば、「連続して発生したこと」が特賞状態中に限られるので、例えば天時のような遊技性として、通常状態から時短となることや初当りが必ず時短当りとなる場合を効果的に除外した上で誤判定の検知が可能となる。
【0070】
遊技場用システムにおいて、区別信号として特別状態信号及び区別状態信号を出力する遊技機であって、特別状態信号に合わせて区別状態信号を出力可能であり、区別状態信号は出力される一方、特別状態信号は出力されない第3特別状態(例えば単独確変)へ移行可能な第1遊技機と、当該第3特別状態へ移行不能な第2遊技機とを管理対象として含むとともに、第1遊技機、及び第2遊技機向けの検知内容を遊技機単位又は機種単位で設定するための設定部30cを備え、検知部30bは、第2遊技機向けの設定がなされた遊技機又は機種については、特別状態信号が出力されず区別状態信号のみが出力されることにより第3特別状態を特定可能な場合に誤配線があるものとして検知する。この検知方法γ1によれば例えば、特別状態信号の配線が接続されないケースγや特別状態信号と確変信号の配線を入違えるようなケースδにより、時短や複合確変を単独確変と誤判定するような状況を効果的に検知可能となる。
【0071】
遊技場用システムにおいて、区別信号として特別状態信号及び区別状態信号を出力する第1遊技機を管理対象として含み、検知部30bは、第1遊技機での第1大当り(例えば確変後の確変当り)或いは第2大当り(例えば時短後の時短当り)といった大当り後に、全ての特別状態を対象とした何れかの特別状態(当該大当り後の特別状態)、或いは予め設定される発生すべき特別状態(当該大当り後の特別状態)が特定されることなく通常状態へ移行したことが特定された場合、その移行回数が所定回数に達したことを条件に誤配線を検知する。この検知方法γ2或いはδ2によれば、例えば特別状態信号を入力しないと確変信号により確変と判定しないような場合に、誤配線により確変や時短といった特別状態を判定できないケースγ,δでも、その誤配線を効果的に検知可能となる。
【0072】
<第2実施形態>
本第2実施形態の管理装置6は、自身の管理・集計する種類別の遊技情報と、当該種類別の遊技情報に関する許容情報とを比較する比較手段として構成されており、その比較結果に基づいて各ケースβ~δの誤配線を検知するようになっている。
以下では、本第2実施形態の比較処理について、
図7、
図8を参照しながら説明する。なお、
図7、
図8は、管理装置6のモニタ8での表示出力が可能であり、上記した第1実施形態と共通する内容は、同一の符号を付す等して説明を省略する。
【0073】
図7は、管理装置6により管理される遊技情報の一例として「平均S」を示しており、平均Sは遊技機単位で且つ遊技状態単位(遊技状態の種類別)に集計されるものとする。また、平均Sは「図柄変動数÷アウト」のようにアウトに対する図柄変動数の割合を示す遊技情報である。一方、
図8は、「平均S」について遊技状態単位で基準範囲を示す許容情報の一例を示している。
【0074】
ここで、管理対象となる遊技機1は第1実施形態と同様でもよいが、第2実施形態ではより作用を理解し易いよう第1実施形態における遊技機1に所謂小当りRUSH機能を追加し、その小当りRUSHと、天時とを対象として、夫々の期間中に出力され当該期間を夫々特定可能な状態信号が出力される遊技機を管理対象とする。
これにより、
図7、
図8では、係る「小当りRUSH」、天時を表す「天井」の他、通常状態を表す「通常」、第1特別状態を表す「確変」、第2特別状態を表す「時短」を、それら遊技状態の種類別(状態別)に規定している。
【0075】
小当りRUSHは確変となる場合に例えば抽選により発生させたり、発生後に所定の図柄変動数を上限にする等、所定の条件下で発生する遊技状態であって、大当り中に開放する大入賞口17が大当り中よりも短期間(例えば2秒)開放する小当りが発生し易くなる状態であり、例えば小当りを発生させるための抽選確率のような条件が遊技者に有利になる特徴がある。もう一つの特徴として、
図7の1番台のように状態別の平均Sの期待値が異なるように設計されている。つまり、通常状態以外では時短となり始動口16の入賞率が向上するが、リーチの発生度合や平均図柄変動時間等を調整することで、例えば確変の場合は早く図柄変動を消化して高めの平均Sとなる一方、時短(以下も含めて単独時短)の場合は確変程早く消化せずに低めの平均Sとなるよう設計されている。
これにより、管理装置6では、
図8に示す状態別の設計に応じて平均Sの基準範囲を画する許容情報を設定可能としている。
【0076】
図7に示される遊技状態のうち、確変については例えば
図6に示した単独確変も含まれ、時短は天時分を除外している。また、
図7においてハッチングを付した欄は、管理装置6により、同図の状態別の平均Sと
図8の状態別の基準範囲との比較結果に基づき検知した誤配線の有無を、状態別に識別可能な背景色が付されるものとする。以下、各台番の状況について説明する。
【0077】
先ず、1~3番台は誤配線がない状態を示している。このうち、2番台では天時、3番台では小当りRUSHについてデータが存在しない「-」となっているが、これは他の遊技状態での平均S(以下、他状態情報)が、
図8の基準範囲を逸脱していないことからも把握できるように誤配線はなく、単純に該当する遊技状態に移行しなかった場合を示している。このように、誤配線がない「‐」の欄は、その背景色(例えば青色)により識別して表示される。
【0078】
4番台では時短が基準範囲を逸脱し、上限を上回ることから、当該時短の欄は背景色を例えば橙色にして識別されている。一方で確変の欄は「‐」となっていることから、
図4のような確変信号が配線されていないケースβの誤配線であることを把握できる。この場合、他状態情報(時短)が基準範囲を逸脱していることから、「‐」は例えば背景色を青色ではなく赤色にして誤配線であることを示している。
【0079】
5番台では通常状態が基準範囲を逸脱し、上限を上回ることから、当該通常状態の欄は背景色を例えば橙色にして識別され、時短は「‐」であり、他状態情報(通常状態)が基準範囲を逸脱しているため、当該時短の欄は背景色を例えば赤色にして識別される。つまり、時短分が通常状態に含まれていると想定され、
図5のような特別状態信号が配線されていないケースγの誤配線であることを把握できる。
【0080】
6番台では確変が基準範囲を逸脱し、下限を下回ることから、当該確変の欄は背景色を例えば黄色にして識別される。一方で時短が「‐」となっていることから、
図6のような確変信号と特別状態信号との配線を入違えたケースδの誤配線であることを把握できる。この場合、他状態情報(確変)が基準範囲を逸脱していることから、「‐」は当該時短の欄は背景書を例えば赤色にして識別される。
【0081】
7番台と8番台では、それぞれ確変と時短が基準範囲を逸脱し、上限を上回ることから、当該確変と時短の欄は背景色を例えば橙色にして識別される。また、7番台の小当りRUSHと8番台の天時は「‐」であり、対応する他状態情報(確変と時短)が基準範囲を逸脱していることから、当該RUSHと天時の欄は背景色を例えば赤色にして識別される。つまり、小当りRUSHや天時分が確変や時短に含まれていると想定され、小当りRUSHや天時に対応した状態信号が配線されていないケースの誤配線であることを把握できる。
【0082】
このように、管理装置6は、平均Sの値がゼロデータ「‐」となるような状態により特定できない場合に、他状態情報(他の遊技状態の平均S)が、対応する
図8の基準範囲を逸脱するか比較することにより誤配線を検知し、その検知結果に応じて「-」の欄を識別情報として(背景色と併せて)表示し報知することで、誤配線がある旨を遊技機単位で把握することができる。この場合、他状態情報も基準範囲を逸脱する関係で、他状態情報の欄も背景色により識別表示されるので、どのような誤配線のケースであるかを把握し易くなる。なお、上記の通り説明したどのような誤配線のケースであるかを具体的に文字等で説明する説明情報(β~δ等を付した各ケースの誤配線の内容)を合わせて報知してもよい。
【0083】
以上説明したように本第2実施形態の管理装置6は、遊技情報管理部30dにより少なくとも特別状態の種類別に管理される遊技情報(例えば
図7に示す状態別の平均S)と、当該種類別の遊技情報に関する許容情報(例えば
図8に示す状態別の基準範囲)とを比較する比較部30eと、を備え、検知部30bは、種類別の遊技情報と当該種類別の遊技情報の許容情報との比較結果に基づいて誤配線を検知する。これによれば例えば、種類別の遊技情報が許容情報としての基準範囲を超えるような場合に、該当する種類の遊技信号の誤配線を効果的に検知可能となる。
【0084】
上記した種類別の遊技情報は、
図7や
図8で例示した平均Sに限らず、例えば出率のような他の遊技情報を対象としてもよい。また、許容情報たる基準範囲との比較結果として、上記のようにデータが存在しない「‐」ではなく、データは存在するが基準範囲を逸脱するような場合、即ち、基準範囲を逸脱した状態が複数ある場合に誤配線を検知してもよい。この場合、一方は下限を下回るが他方は上限を上回るといった、一方の遊技情報が他方に含まれているような関係が認められれば、誤配線があるものとして検知することが望ましい。簡易的に何れかの状態の遊技情報が基準範囲を逸脱した場合に誤配線を検知してもよい。
【0085】
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形または拡張することができる。
上記した基準情報、許容情報、所定回数等の各設定値、或いは第1遊技機向け若しくは第2遊技機向けの検知内容の設定等の関連する設定情報は、管理者が任意に操作入力により設定しても、予め管理装置6の製造メーカにて設定しても、外部(例えばチェーン店本部等)のサーバから設定情報をダウンロードして設定してもよい。なお、この場合もサーバにて操作入力により入力された設定値或いは設定情報となる。
【0086】
例示した全ての遊技情報は入力した信号により直接的に特定しても演算式を利用して間接的に特定してもよい。また、遊技信号としてパルス信号を例示したがシリアル通信等による信号入力としてもよい。
数値、桁数、項目等は例示であり、どのような数値を採用してもよい。また、報知に係る識別出力についても、例えば
図7の背景色(ハッチング)以外に記号を付ける等、どのような出力態様としてもよく、出力としては印字、表示出力が少なくとも想定される。
【0087】
許容情報等の範囲としては最小値と最大値との双方を設定してもよいし、各範囲の最小値のみを設定し、最大値については次の範囲の最小値を参照して特定する等、最小値と最大値との一方のみを設定してもよい。また、以上と超過についてはどちらを採用してもよく、「達した」等の表現は以上となった或いは超過したの何れにも対応する表現となる。以下と未満についても同様で、「達していない」等の表現は双方に対応する表現となる。
【0088】
対象となる遊技機としては遊技媒体をデータのみで管理する所謂封入式等の例示したパチンコ機以外のパチンコ機や、スロットマシン等にも採用できる。尚、所謂封入式を考慮して遊技媒体は必要に応じて遊技価値と表現する。
管理装置6が行う処理の一部を中継装置4、遊技装置2、或いは情報表示装置3等にて行う等、どの様に構成してもよい。更に例示した構成は変形例も含めて、どのように組合わせてもよいし、適宜、採用しない構成を設けてもよい。
【符号の説明】
【0089】
図面中、1は遊技機(第1遊技機、第2遊技機)、6は管理装置、7はキーボード(設定手段)、30aは特定部(特定手段)、30bは検知部(検知手段)、30cは設定部(設定手段)、30dは遊技情報管理部(遊技情報管理手段)、30eは比較部(比較手段)、32は送受信部(入力手段)である。