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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023174169
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】照明システム
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/17 20200101AFI20231130BHJP
   H05B 47/18 20200101ALI20231130BHJP
   H05B 47/105 20200101ALI20231130BHJP
   H05B 47/195 20200101ALI20231130BHJP
【FI】
H05B47/17
H05B47/18
H05B47/105
H05B47/195
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022086872
(22)【出願日】2022-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】高橋 健治
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA09
3K273QA29
3K273QA31
3K273RA16
3K273TA15
3K273TA28
3K273TA29
3K273TA40
3K273TA41
3K273TA52
3K273TA54
3K273TA62
3K273TA66
3K273UA16
3K273UA22
3K273UA24
(57)【要約】
【課題】複数の照明器具のそれぞれのアドレス情報を収集する手間が低減され、グループ制御に関する設定における作業効率が向上する照明システムを提供すること。
【解決手段】実施形態によれば、照明システムは、複数の照明器具、操作端末及びコントローラを備える。複数の照明器具のそれぞれには、アドレスが割り当てられ、操作端末は、照明器具のそれぞれに対して、アドレスに関するアドレス情報を送信させる送信要求を、無線通信によって送信する。コントローラは、照明器具をグループごとに一括して動作させるグループ制御を行う。設定対象グループの設定モードにおいて、コントローラは、操作端末からの送信要求に対応して照明器具のいずれかからアドレス情報を受信し、受信したアドレス情報を設定対象グループと関連付ける。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アドレスがそれぞれに割り当てられる複数の照明器具と;
前記複数の照明器具のそれぞれに対して、前記アドレスに関するアドレス情報を送信させる送信要求を、無線通信によって送信する操作端末と;
前記複数の照明器具をグループごとに一括して動作させるグループ制御を行い、外部からの信号によって設定対象となる設定対象グループの設定モードに切替わるコントローラであって、前記設定対象グループの前記設定モードにおいて、前記操作端末からの前記送信要求に対応して前記複数の照明器具のいずれかから前記アドレス情報を受信し、受信した前記アドレス情報を前記設定対象グループと関連付けるコントローラと;
を具備する、照明システム。
【請求項2】
前記複数の照明器具のそれぞれは、有線通信、又は、前記送信要求として前記操作端末から送信される無線信号に比べて広がり範囲が広い無線信号を用いた無線通信によって、前記アドレス情報を前記コントローラに送信する、請求項1の照明システム。
【請求項3】
前記複数の照明器具のそれぞれは、前記グループ制御に関する動作指令を前記操作端末から受信したことに対応して、受信した前記動作指令を前記コントローラに送信し、
前記コントローラは、前記複数の照明器具のいずれかから前記動作指令を受信したことに対応して、受信した前記動作指令において制御対象となる制御対象グループに所属する照明器具について、一括して動作を制御する、
請求項1又は2の照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の照明器具が設けられる照明システムでは、複数の照明器具のそれぞれの点灯及び消灯を含む動作が、コントローラによって制御される。また、複数の照明器具を複数のグループにグループ分けし、複数の照明器具を1つのグループごとに一括して動作させるグループ制御がコントローラによって行われる照明システムが、用いられている。
【0003】
前述のようにグループ制御が行われる照明システムでは、複数の照明器具のそれぞれに対して、グループ制御において所属する所属グループを、設定する必要がある。複数の照明器具のそれぞれについてグループ制御における所属グループを設定する作業では、例えば、照明器具のそれぞれについて、割り当てられたアドレスに関するアドレス情報を収集し、収集したアドレス情報を用いて所属グループが設定される。また、グループ制御に関する設定では、複数の照明器具のそれぞれのアドレス情報を収集する手間を低減する等して、作業効率を向上させることが、求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-238563号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、複数の照明器具のそれぞれのアドレス情報を収集する手間が低減され、グループ制御に関する設定における作業効率が向上する照明システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、照明システムは、複数の照明器具、操作端末及びコントローラを備える。複数の照明器具のそれぞれには、アドレスが割り当てられ、操作端末は、複数の照明器具のそれぞれに対して、アドレスに関するアドレス情報を送信させる送信要求を、無線通信によって送信する。コントローラは、複数の照明器具をグループごとに一括して動作させるグループ制御を行い、外部からの信号によって設定対象となる設定対象グループの設定モードに切替わる。設定対象グループの設定モードにおいて、コントローラは、操作端末からの送信要求に対応して複数の照明器具のいずれかからアドレス情報を受信し、受信したアドレス情報を設定対象グループと関連付ける。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数の照明器具のそれぞれのアドレス情報を収集する手間が低減され、グループ制御に関する設定における作業効率が向上する照明システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る照明システムの一例を概略的に示すブロック図である。
図2図2は、実施形態に係る照明システムにおいて、複数の照明器具のそれぞれについてのグループ制御での所属グループを示すデータの一例が示される概略図である。
図3図3は、実施形態に係る照明システムにおいて、照明器具のグループ制御が行われている状態での処理の一例を概略的に示すシーケンス図である。
図4図4は、実施形態に係る照明システムにおいて、グループ制御に関する設定が行われている状態での処理の一例を概略的に示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施形態では、照明システム(1)は、複数の照明器具(10)、操作端末(11)及びコントローラ(12)を備える。複数の照明器具(10)のそれぞれには、アドレスが割り当てられ、操作端末(11)は、複数の照明器具(10)のそれぞれに対して、アドレスに関するアドレス情報を送信させる送信要求を、無線通信によって送信する。コントローラ(12)は、複数の照明器具(10)をグループごとに一括して動作させるグループ制御を行い、外部からの信号によって設定対象となる設定対象グループの設定モードに切替わる。設定対象グループの設定モードにおいて、コントローラ(12)は、操作端末(11)からの送信要求に対応して複数の照明器具(10)のいずれかからアドレス情報を受信し、受信したアドレス情報を設定対象グループと関連付ける。これにより、グループ制御に関する設定において、照明器具(10)のそれぞれのアドレス情報を収集する手間が、低減され、グループ制御に関する設定における作業効率が、向上する。
【0010】
実施形態の照明システム(1)では、複数の照明器具(10)のそれぞれは、有線通信、又は、送信要求として操作端末(11)から送信される無線信号に比べて広がり範囲が広い無線信号を用いた無線通信によって、アドレス情報をコントローラ(12)に送信する。このようなシステム構成にすることで、アドレス情報の送信要求として操作端末(11)から出射される無線信号の広がり範囲は、比較的狭い。このため、アドレス情報の送信要求となる無線信号は、複数の照明器具(10)の中の所望の1つのみが受信可能な状態に、操作端末(11)から送信可能となる。したがって、複数の照明器具(10)の中の所望の1つのみからアドレス情報をコントローラ(12)に送信させることが、可能となる。
【0011】
実施形態の照明システム(1)では、複数の照明器具(10)のそれぞれは、グループ制御に関する動作指令を操作端末(11)から受信したことに対応して、受信した動作指令をコントローラ(12)に送信する。コントローラ(12)は、複数の照明器具(10)のいずれかから動作指令を受信したことに対応して、受信した動作指令において制御対象となる制御対象グループに所属する照明器具(10)について、一括して動作を制御する。これにより、グループ制御に関する操作を操作端末(11)で入力することにより、照明器具(10)についてのグループ制御が適切に行われる。
【0012】
以下、実施形態について図面を参照にして説明する。
【0013】
図1は、実施形態に係る照明システム1の一例を示す。図1に示すように、照明システム1は、複数の照明器具10、操作端末11、コントローラ12及びコンピュータ13を備える。照明器具10のそれぞれは、光源部101、照明制御部102、データ記憶部103及び通信部105,106を備える。照明器具10のそれぞれでは、光源部101は、発光ダイオード(LED)及び電球等のいずれかを発光素子として備える。照明器具10のそれぞれでは、光源部101の発光素子で発光した光が、照明光として照射される。
【0014】
照明器具10のそれぞれは、プロセッサ又は集積回路、及び、メモリ等の記憶媒体を備える。プロセッサ又は集積回路は、CPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、マイコン、FPGA(Field Programmable Gate Array)、及び、DSP(Digital Signal processor)等のいずれかを含む。照明器具10のそれぞれは、プロセッサ等を1つのみ備えてもよく、プロセッサ等を複数備えてもよい。照明器具10のそれぞれでは、プロセッサ等によって照明制御部102の処理が行われ、記憶媒体がデータ記憶部103として機能する。
【0015】
照明器具10のそれぞれでは、照明制御部102は、光源部101の点灯及び消灯を含む動作を制御する。このため、照明器具10のそれぞれでは、照明制御部102によって、光源部101の動作を含む照明状態が制御される。また、照明器具10のそれぞれには、識別子としてアドレスが割り当てられる。照明器具10のそれぞれでは、例えば、製造時等において、アドレスが割り当てられる。照明器具10のそれぞれでは、データ記憶部103に、割り当てられたアドレスに関するアドレス情報が記憶される。
【0016】
また、照明器具10のそれぞれでは、通信インタフェースから通信部105,106のそれぞれが構成される。照明器具10のそれぞれは、通信部105を介して、操作端末11と無線通信する。また、照明器具10のそれぞれは、通信部106を介して、コントローラ12と有線通信又は無線通信する。
【0017】
操作端末11は、例えば、リモコン等であり、操作入力部111、処理回路112及び通信部113を備える。操作入力部111は、操作端末11に設けられるユーザインタフェースから構成され、例えば、操作端末11に設置される操作ボタン、操作ダイヤル及びタッチパネル等のいずれかが、操作入力部111として機能する。処理回路112による処理は、操作端末11に搭載される集積回路又はプロセッサ等によって、行われる。また、通信部113は、操作端末11の通信インタフェースから構成される。操作端末11は、通信部113を介して、照明器具10のそれぞれと無線通信する。
【0018】
コントローラ12は、中央制御部121、データ記憶部122及び通信部125,126を備える。コントローラ12は、制御装置となる処理装置であり、プロセッサ又は集積回路、及び、メモリ等の記憶媒体を備える。プロセッサ又は集積回路は、照明器具10のプロセッサ等と同様に、CPU、ASIC、マイコン、FPGA、及び、DSP等のいずれかを含む。コントローラ12は、プロセッサ等を1つのみ備えてもよく、プロセッサ等を複数備えてもよい。コントローラ12では、プロセッサ等によって中央制御部121の処理が行われ、記憶媒体がデータ記憶部122として機能する。
【0019】
また、コントローラ12では、通信インタフェースから通信部125,126のそれぞれが構成される。コントローラ12は、通信部125を介して、照明器具10のそれぞれと無線通信又は有線通信する。また、コントローラ12は、通信部126を介して、コンピュータ13と無線通信又は有線通信する。コントローラ12は、例えば、無線LAN(Local Area Network)又は有線LANによって、コンピュータ13に接続される。図1では、コントローラ12が照明器具10のそれぞれとの間で無線通信し、かつ、コントローラ12がコンピュータ13との間で無線通信する一例が、示される。
【0020】
コンピュータ13は、処理実行部131、データ記憶部132、通信部133及び操作入力部135を備える。コンピュータ13は、プロセッサ又は集積回路、及び、メモリ等の記憶媒体を備える。プロセッサ又は集積回路は、照明器具10のプロセッサ等と同様に、CPU、ASIC、マイコン、FPGA、及び、DSP等のいずれかを含む。コンピュータ13は、プロセッサ等を1つのみ備えてもよく、プロセッサ等を複数備えてもよい。コンピュータ13では、プロセッサ等によって処理実行部131の処理が行われ、記憶媒体がデータ記憶部132として機能する。
【0021】
また、通信部133は、コンピュータ13の通信インタフェースから構成される。コンピュータ13は、通信部133を介して、コントローラ12と無線通信又は有線通信する。操作入力部135は、コンピュータ13に設けられるユーザインタフェース、及び、コンピュータ13に外付けされるユーザインタフェースのいずれかから構成され、マウス、キーボード及びタッチパネル等のいずれかが、操作入力部135として機能する。
【0022】
ここで、照明器具10のそれぞれと操作端末11との間での無線通信について、説明する。照明器具10のそれぞれは、操作端末11との間での無線通信において、操作端末11から出射される赤外線等の電磁波を、操作端末11からの無線信号として、通信部105で受信する。照明器具10のそれぞれと操作端末11との間での無線通信では、操作端末11から出射される無線信号の広がり範囲は、比較的狭く、操作端末11から出射される無線信号の指向性は比較的高い。
【0023】
ある一例では、複数の照明器具10の中の1つである照明器具10Aによって受信される状態に操作端末11から出射された電磁波等の無線信号は、照明器具10A以外の照明器具10によって、受信されない。すなわち、操作端末11から照明器具10Aに無線信号を送信している状態において、照明器具10Aへの無線信号は、照明器具10A以外の照明器具10によって、受信されない。
【0024】
また、コントローラ12と照明器具10のそれぞれとの間で無線通信が行われる場合、コントローラ12及び照明器具10のそれぞれは、電磁波を無線信号として出射する。この場合、コントローラ12及び照明器具10のそれぞれから出射される無線信号は、操作端末11と照明器具10のそれぞれとの間での無線通信において操作端末11から出射される無線信号に比べて、広がり範囲が広い。したがって、コントローラ12と照明器具10のそれぞれとの間での無線通信に用いられる無線信号は、操作端末11と照明器具10のそれぞれとの間での無線通信に用いられる無線信号に比べて、指向性が低い。
【0025】
ある一例では、複数の照明器具10の中の1つである照明器具10Aによって受信される状態にコントローラ12から出射された電磁波等の無線信号は、照明器具10A以外の照明器具10によっても受信される。すなわち、コントローラ12から照明器具10Aに無線信号を送信している状態において、照明器具10Aへの無線信号は、照明器具10A以外の照明器具10によっても、受信される。
【0026】
本実施形態の照明システム1では、複数の照明器具10は、複数のグループにグループ分けされる。そして、コントローラ12の中央制御部121は、複数の照明器具10を1つのグループごとに一括して動作させるグループ制御を行う。コントローラ12によるグループ制御によって、互いに対して同一のグループに所属する照明器具10について、光源部101の点灯及び消灯等のそれぞれが、一括して行われる。
【0027】
コントローラ12のデータ記憶部122には、複数の照明器具10のそれぞれについてのグループ制御における所属グループを示すデータが、示される。図2は、複数の照明器具10のそれぞれについてのグループ制御での所属グループを示すデータの一例を、示す。図2の一例では、グループ制御において、複数の照明器具10は、グループX1,X2,X3の3つのグループにグループ分けされる。そして、図2のデータでは、照明器具のそれぞれについて、割り当てられたアドレスが、グループ制御における所属グループと関連付けて示される。図2の一例では、アドレスA1,A2,A3,A4,A5,A6の照明器具10が、それぞれ、グループX1,X1,X3,X2,X2,X3に所属することが、示される。
【0028】
コントローラ12は、通常運用モード及び複数のグループについての設定モードのそれぞれに、運用モードが切替わり可能である。コントローラ12の運用モードを切替える操作は、コンピュータ13の操作入力部135で入力される。運用モードを切替える操作が操作入力部135で入力されると、処理実行部131は、運用モードの切替え指令を、通信部133からコントローラ12へ送信させる。そして、コントローラ12の中央制御部121は、コンピュータ13からの切替え指令を通信部126で受信したことに対応して、対応する運用モードに切替わり、対応する運用モードでの動作を開始する。したがって、外部からの信号によって、コントローラ12の運用モードが切替わる。
【0029】
操作端末11の操作入力部111では、照明器具10のそれぞれの動作に関する操作を入力可能である。照明器具10のそれぞれの動作に関する操作が操作入力部111で入力されると、操作端末11の処理回路112は、照明器具10についての動作指令を、通信部113から複数の照明器具10のいずれかに向かって送信される。そして、操作端末11からの動作指令を通信部105で受信した照明器具10では、照明制御部102は、受信した動作指令を、通信部106からコントローラ12へ送信させる。
【0030】
コントローラ12では、通常運用モードで動作している状態において、通信部125で動作指令を受信すると、中央制御部121は、受信した動作指令において制御対象となる照明器具10を、複数の照明器具10から特定する。この際、データ記憶部122に記憶される照明器具10のそれぞれのアドレス情報等に基づいて、制御対象となる照明器具10が特定される。そして、コントローラ12は、制御対象となる照明器具10に制御信号を送信する。制御対象となる照明器具10では、照明制御部102は、コントローラ12からの制御信号に基づいて、光源部101の点灯及び消灯を含む動作を制御する。
【0031】
また、操作端末11の操作入力部111では、グループ制御における照明器具10の動作に関する操作を入力可能である。グループ制御における照明器具10の動作に関する操作が操作入力部111で入力されると、操作端末11の処理回路112は、グループ制御に関する動作指令を、通信部113から複数の照明器具10のいずれかに向かって送信させる。そして、操作端末11からの動作指令を通信部105で受信した照明器具10では、照明制御部102は、受信した動作指令を、通信部106からコントローラ12へ送信させる。
【0032】
コントローラ12では、通常運用モードで動作している状態において、通信部125でグループ制御に関する動作指令を受信すると、中央制御部121は、受信した動作指令において制御対象となる制御対象グループに所属する照明器具10を、複数の照明器具10から特定する。この際、データ記憶部122に記憶されるデータである複数の照明器具10のそれぞれについてのグループ制御における所属グループを示すデータ等に基づいて、制御対象グループに所属する照明器具10が特定される。
【0033】
そして、コントローラ12は、制御対象となる制御対象グループに所属する照明器具10のそれぞれに制御信号を送信する。制御対象グループに所属する照明器具10のそれぞれでは、照明制御部102は、コントローラ12からの制御信号に基づいて、光源部101の点灯及び消灯を含む動作を制御する。これにより、制御対象グループに所属する照明器具10が、一括して点灯及び消灯等の動作を行う。
【0034】
図3は、照明システム1において照明器具10のグループ制御が行われている状態での処理の一例を、シーケンス図で示す。図3の一例では、複数の照明器具10の1つである照明器具10A、及び、複数の照明器具10の中の照明器具10Aとは別の1つである照明器具10Bのそれぞれは、グループ制御における所属グループが、グループX1に設定されているものとする。図3の一例では、操作端末11は、操作入力部111で入力された操作に基づいて、グループX1についての動作指令を送信する(S301)。この際、例えば、グループX1に所属する照明器具10を一括して点灯又は消灯させる動作指令が、送信される。このため、図3の一例では、グループX1が、動作指令における制御対象グループとなる。
【0035】
また、動作指令は、広がり範囲が比較的狭い無線信号として、操作端末11から送信される。例えば、複数の照明器具10の中の1つのみによって受信される状態で、動作指令となる無線信号が、送信される。図3の一例では、複数の照明器具10の1つである照明器具10Aが、グループX1についての動作指令を受信する(S302)。また、照明器具10Bを含む照明器具10A以外の照明器具10は、操作端末11からの動作指令を受信しない。照明器具10Aは、受信したグループX1についての動作指令を、コントローラ12へ送信する(S303)。この際、動作指令は、有線信号、又は、操作端末からの無線信号に比べて広がり範囲が広い無線信号として、照明器具10Aから送信される。
【0036】
コントローラ12は、照明器具10Aから送信されたグループX1についての動作指令を、受信する(S304)。そして、コントローラ12は、照明器具10A,10Bを含むグループX1に所属する照明器具10のそれぞれに、制御信号を送信する(S305)。この際、例えば、グループX1に所属する照明器具10の光源部101を一括して点灯又は消灯させる制御信号が、送信される。また、コントローラ12からの制御信号は、有線信号、又は、操作端末11からの無線信号に比べて広がり範囲が広い無線信号として、送信される。このため、照明器具10A,10Bを含むグループX1に所属する全ての照明器具10が、コントローラ12からの制御信号を受信する。
【0037】
照明器具10Aは、コントローラ12から送信された制御信号を受信し(S306)、受信した制御信号に基づいた動作を行う(S307)。同様に、照明器具10Bは、コントローラ12から送信された制御信号を受信し(S308)、受信した制御信号に基づいた動作を行う(S309)。これにより、照明器具10A,10Bを含むグループX1に所属する照明器具10は、コントローラ12からの制御信号に基づいた動作を一括して行う。例えば、コントローラ12からの制御信号に基づいて、グループX1に所属する照明器具10は、一括して点灯又は消灯する。
【0038】
なお、グループ制御における照明器具10の動作に関する操作は、コンピュータ13の操作入力部135で入力されてもよい。この場合、グループ制御における照明器具10の動作に関する操作が操作入力部135で入力されると、コンピュータ13の処理実行部131は、グループ制御に関する動作指令を、通信部133からコントローラ12へ送信させる。そして、コントローラ12では、通常運用モードで動作している状態において、コンピュータ13から送信されたグループ制御に関する動作指令を、通信部126で受信する。
【0039】
そして、コントローラ12は、前述したように、受信した動作指令において制御対象となる制御対象グループに所属する照明器具10のそれぞれに、制御信号を送信する。制御対象グループに所属する照明器具10のそれぞれでは、照明制御部102は、コントローラ12からの制御信号に基づいて、光源部101の点灯及び消灯を含む動作を制御する。これにより、対象グループに所属する照明器具10が一括して点灯及び消灯等の動作を行う。
【0040】
また、照明システム1では、前述のようにグループ制御が行われるため、グループ制御に関する設定を、予め行う必要がある。グループ制御に関する設定では、複数の照明器具10のそれぞれについて、グループ制御における所属グループが設定される。グループ制御に関する設定の作業時において、コントローラ12は、設定対象となる設定対象グループの設定モードで動作する。
【0041】
グループ制御に関する設定では、コントローラ12の中央制御部121は、複数の照明器具10のそれぞれについて、製造時等に割り当てられたアドレスに関するアドレス情報を収集する。そして、中央制御部121は、複数の照明器具10のそれぞれについて、収集したアドレス情報を用いて、所属グループを設定する。この際、例えば、複数の照明器具10のそれぞれについて、割り当てられたアドレスをグループ制御において所属するグループのグループID等と関連付けることにより、所属グループが設定される。
【0042】
操作端末11の操作入力部111では、照明器具10のそれぞれに対して割り当てられたアドレスに関するアドレス情報を送信させる操作を、入力可能である。グループ制御に関する設定の作業時には、アドレス情報を送信させる操作が操作入力部111で入力されたことに対応させて、操作端末11の処理回路112は、照明器具10のそれぞれに対して、アドレス情報を送信させる送信要求を、通信部113から送信させる。
【0043】
照明器具10のそれぞれでは、照明制御部102は、操作端末11から送信されたアドレス情報の送信要求を通信部105で受信したことに対応して、アドレス情報を通信部106からコントローラ12へ送信させる。そして、コントローラ12の通信部125は、照明器具10のそれぞれから送信されたアドレス情報を、受信する。これにより、コントローラ12は、複数の照明器具10のそれぞれについてのアドレス情報を収集する。そして、中央制御部121は、複数の照明器具10のそれぞれについて、アドレス情報を用いて、グループ制御における所属グループを設定する。
【0044】
図4は、照明システム1においてグループ制御に関する設定が行われている状態での処理の一例を、シーケンス図で示す。図4の一例では、グループ分けされる複数のグループの1つであるグループX1に関する設定での処理等が、示される。すなわち、図4の一例では、グループX1を設定対象グループとして、設定が行われる。また、図4の一例では、照明器具10A,10Bのそれぞれの所属グループが、グループX1に設定されるものとする。図4の一例では、コンピュータ13は、操作入力部135で入力されたモードを切替える操作に基づいて、グループX1の設定モードへの切替え指令を送信する(S401)。切替え指令は、有線信号又は無線信号として、送信される。
【0045】
コントローラ12は、コンピュータ13からの運用モードの切替え指令を受信したことに対応して、グループX1の設定モードでの動作を開始する(S402)。すなわち、外部からの信号によって、コントローラ12は、設定対象となる設定対象グループの設定モードに切替わる。グループX1の設定モードでのコントローラ12の動作によって、グループX1に所属する照明器具10が、設定される。
【0046】
グループX1の設定モードにコントローラ12の動作が切替わると、操作端末11は、操作入力部111で入力された操作に基づいて、割り当てられたアドレスに関するアドレス情報を送信させる送信要求を、照明器具10Aに対して送信する(S403)。この際、送信要求は、広がり範囲が比較的狭い無線信号として、操作端末11から送信される。このため、複数の照明器具10の中の照明器具10Aのみによって受信される状態で、送信要求となる無線信号が、送信される。すなわち、照明器具10Bを含む照明器具10A以外の照明器具10では、送信要求となる無線信号は、受信されない。
【0047】
そして、照明器具10Aは、操作端末11から送信されたアドレス情報の送信要求を受信する(S404)。そして、照明器具10Aは、製造時等に識別子として照明器具10Aに割り当てられたアドレスに関するアドレス情報を、送信する(S405)。この際、アドレス情報は、有線信号、又は、操作端末11からの無線信号に比べて広がり範囲が広い無線信号として、照明器具10Aから送信される。
【0048】
コントローラ12は、照明器具10Aについてのアドレス情報を、照明器具10Aから受信する(S406)。そして、コントローラ12は、照明器具10Aに割り当てられたアドレスをグループX1に追加する(S407)。これにより、グループ制御における照明器具10Aの所属グループが、グループX1に設定され、グループX1に、照明器具10Aが割り当てられる。また、コントローラ12では、照明器具10AがグループX1に所属することを示す情報が、データ記憶部122に記憶される。
【0049】
また、図4の一例では、照明器具10Aの所属グループがグループX1に設定されると、照明器具10Bの所属グループについての設定が行われる。照明器具10Bの所属グループについての設定では、操作端末11は、操作入力部111で入力された操作に基づいて、割り当てられたアドレスに関するアドレス情報を送信させる送信要求を、照明器具10Bに対して送信する(S408)。この際、複数の照明器具10の中の照明器具10Bのみによって受信される状態で、送信要求となる無線信号が、送信される。すなわち、照明器具10Aを含む照明器具10B以外の照明器具10では、送信要求となる無線信号は、受信されない。
【0050】
そして、照明器具10Bは、操作端末11から送信されたアドレス情報の送信要求を受信し(S409)。照明器具10Bに割り当てられたアドレスに関するアドレス情報を、送信する(S410)。この際、アドレス情報は、有線信号、又は、操作端末11からの無線信号に比べて広がり範囲が広い無線信号として、照明器具10Bから送信される。
【0051】
コントローラ12は、照明器具10Bについてのアドレス情報を、照明器具10Bから受信する(S411)。そして、コントローラ12は、照明器具10Bに割り当てられたアドレスをグループX1に追加する(S412)。これにより、グループ制御における照明器具10Bの所属グループが、グループX1に設定され、グループX1に、照明器具10Bが割り当てられる。また、コントローラ12では、照明器具10BがグループX1に所属することを示す情報が、データ記憶部122に記憶される。
【0052】
グループ制御においてグループX1に所属する他の照明器具10についても、照明器具10A,10Bと同様にして、グループX1に割り当てられる。グループX1に関する設定が終了すると、すなわち、グループX1への照明器具10の割り当てが終了すると、コンピュータ13は、操作入力部135で入力されたモードを切替える操作に基づいて、グループX1の設定モードを解除する解除指令を送信する(S413)。解除指令は、有線信号又は無線信号として、送信される。
【0053】
コントローラ12は、コンピュータ13からの運用モードの切替え指令を受信したことに対応して、グループX1の設定モードでの動作を終了し、通常運用モードでの動作を再開する(S414)。すなわち、外部からの信号によって、コントローラ12は、通常運用モードに切替わる。グループX1以外のグループについても、グループX1と同様にして、グループ制御において所属する照明器具10が設定される。すなわち、図4の一例のS407,S412の処理のように、設定対象グループの設定モードにおいて、コントローラ12は、操作端末11からの送信要求に対応して複数の照明器具10のいずれかからアドレス情報を受信し、受信したアドレス情報を設定対象グループと関連付ける。
【0054】
前述のように本実施形態では、操作端末11は、複数の照明器具10のそれぞれに対して、アドレスに関するアドレス情報を送信させる送信要求を、無線通信によって送信する。そして、設定対象グループの設定モードでは、コントローラ12は、操作端末11からの送信要求に対応して照明器具10のいずれかからアドレス情報を受信し、受信したアドレス情報を設定対象グループと関連付ける。前述のようにして設定対象グループに追加する照明器具10のそれぞれのアドレス情報が取得されるため、グループ制御に関する設定において、照明器具10のそれぞれのアドレス情報を収集する手間が、低減される。これにより、グループ制御に関する設定における作業効率が、向上する。
【0055】
本実施形態では、照明器具10のそれぞれのアドレス情報が、前述のように収集される。このため、コンピュータ等を用いて照明器具10のアドレス宛に点灯させる指令を送信し、指令が送信されたアドレスに対応する照明器具10を点灯させる作業等を行うことなく、照明器具10のそれぞれに割り当てられたアドレスを確認可能となる。また、グループ制御に関する設定が前述のように行われるため、グループ制御に関する設定において、製造時等に割り当てられたアドレスとは異なる新たなアドレスを、照明器具10のそれぞれに対して設定する必要はない。すなわち、本実施形態では、グループ制御に関する設定において、設置される場所等に対応して新たなアドレスを、照明器具10のそれぞれに対して設定する必要はない。これにより、グループ制御に関する設定における作業効率が、向上する。
【0056】
また、照明器具10のそれぞれは、有線通信、又は、アドレス情報の送信要求として操作端末11から送信される無線信号に比べて広がり範囲が広い無線信号を用いた無線通信によって、アドレス情報をコントローラ12に送信する。このようなシステム構成にすることで、アドレス情報の送信要求として操作端末11から出射される無線信号の広がり範囲は、比較的狭い。このため、アドレス情報の送信要求となる無線信号は、複数の照明器具10の中の所望の1つのみが受信可能な状態に、操作端末11から送信可能となる。したがって、複数の照明器具10の中の所望の1つのみからアドレス情報をコントローラ12に送信させることが、可能となる。
【0057】
また、前述のように複数の照明器具10のそれぞれの所属グループが設定されたグループ制御では、照明器具10のそれぞれは、グループ制御に関する動作指令を操作端末11から受信したことに対応して、受信した動作指令をコントローラ12に送信する。そして、コントローラ12は、照明器具10のいずれかから動作指令を受信したことに対応して、受信した動作指令において制御対象となる制御対象グループに所属する照明器具10について、一括して動作を制御する。したがって、グループ制御に関する操作を操作端末11で入力することにより、照明器具10についてのグループ制御が適切に行われる。
【0058】
これら少なくとも一つの実施形態によれば、操作端末は、複数の照明器具のそれぞれに対して、アドレスに関するアドレス情報を送信させる送信要求を、無線通信によって送信する。そして、設定対象グループの設定モードにおいて、コントローラは、操作端末からの送信要求に対応して複数の照明器具のいずれかから送信されたアドレス情報を受信し、受信したアドレス情報を設定対象グループと関連付ける。これにより、複数の照明器具のそれぞれのアドレス情報を収集する手間が低減され、グループ制御に関する設定における作業効率が向上する照明システムを提供することができる。
【0059】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0060】
1…照明システム、10(10A,10B)…照明器具、11…操作端末、12…コントローラ、13…コンピュータ、101…光源部、102…照明制御部、103…データ記憶部、105,106…通信部、111…操作入力部、112…処理回路、113…通信部、121…中央制御部、122…データ記憶部、125,126…通信部、131…処理実行部、132…データ記憶部、133…通信部、135…操作入力部。
図1
図2
図3
図4