(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023174186
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】ワイヤレスマイクシステム、受信機および音声出力方法
(51)【国際特許分類】
H04B 1/16 20060101AFI20231130BHJP
【FI】
H04B1/16 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022086893
(22)【出願日】2022-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】北郷 亮介
(72)【発明者】
【氏名】蜷川 貴晴
(72)【発明者】
【氏名】相川 寿治
【テーマコード(参考)】
5K061
【Fターム(参考)】
5K061AA09
5K061CC02
5K061JJ06
5K061JJ07
(57)【要約】
【課題】参加者による発言の機会設定をフレキシブルに行い、利便性の向上を図る。
【解決手段】ワイヤレスマイクシステムは、入力装置と、発話者の音声を収音可能かつ音声の音声信号を無線通信可能な複数のワイヤレスマイクのそれぞれとの間で無線通信可能であり、ワイヤレスマイクから送信される音声信号を受信し複数の音声チャネルのうちいずれかを用いて音声出力する受信機と、を備える。受信機は、入力装置からの入力に基づいて生成されかつ複数の音声チャネルと複数のワイヤレスマイクとの使用関係を規定する音声チャネル管理データを保持し、音声チャネル管理データに基づいて、ワイヤレスマイクから送られる発話者の音声信号を音声出力する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力装置と、
発話者の音声を収音可能かつ前記音声の音声信号を無線通信可能な複数のワイヤレスマイクのそれぞれとの間で無線通信可能であり、前記ワイヤレスマイクから送信される前記音声信号を受信し複数の音声チャネルのうちいずれかを用いて音声出力する受信機と、を備え、
前記受信機は、
前記入力装置からの入力に基づいて生成されかつ前記複数の音声チャネルと前記複数のワイヤレスマイクとの使用関係を規定する音声チャネル管理データを保持し、前記音声チャネル管理データに基づいて、前記ワイヤレスマイクから送られる前記発話者の音声信号を音声出力する、
ワイヤレスマイクシステム。
【請求項2】
前記受信機は、前記複数の音声チャネルの個数n(n:2以上の既定の整数)と一致するn個の音声出力部、をさらに備える、
請求項1に記載のワイヤレスマイクシステム。
【請求項3】
前記音声チャネル管理データは、前記入力装置からの入力に基づいて、前記複数の音声チャネルと前記複数のワイヤレスマイクとの使用関係の編集が可能に構成される、
請求項1に記載のワイヤレスマイクシステム。
【請求項4】
前記音声チャネル管理データは、1個の前記ワイヤレスマイクに、前記複数の音声チャネルのうち1つ以上の使用可能な音声チャネルを割り当てる、
請求項1に記載のワイヤレスマイクシステム。
【請求項5】
前記音声チャネル管理データは、1個の前記ワイヤレスマイクに、前記複数の音声チャネルのうち1つ以上の使用不可な音声チャネルを割り当てる、
請求項4に記載のワイヤレスマイクシステム。
【請求項6】
前記音声チャネル管理データは、前記複数のワイヤレスマイクのうち一部となる複数のワイヤレスマイクに、同一の複数の音声チャネルを使用可能に割り当てる、
請求項1に記載のワイヤレスマイクシステム。
【請求項7】
前記受信機は、前記複数のワイヤレスマイクのうち任意のワイヤレスマイクから通話開始要求を受信すると、前記音声チャネル管理データに基づいて、前記複数の音声チャネルのうち前記任意のワイヤレスマイクに対応する使用可能な音声チャネルを選択し、その選択された前記音声チャネルを介して前記任意のワイヤレスマイクから送られる前記発話者の音声信号を音声出力する、
請求項1に記載のワイヤレスマイクシステム。
【請求項8】
前記受信機は、前記複数のワイヤレスマイクのうち通話中のワイヤレスマイクから通話終了要求を受信すると、前記通話中のワイヤレスマイクに使用中の音声チャネルを解放して前記音声チャネル管理データを更新する、
請求項7に記載のワイヤレスマイクシステム。
【請求項9】
前記受信機は、所定条件を満たすと動作モードを通常モードまたは特定モードに切り替え可能であり、
前記通常モードでは、前記受信機は、1個の前記ワイヤレスマイクに、前記複数の音声チャネルのうち1つのみ使用可能な音声チャネルを割り当て、
前記特定モードでは、前記受信機は、1個の前記ワイヤレスマイクに、前記複数の音声チャネルのうち1つ以上の使用可能な音声チャネルを割り当てる、
請求項1に記載のワイヤレスマイクシステム。
【請求項10】
発話者の音声を収音可能かつ前記音声の音声信号を無線通信可能な複数のワイヤレスマイクのそれぞれとの間で無線通信する無線通信部と、
前記ワイヤレスマイクから受信した前記音声信号を複数の音声チャネルのうちいずれかを用いて音声出力する音声出力部と、
入力装置からの入力に基づいて生成されかつ前記複数の音声チャネルと前記複数のワイヤレスマイクとの使用関係を規定する音声チャネル管理データを保持し、前記音声チャネル管理データに基づいて、前記ワイヤレスマイクから送られる前記発話者の音声信号の音声出力を制御するチャネル制御部と、を備える、
受信機。
【請求項11】
入力装置と受信機とを少なくとも含むワイヤレスマイクシステムによる音声出力方法であって、
発話者の音声を収音可能かつ前記音声の音声信号を無線通信可能な複数のワイヤレスマイクのそれぞれとの間で無線通信するステップと、
前記入力装置からの入力に基づいて生成されかつ複数の音声チャネルと前記複数のワイヤレスマイクとの使用関係を規定する音声チャネル管理データを保持するステップと、
前記ワイヤレスマイクから送信される前記音声信号を受信するステップと、
前記音声チャネル管理データに基づいて、前記複数の音声チャネルのうちいずれかを用いて前記ワイヤレスマイクから送られる前記発話者の音声信号を音声出力するステップと、を有する、
音声出力方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ワイヤレスマイクシステム、受信機および音声出力方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、無線による双方向通信が可能な複数のマイク子機とシステム制御部とを含む会議施設用双方向通信システムを開示している。この会議施設用双方向通信システムでは、システム制御部には発言枠管理テーブルと発言待ち管理テーブルとが設けられている。マイク子機からシステム制御部に発言要求信号が出されると、システム制御部は、発言枠管理テーブルに空きがある場合にはそのマイク子機に発言許可を与えて発言枠管理テーブルに登録し、空きがない場合にはそのマイク子機を発言待ち管理テーブルに登録して待機させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、会議の参加者ごとにマイクが使用可能に割り当てられ、参加者未満である一定人数分のマイク子機が登録される発言枠管理テーブルと、一定人数以外の残りの参加者分のマイク子機が登録される発言待ち管理テーブルとの2種類のテーブルで参加者のマイク子機が管理されている。発言枠管理テーブルに空きが生じた場合には、発言待ち管理テーブルに登録中であって発言要求信号を出したマイク子機が発言枠管理テーブルに新たに登録される。ところが、特許文献1では、それぞれのマイク子機とシステム制御部との間の無線通信で用いる複数の音声チャネルを複数あるマイク子機のうちどのマイク子機が使用するか(言い換えると、どのマイク子機を割り当てるか)を自由に決定、編集することは想定されていない。特に複数人が参加する会議においてはどの参加者がどのタイミングで発言を要求するかは想定しづらいことも少なくなく、例えば発言の機会を参加者に持てるように発言の機会設定のフレキシブル性が求められるところである。
【0005】
本開示は、上述した従来の状況に鑑みて案出され、参加者による発言の機会設定をフレキシブルに行い、利便性の向上を図るワイヤレスマイクシステム、受信機および音声出力方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、入力装置と、発話者の音声を収音可能かつ前記音声の音声信号を無線通信可能な複数のワイヤレスマイクのそれぞれとの間で無線通信可能であり、前記ワイヤレスマイクから送信される前記音声信号を受信し複数の音声チャネルのうちいずれかを用いて音声出力する受信機と、を備え、前記受信機は、前記入力装置からの入力に基づいて生成されかつ前記複数の音声チャネルと前記複数のワイヤレスマイクとの使用関係を規定する音声チャネル管理データを保持し、前記音声チャネル管理データに基づいて、前記ワイヤレスマイクから送られる前記発話者の音声信号を音声出力する、ワイヤレスマイクシステムを提供する。
【0007】
また、本開示は、発話者の音声を収音可能かつ前記音声の音声信号を無線通信可能な複数のワイヤレスマイクのそれぞれとの間で無線通信する無線通信部と、前記ワイヤレスマイクから受信した前記音声信号を複数の音声チャネルのうちいずれかを用いて音声出力する音声出力部と、入力装置からの入力に基づいて生成されかつ前記複数の音声チャネルと前記複数のワイヤレスマイクとの使用関係を規定する音声チャネル管理データを保持し、前記音声チャネル管理データに基づいて、前記ワイヤレスマイクから送られる前記発話者の音声信号の音声出力を制御する制御部と、を備える、受信機を提供する。
【0008】
また、本開示は、入力装置と受信機とを少なくとも含むワイヤレスマイクシステムによる音声出力方法であって、発話者の音声を収音可能かつ前記音声の音声信号を無線通信可能な複数のワイヤレスマイクのそれぞれとの間で無線通信するステップと、前記入力装置からの入力に基づいて生成されかつ複数の音声チャネルと前記複数のワイヤレスマイクとの使用関係を規定する音声チャネル管理データを保持するステップと、前記ワイヤレスマイクから送信される前記音声信号を受信するステップと、前記音声チャネル管理データに基づいて、前記複数の音声チャネルのうちいずれかを用いて前記ワイヤレスマイクから送られる前記発話者の音声信号を音声出力するステップと、を有する、音声出力方法を提供する。
【0009】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム、または、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、参加者による発言の機会設定をフレキシブルに行い、利便性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】ワイヤレスマイクシステムのシステム構成例および受信機のハードウェア構成例を示すブロック図
【
図2】ワイヤレスマイクのハードウェア構成例を示すブロック図
【
図5】ワイヤレスマイクシステムによるワイヤレスマイクの登録時の動作手順例を示すシーケンス図
【
図6】ワイヤレスマイクシステムによる拡張チャネルの編集時の動作手順例を示すシーケンス図
【
図7】ワイヤレスマイクシステムによるワイヤレスマイクの通話開始時の動作手順例を示すシーケンス図
【
図8】音声チャネル管理部による音声チャネルの選択時の動作手順例を示すフローチャート
【
図9】ワイヤレスマイクシステムによるワイヤレスマイクの通話終了時の動作手順例を示すシーケンス図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を適宜参照して、本開示に係るワイヤレスマイクシステム、受信機および音声出力方法を具体的に開示した実施の形態について、詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えばすでによく知られた事項の詳細説明及び実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の記載の主題を限定することは意図されていない。
【0013】
<システム構成>
まず、
図1を参照して、本実施の形態に係るワイヤレスマイクシステムのシステム構成例および受信機のハードウェア構成例について説明する。
図1は、ワイヤレスマイクシステム1のシステム構成例および受信機10のハードウェア構成例を示すブロック図である。以下の実施の形態(本実施の形態)では、ワイヤレスマイクシステム1は、例えば企業の会議室等で複数の社員が参加者として参加する会議中に使用されるものとして説明するが、ワイヤレスマイクシステム1のユースケースは会議に限定されなくてよい。
【0014】
ワイヤレスマイクシステム1は、受信機10と、複数のワイヤレスマイク20と、PC30と、を含む。受信機10、ワイヤレスマイク20、PC30の個々の構成例の詳細については後述する。受信機10と複数のワイヤレスマイク20のそれぞれとは、後述する無線通信規格にしたがって無線接続を確立した上で無線通信を互いに行う。受信機10とPC30とは、有線接続によってデータ通信が可能であり、例えばLAN(Local Area Network)ケーブルあるいはUSB(Universal Serial Bus)ケーブルを介して有線接続される。なお、受信機10とPC30とは、受信機10と複数のワイヤレスマイク20のそれぞれとの間と同様に、無線接続した上で無線通信を互いに行ってもよい。
【0015】
受信機10は、マイク子機として機能する1個以上のワイヤレスマイク20に対する無線通信の親機として機能し、会議が行われる会議室等の開催場所の所定位置に配置される。受信機10と複数のワイヤレスマイク20のそれぞれとの間では、無線信号(例えば音声信号もしくは制御信号)が、時分割多元接続方式の無線通信規格(例えば時分割多重通信方式)に則った無線回線を通じて送受信される。ワイヤレスマイク20の使用者(ユーザ)はワイヤレスマイク20に音声を入力する(例えば発話する)と、ワイヤレスマイク20により収音された音声信号が、無線回線を通じて受信機10に送信される。ここで、時分割多重通信方式の無線通信規格は、例えば2011年に策定されたデジタルコードレス電話機の標準規格である周波数帯1.9GHz帯のDECT(Digital Enhanced Cordless Telecommunication)方式を用いるとして説明する。但し、時分割多重通信方式の無線通信規格は、DECTに限定されなくてもよいことは言うまでもない。
【0016】
ここで、DECT方式の通信で使用されるキャリアの周波数帯域について簡単に説明する。
【0017】
DECT方式の無線通信は、1.9GHz帯(具体的には、1895.616MHz~1904.256MHz)において合計6つの周波数帯域を使用する。6つの周波数帯域は、1895.616MHzを中心周波数とするキャリア(搬送波のこと。以下同様。)と、1897.344MHzを中心周波数とするキャリアと、1899.072MHzを中心周波数とするキャリアと、1900.800MHzを中心周波数とするキャリアと、1902.528MHzを中心周波数とするキャリアと、1904.256MHzを中心周波数とするキャリアである。これらの周波数帯域は、例えば特許第6982806号の
図2にて詳述されている。
【0018】
これらの周波数帯域は重ならないため、電波の干渉が生じにくく、無線通信の障害が起こりにくい。また、1.9GHz帯を用いるDECT通信は、例えば無線LANあるいは電子レンジ等の機器が発する電波とも干渉しないため、ワイヤレスマイクシステム1における音声信号の品質の維持が可能となる。また、受信機10およびワイヤレスマイク20は、DECT通信の1フレーム期間ごとに、それぞれの周波数帯域の使用状況(例えばキャリアもしくはスロット等のリソースの空き具合)を常時あるいは定期的にモニタリングしており、最適な周波数帯域を選択することにより1.9GHz帯の周波数帯域を効率よく利用できる。なお、DECT通信の標準仕様によれば、受信機10は、TDMA(Time Division Multiplex Access)およびFDMA(Frequency Division Multiplex Access)を組み合わせることにより、複数のワイヤレスマイク20のそれぞれと同時に無線通信を行うことができる。また、スロットについては上述した特許第6982806号の
図3にて詳述されているので、ここではスロットの説明は省略する。
【0019】
受信機10は、複数のワイヤレスマイク20のそれぞれとの間で無線通信を行う。受信機10は、
図1に示すように、受信機制御部11と、k(k:1以上の既定の整数)個の無線制御部と、k個の無線部と、k個の送受信アンテナと、k個の送受信アンテナと、音声チャネル管理部14と、メモリ15と、音声制御部16と、n(n:2以上の既定の整数)個の音声出力部と、n個のスピーカと、を含む。受信機10は、表示部DP1と、操作部IN1と、をさらに含んでもよい。
【0020】
受信機制御部11は、例えばCPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphical Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の電子デバイスのうち少なくとも1つが実装された半導体チップにより構成される。受信機制御部11は、受信機10の全体的な動作を司るコントローラとして機能し、受信機10の各部の動作のタイミング等を統括するための制御処理、受信機10の各部との間のデータの入出力処理、データの演算処理およびデータの記憶処理を行う。受信機制御部11は、メモリ15のROM(Read Only Memory)に記憶されたプログラムおよび制御用データを用いることで、各種の処理の実行を実現する。受信機制御部11は、動作中にメモリ15のRAM(Random Access Memory)を使用し、受信機制御部11が生成あるいは取得したデータもしくは情報をメモリ15のRAMに一時的に保存する。
【0021】
k(k:1以上の既定の整数)個の無線制御部は、
図1では、無線制御部121,122,…,12kである。無線制御部121~12kは、受信機制御部11からの動作クロックに基づき、ワイヤレスマイク20との無線接続の確立および解放を制御し、受信機制御部11から指定されるキャリアおよびスロットを無線部に指示する。無線制御部121~12kは、指定されたキャリアおよびスロットに対応付けられたワイヤレスマイク20との間で無線通信を行うように無線部131~13kを制御する。また、無線制御部121~12kは、ワイヤレスマイク20から受信した音声信号を、無線部から取得してメモリ15に一時的に保存する。
【0022】
k個の無線部は、
図1では、無線部131,132,…13kである。無線部131~13kのそれぞれは、ワイヤレスマイクシステム1の同期を制御するための制御信号を生成して定期的にワイヤレスマイク20に送信したり、複数のワイヤレスマイク20のそれぞれから定期的に送られる無線接続用の制御信号を受信したりする。無線部131~13kのそれぞれは、複数のワイヤレスマイク20のそれぞれから受信した1.9GHz帯の周波数を有する音声信号を受信すると復調等の各種の受信処理を施し、対応する無線制御部に送る。
【0023】
k個の送受信アンテナは、
図1では、送受信アンテナAnt11,Ant12,…,Ant1kである。送受信アンテナAnt11~Ant1kのそれぞれは、対応する無線部に接続されている。送受信アンテナAnt11には無線部131が対応し、送受信アンテナAnt12には無線部132が対応し、以下同様にして、送受信アンテナAnt1kには無線部13kが対応する。送受信アンテナAnt11~Ant1kのそれぞれは、対応する無線部からの送信信号(電波)を送信(放射)するとともに、複数のワイヤレスマイク20のそれぞれから送信された音声信号を受信して対応する無線部に送る。
【0024】
また、、
図1では、送受信アンテナAnt21,Ant22,…,Ant2kが送受信アンテナAnt11~Ant1kとは少し位置をずらして配置されている。送受信アンテナAnt21~Ant2kのそれぞれは、対応する無線部に接続されている。送受信アンテナAnt21には無線部131が対応し、送受信アンテナAnt22には無線部132が対応し、以下同様にして、送受信アンテナAnt2kには無線部13kが対応する。送受信アンテナAnt21~Ant2kのそれぞれを送受信アンテナAnt11~Ant1kとは少し位置をずらして配置しているのはフェージング(無線信号のゆらぎ)の影響を抑えるために、少し位置を変えたアンテナを複数個もつことで、より良好な無線通信を行うためである。
【0025】
音声チャネル管理部14は、PC30からの入力に基づいて生成されかつ複数の音声チャネル(後述参照)と複数のワイヤレスマイク20のそれぞれとの使用関係を規定する音声チャネルマトリクスMTX1(
図4参照)をメモリ15から読み出して保持する。音声チャネル管理部14は、音声チャネルマトリクスMTX1に基づいて、ワイヤレスマイク20のマイク番号に対応する音声チャネルを特定(選択)し、そのワイヤレスマイク20から受信した音声信号をどの音声チャネルを介して音声出力するかを制御する。例えば音声チャネル管理部14は、ワイヤレスマイク20から受信した音声信号を音声出力するための音声チャネルを選択し、その選択した音声チャネルの識別情報(例えば音声チャネル番号)を含む、その識別情報に対応する音声チャネルを介した音声出力の指示を音声制御部16に送る。音声チャネルマトリクスMTX1の詳細については、
図4を参照して後述する。
【0026】
メモリ15は、例えば受信機制御部11が行う各種の処理を規定したプログラムとそのプログラムの実行中に使用する制御用データとを格納するROMと、受信機制御部11が行う各種の処理を実行する際に用いるワークメモリとしてのRAMと、を少なくとも有する。ROMには、受信機制御部11が行う各種の処理を規定したプログラムとそのプログラムの実行中に使用する制御用データとが書き込まれている。RAMには、受信機制御部11により生成あるいは取得されたデータもしくは情報(例えば個々のワイヤレスマイク20から受信した音声信号等)が一時的に保存される。なお、RAMに保存されるデータもしくは情報はこれらに限定されない。
【0027】
音声制御部16は、音声チャネル管理部14からの指示(上述参照)に応じて、メモリ15に保存されている音声信号を、その音声信号の送信元であるワイヤレスマイク20のマイク番号に対応する音声チャネルに相当する音声出力部に出力する。ここで、音声チャネルとは、音声信号の出力系統を示し、具体的には、1つの音声出力部およびその音声出力部に対応するスピーカのペアにより構成される。したがって、本実施の形態に係る受信機10は、合計n個の音声チャネルを有することになる。
【0028】
n(n:1以上の既定の整数)個の音声出力部は、
図1では、音声出力部171,172,…、17nと、スピーカSP1,SP2,…,SPnとである。音声出力部171~17nのそれぞれは、対応するスピーカに接続されている。音声出力部171にはスピーカSP1が対応し、音声出力部172にはスピーカSP2が対応し、以下同様にして、音声出力部17nにはスピーカSPnが対応する。音声出力部171~17nのそれぞれは、メモリ15に保存されている音声信号を受信機制御部11を介して取得し、対応するスピーカを介して音声出力する。
【0029】
n個のスピーカは、
図1では、スピーカSP1,SP2,…,SPnである。スピーカSP1~SPnのそれぞれは、対応する音声出力部からの音声信号を音声出力する。
【0030】
外部インターフェース部18は、受信機10とPC30との間で有線あるいは無線で通信を行うネットワークインターフェース回路である。上述したように、有線接続の場合には、LANケーブルあるいはUSBケーブルで接続される。一方、無線接続の場合には、例えばWi-Fi(登録商標)等の無線LAN(Local Area Network)、近距離無線通信(例えばBluetooth(登録商標))等である。
【0031】
表示部DP1は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)あるいは有機EL(Electroluminescence)を用いた表示デバイスであり、操作部IN1による各種の設定内容を表示する。また、表示部DP1は、LED(Light Emission Diode)を用いた発光素子でもよく、無線通信中の受信レベル、音声レベル、ワイヤレスマイク20の登録もしくはバッテリ残量等の各種の状態を点灯もしくは点滅で報知する。
【0032】
操作部IN1は、ユーザインターフェースとしての操作デバイスであり、例えば音量ボリュームつまみ、電源スイッチ、ワイヤレスマイク20の登録時に押下される登録ボタンを含む。
【0033】
次に、
図2を参照して、本実施の形態に係るワイヤレスマイクのハードウェア構成例について説明する。
図2は、ワイヤレスマイク20のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図1では、ワイヤレスマイク20は、ハンドヘルド型であるとして図示しているが、ハンドヘルド型に限定されなくてもよく、例えばグースネック型でもよいし、バウンダリー型でもよく、他の型でも構わない。
【0034】
ワイヤレスマイク20は、発話者(例えば会議の参加者)が発話する時の音声を収音可能であり、さらに、その収音した音声の音声信号をDECT(上述参照)等の無線通信規格にしたがって受信機10との間で無線通信を行う。
【0035】
ワイヤレスマイク20は、
図2に示すように、マイク制御部21と、マイク無線部22と、送受信アンテナAnt121と、送受信アンテナAnt221と、マイクロフォン23と、マイク音声処理部24と、メモリ25と、記憶部26と、バッテリ27と、を含む。ワイヤレスマイク20は、表示部DP2と、操作部IN2と、をさらに含んでもよい。
【0036】
マイク制御部21は、例えばCPU、DSP、FPGA等の電子デバイスのうち少なくとも1つが実装された半導体チップにより構成される。マイク制御部21は、ワイヤレスマイク20の全体的な動作を司るコントローラとして機能し、ワイヤレスマイク20の各部の動作のタイミング等を統括するための制御処理、ワイヤレスマイク20の各部との間のデータの入出力処理、データの演算処理およびデータの記憶処理を行う。マイク制御部21は、メモリ25のROMに記憶されたプログラムおよび制御用データを用いることで、各種の処理の実行を実現する。マイク制御部21は、動作中にメモリ25のRAMを使用し、マイク制御部21が生成あるいは取得したデータもしくは情報をメモリ25のRAMに一時的に保存する。
【0037】
マイク無線部22は、無線接続用の制御信号を定期的に生成して送受信アンテナAnt121を介して受信機10に送る。マイク無線部22は、マイクロフォン23により収音されてマイク音声処理部24により音声信号処理された音声信号を1.9GHz帯の無線信号に変換し送受信アンテナAnt121を介して受信機10に送る。後のマイク無線部22は、受信機10から送信された1.9GHz帯の周波数を有する各種の信号(例えば
図5、
図6、
図7および
図9参照)を送受信アンテナAnt221を介して受信すると復調等の各種の受信処理を施してマイク制御部21に送る。
【0038】
送受信アンテナAnt121は、マイク無線部22からの送信信号(電波)を送信(放射)するとともに、受信機10から送信された各種の信号(例えば
図5、
図6、
図7および
図9参照)を受信してマイク無線部22に送る。
【0039】
送受信アンテナAnt221は送受信アンテナAnt121とは少し位置をずらして配置されている。送受信アンテナAnt221を送受信アンテナAnt121とは少し位置をずらして配置しているのはフェージング(無線信号のゆらぎ)の影響を抑えるために、少し位置を変えたアンテナを複数個もつことで、より良好な無線通信を行うためである。
【0040】
マイクロフォン23は、ワイヤレスマイク20の近傍に存在している発話者(例えば会議の参加者)の発話した音声を収音し、その収音により得られた音声の信号(音声信号)をマイク音声処理部24に送る。
【0041】
マイク音声処理部24は、マイクロフォン23により収音された音声信号に公知の各種音声信号処理を施し、メモリ25に一時的に保存したりマイク制御部21に送ったりする。
【0042】
メモリ25は、例えばマイク制御部21が行う各種の処理を規定したプログラムとそのプログラムの実行中に使用する制御用データとを格納するROMと、マイク制御部21が行う各種の処理を実行する際に用いるワークメモリとしてのRAMと、を少なくとも有する。ROMには、マイク制御部21が行う各種の処理を規定したプログラムとそのプログラムの実行中に使用する制御用データとが書き込まれている。RAMには、マイク制御部21により生成あるいは取得されたデータもしくは情報(例えばマイクロフォン23により収音された発話者の音声信号等)が一時的に保存される。なお、RAMに保存されるデータもしくは情報はこれらに限定されない。
【0043】
記憶部26は、例えばフラッシュメモリであり、マイク制御部21が生成あるいは取得したデータもしくは情報(例えばマイクロフォン23により収音された発話者の音声信号等)を保存する。
【0044】
バッテリ27は、例えば2次電池であり、ワイヤレスマイク20の各部に必要な電力を供給する。バッテリ27は、例えばワイヤレスマイク20が外部の商用電源と電気的に接続している場合には、外部の商用電源から給電を受けて充電してもよい。
【0045】
表示部DP2は、例えばLCDあるいは有機ELを用いた表示デバイスであり、操作部IN2による各種の設定内容または受信機10からの通知内容(例えばワイヤレスマイク20のマイク番号、使用中の音声チャネルの音声チャネル番号)を表示する。
【0046】
操作部IN2は、ユーザインターフェースとしての操作デバイスであり、例えばワイヤレスマイク20の受信機10への登録時に押下される登録ボタン、音量ボリュームつまみ、電源スイッチを含む。
【0047】
次に、
図3を参照して、本実施の形態に係るPCのハードウェア構成例について説明する。
図3は、PCのハードウェア構成例を示すブロック図である。本実施の形態に係るワイヤレスマイクシステム1を構成する外部の入力装置の一例としてPC30を挙げているが、PC30の代わりにスマートフォンもしくはタブレット端末でも構わない。
【0048】
PC30は、PC30単独あるいは受信機10との共働で音声チャネルマトリクスMTX1を生成するためのバンドルソフトウェア(図示略)を実行可能なようにインストールしており、ワイヤレスマイクシステム1の運営者(管理者)の操作に基づいて、音声チャネルマトリクスMTX1を生成して保存したり受信機10に送ったりする。
【0049】
PC30は、
図3に示すように、プロセッサ31と、メモリ32と、記憶部33と、外部インターフェース部34と、を含む。PC30は、表示部DP3と、操作部IN3と、をさらに含んでもよい。
【0050】
プロセッサ31は、例えばCPU、DSP、FPGA等の電子デバイスのうち少なくとも1つが実装された半導体チップにより構成される。プロセッサ31は、PC30の全体的な動作を司るコントローラとして機能し、PC30の各部の動作のタイミング等を統括するための制御処理、PC30の各部との間のデータの入出力処理、データの演算処理およびデータの記憶処理を行う。プロセッサ31は、メモリ32のROMに記憶されたプログラムおよび制御用データを用いることで、各種の処理の実行を実現する。プロセッサ31は、動作中にメモリ32のRAMを使用し、プロセッサ31が生成あるいは取得したデータもしくは情報をメモリ32のRAMに一時的に保存する。プロセッサ31は、例えばワイヤレスマイクシステム1の運営者(管理者)の操作に基づく操作部IN3からの信号に応じて、上述したバンドルソフトウェアを起動し、このバンドルソフトウェア単独あるいは受信機10との間の互いのデータ通信を介して音声チャネルマトリクスMTX1を作成しメモリ32あるいは記憶部33に保存する。
【0051】
メモリ32は、例えばプロセッサ31が行う各種の処理を規定したプログラムとそのプログラムの実行中に使用する制御用データとを格納するROMと、プロセッサ31が行う各種の処理を実行する際に用いるワークメモリとしてのRAMと、を少なくとも有する。ROMには、プロセッサ31が行う各種の処理を規定したプログラムとそのプログラムの実行中に使用する制御用データとが書き込まれている。RAMには、プロセッサ31により生成あるいは取得されたデータもしくは情報(例えば音声チャネルマトリクスMTX1等)が一時的に保存される。なお、RAMに保存されるデータもしくは情報はこれらに限定されない。
【0052】
記憶部33は、例えばフラッシュメモリであり、プロセッサ31が生成あるいは取得したデータもしくは情報(例えば音声チャネルマトリクスMTX1等)を保存する。
【0053】
外部インターフェース部34は、PC30と受信機10との間で有線あるいは無線で通信を行うネットワークインターフェース回路である。上述したように、有線接続の場合には、LANケーブルあるいはUSBケーブルで接続される。一方、無線接続の場合には、例えばWi-Fi(登録商標)等の無線LAN(Local Area Network)、近距離無線通信(例えばBlootooth(登録商標))等である。
【0054】
表示部DP3は、例えばLCDあるいは有機ELを用いた表示デバイスであり、各種の画面(例えばプロセッサ31がバンドルソフトウェア(上述参照)を起動している間のアプリケーション画面(例えば音声チャネルマトリクスMTX1の生成画面))を表示する。
【0055】
操作部IN3は、ユーザインターフェースとしての操作デバイスであり、例えばキーボード、マウス、タッチパッド、タッチパネルを含む。
【0056】
図4は、音声チャネルマトリクスMTX1の一例を示す図である。音声チャネルマトリクスMTX1は、PC30単独で生成され、あるいは、PC30と受信機10との間の互いのデータ通信に基づいて生成される。音声チャネルマトリクスMTX1は、n個の音声チャネル(具体的には、音声出力部171およびスピーカSP1のペア、音声出力部172およびスピーカSP2、…、音声出力部17nおよびスピーカSPnのペア)と複数のワイヤレスマイク20のそれぞれとの使用関係を規定するテーブルである。
図4の例では、n=16であり、ワイヤレスマイク20の個数は20であるが、それぞれの値はあくまで一例であり、それらの値に限定されない。
図4において、マイク番号は、ワイヤレスマイク20のそれぞれの識別情報であり、具体的には、Mc1,Mc2,Mc3,Mc4,Mc5,Mc6,Mc7,Mc8,Mc9,Mc10,Mc11,Mc12,Mc13,Mc14,Mc15,Mc16,Mc17,Mc18,Mc19,Mc20である。同様に、音声チャネル番号は、音声チャネルのそれぞれの識別情報であり、具体的には、Ch1,Ch2,Ch3,Ch4,Ch5,Ch6,Ch7,Ch8,Ch9,Ch10,Ch11,Ch12,Ch13,Ch14,Ch15,Ch16である。
【0057】
使用関係は、それぞれのマイク番号に対して「●」の記号あるいは「〇」の記号が付与されていれば、そのマイク番号のワイヤレスマイク20により収音された音声信号はその付与されている記号の音声チャネル番号を占有的あるいは選択的に使用可能であることを示す。
【0058】
「●」の記号は、登録チャネルを示す。登録チャネルとは、1つのマイク番号に対して必然的に指定される音声チャネルである。したがって、マイク番号Mc1には音声チャネル番号Ch1の音声チャネルが登録チャネルとして登録され、マイク番号Mc2には音声チャネル番号Ch2の音声チャネルが登録チャネルとして登録され、マイク番号Mc3には音声チャネル番号Ch3の音声チャネルが登録チャネルとして登録され、マイク番号Mc4には音声チャネル番号Ch4の音声チャネルが登録チャネルとして登録されている。マイク番号Mc5~MC10には音声チャネル番号Ch5の音声チャネルが登録チャネルとして登録され、マイク番号Mc11~MC20には音声チャネル番号Ch13の音声チャネルが登録チャネルとして登録されている。
【0059】
「○」の記号は、拡張チャネルを示す。拡張チャネルとは、1つのマイク番号に対して登録チャネルに加えて代替的もしくは付加的に指定される音声チャネルである。つまり、登録チャネルが使用中でありその登録チャネルである音声チャネルの使用が不可である場合に、拡張チャネルの登録がなされていれば、その拡張チャネルが使用中でない限り使用可能となる。したがって、マイク番号Mc5~Mc10には音声チャネル番号Ch6~Ch12の音声チャネルが拡張チャネルとして登録され、マイク番号Mc11~Mc20には音声チャネル番号Ch13~Ch16の音声チャネルが拡張チャネルとして登録されている。
【0060】
音声チャネルマトリクスMTX1において、マイク番号と音声チャネル番号とが対応するセルが空欄となっている場合、そのセルに対応する音声チャネルはそのマイク番号のワイヤレスマイク20による音声信号の出力には使用不可であることを示す。
【0061】
例えば状態CON1では、マイク番号Mc2に対して音声チャネル番号Ch2が登録チャネルとして占有的に割り当てられている。つまり、受信機10は、マイク番号Mc2のワイヤレスマイク20から送られた音声信号を音声チャネル番号Ch2に対応する音声チャネル(具体的には、音声出力部172およびスピーカSP2)を介して音声出力する。したがって、受信機10は、マイク番号Mc2以外のマイク番号のワイヤレスマイク20から送られた音声信号を音声チャネル番号Ch2に対応する音声チャネルから音声出力することはできない。なお、詳細な説明は省略するが、マイク番号Mc1と音声チャネル番号Ch1との使用関係、マイク番号Mc3と音声チャネル番号Ch3との使用関係、マイク番号Mc4と音声チャネル番号Ch4との使用関係も同様である。
【0062】
また、マイク番号Mc5~Mc10に対して音声チャネル番号Ch5が登録チャネルとして占有的に割り当てられているとともに、音声チャネル番号Ch6~Ch12が拡張チャネルとして補足的に割り当てられている(例えば状態CON2参照)。このため、マイク番号Mc5~Mc9のいずれのワイヤレスマイク20からの音声信号を音声出力中でなければ、受信機10は、例えばマイク番号Mc10のワイヤレスマイク20からの音声信号を音声チャネル番号Ch5に対応する音声チャネルを介して音声出力することができる。しかしながら、マイク番号Mc5~Mc9のいずれか(例えばマイク番号Mc5)のワイヤレスマイク20からの音声信号を音声チャネル番号Ch5に対応する音声チャネルを介して音声出力中であれば(状態CON3参照)、受信機10は、他のマイク番号(例えばマイク番号Mc8)のワイヤレスマイク20からの音声信号を未使用中の拡張チャネルのうちの若番の音声チャネル番号(例えば音声チャネル番号Ch6)に対応する音声チャネルを介して音声出力することができる(状態CON4参照)。
【0063】
なお、受信機10は、2種類の動作モード(例えば通常モードと会議モード)を有し、所定条件を満たす時に動作モードを通常モードから会議モードに切り替えしてもよい。ここで、所定条件とは、例えばPC30からの動作モードを会議モードへの要求を受信したこと、所定時間帯(例えば予め時間が設定されている会議の開催30分前から開催15分前までの15分間)、会議等に使用する対象のワイヤレスマイク20を新たに登録する時(
図5参照)が該当するが、これらの条件に限定されなくてもよい。なお、通常モードは、
図4の音声チャネルマトリクスMTX1において、1つのマイク番号に対して1つのみの音声チャネル番号が割り当て可能となる動作モードである。一方、会議モードは、
図4の音声チャネルマトリクスMTX1に示すように、1つのマイク番号に対して1つの登録チャネルおよび複数の拡張チャネルの登録が可能となる動作モードである。なお、会議モードにおいて、1つのマイク番号に対して1つのみの登録チャネルが登録されても構わない。また、上述した所定条件が満たされなくなった場合には、受信機10は、動作モードを会議モードから通常モードに切り替えてよい。
【0064】
<システム動作手順>
次に、
図5から
図9を参照して、本実施の形態に係るワイヤレスマイクシステムの各種の動作手順例について説明する。
図5は、ワイヤレスマイクシステム1によるワイヤレスマイク20の登録時の動作手順例を示すシーケンス図である。
【0065】
図5において、受信機10の無線制御部121~12kのそれぞれは、無線通信に関する制御信号(制御情報)を定期的に複数のワイヤレスマイク20のそれぞれに送信している(ステップSt0)。受信機10を操作する人物(例えばワイヤレスマイクシステム1の運営者)により、ワイヤレスマイク20を登録するための操作(マイク登録開始の操作)が操作部IN1に入力される(ステップSt1)。この操作では、例えば登録対象となるワイヤレスマイク20のマイク番号と音声チャネル番号とが入力(指定)される。操作部IN1は、ステップSt1で入力されたマイク番号および音声チャネル番号を含むマイク登録許可の指示を生成して受信機制御部11に送る(ステップSt2)。
【0066】
受信機制御部11は、ステップSt2で操作部IN1からのマイク登録許可の指示を取得すると、無線制御部(例えば無線制御部121)に、ワイヤレスマイク20へのマイク登録許可の指示を送信するための指示を送る(ステップSt3)。無線制御部(例えば無線制御部121)は、対応する無線部および送受信アンテナを介して、ワイヤレスマイク20にマイク登録許可の指示を送信する(ステップSt4)。この指示は、現在マイク登録許可中であるステータスを示す制御情報である。
【0067】
ワイヤレスマイク20は、ステップSt4で受信機10からの指示(制御情報)を受信した後に操作部IN3への登録操作を検知すると(ステップSt5)、マイク登録要求を生成して受信機10に送信する(ステップSt6)。受信機10の無線制御部は、ステップSt6で送信されたマイク登録要求を受信機制御部11に送る(ステップSt7)。
【0068】
受信機制御部11は、ステップSt7で送られたマイク登録要求を取得すると該当するワイヤレスマイク20の登録を許可し、さらにその旨のマイク登録成功の通知を生成して無線制御部(例えば無線制御部121)に、マイク登録成功の通知を送信するための指示を送る(ステップSt8)。なお、ここでは説明を簡単にするために、マイク登録要求の対象となったワイヤレスマイク20の登録は成功する(つまり、マイク番号に対して登録チャネルの割り当ては音声チャネルマトリクスMTX1に対してまだなされていない)としている。受信機制御部11は、ワイヤレスマイク20の登録を許可したことに伴い、マイク登録成功の通知(マイク登録通知)を音声チャネル管理部14に送る(ステップSt9)。この通知には、ステップSt1で入力(指定)されたマイク番号および音声チャネル番号が含まれている。音声チャネル管理部14は、ステップSt9の通知に基づいて、該当するマイク番号および音声チャネル番号の使用関係を音声チャネルマトリクスMTX1に追加設定(更新)する(ステップSt10)。これにより、受信機10は、ステップSt1で入力(指定)されたマイク番号の登録チャネルの設定を完了できてそのマイク番号に対応するワイヤレスマイク20から送信される音声信号を、登録された音声チャネル番号に対応する音声チャネルを介して音声出力することができる。
【0069】
無線制御部(例えば無線制御部121)は、対応する無線部および送受信アンテナを介して、該当するワイヤレスマイク20にマイク登録成功の通知を送信する(ステップSt11)。該当するワイヤレスマイク20は、ステップSt11で送信されたマイク登録成功の通知を受信すると、登録情報(具体的には、マイク番号と使用可能に登録された音声チャネル番号)をメモリ25あるいは記憶部26等に保存する(ステップSt12)。
【0070】
なお、受信機制御部11は、ステップSt8でマイク登録成功の通知を生成したことに伴い、マイク登録禁止(つまり、そのマイク番号のワイヤレスマイク20に他の音声チャネル番号を登録チャネルとして新たに登録しない旨)の通知を生成して無線制御部(例えば無線制御部121)に、マイク登録禁止の通知を送信するための指示を送る(ステップSt13)。無線制御部(例えば無線制御部121)は、対応する無線部および送受信アンテナを介して、該当するワイヤレスマイク20にマイク登録禁止の通知(制御情報)を送信する(ステップSt14)。
【0071】
図6は、ワイヤレスマイクシステム1による拡張チャネルの編集時の動作手順例を示すシーケンス図である。
【0072】
図6において、PC30を操作する人物(例えばワイヤレスマイクシステム1の運営者もしくユーザ)により、音声チャネルマトリクスMTX1の編集開始を行うための操作が操作部IN3に入力される(ステップSt21)。PC30は、ステップSt21の操作に基づいて、音声チャネルマトリクスMTX1の要求を生成して外部インターフェース部18に送る(ステップSt22)。外部インターフェース部18で受信された音声チャネルマトリクスMTX1の要求は受信機10の受信機制御部11に送られる。受信機制御部11は、ステップSt22で送られた音声チャネルマトリクスMTX1の要求を音声チャネル管理部14に送る(ステップSt23)。
【0073】
音声チャネル管理部14は、メモリ15に保存されている音声チャネルマトリクスMTX1のデータを呼び出して取得し(ステップSt24)、受信機制御部11に通知する(ステップSt25)。受信機制御部11は、外部インターフェース部18を介して音声チャネルマトリクスMTX1のデータをPC30に送る(ステップSt26)。
【0074】
ここで、PC30を操作する人物(例えばワイヤレスマイクシステム1の運営者もしくユーザ)により、音声チャネルマトリクスMTX1の編集(例えば拡張チャネルの編集)を行うための操作が操作部IN3に入力される(ステップSt27)。PC30は、ステップSt27の操作に基づいて、音声チャネルマトリクスMTX1の変更要求を生成して外部インターフェース部18に送る(ステップSt28)。外部インターフェース部18で受信された音声チャネルマトリクスMTX1の変更要求は受信機10の受信機制御部11に送られる。受信機制御部11は、ステップSt28で送られた音声チャネルマトリクスMTX1の変更要求を音声チャネル管理部14に送る(ステップSt29)。
【0075】
音声チャネル管理部14は、ステップSt29で送られた変更要求に基づいて、音声チャネルマトリクスMTX1の該当部分の変更を行い(ステップSt30)、音声チャネルマトリクスMTX1の変更を行った旨の通知を生成して受信機制御部11に通知する(ステップSt31)。受信機制御部11は、外部インターフェース部18を介して変更後の音声チャネルマトリクスMTX1のデータをPC30に送る(ステップSt32)。
【0076】
図7は、ワイヤレスマイクシステム1によるワイヤレスマイク20の通話開始時の動作手順例を示すシーケンス図である。
図8は、音声チャネル管理部14による音声チャネルの選択時の動作手順例を示すフローチャートである。
図8のフローチャートは、
図7のステップSt44のサブルーチンの一例である。
図7の説明の前提として、ワイヤレスマイク20は
図5のシーケンスにしたがってマイク登録の処理が済んでいる。
【0077】
図7において、ワイヤレスマイク20は、その使用者である人物(例えば会議の参加者)が通話開始用のボタンを押下すると(ステップSt41)、通話開始要求を生成して受信機10に送る(ステップSt42)。受信機10の受信機制御部11は、ステップSt42で送られた通話開始要求を受信すると、その送信元であるワイヤレスマイク20のマイク番号に対応する音声チャネル番号の選択を要求するための音声チャネル選択要求を生成して音声チャネル管理部14に送る(ステップSt43)。音声チャネル管理部14は、ステップSt43で送られた音声チャネル選択要求に基づいて、音声チャネル番号の選択を行う(ステップSt44)。ステップSt44の処理の詳細については、
図8を参照して後述する。
【0078】
音声チャネル管理部14は、音声チャネル番号の選択に成功できた場合(
図8参照)、その選択された音声チャネル番号を通知するための音声チャネル選択通知を生成して受信機制御部11に送る(ステップSt45)。受信機制御部11は、ステップSt45で送られた音声チャネル選択通知に基づいて、該当するマイク番号のワイヤレスマイク20からの音声信号の音声出力を開始するための音声通話開始要求を生成して音声制御部16に送る(ステップSt46)。音声制御部16は、ステップSt46で送られた音声通話開始要求に基づいて、該当する音声チャネルに対応する音声出力部を選択し、その音声出力部に音声信号を音声出力するための音声出力要求を生成して送る(ステップSt47)。また、音声制御部16は、該当するマイク番号のワイヤレスマイク20からの音声信号の音声出力部からの音声出力の開始に成功した旨の音声通話開始通知を生成して受信機制御部11に送る(ステップSt48)。受信機制御部11は、ステップSt48で送られた音声通話開始通知に基づいて、ステップSt42の音声通話要求に対する処理を実行した旨の通話開始応答を生成し、音声通話要求の送信元であるワイヤレスマイク20に送信する(ステップSt49)。これにより、ワイヤレスマイク20から送信される音声信号が受信機10において受信され、そのワイヤレスマイク20のマイク番号に対応する音声チャネル番号の音声チャネルから音声出力されて音声拡声状態となる(ステップSt50)。
【0079】
図8において、音声チャネル管理部14は、変数m=0を設定し(ステップSt441)、変数mをインクリメントする(ステップSt442)。音声チャネル管理部14は、現在の変数m(つまり、音声チャネル番号を示す変数m)が未使用であるか否かを、音声チャネルマトリクスMTX1に基づいて判定する(ステップSt443)。現在の変数m(つまり、音声チャネル番号を示す変数m)が未使用でない(つまり、使用中)であると判定された場合(ステップSt443、NO)、音声チャネル管理部14は、現在の変数mが最大値である16であるか否かを判定する(ステップSt444)。音声チャネル管理部14は、現在の変数mが最大値である16であると判定した場合(ステップSt444、YES)、未使用中の音声チャネルを選択することに失敗した旨のチャネル選択通知(失敗)を生成する(ステップSt448)。
【0080】
一方、現在の変数mが最大値である16でないと判定された場合には(ステップSt444、NO)、音声チャネル管理部14の処理はステップSt442に戻る。
【0081】
音声チャネル管理部14は、現在の変数m(つまり、音声チャネル番号を示す変数m)が未使用であると判定した場合(ステップSt443、YES)、その音声チャネル番号の音声チャネルは選択可能であるか否かを音声チャネルマトリクスMTX1に基づいて判定する(ステップSt445)。これは、例えば該当する音声チャネル番号が使用中(例えば通話中)であるか否かによって判定可能である。未使用の音声チャネル番号の音声チャネルが選択可能ではないと判定された場合(ステップSt445、NO)、音声チャネル管理部14の処理はステップSt444に戻る。
【0082】
一方、音声チャネル管理部14は、未使用の音声チャネル番号の音声チャネルが選択可能であると判定した場合(ステップSt445、YES)、音声チャネルマトリクスMTX1中の該当する音声チャネル番号を使用中に設定する(ステップSt446)。これにより、音声チャネル管理部14は、未使用中の音声チャネルを選択することに成功した旨のチャネル選択通知(成功)を生成する(ステップSt447)。
【0083】
図9は、ワイヤレスマイクシステム1によるワイヤレスマイク20の通話終了時の動作手順例を示すシーケンス図である。
図9の説明の前提として、ワイヤレスマイク20は
図7のシーケンスにしたがって通話状態(音声拡声状態)となっている(ステップSt50)。
【0084】
図9において、ワイヤレスマイク20は、その使用者である人物(例えば会議の参加者)が通話終了用のボタンを押下すると(ステップSt51)、通話終了要求を生成して受信機10に送る(ステップSt52)。受信機10の受信機制御部11は、ステップSt52で送られた通話終了要求を受信すると、その送信元であるワイヤレスマイク20のマイク番号に対応する音声チャネルを介した音声信号の音声出力の停止を要求するための音声通話停止要求を生成して音声制御部16に送る(ステップSt53)。この音声通話停止要求には、現在通話中のワイヤレスマイク20のマイク番号に対応する音声チャネル番号が含まれる。音声制御部16は、ステップSt53で送られた音声通話停止要求に基づいて、該当する音声チャネル番号の音声チャネルを介した音声信号の音声出力の停止を該当する音声出力部に指示する(ステップSt54)。
【0085】
音声制御部16は、ステップSt54で音声信号の音声出力の停止を指示した後、該当する音声チャネル番号の音声チャネルを介した音声信号の音声出力を停止した旨の通知(音声通話停止通知)を生成して受信機制御部11に送る(ステップSt55)。受信機制御部11は、ステップSt55で送られた音声通話停止通知に基づいて、該当するマイク番号に対応する音声チャネルの解放を音声チャネル管理部14に指示する(ステップSt56)。音声チャネル管理部14は、ステップSt56の指示に基づいて、音声チャネルマトリクスMTX1中の該当する音声チャネル番号を未使用に解放する処理を行う(ステップSt57)。また、音声チャネル管理部14は、音声チャネル番号の解放処理を実行した後、その該当する音声チャネル番号の解放処理を終了した旨の音声チャネル解放通知を生成して受信機制御部11に送る(ステップSt58)。受信機制御部11は、ステップSt58で送られた音声チャネル解放通知に基づいて、ステップSt52の通話終了要求に対する処理を実行した旨の通話終了応答を生成し、通話終了要求の送信元であるワイヤレスマイク20に送信する(ステップSt59)。これにより、ワイヤレスマイク20から送信された音声信号の受信機10での音声出力が停止される。
【0086】
以上により、本実施の形態に係るワイヤレスマイクシステム1は、入力装置(例えばPC30)と、発話者の音声を収音可能かつ音声の音声信号を無線通信可能な複数のワイヤレスマイク20のそれぞれとの間で無線通信可能であり、ワイヤレスマイク20から送信される音声信号を受信し複数の音声チャネルのうちいずれかを用いて音声出力する受信機10と、を備える。受信機10は、入力装置からの入力に基づいて生成されかつ複数の音声チャネルと複数のワイヤレスマイク20との使用関係を規定する音声チャネル管理データ(例えば音声チャネルマトリクスMTX1)を保持し、音声チャネル管理データに基づいて、ワイヤレスマイク20から送られる発話者の音声信号を音声出力する。これにより、ワイヤレスマイクシステム1は、PC30からの入力に基づいて生成される音声チャネルマトリクスMTX1に基づいて会議等の参加者(発話者)による発言の機会設定をフレキシブルに行えて、利便性の向上を図ることができる。
【0087】
また、受信機10は、複数の音声チャネルの個数n(n:2以上の既定の整数)と一致するn個の音声出力部(例えば音声出力部171およびスピーカSP1のペア、音声出力部172およびスピーカSP2のペア、…、音声出力部17nおよびスピーカSPnのペア)をさらに備える。これにより、受信機10は、最大n個の音声出力部を用いて、n個の音声チャネルのそれぞれに対応するワイヤレスマイク20からの音声信号を受信して音声出力することができる。
【0088】
また、音声チャネル管理データ(例えば音声チャネルマトリクスMTX1)は、入力装置(例えばPC30)からの入力に基づいて、複数の音声チャネルと複数のワイヤレスマイク20との使用関係の編集が可能に構成される。これにより、ワイヤレスマイクシステム1は、PC30単独あるいはPC30と受信機10との共働で音声チャネルマトリクスMTX1を簡易に生成したり、その一部あるいは全部の内容を簡易に編集したりすることができる。
【0089】
また、音声チャネル管理データ(例えば音声チャネルマトリクスMTX1)は、1個のワイヤレスマイク20に、複数の音声チャネルのうち1つ以上の使用可能な音声チャネルを割り当てる。例えばマイク番号Mc1に対応して音声チャネル番号Ch1が割り当てられ、マイク番号Mc5なら音声チャネル番号Ch5~Ch12が割り当てられる。これにより、ワイヤレスマイクシステム1は、1つのワイヤレスマイク20に対し、1つ以上の音声チャネル(つまり1つだけの占有的な音声チャネル、または選択可能な複数の音声チャネル)を使用可能に自由かつ柔軟に設定することができる。
【0090】
また、音声チャネル管理データ(例えば音声チャネルマトリクスMTX1)は、1個のワイヤレスマイク20に、複数の音声チャネルのうち1つ以上の使用不可な音声チャネルを割り当てる。例えばマイク番号Mc1なら音声チャネル番号Ch2~Ch16が割り当てられ、マイク番号Mc5なら音声チャネル番号Ch1~Ch4,Ch13~Ch16が割り当てられる。これにより、ワイヤレスマイクシステム1は、1つのワイヤレスマイク20に対し、1つ以上の使用不可な音声チャネルを設定できるので、ワイヤレスマイク20に対して必要以上に音声チャネルの割り当てを抑制することができる。
【0091】
また、音声チャネル管理データ(例えば音声チャネルマトリクスMTX1)は、複数のワイヤレスマイク20のうち一部となる複数のワイヤレスマイク20(例えばマイク番号Mc5~MC10のそれぞれのワイヤレスマイク20)に、同一の複数の音声チャネル(例えば音声チャネル番号Ch5~Ch12のそれぞれの音声チャネル)を使用可能に割り当てる。これにより、ワイヤレスマイクシステム1は、会議等において複数人からなるチームの誰が発言し得る可能性があるシーンにおいて、その一部の複数のワイヤレスマイク20のうちどのワイヤレスマイク20を用いて発言者が発言しても複数の音声チャネルのうち空き状態となっている音声チャネルを介して音声出力することができ、発言の機会を平等(均等)に与えることができてフレキシブルに優れた会議運営等の運用を展開することができる。
【0092】
また、受信機10は、複数のワイヤレスマイク20のうち任意のワイヤレスマイク20から通話開始要求を受信すると、音声チャネル管理データ(例えば音声チャネルマトリクスMTX1)に基づいて、複数の音声チャネルのうち任意のワイヤレスマイク20に対応する使用可能な音声チャネルを選択し、その選択された音声チャネルを介して任意のワイヤレスマイク20から送られる発話者の音声信号を音声出力する。これにより、受信機10は、音声チャネルマトリクスMTX1に登録チャネルあるいは登録チャネルおよび拡張チャネルが登録(設定)されたマイク番号に対応する音声チャネルを介して、そのマイク番号のワイヤレスマイク20から送られる音声信号を適切に音声出力することができる。
【0093】
また、受信機10は、複数のワイヤレスマイク20のうち通話中のワイヤレスマイクから通話終了要求を受信すると、通話中のワイヤレスマイク20に使用中の音声チャネルを解放して音声チャネル管理データ(例えば音声チャネルマトリクスMTX1)を更新する。これにより、受信機10は、通話終了を要求したワイヤレスマイク20のマイク番号に対応する音声チャネルを解放して音声チャネルマトリクスMTX1を更新することにより、その解放の対象となった音声チャネルを新たに登録要求のあるワイヤレスマイク20のマイク番号を登録(設定)することができる。
【0094】
また、受信機10は、所定条件を満たすと動作モードを通常モードまたは特定モード(例えば会議モード)に切り替え可能である。ここで所定条件とは、例えばPC30からの動作モードを会議モードへの要求を受信したこと、所定時間帯(例えば予め時間が設定されている会議の開催30分前から開催15分前までの15分間)、会議等に使用する対象のワイヤレスマイク20を新たに登録する時(
図5参照)が該当するが、これらの条件に限定されなくてもよい。通常モードでは、受信機10は、1個のワイヤレスマイク20に、複数の音声チャネルのうち1つのみ使用可能な音声チャネルを割り当てる。特定モードでは、受信機10は、1個のワイヤレスマイク20に、複数の音声チャネルのうち1つ以上の使用可能な音声チャネルを割り当てる。
【0095】
また、本実施の形態に係る受信機10は、発話者の音声を収音可能かつ音声の音声信号を無線通信可能な複数のワイヤレスマイク20のそれぞれとの間で無線通信する無線通信部(例えば送受信アンテナAnt11および送受信アンテナAnt21が接続された無線部131、送受信アンテナAnt12および送受信アンテナAnt22が接続された無線部132、…、送受信アンテナAnt1kおよび送受信アンテナAnt2kが接続された無線部13kと、ワイヤレスマイク20から受信した音声信号を複数の音声チャネルのうちいずれかを用いて音声出力する音声出力部(例えば音声出力部171およびスピーカSP1のペア、音声出力部172およびスピーカSP2のペア、…、音声出力部17nおよびスピーカSPnのペア)と、入力装置(例えばPC30)からの入力に基づいて生成されかつ複数の音声チャネルと複数のワイヤレスマイク20との使用関係を規定する音声チャネル管理データ(例えば音声チャネルマトリクスMTX1)を保持し、音声チャネル管理データに基づいて、ワイヤレスマイク20から送られる発話者の音声信号の音声出力を制御するチャネル制御部(例えば音声チャネル管理部14)と、を備える。これにより、受信機10は、PC30からの入力に基づいて生成される音声チャネルマトリクスMTX1に基づいて会議等の参加者(発話者)による発言の機会設定をフレキシブルに行えて、利便性の向上を図ることができる。
【0096】
以上、添付図面を参照しながら実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても本開示の技術的範囲に属すると了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本開示は、参加者による発言の機会設定をフレキシブルに行い、利便性の向上を図るワイヤレスマイクシステム、受信機および音声出力方法として有用である。
【符号の説明】
【0098】
1 ワイヤレスマイクシステム
10 受信機
11 受信機制御部
14 音声チャネル管理部
15、25、32 メモリ
16 音声制御部
18 外部インターフェース部
20 ワイヤレスマイク
21 マイク制御部
22 マイク無線部
23 マイクロフォン
24 マイク音声処理部
26、33 記憶部
27 バッテリ
31 プロセッサ
121、122、12k 無線制御部
131、132、13k 無線部
171、172、17n 音声出力部
DP1、DP2、DP3 表示部
IN1、IN2、IN3 操作部
Ant11、Ant12、Ant1k、Ant121 送受信アンテナ
Ant21、Ant22、Ant2k、Ant221 送受信アンテナ
SP1、SP2、SPn スピーカ